問題7-2-2 解説

(a) 2つのプレート間の相対速度ベクトルについては,プレートが3つある場合,関係式 \[ {_A}{\bf V}{_B} + {_B}{\bf V}{_C} + {_C}{\bf V}{_A} = 0, \] が常に成り立ちます.この式から, \({_A}{\bf V}{_C} = -{_C}{\bf V}{_A}\) などを用いて, \[ {_A}{\bf V}{_B} = {_A}{\bf V}{_C} + {_C}{\bf V}{_B}, \] となります(和を取るとき中間の添字が消えます).すると, \({_A}{\bf V}{_B}\) は図のような頂角 135° の2等辺三角形の底辺となり,方向は南から西へ 67.5° で大きさは余弦定理などから求められます.また,プレート A は B と C に対して, C は B に対して上盤であることに注意すると,速度空間表示における直線 ab, bc, ca は図のように1点で交わり,3重会合点 J は安定です.

2海溝が直線状のTTT型3重会合点での速度空間表示

(b) \({_C}{\bf V}{_B}\) の大きさは片側拡大速度の2倍の 4 cm/yr で,3つの速度ベクトルの三角形は図のようになり, \({_A}{\bf V}{_B}\) は頂角 45° の2等辺三角形の底辺となります.速度空間表示の直線 bc は線分 BC の垂直2等分線で,3直線 ab, bc, ca は1点で交わります.

2海溝が直線状のTTR型3重会合点での速度空間表示(その1)

(c) 3つの速度ベクトルの三角形の形は(a)と同じ頂角 135° の2等辺三角形で,底辺が \({_A}{\bf V}{_C}\) となります.従って, \({_A}{\bf V}{_C}\) は(a)の \({_A}{\bf V}{_B}\) と同じ向きと大きさです.しかし,速度空間表示では直線 bc が ab, ca と離れ,3重会合点 J の移動速度は大きくなります.

2海溝が直線状のTTR型3重会合点での速度空間表示(その2)