言葉の世界・伝言板 2004年1月



全然違う

きしろふ (2004/01/31 22:30)

いろいろな英語の単語の中には一つの単語で全く脈絡のない意味がいくつもあるんですが、「well」と「fine」、(これはギリシャ語になってしまいますが)「metro」については分からなかったので、お力を貸してください。
・「well」は「良い」の他に「井戸」という意味があるがなぜ「井戸」なのか?
・「fine」は「良い、すばらしい」の他に「罰金」という「悪い」イメージの意味があるのはなぜか?
・「metro」には「母」や「尺度」などといった意味があるが「母」と「尺度」との関係は?
宜しくお願い致します。



数学の記号は・・・

きしろふ (2004/01/31 21:48)

高駒麗人komaさんやらにいさん、Maniac C.さんの書き込みをみて私も高校の数学で習った記号を思い出しました。
「S」は数列だと「全体の数」ということになりますが、ほかでは「面積」に使われています。「P」は「順列」で「C」は「組み合わせ」というように。「刀vの「○」をとれば積分に使われる記号。いやぁ、覚えたなぁ・・・
「r」は「半径」で「radius」の頭文字、「d」は「直径」で「diameter」の頭文字。これらだけは元を知っています。



Re:opera

鴛鴦 (2004/01/31 10:06)

>Maniac C.さん
>「語頭母音の違いが気になっただけです。あまり気に病まないでください。」
分かりました。ありがとうございます。これで心臓を休める・・・・じゃなかった心休めます。
>「どれが『下から2番目』か判りませんでしたが」
すいません、文章そのままでリンクの貼り方を修正してしまいました。
「 http://www.mc-club.ne.jp/interview/saegusa/body_1.html 」のページです。



RE:temperantia

らにい (2004/01/31 10:01)

>Maniac C.さん
こちらのほうもお答えありがとうございます。
これからは一応私なりに「ラテン語」は「古典ラテン語」ということを前提に(勝手に ^^;)おきますので、ご了承下さい。



日本漢字音と入声

Maniac C. (2004/01/31 04:45)

>massangeanaさん
お久しぶりです! 素早い応答と、いつもながらの鋭い突っ込み、有り難う存じます。

>その記憶はちょっとおかしいです :-)
→あら!? そでしたか。記憶違い、失礼いたしました。

>これは入声に由来する「ツ」が -t と発音されたことの根拠にはなりますが, それ以外の「フ・チ
>・ク・キ」についてはわかりません。
→そうですね……。一往、ichi についての同様な記述も有るのですが、『平治物語』
とは時代も違いますしね。
■では、拙論ですが、いくつかの根拠を上げます。宜しくご批判ください。
■奈良時代以前に借用された漢字音(六朝音)は、入声韻尾のみならず、鼻音韻尾も、「相
模」「信濃」「美作」などの地名に残るように、開音節で受容された。奈良時代から
平安時代初期に借用された呉音では、鼻音韻尾は基本的に仮名文字では無表記だが、
それ故、母音無しで、-G, -n, -m と発音されたと推測されている。又、連声で「観音」
が「かんのん」、「濫悪」が「らんまく」となることからも傍証される。時代は下るが、
『平家物語』には「供養ぜられける」という、-G 韻尾の連声が見られる。
■この鼻音韻尾と同様に、入声韻尾も、呉音では「キ」「チ」と母音付きで借用されて
いるように見える読みが在るが、特に喉内入声(-k)音の場合、その使い分けは非常に
明瞭で、「ア・ウ・オ」という後舌母音の後では必ず「ク」と受容され、「キ」と受容
されるのは「イ・エ」という前舌母音の後である。これは先行同化と考えられる。
先行母音が「イ」の場合のみ、「イク」と「イキ」の2種類の読みが在るが、実は「イ
ク」=屋韻[(i)uk],「イキ」=職韻[(i)@k]ときれいに対応する。「イク」と受容され
るのは、やはり介音に後舌母音[u]を含む合口呼の場合なのである。舌内入声(-t)音の
場合、喉内入声音ほど明瞭ではないが、ほぼ同様の傾向が見られる。これが漢音と
なると、全て「ク」「ツ」と母音無しの(つまり、先行同化が文字化されない)読みに
変わる。又、特に舌内入声音の場合、鼻音韻尾同様、「雪隠」「屈惑」などの連声が
見られる。
■唇内入声(–p)音の場合、いささか上記2種の入声韻尾と事情が異なる。まづ、呉音
でも先行同化が文字化されて「-ヒ」となったりせず、常に「-フ」である(唯一の例外
かも知れないのは、方言に残る「キビショ=急須」)。それから、ハ行転呼の問題が
在る。又、現在、慣用音として「-ツ」と読まれているものの中に、実は唇内入声の「圧」
「雑」「拉」などの漢字が在る、という点(実は喉内入声の「冊」なども在る)。
■ロドリゲスの時代には、既に「-フ(-p)」と「-ウ(-G)」、或いは「-フ(-p)」と「-ツ
(-t)」の混同が始まっていた。従って、ロドリゲスの記述からは –p 音が母音無しで
発音されていたかどうかは推測できない。
■しかし、呉音から先行同化が文字化されておらず、漢音の喉内入声や舌内入声と
同じ表記である点や、唇内入声であるにも関わらず、古くから舌内入声と混同されて
いる漢字が在る、という点から、私は、平安時代の教養層は、舌内入声だけでなく、
喉内入声や唇内入声も、母音無しで発音していたであろうと推測する。



「おかしい」について

Maniac C. (2004/01/31 02:10)

>高校生YMさん
>「笑うべきだ・変わっている・変だ」以外の意味がなくなってしまったのには何か理由があるのでしょうか?
→難しい質問ですね(^^;)。もし判ったら、一冊の本が書けると思います(^-^)。
飽くまでも私の推測ですが、理由を2つ挙げておきましょう。
■1つは、新しい意味ほど頻繁に使われ、古い意味ほど忘れられていくものだから、
という一般的な理由。特に形容詞の意味というのは、「山」のような、意味するもの
が目に見えて、時間が経っても変わらないものとは違い、感覚的なものですので、今
と昔とで違うもの(古今異義語)が多く在ります。重要古語とされるものの中でも、
「あはれなり」「あやし」「ありがたし」「うつくし」「かしこし」「かなし」
「すさまじ」「なさけなし」「めでたし」など、思い当たるものがいくつも在る
でしょう? 目に見えるものでも、「くるま」のように、「車輪」→「牛車」→
「荷車」→「人力車」→「自動車」と、時代によって指すものが変わっていく言葉も
在りますよ。
■もう1つは、「面白し」や「見事なり」などの意味が拡大してゆき、昔の「をかし」
が持っていた意味を奪っていったのではないか、という理由。「面白し」の「おも」
は「おもて」にも繋がる言葉で、「顔の正面」→「眼前」の意味でした。「白し」は
「著し」で、「明るくハッキリしている」の意味。ですから、元々は「風景など、
明るいものを見て、眼前がパッと開けるような、心が晴れ晴れする気持ち」を意味
していました。それが芸能・遊宴などについても「心が明るく楽しい」という意味で
使われるようになり、それがそのまま現在の「心惹かれる・感興が湧く」という意味
に繋がります。又、「見事」は文字通り、「見る価値の有る物」で、そこから「立派
な物・すばらしい物」という意味が生まれました。これらが「をかし」に替わって
頻繁に使われるようになった結果、ますます「をかし」の古い意味が使われなくなり、
忘れ去られたのではないでしょうか。

又の質問をお待ちしております。



opera

Maniac C. (2004/01/31 00:19)

>鴛鴦さん
>ラテン語の詳しい時期を知らないとは・・・。
→語頭母音の違いが気になっただけです。あまり気に病まないでください。

>下から2番目のリンクはManiac C.さんも参考にされました?
→いえ。どれが「下から2番目」か判りませんでしたが、どれも初めて見るHPでした。

>ネットだけだと限界があるのかなぁ・・・?
→そうですね。特に日本語のHPだけですと、どこかからの孫引きになっていることも
まま有り、嘘の拡大再生産に加担してしまう可能性が在ります。英単語でしたら、
Shusan さんご紹介の Merriam-Webster Online でウラを取ると良いと思います。ただ、
辞書によって記述が異なることも有りますので、できれば複数の辞書(例えばThe
American Heritage Dictionary of the English Language というオンライン辞書も、
語源が載っています)に当たられた方が確実だと思います。

http://www.bartleby.com/61/



temperantia

Maniac C. (2004/01/31 00:18)

>らにいさん
Q1: ラテン語(これも「古典」?)
A1: はい。普通に「ラテン語」と言えば、古典ラテン語です。
Q2: 「temperantia」は「時間」→「適切な時間」→「調整する」→「体を整える」という繋がりできているのでしょうか?
A2: そんな感じです。もう少し詳しく書きますと、「時間」→「適切な時間」→
「調整する」→「抑制する」→「自制・克己」→「(飲食の)節制」となります。
タロー・カードの“節制”もそうですが、精神面の意味が強い単語だと思います。



温度・π・Σ

Maniac C. (2004/01/31 00:17)

>高駒麗人komaさん
>温度をΘで表すようです。
→希臘語で「熱」をθε´ρμηと言うからでしょうね。

>それで自然科学者は、ローマ字では足りず、ギリシャ文字を借用して、…π(圓周率)等を多様(ママ)する事になり、量子力学の文字式などまるでギリシャ語の入門書です。
→πはπεριφε´ρεια(円周)又はπερι´μετροs(周の長さ)に由来
するのですから、これは良いのでは?

■Σは「総和(sum)」の頭文字Sの代わりですから、「ローマ字では足りず、ギリシャ
文字を借用して」と仰るとおりです。ところで sum は summit「頂上会談」と関係の
有る語で; 羅馬人・希臘人は、下から上の方に数える習慣が有ったから、「一番上の
数字(re¯s summa)」が「合計」の意味になったのだそうです。



re:opera 追記 その3

鴛鴦 (2004/01/30 22:16)

事情により3つに分けました。お詫びいたします。

http://2style.net/misa/kogaku/opera.html

もちろん「2」は「2」です。(これも訳ありで表記しています)



re:opera 追記 その2

鴛鴦 (2004/01/30 22:12)

直下の続きです。

http://www.mc-club.ne.jp/interview/saegusa/body_1.html
http://www.linkclub.or.jp/~mroom/contents/opera/opera.html



re:opera 追記

鴛鴦 (2004/01/30 22:10)

参考資料は以下の頁です。

http://www.his-j.com/tyo/music/info_opera.htm
http://www.mmm-hamburg.de/A-Staatsoper.html



re:opera

鴛鴦 (2004/01/30 22:08)

>Maniac C.さん
何から何まで手取り足取り、そして揚げ足取り(^^;)ありがとうございます。
ラテン語の詳しい時期を知らないとは・・・。私もまだまだです(--;)
下に参考にしたリンクの一覧を書き出します。(もしかして下から2番目のリンクはManiac C.さんも参考にされました?)
ネットだけだと限界があるのかなぁ・・・?(といっても今、手元に詳しい資料も無いし)



Re:tempus

らにい (2004/01/30 22:06)

>Maniac C.さん
ふむふむ、それぞれそういう繋がりがあるんですね。大変勉強になります。
ラテン語(これも「古典」?)で「節制」という意味がある「temperantia」は「時間」→「適切な時間」→「調整する」→「体を整える」という繋がりできているのでしょうか?



Re:化学・物理・数学etc記号

らにい (2004/01/30 22:01)

>高駒麗人komaさん
高校では物理はやらなかったのでそこまで記号はみませんでしたが、化学はやっていたので温度などの記号は分かります。
「T」は化学では「温度」でも「絶対温度」で単位記号は「K(ケルビン・Kelvin)」、「t」は摂氏度で単位記号は「℃」、「V」は仰るとおり体積ですが、多くの教科書では「1mol(モル)あたりの体積」を示していて、「v」は「nmolあたりの体積(nは変数)」です。「pv=nRT(pは気圧、Rは気体定数《atm・l/mol・K》)」は「気体の状態方程式」です。
・・・とまぁ、いろいろとアルファベットが使われていますが、「k」だとただの「定数」だったりします。「N」や「r」、「P」がないのは数学と混同させないためかな・・・?



「おかしい」について

高校生YM (2004/01/30 18:35)

ManiacCさんレスありがとうございます。
「笑いべきだ・変わっている・変だ」以外の意味がなくなってしまったのには何か理由があるのでしょうか?



tempus

Maniac C. (2004/01/30 18:06)

>らにいさん
Q1: 「tempest」で……、なぜ「嵐」という意味があるのでしょうか?
A1: 「時間」→「季節」→「季節の天気」→「嵐」というつながりです。
Q2: 「時」と「気分」とどう繋がりがあるのでしょうか?
A2: 「時間」→「適切な時間」→「調整する」→「混ぜ合わせる」→「体液(血液・
 粘液・胆汁・黒胆汁)の混ぜ合わさったもの」→「気質」というつながりです。
Q3: 「tempus」は「古典ラテン語」でしょうか?
A3: はい、その通りです。ご休心ください。

■ついでに、「時間」と「温度」は、「時間」→「季節」→「適切な季節」→「適度
な季節」→「適度」→「温度」というつながりです。
■又、ご紹介のリンク先では、「神殿」と「時間」とが関係有るものとして書かれて
いますが、『英語語源辞典』に拠りますと、違うようです。確かに、「神殿」は印欧
祖語 *tem-「切る」に遡るとされていますが; 「時間」は、印欧祖語 *temp-「伸ばす」
に遡るものとされています。同様に「こめかみ」も、「頭部で皮膚が伸びて最も薄く
なるところ」、あるいは「目の後ろから耳まで伸びたところ」か、とされています。



Re:時は「温度」なり!?

高駒麗人koma (2004/01/30 16:58)

自然科学では、「温度」temeratureをT、「時間」timeをt、「速度」velocityをv、「電圧」voltageと「体積」volumeをVというふうに最初の字だけで表します。

「温度」temeratureと「時間」timeが両方tで始まるので、熱力学ではTは温度で、ニュートン力学ではtは時間でTは単振動や圓運動、波動の周期という具合です。

温度が時間の函数(関数)である場合、どっちもtでは紛らわしい。
Θ=f(t)
もしくは
Θ(t)
のように温度をΘで表すようです。

それならいっそ
temperature=function(time)
のように書くほうがましです。

温度と速度と電圧と体積と速度と力を同時に扱う場合、どうすることやら。
fやFは函数(関数)function、周波数(振動数)frequency、力force、摩擦friction係数を表しますから面倒です。
それで自然科学者は、ローマ字では足りず、ギリシャ文字を借用して、刀i空集合)、Φ、Ψ(波動函数)、Σ(合計)、Ω(電気抵抗)、ω(角速度)、λ(wave-Length波長)、δ(Differential微分)、π(圓周率)等を多様する事になり、量子力学の文字式などまるでギリシャ語の入門書です。

こういうのは漢字を使えばいいでしょう。

「温度=函数(時間)」
略して
「温=函(時)」

「力=質量×加速度」
略して
「力=質加」

F=ma(Force=mass×accelerationの略)よりはわかりやすいでしょう。



チとシ、ツとス

高駒麗人koma (2004/01/30 16:35)

昔の日本人はチ、ツをシ、スと聞き取ったわけですね。
豐臣秀吉は朝鮮から明をも支配しようと考え、明國人にシナ語で「茶を持って来い」と命令しようと扇に「拿茶來」という漢字を書き、「なさらい」と振り假名を振っていたようです。「茶」の音読み「ちゃ」「さ」について此処でも散々論議がありましたね。

中山忍さんが確か「はなまるマーケット」で言っていましたが、「辻」Tsuji(ツジ)はフランスで「スシ」のように發音されるようです。忍さんが甥の名を「太郎」にしようとしたものの、中山美穗さんがいるフランスで「辻太郎」が「スシタロー」と呼ばれてはまずいとの判断で却下されたようです。言うまでもなく「辻十斗」(つじじゅうと)という名が採用されました。



カンタワット

高駒麗人koma (2004/01/30 16:26)

「カンタワット」は kantawatto であり、kantawatは語末のtを無開放にすると「カンタワット」の「ト」と發音する前の「カンタワッ」に相当します。
「絶対」を強調して「ぜっ……………たい」と言う場合、「……」の所では舌が上の歯茎辺りに付いています。これがt無開放段階です。



時は「温度」なり!?

らにい (2004/01/30 13:03)

ふと「温度」という意味がある「temperature」の語源を調べたら、ラテン語「tempus(時)」に由来すると。直接は「temper(気分)」から来ているようで。ただ、調べたページのなかに「tempest」で意味は「嵐」というものがありますが、なぜ「嵐」という意味があるのでしょうか?また、「時」と「気分」とどう繋がりがあるのでしょうか?
もちろん、いろいろと調べてみましたが出てきませんでした。(手元の資料にも無し)

ところで、「ラテン語『tempus(時)』」と書きましたが、これでは、特にManiac C.さんが納得いかないと思います。そこで質問ですが、「tempus」は「古典ラテン語」でしょうか?
まだまだ浅学で申し訳ありませんが宜しくお願い致します。
http://www.kitashirakawa.jp/~taro/eigo37.html



Re: タイ人の名前

massangeana (2004/01/30 05:41)

MS さん:
タイ人の名前のローマ字つづりはたしかに発音とかけはなれていることがおおいですね。でも

>「カンタワット」とでも呼ぼうものな ら、「No ト」と
「No ト」を文字どおりにうけとれば, 「カンタワッ」がただしい発音ということになりますね。
「t」は「ッ」の部分にあたるのではないでしょうか。

> はじめから「ト」なんかつけなければいい
ついてるのは「ト」じゃなくて「t」だとおもうのですが。



Re: 日本漢字音と入声

massangeana (2004/01/30 05:30)

Maniac C. さん:
> ロドリゲスの『日本大文典』には、「白骨」を facucot ではなく faccot と
> 発音しなければならない、などと書いてありますので、入声韻尾は母音無し
> で、多分、現代半島語のように、内破音で発音されたであろうと推定されて
> います。

これは入声に由来する「ツ」が -t と発音されたことの根拠にはなりますが, それ以外の「フ・チ
・ク・キ」についてはわかりません。(faccot の -cc- は現代とおなじ促音をあらわしているにす
ぎないでしょう) したがってこの記述をもとに「畳デフ」の「フ」が -p と発音されたとかんが
えることはできないとおもいます。



Re: 全訳漢辞海

massangeana (2004/01/30 05:14)

Maniac C. さん:
> 全訳漢字海』は、私も持っていますが、中国語関係に詳しい massangeana(まっ
> さんげあーな)さん情報で、他の辞書には記載の無い漢音を挙げたりしていて、
> 怪しい辞書である、と聞いた記憶が有ります。

その記憶はちょっとおかしいです :-) 「他の辞書には記載の無い漢音を挙げ」
ているのも, 欠陥があるのもじじつですが, 両者に関連はありません。

ほかの辞書に記載のない音を載せているのは, 国語学での研究成果を
反映しているためで, むしろよい点です。欠陥があるというのは, 音
にかぎっていうと中古音の記述が不備だ(中古音の体系をよくわかっていない人が
書いたか, またはこの辞書には正確な中古音など不要という方針でつくられて
いる) ということを以前書きました。



ボポモフォ

偽中国人 (2004/01/30 03:25)

>高駒麗人komaさん
『偽中国人さんは御存知でしょうが、本物の中国人は gang(岡、港、剛など)の發音を説明するとき、ge-ang-gangと言います。これはgをge(歌、格、閣など)として覚えるからでしょう。』

恐らく半切を考え出した当時も「ge-ang-gang」のように発音したと思います。

例えば「傳の上古音 知戀切,又丁戀切」。

B玻bo P坡po M摸mo F佛fo
D得de T特te N訥ne L肋le
G哥ge K科ke H喝he
J其ji Q欺qi X希xi
zh知zhi CH蚩chi sh詩shi R日ri
Z資zi C雌ci S思si

シンガポールへMandarinを教えに来ていた山東人の老師は息子を連れて散歩しながら
知zhi、蚩chi、詩shi、日riと捲舌音の特訓をしていました。

捲舌音が苦手なシンガポール人の中で育っていると、親が特訓をしない限りシンガポール訛りになってしまうからです。



畳一でふいち

Maniac C. (2004/01/30 02:29)

>偽中国人さん
■『全訳漢字海』は、私も持っていますが、中国語関係に詳しい massangeana(まっさ
んげあーな)さん情報で、他の辞書には記載の無い漢音を挙げたりしていて、怪しい
辞書である、と聞いた記憶が有ります。
■したがって、その怪しい辞書の説明を鵜呑みにするのは危険だと考えます。
■入声韻尾 –p についての「日本語になじまない」という説明もその一つだと、私は
思っているのですが、もしその説明が正しいとすれば、「言ふ」の過去形が「言った」
となるのも、「日本語になじまない」から、というワケノワカラナイ理由になって
しまいます(「言うた」は日本語ぢゃないのか!?)。

>「ガフ」を「ガッ」と読み替えた時代には「フ」と書いて「pu」に近い発音をしていたのでしょうね。
→はい。ロドリゲスの『日本大文典』には、「白骨」を facucot ではなく faccot と
発音しなければならない、などと書いてありますので、入声韻尾は母音無しで、多分、
現代半島語のように、内破音で発音されたであろうと推定されています。つまり、
「日本語になじまない」から促音便化したのではなく、元から促音に近い音だったの
です。ただ、院政期以前は促音の表記法が無かったので「がつ」とは書かれなかった
に過ぎません。現代語で「白」「骨」をそれぞれ/haku//kotsu/と読むのは文字読みの
結果です。「合掌」に就いて言えば、/ga(p)-shaG/と、韻尾に関してはかなり原音に
忠実に発音されていたことになります(内破音であることを括弧で表現してみました)。
「畳一」の音韻変化は、/de(p)-i(t)/>/de(p)-itj/>/de(p)-’ti/>/detti/という
変遷が推測できます。

>12-3世紀の日本人は次のカタカナのような発音をしていたのではないでしょうか。
>竹箆(zhubi しっぺ(ママ)) ツィッペ
>卓袱(zhuofuしっぽくママ)) ツィッポッ
>知客(zhike しか)      ツィカ
→いいえ。
■まづ、12世紀の悉曇資料で特にタ行音については特記が無い事から、ta ti tu te to
という発音であったと推測でき、又、サ行音に関しては「以舌左右端付上顎開中呼a
(梵字)而終開之、即成サ音。」と有ることから sh 音であったと推測できます。
■次に、1591年から ?1614年までの切支丹資料で、サ行音が sa xi su xe so と書か
れ、タ行音が ta chi tçu te to と書かれていること。
■さらに、鎌倉時代の中国資料『鶴林玉露』や室町時代の朝鮮資料『伊呂波』では、
まだチ・ツが [ti][tu] に相当する文字で書かれていること。しかし、1522年刊の
中国資料『日本国考略』では [t∫i][tsu] に相当する文字で書かれていること。
■といった資料から、「し」は、平安時代から現代に至るまで [∫i] と発音される
こと、チ・ツが [ti][tu] から [t∫i][tsu] に変わったのは、先述のように16世紀
であること、が推測できるのです。



「おかしい」について

Maniac C. (2004/01/30 00:58)

>高校生YMさん
■「をかし」は、元々「興味深い・心をひかれる・面白い」という意味でした。
そこから、「面白くてつい笑いがこぼれてしまう感じだ」という意味が生まれ、
さらに「笑うべきだ・変わっている・変だ」という意味が生まれます。
■これらの意味は、既に平安時代には全て揃っていました。鎌倉・室町時代
以降、専ら「笑うべきだ・変わっている・変だ」の意味で使われるようになり、
現代語につながります。



opera

Maniac C. (2004/01/30 00:43)

>鴛鴦さん&高駒麗人komaさん
>語源そのものはラテン語「opus」
→こういうのも「語源」と言って良いのか、疑問です。どうしてかと言うと、opus は
opera の単数形だからです。copy や office のように opus の原形を留めていないの
なら「語源」といっても良いと思いますが……。

>ドイツ語では「oper」だそうで。
→確かに、Oper の方が一般的に使われる単語のようですが、Opera buffa, Opera seria
等と種類を言う時には、Opera も使うようです。

>「ミュージカル」と「楽劇」との違い
→私もづぶの素人なもので、色々なHPを当たってみました。
まづは、「オペラ」と「オペレッタ」と「ミュージカル」との違いから。
■オペラ
 クラシック音楽が使われる。
 題材は悲劇。
 歌手は歌唱と演技(台詞は原則としてない)のみ。
■オペレッタ
 クラシック音楽が使われる。
 題材は喜劇。
 歌手は歌唱の他(台詞の有る)演技をし、踊りも踊る。
■ミュージカル
 ポピュラー音楽が使われる(クラシック音楽を使った作品もある)。
 題材は悲劇・喜劇両方。
 俳優は(台詞の有る)演技、歌唱、踊りの全てを行う。

で、楽劇とオペラの違い。
■オペラの基本は重要人物による独唱「アリア」と、それ以外の対話や説明部分の
叙唱「レチタティーヴォ」から成る。アリアは物語の山場でもあるし、歌手にとって
も見せ場だから、ほぼ独立した曲としてドラマの中に盛り込まれている。実際の舞台
では、アリアが終わったところで一度物語の進行が中断して、観客が拍手をしたり
ブラヴォーを叫んだりする。
■楽劇は決して途中で物語が止まることはない。もちろんアリアはあるのだが、序曲
から終曲まで何時間かのすべて、それが一つの単位だから、途中で区切ることなんて
考えられない。

…と言うことだそうです。



overture

Maniac C. (2004/01/30 00:41)

>鴛鴦さん
>語源はラテン語「opertura」
→正確には「民衆ラテン語」の *o¯pertu¯ra(m) ですね。
「ラテン語」ではapertu¯ram と、語頭の母音が異なります。
■一口に「ラテン語」と言っても、学問的には「原ラテン語」「古期ラテン語」「古典ラテ
ン語」「後期ラテン語」「中世ラテン語」「民衆ラテン語」「新ラテン語」「教会ラテン語」と
在り、普通に「ラテン語」と言うと、紀元前75年頃〜紀元後175年頃に話されていた
「古典ラテン語」を規範とした文章語を指します。
■「民衆ラテン語」というのは、文字通り、一般民衆が日常使った口頭ラテン語で、
「原ロマンス語」とも言えます。共通語としての「古典ラテン語」は都市部や教養の
高い人々の間で話され、少なくとも帝政ローマの時期までは、公用語として維持され
ますが; 中世以降、教会の文章語として維持される以外は、各地域の「民衆ラテン語」
が発達してゆき、その方言差が拡大して、現在のロマンス諸語の誕生となるのです。

>「開始、始まり」といった意味
→英語の opening に当たる語なので、間違いではありません。そういう意味も、有り
ます。けれど、原義は「開けられたもの」です。
■ラテン語の名詞 apertu¯ra は、動詞 aper-i¯re「開ける」の過去分詞 aper-t-us
「開けられた」に、動作の結果を表す名詞化接尾辞 -u¯ra が付けられたものです。
■動詞 aper-i¯re の語根部分 aper- は、更に、apo-「離れて」と wer-「覆う」に
分解できますので、「覆いを外す」<「開ける」(<「開始する」)という意味になる
のです。

>「overture」は「序曲、申し出、提案」などといった意味がある
→「開ける」という原義が判れば、「開けられた穴」<「突破口」<「序曲、申し出、
提案」という関連も、お解りになると思います。

■ラテン語 aper-i¯re に由来する英単語に、aperient「緩下剤(腸管を開く)」, apé-
ritif「食前酒(食道を開く)」, apert「明白な(開かれている)」, aperture「開き口」,
overt「明白な(開かれている)」などが在ります。



「おかしい」について

高校生YM (2004/01/29 17:18)

「おかしい」という言葉は古文では「いとおかし」のような形で趣があるという意味で使われることが多いようですが、私は面白い、変だ、などの意味で使っています。
いつ頃から変化したのか、またその原因など情報お願い致します。



タイ人の…

MS (2004/01/29 06:38)

あの、タイ人の人の名前って、読んだり読まなかったりするのあるじゃないですかぁ。例えば、私の友達はKantawatで「カンタワ」って言うんですね。でももし私が「カンタワット」とでも呼ぼうものなら、「No ト」と反撃してきます。
だったら、はじめから「ト」なんかつけなければいいですよね?? 言葉って難しいですね…



畳一でふいち

偽中国人 (2004/01/29 05:14)

>Maniac C.さん
>「畳一」が本来なら「でふいち」であるべきなのに、既に変容して
「でっち」と読まれている点からも....

入声韻尾-pをもつ字音について全訳漢辞海は

『十 「ジッ」は日本語になじまない「ジフ」の発音を避けて促音化したもの』

『合 「カッ」は漢音「カフ」の促音化。「ガッ」は呉音「ガフ」の促音化。いずれも日本語になじまない「〜フ」の発音を避けて促音化したもの』

という説明がしばしば見られます。

これを援用すると
畳 呉音「デフ」の音が日本語になじまないため、促音化した「デッ」の音をもちいて
「でっちdetti」と発音しているのでしょう。

「ガフ」を「ガッ」と読み替えた時代には「フ」と書いて「pu」に近い発音をしていたのでしょうね。

合掌はガフシャウgapushauと発音するよりガッシャウgasshouと発音するほうがリズムの点で漢語音に近かったのだと思います。

平安時代に入ると
>語頭以外の「は」「ひ」「ふ」「へ」「ほ」の音が「わ」
  「ゐ」「う」「ゑ」「を」と混同するやうになった。これは「は」等の音の
  初の子音Fが唇の合せ方が少くなり同時に有聲化してw音に近づき遂にこれと
  同音となったもので....

>、「ち」の文字が [ti] の音から [t∫i] の音に変わるのは16世紀ころ
と推定されていますので、12-3世紀の日本人がこの音を聞いても「し」に近く聞こえ
るはずです。その証拠に「竹箆(zhubi しっぺ)」「卓袱(zhuofuしっぽく)」「知客
(zhike しか)」と、いづれも「し」になっています。

《春秋》の中で陳完チンクワンと書かれていた人物が《史記》では田完デンクワンと書かれたそうです。このことから陳完も今風に書けばディンホワンのような発音であっただろうと思われます。

宋音は鎌倉時代に禅僧が伝えた10〜13世紀の江南地方の字音だそうです。

このころの北方漢語の発音の特徴は入声が曖昧になったこと。

入声字は文語体では
落lo?ロッ、約io?ヨッ、客k‘ieキエッ?

口語体では
落lau、約iau、客k‘iai

南方漢語は引き続き入声を保存していたでしょう。
軽唇音φ、wが成立。
濁音、清音の区別が消滅。
全濁声母が平声では有気音、仄声では無気音となりました。

全濁声母の音韻変化は以前にもこの伝言板の話題に上りました。
現代北京語の
重 chong2陽平 zhong4去声
長 chang2陽平 zhang3上声
などにも反映しています。

唐末五代には「知母」と「照母」が合流してt∫のようになって合流したそうです。

12-3世紀の日本人は次のカタカナのような発音をしていたのではないでしょうか。
竹箆(zhubi しっぺ(ママ)) ツィッペ
卓袱(zhuofuしっぽくママ)) ツィッポッ
知客(zhike しか)      ツィカ

「袱」は中原音韻でfu、現代粤音でfukという風に軽唇化しています。現代上海音はヴォッのような音です。12-3世紀では恐らくφu?かvo?。



Re:オペラと歌劇

鴛鴦 (2004/01/28 18:40)

>高駒麗人komaさん
>「京劇は台詞と歌と舞いと武術が一体となった物で、単なる歌劇ではない」
となると「歌劇」そのものは単なる歌だけの劇?
「歌劇」でも台詞や舞い(さすがに武術はありませんが)は京劇ほどではありませんがあると思うんだが・・・?

中国では演奏の「コンサート」と歌の「コンサート」は区別しているんですね。

>「樂劇」はヴォーカル無しなのでしょうか?
私、あんなこと言っていて何ですが「ニーベルンゲンの指輪」とか「ニュルンベルクのマイスタージンガー」とか見に行ったことありません(^^;)
ですから、ほんとに「楽劇」というものが実際どうなのか分かりません(^^;;)



オペラと歌劇

高駒麗人koma (2004/01/28 16:30)

鴛鴦さんへ
「歌劇」gejuは「オペラ」operaですが、「京劇」Jing-juは「北京オペラ」Peking opera、Beijing operaと呼ばれます。
中国の演劇研究が專門の人が、「京劇を英語でBeijing operaと呼ぶのは間違い」「京劇は台詞と歌と舞いと武術が一体となった物で、単なる歌劇ではない」という過激(カゲキ)な意見を言っていました。しかし、これでは何も表現できなくなってしまいます。

「コンサート」concertは漢語では「音楽界」ですが、中国では「女子十二樂坊」(Nu-Zi-Shi-Er-Yue-Fang/12Girls Band)がやるような歌のほとんどないコンサートは「音樂界」yin-yue-huiで、歌手のコンサートですと「演唱会」yan-chang-huiです。

「樂劇」はヴォーカル無しなのでしょうか?



口頭で羅馬字を説明する難しさ その2

高駒麗人koma (2004/01/28 16:19)

口頭で羅馬字を説明する難しさ 投稿者:Maniac C.さんへ  投稿日: 1月26日(月)17時36分51秒

>→アメリカやデンマークは割と一般的ですが、チャイナ・台湾は独特ですね。国民党
版でしょうか。日本ならTは東京、Yは横浜、Jはジャパンです。
そうでした、Tはトーキョーティーだったと思います。

>→私が漫画(『拳児』/作・松田隆智、画・藤原芳秀)から仕入れた知識では「劉」を
中国では「卯刀金」と説明するそうです。

大陸では[文リ]ですから「文刀劉」wen-dao-liuのように言うと思います。

他に「劉備的劉」Liubei-de Liu(人名「劉備」の「劉」)という説明もあります。



略 その2

らにい (2004/01/27 20:09)

わたしとしては「ガレージキット」の略「ガレキ」。なんか値打ちがなさそう・・・(^^;)
最近やっと「おなクラ」の意味が分かった。「バイパス」は「主要幹線の渋滞緩和などのための路線」ではなく「バイト先のパスタ屋」の略・・・・・・(--;)



いき過ぎ 追記

鴛鴦 (2004/01/27 20:05)

「歌劇」が「オペラ(opera)」ならワーグナー(Wagner)が作り出した「楽劇」は「ミュージカル(musical)」。
ただ、一般に聞く「ミュージカル」と「楽劇」との違いはどこだというのは分かりませんが・・・(違いがあるのかどうかということも)



いき過ぎ

鴛鴦 (2004/01/27 18:55)

ちっと「overture」について調べたくなったので少しほど・・・。

「overture」は「序曲、申し出、提案」などといった意味があるんですが、語源はラテン語「opertura」からで「開始、始まり」といった意味だそうです。
そして、なんとなく「opertura」が「オペラ(opera)」に似ているのでそっちも調べてみると、「opera」は「opera in musica(音楽の作品)」の略ださうです。語源そのものはラテン語「opus」。「作品」という意味です。
ドイツ語では「oper」だそうで。ただ、イタリア語になると「作品」という意味もあるので、劇のオペラは「opera lirica」と表記するそうです。

さて、合っているのやら・・・?



re:survival

鴛鴦 (2004/01/27 18:34)

>ひでほさん
初めまして。これからも宜しくお願い致します。
そして、ご返答ありがとうございます。
>Maniac C.さん
いつもながらお世話になっています。
これでおおす痔・・・じゃなかった、大筋だけでなく細かいところも分かりました。
感謝感謝の味の○(笑)





らにい (2004/01/27 12:46)

日本語の同音語についてのことが書き込みされていますが、私の友人もこんなこと思っています。
「去年12月に始まった『地上デジタル』を『地デジ』と略しているところがあるが、音でいくと『血で字』みたいで恐ろしい」と。



手軽なオンライン英語辞書

Shusan (2004/01/27 10:19)

Merriam Webster が下記にあります。無料、登録無用です。TOOLBARに置くこともでき、手軽に使えます。例えばSURVIVALなどもすこし載ってます。釈迦に説法でした
http://www.m-w.com



畳重朱

Maniac C. (2004/01/27 03:03)

中古音と近世音の解説を有り難う存じました。>偽中国人さん

>廣韻時代には……どちらかというと重畳の声母(頭子音)が近似音です。
>中原音韻の時代には……朱重の声母(頭子音)が同じ音で、重畳(ママ)は紛れようも無く、異なる声母(頭子音)です。
→『平治物語』は1240年以前に書かれたろう、とされています。内容的には1158年
から1199年までの約40年間を、平治元(1159)年の三ヶ月を中心に書かれているそう
です。いづれにせよ、12-3世紀のことで、まだ南宋の時代です。『中原音韻』は14
世紀、元代の韻書ですよね。確かに601年に編纂された『切韻』を基にしている『広
韻』よりは時代が近いかも知れませんが、その事実は、『平治物語』で使われている
漢語がそのまま当時の最新中国音で記述されていることを保証しません。文章という
ものは保守的ですから、どちらかと言えば、古い言い方の方が残りやすいのです。唐
宋音が鎌倉時代に流入した文物の名前にしか残っていない、という事実がこれを裏
付けていますし; 「畳一」が本来なら「でふいち」であるべきなのに、既に変容して
「でっち」と読まれている点からも、最新の言い方ではなく、古くからの言い習わし
であることを示唆しています。上掲の記述が、事実を挙げておられるだけでしたら、
何も問題は有りませんが、もし私の投稿に対する反証として挙げておられるのなら、
残念ですが、やはり当たっていない、と言わざるを得ないでしょう。

付言しますと、「ち」の文字が [ti] の音から [t∫i] の音に変わるのは16世紀ころ
と推定されていますので、12-3世紀の日本人がこの音を聞いても「し」に近く聞こえ
るはずです。その証拠に「竹箆(zhubi しっぺ)」「卓袱(zhuofuしっぽく)」「知客
(zhike しか)」と、いづれも「し」になっています。

>「数珠」はまた「珠数」と書いてもやはり「ジュズ」と読みます。
→?? 何か、上の部分と関係が有るのでしょうか? 行間が読み取れませんでした。



畳重朱

偽中国人 (2004/01/27 01:26)

>Maniac C.さん
>「朱(しゅ)」の語頭に在るsh音とは、紛れようも無く、異なる音です。

廣韻時代には
朱珠侏 章母 章倶切
重   澄母 柱用切 又 直容切
畳   定母 徒協切
で、中国音ではどちらかというと重畳の声母(頭子音)が近似音です。

中原音韻の時代にはそれぞれ
朱珠株t∫iu
重中種t∫iung
畳牒迭tie

朱重の声母(頭子音)が同じ音で、重畳は紛れようも無く、異なる声母(頭子音)です。

「数珠」と書いて「ジュズ」と読むのは御存知でしょうね。
「数珠」はまた「珠数」と書いてもやはり「ジュズ」と読みます。



survivalの語源・補足

Maniac C. (2004/01/27 00:52)

>鴛鴦さん
■ひでほさんの投稿で、おおすぢはお解りだと思いますので、細かい部分を補足します。

survival(生き残り) < 動詞 survive(生き残る) + 名詞化接尾辞 –al(〜こと)
survive(生き残る) < 接頭辞 sur-(〜を越えて) + 語幹 vive(生きる)
sur = on/over/above(〜の上に/〜を越えて) ← 語源的には over (〜を越えて)と同根
vive < 羅語vi¯vere = to live(生きる) ← 語源的には quick(生き身)と同根
※ to live 自体にも、to leave と同根で、「生き残る」の意味が有ります。
※※ over や quick についての詳しい話は、御要望が有らば、後ほど。

■現代英語では、outliving(生き残り)が、最も意味や構成が近い単語(本来語)です。
■接頭語の out を切り離して、“A cool ― but not freezing ― forest would be the
perfect place for butterflies to live out the winter months(低温の――けれど
凍えるほどでない――森は、蝶が冬の間を生き延びるのに、絶好の場所だろう).”と
いう風にも使えます。

>ひでほさん
多分、初めまして、ですよね。ようこそ、そして、今後も宜しく。



survivalの語源

ひでほ (2004/01/26 21:25)

surviveの語源は次の通りです。

ラテン語supervivere[super + vivere = live]

古仏語sourvivre、アングロノルマンの仏語survivreから中英語(Middle English)に入ったとのことです。



厳しーっ!!(笑)

鴛鴦 (2004/01/26 20:39)

ふと思ったことですが、「サバイバル(survival)」の語源は何でしょうか?
調べてみても全然でてこなかったものですから・・・
ちょいとしたことですが宜しくお願い致します。



口頭で羅馬字を説明する難しさ

Maniac C. (2004/01/26 17:36)

>高駒麗人komaさん
>>a alfa、b bravo、c Charleyなど
→これは、NATO軍が決めた通話表です。
他にも、軍隊や地域によって様々な異体が在ります。
http://www.columbia.edu/~fuat/cuarc/phonetic.html

>私の知人が電話で綴りを説明するときは
>Aアメリカ・エー
>Bベルリン・ビー
>Cチャイナ・シー
>Dデンマーク・ディー
>のように言っていました。
>T は確か「台湾・ティー」です。
→アメリカやデンマークは割と一般的ですが、チャイナ・台湾は独特ですね。国民党
版でしょうか。日本ならTは東京、Yは横浜、Jはジャパンです。

■中国軍?(Chinese Armed Forces と有り)では次のように言うそうです:
Aiya, Boli, Ciqi, Desheng, Egu, Fuzhuang, Geming, Heping, I, Yifu, J, Keren,
Leguan, Mofan, Nali, Ouyang, Polang, Q, Riguang, Sixiang, Tebie, U, Weida, V,
Wudao, W, Wuzhuang, X, Yisheng, Zidian。これを翻字すると:
{口艾}呀、玻璃、磁気、得勝、俄国(?)、服装、革命、和平、衣服(?)、客人、
楽観、模範、那裡(?)、欧陽、破浪、日光、思想、特別、偉大
舞蹈(?)、武装、一生(?)、字典、でしょうかね。

>ちなみに「呉」Wuは……、彼らが説明するときは、kou-tian-wu(口天呉)です。
→私が漫画(『拳児』/作・松田隆智、画・藤原芳秀)から仕入れた知識では「劉」を
中国では「卯刀金」と説明するそうです。



一と七

Maniac C. (2004/01/26 17:34)

暫くでした、後期試験だったのでしょうか。>高駒麗人Komaさん
>山東省の人は電話番号などを言う時、数字の「零」lingを dongと言います。中国字は「洞」でしょうか?
→手許の辞書の「洞」には「(軍隊などで,暗号的に数を読むときの)ゼロ.¶電碼是
1702(yao1, guai3, dong4, liang3).」と有りますので、「1=幺,7=枴,0=洞,
2=両」と言い換えるようですね。「七」を「枴」と言い換えるのは、「七」の第2
画が曲がっているからでしょう。日本語だったら「ヒト、ナナ、マル、フタ」と言う
所でしょう。同じ漢字文化圏の半島の国では、こういう言い換えは無いのでしょうか?

>中国で「億」を「万万」wan4wan4と呼ぶのは「億」が「一」と同音になったからでしょうか?
→漢代以前の位取りは、「一、十、百、千、万、億、兆、京」と十進法だったので、
当時の「億」は現代の「十万」に当たったそうです。後に「万」と「億」との間に、
「十万、百万、千万」という位が差し挟まれたので、「億」は「万万」、即ち「一万
の一万倍」の意味になりました。定めし、新しい位取りが導入されて暫くの間は、「億」
が「十万」の意味なのか、「万万」の意味なのか、民衆は混乱したでしょう。それで、
紛らわしさを失くすために「万万」と言い換えたのでしょう。多分、その頃の名残が、
今でも口語に残っているのだと思います。



朱三朱四

Maniac C. (2004/01/26 17:33)

>偽中国人さん
>ぞろ目の言い方として「畳」や「重」と音が似ていることから「朱zhu」と言ったのでしょうね。
→先日挙げたHPとは別な所ですが、以下のように有ります。
>日本ではぞろ目を次のように呼び慣わします。
>重一(でっち)、重二(ぢゅうに)、朱三(しゅざん)、朱四(しゅし)、重五(でっく)、重六(ちょうろく)
(引用者註:漢字はママ、読み仮名は旧仮名遣いに改めました。「しゅざん」ではなく、
「しゅさん」とするHPも在ります)
■日本読み「畳(でふ/てふ)」や「重(ぢゅう/ちょう)」の語頭に在るd/t音と、
「朱(しゅ)」の語頭に在るsh音とは、紛れようも無く、異なる音です。「音が似て
いるから」という推測は当たっていないように思われます。
■私としては、同じ揃目なのに、数字によって「しゅ/ぢゅう/ちょう/でふ」と、
4通りにも呼び分ける剰余性の方に、興味が有りますね。



プロのアマ

高駒麗人koma (2004/01/26 11:27)

小生のアクセントではアマチュアのアマは「アま」(カタカナが高い拍)で、海女は「あマ」です。しかし「尼」も私の個人方言では「海女」と同様「あマ」です。
「海女が」「尼が」は「あマガ」、「アマチュアが」の意味の「アマが」は「アまが」です。皆さんの日本語ではどうですか?
結局、日本語の「同音語の多さ」はどう工夫しても悩みの種ですね。



口頭で羅馬字を説明する難しさ

高駒麗人koma (2004/01/26 11:21)

偽中国人さん

>英語における数字の異読は知りませんが、無線/有線電話でアルファベットを確実に伝えるために
a alfa、b bravo、c Charleyなどといいます。

私の知人が電話で綴りを説明するときは
Aアメリカ・エー
Bベルリン・ビー
Cチャイナ・シー
Dデンマーク・ディー
のように言っていました。
T は確か「台湾・ティー」です。

日本人が電話で中国人に自分の名前の(Tanaka,Watanabe等)綴りを説明するとき、Tのつもりで「ティー」と言ったらtが無気音なので相手がDと誤解する可能性もあります。
日本人がVのつもりでブイbui等と言ったら中国人は B だと思うでしょう。
中国人がVのつもりでウェイwei等と言ったら日本人は Y だと思うでしょう。
中国人と日本人で難しいのはGヂーとJヂェイが区別しにくくなる事です。

偽中国人さんは御存知でしょうが、本物の中国人は gang(岡、港、剛など)の發音を説明するとき、ge-ang-gangと言います。これはgをge(歌、格、閣など)として覚えるからでしょう。
ちなみに「呉」Wuは中国大陸文字で「口の下に天」なので、彼らが説明するときは、kou-tian-wu(口天呉)です。初めは聞き取れませんでした。台湾ではどう説明するのでしょうか?



どぎまぎ

ダダ (2004/01/26 11:14)

どぎまぎする。あわてふためくということですが、この「どぎまぎ」の語源を教えてください。



一と七

高駒麗人Koma (2004/01/26 11:05)

第十三年・追記 投稿日: 1月20日(火)02時57分59秒 投稿者:Maniac C.さんへ

>中国語でも、通し番号のときは「一」yi1 ではなく、「幺」yao1 と読むのを想い出し
ました。(「七」qi1 との聞き間違えを防ぐためだと思いますが)

日本で「七月」を「なながつ」と言う人もいます。国会の答辯や会社での電話などがそうで、「しちがつ」と「いちがつ」「しがつ」を区別するためでしょう。
赤穗の「四十七士」は「しじゅうしちし」と覚えていますが「よんじゅうななし」と覚えている人もいるかもしれません。

山東省の人は電話番号などを言う時、数字の「零」lingを dongと言います。中国字は「洞」でしょうか?
「一八」yao-baは「要發」yao-fa(招来、豊かになる)の洒落で縁起がいいようです。
個人的には北京語で「一」yi1と「億」yi4が同音になって、wu3shi2yi4nian2が「五十億年」なのか「五十一年」なのかわからなくなっている事です。
廣東語なら「五十億年」ng-sap-yik-ninと「五十一年」ng-sap-yat-ninは「億」がyik で「一」が yat で区別できます。
中国で「億」を「万万」wan4wan4と呼ぶのは「億」が「一」と同音になったからでしょうか?
「林憶蓮」Lin Yilian(廣東語名 Lam Yiklin、英語名Sandy Lam)が、2001年頃に「2001蓮」(Er-ling-ling-yi-lian)という駄洒落のようなアルバムを出したようです。「二零零一蓮」の「零一蓮」ling-yi-lianと「林憶蓮」Lin Yi-lianが似た發音だからです。

これは「一」と「憶」を同音とする方言(北京語)と、音節末のnとngを区別せず「林」と「憶」を同音で發音する方言(呉方言か)、そして声母のlとnを区別せず「蓮」と「年」が同音になる方言(廣東等」か)で初めて成立する洒落です。そんな3種類の要素を合わせたイディオムがあるのでしょうか?



プロのアマ

偽中国人 (2004/01/26 05:11)

前に同じ発音で全く逆の意味になる「不死と不治」を紹介しましたが、

関西TV 26:55  第12回FNSドキュメンタリー大賞 奥能登女たちの海

という番組の中で「プロのアマ」という言葉が出てきました。
http://www.fujitv.co.jp/b_hp/fnsaward/backnumber/12th/03-378.html

<ナレーター> 田中好子

勿論「プロの海女」のことでしょうけど、書き言葉と話し言葉の違いを意識するべきです。

田中好子もプロの訳者なら感づいて訂正を求めて然るべきでしょう。



Re:朱三朱四

偽中国人 (2004/01/26 05:10)

《平治物語》と《事物紀元》とは「参差不齊=有點兒出入」ですね。

『法令沒問題..但泥問的基準點有一點出入』
http://suv.me.nctu.edu.tw/driver/messages/14542.html

『實際上有點兒出入』
http://rms4x4.hypermart.net/wwwboard/messages/5165.htm

出入=参差シンサcen ci不齊bu qi 参差錯落cen ci cuo luo、参錯サンサク

『双六のサイコロの目で、一が二つでたのを畳一といい、二が二つでたのを重二という。五や六も畳五、畳六と申す。これらはみな重なるという意味なのに、三、四だけは朱三、朱四というのはわからない。』

ぞろ目の言い方として「畳」や「重」と音が似ていることから「朱zhu」と言ったのでしょうね。

ことの真偽は実際に「三と四の目が赤いサイコロ」が発掘されるの待たないといけません。



2002年伝言板アイヌ語関係集

佐藤和美 (2004/01/25 11:00)

おそまきながら、「2002年伝言板アイヌ語関係集」を追加しました。





Maniac C. (2004/01/25 10:29)

■現代日本では大部分の地域で同じ発音になってしまっている「お」「を」の字を区別
するために、「を」の字をどう呼んでいるか、というのが、下記HPに拠ると、地域に
よって異なるらしいです。興味深いですね。

 小さい“を” ------富山、石川(松任)
 難しい“を” ------石川、京都、滋賀
 ひっかけ“を” ------石川(能登)
 鍵の“を” ------?
 くっつき“を”(くっつきの“を”) ------宮城など/1974年放送の「カリキュラマシーン」という番組でこういう説明の仕方をしていたという。
 下の“を” ------北海道(函館)
 わをんの“を” ------神奈川、北海道
 わいうえおの“を”(「わゐうゑを」の“を”) ------岐阜
 あっちの“を” ------東京(江戸川)
 濁った“を” ------神奈川
 何々“を”の“を” ------石川
 文章をつなげる時の“を” ------石川
 文末にくる“を” ------石川
 重たい“を” ------栃木県
 おわりの“を” ------「尾張」か「終わり」(どちらも“をはり”)らしい/福岡県

■皆さんは何と呼びますか? 私は「くっつきの“を”」ですが。

http://www.toyama-cmt.ac.jp/~kanagawa/toyama/wo.html



朱三朱四

Maniac C. (2004/01/25 10:10)

>偽中国人さん
>『朱三朱四の目を賜ひ』というのは何を根拠にしたのでしょう?
→『平治物語』の、偽中国人さんが挙げられたのと似たような話が原典のようです。

http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/9333/hei4.html



いばらぎvsいばらき

偽中国人 (2004/01/25 01:19)

>私の親戚は「茨城(「いばらぎ」ではありません。「いばらき」です)」に住んでいるんですけどね。

富士川は共通語では「ふじがわ」ですが、
富士市の土語では「ふじかわ」、
関西弁では φu dzi nga wa です。

観音寺市は共通語で「かんのんじし」ですが
観音寺市の土話で「かんおんじし」です。
http://www.city.kanonji.kagawa.jp/

サマワはNHK用語でサマーワです。
カルカッタは最近「凝る肩」になったそうです。



zanbaq

げたのにれのや (2004/01/24 23:59)

〓Maniac C. おもしろいデータをありがとう。オレンジもそうでしたが、けっきょく、トルコ、アラブ、ペルシャ、インドあたりで、言葉の流れがよく分からなくなってしまう。アラビア語の語源辞典が一冊あったらなあ、と思います。



「言葉の世界」伝言板9月分

佐藤和美 (2004/01/24 16:57)

「言葉の世界」伝言板9月分」を追加しました。

1/4くらい削除しました。



Re:CMソング&洒落

らにい (2004/01/24 12:51)

>Maniac C.さん
「足」だけに足元を見られましたねぇ、これは(^^;;)
「刻苦勤勉」は少数民族だったのか・・・
一応、学校では「刻苦勤勉」で習ったんですけどね。



Re:テーオドーア

きしろふ (2004/01/24 09:42)

>Maniac C.さん
「スターヂョンの法則」の法則はこっちでしたね。失礼。
「Theodore」にそういう意味があったなんて・・・。毎度のことですが勉強になります。
私の親戚は「茨城(「いばらぎ」ではありません。「いばらき」です)」に住んでいるんですけどね。(えっ、話題がずれている?)

お仕事、きばってや〜(^□^)



Re3:コックさん

きしろふ (2004/01/24 09:37)

>Maniac C.さん
>「SF界では有名な『スターヂョンの法則』というのはご存じですか?」
いやぁ、SFにはあまり詳しくないもので・・・(^^;)
後で調べてみっかなぁ。
>「彼の雄叫びは、多分、“Allez cuisiner!”[アレー・キュヰズィネー] の誤りで、『料理開始(=Get cooking!)』の意味だと思うのですが。」
揚げ足取りのほうありがとうございます(汗)



「さいころ」の色

偽中国人 (2004/01/24 05:53)

漢土のサイコロの目の色は最初すべてKだったそうです。唐代に四の目が赤く塗られて、更に後世「一」も赤く塗られるようになったそうです。

サイコロの発明者は通俗三国志演義にも登場する魏の曹植だそうです。
初期には2個のサイコロで遊んでいましたが、唐代に6個使うようになったとか。

唐代に長恨歌の主役の玄宗帝と楊貴妃がサイコロで遊んでいた時、玄宗の負けがこんで、四の目が出れば勝てるという場面で、「四出よ」と念じたら、果たして四の目が出て皇帝は大喜びしたそうで、それから四の目をラッキー・カラーの紅(赤)く塗るようになったということです。

《辞海》賭具。以象牙或獣骨爲之。立體正方形、六面、分刻一二三四五六之數、相傳爲魏曹植所造、本祇二粒、謂之投子、取投擲之義;用玉石製、故又稱明瓊;唐時加至六、改用牙或骨製、始名骰子、其色皆K、惟四爲紅;相傳唐玄宗與楊貴妃作骰戯、玄宗時已大負、惟得四數可勝、遂於擲時呼之、果爲四、乃以四爲紅色。後人有僅以紅K博勝負者、故又稱色子。見《事物紀原》。

辞海の記述を現代語訳したのが次の記述です。

相傳骰子是三國時的曹植所發明的,最初是由玉石做成的,傳到唐朝時才改用獸牙或獸骨。據説有一次唐玄宗和楊貴妃玩骰子遊戲時,唐玄宗輸得很慘,直到最後一擲,只要擲四,便可反敗為勝,因此唐玄宗邊擲邊喊四,結果真的擲出四,唐玄宗大喜,於是從此之後便將四的點數改為紅色,後來又有人把一的點數也改為紅色,流傳至今,骰子的六個數字中,便只有一和四為紅色,其餘的都是K色。http://www.mradio.com.tw/08mfile/200302/200302-fun.htm

歴史上の有名人を物事の始まりの物語の主役にするのは、よくあるパターンです。

サイコロはバックギャモンのような双六に使われていたようで、2個のサイコロを振って2個共6の目が出れば早く上がれるので「双=double、dual、六=six」とよばれたのではないでしょうか。
日本でも双六は人気のギャンブルだったようで、萬葉集にも詠まれています。
一二之目 耳不有 五六三 四佐倍有<来> 雙六乃佐叡
一二の目 のみにはあらず 五六三 四さへありけり双六のさえ
(巻16 3827)

吾妹兒之 額尓生<流> 雙六乃 事負乃牛之 倉上之瘡
我妹子が 額に生ふる 双六の こと負(ひ)の牛の 鞍の上の瘡(かさ)
(巻16 3838)
事負乃牛(こと負の牛)とは「こっと牛、特牛、犢牛」のことでしょうね。

そして持統3年に禁止令が出たそうです。

『昭和4年、日本麻雀学の祖、榛原茂樹が日本雀院という麻雀サークルを結成した。その榛原氏をたたえて麻生雀仙が作曲した謡曲』というのがありました。

「日本雀院首創者 榛原茂樹君に餞(はなむけ)す」  麻生雀仙(雀孫合作)
ワキ 旅の僧。 シテ 雀仙。 ツレ 雀孫。

シテツレ 「そもそも骰子(さいつ)と云へば、魏の曹植(そうしょく)の剏(はじ)めるところ。これを投じて其色を見る。故に投子(とうつ)と云ひ、又色子(しょくす)と稱す。唐に於ては玄宗皇帝、貴姫と之を弄(もてあそ)んで、朱三朱四の目を賜ひ、わが朝にては後一条院、五位のくらゐを授けられる。かかる尊きいはれをば、心にとめて忘るなよ。」 http://www1.mirai.ne.jp/~mieki/FlyinAgain2/stories/koten/kayou.htm

しかし『朱三朱四の目を賜ひ』というのは何を根拠にしたのでしょう?



zanbaq

Maniac C. (2004/01/24 03:57)

>にれのや師匠
>トルコ語には iris の語義が見られない
→私も独自に調べました。土語で iris は süsen と言うようなのですが、実はこの
単語、英語の女性名 Susan と同源で、やはりセム系の lily を意味する単語に遡る
らしいです。ペルシア語で susan,ヘブル語で shuwshán と言うようで、更に埃及語
の s(h)shn「蓮」に由来すると有ります。アラビア語の zanbaq も、埃及語に由来
するのかも知れません。私はアラビア文字やヘブル文字は読めませんので、ラテン
文字で zanbaq を検索したところ、土語でも少数 zanbaq が検索に掛かってきます
ので、土語でも古くアラビア文字の時代には zanbaq と綴っていたのかも知れません。
又、zanbaq はあまり古い言葉ではないらしく、Moháammad-Taqi Baha@r という新古典
派の詩人が zanbaq などの新しい花の名前を詩に使った、と書いてあるHPも発見し
ました。
更に、zanbaq はリード・パイプの名前でもあるらしいことも判りました。コプトで
sebe(<?seba')と呼ばれる垂直フルートが在り、それに含まれるダブルクラリネット
ma',met は、植物の茎でできた楽器で、平行に並んだ二本のリード・パイプで出来て
いたそうです。この単語が現在アラビア語で「オーボエ」を意味する zamr や、zan-
bak と関係有るかも知れません。



замбак zambaku の語源

げたのにれのや (2004/01/24 01:35)

〓Maniac C. どの。
ブルガリア語 замбак, アルバニア語 zambaku は、松茸さんの指摘どおりトルコ語から流入した可能性が高いようです。
   トルコ語形 zambak 語義 lily
   アラビア語形 zanbaq 語義 lily, iris
アラビア語では、lily, iris の両義があり、トルコ語には iris の語義が見られない、というのが気に入りませんが、アラビア語形が
   zanbaq
である以上、zanbaq > zambak という関係を想定するほうが自然と思われます。
 アラビア語の zanbaq の綴りは
   z-n-b-q
で、発音は
   /'zanbaq(un)/ ['za+enbαq] ['ゼヌボッく]
いう感じやと思います。語根が4音なので、いずれ、これも、他の言語からの借用であるように思えます。

〓スラヴ語というのは、わたしの知る限り、おそらく、世界一愛称の発達した言語だと思います。とにかく、現代でも 「生産性のある接尾辞」 が多く、「ニュアンスが多岐にわたる」。-ка, -ушка, -уха, -уша, -енька, -ечка, -уня, -ута... また、これらを、二重に接尾することもできる。Александр [アりク'サンドル] のような名前の愛称を採録すると、その総数は、40〜50種類にはなると思います。スラヴ語は愛称天国と言い切ってよい、と。



CMソング&洒落

Maniac C. (2004/01/24 00:53)

>らにいさん
>手取り足取り
→「揚げ足取り」の間違えでは?(^□^)

>コック(刻苦)勤勉
→「刻苦勉励」では? と突っ込もうと思ったのですが、検索してみると、
「刻苦勉励」1120件に対し、その2%に当たる22件が引っ掛かってきました。
そういう言い方も有るのですね(大辞林には有りませんでしたが)。勉強させて
いただきました!



テーオドーア

Maniac C. (2004/01/24 00:39)

>きしろふさん
熊は解りますが、私は大統領よりスターヂョンの方ですね。また悩ませてしまうかも
知れませんが、SF界では有名な「スターヂョンの法則」というのはご存じですか?

Theodore は、英語でも「すィーアドー(ア)」と発音されますが、希臘語のΘεο´-
δωροsに遡り、θεο´s「神」+δορο^ν「贈り物」に分解できます。と
いうことは、つまり、「天才」が原義?

ついでに Roosevelt は、日本では「ルーズベルト」と言われることが多いようですが、
オランダ系移民なので(ヴィンセント=ヴァン-ホッホの弟の名前もテーオードーア)、
米国では「ロウザヴェうト」と言われるのが普通で、英国では「ルースヴェうト」と
言うことも有るようです。元々は蘭語でroos(=rose)+veld(=field)ですから、日本
語的に訛るなら「ローゼベルト」と言った方が良いと思います。でも、日本人で「茨
田」さんって姓の人は、いないでしょうねぇ。花の名前が入っているのは、ユダヤ人
だからでしょうか。



コックさん

Maniac C. (2004/01/24 00:35)

>きしろふさん
私はハナ肇…ぢゃなかった、花金ではないのですが(明日は出勤)、ヒマです。
そう言えば『紀元2600年のプレーボール』(大和和紀)には「O・ハナ・ハーン」という
野球の指南役がいたなぁ。

>「行け!料理の鉄人たちよ!」みたいなことを言っている
→仏語では「料理人」はキュヰズィニエと言いますので、なんぼ意訳と言われても
違うような気がします。又、キュヰズィーヌには「台所・料理(法)」の意味しか有り
ませんが、「台所へ行きなさい(=Go to the kitchen!)」の意味なら、“Allez à la
cuisine!”となるはずです。彼の雄叫びは、多分、“Allez cuisiner!”[アレー・
キュヰズィネー] の誤りで、「料理開始(=Get cooking!)」の意味だと思うのですが。



本日最後になりますが(なるか?)

らにい (2004/01/23 23:32)

前に友人がこんなオチを。
「『シェフ』に相応しい四字熟語があるのを知ってるか?『シェフ』になるくらいだから一生懸命勉強したんだろうな。『コック(刻苦)勤勉』に。」
・・・お後がよろしいようで。(えっ、よろしくない?)



RE:CMソング

らにい (2004/01/23 23:27)

>Maniac C.さん
手取り足取りありがとうございます。
いやぁ、Maniac C.さんの識の深さには感服いたしますわぁ。



Re:テオドア

きしろふ (2004/01/23 22:14)

>Maniac C.さん
なるほど。分かりました。
私も小さい頃はあの熊のヌイグルミを持ってたっけなぁ・・・(*^^*)



Re2:コックさん

きしろふ (2004/01/23 22:12)

>Maniac C.さん
私も「ハナ金」(古っ!)で顔を出しまくっています。

これは失礼しました。「Allez cuisine!」ですね。要するに「行け!料理の鉄人たちよ!」みたいなことを言っているということです。(あくまでも意訳ですか)



CMソング

Maniac C. (2004/01/23 21:48)

>らにいさん
■あやや
突っ込むのを忘れていたので、改めて Maniac な突っ込みを。
★「午後の紅茶」で現在流れているのは、「登場篇」「シズル篇」「あやトラ篇」「夏の
縁側篇」に続く「冬の吐息篇」で、第5弾になります。
★多分、ご存じないでしょうが、ヴォイス・パーカッション風の「午後ティーのテー
マ」は、大昔、鳥居さん(某大手酒造会社)の所で、サミー=デイヴィス=ヂューニヤが
演った「カンカンチコンチコンチコン……ウーン、サ○トーリ」というCMをパロっ
ています。

■カヒミ・カリィ
★ああ、「比企真理」の字謎さんですね。文字が余るんですけど…っていう突っ込みは
在り勝ちか…。(^^;)
★『ロコモーション』は、カイリー=ミノーグでは?

■生茶
★『ポーリュシカ・ポーレ』は、最初の「♪ずんちゃずんちゃずんちゃ」の所ですよ。
ロシヤの軍歌だそうで。
★Полюшко, поле. という歌詞の冒頭は、日本語に直すと「草原ちゃん、
草原」でしょうか。>にれのや師匠
★着メロにもなっているようですので、下記URLで「♪ずんちゃずんちゃずんちゃ」を
ご確認ください。

http://keitai.excite.co.jp/melo/detail/music/?mid=9786



コックさん

Maniac C. (2004/01/23 21:46)

>きしろふさん
>確か鹿賀丈史がいっていたのは「Aller cuisine!」だったかな?
→Aller では、独語の「全部」になっちゃいますよ。(~-~)
Allez!(=Please go!)ですか。私はずっと「art cuisine(料理の芸術)」と
勘違いしていました。(^^)

>「テーオドーア」はあの「テオドア=ルーズベルト」の「テオドア」と同じですか?
>ドイツ語では「テーオドーア」と発音するんですか?
→Ja, genau so.



Re:コックさん 別記

きしろふ (2004/01/23 21:16)

>Maniac C.さん
閑話休題になりますが、「エーミール=テーオドーア=コッハ」の「テーオドーア」はあの「テオドア=ルーズベルト」の「テオドア」と同じですか?
ドイツ語では「テーオドーア」と発音するんですか?



Re:コックさん

きしろふ (2004/01/23 21:12)

>Maniac C.さん
種明かしのほう、大変感謝します。これで悩みが解決しました。
確か鹿賀丈史がいっていたのは「Aller cuisine!」だったかな?



コックさん

Maniac C. (2004/01/23 20:49)

>きしろふさん
>「cock」「kok」「キッチン」「バウム・クーヘン」「コッヘル」の5つがどう繋がっているのか分かりませんでした。
→済みません、却って悩みの種を増やしてしまったようで。それでは、種明かしです。
■英語の cook「料理人」は、蘭語で kok, 独語で Koch になります。全て、羅語の
cocus, coquus に由来します。
■又、英語の to cook「料理する」は、蘭語で koken, 独語で kochen になります。
全て、羅語の coquere に由来します。
■独語の「コッヘル」Kocher は、英語の cooker に当たります。「焜炉」の意味です。
Kocher Klemme(コッヘル氏鉗子)は、英語では Kocher forceps と言いますが、スイス
生まれのエーミール=テーオドーア=コッハ(Kocher)という外科医が発明したことに
由来します。
■「バウム・クーヘン」の Kuchen [クーヒェン] は、英語の cake に当たる言葉で、
原義は「丸いもの」という意味です(だから餅も rice cake)。蘭語では koek [クーク]
という語に当たり、指小辞形が koekje [クーキエ] となりますが、これが米語の
cookie「クッキー」の語源になっています。「料理人/料理する」とは語源的な関係は
無いのですね。語源的な関係の有る cookie は、米俗語ですが、「(牧場・野営場・
船上などの)料理人(助手)」とか「女料理人」という意味になります。
■「キッチン」はお調べの通り、羅語 coqui¯na に由来しますが、これは coqui¯nus
の女性形で、「料理に関する」というような意味で、上述 coquus「料理人」に形容詞
接尾辞 –i¯nus を付けたものです。
■仏語 cuisine [キュウィズイーヌ] も、羅語 coqui¯na に由来します。
■重ねて済みません。cock とは何の繋がりも有りませんでした。



CMソング

らにい (2004/01/23 18:41)

>Maniac C.さん
お休みのところお邪魔してしまいまして・・・(^^;)

リンクの方、行ってまいりました。ただフランス語を並べただけだったのか。意外と意味は無かったんですね(^^)下のリンクに「企業」「商品」「曲名」「アーティスト」「出演者など」の順に詳しく載っています。そこによれば曲の作曲は中島靖雄という人が作曲したようです。
この曲に似た曲がミスタードーナツ『ミスター肉まん』で流れていますが、この曲はあのマリリン・モンローで有名な「I Wanna Be Loved by You」です。CMで歌っているのはカヒミ・カリィという人です。
はて、どこかのCMで「Come on, baby! To the locomotion!」と歌っているのを聞いたような・・・?
そんで、キリン『生茶』の「ポーリュシカ・ポーレ」ってげたのにれのやさんが著したあのセリフのこと?

http://cmmusic.at.infoseek.co.jp/index.html



Re:ベルモット・コックさん

きしろふ (2004/01/23 18:23)

>Maniac C.さん
いつもながらありがとうございます。

ところで・・・
>>「cock」はカタカナ語にすればで「コック」ですが、料理の「コック」は英語の「cook」からきているのかと思いきやオランダ語「kok」からということをつい最近知りました。
→ついでに、英語の「キッチン」や、独語の「バウム・クーヘン」「コッヘル」とも
繋がりが有るのは、ご存じでしたか?
このことについて「キッチン」「バウム・クーヘン」「コッヘル」と調べていきましたが、「cock」「kok」「キッチン」「バウム・クーヘン」「コッヘル」の5つがどう繋がっているのか分かりませんでした。一応分かったことは・・・

○「キッチン(kitchen)」・・・語源はラテン語「coquina(火を使うところ)」から。年数を経て古英語「cycene」から変わっていった。
○「バウム・クーヘン(Baumkuchen)」・・・「木のお菓子」という意味。由来はその切り口が年輪に見えるという説とバウム・クーヘンの芯棒が樫の木だったからという説がある。
○「コッヘル(Kocher)」・・・1.登山用の組立式炊事道具。
               2.かぎのある鉗子。動脈止血に使う。

休暇のところ大変申し訳ありませんが、これらのことばの繋がりについてのことをなるべく早くご足労願いますようお願い致します。私もまだまだ学が浅いところがありまして、このことに関しては全く分かりません・・・(--;)



午後の紅茶

Maniac C. (2004/01/23 13:58)

>らにいさん
脇から失礼します。(今日はお休みでヒマなもので)
■あややの歌には、実は意味は有りません。
■前まで流れていたのは、下記のようなスキャットです:

azee azee dam pa dee da bu dee
ha
sha dee pa dee ka pa ka dee ka kun koo
ah
a shu da ba da bum bu du nada mada
oww
楽譜はこちら↓
http://www.beverage.co.jp/gogo/jyunsui/cm_1.html

■今流れているのは、こんな感じ?

あ thé, あ thé, pâtissier, c’est si bon.
petit, petit, croissant au lait, oui, je t’aime.
あ びぶら びぶる comment allez-vous?

日本人に馴染み深いフランス語を並べただけです。
詳しくは、こちら↓

http://www.beverage.co.jp/gogo/hot/cm_1.html



なんて言っている?

らにい (2004/01/23 12:37)

>げたのにれのやさん
「松嶋菜々子 HOT生茶のCM」の書き込みをみて思ったのですが、それなら松浦あやがやっている『午後の紅茶』のCMではなんと歌っているのでしょうか?
いろいろと探してみましたが結局分からず。第1弾(アイスティーを作る場面)&第2弾(浴衣姿で暑がっている場面)のときの歌と今の第3弾(ホット専用のペットボトルを持っている場面)の歌の歌詞と邦訳はどのようになりましょうか?



ほろ酔いのほろって?

Maniac C. (2004/01/23 05:45)

>とろさん
>今後ともよろしくお願い致します。
→ご丁寧に謝辞を頂き、恐縮です。こちらこそ宜しくお願い申し上げます。
今後も、遠慮なく、頻繁に、ご訪問ください。ミ(≧▽≦)彡



ъ вода

Maniac C. (2004/01/23 05:35)

>〓(下駄)印のにれのや師匠
>〓ブルガリア語の ъ と у は、そうとうに違う母音です。
>у は [u] で問題ない。
>ъ のほうは [?]。
>ブルガリア語の入門書では [@] (シュワ)、つまり、あいまい母音としていますが。
→なるほど、ъ は schwa ですか。でも、字源に遡ってuで転写するのですね。

自己ツッコミです。
>そう言えばヴォートカも、ヴォーダ「水」に指小辞 -ка ですね。
→時間が無かったので強勢位置を確認せず、英語風に語頭に強勢が有るかのように
書いてしまいましたが、вода「水」の発音は、ヴァダーでしたね。



ベルモット・コックさん

Maniac C. (2004/01/23 05:26)

>きしろふさん
>ということは、「ベルモット」はもしかして「vermouth」を文字読みしている?
→耳から入ったのだと思います。西洋語のuは円唇母音ですので、日本人の耳には「オ」
に近く聞こえます。文字読みすれば、「ベルモート」または「ベルムト」になったと
思います。

>「cock」はカタカナ語にすればで「コック」ですが、料理の「コック」は英語の「cook」からきているのかと思いきやオランダ語「kok」からということをつい最近知りました。
→ついでに、英語の「キッチン」や、独語の「バウム・クーヘン」「コッヘル」とも
繋がりが有るのは、ご存じでしたか?

>ちなみに「シェフ」はもちろんフランス語ですが、本当は「chef de cuisinier」の始めの単語を取ったということのようで。だからフランスでは「chef」だけでは通じないとか・・・
→仏語で「料理長」は chef cuisinier とか chef de cuisine とかとも言われますが、
その略語の chef も、多義語ではありますが、紛らわしい場面でなければ、十分通じ
ます。英語の chief よりも意味の幅が少しく広く、「駅長・課長・主任・国家元首・
隊長・(楽団の)指揮者」などを指します。



通話表・サイコロ

Maniac C. (2004/01/23 05:23)

>偽中国人さん
>英語における数字の異読は知りませんが、無線/有線電話でアルファベットを確実に伝えるために
>a alfa、b bravo、c Charleyなどといいます。
→欧文通話表(Phonetic Code)というヤツですね。日本語では「朝日のア、いろはのイ、
上野のウ、…」と言いますよね。数字は、4「フォウ・ア」と、9「ナイ・ナ」以外
は、ほぼ普通です(7・5・3がそれぞれ「セ・ヴェン」「ファイフ」「トリー」と、
微妙に変わります)。もし特別に言うとすれば、以下のようになります。
 0→ナーダ(ー)・ゼー(イ)ロ(ー)ウ(nadazero)
 1→ウーナ(ー)・ワ(ー)ン(unaone)
 2→ビ(ー)ソ(ウ)・トゥー(bissotwo)
 3→テ(イ)ラ(ー)・トリー(terrathree)
 4→カーテ(ー)イ・フォ(ー)ウ・ア(ー)(kartefour)
 5→ペァ(ー)ンタ(ー)・ファ(ー)イフ(pantafive)
 6→ソ(ー)クスィ(ー)・スィ(ー)クス(soxisix)
 7→セ(イ)テ(イ)・セ(イ)ヴン(setteseven)
 8→オ(ー)クト(ウ)・エ(ー)イト(oktoeight)
 9→ノ(ー)ウヴェ(イ)・ナ(ー)イナ(ー)(novenine)
英数詞の前に付いているのは主に西語あるいは伊語に近いラテン系らしき数詞ですが、
3や6のように正体不明な単語が付いていたり、5のようにギリシャ系の数詞が付い
ていたりします。

>サイコロの1と4の目は紅色でその他は黒だそうです。
→何故なんでしょうね。日本のサイコロが1だけ赤いのは、日の丸に模したのだそう
ですけど。



радуга その後もろもろ

げたのにれのや (2004/01/22 23:15)

〓Maniac C. さま。
〓ブルガリア語の ъ と у は、そうとうに違う母音です。
у は [u] で問題ない。
ъ のほうは [?]。
ブルガリア語の入門書では [@] (シュワ)、つまり、あいまい母音としていますが。
〓ъ は、原スラヴ語では [i+-] のような母音だったと考えられます。現在のロシア語の二重母音 ы [i+-i] (ウィ) は、そもそも ъとI との合字でした。
〓ブルガリア語のCD付きの入門書ってありましたっけ?

〓ベラルーシ語の вясёлы の語頭の вя- も、母音の弱化をそのまま綴りに反映したもののようです。ロシア語の весёлый の ве- も、実際の発音は [v^jI-] (^はスーパースクリプトを表す) で、聴覚イメージは [ヴィ-〜ヴィェ] です。ロシア語とベラルーシ語は、アクセントのない音節での 「母音の弱化」 が顕著で、どの音なのかはっきりしない傾向があります。
〓ベラルーシ語の 「母音弱化の法則に関する資料」 は見たことがありません。もし出会うことがありましたら報告します。



『大日本地名辞書』

鴛鴦 (2004/01/22 18:54)

最近友人が地名について知りたいとしているのでいいものはないかと探していたら、吉田東伍という人が書いたという『大日本地名辞書』なるものがあると聞きました。しかし、今は書店では売っていないとの事。やはり、古書でしかないのか・・・?



コックさん

きしろふ (2004/01/22 18:39)

「cock」の発音つながりですが・・・

「cock」はカタカナ語にすればで「コック」ですが、料理の「コック」は英語の「cook」からきているのかと思いきやオランダ語「kok」からということをつい最近知りました。
ちなみに「シェフ」はもちろんフランス語ですが、本当は「chef de cuisinier」の始めの単語を取ったということのようで。だからフランスでは「chef」だけでは通じないとか・・・



re:船用堅パン

らにい (2004/01/22 18:29)

>Maniac C.さん
>題目からは既に離れているような気もしますが…。
>らにいさん
>「フラグマンシップ」ってようするにどういうこと?
→?? 「フラグマン(信号手・旗手)」「フラッグシップ(旗艦)」という単語は在り
ますが……?
うっ、離れていて大変失礼な上に耳が遠くなったか・・・(もうそんな歳!?)
>「フラグシップ」
おっしゃる通り(一つのグループの)最高級(最高性能)品を指します。
いやぁ、私とてなれないカタカナ語がでてくると・・・(^^;)



Re:ニワトリに栓にベルモットに

きしろふ (2004/01/22 18:23)

>Maniac C.さん
毎度毎度お世話になりますm(_ _)m
「ニワトリ」と「栓」では「上を向く」で共通しているんですね。満へぇ〜(笑)
>「ベルモット」
ということは、「ベルモット」はもしかして「vermouth」を文字読みしている?



ほろ酔いのほろって?

とろ (2004/01/22 11:05)

Maniac C.さん、お答え頂き、ありがとうございました。
昨日、初めてこのサイトに来たのですが、とても興味深く、見させて頂きました。
今後ともよろしくお願い致します。



旗艦

偽中国人 (2004/01/22 05:53)

「旗艦」は海軍用語で、艦隊の司令官が乗っている軍艦のことです。
「旗艦」には司令官の階級を表わす旗を掲げます。
昔のマガジン、サンデーにはこういう記事が載っていました。

http://www.warbirds.jp/ansq/7/G2000398.html
『海上勤務の司令官・司令長官にあっては坐乗艦船に陸上勤務の司令官・司令長官にあっては勤務庁に、その階級に応じた旗(大将旗、中将旗、少将旗)を掲揚する定めになっています。』

空母飛龍艦上にあった少将旗
http://www.kaokoubou.com/koramu4.htm

http://www.d1.dion.ne.jp/~j_kihira/photo/naika_n/naika_n_c.htm
船首に少将旗を立て、波の静かな海面を快走する内火艇

http://www007.upp.so-net.ne.jp/togo/image/taishou.html
http://www007.upp.so-net.ne.jp/togo/image/chujou.html
http://www007.upp.so-net.ne.jp/togo/image/shoushou.html

英国海軍の旗
http://sailingnavy.com/FLAG/flags.htm



幺、色子shai3zi0

偽中国人 (2004/01/22 05:17)

Maniac.Cさん
>中国語でも、通し番号のときは「一」yi1 ではなく、「幺」yao1 と読むのを想い出し
ました。

「幺」は商取引や電話、電報、賭博など聞き間違えると大問題になるシビアな分野で「一」の代わりに使います。通し番号に限らず電話番号など数字を棒読みするような場合に使います。
0120-1517 零幺二零幺五幺七

株価の放送で\210を「フタヒャク・トー」円というのも同じ趣旨です。

英語における数字の異読は知りませんが、無線/有線電話でアルファベットを確実に伝えるために
a alfa、b bravo、c Charleyなどといいます。

量詞と結合することはできません。
○一杯茶
×幺杯茶

「幺」の元の意味は「幺麼ヨウマ=小さい(説文、廣韻)」で
初爲霓裳後六幺 初め霓裳(げいしょう)を為し後は六幺(ろくよう=当時流行した琵琶の曲) 白楽天《琵琶行》

『並んだ数字がまず一つ。物の始まりが一ならば国の始まりが大和の国、 島の始まりが淡路島、泥棒の始まりが石川の五右衛門...』
http://www.asahi-net.or.jp/~vd3t-smz/eiga/dokuson8.html
という寅さんの口上にもあるように、博徒の間で数の一番小さいのが「一」であることからサイコロの「一」の代わりに「幺」を使い始めたようです。

骰子一點者曰「幺」、《日知録》『一爲數之初、故以小名之、骰子之以一爲是也。』
http://www.millionbook.net/js/e/eryuehe/qlhd/155.htm
『“全色出來!”便見茶店老板掲開盤蓋。十几對目光定睛看時,是個“四紅”品色,六枚骰子一個“幺”,一個“二”,其余四個都是“四點”』
“全色出來!”は「全部の色出て来い」という意味で、サイコロの1と4の目は紅色でその他は黒だそうです。

色子shai3zi0=骰子tou2zi0
「骰子」と書いてshai3zi0と発音するように習った覚えがあります。
「色」は学校では「se4」と発音しますが、「人間」=俗世間でshai3と発音するそうです。

中原音韻では「色」は「shai3索穡」と同じ発音で「皆來」の入声作上声。
中原音韻に分類されている発音には一部系統の異なる方言、異民族の言葉による「訓読」が混じっているというウワサがあります。「癌」は伝統的な北京官話では「嵒」と同音yan2の筈なのにイまではai2となっているように。

昭和2年出版の《支那四声字典》に
『色 色情。但シ本音ハ(she4)ト共ニ俗音ニシテ習慣上語ニヨリ其ノ音ノ用法ヲ異ニスルモ凡ソ高[イ尚]ナル語ニハ此ノ音ヲ用ヒズ。 (酒〜財氣)人間ノ四缺點ノ熟語。血色hsieh3shai3』
とあります。尚、血xie3(hsieh3)は口語音、xue4(hsüe4)は文語音(読書音)です。

「女篇の字」で一世を風靡した藤堂明保氏によると「色」は「性交」を表わす象形文字。
論語 季氏-07 『孔子曰。君子有三戒。少之時。血氣未定。戒之在色。』
インテリ紳士の戒めとして三つある。若い時は血の巡りが良すぎるから性欲の暴走に気をつけろ。
http://homepage3.nifty.com/motoshiba/starthp/subpage21.html

漢語林は会意文字。全訳漢辞海は会意、顔の雰囲気(説文、段注『顔者、両眉之阮轣A心達於气、气達於眉閨A是之謂色』)。

学生時代甲骨文を研究していた某教授によると「商、周」は女性が赤ん坊を産み落とす姿を表わしているとか、そういえば篆書体はそのような形に見えないでもありません。



露語関係

Maniac C. (2004/01/22 02:42)

>にれのや師匠
>「喜んでする+気性+であること」
>→親切。
ナルホド。解りました。

>【весёлый 楽しい、陽気な】のウクライナ語形とベラルーシ語形。
>ウクライナ веселий [ヴェ'セーるイ]
>ベラルーシ вясёлы [ヴャ'ショーるぃ]
ロシヤ・ウクライナの е がベラルーシで я になるのも、アーカニエでしょうか?

>【ブルガリア語のラテン文字転写】
>ъ → u
>у → ou
上記2つの、発音は違うのでしょうか?

>松茸さま
>面目ないです。
いえ、お気になさらずに。
>vataは独語Watteからで、これは更にアラビア語に遡るそうです
有り難う存じました。やはり偶合ですか。



ほろ酔いのほろって?

Maniac C. (2004/01/22 02:41)

>とろさん
>ほろ酔い、ほろ苦いの「ほろ」は、どこから出てきたのでしょうか?
→副詞の「ほろく」(いささか・少し)からだと思います。『今昔物語』に「翁は
彼が心ばへをしほろく知りたれば申すなり」と有るようです。又、「ほろさも」
(少しも)という語形も在り、同じ『今昔物語』に「この寺は我死なば後には亦の日
あばれて、人ほろさもなくなりなむとす」と見えるようです。



ニワトリに栓にベルモットに

Maniac C. (2004/01/22 02:40)

>きしろふさん
>「ニワトリ」と「栓」とどういう関係があるのでしょうか?
→英和辞典を引いて他の語義を見ると、推測が着くかもしれません。例えば『ライト
ハウス』では、名詞に「おんどり・雄の・栓・撃鉄(を起こした状態)・帽子のへりの
上反り・しゃくれ・上目づかい・ペニス」と有り、動詞に「(銃の)打ち金を起こす・
(帽子のふちを)上に反らせる・(耳を)立てる・(鼻を)上に向ける」と有ります。さあ、
お解りになりましたか? 全て、「上を向く」ことに共通点が有るのです。「鶏」は、
時を作るときに上を向くのが特徴です。「栓」は樽から垂直に突き出ています。そう
いう関係です。

>江戸川コナンが「『vermouth』はドイツ語で『ベルモット』と読む」といっていますが、フランス語ではないのでしょうか?
→独語 Wermut(h) の発音は「ヴェーアムート」ですね。「ニガヨモギ」の外に「ヴェ
ルモット・ワイン」の意味も有ります。仏語 vermout(h) の発音は「ヴェルムート」、
ついでに伊語でも vermut「ヴェールムト」ですから、耳で聞く分には多分、独語も
仏語も伊語も大きな差は無いと思います。結局、「ベルモット」と読む言語は日本語
以外には無いようです。ちなみにお隣の半島の国では、베르무트주(bereumuteu酒)と
言うらしいです。



船用堅パン

Maniac C. (2004/01/22 02:39)

題目からは既に離れているような気もしますが…。
>らにいさん
>「フラグマンシップ」ってようするにどういうこと?
→?? 「フラグマン(信号手・旗手)」「フラッグシップ(旗艦)」という単語は在り
ますが……?
>「DVDレコーダーの『フラグシップ(「ハイエンド」ともいうことがある)』機」の「フラグシップ」の意味
→「最高級品」の意味ですよね。「ハイエンド」は「ローエンド」の対義語で、最も
機能が低い製品から高い製品まで一列に並べたとき、一番高い側の端(終わり)に来る
製品だからですね。「フラグシップ」は上述の通り、「旗艦」で、一つの船団の中で、
最強だったり最新鋭の船を指す所から、一つのグループの中で最も能力の有る製品、
或るいは性能の高い製品を指す言い方ですね。



第幾号

Maniac C. (2004/01/22 02:38)

>偽中国人さん
>しかし次のHPでは同じように座席番号が問題になっていますが『第幾號』を使っています。これは何の証拠になるでしょうか?
→う〜む。手許の辞書を見ましても、「一般に“第”を用いない.住在(×第)二十五
号」と有るのみですので、そういう言い方は、「一般」的ではないのでしょうね。
本場の中国人でも書き間違える証拠、でしょうか(^^;)。



raduga その他露語関連

松茸 (2004/01/22 01:35)

* 面目ないです。->Maniac.Cさま (^^;

* vataは独語Watteからで、これは更にアラビア語に遡るそうです
http://www.ex-oriente-lux.de/arabischeserbe2.htm
# 最初が"Admiral"なのにびっくり。これぞシンクロニシティ? (^^;
 日本語の「わた」は、古くは木綿ではなく絹糸からの「真綿」を指しましたから、まったくの偶合と考えてよいでしょう。

* zambaku etc.はトルコ語からの借用と思います(語形から見てこれもアラビア語に由来するでしょうが、確認できず)。



радуга 補遺

げたのにれのや (2004/01/22 00:26)

〓【радуга, райдуга のウクライナ語発音】
これは
   радуга ['ラードゥハ]
   райдуга ['ライドゥハ]
とすべきでした。チェコ語とスロヴァキア語の ha を [ハ] としているので。ロシア語 x [x] の有声音、IPA の [γ] の音です。少なくとも、スラヴ語の [γ] は、日本人にはハ行音に聞こえます。興味深いのは、г を [γ] で発音する地域が、ロシア南部(黒海とカスピ海に挟まれた地域)―ウクライナ―スロヴァキア―チェコ、と、言語にかかわりなく、等緯度に帯状に分布していることです。この他にも、アーカニエは、ロシア北部―ベラルーシというように、スラヴ語には言語と関係なく、緯度による発音の共通性がしばしば見られます。
 チェコ語、スロヴァキア語の h は、本来、他のスラヴ語で g もしくは г で表記されている音にあたります。たとえば、hr- という綴りで始まった場合、これは、gr-, гр- に相当します。
〓【весёлый 楽しい、陽気な】のウクライナ語形とベラルーシ語形。
   ウクライナ веселий [ヴェ'セーるイ]
   ベラルーシ вясёлы [ヴャ'ショーるぃ]
〓以前、「アーカニエ」 については書きました。ロシア語とベラルーシ語に起こった音変化で、「アクセントのない о が [а] と発音されること」 です。その際、ベラルーシ語では、アーカニエを起こした о を а と綴ってしまうと書きました。これは裏返すと、ベラルーシ語の単語に о があるときは、必ず、そこにアクセントがある、ということです。以前、ストラヴィンスキイの語源について書きましたが、
   остров ['オーストラフ] 島
に、姓を作る語尾 -инский がつく過程を説明しました。
   Остров+инский
ベラルーシ、ウクライナでは、姓のアクセントは後ろから2つ目の音節ですね。すると、ベラルーシ系の 「ストラヴィンスキイ」 は
   Астравинский
にと綴られることになる。о→а が入れ替わる理由はコレですコレコレ。
〓【ёにもアクセントがある】ついでに書きますと、ロシア語とベラルーシ語では、アクセントのある е が、硬子音の前にある際に、ё に変化しました。(ただし、教会スラヴ語系の語彙は除く。つまり、文語は、口語的変化を受けなかった)。
 ロシア語の入門書の初めに、ё には必ずアクセントがある、と説明されているのはことことです。
〓【ブルガリア語のラテン文字転写】は、ほぼ、ロシア文字と同じですが、ブルガリア政府の定めている転写法では
   ъ → u
   у → ou
です。w は使いません。
〓【замбак と zambaku】
もうしわけない。資料なしです。ドデカイ 「アルバニア=ロシア語辞典」 があったはずなんですが、引っ越しの際に梱包しっぱなしのようで。掘り出すのは至難のわざなので、偶然ヒントが現れるまで待ってください。



радуга 補遺

げたのにれのや (2004/01/22 00:25)

【радуга それからそれから】
〓Maniac C. どの、少しわかったことと、若干の訂正と、まとめ、です。
〓【радушие [ラ'ドゥーしイェ] の語源について】
ああ、わかりました。たぶん、間違いありません。研究社の露和をあらためて確認したら、"радушье [ラ'ドゥーしィェ] というヴァリアントが載っていたからです。つまり、こうです。
   рад+о+душа+ие
   рад [形容詞] うれしい、進んで〜する
   о [接合母音] (形容詞、名詞の語根につく)
   душ [名詞] душа 魂・気質 (の語根)
   ие (ье) [接尾辞] (場所・状態・状況を表す名詞をつくる)
   →
   「喜んでする+気性+であること」
   →親切。
同じ造語法でつくられた語に
   равнодушие [ラヴナ'ドゥーしイェ] 無関心
   добродушие [ダブラ'ドゥーしイェ] 温厚
があります。-ие, -ье と2つの語形があるのは、教会スラヴ語系とロシア語系の語彙の違いです。発音上の差異は微々たるものですが。まあ、漢語と和語という感じか。
〓少し前に、
   「鳥なき里の蝙蝠」
ということわざが話題になっていましたが、スラヴ族では、これを
   「魚の捕れないときには(ところでは)、ザリガニも魚」
と言います。スラヴ人は、「魚=ごちそう」、「ザリガニ=仕方なく食うもの」 と考えていたそうで、それでこういうことわざができました。この 「魚の捕れないとき (ところ)」 という単語が
   безрыбье [ビズ'ルィービイェ]
という名詞で、これは、
   без+рыба+ье
   без [接頭辞] 〜なしで
   рыба [名詞] 魚
   ье [接尾辞] (場所・状況・状態を表す接尾辞)
という構成になっています。そのため、「魚が捕れないときには」 とも 「魚がいない土地では」 とも解釈できます。
   На безрыбьи и рак рыба.
   [ナ ビズ'ルィービイ 'イ 'ラーク 'ルィーバ]



けっけっけっ(^^;)

鴛鴦 (2004/01/21 19:51)

私もテレビを見ていて思いだした事です。
鹿児島の方で「け、け、け」(正確には「け、け、け、け」らしいようですが)というと「貝を買って来い」という意味ですが、秋田では「け、け、け」というと「食べてください」という意味になるようです。



ほろ酔いのほろって?

とろ (2004/01/21 18:59)

ほろ酔い、ほろ苦いの「ほろ」は、どこから出てきたのでしょうか?
ご存知の方は、是非教えて下さい。



ニワトリに栓にベルモットに

きしろふ (2004/01/21 18:51)

「ニワトリ」を意味する英語に「cock」があるのはご存知ですが、「cock」は他に「栓」という意味もありますが「ニワトリ」と「栓」とどういう関係があるのでしょうか?
「ニワトリ」ということで以前「カクテル」の話題が出てきた事を思い出しまして「ベルモット(vermouth)」が頭に浮かびました。『名探偵コナン』で江戸川コナンが「『vermouth』はドイツ語で『ベルモット』と読む」といっていますが、フランス語ではないのでしょうか?(語源は確かにドイツ語「wermut(ニガヨモギ)」ですが)



Re2:船用堅パン

らにい (2004/01/21 12:38)

>Maniac C.さん
うーむ、そういうことですか。
確かにこんなにレパートリーが豊富ですけどね(^^;)
「war」「admiral」の意味についてもありがとうございます。
今回の船の話で「フラグマンシップ」という言葉を思いましたわ(笑)
「フラグマンシップ」ってようするにどういうこと?
それと、「DVDレコーダーの『フラグシップ(「ハイエンド」ともいうことがある)』機」の「フラグシップ」の意味をようやく分かった今日この頃(^^;;)



第幾号

偽中国人 (2004/01/21 05:06)

>次の笑い話では「第幾号」とは言っていません。
→通し番号が序数形ではない証拠ですね。

しかし次のHPでは同じように座席番号が問題になっていますが『第幾號』を使っています。これは何の証拠になるでしょうか?
http://teachers.hrps.tp.edu.tw/class/sai5704/gbook/gbook.asp?Page=5
91年12月28日23點41分 我可不可以換組.........(クラス内の)班を換わっていいでしょうか?
因為我毎次都做同一組... 毎回同じ班で
2次一樣的位子      2回同じ席で
換3次了

[イ尓]是否可以告訴我 [イ尓]是坐在[ロ那]一組的『第幾號』?どの班の第何号に座っているか(先生に)教えてくれるかい?



船用堅パン・追記

Maniac C. (2004/01/21 03:56)

■アドミラルについて述べるのを忘れていました。
■これはアラビア語の「アミール・アル(・バフル)」即ち「(海)の指揮者」に由来
するので、これだけで海軍の「提督」を意味します。陸・空軍のヂェネラルに相当
する位です。
■英国では「漁船隊長」もアドミラルと言いますので、これと区別するために、
ウォー「戦争の」を付けたのではないでしょうか。
■実は米国では、ウォーは特に「陸軍」を意味するので、馬を船に見立て、「陸上の
艦隊司令官」(=他馬の先頭に立つもの)という意味を込めていたのかも知れません。



радуга の語源 その後もろもろ

Maniac C. (2004/01/21 03:08)

>にれのや師匠
早速のご回答、有り難う存じます。
■指小辞 -ка がつくと、民衆の身のまわりのものを言うことが多いのですか。
そう言えばヴォートカも、ヴォーダ「水」に指小辞 –ка ですね。(脈絡が有り
ませんが、ヴァータ「綿」は日本語とよく似ていますね。関係有るのでしょうか?)
■*душие は古ロシア語形で、現代語 душа [ドゥ'しゃー] 「気質」と関係
が有る、と。
■セルボ=クロアチア語を今から勉強するのは骨が折れそうなので、諦めます。

>すっきりしない説明でもうしわけありません。
→いえいえ、滅相もございません。こちらこそ、お手数をお掛けして、申し訳有り
ません。

■大体これで私の疑問は解決したのですが、2つ、未解決なのがブルガリア語関係。
師匠のお手許には、こちら関係の書物はござらんのでしょうか。今一度、挙げておき
ますと、дъга「虹」のラテン字母転写は dwga? というのと、замбак「アヤメ(?)」
はアルバニア語 zambaku「百合」と如何なる関係が有るのか、という疑問です。もし、
お判りになりましたら、お教えください。



船用堅パン

Maniac C. (2004/01/21 02:19)

>らにいさん
>>多分、水や汁物に浸けて柔らかくしてから食べるのだと思いますが。
>そうだとすると、まるで干飯みたいですね。
→一瞬、「干飯」が読めなかったのですが、「糒」のことですね。えっ、こっちの方が
読めない?(^^) 「かれいい」「ひきいい」とも言い、前者は「乾飯」「餉」とも書き
ます。何でも、夏の季語だそうです。夏に天日干ししたのでしょうか。
■私も、「シービスケット」について調べてみました。馬ではなく、食べる方のです。
やはり英語のHPですが、下記URLを御覧になると、実物の写真を見ることが出来、
食べ方も判ります。想像通り、珈琲に入れるなどして粥状にするのが一般的な食べ方
のようです。
■別なHPに拠ると、以下の食べ方が列挙されていました。
Eating plain.
そのまま食べる。
Breaking up the crackers in a pot of coffee.
割って珈琲の鍋に入れる。
Breaking up the crackers in a soup or stew (as a thickening agent).
割って、吸い物または肉汁に入れる。(とろみをつけるために)
Toasting a cracker over a fire and buttered.
火で炙って、乳油を塗る。
Soaking in cold water, browning in salt pork fat, then salting to taste.
冷水に浸し、塩漬け豚の脂で狐色に焼き、塩味を付ける。
Soaking in condensed milk to make milk toast.
練乳に浸して、ミルク・トーストにする。
Soaking in water, frying in salt pork fat, and topping with sugar.
お湯に浸し、塩漬け豚の脂で炒め、砂糖を振り掛ける。
Crumbling crackers, mixing with bacon, raisins, and boiling in condensed milk.
砕いて、燻製肉・干し葡萄と混ぜ、練乳で煮る。

湯漬けにするか、炒めたり、揚げたりして霰にするぐらいしか調理法の無い糒に比べ
(落雁などの干菓子は、一般的な調理法ではないので措いておきます)、何となく調理
の幅が広く、美味しそうではありませんか。まあ、兵隊さんにとっては贅沢な調理法
ですから、そのままでは不味くて食べるのを辞退する人もいる、とも有りますね。

>「war」には「戦争」という他に「海軍」という意味もある?
→いいえ。man に「船」の意味が有り、warship と同義なので、「軍艦」なのです。
類例として、Frenchman「仏国船」, Indiaman「印度貿易船」, merchantman「商船」
などが在ります。

http://www.kenanderson.net/hardtack/



радуга の語源 その後もろもろ

げたのにれのや (2004/01/21 01:16)

【ラードゥガ もろもろ】
〓Maniac C. どの。以下のごとくであります。
туча と дуга は、まったく語源を異にするようです。веселка, вясёлка は、それぞれ、語根 весел-, вясёл- に、指小辞 -ка がついたものでしょう。不思議なことに、ロシア語では весёл- に -ка をつけた名詞は生まれなかった。
〓 -ка をつけるとどのような意味になるかの例。
   мил-ый 美しい → мил-ка [俗] 愛人
   знаком-ый 知己の → знаком-ка [口] 知人の女性
   стар-ый 古い → стар-ка 時を経た強いウオッカ
いずれも俗語・口語が多く、民衆の身のまわりのものを言うことが多いようです。
〓 *душие は、古ロシア語形と思われます。あたしの手元には、現代語以前の辞書がないので何とも言えません。現代語 душа [ドゥ'しゃー] 「気質」 の複数主格を、こう綴る場合もあったのか、あるいは、「場所・抽象的な状態を表す名詞をつくる接尾辞」 -ие (-ье) をつけた名詞 душие が過去にはあったのか?
〓現代のスラヴ語は、アクセントが固定化したグループと、自由な位置を保っているグループとがあります。
【固定化したグループ】
ポーランド語(後ろから2音節目)、チェコ語(語頭)、スロヴァキア語(語頭)
【自由位置を保つグループ】
ロシア語、ベラルーシ語、ウクライナ語、ブルガリア語、セルビア=クロアチア語、スロヴェニア語、高地ソルヴ語
〓 дуга [ドゥ'ガー] は、古ロシア語とブルガリア語が古いアクセントをとどめているとすると、セルビア=クロアチア語で、何らかの理由でアクセントが語頭へ移動したと考えざるを得ません。もちろん、その理由を知りたければ、セルビア=クロアチア語を勉強して、同国で刊行された辞典を調べるしかないんでしょう。

〓スロヴェニア語 mavrica には、何の手がかりもありませんでした。スロヴェニア語関係の語学書は、日本で3種出ていますが、不思議なことに、3冊が3冊ともアクセント位置の表示がありません。
〓高地ソルヴ語は、大学書林から辞書が出ていますが、低地ソルヴ語に関する本は、1冊もありませんでした。

〓すっきりしない説明でもうしわけありません。



RE:船用堅パン

らにい (2004/01/20 12:45)

>Maniac C.さん
>多分、水や汁物に浸けて柔らかくしてから食べるのだと思いますが。
そうだとすると、まるで干飯みたいですね。

少し「シービスケット」について調べてみました。
詳細は下記のリンクに載っていますが、この馬は初勝利までに18戦した大変苦労した馬だったようですし、生涯89戦を成し遂げたタフな馬でもあったようです。
その「シービスケット」のライバルともいわれた「ウォーアドミラル(War Admiral)」の語源を調べていたら、「海軍提督」という意味があるそうで。
そして「ウォーアドミラル」の父でもあり「シービスケット」の祖父でもある「マンノウォー(Man o'War)」は「軍艦」という意味だそうです。(ちなみに「Man o'War」は「Man of War」省略形です)
そうすると、「war」には「戦争」という他に「海軍」という意味もある?

http://csx.jp/~ahonoora/seabiscuit.html (シービスケット)
http://csx.jp/~ahonoora/war_admiral.html (ウォーアドミラル)
http://csx.jp/~ahonoora/man_o'war.html (マンノウォー)
http://www.geocities.jp/kocharajp/shimon/m2_war.html (ウォーアドミラル、マンノウォーの語源掲載)



ペケになった話

偽中国人 (2004/01/20 06:23)

1.関西TV(フジTV系列)の「痛快エブリデー」という番組があるのですが、いつも司会の桂南光という落語家が力を込めて「ツッカイ・エブリデー」というのを聴いていた子供が小学校のテストで「痛快」という漢字に「ツッカイ」とかなを振ったらペケになった、と成人の日に言ってました。

2.中学の教科書に「春過ぎて夏来たるらし白妙の〜」の「来たるらし」は「来たようだ」どころではなく確信に満ちたものだという澤瀉久孝(おもだかひさたか)氏の鑑賞が載っていたのを覚えていて、高校の古文のテストにそのように書いたらペケでした。

まあ、最近のTVはいい加減な内容が多く、日曜日の夕方のTV朝日のニュースで
「タイ国軍の兵士が殉死」
と言っていたので、私はてっきりタイ国王が死んだので、兵隊が「追い腹を切った」のかと思ったら、イラクで乗っていた車に爆弾を投げられて「殉職」したのを「殉死」と間違えたのでした。

日本で有名なのは明治天皇が亡くなったときに乃木大将夫妻が殉死したこと。



第十三年・追記

Maniac C. (2004/01/20 02:57)

中国語でも、通し番号のときは「一」yi1 ではなく、「幺」yao1 と読むのを想い出し
ました。(「七」qi1 との聞き間違えを防ぐためだと思いますが)



радуга の語源

Maniac C. (2004/01/20 02:42)

>にれのや師匠
お待ちしておりました! Спасибо много! また質問が有ります。
ふむふむ。波語 t{e¸}cza の原義は「雨雲」ですか。туча と дуга
は、語形が似ていますが、関連は無いのでしょうか?

>ра- と、形容詞 рад 「うれしい」、名詞 радость 「喜び」、動詞 радоваться 「喜ぶ」 との相似に疑念の余地はなかろう。
→やっぱり、松茸さんの仰るとおり、半分は「喜び」と関係が有るのですね。でも、
松茸さんは「"raduga"は"duga"とは語源を異にします」と仰っていましたし、「近代
露語の"duga"は『虹』の意味で使われることはないようです。」とも仰っていました
が、「ロシア語の方言には、今に至るも『虹』を дуга と呼ぶものがある。」
とのことですから、その辺りは少し違っていたということですね。

>ウクライナ語 веселка [ヴェ'セーるカ] 「虹」。ベラルーシ語 вясёлка [ヴャ'ショーるカ] 「虹」。{ロシア語 весёлый [ヴィェ'ショーるイ] 「楽しい」}。
→「嬉しいもの・楽しいもの」が原義、ということでしょうか?

>*радо-душие から радушие [ラ'ドゥーしイェ] 「親切」 が
→オンライン辞書で душие を検索しましたが、見つかりませんでした。これは
如何なる意味の単語なのでしょうか?

古ロシア語 дуга [ドゥ'ガー] とブルガリア語дъга [ドゥ'ガー] は、後ろに
強勢が有るようですが、セルボ=クロアチア語 дуга ['ドゥーガ], チェコ語 duha
['ドゥハ], スロヴァキア語 dúha ['ドゥーハ] は前に有るのは、何か理由が在るの
でしょうか?

またまたお手数をお掛けしてしまいますが、宜しくお願い致します。



『海の堅焼き洋風干菓子』

Maniac C. (2004/01/20 01:35)

>らにいさん
>要するに「船乗り用の乾パン」ということでしょうか?
→実物を見たことが無いので何とも言えませんが、そう考えても外れではないと思い
ます。多分、水や汁物に浸けて柔らかくしてから食べるのだと思いますが。

>私もどうしてあの名前を付けたのかを調べてみましたが、……、馬主の心境は分かりませんでした(^^;)
→ 英語のHPですが、下記URLを御覧ください。どうやら、家系(?)的にそういう名前
らしいです。父親が Hard Tack で、その母(シービスケットの祖母)が Tea Biscuit
だそうですからね。
http://members.fortunecity.com/spiletta42/seabiscuit.html



радуга の語源

げたのにれのや (2004/01/20 01:29)

〓【радуга の語源】
Maniac C., もっすごく遅くなりましたが、
   Павел Яковлевич Черных
   パーヴェル・ヤーコヴレヴィチ・チェルヌイフ
の語源辞典からの抄訳です。例によって、発音および { } 内は拙註。
【'радуга】['ラードゥガ] 虹。方言では райдуга, равдуга (ダーリ Даль, 1866) とも。
 ウクライナ語 райдуга ['ライドゥガ], радуга ['ラードゥガ] (雅語では веселка [ヴェ'セーるカ] とも)。ベラルーシ語 радуга ['ラードゥガ] (しばしば вясёлка [ヴャ'ショーるカ])。
 スラヴ語の中には、語頭の ра-:рай- を欠くものがある。ブルガリア語 (небесна [ネ'ベースナ] {空の}) дъга [ドゥ'ガー]。セルビア=クロアチア語 дуга ['ドゥーガ]。チェコ語 duha ['ドゥハ]。スロヴァキア語 d{u+´}ha ['ドゥーハ]。
 他のスラヴ語では対応する語を欠く。Cf. 同義にて、スロヴェニア語 mavrica [?]。ポーランド語 t{e+し}cza ['テんチャ] (Cf. ロシア語 туча ['トゥーチャ] 黒雲・雨雲。対応するポーランド語は chmura [ふ'ム-ラ] 雲)。高地ソルヴ語 tu{c+v}el ['トゥチェる]。低地ソルヴ語 tyca ['トィッツァ か?]。
 ロシア語では、радуга は1731年から辞書に記載がある。(ヴェイスマン Э.Вейсман, 1731)。古ロシア語には、радуга という語はなく、дуга [ドゥ'ガー] と呼ばれていた。古ロシア語の古文書では、この語は 「虹」 の意味のみで現れる。
 17世紀初頭、リチャード・ジェイムス (Richard James, Ричард Джемс, 1618―1619) が、дуга という語を 「虹」、「馬の軛(くびき)」 の両義で採録している。ロシア語の方言には、今に至るも 「虹」 を дуга と呼ぶものがある。(チェルヌイショーフ, Чернышев, <<Сведения>>, 1900/古くは ダーリ, Даль, 1863)。
 語源に関しては、あまりはっきりとしない語である。そのうえ、語頭の ра- の解釈が何よりの難題である。この ра- と、形容詞 рад 「うれしい」、名詞 радость 「喜び」、動詞 радоваться 「喜ぶ」 との相似に疑念の余地はなかろう。Cf. ウクライナ語 веселка [ヴェ'セーるカ] 「虹」。ベラルーシ語 вясёлка [ヴャ'ショーるカ] 「虹」。{ロシア語 весёлый [ヴィェ'ショーるイ] 「楽しい」}。
 民間伝承、古くからの俗信では、喜ばしい経験は虹と関連づけられている。聖書によれば (創世記 9.13)、「雲の中」 に現れる虹は、大洪水が再来しないことの証であった。虹は、「神の寵愛」、「人類への赦罪」 の目に見える現れだった。なお、このことから、虹の古俗称は божья дуга ['ボーじヤ ドゥ'ガー] 「神の дуга」 であった (ダーリ, Даль, 1866)。
 радуга は、比較的遅く дуга をもとに *радо-дуга から作られた語である。それは、ちょうど、*радо-душие から радушие [ラ'ドゥーしイェ] 「親切」 が、*будьни(е) дьни 「ふだんの日」 から будни ['ブードニ] 「平日」 が作られたのと同様である。
 ロシア語圏全体で見るならば、この語は、дуга をもとにした他の語形が採録されている方言から入ったとも言える。たとえば、райдуга (Cf. рай ['ラーイ] 「天国」, райский 「天国の」) など (ダーリ)。радуга の語源については、プレオブラジェンスキイ (А.Г.Преображенский, 1910―14)、ファスマー (M.Vasmer, 1953-57) も見よ。

〓なお、HOT生茶のCMに出てくる車は、ソ連製ではなく、デボネアでした。



第十三年

Maniac C. (2004/01/20 01:00)

>偽中国人さん
>『魯迅逝世後的第十三年,….』の句で「第」の字を省くと「13年間」"for 13 years"という意味になり「13年に亘って大きな変化」が続いていたことになります。
→ナルホド! そういう違いでしたか。この句は(お判りになるでしょうが)、英語
ですと、“Thirteen years after Lu Shun (had) passed away, ....”となります。

>高校の教科書にも載っていそうな杜甫の《春望》
>…の『三月』を「三ヶ月」と解釈する説と、春の「三月」と解釈する説があります。
→現行の中学校の教科書に載っていますね。
私の記憶ですと、「さんげつ」と読むと前者、「さんがつ」と読むと後者で; 中学校
では前者の説で教えているようです。

>「通し番号」とは…欠番のない序数ではないでしょうか?
>…分量を表わしているのではありません。
→うまく説明できないのですが、確かに集合数ではないので、分量は表しませんが、
通し番号は普通、基数形で表されます。英語の No.1 という表現が通し番号です。
部屋番号(特に病室)などをお考えいただければお解りになると思いますが、日本では
「4号室」が、西洋では「13号室」が欠番になることが多く有ります。思うに、
形容詞的用法と副詞的用法しか無いのが序数で、独立的名詞用法しか無いのが通し
番号ではないでしょうか。体操のときの掛け声が通し番号だとお考えになると、独語
の ein と eins や、露語の odin と raz の違いもお解りになるのでは。

>次の笑い話では「第幾号」とは言っていません。
→通し番号が序数形ではない証拠ですね。(ちなみに、阿呆の訳語は「呆ちゃん」でも
良かったのでは? 意味の解らない人には解らない訳語ですが)

>“幾号?”“大号.”
→中国語でもこのような言い方をするとは存じませんでした。英語でも、
 do[make] number one(s) 「おしっこする」
 do[make] number two 「うんちする」
という幼児語が在ります。

>陳水扁先生是中華民國第幾任總統?
>香港的父親已不知是學生的第幾任繼父...
>ホンコンの父親は学生の何人目の継父だろうか(何人目の継父なのか分からない)
→実証、有り難う存じました。

>「ままはは」は聞いたことがありますが「ままちち」は聞いたことがない。
→私も耳にしたことは有りませんが、辞書を調べますと、『大和物語』(平安時代)、
『和名抄』(同)、『日葡辞書』(「ままてて」の形、江戸時代初期)に例が有るよう
です。「ままはは」は、多分、『灰被り』でよく聞くのでしょう。「ままこいぢめ」
などという言葉が有るくらい、実例も多かったのだと思います。それに比べ、継父の
方は、明治期以降の「家」制度により、実例がはるかに少なくなった為かと推測され
ます。「平安時代には、継父が娘の所へ通って結婚する例がある。」と、わざわざ
岩波の『古語辞典』には註釈が付いていますから、昔は実例が比較的多かったので
しょうね。



ひとつき はんつき はんかげつ

高駒麗人 (2004/01/19 21:55)

「三月」は「さんがつ」だとMarch、「みつき」では three months=「三箇月」(さんかげつ)ですね。
現代中国では「三月」san yueはMarch、「三箇月」がthree monthsです。
日本では「半月」ですと「はんつき」a halh monthなのか「はんげつ」half moonなのかわかりません。中国ではa halh monthは「半箇月」ban ge yueですから、日本語でも「はんかげつ」と言ってよさそうなものです。

朝鮮語の han dal は「ひとつき」「一箇月」one month だったか、「いちがつ」「一月」Januaryだったか忘れました。あとで調べます。





高駒麗人 (2004/01/19 21:50)

銭形平次は同僚の目明かしから「銭形の」と呼ばれていました。
大川版では「銭形」、北大路版では「銭形の」と呼ばれていたようです。
風間版ではどうだったか覚えていません。



キノ 中米

高駒麗人 (2004/01/19 21:47)

ManiacCさん、らにいさん
解説&ご回答どうもありがとうございます。

日本で「英和中辞典」とあると、英語と日本語と中国語の辞書かと思いますが、英和の中型の辞書でした。中国でこういうのが出ると「英日漢詞典」Ying Ri Han Cidianというふうに「中」を「漢」にします。



こちらもどっち?

らにい (2004/01/19 18:30)

以前、「ヘップバーン」などの読みについての話題があって思い出した事ですが、最近は「ヘップバーン」ではなく「ヘプバーン」と表記してくるのが多くなってきたとの事です。
さて、今話題となっている自衛隊のイラク派遣について先遣隊が現地に到着したようですが、今回活動を行う場所が放送局や新聞によって表記がちがっています。
「サマワ」なのか「サマーワ」なのかどっちだい!?
前にも「ウサマ・ビンラディン」や「オサマ・ビンラディン」「ウサマ・ビンラーディン」「オサマ・ビンラーディン」とはっきりせず・・・



Re:第十三年

らにい (2004/01/19 18:21)

>偽中国人さん
私は『春望』の「烽火連三月」を「烽火三月に連なる」と読み下すと習いました。
そして「三月」は「三ヶ月」のことということも。
私も最初は暦の「三月」と勘違いしていましたが・・・
ですから受験問題等ではまず「烽火三月に連なる」と読み下すようですから、そうしないとペケになる恐れがあります。



訂正

げたのにれのや (2004/01/19 15:55)

〓「勘定元」 のわけないだろ。
〓「貸元(かしもと)」 です。「賭場の開催者」 の意味です。

何しろ、あたしの日本語は耳で覚えたものが主なので、
   「勧進元(かんじん・もと)」
と 「勘定」 が融合しちゃったんですね。

〓「貸元(かしもと)」 というのは、ヤクザ仲間では、「尊称」 でした。つまり、清水次郎長(しみずのじろちょう)を呼ぶ場合、どういう表現があったかというと、
   【同等、もしくは自ら次郎長より格が上と自認する親分は】
    おぅ、清水の。
   【自ら次郎長より格が下の親分は】
    もし、貸元。
   【子分衆は】
    ねえ、親分。
   【素人衆は】
    親分さん。



Re:『海の堅焼き洋風干菓子』

らにい (2004/01/19 12:39)

>Maniac C.さん
要するに「船乗り用の乾パン」ということでしょうか?
私もどうしてあの名前を付けたのかを調べてみましたが、どれも「ジービスケット」そのものの語源ばっかりで、馬主の心境は分かりませんでした(^^;)



Re:第十三年

偽中国人 (2004/01/19 05:20)

>「魯迅がなくなって13年目に、中国に大きな変化が起きた/魯迅逝世後的第十三年,中国発生巨大変化.」と、西洋語では在り得ない序数形が、日本語と同様に使われています。

『魯迅逝世後的第十三年、....』の句で「第」の字を省くと「13年間」"for 13 years"という意味になり「13年に渉って大きな変化」が続いていたことになります。

元々漢語の基数、序数は曖昧なもので、高校の教科書にも載っていそうな杜甫の《春望》
國破山河在,....
烽火連『三月』,家書抵萬金。
の『三月』を「三ヶ月」と解釈する説と、春の「三月」と解釈する説があります。
動詞「連つらなる、連続する」の後ろに「三月」と来れば「三ヶ月for three months」と解釈するのが自然です。読み下す場合も「烽火連なること三月」なら三ヶ月という意味ですが、「烽火三月に連なる/連なり」とどちらかはっきりしない玉虫色の読み方が日本人好みなのです。

《列子》卷第二 黄帝篇
黄帝既寤,怡然自得,召天老、力牧、太山稽,告之,曰:「朕闍庶O月,齋心服形,思有以養身治物之道,弗獲其術。..」
黄帝既にして寤め、怡然(晴れ晴れ)として自得す。天老 、力牧、太山稽を召してこれに告げて曰く、朕(われ)閑居すること三月(=みつき)、心を齋(=清)め形(=身体)を服(整)え、以て身を養い物を治むる『の』道あらむことを思へども、その術を獲(=得)ず。

「朕闍庶O月」は「朕はMarch三月は暇だった」という意味ではなく「みつきの間ひっそりと閉じこもっていた」という意味です。

口語体では次のように「三個月」と書いて曖昧にならないようにします。
同居三個月便向女友舉刀猛砍的中年男子黄際輝,以故意殺人罪被北京市第一中...
同居すること3ヶ月にして(同居して3ヶ月目)ガール・フレンド(若いかどうか保証外、念のため)にナイフ(片刃の刃物)で切り付けた中年男の黄際輝は....

>通し番号には「号」を使いますので
「通し番号」とは即ちSerial Number、Sequential Number、Consecutiveで欠番のない序数ではないでしょうか?「3」という通し番号は「3番目」を表わしていて、3枚や3人、3個という分量を表わしているのではありません。

しかし一旦通し番号を決めて代名詞として用いる場合は欠番ができたからといってもその都度変更していては不都合が生じます。

>日付を訊くときは「今天幾月幾号?」
校慶是幾月幾日?学校の創立記念日は何月何日?

「幾天」といえば日数を尋ねるhow many daysの意味になります。
「好幾天没有來」数日来ていない。
「好幾号没有來」というのはunacceptableであると思います。
文語体では
何日是帰年 いづれの日かこれ帰年ならむ
何日君再来 いづれの日か君再び來たらむ

次の笑い話では「第幾号」とは言っていません。
http://report.nt1.isst.edu.tw/isst_admin/story_paper_joke/joke/joke283.htm
某日, 上課時,阿呆突然舉手發言:報告老師
  ある日、授業中に「アホ」が手を挙げて言いました。「先生!」

師:什麼事?
  先生:何だ。

阿呆:我想上廁所.
  アホ:トイレに行きたいんですけど。

師:...好吧!下不為例,幾號?
  ...よし、お前だけだぞ。“幾号”

阿呆:報告老師,大號!
  先生!大の方です。

師:喂!我是問座號!
  オイ、座席(出席)番号を尋ねているんだ!

『幾號』には日付、番号以外にも靴、既製服などのサイズが6号なのか、7号なのかと尋ねるときにも用いる『曖昧さ』があります。そこで生徒はSMLの積もりで「大號」と答えた。

結論としては漢語の「十三年」とか「三月」というような語はそれだけを取り上げてはcontext-freeで意味を決定できない語でcontext-sensitive文脈依存であるといわなければいけません。

p.s
陳水扁先生是中華民國第幾任總統?
香港的父親已不知是學生的第幾任繼父...
ホンコンの父親は学生の何人目の継父だろうか(何人目の継父なのか分からない)
「ままはは」は聴いたことがありますが「ままちち」は聴いたことがない。
「ままはは」も今では「放送禁止用語」になっているのでは...



はんかぶち

げたのにれのや (2004/01/18 23:35)

【はんかぶち について】
〓 Maniac C. どの。まったくまったく。箱根八里の半次郎なんて下っ端がいたら、
  「てめえは、なめえ負けだ。ハコハンでいいや。おぅい、
   てめったち、これからこいつはハコハンて呼んでやれ」
となるのが 「関の山」。
〓それと、仁侠ものの浪曲でおもしろい言葉を耳にしまして……
   【はんかぶち】
というんです。「誰の子分にもならずに、旦那衆相手の小規模な賭場を開いて生計を立てている一匹狼の勘定元」 という定義ができますか。大きな親分衆のシマとシマの狭間の辺鄙なところで賭場を開いていたらしい。案外、大親分衆らからも一目置かれる存在だったようです。「はんかぶち」。「半可打ち」 と字を当てるんじゃないかと思いますが、「半可臭い」、「半可通」 とならぶ、珍しい 「半可」 の使用例だと思うんですが。



松嶋菜々子 HOT生茶のCM

げたのにれのや (2004/01/18 23:34)

【松嶋菜々子 HOT生茶のCM】
〓【ずんちゃずんちゃずちゃずんちゃ】
ネットを調べてみたら、ないみたいなんで、ここに書いておきましょう。

[車に乗ったロシア人]: <<Совсем не изменилась!>>
[松嶋菜々子]: <<О, я как раз вовремя! Подведёшь?>>

これだけです。[サフ'シェ-ム ニ イズミ'ニーらシ]  [オー、ヤ カク'ラース 'ヴォーヴレミャ  パドヴィ'ヂョーし]

逐語訳すると
  「あなたは、昔とまったく変わっていないですね!」
  「まあ、わたしって、なんてタイミングがいいのかしら! 乗っけてってくれる?」

それと、使われている車ですが、ソ連で <<Жигули>> [じグゥ'りー] 「ジグリ」、輸出名 <<Лада>> "Lada" ['らーダ] 「ラーダ」 と呼んでいた車の1モデルだと思いますが、車は詳しくないので……



『海の堅焼き洋風干菓子』

Maniac C. (2004/01/18 22:59)

>らにいさん
惜しい!
■馬名の由来は存じませんが、邦訳は「船用堅パン」です。暴風がひどくて料理が
作れないときなどに支給する乾餅のことだそうです。別名 hardtack, pilot bread,
ship bread, pilot biscuit, ship biscuit。ついでに、上等なものは captain’s
biscuit と言うそうな。(^^)
■ ♥形のウニ(heart urchins)も、こう呼ばれるそうです。





Maniac C. (2004/01/18 22:58)

>にれのや師匠
>侠客の名前の前半と後半をつなぐ 「の」 ですが、どうも、
>   口語的な調子を取るためだけのもの
>と思われます。その根拠は、前半が3拍までの名前にしか 「の」 が入らないからです。
→と、言うことは、「箱根八里の半次郎」は、侠客の名前としては在り得ない、と言う
ことですか。(^^)

>あおさん
お久しぶりです!
■「ヴィンチ(Vinci)」「ゴッホ(Gogh)」は地名ですが、「アーサ(Arthur)」「コナ(Connor)」
は人名ですよ。mac は「息子」で、ó は「子孫」の意味です。似たようなのに、fitz
や ibn というのも在ります。
■「ゴール(Gaulle)」は諸説在りまして、「ガリヤ(Gaule)」「ウェールズ(Galles)」と
すれば地名、「ワロン人(Wallon)」とすれば民族名、「壁、堤防(wall)」とすれば土地
の特徴ということになります。



Re:序数詞

らにい (2004/01/18 16:02)

>Maniac C.さん
洋の東西でこうも感覚が違うとは。勉強になりました。

また勝手ですが(オイ)、こんどやるあの話題のタイトルを無理やり日本語にすると『海の堅焼き洋風干菓子』になります(^^;)『二度焼かれた海』という無理矢理+意味不明な訳もできますがね。



Re:どっちが先?

らにい (2004/01/18 15:43)

>Maniac C.さん
英語のほうは駐清公使パークスや清国総税務司ロバト=ハートらの英国人が調停したから中国が先、フランス語のほうは当事者国だからフランスが先。そう考えると日本語のほうは利害関係で言えば若干仏国寄りにみえたので「仏清戦争」・・・と思いきや「清仏戦争」。
やっぱり地理的要因かなぁ・・・
>高駒麗人さん
確かに「北米」「南米」がありますからね。「中米」ではメキシコやパナマなどを思ってしまいますね。



Re: 侠客の 「の」

あお (2004/01/18 15:12)

この呼び方は欧州の名前にはよくありますね。
De Gaulle
Davinci
Van Goch
McArthur、O'Connorなど



侠客の 「の」

げたのにれのや (2004/01/18 13:43)

〓【侠客の名前に入る 「の」 について】
侠客の名前の前半は、ふつう、
   出身地・本拠地の地名、身体的特徴、あだ名
です。後半は、多くの場合、本名です。
 で、侠客の名前の前半と後半をつなぐ 「の」 ですが、どうも、
   口語的な調子を取るためだけのもの
と思われます。その根拠は、前半が3拍までの名前にしか 「の」 が入らないからです。
   【3拍以下の例】
   シミズ ノ ジロチョウ
   アイヅ ノ コテツ
   モリ ノ イシマツ
4拍以上では、通常、「の」 が入りません。
   【4拍以上】
   クツカケ トキジロウ
   イイオカ スケゴロウ
   クニサダ チュウジ
ところが、これは、口語の上でのことなのであります。浪曲を聴いていますと、同じ名前が、セリフの部分では 「の」 が入り、地の語りの部分では 「の」 が入りません。つまり、
   ここはすべてを心得ているシミズジロチョウ
なんていう言い回しが出てきます。
 また、「の」 は、侠客仲間では敬称でもあったようで、
   おぅ、清水の。
と余所のシマの親分が呼びかけた場合、これは敬称なんですね。von に似てます。こういう場合は、
   おぅ、飯岡の。
とも言います。しかし、シマの名前でない場合、
   おぅ、森の。
とは言いません。これは敬称にはならない。森の石松は
   いしまっつぁん
が呼び名でした。



序数詞

Maniac C. (2004/01/18 13:02)

■『何代目?』の考察の続きです。どうして日本人は「何代目?」と訊きたがり、
どうして英語には「何番目?」を直接表す表現が無いのか、考えを深めてみました。
■結論としては、西洋人にとっての序数詞は基数詞ほど重要な語形ではなく、東洋人
にとっての序数詞は基数詞と序数詞の役割分担が出来ている、というものです。
■『何代目?』の2番目に挙げた英訳は、「それは表の何番目?」“Where does it
stand on the list?”の応用です。旺文社の『ロイヤル英文法』p.270にも、「『何番目』
を英語ではどう表現するか?」という問いに「文脈に応じて where その他の疑問詞を
適当に使えばよい。」と答えています。
■英語で最も普通に序数詞が使われるのは日付を言うときですが、「何日?」と訊く
場合には“What is the date?”「日付は何?」や“What day (of the month) is it?”
「(月のうちの)何の日?」という表現を使って、疑問詞を序数形にせねばならなく
なるのを回避します。
■無理やり「この仕事を始めて何年目?」とか訊こうとしても、“How long/how many
years have you worked on this kind of job?”と言うことになります。
■映画などを見ていますと、「2日目」という意味で、“Day 2”という字幕が表示され
ることが在ります。内容は序数なのに、読むときは基数形です。Elizabeth II では、
恐らく“Elizabeth Two”と読まず“Elizabeth the Second”と読む人ばかりだと思い
ますが; 逆に、World War II になりますと、“the Second World War”という言い方
は在るにしても、“World War the Second”とは読まず、必ず“World War Two”と
読まれます。「第2幕第2場」も Act II, Scene ii で“act two, scene two”です。
日本語では序数詞なのに、英語では基数詞になっています。もっと身近なところでは
Lesson 2(Two) は日本語に直すと「第2課」です。
■私が教育を受けている頃は、日付は June 6.と書いてあったら、“June (the) sixth”
と読むものだと教わりましたが、最近は米語の商業主義が浸透して、“June six”と、
基数形で読んでも良いことになりました(但し、飽くまでも略式な読み方ですが)。
■保守的な独語ではどうかと思ったら、やはり Tag zwei「2日目」や Weltkrieg
Zwei「第2次世界大戦」(序数形の der Zweiter Weltkrieg の方が普通)や Akt Zwei,
Szene Zwei「第2幕第2場」(序数形の Zweiter Akt, Zweite Szene の方が普通)や
Lektion Zwei「第2課」という表現が在りました。
■こう考えてゆくと、英語人を始めとする西洋人は、あまり序数形を重用せず、基数
形で代用できるところは置換してしまう傾向の有ることが判ります。
■印欧祖語に遡れば、序数形は、基数形に後置定冠詞が付いたものとされています。
精々、事物を個別化・強調するぐらいの機能しか無かったわけです。
■翻って日本語では、序数詞には「め」という接尾辞を付けますが、古代日本語には
序数形と基数形の区別が無く、「め」を付けた形が登場するのは中世になってからです。
日本語でも、「め」は「目」に由来しますので「注目によって知られるもの」が原義
ですから、印欧語同様、事物を個別化・強調する機能だったと考えられます。では、
いつから、どうして、日本人は順序を気にするようになったのでしょうか。
■私は、中国文化の影響が大きいと考えます。儒教は長幼の序列に厳しい文化です。
又、平安期、漢数詞を使うのは「女三の宮」のように、序数に限られていたことを
考え合わせても、この頃、基数と序数とを分けて考える習慣が形成されたものと思わ
れます。
■最後に中国語の例を考えてみましょう。手許の辞書を見ると、「魯迅がなくなって13
年目に、中国に大きな変化が起きた/魯迅逝世後的第十三年,中国発生巨大変化.」と、
西洋語では在り得ない序数形が、日本語と同様に使われています。中国語では、通し
番号には「号」を使いますので、日付を訊くときは「今天幾月幾号?」と、序数形は
出て来ませんが、「{イ尓}在班里是第几名?(あなたはクラスで何番目?)」と訊くこと
は出来ます。「第二課」も、このまま di4er4ke4 と発音されます。多分、「林肯是第幾
任総統?(リンカーンは第何代目の大統領ですか)」と訊くことも可能だと思います。
中国語班の方々、そうですよね?
■お隣の半島の言葉については全く無知なので判りませんが、恐らく、同じ漢字文化
圏で、日本より儒教の影響力が色濃いお国柄ですから、同様の言い方が可能だと想像
します。



Re:ニシン

佐藤和美 (2004/01/18 10:34)

更科源蔵・更科光『コタン生物記』(法政大学出版局)からです。
「ニシンは日高、胆振地方ではヘロキといい、オホーツク海岸や日本海ではエロキといったが、ニシンの本場である日本海では最も大事な魚としてカムイ・チェプ(神魚)とも呼んだ。」

>ベロッケ(アイヌ語)

これは「ヘロキ」が(東北方言かなんかで)訛った形なんでしょうね。

>「二親」は普通「ふたおや」と読むと思います。

「二親」を「にしん」と読む例は古くからありそうです。

『大辞林』
にしん 1 【二親】
父母(ふぼ)。ちちはは。両親。ふたおや。
「はかなくなれる―が死骸(しかばね)をほりおこいて/平家 2」



ビートホーフェン

偽中国人 (2004/01/18 03:16)

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートヴェンの祖父はアントワープ生まれだとか。
のちにボンに移住して選帝侯宮廷楽団のバス歌手、そして楽長となりました。
その息子、即ちルートヴィヒの父も宮廷楽団のテノール歌手をつとめています。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~ohfreude/ben/201.htm

Beethovenが自分の死期を悟ったとき
「諸君、喝采したまえ、喜劇は終わった・・・・・・」
と叫んだと伝えられています。

「喜劇」...ビート「砂糖大根」...Beet

もう御気付きでしょう。

ビート・たけしの「ビート」は「ビートホーフェンBeethoven」から頂いたものであるというのは(砂糖大根には)根も葉もあるのか無いのか分からない話です。



ビートホーヴェン

Maniac C. (2004/01/18 02:18)

>高駒麗人Komaさん
>>(Beethoven<Beet「砂糖大根」+hov「庭園・農場」+en[複数語尾]ということでしょうか。
→中途半端な表現でしたね。反省。
 独語: Beete[ベーテ]+Höfe[ヘーフェ](単数形Hof[ホーフ])
 蘭語: Biet[ビート]+Hoven[ホーヴェ(ン)](単数形Hof[ホフ])
となりますので、(誤)ベート → (正)ビート、と訂正いたします。

>荷蘭語の場合、VincentやVanのvは半ば清音化してfに近くなるのか、それとも摩擦が弱くてwanのように聞こえるのでしょうか?
→蘭語のvは、英語のvとfの中間の音であり、北部では、語頭のvは大体無声化し、
fとして発音されると言ってよい; 母音間の場合、慎重に発音する場合か、南部では、
vは有声音である: とB.C.ドナルドソンは書いています。



貝多芬を女だと勘違いした男の話、補足

高駒麗人Koma (2004/01/18 01:51)

「芬」FENは女性に多い名前だそうです。>「芬」FENは女性の名前に多い漢字だそうです。
「貝多芬」を女の作曲家と勘違いしている中国人が実際いるかわかりませんが、いるかもしれません。外国の人名も中国字(漢字)で書く中国では字面だけでは何処の国の人名か不明な場合がよくあります。
Yeltsin→叶利欽 Yeliqinは漢字を見ると中国的な名で、事実新聞などで「叶總統」(發音は Ye zongtong)というふうに、まるで「叶」Yeが名字の中国人のように書かれる場合もありました。
Putinは「普京」Pujingですが、方言的に Puging(P'uking)のように發音される可能性があり、ひとごとながら気になります。
Martin Luther King Jrつまりキング牧師は中国で「金」Jinさんですが、原音はngで終わっていますから、この Kingを現わす時こそ「金」でなく「京」Jing(北京Pekingの-king)を使うのがいいのに惜しいなあと私は思います。



貝多芬とは俺のことかとBeethoven

高駒麗人Koma (2004/01/18 01:40)

>。(ベートホーヴェン<ベート「砂糖大根」+ホフ「庭園・農場」+エン[複数語尾]と、出身地名のようで、

>(Beethoven<Beet「砂糖大根」+hov「庭園・農場」+en[複数語尾]ということでしょうか。
中国の笑い話でこういうのがあります。

ある青年(男)が女の子の前で見栄を張って、本当はクラシック(西洋古典音楽)の事など知らないのに趣味はクラシックだと言った。女の子は彼を試そうと「貝多芬是男的?還是女的?」Beiduofen shi nande?Haishi nu-de?(Beethovenは男?それとも女?)と聞いた。男は少し戸惑って小声で「女的」Nu-deと答え、女の子はがっかり。

「芬」FENは女性に多い名前だそうです。
シナ語では外来語のvをfかwにしますから。
Leonardo da Vinciは「達文西」Da Wenxi(ダウェンシ)または「達芬奇」Da Fenqi(ダフェンチ)です。
Vincent Van Goghは「文森特凡高」Wensente Fan Gaoまたは「梵谷」Fan Guです。
荷蘭語の場合、VincentやVanのvは半ば清音化してfに近くなるのか、それとも摩擦が弱くてwanのように聞こえるのでしょうか?

http://www.ume.sakura.ne.jp/~juninho/comments/kanji/composers.html
(VIVA 漢字!中国語で覚えよう大作曲家の名前、ベートーヴェンて貝多芬って書くんだって!)



国の順序

高駒麗人 (2004/01/18 01:19)

ふるさん
偽中国人さん
Maniaccさん
フォローどうもありがとうございます。

中国では中国とアメリカの関係を「中美関係」Zhong-Mei guanxi、Sino-US(Sino-American) relationsと呼びます。英語のSino-USはいいのですが「中美」ですと中央アメリカ(メキシコなど)と間違えます。日本で「中米関係」と言わず「米中関係」というのはその為でしょう。



ニシン

偽中国人 (2004/01/18 01:15)

http://www.suinaka.or.jp/tagyoufish/nisin.html
>カド・カドイワシ(北海道、東北で使われる異名)
>ベロッケ(アイヌ語)

http://www.avis.ne.jp/~kuniyuki/unchiku/nishin/nishin.htm
さかなのうんちく
>北海道教育大学岩見沢校舎の佐藤知己先生によるとニシンのアイヌ語は一般には「ヘロキ」だという。
>本朝食鑑(1697年)では東国の魚、鰊の字を当て、音の由来を数の子が多いことから父母(二親)の恩恵を表すとしている。これには身を2つに割いて作る身欠ニシン(二身)からとの異説もある。

「二親」や「二身」と書いて「ニシン」というのは「mamahuhu馬馬虎虎、麻麻胡胡、媽媽呼呼」と同様の跡付けだと思います。「二親」は普通「ふたおや」と読むと思います。

http://www6.plala.or.jp/AKAIWA/seitaitobunpu.html
>アイヌ名 ヘロキ、エロキ

真偽の程は如何に?



どっちが先?

Maniac C. (2004/01/18 01:07)

>らにいさん
「清仏戦争」は、英語・仏語ではどちらの国が先か、調べてみました。
■「1884-1885 war」で検索すると、以下のような英語表現が引っ掛かってきます。
中国が先(優勢): the Sino-French War/China France War/Chinese-French War
仏国が先(劣勢): the Franco-Chinese War/the Franco-Ching War
→駐清公使パークスや清国総税務司ロバト=ハートらの英国人が調停したから?
■同様に「1884-1885 guerre」で、以下のような仏語表現が引っ掛かってきます。
仏国が先(優勢): la guerre franco-chinoise
中国が先(劣勢): Guerre sino-française
→やはり、当事者国だから?
■当時の日本の立場を分析しますと、朝鮮半島で独立党を軍事支援していましたから、
中国が印度支那での戦争に精力を割いていれば朝鮮に派兵する余力は無いだろうと
考え、仏国との戦争が長引くことを望んでいました。従って、利害関係で言えば若干
仏国寄りだったと思います。勝敗で言っても、言い分を通したのは仏国ですから、
「仏清戦争」で良いような気もするのですが。やはり、らにいさんの推測どおり、単純
に地理的な理由からかも知れません。



「の」

Maniac C. (2004/01/18 01:06)

>偽中国人さん
■補足投稿、有り難う存じました。

>幕末には「清水の次郎長」、「森の石松」などが登場しました。
→彼らの存在を忘れていました。この場合は、「清水湊にいる、次郎八(米問屋)の
山本長五郎」と「遠州森町出身の石松」という意味ですね。(石松のフルネームが
お判りになる方はお教えください……多分、「石松」だけでしょうね)

>ベートーベンは正しくはヴァン・べートーベンと言い、このヴァン(Van)はオランダで「・・・の子」という意味です。
→私の認識では、ヴァンも出身地を表す表現だと思っていたのですが、そのような
意味も有ったのですか。(ベートホーヴェン<ベート「砂糖大根」+ホフ「庭園・農場」
+エン[複数語尾]と、出身地名のようで、個人名らしくないと思うのですが……)



鰊、数の子とアイヌ語

佐藤和美 (2004/01/17 20:07)

>「司馬遼太郎と「ウラル・アルタイ語族」etc」佐藤和美(2001/06/03 10:12)
>『菜の花の沖』のあとがきだったかに、「ニシン」の語源はアイヌ語だって書いてあったけど、アイヌ語に「ニシン」なんて単語はないのでありました。(^^);

山口佳紀編『暮らしのことば語源辞典』(講談社)
数の子
「鰊は別名カド(アイヌ語由来か)ともいい、その子であるからカドノコといった。」

「カド」がアイヌ語由来だなんて説もあるんですね。
でも知里真志保『アイヌ語分類辞典・動物編』には「カド」なんて単語はないのでありました。(^^);



re:月極

鴛鴦 (2004/01/17 15:30)

>未菜実さん
「つきぎわめ」が「つきぎめ」になったと。ふむふむ。
「げっきょく」はだれもが一度は通る間違った道・・・(^^;)



Re:月極

未菜実 (2004/01/16 23:22)

江戸語の辞典(講談社学術文庫)には、
つきぎわめ(月極、つきぎはめ):月契約。月ぎめ。
と出てきますから、つきぎわめ→つきぎめ と変化したのではないでしょうか?



決めを極める

鴛鴦 (2004/01/16 22:23)

よく街を見渡しますと駐車場のひとつに「月極駐車場」がありますが、なぜか「月決め駐車場」ではなく「月極駐車場」と書いてあります。
こういうネタは色々なところで解決されていると思いきや、検索してみてもはっきりとした答えがなく意外でした。
これは関東に多いらしいんですが、何ゆえ「月極駐車場」なんでしょうか?



Re:おしゃまんべ

佐藤和美 (2004/01/16 21:41)

「長万部(おしゃまんべ)」の由来ですね。

山田秀三『北海道の地名』(北海道新聞社)から引用します。
長万部
「秦憶麻呂の地名考(文化5=1808年)がここの地名伝承を書いた初めらしい。抄録すると「古名ウアシ・シャマンベ(雪・ひらめ)。昔神がこの海で大ひらめを釣り、神として山上に祭られた。春雪解けの時に、この山にひらめの形の雪が残る時が漁期だと教えられた」と書かれてある。ウアシとはウパシ(雪)のことである。上原熊次郎も同説。ただし、シャマンベは鰈と訳した。永田方正も同説。これは土地の長い伝承だった。北海道駅名の起源昭和29年版は「オ・シャマム・ペツ(川尻が・横になっている・川)」であると音に当てて新説を書いた。川尻が海と平行している川なので、その解が考えられたのであろうか。」



どっちが先?

らにい (2004/01/16 20:40)

「日清戦争」「日露戦争」についての続きで申し訳ありませんが、「清仏戦争」は「清」が先ですが、これは日本の隣だから(要するにそっちの方が近いから)でしょうか?
(英語は調べることが出来ませんでした。大変失礼します m(_ _;)m)





ふる (2004/01/16 09:28)

高句麗人さんもありがとうございました。失礼しました。

p.s.ベートーヴェンの名前については、佐藤和美さんの「『人名の世界地図』
 批判」でも取り上げられていますね。初版がvanでなくvonと誤記されてい
 た、等々。



「の」「von」「van」…

ふる (2004/01/16 09:05)

Maniac Cさん、偽中国人さん、ご教示ありがとうございました。
目ウロコです。



von、van、の、徳川

偽中国人 (2004/01/16 05:31)

ウィーンにも「ふる」さんのような錯覚をした人が居て、おなじみのベートーヴェンLudvig van Beethovenもオイシイ思いをしたようです。
ちなみにBeethovenはウィーンでは「ビートホウファン」のような発音です。

http://www.hcn.zaq.ne.jp/caapa406/Basic/B_Name.htm
ベートーベンは貴族か

ベートーベンは正しくはヴァン・べートーベンと言い、このヴァン(Van)はオランダで「・・・の子」という意味です。ところが、ドイツ語圏のフォン(von)は同じ意味ですが貴族にしか付きません。甥の後見を巡る訴訟で、この二つが混同され、ベートーベンは貴族だと誤解され事件は貴族裁判所へ回されました。この裁判所は貴族に甘いからベートーベンは勝訴しましたが、「あいつは貴族じゃない」ともう一度訴えられ、平民の裁判所では負けてしまいまし

カラヤンHerbert von Karajan

http://www.ulis.ac.jp/~ygoto/karajan.htm
>あるいはフォン・カラヤンという貴族特有の名前をもち、ザルツブルグ出身の貴族の出ということになっているが、朝比奈隆がどこかで語っていたところでは、カラヤノスというのが元来の彼の姓で、ギリシア移民の一族であるという噂もあるそうである。本当のところはよく分からないが、ギリシア系の人物が、オーストリア貴族を名乗っていたとすると、カラヤンという人の美学の1つの虚構性を裏づけることにもなるであろう。

日本の古代史には「の」を持つ人名が出てきますが、小、中、高校の歴史教科書に名前が出るのは天皇、皇族、貴族、武士、大商人ばかりなので錯覚するのも無理はないと思います。

幕末には「清水の次郎長」、「森の石松」などが登場しました。
ほかにも「餡かけの時次郎(てなもんや三度笠)」、「木枯らし村の紋次郎」「吉良の仁吉」などの博徒(ギャンブラー)に「の」が付きます。

征夷大将軍になる者は「源平藤橘の流れを汲むものでなければいけない」というような資格制限があるため、徳川家康は忠臣蔵の仇役の高家、吉良義央(上野介)の先祖から家系図を譲り受け、出自を詐称したと言われています。

http://www2.harimaya.com/sengoku/buke_kf.html
>源平藤橘の四姓を重んじる公武社会の伝統的慣例は、とくに鎌倉時代以後の日本人の社会生活に大きな影響を及ぼしてきた。そうして、わが家の系図を重んじ、これを先祖から伝えられてきた家宝として子々孫々に伝える習慣が発生したのである。
 室町末期の戦国時代に進出してきた諸国の土豪や武士には、どこの馬の骨か判明しないものが多い。しかし、かれらが、いわゆる戦国大名になると、彼らは、わが家の系図作りに大わらわとならざるをえない。立派な系図がないと、大名としての体面が保てないからだ。この場合、その先祖を。天児屋根命を遠祖とする藤原氏か、桓武天皇を祖とする平氏か、清和天皇・村上天皇らを祖とする源氏に求めるしかなくなってくる。
.....
徳川家康なども、三河松平郷の出自なのに、姓を藤原氏などとしていたが、関ヶ原の合戦勝利後三年目に征夷大将軍に任ぜられると、上野の新田源氏得川の子孫だと宣伝すると同時に、鎌倉幕府以来、歴然とした源氏の正統である三河の大名吉良氏に依頼し、その系図を買い受け、源姓の「徳川系図」を作り上げている。

http://www.fsinet.or.jp/~fight/illust/main/kira.htm
>吉良家は足利家の庶流で、室町時代には「公方[くぼう]絶ゆれば吉良継ぐ、吉良絶ゆたれば今川継ぐ」と謳われたほどの名家であり、徳川家との縁も深い(系図を徳川家に貸したという話もある)。



孫悟空、嬰児、子

偽中国人 (2004/01/16 04:35)

孫悟空の由来
西遊記 第一回
猻(=[犬孫])字去了獸旁,乃是個子系。子者兒男也,系者嬰細也,正合嬰兒之本論,教你(=[イ尓])姓『孫』罷。」
須菩提祖師が「おまえは体つきが松の実を食らう「猢猻(=[犬胡][犬孫])さる」に似ているから...「猻[犬孫]」の「獣偏=犬」を取れば、子・系。子は児男(おとこのこ)、系は嬰細(おんなのこ)。あたかも嬰児の根本義と合致する。さればおまえの姓は孫といたそう。

悟空「この上のお願いはお師匠さま、姓をいただきましたついでに、名前もいただけましたら、...」

祖師「わしのところでは、十二の文字があって、順ぐりに名前に当てている。すなわち、広・大・智・慧・真・如・性・海・頴・悟・円・覚の十二字。おまえの順番はちょうど悟の字に当たるから、孫悟空という法名をつかわそう。」

http://ccbs.ntu.edu.tw/cbeta/result/app/T54/2128_046.htm
蒼頡篇に云うには、女をば嬰と曰い、男をば児と曰う、と。

嬰はまだおむつが取れない赤子。...六朝のころから(「孩」と)対で用いられた場合に、強いて「嬰」は女の赤子、「孩」は男の赤子と区別することもみられるようになった(全訳漢辞海)

藤堂漢字源は「首飾りをつけた女の子のこと」

「子」は基本的に「男児」を表わします。「父子」は「父と息子」。「父与女」は「父と愛人」ではなく「父と娘」。



Cの発音

Maniac C. (2004/01/16 03:42)

>高駒麗人さん
>英語のcのうちkで發音するものはドイツ語とロシア語でkになり、sであるものは tsになっています。
→多分、それらの単語は、仏語経由で独語・露語に入ったものだと思います。
■少し前の仏語では、前母音が後続するcが[ts]と発音されていましたので、その
時代に借り入れられた単語の発音が、そのまま保存されているのでしょう。現代語
では[t]が脱落して単なる[s]に変化しています。つまり、[k]>[ts]>[s]という変遷
を仏語では辿ったわけです。
>すると英語のcinemaは、ドイツ語、ロシア語で Zinema、tsinema となりそうですが、実際は Kino、kinoです。
■英語は仏語経由ですが、独語・露語は希臘語 kino- から直接借用したものでしょう。



「の」

Maniac C. (2004/01/16 03:23)

>ふるさん&高駒麗人さん
>フランス語の人名(姓)で、de Villepin(ドヴィルパン)のように「ド」が頭に
>付いたり、ドイツ語の姓で von Weberのように「フォン」が頭についたりする場
>合、その家は貴族出身である、という話を耳にします。仏語のde、独語のvonは
>意味的には英語のof、日本語の「の」と同じです。
→そうですね。
■西洋の場合、領地名を示して、「どこそこが領地の誰某」という言い方をするの
ですね。
■しかし、貴族ばかりとは限りません。例えば、不確かな記憶で申し訳有りませんが、
アロンソ=キハーナは「ドン-キホーテ=デ-ラ-マンチャ」と名乗っても、彼は貴族では
なく、騎士(つまり武士階級)であったはずです。この場合は、「ラ-マンチャ地方出身
のドン-キホーテ」という意味で、領地名ではなく、単に出身地を添え名としている
だけです。
■そう言えば、『風の谷のナウシカ』も英題は“Nausicaä of the Valley of Wind”
だったような気がします。これも同上ですね。同作品には「ペジテのアスベル」とか
「トルメキアのクシャナ」とかも出て来たと思いますが。
>そこで日本語は、と考えてみると「源義経」を「みなもとのよしつね」という風
>に「の」を付けて読むことに思い当たりました。平清盛もそうですし、藤原鎌足
>もそうですよね。
→う〜ん。
■源氏・平家は、もとを辿れば天皇ですが、武士の頭領ですよね。藤原鎌足(最初期は
中臣鎌子)は、改姓前の「なかとみ>なか・つ・おみ」を見ても、代々廷臣だったこと
が判りますので、「貴族」と言っても良いと思いますが。
>しかし、足利尊氏、徳川家康、戦国武将あたりは「の」を付け
>ないような気がする。武家は貴族ではないということなのかとも思うのですが
→当然です。
■「足利」も「徳川」も地名であって、本来の氏族(血族集団)名ではないからです。
どちらも氏族名に遡れば、源氏になります。源氏はやたら多いので、分家は地名を
付けて、それを冠して名乗ったのです。木曽義仲などは解りやすい例ですね。同様に、
織田信長は氏族名で言えば平家です。豊臣秀吉に至っては、農民出身ですから、氏族
名は無かったはずです。
■詳細は下記URLが解りやすいと思いますが、元々「の」は「〜に在る」という
意味で、そこから「〜に所属する」という意味が生まれた助詞です。従って、氏族名
の後に付く「の」は、「〜という氏族集団に属する」というような意味になります。
■現在でも、歌会始などでは、平民でもちゃんと「の」をつけて呼んでくれます。(^^)

http://kamakura.cool.ne.jp/kenmerisurf/kyouyou/nonituite.htm



姓の名

高駒麗人 (2004/01/16 02:47)

蘇我馬子(そがのうまこ)、 物部守屋(もののべのもりや)
中臣鎌足(なかとみのかまたり)、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)
大友皇子(おおとものおうじ)、厩戸皇子(うまやどのおうじ)
日本武尊(やまとたけるのみこと)

どちらかというと古風な名前には「の」が多いですね。



膠巻 電影

高駒麗人 (2004/01/16 02:41)

Re:セロテイプとフィルム 投稿者:らにいさんへ  投稿日: 1月15日(木)12時38分59秒

>高駒麗人さん
なるほど、それば「面黒い」ですね。

膠帯jiaodaiですとセロテイプの他にガムテイプも含みます。
膠巻jiaojuanの方は英語でfilmですが、「菲林」feilinもあります。廣東語ではfilmを「菲林」feilamと呼びます。潮州、台湾方言で「菲林」を發音すると huilimです。どれが原音に近いかは御自由に判断してください。
filmには映画の意味もありますが、中国では映画は電影dianyingで、映画館は電影館dianyingyuanです。
シネマ cinemaの他にキネマ kinemaという言い方があるようでこれで納得いきました。
英語の accent、concert、circusはドイツ語でAkzent、Konzert、Zirkusのようで、ロシア語では aktsent、kontsert、tsirkのようです。
英語のcのうちkで發音するものはドイツ語とロシア語でkになり、sであるものは tsになっています。
すると英語のcinemaは、ドイツ語、ロシア語で Zinema、tsinema となりそうですが、実際は Kino、kinoです。
英語にも kinemaがあるのでこれで納得しました。



re:「あらまー」の続報

松茸 (2004/01/16 00:47)

 引用元ページを参照してみましたが:
| Alamak ... is in use from Africa to Japan.

「"Alamak"はアフリカから日本にかけて使われている」
すなわち、日本語の「あらまー」は"alamak"と同源、という意味としか解釈できません。
 この文の筆者は日本語を体系的に知らず、トンデモを鵜呑みにしてしまった、ということでしょう。
 当然、他の記述も眉唾で読む必要があります。(^^;



おしゃまんべ

洋介 (2004/01/15 16:49)

アイヌ語に、『おしゃまんべ』ってありますか?
意味も知っていたら教えて下さい!!



貴族の姓に「の」のつく現象

ふる (2004/01/15 16:45)

おひさしぶりです。突然の質問で恐縮です(既出ならお赦し下さい)。
フランス語の人名(姓)で、de Villepin(ドヴィルパン)のように「ド」が頭に
付いたり、ドイツ語の姓で von Weberのように「フォン」が頭についたりする場
合、その家は貴族出身である、という話を耳にします。仏語のde、独語のvonは
意味的には英語のof、日本語の「の」と同じです。
そこで日本語は、と考えてみると「源義経」を「みなもとのよしつね」という風
に「の」を付けて読むことに思い当たりました。平清盛もそうですし、藤原鎌足
もそうですよね。しかし、足利尊氏、徳川家康、戦国武将あたりは「の」を付け
ないような気がする。武家は貴族ではないということなのかとも思うのですが、
日本の人名の姓の後に「の」を付けて読む習慣についてどんなことでも結構です
のでご存じの方、ご教示下さい。



「あらまー」の続報

Shusan (2004/01/15 15:38)

マレー語Alamakの日本語由来説その後です。 Alamak is a direct translation of "Madre de Dios" or Mother of God and is in use from Africa to Japan.と言う文を www.arts.nie.edu.sg(シンガポールの通信教育サイト)に見つけました。マレーシアの友人達に見せたところ、「直訳なら mak(母)-tuhan(神) (マレー語は形容詞が後ろに来る)。ala は Oh!くらいの意味か」と言ってます。アフリカで使われていると言うのでマレー語ではないのかも。
読者の多そうなサイトなので誤りでないと良いのですが。

なお別にドイツ語由来説も検索に出たのですがサイトが開きませんでした。つづく



Re:セロテイプとフィルム

らにい (2004/01/15 12:38)

>高駒麗人さん
なるほど、それば「面黒い」ですね。



はじかみ

Shusan (2004/01/15 08:34)

佐藤様、詳しい情報と出典で、小生の浅知恵へフォローをありがとうがざいました。恐縮です。「はじかみ」も奥が深いですね。
http://www.xswingertreff.com/Will/



子音交代

Shusan (2004/01/15 08:23)

Maniac.Cさん、「み」→「に」の例をありがとうございました。「ふみ」は忘れていました。
勉強になりました。
http://www.xswingertreff.com/Will/



訂正 Monky>Monkey

高駒麗人Koma (2004/01/15 03:50)

中国で發賣された英語版の「西游記」Xiyoujiの絵本では
「唐僧」→ The Priest
「孫悟空」→ Monkey
「猪八戒」→ Pig
「沙和尚」→ Sandy
でした。



悟の字三兄弟

高駒麗人Koma (2004/01/15 03:48)

>日本でよく知られている漢訳の訳者は何を隠そう、我らが孫悟空(=斎天大聖=堺正章)、猪悟能(=天蓬元帥=西田敏行)、沙悟浄(=捲簾大将=岸部シロー)のお師匠さま(=唐三蔵=夏目雅子)なのです。
http://www.fami-geki.com/saiyuki/
孫悟空
猪悟能
沙悟浄
この三人、「悟」の字を共有していることに御注目。三蔵法師の兄弟弟子ということで、以前に紹介した「宋家の三姉妹」と同様、本当の兄弟に準じて一字を共有しています。
猪悟能や沙悟浄が孫悟空のことを師兄(唐音すひん)と呼んでいます。

偽中国人さんはご存知でしょうが、唐僧玄奘三藏法師と会う前は、
「斎天大聖」、「天蓬元帥」、「捲簾大將」(斎天大聖=堺正章言う所の「スダレの番人」)が天界での肩書き、

「孫悟空」は美猴王が初期の師匠からもらった名、
「猪悟能」と「沙悟淨」は天蓬元帥と捲簾大將が觀世音菩薩様からもらった名、

そして玄奘が与えた名は
「孫行者」「猪八戒」「沙和尚」です。

しかし、日本ではもちろん「孫悟空」、「猪八戒」、「沙悟浄」です。
中国では三藏は「唐僧」Tangseng(鑑真和尚も唐僧ですが)で、弟子は
「孫悟空」Sun Wukong、「猪八戒」Zhu Bajie、「沙和尚」Sha Heshangになります。

よく考えると名前の採用基準が不安定です。

中国で發賣された英語版の「西游記」Xiyoujiの絵本では
「唐僧」→ The Priest
「孫悟空」→ Monky
「猪八戒」→ Pig
「沙和尚」→ Sandy
でした。

岸部シロー氏は、豪州に行った時、現地の人から“Sandy”と呼ばれたそうです。



“弟”の唐音を教えてください

偽中国人 (2004/01/15 02:36)

「師兄」が唐音で「すひん」なら「師弟」は唐音でなんと読むのでしょう?

広東語で「兄弟」は「ひんたい」のような「ヘンタイ」のような発音です。



Re:Kanjizai

偽中国人 (2004/01/15 02:31)

C言語プログラマのための呪文
http://www.ma.is.sci.toho-u.ac.jp/~matusima/sin-hannya.html

次の現代日本語訳はなかなかの出来です。
>Clearly saw that all the five components of consciousness are empty
>5つの基本的な要素は全て空であることを見抜き

>Thus overcoming all suffering and misfortune.
>一切のバグから解放された

>O Sharishi, Form is not other than emptiness,
>学生達よ,  ポインタがNULLにならないことはなく,
「学生達よ」は「プログラマーよ」のほうがよいでしょう。
>Emptiness not other than form,
>またNULLがポインタでないこともない.

>Form itself is emptiness,
>ポインタはNULLになり,

>Emptiness itself is form.
>NULLはポインタなのだ

新加坡では四馬路(=滑鉄慮街=Waterloo Street)の観音堂が有名。

日本でよく知られている漢訳の訳者は何を隠そう、我らが孫悟空(=斎天大聖=堺正章)、猪悟能(=天蓬元帥=西田敏行)、沙悟浄(=捲簾大将=岸部シロー)のお師匠さま(=唐三蔵=夏目雅子)なのです。
http://www.fami-geki.com/saiyuki/
孫悟空
猪悟能
沙悟浄
この三人、「悟」の字を共有していることに御注目。三蔵法師の兄弟弟子ということで、以前に紹介した「宋家の三姉妹」と同様、本当の兄弟に準じて一字を共有しています。
猪悟能や沙悟浄が孫悟空のことを師兄(唐音すひん)と呼んでいます。

観自在菩薩=観世音菩薩=観音娘娘Guan yin nyang nyangクヮンイン ニャンニャン
聖観世音菩薩
http://www.mis.janis.or.jp/~kaizenji/setumei.htm
旧訳では観世音と訳される。
「世の中の衆生の声・音を聞き観じて、直ちに救済して下さる」という意味。
新訳(7世紀、玄奘三蔵以後)では観自在と訳される。

ちょっとマユツバのページ
http://village.infoweb.ne.jp/~ent/china/bukyou/sitei.htm
>兄弟子(先に入門した者)のことは「師兄(しけい)」という。



子音交代

Maniac C. (2004/01/15 02:04)

>Shusanさん
>「み」→「に」の変化は知りませんでしたが他にあるのでしょうか?
→はい。多くは在りませんが、下記のものが知られています。
■「鳰鳥」は「にほどり」〜「みほどり」で、「頓」は「とに」〜「とみ」です。
■「文」を「ふみ」と訓むのも、中国音のfunに母音のiを添えた「ふに」から、と
いう説が在ります。(確かに六歌仙は「文屋康秀」で「ふんや」だが、声母は軽唇音
の次濁であり、清音ではないはずなので、濁点の無表記形と考えた方が良いのでは
ないでしょうか)



竹莢魚

高駒麗人 (2004/01/15 01:05)

鯵(あじ)は英語でscadのようで、シナ語では「竹莢魚」zhujiayuとも言います。
シナ語で「鮎魚」nianyuは「鯰魚」nianyu(なまず)の書き換えで、日本でいう「あゆ」は「香魚」xiangyuになります。



セロテイプとフィルム

高駒麗人 (2004/01/15 01:00)

らにいさんへ

セロテイプ(韓国でスカチテイプ)はシナ語で「膠帯」jiaodaiですが、私は「膠帯」と「膠巻」jiaojuan(フィルム)をよく間違えそうになります。



「古池や蛙飛び込む水の音」英語版

高駒麗人 (2004/01/15 00:49)

>The ancient pond
A frog leaps in
The sound of the water

なるほど。
昔の英語の教科書では
An old pond.
A frog jumps in.
The sound of the water.
でした。
Free Care Car Was To Become Me Is Not.
ではないようですね。



Re:はじかみ

佐藤和美 (2004/01/14 21:05)

『日本国語大辞典』から引用します。

はじかみ
山椒について
(1)ハジケマ(罅裂子)の転[大言海]。
(2)ハジカミラの略。ハジは、花がハゼて実が出るところから。カミラは韮の古名で味が似ているところから[箋注和名抄]。
(3)辛くてハ(歯)がシカム(蹙)ところから。[雅言考]。
生姜について
(1)クレノハジカミ(呉椒)の略。味が椒に似ているところから[大言海]。
(2)ハシアカミ(端赤)の義[日本釈名・滑稽雑談所引和訓義解・東雅]。
(3)ハシカミ(歯蹙)の義[古事記伝・雅言考・俚言集覧・和訓栞・日本語原学=林甕臣]。ハシジマリカガム(歯蹙屈)の義[名言通]。
(4)ハシタカラミ(歯舌辛子)の義[言元梯]。



怖い顔らしいです(^^;)

きしろふ (2004/01/14 20:53)

今からちょっとある文章を書き出しますが、これが何か分かりますか?
一行一行改行してきますと、大変な行数になりますので、行と行との境目を半角2マス(全角1マス分)あけました。一区切りしているところは改行しました。そのほかは原文ママです。

Kanjizai, the enlightened one, Practicing deeply the perfection of wisdom, Clearly saw that all the five components of consciousness are empty, Thus overcoming all suffering and misfortune.
O Sharishi, Form is not other than emptiness, Emptiness not other than form, Form itself is emptiness, Emptiness itself is form.
Sensation, perception, mental activity, awareness Are also like this.
Sharishi, All phenomena are forms of emptiness: They are not born, nor do they die; They are not defiled or pure; They neither increase nor decrease.
Thus in emptiness there is no form; No eyes, ears, nose, tongue, body, or mind; No color, sound, smell, taste, touch, or phenomena; No realm of sight, and so on to no realm of consciousness; No ignorance, and yet no end to ignorance, and so on to No old age and death, and yet no end to old age and death; No suffering, no cause of suffering, no path to the cessaton of suffering, No wisdom, and nothing to gain.
With nothing to be gained, Theenlightened being relies upon the perfection of wisdom; With noyhing to obstruct his mind or heart, he thus has nothing to fear.
Passing far beyond all deluded thought, He reaches nirvana.
All Buddhas of the past, present, and future Rely on the perfection of wisdom And therefore attain supreme, complete and perfect enlightenment.
Know then rhat the mantra of the perfection of wisdom Is the most sacred mantra, The wisest mantra, The mantra that cannot be surpassed, The mantra that cannot be equalled.
This mantracan sweep away all suffering; This is the truth, not a lie.
So let us recite the mantra of the perfection of wisdom, Let us recite it thus: Gate(gone), Gate(gone), Paragate(gone beyond), Parasamgate(gone completely beyond), Bodhi svaha!(the glory of enlightenment)
Thus ends the Heart of Wisdom Sutra.



Reバリカン

きしろふ (2004/01/14 20:04)

>一夜悶さん&Maniac C.さん
私も脱皮・・・もとい脱帽です(え?しつこい??)



RE:「Nihon Bungaku」

らにい (2004/01/14 12:44)

>ロスケさん
これは失礼しました。これからは末ながく(笑)します。
意外と「of water」がオリジナルかもしれません。(ちっと自信ないもので・・・ ^^;)



RE:何代目?

らにい (2004/01/14 12:39)

>Maniac C.さん
>「how manieth とか what-th とか造語する
のは、それなりに苦心している様子は見て取れるのですが、いかにも英語が不得意な
日本人らしい、勝手な、と言うよりは稚拙な表現、と私なぞは思ってしまいます。
つまり、ライターがすぐ傍に在るのに、使い方を知らないので一生懸命に手持ちの
生木を擦り合わせているような、そんな原始的な感じがしてしまうのです。」
うーん、そう考えるとそうかも・・・?
>「■ところで、以前からお尋ねしようと思っていたのですが、貴女のHNは、もしやマハーラーヂャの女性形マハーラーニに由来するのでしょうか?」
期待させて大変申し訳ありませんが、正真正銘テキトーにつけたHNです(汗×100)
「らにい」は「OIE」で「お家」と関連付けたとも考えられましょうが、本当にテキトーなんです(再び、汗×100)
そうか、そういう手があったか・・・



はじかみ

Shusan (2004/01/14 10:49)

「はじかみ」は2000年の話題でしたが、小生の誕生日(2月9日)の花「こぶし」に「こぶしはじかみ」の別名があるのでちょっと調べる気になりました。別名はこぶしの袋果が熱ではぜることや辛い味がすることから山椒(はじかみ)を連想したものだそうです(出典不詳)。「こぶし」はもちろん「拳」(確信)
以下関連
・「からはじかみ」は「ごしゅゆ」のこと(大辞林)しゅゆはグミのこと(不詳)
・生姜は既存の山椒と区別のため「くれのはじかみ」とも言った(不詳)
・「かみら」は韮の古名(大辞林)。「カラミ」と誤記したサイトもあり注意
・「おおみら」はらっきょの古名(大辞林)
・「かみら」は小さなみら「こみら」の転(不詳)
・高知県に美良布(みらふ)神社があり現在地は韮生野(事実)
・「みら」は古語で美味しいの意(古語辞典が手元に無く未確認)
・「はじかみ」は「はぜるかみら」に由来(不詳)
こうしてみると殆ど出典が判然としないのですが、とりあえず一件落着!?
(出典明らかのもの教えてください)

「み」→「に」の変化は知りませんでしたが他にあるのでしょうか?
なお「韮=にら」が「蒜=ひる」の転とする説もありました。(韮崎、蛭が島)



RE: 「Nihon Bungaku」

ロスケ (2004/01/14 04:33)

>次に、『雪女』などで有名な小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、
>Old pond-frogs jumped in-sound of water.

上記の"pond-frogs"と"in-sound"に見られる「-」はハイフォン(hyphen)を表す記号で、無理に直訳すれば「池のカエル」となってしまいます。本来ここで用いられるべき記号はダッシュ(dash)」であり、hyphenではありません。dashはhyphenよりも長い横線なので「--」で表現することが多いようです。
さて、ドナルド・キーン(Donald Keene)の訳
The ancient pond
A frog leaps in
The sound of the water
の最後の行の"of the water"のところ、ウェブで検索するとtheが無い"of water"というバージョンも結構あるようで、どちらがオリジナルなのか興味深いですね。
人類初の月面着陸中継で同時通訳をつとめた鳥飼玖美子著「歴史をかえた誤訳(新潮OH!文庫)」では、芭蕉のこの句が果たして英訳可能なのか?と疑問を呈しています。『だが、この句の翻訳でもっとも問題になるのは、「蛙」の存在自体が英語にもたらす滑稽さをどう処理するか、ということではなかろうか。「蛙」は英語世界でも生息しているので無理なく英語に訳せるのだが、そのためにかえって、訳したとたんに詩としての生命を絶たれるかもしれない』と。
#ちなみにこの本では"of water"です。



何代目?

Maniac C. (2004/01/14 03:09)

>らにいさん
>「何代目」という英語はきちんとしたものはないということらしいです。
→以下に研究社『新和英大辞典』の訳を。(nandai-me という項目が有る!)
In what number of the order of American Presidents is Lincoln?
Where does Lincoln stand in the order[list] of American Presidents?
How many presidents were there before Lincoln?
■M.C.的には、最後のが解りやすくて好きですね。
初めのは頭でっかちで、Presidents に引かれて are にしちゃいそうだし。
真ん中のは、stand が日本人的発想では出て来ないと思います。

>あるアメリカ人編集者は「Which president was Lincoln?」という訳をしました。
→“Which drawer is it(何番目の抽斗)?”と同じ発想ですね。抽斗のように整然と
並んでいる物ならばすぐに判るでしょうが、やはり英国人には厳しいでしょうね。
■次の英文の意味はお解りになるでしょうか…。
How do you stand in your class? 「お前はお前の学級でどのような立場に在るか。」
つまり、「あなたの成績はクラスで何番目?」という意味になるのです。
■このような尋ね方が英語的な発想なので、how manieth とか what-th とか造語する
のは、それなりに苦心している様子は見て取れるのですが、いかにも英語が不得意な
日本人らしい、勝手な、と言うよりは稚拙な表現、と私なぞは思ってしまいます。
つまり、ライターがすぐ傍に在るのに、使い方を知らないので一生懸命に手持ちの
生木を擦り合わせているような、そんな原始的な感じがしてしまうのです。

>「今の総理大臣は何代目?」と聞かれてすぐ答えられる人はまずいないでしょう
→小泉さんは87・88代目だそうな。

■ところで、以前からお尋ねしようと思っていたのですが、貴女のHNは、もしやマハー
ラーヂャの女性形マハーラーニに由来するのでしょうか?



バリケード

Maniac C. (2004/01/14 01:49)

>にれのや師匠
>Barriquand 姓の語源
Je vous remercie, professeur!
>現在のフランス語辞典には、barriquer という動詞は載っていませんが、barricader 「バリケードでふさぐ」 と語源のつながりがありそうです。この動詞の語源は Maniac C. わかりますか?
→はいはい。動詞 barricader は、名詞 barricade からの派生で、これは仰るとおり、
barrique「大樽」に由来します。初め、土を入れた大樽で防柵を築いたからだそう
です。んで、barrique はガスコーニュ方言の barriqua に由来し、民衆ラテン語の
*barrica(m) に遡ると有ります。実はこの単語、*barra(m) の形容詞形と思われ、
*barra(m) は、英語の bar の語源です。bar の原義は御存じの通り「横木」で、
「門を鎖す横木」<「柵」<「障害」という意味変化らしいです。barrier「障壁」や
barrage「堰」も同源です。かんぬきと大樽は、見た目はかけ離れていますが、意外と
語源上は近かったわけですね。



訂正

げたのにれのや (2004/01/14 00:36)

〓Dictionnare → Dictionnaire
〓Bariquant, Barriquant のごとく -t で終わる姓は採録されていません。



バリカン姓 Barriquand の綴りと語源について

げたのにれのや (2004/01/14 00:32)

【バリカンの綴りと語源について】
〓<<Dictionnare etymologique des noms de famille>>, Marie-Therese Morlet, Perrin で 「バリカン」 に相当するフランス姓を捜してみました。以下が、異綴同音の 「バリカン」姓です。
   (1) Barican (記載なし)
   (2) Baricand (Bourbonnais)
   (3) Bariquand (Bourbonnais)
   (4) Barricand (Puy-de-Do^me)
   (5) Barriquand (Velay)
( )内は、その姓の発生地です。モルレの辞書では、主見出しに Barriquand を採用しています。いっぽう、ラルースの仏姓辞典では、Bariquand を主見出しにしています。また、この姓のヴァリアントに
   (6) Barrucand (記載なし)
   (7) Barruquand (記載なし)
「バリュカン」 も採録されています。しかし、
   (?) Bariguand, Barriguand という姓は採録されていないので、q と g を誤写したものではないでしょうか?
〓Barriquand 姓の語源は、
『動詞 barriquer の現在分詞。barriquer は、barrique (バリック。200ないし250リットル入りの大樽) を使って戸締まりをする。家の特徴をいう』
ということです。現在のフランス語辞典には、barriquer という動詞は載っていませんが、barricader 「バリケードでふさぐ」 と語源のつながりがありそうです。この動詞の語源は Maniac C. わかりますか? つまり、「バリカン」 さんの御先祖は、家の戸締まりをするにあたって、かんぬきとか錠とかを使うのではなく、大樽で扉を押さえていた、とこういうことですね。「あのうちは、戸口をバリケしているうちだよ。あそこは、"バリケしている" バリカン barriquand さんだね」、と言うことでしょう。



「バリカン」の綴り

Maniac C. (2004/01/13 22:30)

>一夜悶さん
>「バリカン」の綴りは Barriquand ではないかと思うのですが、如何。
…おや? 気付かなかったのですが、綴りがそれぞれ微妙に違っているようですね。
きしろふさん: Bariquand ← これは『広辞苑』(岩波書店)に載っている綴りですね。
              『新明解国語辞典』(三省堂)も、この綴りです。
一夜悶さん: Barriquand ← これは『大辞林』(三省堂)に載っている綴りですね。
             同じ三省堂の『コンサイス外来語辞典』もこの綴り。
Maniac C.: Bariquant ← これは、角川の『外来語辞典』に載っている綴りです。
            でも、同社の『類語新辞典』には Bariguand と有り!!
そこで、google で検索してみたのが、以下の結果です。
Bariguant    0件
Barriguant   0件
Bariguand    3件
Barriquant   18件
Barriguand   24件
Bariquant   45件
Bariquand   161件
Barriquand 約2400件
どうやら、圧倒的な差で、一夜悶さんのご指摘どおりのようですね。脱帽。



「Nihon Bungaku」 追記

鴛鴦 (2004/01/13 20:53)

あんなに長い文なのに追記とは・・・(^^;)

正岡子規は実は「古池や 蛙飛び込む 水の音」に関して怪しい英訳をしたといいます。子規の友人の夏目漱石はこうしたためています。
「昔し子規子大学にあり。俳句に関する論文を英訳して古池の句に西洋人を消魂せしめたる事あり。尤も子規の訳はOld pond! the noise of the jumping frog.と云ふ様な頗る怪しげなる訳し方なれば西洋人の驚きしも無理ならねど・・・」
「Old pond! the noise of the jumping frog.」を訳すとどんなすごいことになるのやら(^^;)



「Nihon Bungaku」

鴛鴦 (2004/01/13 20:45)

本日は憚りながら英語で日本文学のことを・・・

日本文学の象徴の1つとして「俳句」がありますが、世界的にも「世界で一番短い詩」として知られています。その「俳句」の一つに芭蕉の名作「古池や 蛙飛び込む 水の音」がありますが、これも英訳がいろいろとあるようです。例えば、かの俳人正岡子規は、

The old mere!
A frog jumping in
The sound of water

と訳しています。これは子規が東京帝国大学国文科2年のとき、大学に提出した芭蕉についての英語の論文『Basho as a Poet』に書かれています。池を「mere」と訳して珍しいものです。次に、『雪女』などで有名な小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、

Old pond-frogs jumped in-sound of water.

と訳していて、蛙を複数形にしたこれまた珍しいものです。きしろふさんの書き込みにもある「君が代」の英訳もしたバジル・チェンバレンだと、

The old pond, aye! and the sound of a frog leaping into the water.

「aye」は「yes」のことらしいんですが、「古池」を強調したり、リズムをよくする役目があるそうです。五千円札にものっている新渡戸稲造は自作の英文書『武士道』の中で、

An old pond-
A frog jumps in-
A splash of water.

と訳しています。世界に禅を広めた仏教学者鈴木大拙は、

The old pond, ah!
A frog jumps in:
The water's sound.

日本文学の研究家ドナルド・キーンは、

The ancient pond
A frog leaps in
The sound of the water.

キーン氏は他に「A frog leaps in」のところを「a frog jumps in」と訳してもいますが自身曰く「『leaps in』のほうが速さを感じる。古池が感じさせる悠久の時と対比して、瞬間的な蛙の動きを伝えるには『leaps in』のほうがいい」と。最後に、黒柳徹子著『窓ぎわのトットちゃん』の英訳をしたドロシー・ブリトンはこう訳しました。

Listen! a frog
Jumping into the stillness
Of an ancient pond!

だいぶ現代的になってきました。
他にもいろいろな方々が英訳をしてきましたが、人によって「蛙」が「frog」だったり「frogs」だったりとなっています。人によって「1匹」だったり「2匹以上」だったり見えるようです。

この長文を読んで下さいましてありがとうございました。終わりに勝手ながらクイズを一つ。(しごきか? ^^;)
次の英文はある日本文学の作品の冒頭の部分を訳しています。それが何なのかお答え下さい。

1.What a strange, demented feeling it gives me when I realize I have spent whole days before this inkstone, with nothing better to do, jotting down at random whatever nonsensical thoughts have entered my head.

2.The flowing river never stops and yet the water never stays the same. Foam floats upon the pools, scattering, re-forming, never lingering long. So it is with man and all his dwelling places here on earth.



君が代

きしろふ (2004/01/13 18:49)

日本の国歌である「君が代」の歌詞は「君が代は 千代に八千代に 細石の巌となりて 苔のむすまで」ですが、英訳するとこうなるそうです。

Thousands of years of happy reign be thine;
Rule on, my load, till what are pebbles now
By age united to mighty rocks shall grow
Whose venerable sides the moss doth line.

これはイギリスの言語学者バジル・チェンバレン(イギリスの首相ではありません。あちらは「ネビル」です)による訳だそうです。
「thine」は「thou-thy-thee-thine」と変化する「汝、御身」を意味する人称代名詞「thou」の所有代名詞形です。
したがって、第1行は「幾年にも渡る幸せな治世が君のものとなりますように」という意味になるらしいです。
最後の行の「doth」は「does」の古い形です。
旋律はいつもので変わりません。歌ってみてくださいな(^^)



re:バリカン

きしろふ (2004/01/13 18:19)

>Maniac C.さん
>しかし、『グローバル』の訳語の「木ばさみ」を見たときには、理科の実験で試験管
などを挟む、木製で一方の柄だけが長い器具の方を想い出してしまいました。(^^)
アレも多分clipと言うと思うのですが、どなたか理系の方で、ご存じないでしょう
かね。
「試験管ばさみ」ですね。確かに自分もそう思うよなぁ・・・
>今でも在るようなので、ちょっとビックリ。
私もビックリです(^^)



対空砲・・・じゃなくて

らにい (2004/01/13 12:44)

ここからは新しい話題です。

韓国では「携帯電話」を「対空電話」と呼んでいるそうですね。
まるでスパイの通信機みたい・・・(^^;)



Re:Sino- Russo-

らにい (2004/01/13 12:41)

>高駒麗人Komaさん
やっぱり自分の国を優先させたいのはどこも同じですね。



Re:ホッチキス&セロテイプ

らにい (2004/01/13 12:37)

>高駒麗人さん
ほほう、韓国でも「ホチキス」、テープは「Scotch tape」ですか。
中国は意訳というか見た目というか・・・



Re:魚の名前

らにい (2004/01/13 12:34)

では、それぞれに個々の返答を・・・

>高駒麗人さん
「スペインサバ」で「サワラ」ですか。へぇ〜(笑)
イギリスで一般的なものといったら「フィッシュ&チップス」ですからね。
なぜか魚を丸ごとあげている・・・
>「寅さんがWienを訪れたとき、竹下景子さん扮するガイドがDonau川で魚釣りをしている地元の人に何を釣っているか聞いたら、彼が『魚(Fischか?)』と答えたというシーンがありました。」
私だったら「ゴミ釣る人もいるんかい!?」と思ってしまいますね(^^;)



ホッチキス&セロテイプ 訂正

高駒麗人 (2004/01/13 08:07)

ホッチキス 投稿者:高駒麗人Koma  投稿日: 1月13日(火)02時43分49秒

らにいさんへ

失礼しました。訂正です。

ホッチキス:
韓国人は「스테플러」(seu-the-pheul-leo「ステプロ」)、または「호치키스」(ho-ch'i-khi-seu「ホチキス」)と言っています。
http://ppp.co.kr/stationary/stapler/stapler002.htm
中国ではホチキスは「訂書機」ding-shu-jiでして、まったく違います。

セロテープ:
韓国人は「スカチテイプ」스카치 테이프(seu-kha-ch'i thei-pheu)と言っています。
Scotch tapeのアメリカ發音からでしょう。韓国人がセロテープを探して「スカチテイプ」と言っていました。
中国では「膠帯」jiao-daiです。



Sino- Russo-

高駒麗人Koma (2004/01/13 02:50)

日本語と英語 投稿日: 1月12日(月)18時38分54秒
 投稿者:らにいさんへ

>「日清戦争」「日露戦争」も「Sino-Japanese War( of 1894-1895)」「Russo-Japanese War( of 1904-1905)」と欧米から見れば日本は後者です。(まぁ、当時の主観・客観両方から見ればそうかもしれませんがね)

China Dailyでは、Sino-Japanese Trade、Sino-Russian Relationsのようになんでも Sino-が先です。どこでも自分の国を先にするからです。
ロシアの英語紙であれば Russo-Japanese、Russo-Chineseのように何でもRusso-が先でしょう。
あと、China→Sino-、Russia→Russo-、India→Indo-、Grecia(Greece)→Greco-(Greco-Roman)のような連結形が慣用になっていますが、Japanの場合、Japo-かJapano-か、連結形が決まっていないのでしょう。それで Sino-やRusso-が先になるのだと思います。



ホッチキス

高駒麗人Koma (2004/01/13 02:43)

日本語と英語 投稿者:らにいさんへ  投稿日: 1月12日(月)18時38分54秒

ホッチキス:
韓国人は「スカチテイプ」스카치 테이프(seukhach'i theipheu)と言っています。
Scotch tapeでしょう。
中国では「訂書機」dingshujiでして、まったく違います。



Maniac C.さんへ

なしか (2004/01/13 01:28)

ありがとうございました。勉強になりました。気づかせるですか。今の教育に足りないところかもしれません。ありがとうございました。



「バリカン」の綴り

一夜悶 (2004/01/13 01:19)

きしろふさん
>フランスの会社「Bariquand et Marre」からきているそうです。

Maniac C. さん
>原語では Ateliers Bariquant & Marre と言う

「バリカン」の綴りは Barriquand ではないかと思うのですが、如何。



はっとり

高駒麗人Koma (2004/01/12 23:26)

はっとり(服部)が「はたおり」なら、「機織」と書いて「はっとり」と読むようにすればよかったと思います。



Cameron の語源

げたのにれのや (2004/01/12 23:24)

【Cameron の語源】
〓えゝ、Maniac C.、ありがとう。あたしのほうでも Cameron の語源を確認しました。
〓Oxford の Surname Dictionary によると、ハイランズとロウランズで語源が違うらしい。(1) ハイランズの氏族名。cam + sr{o+`}n 「曲がった(ゆがんだ)鼻」。
(2) ロウランズの姓。cam + brun 「くねった丘」。
〓 Routlege の "Gaelic-English Dictionary" にあたったところ、
【cam】[カム] adj. askew, awry, bent, crooked, wry.
【sr{o+`}n】[スローヌ] n. nose.
でありました。brun は見当たらず。あれ?
また、英語で Cameron と綴られるスコットランド姓 (氏族名) のスコットランド・ゲール語での原綴は
   Camshron [カムフロヌ]
とのこと。sh は、アイルランド・ゲール語同様、[h] と読むんですね。やれやれ。狭母音の前では(硬)軟口蓋化して、日本語のヒの子音・ich-Laut になります。ゲール語では、h が、あたかもロシア語の ь のごとく子音の硬口蓋化を表すようですが、sh [h] のごとく、口蓋化した子音がさらに変化をとげているようで、綴りと音声の関係がとても複雑です。Camshron において、なぜ、sro´n の s が口蓋化するのか、理由はあたしにはわかりかねます。
 ただ、s → h という変化が、少し前に佐藤さんが書かれていたアイヌ語の子音の変化に似ていて、それはそれで興味深いと……。
※以上、[ ] 内のカナ発音は、げたにれがつけました。



魚の名前

高駒麗人 (2004/01/12 23:18)

雲水さんへ  投稿日: 1月11日(日)07時55分37秒
>鯵(あじ)は「沙丁魚」shadingyuわたしの記憶では鰯の意味に使っていたような気がするんですが(サーディンから来てると思います)、どうでしょうか。

そうですね、鰯は沙丁魚で、鯵は池魚chiyuでした。
http://nikka.3.pro.tok2.com/food.html
http://www.dailynavi.com/china/gourmet/gourmet1.html

Hourse mackerel − (池魚 ChiYu) 鯵 Aji
Sardine − 沙丁魚 SaTingYu 鰛 Iwashi

昨年3月、Howardさんがいらした時、mackerelの話題で盛り上がりました。
「ありがとおざいます」高駒麗人 KOMA (2003/03/22 04:04)
http://www.asahi-net.or.jp/~hi5k-stu/bbs/bbs0303.htm

mackerelはサンマかサワラか。サンマはmackerel pikeまたはPacific sauryだそうです。サワラはSpanish mackerelでサバはchub mackerelだと辞書にありました。Howard氏いわく、イギリスでは魚をあまり食べないで(島国なのに?)サバのような魚は親しみはないので、mackeralだけ言う人が多いそうです。
http://club.pep.ne.jp/~bigfish/fishes/ka/Scombridae.htm(サバ科)

寅さんが Wienを訪れたとき、竹下景子さん扮するガイドがDonau川で魚釣りをしている地元の人に何を釣っているか聞いたら、彼が「魚(Fischか?)」と答えたというシーンがありました。



バリカン

Maniac C. (2004/01/12 22:25)

>きしろふさん
私も今日は何度来ているんだか…。閑人です。
>手元の資料では「バリカン」は「クリッパー(clipper)」でいいが、きちんと「hair clippers」というほうがいいと。
→研究社の『新和英大辞典』には、hair clippers, barber’s clippers; a hair clipper,
a barber’s clipper. と単数形の訳語と複数形の訳語と2通りずつ載っています。
更に「電気バリカン」で electric (hair) clippers; an electric (hair) clipper. と。
単数形なのか、複数形なのか、修飾語は要るのか要らないのか? 同じ出版社の
『ライトハウス英和辞典』や『リーダーズ英和辞典』を見ると、clipper の項に、
(複数形で)「バリカン」と訳が当てられています。他の出版社の英和辞典ではどうか
と言うと、三省堂の『グローバル英和辞典』では「(通例〜s)はさみ((バリカン、つめ
切り、木ばさみなど))」と修飾語無しで有り、大修館の『ヂーニアス英和辞典』では hair
clippers で「バリカン」と修飾語が付いていました。どうやら複数形が普通のようで、
修飾語無しでも通じなくはないが、日常的には木や針金などを切る剪定鋏みたいなの
を clippers と言うので、誤解の無いように言うには修飾語が必要なようです。……
しかし、『グローバル』の訳語の「木ばさみ」を見たときには、理科の実験で試験管
などを挟む、木製で一方の柄だけが長い器具の方を想い出してしまいました。(^^)
アレも多分 clip と言うと思うのですが、どなたか理系の方で、ご存じないでしょう
かね。
>ケチつけるようで申し訳ありませんが、「バリカン」はフランスの会社「Bariquand et Marre」からきているそうです。
→ええ、存じてます。その会社名自体が、「バリカン」さんと「マール」さんの2人
の姓から出来ているんです。仏国でも珍しい姓なのでしょうね。google で検索しても
ほとんど引っ掛かってきません。下記URLに辛うじて M. L. バリカンさんが登場する
くらいのようです。一方、マールさんはいっぱい引っ掛かってきます。原語では
Ateliers Bariquant & Marre と言うようなので、「会社」というよりは「工房」です
かね。今でも在るようなので、ちょっとビックリ。

http://www.u-picardie.fr/telex/telex2407.html



さぁ、覚えよう!!

鴛鴦 (2004/01/12 21:26)

これはある地理の覚え方です。読んでいけばすぐに分かりますが。

ワシが折れれば借りになる
紋太の間に悠太あり
ワイを殺して入墨者
ノサ蛸ねぶる棺桶亭
みんなに愛を!ミズ・明〜かるい
ウィス湖の道でイリとインが「おはよう」
健さんテニスをミス・アラバマと
メイン(料理)はハムにバーモント(カレー)
まさか道路はコネカット
入浴しながらジャー爺は
ペンシルもってお勉強
デラとメリーはバージニアの西へ
北から南へカローラで
ジョージと行きたいフロリダ半島

かなり苦しいところもありますが、暇があったらチャレンジしてみてくださいm(_ _)m



Re:ペイヂ

鴛鴦 (2004/01/12 21:01)

>Maniac C.さん
「ペルリ」のほうもありがとうございます。
いやぁ、ホント今日は勉強になりましたわ(^^)



続・英語では?

らにい (2004/01/12 20:54)

かなり長い投稿なので、2つに分けます。

もう1つは「サンマ」についてです。
監督・小津安二郎の名画『秋刀魚の味』の英題は『The Flavor of Mackerel』ですが、「mackerel」はじつは「サバ」のことで、「サンマ」は「saury」ときちんとした単語があるのです。
しかし、『秋刀魚の味』を翻訳したネイティヴ・スタッフはわざと「サンマ」を「mackerel」と訳したとのこと。なぜなら、「saury」は確かに辞書に載ってはいるが、英米人にとって「saury」と聞いて何の魚かをイメージできることは殆ど不可能だろうとのこと。「saury」を魚の名前であることすら知らないのなら、同じ青魚で(英米人にとって)大衆的な「mackerel」にしたということです。実際、辞書によっては「mackerel」に「サンマ」という意味も付けているものもあるそうです。
ただ、さすがに「mackerel」では違うし、だからといって「saury」を載せても分からないのでは全然だめだから、最近は「mackerel pike」という訳を載せている辞書もでてきているとのことだそうです。
「英米では魚のことは全然ダメなのか」と笑う人がいるかもしれませんが、日本だって例えば牛肉のことに関しては疎いものです。(焼肉のことも含めてしまうと煩雑になりますので割愛します)
スーパーなどで売られている肉は「サーロイン」とか「フィレ」とかありますが、子牛か成牛か、オスかメスかまではそうとやかく追求はまずしませんよね。



英語では?

らにい (2004/01/12 20:31)

連続投稿お許し下さい。

よく家柄のことについて出て来る言葉として、「この方は何代目?」というのがありますが、「何代目」という英語はきちんとしたものはないということらしいです。
「英語の神様」といわれた斎藤秀三郎は自分が編集した『斎藤和英大辞典』(初版 昭和3年)には「How manieth」という造語を使い「How manieth president was Mr. Harding?」という例文があったといいます。
最近のある和英辞書だと「Where in the order of American presidents does Lincoln come?」、もう一方は恐ろしく簡単で「What number president was Lincoln?」と表記されていました。
ある日本文学の翻訳家は「The what-th president was Lincoln?」と訳しました。「How manieth」よりかはいいかもしれません。
あるアメリカ人編集者は「Which president was Lincoln?」という訳をしました。
しかし、「Which president 〜」は常に大統領を意識しているアメリカ人にはすぐにピンとくるだろうが、イギリス人にとっては2、3秒気づくのにかかるだろうとのことです。
そうすると、一番素直で分かりやすいのは「What number president 〜」で「Where in the order of 〜」はいくらなんでもくどいと。「How manieth 〜」は人によってはいいと思う言葉かもと。
「何代目」までは意識していないというのはアメリカのみならず日本もそうで、「今の総理大臣は何代目?」と聞かれてすぐ答えられる人はまずいないでしょうといってます。確かに私も初代なら分かるが・・・



日本語と英語

らにい (2004/01/12 18:38)

Maniac C.さんの「ホチキス・バリカン」の項を見て、わたしも一時期、日本語と英語とでの違いを調べたことがあります。
例えば、「カッターナイフ」は「cutter knife」ではなく「retractable knife」、「シャープペンシル(シャーペン)」は「sharp pencil」ではなく「mechanical pencil/propelling pencil」というように。ちなみに「シャープペンシル」をつくったから「シャープ」なんです(え、知ってる?)
「日清戦争」「日露戦争」も「Sino-Japanese War( of 1894-1895)」「Russo-Japanese War( of 1904-1905)」と欧米から見れば日本は後者です。(まぁ、当時の主観・客観両方から見ればそうかもしれませんがね)



ペルリ

Maniac C. (2004/01/12 17:55)

>鴛鴦さん
>「ペリー(Perry)」のことを「ペルリ」と呼んでいました。当時の人々もそう呼んでいたのでしょうか?
→はい。当時の西洋語は主に蘭語で、蘭学では、二重子音は全て文字通り発音する「お
約束」でした。その伝統が大正初期ぐらいまで英学にまで持ち越され、その名残が、
「ペルリ」や「ドル(>dollarドルラル)」「キッス(kiss)」などです。
■当時、英語なぞを勉強している人は幕府から命令された人(長崎通詞)だけで、その
一人が黒船来航時、「I can speak Dutch.」と言って、まづは蘭語で交渉したことは、
知る人ぞ知る有名な話です。耳ではなく、目で提督の名前を知ったわけですから、
当然、蘭学流に「ペルリ」となるわけです。下記URLの日米和親条約には「マツゼウ、
カルブレズ、ペルリ」となっています。

http://www.usjapan150.org/jouyaku.htm



ペイヂ

Maniac C. (2004/01/12 17:54)

>鴛鴦さん
>「員」という字には元々「ページ」という読みがあるということでしょうか?
→いいえ。「ペーヂ」というのは元々英語ですから、中国語を表す漢字には「ペーヂ」
と読むものは一切、存在しないでしょう。筆者が言いたかったことは: 「頁」という
字には「頭」という意味しかない; 「数」を意味する「員」という字に似ているから
誤って、書物の紙を数える助数詞として使ったのであろう、ということだと思います。
鴛鴦さんや高駒麗人さんの投稿を否定するつもりではなかったのですが。
■「頁」という字は、漢和辞典を引いていただければお判りになるように、「ケツ」
という読みで、「かしら・こうべ」という意味になる場合と; 「エフ」という読みで、
「葉」と通用され、名詞として「一枚の紙」、量詞として「紙の両面(現在は片面)」
という意味になる場合の有る文字です。
■page という言葉は仏語経由で来た新しい言葉ですので、英語でも leaf「葉」が
「紙の両面」を表す言葉でした。現在でも loose leaf などに生きていますよね。
独語でもやはり Blatt(英語の blade に対応)「葉」というのが「紙の両面」を表す
単語です。ちなみに独語で「ペーヂ」を意味するのは Seite(英語の side に対応)で、
書物の脇に数字(ノンブル)を振ったことに由来するそうです。日本語でも、数字を
振るための余白を(上下に在っても)「柱」というのは、同じ理由からでしょう。
■「頁岩」は、英語では shale と言いますが; shell「殻」や scale「鱗」と関係の
有る単語で; 「頁岩」の語義は、対応する独語の Schale「外皮」に由来するのでは
ないかとされています。鴛鴦さんの仰るとおり、はがれやすい性質に基づいた命名
でしょう。中国語では ye4yan2(つまり「葉岩」と同じ読み)で、xie2yan2(ケツガン)
ではないようです。



Re:シクラメンと電車とホチキスとバリカンと(笑)

きしろふ (2004/01/12 17:15)

連休も終わるからネットをふらふらしています・・・

>Maniac C.さん
素やばい・・・もとい、素早いレスありがとうございます。
いやぁ、私の稚拙さが悶々と出ていますね・・・(^^;;)

「ホチキス・バリカン」について少し詳しく。
手元の資料では「バリカン」は「クリッパー(clipper)」でいいが、きちんと「hair clippers」というほうがいいと。「hair cutter」ではないので注意せよとのことです。
ケチつけるようで申し訳ありませんが、「バリカン」はフランスの会社「Bariquand et Marre」からきているそうです。
「ホチキス」は仰る通り考案者「Benjamin Berkeley Hotchkiss」からきています。



ホチキス・バリカン

Maniac C. (2004/01/12 16:21)

>きしろふさん
下の投稿の続きです。
>「ホ(ッ)チキス」や「バリカン」など。これらは英語圏のところではまず通じないようです。
→米国人の姓である Hotchkiss はともかく、Bariquant は仏国人の姓ですからねえ。
逆に日本では「ステープラー」や「クリッパー」では通じないでしょう。年配の方
なら、「クリッパー」と聞いても「腕白なイルカの名前か?」と思うぐらいでは。
←それは『腕白フリッパー』や! と、年代物のギャグなので、自分で突っ込みを
入れときましょう。ヾ(^^;)
>「ホ(ッ)チキス」と聞くとなかにはマシンガンを思う人がいるそうで(^^;)
→ホチキスと機関銃の関連は下記URLを御覧ください。

http://www.uraken.net/zatsugaku/zatsugaku_35.html



シクラメン・電車

Maniac C. (2004/01/12 16:20)

>きしろふさん
>「シクラメン」を「豚饅頭」と名づけたのは東京大学(当時、東京帝国大学)の大久保三郎氏です。明治17年のことだそうです。
→「豚の饅頭」の訳者名や命名年までも判っているとは。驚きです。
>植物学者の牧野富太郎氏は明治末期に「篝火花」と名づけたようです。
→HPによっては昭和説も在ったので、ざっと見てみましたが、牧野博士は、生没年が
1862(文久2)年〜1957(昭和32)年と長生きされたかたなので、これだけでは明治なの
か昭和なのか判りませんでした。ただ、歌人・九条武子の言葉が元になったようで、
彼女の生没年が1887(明治20)年〜1928(昭和3)年なので、少なくとも昭和説の信憑性
が低いことだけは判りました。

>ある男性が「電車」を「electric car」と言っていた
→「電車」は、独語 elektrische Wagen 或るいは elektrische Bahn からのよう
です。但し、前者は車両のことで、後者は所謂「チンチン電車」、即ち「市街電車」
のことのようですが。その男性が独語で言っていたら、正解になったでしょうか?
ちなみに、「鉄道」も、独語 Eisenbahn の訳語と言われています。
>「車」は「車」でも「自動車」ですからね
→いいえ。米語用法になりますが、鉄道車両も car と言うのですよ(英語では
carriage, coach)。例えば passenger car「客車」とか、freight car「貨物車」とか。
the cars で、「列車(=the train)」を表すことも出来ます。car だけでも「市街
電車(=streetcar)」を表すことが出来ますので、強ち、誤りと笑えません。そこで
問題です。1. car line, 2. car house という米語を日本語に直してください。無論、
「自動車の列」や「自動車の家」ではありません。正解は、1.「市街電車の軌道」、
2.「列車の車庫」です。(反転させて御覧ください)
>「電車」が「electric car」なら「電気自動車」は?
→ electric car の他に、electric automobile, battery car という訳も在ります。
Google で検索してみると、以下のような結果でした。
electric car     約12万0000件
electric cars     約17万4000件
electric automobile  約3830件
electric automobiles 約3150件
battery car      約3万2300件(多分、違う意味の検索結果も含まれる)
battery cars     約1万0400件
ついでに、独語では Elektromobil です。
>「train」の原義は「(物を)運ぶ」だそうで。
→いいえ。英語の drag や draw と同根で「引き摺る」が原義です。「引き続くもの」
<「列を成して続くもの」<「列車」という変化です。



Re:ペイジ

鴛鴦 (2004/01/12 16:19)

>Maniac C.さん
「ページとよむのは、員(イン、かず)という字に似ているため」というのは「員」という字には元々「ページ」という読みがあるということでしょうか?(物分りの悪い私ですいません・・・ --;)

昨晩『新撰組!』を観ていたら、(石坂浩二扮する)佐久間象山が「ペリー(Perry)」のことを「ペルリ」と呼んでいました。当時の人々もそう呼んでいたのでしょうか?文字読みすればそうなりますが。
だいぶ違ってくるのですが、日本で鉄道が出来た頃は「駅」のことを「ステンション」と呼んでいたそうです。「ステンション」は外国人(イギリス人か?)が喋っていた「station」の発音を表記したものだそうです。



teach learn

Shusan (2004/01/12 15:10)

2003/12/3 CNNで「あのカエルの子孫発見」のニュースが出ました。「あのカエル」とはマーク・トウェインの作品に出てきたカエルです。実はその作品にlearnの例外用法(teachの意味で使われた最後の例)があるのです。"learn that frog to jump"とあり、小生は昔この文を見たとき一瞬小野東風の故事(あるいは雨の20)を思いましたが、teachの意味と知り驚いたものです。

Maniac C さんがteachのことでlearnに触れたので、またそのことを思い出しました。
Websterのネット辞書でみるとlearnは13から19世紀始めまでteachの意味で普通に使われていたようですね。
ちなみにカエルの名前も「Webster」でした。



re:シクラメンetc

きしろふ (2004/01/12 13:33)

>Maniac C.さん
前の書き込みのレスもアリガトウございます。
「シクラメン」を「豚饅頭」と名づけたのは東京大学(当時、東京帝国大学)の大久保三郎氏です。明治17年のことだそうです。ちなみにシクラメンは明治初期に渡来してきました。
植物学者の牧野富太郎氏は明治末期に「篝火花」と名づけたようです。

以前、某クイズ番組の道行く人に英語で答えさすコーナーで、ある男性が「電車」を「electric car」と言っていたのを覚えています。確かに直訳では「電気の車」になりましょうが、「車」は「車」でも「自動車」ですからね(^^;)「電車」が「electric car」なら「電気自動車」は?
さすがに質問した方は苦笑いしていました。「train」の原義は「(物を)運ぶ」だそうで。

日常的に使われている名詞が実は商標(品)名や会社名だというのはよくありますね。
「ホ(ッ)チキス」や「バリカン」など。これらは英語圏のところではまず通じないようです。「ホ(ッ)チキス」と聞くとなかにはマシンガンを思う人がいるそうで(^^;)



Cyclamen 他

Maniac C. (2004/01/12 11:02)

>きしろふさん
>「シクラメン」も「篝火花」のほかに「豚饅頭」というのもある
→「豚の饅頭」というのは、英語 sow(-)bread, hog’s bread の翻訳借用ですね。
■シクラメンの原語κυκλα´μινοsは、κυ´κλοs(英語は cycle「周期」
の形で借用。原義は circle「円環」)に由来し、「豚の饅頭」同様、球根が円形で
ある点に着目した命名です。欧州では実際に豚が好んで食べるそうですが、日本語と
同様に、英語でも sow には「醜女」、hog には「下品/不潔な人、欲張り、大食漢」
という意味も有り、あまり心象が良くありませんよね。
■正式和名である「篝火花」は、植物学者の牧野富太郎という人の命名らしいです。
■ついでに関連語をいくつか。印度洋方面の熱帯性低気圧を表す cyclon も、「円環」
→「回転する、旋回する(動詞)」→「渦巻くもの(現在分詞)」という派生です。又、
神話に登場する隻眼の巨人 cyclops も、「円環」+「目」(白亜紀の「三角竜」triceratops
も tri「3」+cerato-「角」+ops「目」)で、原義は「丸い目」です。電離子加速装置の
cyclotron は説明不要でしょう。乗り物では、車輪が増える度に、unicycle(uni-「1」),
bicycle(bi-「2」), tricycle(tri-「3」)となりますが、それでは「4輪車」は英語で
何と言うでしょうか? 答えは → → → → → car です。(^▽^)
■ circle も関連語を調べると面白いのですが、挙げるだけにしておきましょう。
circa「頃」, circuit「回路、環状道路」, circumcise「割礼」, circumflex「曲
音調」, circumlocution「逃げ口上」, circus「曲芸団」など。ご要望が在らば、
解説いたします。

>「スコットランド」と聞くと、私は「スコッチエッグ」「閣下スコッチバクロマン」です(笑)
→ K, Ca, Sc, Ti, V, Cr, Mnですね。続きが「テコニドアがゲアセブルク」(^w^)
何のこっちゃか、サッパリわからしませんな。
■「スコッチテープ(商標名)」はいかがでしょう? 英名「セロテープ(同)」の米語
版ですが。



re:英語教育

きしろふ (2004/01/12 10:36)

>Maniac C.さん
日米間の結びつきでそうなったと考えられると。なるほど、分かりました。
ごく最近(といっても20年前ほどの話ですが)までイギリス英語が使われていたとは、目から鱗です。
第1次団塊世代(しかし最近、こう呼ばれることを嫌う人が多いのが判明)ではイギリス英語ですか。
日本にとってイギリス英語の方が簡単(楽)だったとは・・・

「スコットランド」と聞くと、私は「スコッチエッグ」「閣下スコッチバクロマン」です(笑)



而、て、して

偽中国人 (2004/01/12 02:41)

>偽中国人さん&高駒麗人さん
>>日本人は「学而時習之、不亦説(悦)乎」を……、「而」を読み飛ばしています。
→ちゃんと「て」と読んでいると思うのは私だけでしょうか?

「而」の字があればその前の形容詞や動詞を「て−FORM」に換えるのが原則ですね。

似而非 似て非なる

“無得頂”肉骨茶料係採用中國上等薬材及各種特級香料配制而成。

列子:紀[シ省]子為周宣王養闘鶏。十日而問。鶏可闘已乎? 十日して問う

しかし「『て』と読んでいる」ということに関しては異見が出てくるのでは?



頁、袋綴じ

偽中国人 (2004/01/12 02:12)

Maniac Cさん

>現代語でも「落丁」「乱丁」などという言葉に残っていますよね。

確かに本の後ろに「落丁、乱丁があればお取り換えいたします」などと書いてあります。

>→「丁/張(ちゃう)」と言っていたようです。但し、表・裏合わせて「1丁」ですので、

和綴じ(線装)の本を何冊か持っていますが、2ページ分を1枚の版木で刷り、真中で折って袋綴じにしてあります。頁番号のようなもの(実際は丁番号)は真中に印刷してあるので漢数字の半分しか見えません。

社会思想社(残念ながら倒産したんですね)の《誹風柳多留》の凡例に
「岩波文庫本各ページ上部に記載する丁附は、その変わり目毎に例えば、2オ(表)、5ウ(裏)というように示す。」
と書いてあります。

今でいう「3頁目」は昔風にいうと「2丁の表」となるのですね。



英語教育

Maniac C. (2004/01/12 00:54)

>きしろふさん
>・日本で教育に使われている英語がアメリカ英語なのはGHQの影響か?
→いいえ。昭和55年3月まではイギリス英語が主流でした。それまでの指導要領にも
「現代のイギリスまたはアメリカの標準的な発音」と、イギリス英語の方が先に記載
されていましたが、昭和55年4月施行の指導要領以降は「現代の標準的な発音」と
記載され、この頃、アメリカ英語にシフトしたようです。GHQの影響と言うよりは、
70年安保も終結して、日米間の結びつきが密接になったからではないでしょうか。
>・教育に使われる英語が完全にアメリカ英語になる前はイギリス英語やオーストラリア英語などはあったか?
→はい。上述のように、開国後から昭和55年3月まではイギリス英語が主流でした。
一方、オーストラリア英語の方は、教育の場では一般に使われなかったと考えて良い
でしょう(個人的には有ったかも知れませんが)。
私が中学に入った頃は「What’s your name?」には「ウォッツ・ヨー・ネイム」と
振り仮名が付いていたものです。多分今なら「フワッツ・ユア・ネイム」でしょう。
>・(学生の頃、教師が言っていたことですが)アメリカ英語なのは発音が他の英語と比べて簡単(楽)だからか?
→いいえ。日本人にとってはイギリス英語の方が聞き取りやすく、発音もしやすいと
思います。イギリス英語には母音の後のR音は有りませんし、有声音間のT/Dも中和
しません。短母音のoもローマ字どおり「オ」と発音されますし、エとアの中間の
母音も「アー」と発音すれば良いものが多くなりますし、日本人が苦手な曖昧母音も、
eとiに限っては「イ」に近く発音されます。現在アメリカ英語が採用されているの
は、上述の通り、日米間の結びつきが他国に比べて非常に密接だからでしょう。



スコットランド語

Maniac C. (2004/01/12 00:52)

>にれのや師匠
私が持っている The Oxford Paperback Dictionary の記述を参考までに。
Scotch adj.of Scotland or Scottish people or their form of English.(Modern
Scots prefer to use the words Scots and Scottish, not Scotch, except when the
word is applied to whisky and in the compounds listed below.)
――n. 1.the Scottish dialect. 2.Scotch whisky, the kind distilled in Scotland
especially from malted barley.(複合語は省略)
Scots adj.Scottish.――n.the Scottish dialect.
Scottish adj. of Scotland or its people or their form of the English language.
確かに、形容詞用法しか載っていませんでした。でも、住民の意味だけでなく、言語
の意味も記述されていますよ。

>Cameron …、「曲がった鼻」 という意味だそうですが、これが正しいかどうかは確認していません。
→ゲール語 cam + s(h)ron が語源で crooked nose の意味だそうです。



スコットランド気質(かたぎ ね)

げたのにれのや (2004/01/11 23:50)

〓リリアン・ジャクソン・ブラウンの "The Cat Who ..." シリーズには、スコットランド人の伝統をかたくなに守る警察署長の Andrew Brodie が登場し、各巻ごとに、スコットランド気質の何たるかが描写されています。Maniac C. の書き込まれた、スコットランド人と認められるための条件も、時折、顔を出します。何となく、「江戸に三代住んでいないと、江戸っ子じゃない」 みたいな。
〓スコットランド人の習慣として、女性が結婚すると、旧姓をミドルネームのように、ファーストネームと新姓のあいだに入れるそうです。アメリカでは、このスコットランド女性の 「ミドルネーム」 が、しばしば、「女性の名前」 と誤解されて、ファーストネームの仲間入りをすることがあるそうです。キャメロン・ディアスの Cameron がまさにそれらしい。本来は、スコットランド姓で、「曲がった鼻」 という意味だそうですが、これが正しいかどうかは確認していません。映画監督の James Cameron の Cameron が、本来の使われ方というわけです。

〓おまけの情報。木村彰一著の『古代教会スラヴ語入門』が、ソフトカバーで再版されたようです。今なら、大きな書店の語学書コーナーに並んでいます。5,800円と高価ですが、興味のある方はのぞいて見てください。現在、入手可能な、日本語で読める唯一の教会スラヴ語入門書です。



Scots と Scottish

げたのにれのや (2004/01/11 23:34)

〓Maniac C. さま。丁寧な説明をありがとうございます。
きょう、書店で 'Scots Dictionary' を見つけました。内容は、「英語スコットランド方言特有の単語」 を収録したものでした。
〓洋書店で English Dictionary を片っ端から確かめてみましたが、
  【英国で刊行された辞書では】
   (1) ほとんどの場合、Scottish に 「名詞としての用法」 が載っていない。たまさか載っていても、[まれ] として、「スコットランド人」 の語義が載っているだけ。
   (2) いっぽうで、Scots には、「スコットランドのローランドで話される英語の方言」 という語義が載っている。
  【米国で刊行された辞書では】
   (3) 多くの場合、Scottish の項に、第一義として、「英語スコットランド方言」 の語義をあげ、第二義で、「スコットランド人」 をあげている。
   (4) Scots の項では、Scottish の第一義に同じ、としてある場合が多い。
〓つまり、英国刊行の辞書からは、Scottish=スコットランド方言、の語義が、きれいさっぱりなくなっているように見えるのです。



頁など

Maniac C. (2004/01/11 22:51)

>偽中国人さん
>「ページ」という英語を導入する前は日本の一般大衆は何と言っていたのでしょう?
→「丁/張(ちゃう)」と言っていたようです。但し、表・裏合わせて「1丁」ですので、
2ペーヂ分ですが。現代語でも「落丁」「乱丁」などという言葉に残っていますよね。
■角川の『外来語辞典』を見ますと、初期には次のような訳が与えられたようです。
『改正増補英語箋』(1872)「半枚=ページ」
『百科全書(中)』(1884)「1ページは半枚なり」
『百科全書(下)』(1884)「1片面(ページ)」
『当世書生気質』(1885)「ペイジ トヱンチー(20葉)から、ペイジ サルチー(30葉)まで」
これを見ると、「半枚」「片面」「葉」などの訳語が在ったようですね。
■ついでに次のような記述も有ったので挙げておきます。
「頁はふつうページとよんでいるが、元来頁は、かしら、こうべ、という字で、
ページとよむのは、員(イン、かず)という字に似ているため、借り用いたものだと
いう」山中襄太『英和語原辞典』1956

>偽中国人さん&高駒麗人さん
>>日本人は「学而時習之、不亦説(悦)乎」を……、「而」を読み飛ばしています。
→ちゃんと「て」と読んでいると思うのは私だけでしょうか?



teachの語源

Maniac C. (2004/01/11 22:16)

>なしかさん
■ teach の元の意味は「示す」です。
■独語の zeigen に対応するのですが、独和辞典でこの単語の意味を改めて見ますと:
示す,見せる;提示する,指(し示)す;気付かせる,[態度で・表に]見せる,表す;
証明してみせる.
とあり、「教育」と関連付けて考えると、なかなか含蓄が有ります。
■古期英語では、現代英語の learn に当たる単語を「教える」の意味で使っていたの
ですが;こちらはもっと意味深く「足跡、轍、航跡」といった意味に遡りますので、
「人の歩む道を導く」というような原義であったと考えられます。



teachの語源

なしか (2004/01/11 20:16)

こんばんは。はじめまして。私は教育について調べています。
英語のteach(教える)の語源についても調べているのですが、OEDを理解することができず、困っていたときに、ここへたどり着きました。
基本的な単語なので、聞くのがとても恥ずかしいのですが、どなたか教えていただけないでしょうか?お願いします。



スコットランド語

Maniac C. (2004/01/11 18:27)

>高駒麗人さん&にれのや師匠
より良くご理解いただくため、以下に『新英語学辞典』の Scots(スコットランド
英語[方言])の歴史の項を転載します。
■Scottish, Scotch ともいうが,スコットランド人は Scots を好むという.
■9世紀にケルト系のスコット族が,同じ先住民族ピクト族を征服したため,ケルト
系のスコット語(Scottis‘Scots’)が優位に立ったが,やがて英語に圧倒されるに
及んで,その言語はゲール語(Gaelic)としてわづかにスコットランド高地地方(High-
lands)や西部の島々に残るだけと言う結果になった.これに対して低地地方(Low-
lands)には,Ruthwell Cross のルーン文字(runes)に見るように,早くからノーサン
ブリア方言の英語が見られた(M.C.註: Northumbrian; Humber 川の北から,Firth of
Forth の間で話され,そこからスコットランドの東半全域[Lowlands]に及んでいた,
アングル族の言語).この英語方言は Inglis[i´Gglz](=English) としてスコット
ランドの首都 Edinburgh の宮廷を中心に広く行われ,14世紀後半までに東側では
Aberdeen を越えて Moray[mΛ´ri] 湾にまで達した.この時期の Inglis は,古期
スコットランド英語(Old Scots)という.
■次いで15世紀半ばから約2世紀の間に,詩人・文人が輩出した.彼らの Inglis は
今日中期スコットランド英語(Middle Scots)といわれる.
■16世紀後半以後は近代スコットランド英語(Modern Scots)の時期であるが,17世紀
以後同君連合(the Union of the Crowns)の結果,スコットランド王 James VIが英
国王 James Iになるに及んで,スコットランドの Inglis を Scots(スコットランド
英語[方言])と考えるようになり,昔,スコット語(Scottis)と呼んだ言語を(スコット
ランドの)ゲール語([Scottish] Gaelic)と呼ぶようになった.そして英国王 James I
統治下では,欽定訳聖書(the Authorized Version)がスコットランドでも広く用い
られ,またエリザベス朝文学も大きな影響を与えために,スコットランドでも多くの
人は英語(English)を用いるようになり,ことに1707年の連合法(the Act of Union)
以来近代スコットランド英語は一地域方言となって急に衰えるに至った.
■しかし18世紀後半には,A. Ramsay, R. Fergusson, R. Burns らが近代スコット
ランド方言(ことに低地方言)で作詩し,19世紀以後は,Sir Walter Scott, R. L.
Stevenson, Sir James Barrie らが作品中に方言を用いてスコットランド方言や国民
文学復興の機運を高め,さらに20世紀にはスコットランド文芸復興(Scottish
Renaissance)の運動が展開されて,Lallans[l{ae}´l@ns] (低地方言を中心とした
一種の折衷的・総合的スコットランド方言)による作品発表が Hugh MacDiarmid[m@k-
d@´:mid] の指導下で行われた.



RE:十

きしろふ (2004/01/11 15:40)

>げたのにれのやさん
そうすると一概に「十」は「じっ」であるとは言えないかもしれませんね。



三遊亭圓生の 「じゅっけんだな」

げたのにれのや (2004/01/11 13:16)

〓「十」 の発音について。
六代目三遊亭圓生は
   十軒店 「じゅっけんだな」
と、はっきり発音しています。「十」=「じゅっ」 の発音の歴史もかなり古いのでは?



Scottish は何語か?

げたのにれのや (2004/01/11 13:13)

〓Maniac C., たんくしょん。
下宮忠雄氏の世界の言語の辞典では
  スコットランド語
の見出しで、スコットランド・ゲール語を解説しています。
 ところがところが、English Dictionary に Scottish の定義をあたってみたところ、英国で刊行された3冊では、「スコットランドの」 という形容詞の語義はあげてあるものの、名詞の語義はあげていない。一方、米国で刊行された2冊では、明確に 「スコットランドのローランドで話される英語の方言」 と定義してある。どちらも、Scottish Gaelic 「スコットランド・ゲール語」 の見出しはあります。
 だが、日本語でスコットランド語と言うのは、どうも、誤解のもとですね。面倒臭いが、
   英語スコットランド方言
   スコットランド・ゲール語
と言ったほうがいいようですね。



富士・フチ

佐藤和美 (2004/01/11 10:20)

バチェラーの文章に関しては中川裕さんの訳注が興味深いです。

「もうひとつ、バチェラー自身がここで述べていることではないが、日本の地名および日本語をアイヌ語と結び付けようとする人間が往々にしてやりがちなことなので、注意しておきたいのは、日本語のh音がf音からさらにp音にさかのぼるからといって、アイヌ語のh音も同様な経過をたどったと考えることはできないということである。特に huchi に関しては、同じく「祖母」という意味を表す語として sut(suchi) という語があり、語頭のhはfやpよりも、むしろsとの関係を考えなければならない。」

「sut」は概念形で、「suchi」は所属形です。

知里真志保『分類アイヌ語辞典・人間編』で調べてみると、「huchi」は日常語で、「sut(suchi) 」は雅語だとあります。アイヌ語の雅語は古語ですから、「huchi」よりも「sut(suchi) 」のほうが古い言葉のようです。そうすると、「富士」の語源が「フチ」だという説は全くのナンセンスになります。



RE:十

きしろふ (2004/01/11 10:10)

>高駒麗人さん
日本語の教科書では「じっぷん」ですか。
「モーゼの十戒」の「十戒」を日本語で発音しろなんて言われたら「じょうかい」なんて発音する可能性があるということでしょうか?

閑話休題、日本で教育に使われている英語はアメリカ英語ですが、そこで3つほどの質問があります。
・日本で教育に使われている英語がアメリカ英語なのはGHQの影響か?
・教育に使われる英語が完全にアメリカ英語になる前はイギリス英語やオーストラリア英語などはあったか?
・(学生の頃、教師が言っていたことですが)アメリカ英語なのは発音が他の英語と比べて簡単(楽)だからか?
上記のこと、ご教示の程宜しくお願い致します。



Re:語順

らにい (2004/01/11 09:57)

>Maniac C.さん
大変参考になりました。
ところによっては「白鳥、好きです、私は」や「白鳥、私は好きです」という語順もあるのですね。へぇ〜(^^)
これで長年の蟠りがやっと・・・(^^;)
「オナニー」の件もありがとうございます。



鰯?

雲水 (2004/01/11 07:55)

高駒麗人さん

>鯵(あじ)は「沙丁魚」shadingyu

わたしの記憶では鰯の意味に使っていたような気がするんですが(サーディンから来てると思います)、どうでしょうか。

それから、古い中国語の文章が「分かる」かどうかは、日本でいう漢文、中国で言う文言文、本質的には中国古典語ともいうような超時代的な言語に規範的に取り入れられているかというところも大きいと思います。詩書の文法語彙のほか、六朝、唐代の口語的のうち、文言には組み入れられなかった表現なども中国人にとっては読みにくいものもあるようです。



古典 Cina

高駒麗人 (2004/01/11 05:33)

中國古典の場合、今の中國人は現代音で讀み、現代漢語に直しているようです。
「學 xue 而 er 時 shi習 xi 之 zhi、不 bu 亦 yi 説(悦)yue 乎 hu、學 xue了 le 以 yi 後 hou 有 you 時 shi 候 hou 復 fu 習 xi、這zhe 不 bu 高 gao興 xing[口馬]ma?」のような感じです。
「習之」について、現代語譯が「復習」fuxiだったり「應用」yingyong、「實践」shijianだったり、色々解釋があるようです。

馬來西亞語で Cinaは「チーナ」だったと思いますが、「キーナ」という發音もあるのでしょうか。
印度尼西亞語では Tiongkok(中國)、Tionghoa(中華)もあると思います。

>佛印(佛欄西領印度支那)をベトナム語、カンプチア語では何と読んでいるのでしょう。
これは私もわかりません。

葡萄牙Portugalの里斯本Lisbonには、Santa Justaというelevatorがあるそうですが、日本語名が「サンタジュスタ」「サンタジェスタ」「サンジェスタ」の三種あります。
檢索したところ Santa Jestaはありましたが Sao Jestaは見つかりませんでした。
「シーナ」Chinaでは「聖珠斯塔」Sheng ZhusitaですからSanta Justa「サンタジュスタ」でしょう。
この件について自分でも引き續き調べてみますが、どなたか詳しい方いらっしゃいますか?
97年頃ポルトガルを旅行した日本人の話によると、リスボンでは高級レストランや旅行案内所以外では英語はまず通じないそうで、ポルトガル全體でも南のリゾート地區以外では英語は役に立たないようです。

今の中國では、鮟鱇(アンコウ)は「老頭魚」laotouyuで、鯵(あじ)は「沙丁魚」shadingyu、真鯛は「加級魚」「加吉魚」jiajiyuのように、いちいち魚へんの新しい漢字を覺えなくても魚を表現できるようになっています。
大體、「鮟」anと「鱇」kangは大陸GBFontに入っていないので電腦で打てません。上述の「老頭魚」を使うか、「魚」を省いて、an-kangで「安康」と打つ事になります。

(GBは勿論、中國の國Guo家jia標Biao準zhunです。Great Britainではありません。)

今の中國人にとっては日本の漢字の方が難しいでしょう。



読んでも解らない字

偽中国人 (2004/01/11 05:01)

漢字は表意文字(最近では"表語文字"と呼ばれるらしい)といわれ、二千年前の文字でも発音が判らなくても意味なら解ると誤解されているようですが、そうは問屋が卸さない(そうは烏賊の何とやら)。

>日本人は「学而時習之、不亦説(悦)乎」を「まなびてときにこれをならふ。またよろこばしからずや。」と読み、「而」を読み飛ばしています。
中国人が読むときは「学Xue而Er時Shi習Xi之Zhi、不Bu亦Yi説(悦)Yue乎Hu」と読み、すべての字をちゃんと読みます。
こうしてみると漢字の読み書きはシナ語のほうが遥かに簡単で、日本人が漢字を法外に難しくしていると言えます。


漢人にとっても読んだけれど確かな意味が解らないものがあります。

詩經
http://village.infoweb.ne.jp/~fxba0016/souketsu/shikyou/01shuunan.html
?苡 <-[艸不][艸/(官−宀)]ふい

采采?苡 [艸不][艸/(官−宀)] 薄言采之
「ふい」を采りとる 薄(しば)らく言(ここ)に之(これ)を採る
采采?苡 [艸不][艸/(官−宀)] 薄言有之
「ふい」を採りとる 薄(しば)らく言(ここ)に之(これ)を有(と)る
次のurlで華語と広東語の朗読を聴く事ができます。雑音もなくきれいな音で聴く事ができます。
http://www.chiculture.net/0402/html/c09/0402c09.html
「薄言」は常用漢字でありながら意味が良く解らない。「薄」を「しばらく」と読んだからといっても「暫く」という意味ではありません。「言」を「ここに」と読んだからといっても「此処に」という意味ではありません。宛て字というのがありますが、「しばらく」や「ここに」は「宛て読み」とでもいう読み方なのです。

陳子展による現代中国語訳
採採車前草、剛好就採了它。 採採車前草、剛好就有了它。
車前草を摘み採ろうよ、うまく摘んだわ。車前草を摘み採ろうよ、具合好く有ったわ。

這是婦女們採摘車前、随口吟詠的労動歌。
這是後人最難模倣也最難口訳的詩篇之一。
これは女性達が「車前」を摘む時くちづさんだ労働歌だ。
後世の人が最も真似しにくく、最も口語訳の難しい詩のひとつだ。

次の詩にも「宛て読み」が出てきます。

漢廣

南有喬木 南に喬木(高く竦(そばだ)てる木)がある
      南方有高樹
不可休息 休息するには具合が悪い
      不可休息ロ牙
漢有游女 漢水のほとりに游女(野に出て働く女性)がいる
      漢水有游女
不可求思 妻にと求めても手に入れる事ができぬ
      不可求得ロ牙
漢之廣矣 漢水の広いこと
      漢水的寛ロ尼
不可泳思 泳ぎ渡ることはできぬ
      不可赤身泗過ロ牙
江之永矣 長江の長いこと
      江水的長ロ尼
不可方思 方(=筏)で渡ることはできぬ
      不可筏子渡過ロ牙

昔は「不可求思」を「ここに求むべからず」と読んだものです。「思」という字を「ここに」と「宛て読み」しましたが、この「思」は「焉」でもなければ「此処」でもありません。
これらは「辞」とか「語詞」などと呼ばれていて、王力も《漢語史稿》の中で

「以上のような各字は接頭辞なのか接尾辞なのかもう一歩踏み込んだ研究が待たれる。「思」や「止」は一般的に句の終わりに用いられ語気詞のようでもある。接頭辞なのか接尾辞なのか、後世にはいかなる痕跡も残っていない。

と言っています。

ところがこのことを理解できない人が居て、高校の教科書にも載っている有名な詩

高適「除夜作」

旅館寒燈独不眠   旅館の寒燈 独り眠らず
客心何事転悽然   客心何事ぞ 転(うた)た悽然
故郷今夜思千里   故郷 今夜 ? 千里
霜鬢明朝又一年   霜鬢 明朝 又 一年

の「思千里」を「ここに千里」と読むと言ってました。
http://members.jcom.home.ne.jp/wa-ga-ya/kansi/siwa/28.html



キナ:馬來語

偽中国人 (2004/01/11 03:04)

キナに関してマレーシアの地名
コタ・キナ・バル(又はバルー/バールー)
というのを思い出し、ネット検索しましたら面白いのをみつけました。もう少し調べてウラを取ったほうがいいのですが、とりあえず報告まで。
http://www.yorozu.indosite.org/bbs/messages6/2305.html
>「キナ・バル」すなわち「中国の寡婦」という説もありますが、イギリス人の研究者らに
よって1920年代に否定されています。(「中国の寡婦」なら、「キナ・バル」ではなく
「バル・キナ」のはずだ、というのも根拠の1つとして挙がっています。)

上の話が本当なら「支那」の古代の発音がマレー語、インドネシア語に伝わって「Kina」と呼ばれていることになります。
佛印(佛欄西領印度支那)をベトナム語、カンプチア語では何と読んでいるのでしょう。

それから「ページ」という英語を導入する前は日本の一般大衆は何と言っていたのでしょう?



頁など スコットランド語

高駒麗人 (2004/01/11 02:39)

Re:頁 投稿者:鴛鴦さんへ  投稿日: 1月 8日(木)18時28分11秒
>そちらでも「頁」を使っているんですね。勉強になります。
日本で「10ページ」を書くとき「漢字をよく知らずPageという英語を知っている外国人」のことを考えてか「p10」と書くのが慣用ですが、逆に「頁という漢字を知っているがPageという英単語を知らない外国人」もいるわけですから、「10頁」「十頁」と書く方が親切である場合もあります。
「ジッページ」、「ジュッページ」両方の読みで「10頁」が出ました。
中国人の多くは日本語の促音長音の有無を区別できないので、日本語の「10冊」を「じゅうさつ」(銃殺?)、「10頁」を「じゅうべぢ」と言います。
彼らが使っている日本語の教科書では「十分」は「じっぷん」と書いてありました。
(北京語で「十冊」shice、十冊の本は「十本書」shiben shu、「10頁」は「第十頁」di shiye、「十分」はshifen)

偽中国人さん
「支」の音についてご説明ありがとうございます。
Finn語 Kinaはやはり China、Cinaの Chi Ciをkiと發音し、それを正書法に反映させたものでしょうか?

Christmasの語源は英和辞典にも乗っていると重います。辞書には語源がけっこう書いてあるのに辞書のユーザーは読んでいないんですね。Japanは中国語の「日本」からで、Koreaは朝鮮語の「高麗」だという事は英和辞典に書いてあるのに、「どうして日本をJapan、朝鮮をKoreaと呼ぶのか」等と質問している人や、Japanを「西洋人が勝手につけた名」だと誤解してNipponに言い換えようとしている人もいるようです。

英和辞典ではdingdangはアメリカでディンドーン、英国でディンドンですね。ディンダンという発音はあるのでしょうか。

Gorbachovの-chevは弱音節で曖昧母音になるので英語圏ではゴルバチョフもゴルバチェフも区別内というお話が以前ありましたが、手持ちの英和辞典では-chevは第2アクセントでチョフ、チョーフでした。これを弱アクセントで發音するイディオムを編集者が採用しそこなったのでしょうか?

Scotland語というとGerman系の英語のScotland方言なのか、Kelt系Gael語のScotland方言なのか不明なので、Scottish English、Scottish Gaelicのように言語名をつけるほうがいいと思います。
同様に Ireland語というとGerman系の英語のIreland方言なのか、Keit系Gael語のIreland方言なのか不明なので、Irish English、Scottish Gaelicのように言語名をつけるほうがいいと思います。
Bretagne(Brittany)のBreton語もBritish Kelticとでも言う方が、British Englishと区別できて正確でしょう。
America語はAmericaの先住民族の言語でなくAmericaに移された英語の事です。
しかしHawaii語はもっぱらHawaiiの先住民族語(ChristmasをKelikimakaと言う)であって英語のHawaii方言ではないようです。
「台湾語」は台湾先住民族語でもなく、台湾の北京語(國語)でもなく、ミン南語の台湾方言です。
言語名は地名をそのまま使うと何の言語かわかりにくくなります。
イディッシュYiddishは本来、judisch(uにumlautつき)で「ユダヤの」という意味ですからユダヤのドイツ語なのかヘブライ語Hebrewなのかユダヤのスペイン語Ladinoなのか、名前だけではわかりません。
ロシアではイッディシュを Jevrejskijと言いますがこれも「ヘブライの」「ユダヤの」であり、ヘブライ語と区別できません。
これは Yiddish German、Jevrejsko-Germanskijとでもいう方がいいでしょうか。



語順

Maniac C. (2004/01/11 01:08)

>らにいさん
■世界的にはSOV型48%、SVO型38%、VSO型10%、VOS型3%、OVS型0.8%、OSV型0.5%
と、『言語』1996年2月号には有ります。
■欧州ではケルト諸語がVSOである以外は一般にSVOのようです。
■アジアでは南でSVO、北でSOVとのこと。中国語はこの中間です。
■アフリカではSVOが優勢、アメリカではSOVが優勢、と有ります。

■以下、英語を念頭に置いて語順の歴史を説明します。
■印欧祖語も、日本語と同じ、SOV型だったと考えられています。実際、仏語でも、
Je t’aime. などと、目的語が代名詞のときはこの語順が残っていますし、独語でも
古期英語でも、従属節ではこの語順になります。
■元々、古典語の段階では、動詞の活用語尾で主語の人称や数が区別できましたので、
現在の西語や伊語がそうであるように、主語が代名詞の場合は、強調するとき以外は
表示する必要が有りませんでした。
■主語が代名詞ではない場合は、当然、主格の語が主題(話題の焦点)となりますので、
聞き手の注意をひきつけるため、文の最初に置かれたわけです。
■ゲルマン諸語や仏語の場合、いくつかの活用語尾が摩滅して同形になった結果、
動詞だけでは主語の人称や数を明示することが出来なくなり、これを補うため、動詞
の活用語尾の代用として、主格の名詞が無い時は、主語代名詞の表示が文法的に必須
となりました。
■更に、古典語の段階では名詞にも格変化が有って、語順は自由だったのですが、
英語やロマンス諸語では格語尾が摩滅してしまい、意味の違いが明示できなくなって
しまいました。そこで、頻度の高い直接目的語は、動詞の近くに置いて示すことに
なりました。語順の可能性としてはSOVでもSVOでも良かったわけですが、上述のよう
に、主格代名詞は本来、動詞の活用の一部でしたから、動詞との関係が密接で、間に
多音節の目的語名詞が割り込んで来ることを許しませんでした。一方、代名詞は単
音節でしたので、英語でもSOVの語順が近代英語初期までは可能だったのですが、
やがて代名詞も、名詞と同じ動詞の後の位置に固定されたのです。
■古典語では、動詞によって目的語となる名詞類の格が決まっていましたので、格
語尾が摩滅してしまうと、それを補うものとして前置詞が発達しました。それが英語
の of, to, for です。仏語では de や à がそうです。
■日本語も、代名詞主語は普通、省略されますよね。やはり強調するときには表示
され、焦点化されますので、聞き手の注意をひきつけるため、文の最初に置かれる
わけです。これが英語も日本語も主語が文頭に来る(ように見える)理由です。
■目的語の位置の違いは、日本語には格助詞が在りますので、比較的、語順は自由で
すが、格助詞は必ず名詞と述語の間に置かれますので、必然的にOVの語順になる、と
いうわけです。

■こんなんで宜しいでしょうか?



スコットランド語 Onanie

Maniac C. (2004/01/10 23:31)

>にれのや師匠
>〓えゝ、Auld Lang Syne ですが、あたくしの理解では、
>   Auld Lang Syne = スコットランド英語
>であって、スコットランド語 (スコットランド・ゲール語) ではない、と思うのですが。たとえば、loch [ろっほ] という単語は、スコットランド語ですが、Auld Land Syne は、それとは、ちがう次元の言葉と思います。英語を受容したスコットランド人の話す訛った英語であると。
→スコットランド語=英語のスコットランド方言≠スコットランド・ゲール語です。
スコットランド語は、スコットランドの低地地方で話されるゲルマン系の言語であり;
スコットランド・ゲール語は、スコットランドの高地地方や西海岸沿岸で話される
ケルト系の言語です(話者約5万人で絶滅危惧語)。
■loch は、アイルランド語(ゲール語)・スコットランド語(英語)の双方に存在する
単語です。無論、本家はゲール語の方で、英語はゲール語からの借用です。
■同じケルト系でも、コーンウォール語やブルトン語では lagen となり、ウェールズ
語では llwch となります。
■Auld Land Syne は、スコットランド語=英語のスコットランド方言です。師匠の
認識されているとおり、スコットランド・ゲール語ではありません。ロバト=バーンズ
の原詩は、スコットランド語=英語のスコットランド方言で書かれています。
■ちなみに、混血の結果、現在では人種的に純粋のケルト系であるスコット族の末裔
は存在しませんので、「スコットランド人」の定義は、以下2点のいづれかだそうです。
(1) 両親または祖父母がスコットランド人であること
(2) スコットランド育ちであること
あるいは
(1) 自分はスコットランド人と思っていること
(2) イングランド人なんか大っ嫌いだと言えること(^^)
■よって、「英語を受容したスコットランド人」という者は存在せず、「英語(スコット
ランド方言)を話すモノリングワルなスコットランド人」か、「英語(スコットランド
方言)も話すバイリングワルなスコットランド人」のどちらかしか存在しないと思われ
ます。

>らにいさん
>ドイツ語「Onanie」。英語ではどうなんでしょうか?
→英語では onanism です。masturbation, self-gratification とも言います。
語順については、のちほど。



文型

らにい (2004/01/10 22:36)

この質問は単純なことではありますが、かなり突っ込んだ内容になると思われますので、もしよろしければお教え下さいますようお願い致します。一応、英語(フランス語やドイツ語などもそう思われますが)と日本語との比較で書いています。(ほかの言語、特に中国語や韓国語などは私としては分かりかねるところがありますので、誠に勝手ながら省略いたします。中国語や韓国語などの状況ももしよろしければお教え下さい)

英語と日本語とで比較してみると、(基本的には)最初に主語がきているのはどちらも同じです。しかし、英語はつぎに動詞がきて、日本語だと動詞は最後の方になります。
例として「私は白鳥が好きです」だと「I like swan」となりますが、「I like swan」をそのまま訳すとしたら「私は好きです、白鳥が」となり、いわゆる「倒置法」みたいな感じになりますし、「私は白鳥が好きです」をそのまま英語にすれば「I swan like」になります。
学生の頃から度々思っていたことですが、なぜこのような違いがあるのでしょうか?



re:白鳥の湖

きしろふ (2004/01/10 19:34)

今日は登場が多いような・・・

>げたのにれのやさん
キリール文字ありがとうございます。
ほんとまんまですね(^^;)
>Shusanさん
「十進法」で許されているのみですか。ふむふむ。




Re:Hな話

らにい (2004/01/10 19:28)

私が知っているエッチな言葉の語源です(^^;)

日本語では「自慰」とか「手淫」「自涜」などと呼ばれている「オナニー(ドイツ語「Onanie」。英語ではどうなんでしょうか?)」の語源は、聖書に登場するオナンと言う男の名前からきていて、オナンは父親になることを拒み、膣外射精をしていました。キリスト教では生殖に結びつかない射精は罪悪であるとされてきて、「オナンのような行為」つまり「オナニー」は悪習とされてきました。
キリスト教の影響が大きい西欧ではオナニーに対する偏見が長く残っていました。(今でも特にカトリックのところで残っているところがあるか?)しかし、これには科学的には全くの間違いで、オナニーが体に悪いという証拠は全くありません。むしろ、精巣に精子を溜めて置くと留まっている精子が元気を失っていき、新しい精子も出来ないということになるので、健康な精子を常に待機させておくにも週に3回程度はオナニーでもいいので射精したほうがいいとのこと。
また、オナニーをしすぎても近視眼や発育障害、神経衰弱には結びつきませんので「オナニーをしすぎるとバカになる」というのは完全な迷信です。オナニーが本当に体に悪いのなら、人類はとっくの昔に滅んでいた可能性があったかも。

語源の話が性教育になってしまった・・・(^^;)
お後がよろしいようでm(_ _)m



Hな話(日本国語大辞典版)

佐藤和美 (2004/01/10 18:05)

だいぶ前に何回かやった、「Hな話」。
今回は、誰もが中高校生の頃やる(?)、辞典からHな単語を引いてみるというのを、『日本国語大辞典』でやってみようという試みです。サア、Hな単語の語源にアタック!!(笑)

Hな話が嫌いな人は読まないでね。

ちんぼ
(1)チヒサキホ(小穂)の義か[名言通]。
(2)チヒボフシ(小法師)の略訛[上方語源辞典=前田勇]。
(3)チホの訛り。チは男の陽の意[俗語考]。
(4)チンは子供の性器をいうシジ(似指)からで、指に似て小さい意。ボはホコ(鉾)の義[すらんぐ=暉峻康隆]。
(5)レプチャ語チム・チンから出た語。ボは性器の意のレプチャ語[万葉集の謎=安田徳太郎]。

まつぼくり【松毬・松陰嚢】
「まつふぐり」の変化した語

「陰嚢」じゃ、たしかに「ふぐり」だ。

おまんこ
マンコはメノコ(女子)の転[神代史の新研究=白鳥倉吉・国語拾遺語原考=久門正雄]。

ぼぼ
(1)フホの転。フホはフフミ(含)ホホマルの意[俗語考]。
(2)ホドのホを重ねたもの[名言通]。
(3)菩提のボと煩悩のボを重ねたもの[金曽木]。
(4)上代語クボのボを重ねたもの[上方語源辞典=前田勇]。

まぐわい【目合】
(1)マグはツママギ(妻覓)のマギの転、ハヒは行う意義[大言海]。
(2)ウマグハヘ(美合)の義[名言通]。ウマクヒアヒ(美交合)の約[大言海]。
(3)互いに相見かわすところからか[類聚名物考]。
(4)目交す義[古事記伝]。
(5)愛でて目配せする意[日本語源=賀茂百樹]。
(6)マグハヒ(目合)の義[雅言考]。マクヒアヒ(目交合)の約[大言海]。

わけのわからない語源説が多いようで。



Auld Lang Syne はスコットランド・ゲール語か?

げたのにれのや (2004/01/10 16:18)

〓えゝ、大家、ごぶさたしております。本年もよろしう。
〓きしろふさん、キリール文字では
   Лебединое озеро
   [りぇビェ'ヂーナヤ 'オージェラ]
まんま、「白鳥の+湖」 です。

〓えゝ、Auld Lang Syne ですが、あたくしの理解では、
   Auld Lang Syne = スコットランド英語
であって、スコットランド語 (スコットランド・ゲール語) ではない、と思うのですが。たとえば、loch [ろっほ] という単語は、スコットランド語ですが、Auld Land Syne は、それとは、ちがう次元の言葉と思います。英語を受容したスコットランド人の話す訛った英語であると。
〓このあたりの事情は、くたびれたオッサンには調べる余力がありません。Maniac C. 氏、調べてもらえるかなあ。それと、радуга の件、遅くなって申し訳ござらん。えゝ、辞書をそのまま写すなら簡単ですが、一応、引用されているいろいろな言語の発音などを一通り調べなければ、と思っているので、なかなか。



Re:ツクバ

きしろふ (2004/01/10 15:25)

>佐藤和美様
お答え大変感謝します。
大きな図書館が近くに無いのでなかなかそう突っ込んだものを直に調べるということはできないもので・・・
ここの掲示板は大変重宝します。

Maniac C.さんの「湖 白鳥の歌」というのを見ると「白鳥の湖」を思い出す今日この頃です(^^;)
英語では「Swan Lake」、フランス語では「Le lac des cygnes」、ロシア語では「Lebedinoe ozero」(キリル文字ではなんと書くかは分かりません。力不足で申し訳ありません)になりますね。



「十」の読み

Shusan (2004/01/10 15:07)

「十」の読みは大辞林を見たら、モーゼの十戒、十種競技、十傑、十脚類、十手・・などことごとく「じっ・・」なのですね。ひとつだけ数学の「十進法」が「じゅっ・・」と許容されていましたが。

小生は最近まで「じゅっ・・」としか読まなかったのでこの現実はショックですね。



富士山(日本地名語源辞典)

佐藤和美 (2004/01/10 13:47)

吉田茂樹『日本地名語源辞典』(新人物往来社)には「富士」は何って載ってるかな?

フジ(富士)
「「万(第三一七)」に「不尽・布士」でみえる日本最高峰の富士山については、アイヌ語説「プシ(火)」から「フヂ(藤)」説などがあるが、「フシ」であって「フチ」ではない。最も妥当なのが『記伝』の「クシ(霊異)」であって、筆者も霊山として「クシ(奇)き山」の「クシ」説をとる。「フ」と「ク」は上代から音韻の変化する語であって、日向の高千穂の「クシフル峯」の「クシ」も「クシ(奇・霊)」で、富士山と同じく神霊の宿る奇しき山の意とみられよう。」



Re:ツクバ

佐藤和美 (2004/01/10 13:31)

吉田茂樹『日本地名語源辞典』(新人物往来社)にはこうありました。
「茨城県の郡名や山名となっているが、本来、筑波山によるものであろう。尾根が延びた端で急に突出した山容で、「ツクハ(突端)」をいうか。筑波神社に「イザナギ・イザナミ」二神を祭るので、神のつくる山から、「ツクニハ(筑庭)」の意をいうかもしれない。」

また、大きな図書館に行けば、角川・平凡社等の都道府県別のぶあつい地名辞典が置いてあります。そういうのを参考にするのがいいかと思います。



富士山(日本国語大辞典)

佐藤和美 (2004/01/10 13:04)

『日本国語大辞典』
富士
語源説
(1)ホデ(火出)の転[萍の跡・百草露]。
(2)ケフリ(煙)シゲシの略[仙覚抄]。
(3)フジナ(吹息穴)の略[松屋棟梁集]。
(4)アイヌ語で「火の神」の意の Huchi から[アイヌ語より見たる日本地名研究=バチェラー]。


ここにもバチェラー説が顔を出してますね。
『日本国語大辞典』は語源説があればどんなものでも紹介する方針のようですから、出てきてもふしぎじゃないか。
アノ安田徳太郎『万葉集の謎』も出てくるくらいだから。



Re:Auld Lang Syne

鴛鴦 (2004/01/10 12:58)

>Maniac C.さん
資料ありがとうございます。
本当はあんなに歌詞があったんですね。勉強になりました。
3番・4番まで聞きますとまるで戦地へ赴く人への歌みたいな感じですね。(もしかしてそう?)
韓国の国歌であるというところはイスラエルの国歌と何か似ていますね。



re:『鰹』

らにい (2004/01/10 09:47)

>偽中国人さん
『鰹』が国字というのはガセですか(^^;)分かりました。
資料を良く見ると大小関わらず全体を示すのが「鰹」、そのなかで大きい物を「[魚同]」、小さい物を「[魚兌]」といっているように思えます。



Auld Lang Syne 湖 白鳥の歌

Maniac C. (2004/01/10 03:18)

>鴛鴦さん
>大まかな意味は「蛍の光」の歌詞と同じでしょうか?
→いいえ。全く違います。日本では別れのときに歌いますが、スコットランドでは
再会のときに歌われます。
■ Auld Lang Syne の歌詞はあちこちのHPに載っていますが、訳は下記URLが良い
でしょう。鴛鴦さんの書き込みされなかった部分も、対訳で載っています。
http://dev.info.toba-cmt.ac.jp/~takuya/etc/hotaru.html
■一番詳しいのは下記URL。『蛍の光』の3番・4番も載っていますし、何と、現代
英語訳も載っています。また、「蛍の光」が大韓帝国の国歌だったことにも、触れ
られています。このHPには書いてありませんが、後、抗日運動の歌詞に替えられ、
韓国が戦後独立した直後は、そのまま国歌になったそうです。
http://utagoekissa.web.infoseek.co.jp/hotarunohikari.html

>偽中国人さん
>アイルランド語のlochから南ドイツ語のMeerまでたどりつくとは。
→スコットランド語 Loch Lomond は英語の方言で、ケルト系のアイルランド語とは
微妙に違うのですが、ま、スコットランド語自体、ケルトからの借用なので、良しと
しますか。下記のような歴史です。
■スコットランド語 loch > 中期英語 lough > 古期英語 luh(ケルト語から借用)
■古期アイルランド語 loch > 印欧祖語 *laku-

>「白鳥の歌」…日頃あまり声の美しくない白鳥が一生の最後に美しい声で鳴くことがある。
→「白鳥の歌」の迷信は希臘に由来するようで、英語のHPですが、下記URLで所謂
『イソップ物語』の「白鳥の歌」に関わる寓話の粗筋を知ることが出来ます。これ
を見ると、死を避けるために美しく鳴いたようで、これまた微妙に違いますね。
http://www.mythfolklore.net/aesopica/oxford/303.htm

>「ラ・メール」…ドイツとフランスは(中略) 言葉の上では意外と近かったのですね。
→う〜ん、近いと言って良いのやら。どちらも大きく変化しなかった、とは言えるの
ですが、歴史自体は全く別物です。
■独語 Meer > ゲルマン共通基語 *mari > 印欧祖語 *mori-
■仏語 mer > 羅語 mare > 印欧祖語 *mori-



『鰹』は国字?

偽中国人 (2004/01/10 01:20)

>資料には「『鰹』は、実は日本で作られた漢字である」とあたかも国字だということを示していますが・・・

漢字の三要素は形(字形)、音(発音、讀音)、義(意味)です。
国字であると断定するためには前漢に完成したと言われる中国最古の辞書《爾雅》に字形が収録されていないことが最低の条件ではないでしょうか。

次の《爾雅》の和刻本の写真を見ていただければ判ると思います。(京都大学に感謝)
http://www.kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp/db-machine/toho/ShiSanJingZhuShu/html/A0120014.html?1
《爾雅》にはすでに『鰹』という字形が見えますが、もし「鰹」の字形が日本から中国へ逆輸入されたものだとすれば、実に許慎の《説文解字》よりも前の時代に倭人が漢人に倭字を教えたということになります。
こういう説は旧石器捏造事件と同じくらい劃期的だと言えます。

カツオとは異なる『鰹』という字に日本的なカツオという意味を付加したというのが真相でしょう。

>「ウナギ」でも大きい物は「[魚同]」、小さい物は「[魚兌]」とも
大小関係は L寸:[魚同]、M寸:鰹,S寸:[魚兌]でしょうか?

「鰹」の解釈の基礎となるのは《爾雅》釈魚の記述。
  鱧 [魚同]也。鱧今[魚重]魚也。[魚同]與[魚重]音義同。又
    詩小雅云魚麗于[网/留]魴鱧是也。
    魚が「やな」にかかって「魴おしきうお」や
      「鱧やつめうなぎ」が捕れる。
    [网/留]は「(罫−卦)の下に(璢−王)」。

    古ければよいというものでもありませんが、
    私の手持ちの「清家版 毛詩鄭箋」の注では
    「鱧[魚同]也」となっています。

  鰹 大[魚同]小者[魚兌](註)今青州呼小[魚麗]為[魚兌]
読み方その1 鰹、大[魚同]なり、小なる者は[魚兌]なり
  現代語訳:鰹はおおきな[魚同]で、小さいのが[魚兌]である。
       大小関係 鰹 >[魚同]>[魚兌]
読み方その2 鰹、大なるは[魚同]なり、小なる者は[魚兌]なり
       大小関係 [魚同]>鰹 >[魚兌]

いずれにしても鰹、[魚同]、[魚兌]は出世魚だという説。



Re:湖

偽中国人 (2004/01/10 01:16)

アイルランド語のlochから南ドイツ語のMeerまでたどりつくとは。

Meerで思い出しましたがシューベルトがハイネのAm Meerという詩に曲をつけたのが「白鳥の歌」という歌曲集に入っています。
http://www.d-score.com/ar/A03061101.html
シューベルト歌曲集の対訳へのリンク
http://www.damo-net.com/uebersetzung/schubert.htm
「白鳥の歌」の由来については昔、つぎのような話を聴いた事があります。
日頃あまり声の美しくない白鳥が一生の最後に美しい声で鳴くことがある。フランツ・シューベルトの遺作となった最後の歌曲集のタイトルもそういう意味合いでつけられたと。

昔のNHKのラジオ番組で「午後のシャンソン」というのがあって、「ラ・メール」なんていう曲がかかっていました。ドイツとフランスは歴史的に犬猿の仲と思っていましたが、言葉の上では意外と近かったのですね。



ツクバ

きしろふ (2004/01/09 23:58)

以前、茨城に住んでいて「つくば」の語源が気になっていたのですが、この掲示板で管理人様始め皆様が仰られていることはアイヌ語を語源とするということについては殆ど信憑性に乏しいとの見解です。
しかし、ガイドブックや検索ツールで調べてみてもアイヌ語を語源とする見方がほとんどです。or見方しか載っていません。
いったい「つくば」の語源の真相はどうなっているのでしょうか?ご存知の方いらっしゃればお教え下さい。

やっぱり「十分」は「ジュップン」ではだめなのか・・・?



Re:Auld Lang Syne&「ご苦労様」

鴛鴦 (2004/01/09 18:50)

>Maniac C.さん
ご丁寧な証明ありがとうございます。
一応歌詞をここに載せてみますと・・・

Should auld acquaintance be forgot,
And never brought to mind?
Should auld acquaintance be forgot,
And days of auld Lang Syne?
For auld lang syne, my dear,
For auld lang syne,
We'll take a cup o'kindness yet,
For auld lang syne.

And here's a hand, my trusty frien',
And gie's a hand o'thine.
We'll take a cup o'kindness yet,
For auld lang syne.
For auld lang syne, my dear,
For auld lang syne,
We'll take a cup o'kindness yet,
For auld lang syne.

大まかな意味は「蛍の光」の歌詞と同じでしょうか?

「ご苦労様」という言葉がありますが、これは上が下(主君が家臣)にねぎらいをかける言葉とされ、下が上(家臣が主君)に使うのは失礼とされています。
しかし、江戸時代の歌舞伎や浄瑠璃には主君が家臣に使っている例はみつからず、『仮名手本忠臣蔵』では下から上に向って使っていることから、かつては目上にも自然に使っていたと思われます。
日本でも旧日本軍で上官に対して、現在でも自衛隊で使っています。ただし、公的で果たすべき任務、要するに当然の仕事をした時に対して使えるのであって、私的なことではやはり失礼に当たるとのこと。
ですから、「ご苦労様」は公的なことでは上下に関係なく使用出来たのに、「私的では失礼に当たる」というところが「失礼に当たる」に拡大解釈されてしまったのではないかといわれています。
ちなみに北海道・北東北・北陸・四国・九州の自衛隊では「ご苦労様」をそういう風に使っています。



RE:「詰まらない」

らにい (2004/01/09 12:45)

>仇さん
一応、私が調べたものですが・・・

「詰まらない」は「道理にかなう」という意味の「詰まる」を否定した言い方で、要するに「道理にかなわない」いうことになります。



Re:Christmasの語源

佐藤和美 (2004/01/09 12:31)

それこそ、「クリスマス 語源」で検索すれば、山ほど出てくると思いますけど。



「詰まらない」

Shusan (2004/01/09 11:56)

仇さん
検索で沢山出てきましたがどれも似たようなものでした。
その中でしっかりしているのは「ことばや教え方の質問箱」の過去ログ2002/10/21-26のやり取りで、ここにはある程度出典も出ています。これを出発点に調べられたらいかがでしょうか



Christmasの語源

makia (2004/01/09 10:49)

Christmasの語源を教えてください。



湖 Auld Lang Syne

Maniac C. (2004/01/09 03:32)

>偽中国人さん
>English-German Dictionaryでlakeを調べるとドイツ語Lacheが出てきて、コンサイス独和辞典を調べるとLacheはおおきな水たまり、沼、湿地。で湖はどこかに行ってしまいました。
→確かに、英語の lake, loch と、独語の Lache は同系語なのですが、面白いですね。
どちらも羅語の lacus 「溜め池、湖」に由来します。追いかけて行ったら、猶一層の
面白いズレの有ることが判りました。
■英語で「水溜り」は pool で、これに対応する独語は Pfuhl ですが、こちらの意味
は、何と「泥溜り」でした!
■翻って「湖」は、実は独語では See と言うのですが、これに対応する英語は、既に
ご承知の通り sea 「海」です。勿論、独語の See にも、「海」という意味は有るの
ですが、北独での言い方のようです。
■では、南独では「海」は何と言うのか、と気になりますが、南独では Meer と言い
ます。これに対応する英語は mere となり、古語で、「湖・池」を意味し、振り出しに
戻ります。
■English-German Dictionary なら、下記のURLが便利だと思います。

>鴛鴦さん
>スコットランド民謡と聞くと私は「Auld Lang Syne」を思い出します。「過ぎ去りし遠い過去の日々」という意味だそうで。
→“Auld Lang Syne”を標準英語に逐語訳しますと、“Old Long Since”となります。
■since の –ce は、時の副詞を作る属格語尾(always, sometimes などにも付いて
いますよね)の名残です。中期英語では syns, synnes と綴られていましたので、
より北部方言に近い形だったというのがお解りいただけるでしょう。
■副詞としての since は ago と同じ意味で使われましたので、標準英語に直訳し
ますと、“Old Long Ago”となります。それで「過ぎ去りし遠い過去の日々」という
意味になるのです。
■付言しますと、once, twice の –ce も、時の副詞を作る属格語尾の名残です。

http://wordreference.com/de/Translation.asp?ende=lake



Re:頁

鴛鴦 (2004/01/08 18:28)

>高駒麗人KOMAさん
そちらでも「頁」を使っているんですね。勉強になります。
>偽中国人さん
スコットランド民謡と聞くと私は「Auld Lang Syne」を思い出します。「過ぎ去りし遠い過去の日々」という意味だそうで。(余計?)

http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/z/00zatsu_ut.html



re:「鰹」「鯰」「鰯」

らにい (2004/01/08 12:47)

>偽中国人さん
手元にある資料では「オオウナギ」のことを指してますが、それは「大型の雷魚」のことでしょうか?「ウナギ」でも大きい物は「[魚同]」、小さい物は「[魚兌]」とも言っていますが。
それに、資料には「『鰹』は、実は日本で作られた漢字である」とあたかも国字だということを示していますが・・・

「鯰」や「鰯」などの漢字が逆輸出したのは、中国では魚介類の種類を表す漢字が無いものがあったからと記されています。

アイヌ語ってかなり複雑なんですね・・・(それとも、自分がそう思っているだけ?)



教えてください〜詰まるは?〜

仇 (2004/01/08 12:13)

面白くなかったり、暇な時に「詰まらない」とよくいいますが、
なぜ「詰まる」とは言わないのでしょうか。
「詰まらない」の語源(ルーツ)を教えてください。



支那はキナ?

偽中国人 (2004/01/08 05:24)

>「支」「枝」zhiは日本語音で「し」、「技」「妓」ji、[止支]qiは「き」でしょうか。これも上古音では kiかgiだったようですね。

「技」「妓」ji、[止支]の閩南白話音はいづれもkiです。「指」もそうです。
科挙受験用の読書音はci(教会羅馬字ではchi)。

スコットランド民謡に「ロッホ・ローモンド」というのがあるのをご存知でしょうか?
「ロッホ・ローモンド」はLoch Lomondと綴ります。英和辞典やWebsterの辞典をみても発音は[lok]となっていますがスコットランド語では「lox」と発音するようです。
http://britannia.cool.ne.jp/travel/2001/01-02.html
デューイッヒ湖 Loch Duich
http://www2k.biglobe.ne.jp/~c-navi/britain/west.htm

English-German Dictionaryでlakeを調べるとドイツ語Lacheが出てきて、コンサイス独和辞典を調べるとLacheはおおきな水たまり、沼、湿地。で湖はどこかに行ってしまいました。



鯰/鮎

偽中国人 (2004/01/08 04:18)

鮎(ナマズ)が欲しければ竹に登ってくるから待っていればよい、という詩が紹介されています。なかなか勉強になります。
http://iriz.hanazono.ac.jp/k_room/yoshi0204.html

大原望さんのページの中で《食経》の中に記載があるので国字とも言い切れず、漢土の字のセンも捨て切れない、との解説があります(別のHPにも同じ内容の文があります。どちらがカンニングしたのやら)
http://member.nifty.ne.jp/TAB01645/ohara/p23.htm
が、《食経》という書物は下記の「鮭談義」でも判るように江戸時代にはすでに佚書となっており、《辞海》を検索しても《食経》という見出しは有りません。まさか源順が《倭名類聚抄》の中でウソを書いたのではないでしょうね!

《先哲叢談續編卷之四》の鮭談義
http://www2s.biglobe.ne.jp/~Taiju/pred2_04.htm
『我邦村上天皇の時、源順といふ者あり、和名類聚鈔(*倭名類聚抄)二十卷を著す、其中鮭を載せ、崔禹錫の食經を引いて云ふ、鮭其子■(艸冠/毒:::大漢和31330)に似て赤光あり、一名は年魚、春生れて冬死す、故に名づくと、食經、世に傳はらず、其詳なることは得て考ふべからず、知らず、貴國此魚ありや、其名づくる所奈何、辱く之を教へば幸なり(*と)、(*南仲容か。後述の若水注を参照。)答て曰く、此魚は即ち我國の松魚なり、(後略)』



鰹はカツオではない

偽中国人 (2004/01/08 04:07)

>「鮎」は「なまず」だったのがなぜか「あゆ」になった。
それでもって、新たに「なまず」用に「鯰」って字を作った。
いったい、どうなってるんだ?

日本の官僚は昔も今も外国語が大好き。
今の官僚は英語を使いたがる。
昔の官僚は漢字を使いたがった。
「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。 」とは紀貫之が仮名書きの日記を書き始めたときの後ろめたさを表わしています。
中国かぶれの官僚は「日本語にあって漢語に無いなんて、あってはならないこと」と国字を作ったのでは?

鰹は古代中国では鱧(発音は禮と同じ)の大きいヤツ。《爾雅》釈魚『鰹,大鮦(=[魚同]),小者[魚兌]。[魚兌]は杜活切。 《辞海》によると《爾雅》釈魚の「鱧」の注に『鮦(=[魚同])也』と書いてあるので「大鮦(=[魚同])」とは即ち大鱧のこと。ただし「鱧」は「ハモ」ではなく「雷魚」、というわけで中国的「鰹」は「大型の雷魚」です。學名:Channa maculata 英語ではFormosan snakehead。俗名:雷魚、なら戒名は???、というのは勿論冗談ですよ!
http://www.fish.org.tw/chinese/tech-38.htm
http://www.cts.com.tw/news/headlines/news20020831A20.htm
下記HPに写真あり
http://www.aquazoo.com.tw/zoo_fishphoto/02_fish/aquazoo_no02_1.htm
ところで千葉県を代表する魚は「雷魚」だと次のHPでは言ってますが、写真をみると「鯛」のようにも見えるし「馬のような虎のような」「馬馬虎虎mamahuhu=いい加減」なHPです。
http://www.kanko.chuo.chiba.jp/c/chiba/out_wide-c.html
しかし今では「鰹」といえば「カツオ」というのも中国台湾で普及しています。

日本の「鰹」は昔は「堅魚」と書かれていて、その2文字をひとつに纏めたカツオとは関係の無い「鰹」を借用して「堅魚カツオ」の意味を付け加えたらしい。
http://www.agri.pref.kanagawa.jp/suisoken/Sakana/Misc/Katsuo/

次のHPには何やら忌まわしい文字が並んでいます。
http://jitenfeti.hp.infoseek.co.jp/resipi.html
311.【鰹】・・・『龍龕手鑑』に「古田切大[鮎−占+同]也」とある。
「古田」といえば、アノ《東日流外三郡誌つがるそとさんぐんし》、古田武彦、安本美典の名が浮かんできます。





高駒麗人KOMA (2004/01/08 03:55)

鴛鴦さん
>「頁岩(けつがん)」は薄い岩石が層を成して重なっている岩石で、あたかも本がめくれるような形状をしているところから、「頁」は英語の「ページ」に当てはめられたということのようです。ですから、本来は「頁」と書いて「ページ」とは読みません。

シナでは本のページは確かに「頁」ですが、發音は yeであって、pageではありません。
これは日本で「W杯」を「ワールドカップ」と読むような、英語式訓読みでしょう。

漢字のうち、何が和製か普通はわからないものです。
http://member.nifty.ne.jp/TAB01645/ohara/(和製漢字の辞典)

ウナギはシナでも「鰻魚」Manyuでいいと思いますが、生物の名は正確な意味と民間の用法で違いますし、料理業界で慣用の表記は辞書や教科書と違う事が多いようです。

「廖」は辞書でliaoですが、ある中国人は miu(謬と同音)と読みます。



いろいろ

松茸 (2004/01/08 00:58)

 遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。

* 「フンチ」の件、ご教示ありがとうございました。->佐藤さま

* 鮎、鯰
 アユの異名の一つ「年魚」が「鮎」と同音なので、混乱が生じたものと思われます。
# 〈神功皇后の故事にちなんだ〉というのはこじつけでしょう。(^^;
 ちなみに〈ナマズ〉の意味の「鯰」も中国に逆輸出されているようです:
http://tech.big5.enorth.com.cn/system/2003/11/04/000662340.shtml



鮎、鯰

佐藤和美 (2004/01/07 20:07)

『大辞林』
こっくん【国訓】
(2)漢字の原義を離れて、日本語独自の読みをすること。また、その読み。中国でナマズを表す「鮎」を「あゆ」と読む類。

「鮎」は「なまず」だったのがなぜか「あゆ」になった。
それでもって、新たに「なまず」用に「鯰」って字を作った。
いったい、どうなってるんだ?



アイヌ語地名リスト

佐藤和美 (2004/01/07 19:57)

WENPE さん
>お読みになった方はいらっしゃいますか?どんなものなのでしょう?
>手に入れた方がよいものでしょうか?・・・教えていただければ有り難いのですが・・・

私、持ってます。
でも、まだ目をとおしたことないんですよね。(^^);
聞いた話ですが、この資料の弱点は、
・編集委員の中にアイヌ語地名研究者がほとんどいない。
・短期間にやっつけ仕事のように作った。
だそうです。



RE:頁岩

鴛鴦 (2004/01/07 12:42)

>未菜実さん
早速でありがとうございます。
頁岩にもそういう種類があるんですね。
「鰹」「鯰」「鰯」についての資料もありがとうございます。



Re:頁岩

未菜実 (2004/01/07 10:26)

頁岩で最も有名なものに、バージェス頁岩と言うのがあります。
カンブリア紀の生物がこれによって明らかになった頁岩です。
最近、よくテレビにも登場するアノマロカリスや私達のご先祖様と言われるピカイアなど、現存する生物種の基本が作られた時代の化石です。
例えば、下のページに一部頁岩の写真がみられます。
→http://www.tennoji-h.oku.ed.jp/tennoji/yossi/CANADA/Burgess/

手元の辞書では「鰹」は「ウナギの一種」となっています。
なお、「鯰」や「鰯」は国字、つまり日本で作られた漢字です。
国字に関しては大原望さんの下のページが詳しいと思います。
→http://www.inv.co.jp/~yoshio/nozomu-oohara/index.html



re:「頁」

鴛鴦 (2004/01/07 09:51)

>きしろふさん
「頁岩(けつがん)」という水成岩の一種があるそうです。
この岩は薄い岩石が層を成して重なっている岩石で、あたかも本がめくれるような形状をしているところから、「頁」は英語の「ページ」に当てはめられたということのようです。ですから、本来は「頁」と書いて「ページ」とは読みません。

中国では「鰹」は「ウナギ」であり、「鯰」や「鰯」は元々中国には無かったというのは本当ですか?



どんなものかご存知ですか?

WENPE (2004/01/07 06:43)

「アイヌ語 地名」で検索をかけたところ、あるHPに

>「アイヌ語地名リスト」
>北海道環境生活部 刊行
>(財)アイヌ文化振興・研究推進機構 増刷
>リストなので調べるときに有用。読み物としての面白みはないが、なんと無料で配布されている。
>重いけど持ち歩いている。たまにしか使わないけど今回の旅には必要な物の一つだ。(2001.10)

・・・とありました。
お読みになった方はいらっしゃいますか?どんなものなのでしょう?
手に入れた方がよいものでしょうか?・・・教えていただければ有り難いのですが・・・



頁 諺

高駒麗人Koma (2004/01/07 04:37)

「頁」は清代〜現代北京語で「葉」「叶」と同じく YEです。それで「葉のように平たく、めくる物」>「ページ」になったのではないでしょうか?漢和字典で再確認してみます。

2001「常用諺語」王淑馨 Wang Shuxin編。中国建築工業出版


「猫兒去了、老鼠伸腰。」Maor qule, laosu shen yao.
「猫走鼠伸腰。」Mao zou shu shen yao.
「鬼のいぬ間に洗濯」
Eng:When the cat's away,the mouse may play.
Ger:Wenn die Katze aus dem Hause ist, springen die Mause uber Tische und Banke.

「盲人国里独眼称王。」Mangren guo li duyan cheng wang.
「山中無老虎、猴子称大王。」Shanzhong wu laohu,houzi cheng dawang.
「蜀中無大将 廖化作先鋒。」Shu zhong wu dajiang,Liao hua zuo xianfeng.
「鷹のいない国では雀が鷹をする」
「鳥なき里のこうもり」
Rus:
V slepom tsarstve krivoj―koril'.
Mezh slepykh i krivoj zrjachij.

Eng:
Among the blind a one eyed man is king,(他に類似表現が幾つかあります)
Monoculus may be king in Caecus country.

esp:
En tierra de ciegos el tuerto es rey.

Ital:
In terra di ciechi chi ha un occhio e signore.



ジャイアン アイヌ はっとり

高駒麗人 (2004/01/07 04:09)

>叮ロ当=丁当dindangは金属や磁器などに物がぶつかったときの音で、銅鑼を暗示しています。
>丁冬dingdongは玉石がぶつかる音。英語のdingdongの漢訳にも用いられます。
「ドラえもん」→「銅鑼」→「ディンドンという音」という發展でしょう。

鄭秀文 Zheng Xiuwen(Sammi Cheng)が Southern All Starsの Dong Dongという曲(「世に万葉の花が咲くなり」収録)を廣東語で coverしていました。
「叮[口當]」というタイトルで、北京語音「ディンダン」Dingdangだと英語 Dingdongのアメリカ發音に近く、廣東語音Dingdong「ディンドン」ですとイギリス發音に近くなります。
歌詞の中で、最後近くの“♪Hear the bell ringin' now”はもとのままで、他の歌詞は廣東語でした。
映画「魔幻厨房」Mohuan Chufang(Magic Kitchen)を見るのが楽しみです。

>台湾版《機器猫小叮ロ当》の登場人物「ジャイアン」は「技安ji-an」、台湾ビン南音で「ki-an」。
Gian(t)も綴り字通り読むと「ギアン(ト)」ですね。
大陸中国版では剛田武は「大胖子」Da Pangziでしたか

「支」「枝」zhiは日本語音で「し」、「技」「妓」ji、[止支]qiは「き」でしょうか。これも上古音では kiかgiだったようですね。

「支那」は北京語で Zhina(スペイン語 Chinaに近い發音)、日本語で Shina(ポルトガル語のChinaに近い發音)です。
もし「支」を「技」等の古風な發音で読むと「支那」は「キナ」kinaになります。
ドイツ語 China「ヒーナ」も osterreich方言では[ki:na]「キーナ」のようで、フィンランド語でも Kina だそうです。
これは奇妙な偶然です。

アメリカの映画(たしか「West-side Story」でしたか?)で警察官が若者に注意をしたら、若者の一人が「今の言葉をスペイン語に譯してください」と言っていたのを覚えています。
Celine Dionは15歳までフランス語しか話せなかったそうですが、すると北アメリカにも英語を話せない Lowteenたちが結構いるという事でしょう。
スペイン語は本国で3000万、ラテンアメリカ等を含めると世界で3億が話しています。 スペイン語人口の 9割はスペイン国外という凄まじい廣がりかたです。これから重要になるでしょうね。

私が会った韓国人留学生の一人は、日本を単一民族国家だと思っていたらしく、私が日本にアイヌという少数民族がいると言ったら、初めて聞いたようでびっくりしていました。

服部は機織りでしたか…。また勉強になりました。



富士山アイヌ語語源説について

佐藤和美 (2004/01/06 20:08)

富士山アイヌ語語源説についてはここにまとめてあります。

富士山アイヌ語語源説について



ユーカラ

佐藤和美 (2004/01/06 20:04)

「ユーカラ」のアイヌ語としての表記は「ユカ」、「yukar」です。



富士山の語源

Shusan (2004/01/06 17:08)

朝倉勇一さんの過去の記事へ
検索で小生の前に現れた小泉武栄(たけえい)さんは理学博士、東京学芸大学地理学研究室の教授で、研究の内容など見ても言語とは関係無い方のようです。百科事典の記事を頼まれ、つい他人の説を載せてしまったのではないかと思います。
山の自然科学に関する著書が多く出版されているので、山に関することの影響力は大きい方と思いますので、何等かの形でこの話を訂正に協力頂けるように持ってゆきば逆に幽霊アイヌ語の退治ができるのではないかと考えるのはどうでしょうか。
傍目で勝手を申し失礼しました。



米国のスペイン語

偽中国人 (2004/01/06 01:05)

米国には中南米からの移民(スペイン語話者)が流入しており、20年以上前の新聞記事に、アメリカ軍の指揮官が「回れ右」と英語で命令しても理解できる兵隊は半数以下である、と書いてありました。



壱岐の生き残り策

偽中国人 (2004/01/05 23:49)

魏蜀呉の三国時代に倭國の「いき」という地名が「一支國(原文の「一大國」が誤植と言われています)」という漢字で書きとめられました。
古漢語の面影を現代に伝えるビン南音では「一支」と書いて「it-kiイッキ」のように発音します。

倭國の使者が気張って「い」を発音すると「い」の最後に声門閉鎖音が聞こえたので、魏の記録掛りは「it」という音を持つ「壱」の字を当てた。
ところが時代が下ると「一支」の漢字の發音が「いき」とはかなり違う音(ciち)になってしまった。そこでその時代に「き」という發音を持つ「岐」に換え、「壱岐」となって「いき」の音を継承することに成功した。

この操作を「換字発音保存の法則」あるいは「字音投胎説」とでも名付けましょうか。
「投胎」とは人や動物が死ぬとその霊魂が胎内に入り込んで生まれ変わることです。
「一支」が「いき」から長安系の「いし」のようなビン系の「いち」のような音に変わってしまった時代に、まだ「いき」と読むことのできる「壱岐」に乗り移った(輪廻転生した)のです。



どらえもん、はっとり、ふじ

偽中国人 (2004/01/05 23:42)

◆どらえもん
「どらえもん」の「どら」はもちろん「どらねこ」由来ですが、「どらむすこ」の「どら」と同系ではないでしょうか。

叮ロ当=丁当dindangは金属や磁器などに物がぶつかったときの音で、銅鑼を暗示しています。
丁冬dingdongは玉石がぶつかる音。英語のdingdongの漢訳にも用いられます。

台湾版《機器猫小叮ロ当》の登場人物「ジャイアン」は「技安ji-an」、台湾ビン南音で「ki-an」。
翻訳する時に次のような会話があったかも知れません。
「ジャイアンて英語でどう書くの?」
「giantだよ」
「じゃ、技安gi-anでいこうか」

コンピュータの画像圧縮フォーマットに「.gif」というのがあって、わたしは「ジフ」と発音しますが、友人は「ギフ」と発音します。「ギフ」なんてローマ字読みじゃないかと笑ってよいものか。
gingerジンジャー vs giftギフト
双方ゆずりません。

◆はっとり服部
>Hattoriを「服部」Fubuというシナ語文字で現す日本語の方が奇妙・・・

「はたおり」だけでも「機織り」の人を表わします。そこで「服部」と書いて「はたおり、はとり、はっとり」。
バンザーイ−−−−笑点の大喜利レベルでした。

服部半蔵の祖先は大名小名からの仕事の依頼がないときは、機織で食いつないでいたのではいたのではないでしょうか。

語源の「機織部」の音を残す意味でも漢訳は「哈頭/倒立」Hatouli、Hataulipがいいのではないでしょうか。広東語、北京語の「頭」の発音を考慮すれば容易に理解できます。

あるいは〔女也〕的と書いて英語のHerの様に読ませて『〔女也〕的倒立 Her taulip』は香港、新加坡で有卦(受歓迎)るかも。
−−−これまた笑点の大喜利レベル

◆フジの?(ビン)南語音
布士po su
不尽put dzin
不自put cu
不時put si(siは日本語の「シ」とほぼ同じ)
不二put dzi 王力が推定した『二』の中古音は(n+豚の尻尾)+i
富士pu si(富の文語音(=科挙受験用の発音)はhu)

日本で「不」の字音がpuからhuに変わったのはいつ頃でしょう。

富士山の漢語的表現は「富岳、富嶽」。

ところで日本語では同じか近い発音で正反対の意味を表わす場合があります。
たとえば
不死 vs 不治
書き言葉であれば見た目で区別できますが、話し言葉では注意が必要です。



Re:キャラクター名

きしろふ (2004/01/05 18:38)

>高駒麗人Komaさん
それぞれの答えに関しての詳しい説明、感謝いたします。
なぜ、「服部」を「はっとり」と読むかと言うと・・・
○「服部」のうちの「部」は、古代の部民制の名残と見られ、「鞍作部」や「錦織部」など、専門的な職掌をになっていた古代の人々は、「〜部」と呼ばれていたと考えられる。ならば、「服部」は「はたおりべ」であり(服を作るのが機織)、これが縮まって「はっとり」になった、としか考えられない。
ということのようです。
(下のリンク参照。「問題62」にあります)
http://homepage3.nifty.com/osuzume/oldquiz/kaisetu.htm



Re:『うち』

らにい (2004/01/05 18:24)

>Maniac C.さん
「内蔵助」はそんな意味があったんですか。ありがとうございます。
>高駒麗人Kömäさん
確かに私も「五右衛門」はなぜ「ごえもん」なのか不思議に思っていました。
>日本人は「学而時習之、不亦説(悦)乎」を「まなびてときにこれをならふ。またよろこばしからずや。」と読み、「而」を読み飛ばしています。
国語の授業で「置き字」というふうに習いました。ただ、これは日本独特ですけどね。



アイヌ語の聞けるTV番組

Shusan (2004/01/05 17:55)

参考までに
国際的TV番組Discovery Channelの中で世界の希少言語を紹介しているのですが、まれにアイヌ語も聞けます。アイヌが「アイノー」(I know)のように聞こえるのが印象的でした。



「新」聞

鴛鴦 (2004/01/05 10:38)

チョイとしたものですが、「朝日新聞」の題字は良く見ると「新」のところに横棒が一本余計に入っています。これは明治12年、創刊する際に題字を中国唐の時代に欧陽詢が書いた「大唐宗聖観記」の碑から拝借した物ですが、その中に「新」の字が無かったので、「親+『立』と『木』の間に横棒」と「[木斥]」の2つの文字を使ってこの字を作ったとのことです。そして、今でもこの題字を使っているというのです。
ちなみに、題字の背景は関東では桜、関西では芦(縁起を担ぐなら葭)になっています。

最近の日本語に関する書籍を見てみると、「『十分』は『ジュップン』じゃなく『ジップン』だ!『ジュップン』と言うな!」というのが多いですね。

学生はまだまだ休み・・・(^^)



re: island Iceland

Maniac C. (2004/01/05 02:59)

>高駒麗人Komaさん
>Madonnaの歌はよく知りませんが、いいタイトルですね。
→下記URLで冒頭部だけ試聴できますので、お聞きになってみてください。
http://keitai.excite.co.jp/melo/detail/music/?mid=3642
>「島、美しき」ですね。
→西語では名詞+形容詞の語順が普通ですので、わざわざ倒置しなくても大丈夫です。
>アメリカ合衆國の歌手がスペイン語を使うのはラテンアメリカの影響でしょうか。
→下記URLがその回答を代弁してくれていますので、以下に転載します。
http://www.jmcti.org/jmchomepage/jmcjournal/data/2003_10/repo02.pdf
> メキシコ系アメリカ人リッチー・バレンスがティファナで自分のルーツを見つけ、「ラバン
>バ」を作曲、英語で歌うべきところスペイン語で歌い、全米で一躍有名になった。
> マドンナはイタリア系米国人にも関わらず、スペイン語の歌「ラ・イスラ・ボニータ」(きれ
>いな島)を歌うなど、80年代の半ばから既にスペイン語は米国に浸透し、最近は拍車が掛かっ
>ている。
> 最近の例では、プエルトリコ出身の歌手、リッキー・マーティンが98年のサッカーW 杯のテ
>ーマソングを歌って以降、スペイン語で歌っても米国でヒットした。同じリッキー・マーティ
>ンが「リビング・ザ・ビダ・ロカ」(狂った人生を生きる)をスペイン語交じりの英語で歌い大
>ヒットした。この曲は郷ひろみが日本語版でカバーし、これがまた日本国内でヒットしたのは
>ご承知の通り。
> スペイン語のキャッチフレーズや商品戦略は従来、官能・情熱・南国・明るい等のイメージ
>であったが、もうそのようなイメージだけでなく、日常レベルで受け入れられている。

>英語では「島」、「諸島」は isle(s)またはislandでしょうか。
→英語ではisleもislandもほぼ同義に使われますが、前者の方が詩語であり、特に小さな島(=嶼)のことを言うようです。
archipelago(群島・列島)やislet(小島)という単語も在ります。
>island(島)はシナ語で「島」dao、「島嶼」daoyu、北歐の島國 Iceland(アイスランド)は「冰島」Bingdao(ビンダオ)です。しかしIcelandなら嚴密には「冰國(氷国)」Bingguoの筈で、「冰島」ならIce-Island(アイス・アイランド)でしょう。
>isleも島、landも国または島です。islandは重複表現かもしれません。
→元来、islandは「水辺の土地」、Icelandは「凍った土地」の意味です。landは「陸地」の意味であって、「島」の意味は無いと思います。

>「ふじ」fuziは「富士」で、「ふぢ」fudziは「藤」だと思っていましたが、「富士」の「じ」も本来「ち」「ぢ」なのでしょうか。「不二」ではないのでしょうか。
→『万葉集』での漢字表記でも「布士」「不盡」ですし、『竹取物語』でも「富士」と「不死」を掛けていますから、「ふじ」fu~zhiであって、「ふぢ」fu~diではありません。



書いても読まない字&發音しても書かない字

高駒麗人Kömä (2004/01/05 02:34)

「大石内蔵助(おおいしくらのすけ)」は素直に読むと「おおいしうちくらすけ」です。
「おおいしくらのすけ」は素直に書くと「大石蔵之助」です。
「内」をつけて読まず、「蔵」と「助」の間で「の」を發音しながら何も挟まない。

シナ語であれば「大Da 石Sh i内Nei 蔵Cang 助Zhu」であり、書いてある通りの読みます。こちらの方が合理的です。

例えば「木下」は「きのした」ですが、「木の下」「木之下」「木乃下」とでも書くべきなのに「の」が書かれません。
「熊谷」が「くまがや」なのも「熊個谷」「熊箇谷」「熊个谷」であるべきところ、中央を省いているのです。
シナ語であれば「木下」は Mu-Xia、「熊谷」は Xiong-Guで、各文字の読みを続ければすみます。
また「石川五右衛門(いしかわごえもん)」も「いしかわごゆうえもん」「いしかわごうえもん」であるべきなのに、「右」が黙字となっています。
「大久保彦左衛門で(おおくぼひこざえもん)」では「左」(ざ)が發音されます。

西洋の学者などが「言語の本質は音声だからシナ語もシナ文字(漢字を)捨ててローマ字化すべし」と言うのに対し、ある中国人の教師は「漢字は意味と音が一体になっていて、書かれてある漢字は必ず發音される」「拉丁文字は表音文字といいながら黙字だらけ」と反論しています。
Wrightのwやgh、Isleのsは、大昔、同系の単語内で發音されていたのですが、今、發音されないのにいまだ書かれているのは確かに変です。
朝鮮人の「朴」Pak氏が自分の名を Park等と書いて、kの前に發音されないrを書くのは文字の無駄遣いです。これは五右衛門の「右」と同じです。

中国語の漢字は必ず發音されますが、日本人は漢文を訓読するとき、字の間に言葉を挟んだり、逆に元の漢字を一部読まなかったりするので、「内蔵助」と書いて「蔵之助」と読むような曲藝も平気なのでしょう。これは漢字の読み方としては邪道です。

日本人は「学而時習之、不亦説(悦)乎」を「まなびてときにこれをならふ。またよろこばしからずや。」と読み、「而」を読み飛ばしています。
中国人が読むときは「学Xue而Er時Shi習Xi之Zhi、不Bu亦Yi説(悦)Yue乎Hu」と読み、すべての字をちゃんと読みます。
こうしてみると漢字の読み書きはシナ語のほうが遥かに簡単で、日本人が漢字を法外に難しくしていると言えます。

しかし漢字の各部分を考えると
「女」nü→「奴」nu→「努」「怒」nu、
「古」gu→「姑」「故」gu、「胡」「湖」「蝴」hu
「云」yun →「雲」「芸」yun
の意味を表す部首だけ付け足してもように發音がほとんどかわらずにいます。
「努力」nuliにしても「力」liが「ちからをこめる」事を現わしていますから「奴力」でもいいはずです。
「鯨魚」jing-yu(クジラ)も「京魚」でいいはずです。
「鯨」をjingと読むのはは「魚京」と書いて「魚」を黙字にしている様なものです。それに「魚」をつけてyuと發音したら「鯨」の(「京」の左の)「魚」は既に無駄です。

今の中国人が「蝴蝶」hudieを「胡蝶」、「鮟鱇」ankangを「安康」と書くのも、音を現わすところだけ書こうという事かもしれません。



Ainu Aynu 阿依努 阿伊努

高駒麗人Kömä (2004/01/05 01:59)

すみません。訂正です。

>「日語外来語大詞典」(田世昌Tian Shichang編)
アイヌ【Ainu】阿依努(人)、蝦夷族(人)(居住在日本北海道的少数民族)
……
ユーカラ【(阿伊努)yukara】
阿伊努力族流傳的英雄長篇叙事詩(以簡単旋律伴唱)
→ 阿伊努族流傳的英雄長篇叙事詩(以簡単旋律伴唱)

カタカナの「アイヌ」を漢字に戻すと、「ア」は「阿」a、「イ」は「伊」yi、「ヌ」は「奴」nuですから、「阿伊奴」という事になります。「阿伊努」Ayinuの「努」nuは「奴」nuを声符とする形声文字です。
「阿伊努」はカタカナの「アイヌ」を漢字に復元したものではないでしょうか。
「奴」は「女」nü(nu‥[ny])を声符とします。
よく考えると「呵」a、he、「何」「河」「荷」heの古代音は haであり、「何」keや「哥」「歌」geは古代漢語では kaのような發音だったようですから、「阿」では[a]の音を現しているのは「ア」の元のコザトヘンでなく、右の「可」の方です。
「伊」「依」yiも「イ」は「人」(nien>ren)でなく「尹」yin、「衣」yiが声符です。
「ヌ」と「ぬ」の原形らしき「奴」nuも、nuという音を現わしているのは「又」ではなくて「女」nü(nu‥[ny])の方であり、「又」は「友」と共にyouという音です。
同様に「如」「汝」は「女」の音nuが変わった音ruを現わしています。
「ウ」[u]にしても「宇」yuから来ていますが、「宇」yuの音を現わしているのは上の「ウ」ではなくて、下の「于」です。故に「宇」は「迂」や「于」「芋」と同音なのです。

カタカナは漢字の音を現わす部分が何かを無視してできています。

ひらがなの「あいぬ」は元の漢字を復元すると「安以奴」ですが、ひらがなはまだ、漢字の全体を元にしているのが多く、カタカナよりましです。

「努」をnuと読むのは「奴」だけ読んで「力」を読まないようなものです。



Ainu Aynu 阿依努 阿伊努

高駒麗人Kömä (2004/01/05 01:29)

「言葉の世界・伝言板 2002年3月」
リュウさん (2002/03/01 20:56)
>「アイヌ」「愛奴」とあてるのは、何故なんでしょうか?
massangeanaさん (2002/03/02 01:05)
>「愛努・阿伊奴・阿伊努・艾努・阿衣奴・蝦夷・ローマ字 Ainu」と記しているものも
poronupさん(自称「アイヌ語を学ぶ和人」) (2002/03/08 01:19)
>現代の中国・台湾の表記では「愛努」です。
massangeanaさん (2002/03/09 19:57)
> Google 中国語ページ検索結果:
 愛奴人 101, 愛奴族 393, 愛奴民族 55
 愛努人 17, 愛努族 31, 愛努民族 17

中国の「日語外来語大詞典」(田世昌Tian Shichang編)では、アイヌの漢字表記が「阿依努」「阿伊努」両方あり、ローマ字表記はAinu Aynu両方あります。

アイヌ【Ainu】阿依努(人)、蝦夷族(人)(居住在日本北海道的少数民族)
アイヌいぬ【Aynu犬】北海道犬(以下略)
アイヌモシリ【Ainu mosiri】阿依努人的大地、阿依努共和国
アイヌわさび【Aynu山葵】北海道山…菜(油菜科的多年草)
(…は山か草冠の下に楡の右側のような漢字)
ウポポ【(阿伊努)upopo】烏波波(阿伊努人傳統民歌之一)
カムイ【(阿伊努)kamui】神、神秘
トウゲ【(阿伊努)tapka】山頂、(山路的)最高処
トナカイ【(阿依努)tonakai】[動]馴鹿
ユーカラ【(阿伊努)yukara】阿伊努力族流傳的英雄長篇叙事詩(以簡単旋律伴唱)

「阿伊努」が多いですね。
「阿依努」「阿伊努」は、現代中国ピンインで A-Yi-Nuです。「愛努」「艾努」はAi-Nuですが、A-Yiは2音節で、Ai-は1音節なので、「愛努」「艾努」は Ay-Nuだとも解釋できます。

Aynuの Ay-という綴りは、アイヌのアイが1音節である事を意味しているのでしょう。
たとえばアイヌ語をキリルKyrill文字で書くとすると、Aynu、Kamuyは、Айну(ajnu)Камуй(kamuj)のように й(半母音j)で現す方がいいのでしょう。GOOGLE検索でもАйну、Камуйは結構ありました。
すると漢字表記は「アイ」を2音節にした「阿伊努」「阿依奴」等より、「アイ」を1音節にした「愛奴」「艾努」等の方が相応しい事になりますね。
しかし「愛奴」であれば1音節「愛」が弱まって「愛奴」が「エイヌ」「エヌ」「オイノウ」のように發音される可能性があります。それでも構わないなら、アイヌ民族が漢字使用国に「愛奴」「愛努」「艾努」の方を使うように呼びかけるのがよいでしょう。



どらえもん はっとりくん

高駒麗人Koma (2004/01/05 00:40)

RE:老 きしろふさんへ  投稿日: 1月 4日(日)09時54分15秒
>他に「ドナルド・ダック」は「唐老鴨」、「トムとジェリー」は「猫和老鼠」だそうで。

Donald→唐老Tanglao(廣東語でTonglou>lとnを区別しないので Tongnou)
Do-を唐 Tang(Tong)、-naldを「老」lao、lou(lとnを区別しない方言では nao、nou)で取り入れています。

Duck → 鴨ya

MacDonald → 麦当労(麥當勞)Mai Danglao(廣東語でMak Dongnou)

この場合は、
Mac(〜の息子)を麦(麥)Mai(廣東語Mak)で取り入れ
Donald の
Do- →「当(當)」Dang(廣東語Dong)
-nald →「労(勞)]lao、lou(lとnを区別しない方言では nao、nou)で取り入れています。
Donaldは「唐老」Tanglao〜Tongnouか「当労(當勞)」Danglao〜Dongnouになるというわけです。
DonaldのDo-はアメリカ英語では
[dα-]に近くなるかも知れません。
すると中国南方でlとnと区別できない人が北京語を使って
「唐老」Tanglao、「当労(當勞)」Dangnaoと發音した場合、Donaldのアメリカ發音に近くなると言えます。

中国で出ている日本語誌で「トムとジェリー」が「ネコとネズミ」として紹介されていましたが、これは中国人が「猫和老鼠」Mao he Laoshuを日本語に直譯したものでしょう。

>余計に(^^;)、「ドラえもん」は「机器猫」で「トトロ」は「龍猫」だそうで。

「ドラえもん」のシナ語名は

1「机器猫」Jiqimao(シナ語で「ロボット」は「机器人」jiqirenなのでその猫型という意味)
2「小叮[口当]([口當])」Xiao Dingdang
3「多拉A夢」Duola-A[ei]-meng
http://homepage1.nifty.com/k-kitagawa/chin/dorae.html

の3種があります。

「ドラえもん」の「ドラ」は「ドラネコ」の「ドラ」ですが、假に「ドラヤキ(銅鑼焼き)」の「ドラ(銅鑼)」だと解釋すると、「ドラえもん」の漢字表記は
「銅鑼(右)衛門」、北京語で Tongluo(you)weimenになるでしょう。
「多拉A夢」Duola-A[ei]-mengのほうが日本語の「ドラえもん」の發音に近いかもしれません。

余談ですが中国で出版されたシナ語版「忍者ハットリ君」(「小忍者」Xiao Renzhe)ではハットリ君の名は「哈突利」Hatuli(ハトゥリ)でした。
ハットリ君は「服部貫蔵(はっとりかんぞう)」が設定上の本名らしく、恐らく服部半蔵の子孫というイメージでしょう。(「影の軍団」の千葉真一扮する忍者や、「人造人間キカイダー」の探偵服部半平と同様)
「服部」であればシナ語で Fubuになり、原音Hattoriとは懸け離れますから、「哈突利」のほうが適しています。もっともHattoriを「服部」Fubuというシナ語文字で現す日本語の方が奇妙だとも言えます。



re:『うち』

Maniac C. (2004/01/04 23:54)

>らにいさん
謹んで新年の御祝詞を申し上げます。旧年中は大変お世話になりました。本年もまた
宜しくお願い申し上げます。

さて。「内蔵助」という名前の由来を過日、お尋ねでしたが。
■「内蔵助」は“官途名”(官職名)の一種です。律令に制定された官制に基づく役職
の名前で、元々は、先祖がその職に就いたことを名誉として、村内の有力農民が名前
に付けたものでしょう。『忠臣蔵』の江戸時代には、単なる武士的な名前としてしか
認識されなかったと思いますが。
■「内蔵(くら)」は「大蔵(おおくら)」に対するもので、「内蔵寮(くらづかさ/くら
のつかさ)」の略称です。中務(なかつかさ)省に属し、宮中の金銀・宝器などを納める
倉庫ならびに饗饌のことをつかさどる役所、と古語辞典には有ります。
■歴史的には大和朝廷時代の「三蔵(みつのくら)」にまで遡るようで、「三蔵」とは、
神宝を蔵する「斎蔵(いみくら)」、皇室の財物を蔵する「内蔵(うちつくら)」、政府の
財物を蔵する「大蔵(おおくら)」の三つの蔵の総称だそうです。ですから後世には
読まれない「内」が付いているのですね。
■「助」は「かみ・すけ・じょう・さかん」の「すけ」ですから、令の四等官制に
おける第二の官、即ち次官を表しています。
■したがって、『忠臣蔵』の大石内蔵助に限らず(歴史上に「内蔵助」は大勢居るので)、
元々の意味は、「内蔵寮の次官」ということになります。



うとう

佐藤和美 (2004/01/04 17:04)

『広辞苑』の「うとう」の項の内容に関して以下のページを見つけました。

http://ww5.et.tiki.ne.jp/~koremaru/chimei/nenpoxx/nenpo12/MNZK.htm



『広辞苑』のアイヌ語

佐藤和美 (2004/01/04 16:52)

『広辞苑』のアイヌ語」を追加しました。

長い間、ほったらかしだったのを、(連休の最後の記念に?)どうにかまとめてみました。



アイヌ語「pet」の発音

佐藤和美 (2004/01/04 14:33)

「pet」の発音ですが、『アイヌ語沙流方言辞典』にはこんなように書いてあります。

「pet《川》はペッ ペット と言いかけて、トを発音せず、そこで止める。舌の先を歯茎につけたままで離さない。」



RE:老

きしろふ (2004/01/04 09:54)

>高駒麗人さん、偽中国人さん
「老」は飾り・強調ですか。勉強になります。
他に「ドナルド・ダック」は「唐老鴨」、「トムとジェリー」は「猫和老鼠」だそうで。
余計に(^^;)、「ドラえもん」は「机器猫」で「トトロ」は「龍猫」だそうで。
中国では「魔法老師」という漫画があるそうですが、実は日本の漫画だったりして・・・

新年に入ってから幾つか知った事は・・・
○「剛」を「つよし」と読むような「名乗り」はそう読むからであって、特に意味は無し。
○「衷」は辞書によって「9画」と「10画」に分かれていて、はっきりしない。



老鼠、老肚

偽中国人 (2004/01/04 05:04)

>ikimu 投稿者:偽中国人  投稿日: 1月 4日(日)04時56分30秒
あちこちのHPを覗いていたらリソース不足でタイトルがローマ字のままで送信してしまいました。

老鼠の「老」は高駒麗人さんのおっしゃるように一種の接頭辞です。
他に何かヒントはないかと辞典をながめていると
老肚lao3 du4 腹。擬人法で滑稽味を出した表現(愛知大学編中日大辞典)というのがありました。杜甫のニックネーム老杜lao Duと同じ発音というのが面白い。

長男を「老大」ということから
老葱lao3 cong1 大ねぎ(白くて長いねぎ)というのもあります。
小葱児xiaocongrを植え替えて大きくしたものを「老葱」という(愛知大学編中日大辞典)、と説明していますから
もしかするとこの「老」も擬人法かも知れません。

日本でも「お粥さん、お芋さん」などと食べ物に「おXXさん」という言い方があります。女子供だけでなく関西では成人男性も使います。

他に老のつく面白い言葉は
老中国lao Zhongguo 中国通の外国人(日中関係が冷え込んでいるのでネット検索でヒットしません。)
老北京lao Beijing
http://village.infoweb.ne.jp/~andylau/99travel_beijing_taxi2.htm
>運ちゃんは生まれも育ちも北京の“老北京”(“江戸っ子”のように、“三代続いて…”というような厳しい条件は“老北京”にはないそうな)。
http://nna.asia.ne.jp.edgesuite.net/free/after/sawa/sawa25.html
老乞大lao3Qi3da4
http://futurematic.hp.infoseek.co.jp/fmt/fmt03/fmt03-0208.htm
>『老乞大(ろうきつだい)』とは現代日本っぽく言えば「30分で北京語が喋れる本」(超訳)。解説から受け売りすると、乞大(きつだい)=キタイ=契丹、つまり元朝時代の中国のことで、つまり元末頃に作られた、高麗(朝鮮)人の為の北京語会話テキスト。

http://www1.linkclub.or.jp/~minajiri/tabula/gige/gige.html
>単数をキタイ、複数をキタンという説もあります。
おろしあ弁では今でも「もろこし漢土」のことを「キタイ」と言うと聴きましたが。

老毛子lao3mao2zi0 白系おろしあ人に対する罵詞(星版漢語詞典には載っていない)
http://structure.cande.iwate-u.ac.jp/china/silkfolktale.htm
>ロシア十月革命の年〔一九一七年十一月〕、金髪碧眼の「老毛子ラオマオズ」が当地へ
逃げてきた。

老千lao3qian1 ペテン師、詐欺師。
http://www.zaobao.com.sg/special/newspapers/2001/06/kwongwah130601.html
>据悉,這些老千毎年从全球騙走逾億令吉。「令吉」はマレーシアの通貨単位「リンギッ」
老家賊lao3jia1zei2 雀
老夫子lao3 fu4 zi0 辛亥革命以前の家庭教師、塾の先生。
    香港の漫画の主人公Old Master Q。
    http://www.masterqa.idv.tw/masterq/unold.htm
    チョッピンピンの長衫を着て前時代的帽子を被っています。
    http://home.hiroshima-u.ac.jp/hoogen/chus/chus/99125p.htm
    港台新馬で人気があります。



ikimu

偽中国人 (2004/01/04 04:56)

佐藤さん
初音草噺大鑑(1698)の使用例、有難うございます。
文字として「いきむ」が記録されはじめたのが江戸時代初期ということでしょうか。

関西では「いきむ、いきばる」のかわりに「きばる」を使います。
「きばる」の沖縄バージョンが「ちばる」だと思います。
>「ちばりよー」とは沖縄の方言で「がんばれ〜」と言った意味です。
http://www.e-awamori.co.jp/topics/topics/chibariyo.php
直訳すると「きばりよー/きばりやー」です。
京都のひとは丁寧に「おきばりやす」といいます。
吉本新喜劇では更に馬鹿丁寧に「おきばりやしておくれやしておくれやしゃー」といいます。

>助産婦さんが「はい、しっかりいきんで」と言っていて、それを聞いたTAKESHIは「力むんじゃなくいきむんだ、いきむってどうするんだろう?」などと考えていた。
http://hm.aitai.ne.jp/~kasuya/ippuku/ippuku00220.htm

>これ関係の記事では「いきむ」という言葉がよく登場するが、日本語ながら、そう言えばこんな言葉もあったかな?というほど、以前はお目にはかからなかった言葉である。「とってもいきみたいけど、看護婦さんから"ハイ、いきんでー"と指示があるまで我慢するのが苦痛だった」というのを読んだとき、これは「今にもウンチがでそうなのに、肛門に気合をいれて我慢しなきゃ」というような状況に似ているのだろうか…などと
http://www.vtmagazine.ca/05_Family/05_02/05_2_soramame_024.html



Айну(ajnu)Камуй(kamuj) Satporopet 米老鼠 空手

高駒麗人 (2004/01/03 23:10)

佐藤和美さんへ
>たとえばアイヌ語をキリルKyrill文字で書くとすると、Aynu、Kamuyは
Айну(ajnu)Камуй(kamuj)のように й(半母音j)で現す方がいいのでしょうか?
>そうです。
簡潔なお答えありがとうございます。『日本地名さんぽ 完結編』のアイヌ語は面白いですね。
「サッポロペツ」は語末に促音がある「サッポロペッ」では發音しにくいということでしょうか。廣東語の入声tは「ツ」ではないでしょう。

Nakhodkaはナホトカで、vodkaはウォッカ、Kamchatkaがどうしてカムシャツカ(大きいツ)なのか納得いかないのですが。

きしろふさんへ  投稿日: 1月 3日(土)09時45分18秒
>「ミッキーマウス」が「米老鼠」とは・・・なぜ「老」?

現代漢語では、鼠は「老鼠」lao-shu、虎は「老虎」lao-huであり、学校の教師は若くても「老師」lao-shiです。これは耳で聞いて意味がはっきりわかるよう、2音節語にした結果です。
特に現代北京語は入声が消滅し、同音字が氾濫しています。
「鼠」shu、「虎」hu、「師」shiが意味の主体で、「老」は飾りであり「年取った」の意味はなくなっています。
「石」が「石頭」shi-tou(イシアタマでなくイシの事)になっているのもそうです。

「椅子」yi-zi、「餃子」jiao-zi、「帽子」mao-zi、「扇子」shan-ziの「子」-ziも、双音節詞にする為のただの飾りです。

Micky MouseならMickyを「米奇」Miqiにして、「米奇老鼠」Miqi laoshuのほうがいいかもしれません。

偽中国人さんへ
>糸は本来、北京語mi...港版《辞海》では「糸」の第一義は「細絲」とし、「一蠶(=蚕)吐く所を忽と曰い、十忽を絲と為し、糸は五忽なり」と説明しています。つまり蚕が吐く5すじの「いと」が「糸mi」です。ちなみに澤存堂版「宋本廣韻」では「糸」は「覓 莫狄切」の6つ後ろにあり、「si」の音は有りません。「細絲」以外に「微」「連」の意味があります。

「学研漢和大字典」でも「糸」(mi、古音mek、日本語音ベキ)は蚕の繭から出た「いと」だと紀宛てありました。「辭海」はさすがに説明が詳しいですね。

http://fighterstreet.uhome.net/karate.htm
空手道 Karate
http://karate.uhome.net/
香港空手道拳道會

ジャッキーチェンの映画「SHANGHAI NOON」(中文題“龍旋風”Long Xuanfeng or“上海上午”Shanghai Shangwu)で、ジャッキーが空手でインディアン(ネイティヴアメリカン)の子供を助ける場面がありました。子供の台詞は漢語では、“Ta yong kongshou…(他用空手…)”でしたが英語では karate(發音は英語式にケラーディ?)になっているかも知れません。



ビット、バイト、二進法

佐藤和美 (2004/01/03 22:24)

ビット、バイト、二進法」を追加しました。

1年ちょっと前に職場のIT初心者向けの勉強会用に書いたものです。



Re:Ainu、Aynu

佐藤和美 (2004/01/03 21:00)

高駒麗人Komaさん
>>チェンバレンは「Aino」、バチェラーは「Ainu」
>勉強になりました。
>たとえばアイヌ語をキリルKyrill文字で書くとすると、Aynu、Kamuyは
>Айну(ajnu)
>Камуй(kamuj)
>のように й(半母音j)で現す方がいいのでしょうか?

そうです。



『日本地名さんぽ 完結編』のアイヌ語

佐藤和美 (2004/01/03 17:29)

『日本地名さんぽ 完結編』のアイヌ語」を追加しました。



Re:いきむ

佐藤和美 (2004/01/03 14:06)

以下、『日本国語大辞典』からです。

咄本・初音草噺大鑑(1698)「とりあげばば来りて、さあしきりがついたとて、いきますれば」

語源説
(1)イキツム(息詰)の約[名言通]。
(2)イキム(息極)の義[日本語源=賀茂百樹]。



RE:醫 追記

きしろふ (2004/01/03 09:47)

「?」はその通り「『醫』−『酉』+『(下に)巫』」です。



RE:醫

きしろふ (2004/01/03 09:45)

>偽中国人さん
強ち嘘ではないんですね。ありがとうございます。
こざと偏に関してもありがとうございます。

「ミッキーマウス」が「米老鼠」とは・・・
なぜ「老」?



空手道K帶三段高手

偽中国人 (2004/01/03 05:09)

>中国人は「空手」を kongshouと呼ぶので英語の karateを見聞きしてもわかりづらいでしょう。

http://www.zaobao.com/cgi-bin/asianet/gb2big5/g2b.pl?/sp/sp023_010104.html
他是一名針灸師,也是空手道K帶三段高手。



Re:醫

偽中国人 (2004/01/03 02:58)

殹(醫から酉を除いた字)の意味には三つの説があります。
  1.乙鶏切、呻吟聲(うめき声)徐灝の説文解字注箋に見える。
        (港版《辞海》、《全訳漢辞海》)
  2.醜い姿。医者の本性そのものを示す
        (王育説、《全訳漢辞海》)。
    悪い姿(長澤規矩也の三省堂漢和辞典)。
  3.音符の殹は「エイッ」というまじないの声の擬声語(漢語林)。

引用開始
http://members.at.infoseek.co.jp/TJCougar/tandai98.html
(1)「科学」の発展、時代の変化・進歩の中で「教育」はつくられた
これは医術が「巫女」によるまじない・祈祷だよりであったことを示している。
.....
 続いて「?」は「醫」とかわるが「酉」は「酒」のことであり、「飲み薬」あるいは「麻酔・鎮静・鎮痛剤」として酒が用いられるようになったと考えることができる。「薬」がつくられた。これだけでも十分な科学の進歩である。ちなみに、古来、日本では医者を「クスシ」(薬師)と呼び、これはクサを煎る人という意味であった。英語では魔法使い・まじない師をメディシン・マンというがこれは「薬の人」と訳することもできる。
引用終わり

引用者注:「続いて「?」は」の「?」は『毉』と推測される。

大阪
> こざと偏には「盛ん」という意味があり...

周礼天官の職九職を以て万民ニ任し商賈
阜に貨賄を通するを以て一職の務と為し候事ニ候
へハ
http://ddb.libnet.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/ishin/kanren/doc/shaku/767050.html

「司市以商賈阜貨而行布」とあり 、現代訳で「市の役人は商賈(商い)をもって貨を阜(富ま)して布を行う」
http://www5a.biglobe.ne.jp/~otukai/kokoupage6.html

こざと偏の元の字は「阜」。確かに「盛ん」(周禮、天官大宰「商賈阜通貨賄」)という意味がありますが、こざと偏の字すべてが縁起のいい字ではありません。例:阨 小也、地険也。



Re:いきむ

偽中国人 (2004/01/03 02:53)

本屋で幾つかの國語辞典を立ち読みしましたが、「息張る、力(りき)む」と説明したものもありました。

国後辞典というものは古道具屋の店先のようなもので、ただ並べているだけでは、その言葉が使われ始めた時代が判らず、どの地層(文書、文学作品)から発掘されたのかはっきりしなければ、例の旧石器捏造事件のようなことが起ります。その点古語辞典は出典を明示していることが多く、言葉の素性がはっきりします。

角川の新版《古語辞典》久松潜一、佐藤謙三編には俳風柳多留の

車引き女を見るといきみ出し(巻1)

の例を挙げています。

これより古い使用例がありましたら御教示願います。



悪wu、糸mi

偽中国人 (2004/01/03 02:20)

>「悪」の北京語音は e と wu

屠蘇を飲み過ぎて「酒鬼チウクイ」になり「wu」を忘れていました。

>糸は本来、北京語mi...
港版《辞海》では「糸」の第一義は「細絲」とし、「一蠶(=蚕)吐く所を忽と曰い、十忽を絲と為し、糸は五忽なり」と説明しています。つまり蚕が吐く5すじの「いと」が「糸mi」です。

ちなみに澤存堂版「宋本廣韻」では「糸」は「覓 莫狄切」の6つ後ろにあり、「si」の音は有りません。「細絲」以外に「微」「連」の意味があります。



年初めに色々と・・・

きしろふ (2004/01/02 20:07)

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

年始にいきなり変な事を聞きますが、私ある漢字に関する雑学本を手に入れたんですが、何か嘘っぽいことが2つほどあるんですが、本当か嘘かどうなのか教えていただけませんでしょうか?

1.「医」の旧字体は「醫」であり、さらに古くは「毉」。「毉」という字は「殹」と「巫」という字で成り立っているが、「殹」が「エイ」という音を持ち、「巫」という字が「みこ」を表している。すなわち「毉」は巫女が「エイッ!」とまじないの掛け声を発して祈ることであり、「癒す」行為や「癒し人」を意味している。
2.古代中国では亀の甲羅を用いた「亀卜」という占いで、その年の吉凶を占っていた。亀の腹の部分に焼けた木の棒を押し付けると、「ボクッ」という音とともに表面に「卜」という形の「ヒビ」が入る。その音と形から「卜」という字が生まれた。

この本にも今までここで議論してきた「ハト」や「坂」についてもかかれています。
そのうち「坂」については・・・
○(前略)しかし、こざと偏には「盛ん」という意味があり、縁起がいいということで「阪」が使われることもあった。そして、明治元年に「阪」の方に統一された。「松阪」も同じ理由。
「シクラメン」も「篝火花」のほかに「豚饅頭」というのもあるだとか、「滑舌」は殆どの辞書に載ってないとか。

ここからは私事ですが、なぜ「頁」とかいて「ページ」と読むのでしょうか?
単純なことではありますが、よろしくお願い致します。

P.S. 前に中国から来ていた人が「あんまし『手紙』には文章書かない方がいいよ。」と言ったことがあります。あとで知ったのですが、確かに「手紙」には書きたくありませんね(^^;)



re:競輪

鴛鴦 (2004/01/02 13:14)

>高駒麗人Kölmäさん
そうみると、「Judo」もまだまだというところですね。



いきむ

佐藤和美 (2004/01/02 09:40)

『大辞林』
いき・む 2 【息む】
(動マ五[四])
息をつめて腹に力を入れる。いきばる。
「―・むと下腹が痛む」
[可能] いきめる



鳥なき里(2)

Shusan (2004/01/02 08:58)

ドイツ文の三っつ目が習ったものです。ウムラウトが出せなくて:( またEinaeugigeでは見苦しいと思って綴り不正確で出してしまいました。なお一つ目(One-eyedでなくFirstの意:/)、二つ目は同じ文に表示されていますがなにか表示機能の違いでしょうか?

”The country of the blind ”の健常者は迷い込んだ盲人国で平穏に暮らしていたですが、ある時、目が見えることがばれて潰されそうになり逃げ帰るのでした。(・・と覚えていますが何しろ古い記憶なので再読したらお知らせします。当時ぼくの祖母が「人並みに鼻あ(訛り)削げ」と言っていたのがセットで思い出されます)よろしく



訂正:through→ thru'、though→ tho'「糸」は「ベキ」

高駒麗人Kömä (2004/01/02 02:53)

island(島)のsもそうですが、發音されなくなった以上、through→ thru'、though→ tho'と同様、island→i'landのように省いてもよさそうなものです。
失礼しました。

日本で作家「柳美里」さんの名を「ゆうみり」と言うのは、日本人が「柳」Ryu(りゅう)の語頭rを發音できないからでなくて、南朝鮮語の發音 Yu Miri「유이리」を採用しただけです。語頭rが省かれたのは日本でなく朝鮮半島(南部)の方です。

北朝鮮では「料理」は ryori「료리」、人名「柳」は Ryu「류」です。中国の青島にある北朝鮮系の朝鮮料理店でも、メニューや店員の名札がそう(료리、류)なっています。南北統一後もこのr音を残してほしい(残したい)ものです。

日本で「絲」の略字である「糸」は本来、北京語mi、廣東語mik、台湾語bek、日本語音「ベキ」である事が判明しました。
「英糸瑪」という化粧品会社が台湾にある事が判明。Inmimarを「英糸瑪」Yingmimaであらわしています。中国人は「糸」を「系」だと思ってxiと読む。だれも「絲」の音siでは読みません。
http://www.inmimar.com.tw/

「こうふん」と打つと「興奮」「昂奮」両方出ました。コンピュータ日本語ソフトでは「すばる」と打っても漢字がでない物があるかと思えば、「昴」だけでなく「昂」まで出る物もあります。



Re:蒙古語Oros 俄 Wright

高駒麗人Kömä (2004/01/02 02:29)

偽中国人さんへ

なるほど、「おろしや」は清國人の發音から日本語に入った可能性もありますね。語頭のラ行を發音しにくいとして嫌ったのは日本人でなく蒙古人だというわけです。

>「悪寒、嫌悪」の「悪」は日本語で「お」と発音し、現代北京語のピンインで「e」

「悪」の北京語音は e と wu があり、eは日本語音「あく」、wuは「お」に対應することが多いようです。「險惡(けんあく)」は xian'eで「嫌惡(けんお)」は xianwuです。

現代北京語で「俄」「鵞」「蛾」「餓」は eですが、「我」は woです。

母音変化の結果でしょう。

中國製の地圖で千島列島南部(Kurile Islands、日本で言う北方領土)の箇所に「俄占」と書いてあります(發音は E-Zhan)なんだか「ロシアが占領」と「にわかに占領」を掛けているようにもおもえます。

以前「タイムボカン」シリーズのアニメ「ヤッターマン」で、「ライト兄弟」をモデルにした「レフト兄弟」が登場した事があります。
Wright、writeなどの rの前のwは本来、摩擦の弱いv類似音だったようで、北歐の言語に vr-の形で残っているという話を聞いた事があります。
東歐のポーランドでは Wroclaw(ヴロツラフ、ヴロツワフ)という地名があり、英語でも、この地名の場合は Wを[v]で發音するようです。

語頭 wl-は英語ではさすがにないですね。
ただロシア語(おろしや語)から入った固有名詞 Vladivostok、Vladimir(-rovich)の語頭の vl-などは英語を母語とする人でも發音できるようです。
英語で馴染みの単語では free(自由な)、flea(蚤)のように fr、fl-が語頭に来ることが多いので、英語人は vr-、vl-も語頭で發音できるのでしょう。

writeだけでなくrightのrも今では圓唇巻舌です。發音上違うwhatとhat等とは話が違います。

island(島)のsもそうですが、發音されなくなった以上、through→ thu'と同様、island→i'landのように省いてもよさそうなものです。
Christmasも C'ris'masと書いてよさそうなものです。



蒙古語Oros

偽中国人 (2004/01/02 01:38)

>中国製の「漢語外来語詞典」で「俄羅斯」Eluosiは「蒙古語Oros」からだと言う説明です。

なるほど、ロシア語自称Rossijaが蒙古人のフィルターを経て「Oros」となり中国語で「俄羅斯」となった、というわけですね。江戸時代の日本人も直接ロシア人から聴いたのではなく、おそらく日清貿易の課程で清國人の発音を聴いてそれを真似した。「悪寒、嫌悪」の「悪」は日本語で「お」と発音し、現代北京語のピンインで「e」、「俄羅斯」の「俄」とは声調こそ違え、ほぼ同じ音価をもつことから「俄羅斯」の「俄」が「おろしあ」の「お」に対応することに関しては説得力があると思います。

最近TVで「いきむ」という言葉を時々耳にしますが元は「りきむ」でしょう。「りきむ」が発音しにくいからといって「おりきむ」にはならないでしょう。

『江戸時代にロシアを「おろしあ」と呼んでいたことからも分かるようにラ行で始まる単語は発音しにくいと嫌われていたため』というのは「マユツバモノ」の可能性が高い、ということですね。

年末に動力付き飛行機を発明したアメリカの「ライト兄弟」の話題をTVで見ましたが、ライトはRightではなくWright。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%A4%A5%C8%B7%BB%C4%EF
中学生時代英語のrの発音は唇を丸くしてから「ラリルレロ」を発音するのがよいと聴きました。wrack、wrap、wristというようにwrで始まる英単語はありますが、wlで始まる英単語は無いようです。rの前のwは唇を丸くしろということを示していたのでしょうか?

>日本語の「おろしや」は「お江戸」「おフランス」とは別でしょうか?

「おフランス」という変な日本語を私が知ったのは赤塚不二夫の《おそまつくん》に登場する「イヤミ氏」のセリフです。赤塚不二夫の周囲には「おフランス」という言い方をする人が存在したのでしょうね。「おろしや」を使い始めた人が「イヤミ氏」と同じ感覚で「御露西亜」と発音したかどうか、定かではありません。ちなみに

ただ、外国語の発音を模倣する能力は個人差、地域差があり、時代によっても変わります。



峠 驛傳えきでん

高駒麗人Kömä (2004/01/01 21:22)

佐藤和美様

>『アイヌ語沙流方言辞典』tapka[tap-ka 肩の・上] …の上、…の頂上。 pira tapka 崖の上。「tapka」という語は存在するけど、「峠」という意味はないですね。

わたしの見た「日語外来語大詞典」でもtapkaでした。田世昌(Tian Shichang)氏が「峠がtapkaという説」を何処から出たか私にもわかりません。

RE:驛傳
鴛鴦さんへ

>でも、きちんと説明するならば「Japanese bicycle race」のほうがいいのでしょうか?
「空手」は英語でkarateですが、英語では「ケラーディ」のような發音になります。
「太極拳」は英和辞典で taichichuanです。
さすがに「空手」を Japanese kick boxingと呼ぶわけにはいかないでしょうか。
さすがに「太極拳」を Chinese slow fistと呼ぶわけにはいかないでしょうか。

日本人は「太極拳」を taikyokukenと呼ぶので 英語の taichichuanを見聞きしてもわかりづらいでしょう。
中国人は「空手」を kongshouと呼ぶので英語の karateを見聞きしてもわかりづらいでしょう。
中国人が「日本のロウダオのような服」と言っていました。
彼女は「柔道」の日本語音「じゅうどう」を知らず、roudaoをそのまま使ったのです。
日本では「Judoが世界語になった」と言っていますがそうではないようです。ドイツ語では JUDOは「ユードー」ですし。

自転車のレイス、競輪について。
Keirin - Japanese Cycling Event. Keirin is a track cycling event in which a small group of cyclists
www.japan-101.com/culture/keirin.htm - 22k -

KEIRIN PAGE BGM"BICYCLE RACE"
www.netpro.ne.jp/~unlucky/yuji/keirin/ - 5k -

http://tycp.inhe.net/caipll-4.htm
http://cn.sports.yahoo.com/asiagame/table/12.html
「凱林」kailinまたは「自行車賽程」zixingche saicheng、「自行車越賽」zixingche yuesai(Hyper Keirin)
(「競輪」を北京語で読むと jinglun←これは中国では使われているかどうか不明)

http://www.ciccbj.org.cn/xiangmu/zhaosheng.htm
the Japan Keirin (Bicycle Race)

日本語の「おろしや」は「お江戸」「おフランス」とは別でしょうか?



orosiya

koma (2004/01/01 21:21)

偽中国人さんへ

>「僵」の「イ」を「歹」に置き換えた漢字が空欄に見えます。「キョンシー」は「僵屍」jiangshiの廣東語音でしょうか?その通りです。「イ」偏も「歹」偏も同じ発音というか異体字のようです。次のリンクで「僵」geongの発音のwaveファイルをダウンロードまたはPCのスピーカーで聞くことができます(文字化けしたらデコードを繁体字にしてください)。
http://humanum.arts.cuhk.edu.hk/cgi-bin/canton-f2.pl?query=%BB%F8
一瞬で頁が出ました。

>北京語では「俄羅斯eluosi」、広東語で「俄羅斯ngo lo si」です。
中国製の「漢語外来語詞典」で「俄羅斯」Eluosiは「蒙古語Oros」からだと言う説明です。

中国人がもし「ロシア」をロシア語自称Rossijaから取り入れたら「羅西亞」Luoxiyaとなった所ですが、第三国の蒙古を経由したのは不思議です。しかし日本で言う「オーストリア」「アイスランド」「フィンランド」は英語名からですし、「オランダ」「ギリシア」「イギリス」はポルトガル語からで、英語のJapanは日本語でなくシナ語からです。
ちなみにNovorossijsk(新しいロシアの)はシナ語で「諾夫羅西」Nuofuluoxiです。
中国人教師が「日本人は漢語や英語のshを發音できない、中国南方と同じ、だから日本人がEnglishを『イギリス』と呼ぶ」と言っていました。
DeutschがドイツでEnglishがイギリスなのは日本人がch(tsch)やshの發音を苦手とするせい?
「ドイツ」はオランダ語Duits、「イギリス」はポルトガル語Inglezですからオランダ人やポルトガル人がチ、シをツ、スにしたわけで、口蓋化音が苦手なのは荷蘭、葡萄牙人ということになるのでしょうか?



「盲人の国では一つ目が王」の諺について

高駒麗人Kömä (2004/01/01 20:25)

To Herr(Frau?Fräulein?)Shusan

>“In den Blinden ist die Eineugige Koenig”(綴り不正確)

Eineugigeのeuは[{c逆さ}Y]äu(au&Umlaut)ではないわけでしょうか。
http://www.blutgraetsche.de/he/25/02503520030911.php
Koenigは Umlautを使うと Königですね。

“In den Blinden ist die Eineugige Koenig”
“In den Blinden ist die Eineugige Koenig”
“In den Blinden ist die Einäugige König”
どれが正しいのでしょうか?

http://www.blutgraetsche.de/he/25/02503520030911.php
http://www.wein-plus.de/archive/msg08563.html
検索するとEineugigeとEinäugige両方出てきます。

>“In the country of the blind,the one-eyed is king.”
ことわざの複数言語対照の本では、単なる直譯なのか、その言語共同体でも昔から使われている表現なのか区別する必要がありますね。

http://www.google.com/search?hl=zh-CN&ie=UTF-8&oe=UTF-8&q=%E7%8B%AC%E7%9C%BC%E7%A7%B0%E7%8E%8B&lr=
シナでも諺で「盲人國裏、獨眼稱王」Mangren guo li,duyan cheng wang.があります。
同義の諺で「山中無老虎、猴子称大王」Shanzhong wu laohu,houzi cheng dawang.(虎無き山中では猿が大王を称す)もあるようです。

http://www.dreamabroad.net/chinese/html/study_resource/proverbs/proverbs_a.html
「Among the blinds the one-eyed man is king.盲人国里、独眼称王。」
(英語習語諺語)

http://www.studyfr.net/phpnews/article.php?articleid=126
「Au royame des aveugles les borgnes sont rois.盲人国里、独眼称王。」
(法国留学在綫)

>「片目は王様になれますが、両目のあいている人は盲の国(The country of the blind)でどうなったでしょうか?」
両目のある人が一つ目の国に行った落語「獨眼國(独眼国)」は知っていますが、「人並みに鼻を削げ」は知りません。検索しても見つかりません。あとで調べてみます。



Copyright(C) 2004 Satou Kazumi

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