言葉の世界・伝言板 2001年2月



前の書き込みについて

ビーバ (2001/02/28 21:42)

 すみません。新しい書き込みをチェックしないまま投稿してしまったため、
田島照生さんと同様の内容を含んだものになってしまいました。
 失礼いたしました。



「あか」「閼伽=argha」「aqua」

ビーバ (2001/02/28 21:06)

 仏に供える水を指す「閼伽」がサンスクリットの「argha」または「arghya」
の音訳であることは間違いありませんが、それ以上のことが言えるかというと
ちょっと疑問があります。

 「あかの他人」の「あか」がサンスクリット起源の「閼伽」だというのは、
可能性が低いと思います。「赤」には「まったくの」「すっかり」の意味が
あり、「赤っ恥」「真っ赤な嘘」のように使われますので、「あかの他人」の
場合もこの意味の「赤」であると考えたほうがいいと思います。特に「閼伽」
であるという理由があれば別ですが。

 また、サンスクリットの「argha」とラテン語の「aqua」は同源ではないと
思います。以前、UEJさんの掲示板にも書き込んだことがあるのですが、サン
スクリットの「gh」(または語根のh)がラテン語の「qu」に対応することは
多分ないこと、サンスクリットの「argha」は「水」の意味ではなく「価値」
の意味であることから、同源でないと考えられます。

 しかし、日本では「閼伽」とラテン語「aqua」が同源であるという説が流布
しているようで、たとえば、大修館の『ジーニアス英和辞典《改訂版》』にも
「aqua」の項に〈「あか(閼伽)」と同語源〉と書かれています。どなたか、
「aqua」と「閼伽」が同源でないことが書いてある本を知っていたら、教えて
ほしいです。



「あかの他人」

田島照生 (2001/02/28 12:05)

>泰樹さん
「あかの他人」の「あか」は「赤」ではないのでしょうか。
この場合の「赤」はむろん色調の意ではなく、「明らか」の意ですが。
「真っ赤な嘘」「赤恥」なども同じ意味で用いられているものです。
梵語の「閼伽(あか)」は、「閼伽棚」などとしか用いられません。



ソウル

UEJ (2001/02/28 08:37)

> 「韓国の首都ソウルは「みやこ、首都」を意味する固有の韓国語であり、
> 漢字にあてはめることはできない。」
韓国では現在あまり漢字を使っていませんが、
「アンニョンハシムニカ(=こんにちは)」の「アンニョン」は「安寧」
「カムサハムニダ(=ありがとう)」の「カムサ」は「感謝」のそれぞれ韓国語なまりであるように、
漢語由来の言葉がハングル文字の裏に埋もれています。
そういう意味で「ソウル」は漢語由来ではなく純粋の韓国語である、という意味ではないでしょうか。
# それが本当なのかどうかは私はわかりませんが。(^^ゞ



「あっこ」「あっか」

泰樹 (2001/02/28 01:28)

ららさん>
”水のことを「あっこ」「あっか」と言”うとのことですが、これはどのくらい古くまで文献でさかのぼれるのでしょうか? 幼児語だから文献には残っていないかな?

これは「あかの他人」の「あか」、すなわち中国の仏教を経由して入ってきたインドのサンスクリット起源の「水」=Aqua(ラテン)ではないでしょうか。



『地名の世界地図』の音読み・訓読み

佐藤和美 (2001/02/27 12:42)

面独斎さんもいよいよ『地名の世界地図』のデバッグ開始ですか。(^^)

『地名の世界地図』の音読み・訓読みネタからひろってみました。

P111
「韓国の首都ソウルは「みやこ、首都」を意味する固有の韓国語であり、漢字にあてはめることはできない。」

「都」でも「首都」ではあてはめればいいと思いますけど。
訓読みっていったいなんだかわかってるのかな?

P269
英語名Chinaは、前二二一〜二〇六年に中国をはじめて統一した秦の音読みChinに、接尾辞の-aがついたもの。

「秦」の(日本での)音読みは「シン」ですよね。
因みに中国での漢字の発音って音読みっていう?



ゴダッペ異聞:RE^2:地元の方言について。

松茸 (2001/02/26 23:11)

 電網検索したところ、「ゴダッペ(ゴタッペ etc.)」に「ウキゴリ」以外の解釈をしているページを見つけました(みな北海道方言)。

※「コマイの幼魚」とするもの:
http://www.geocities.co.jp/SweetHome/2917/zatugaku.html
http://www.elfish.com/~fish/fish/komai.html
http://www.fishexp.pref.hokkaido.jp/exp/wakkanai/tararui/tara.htm

※「(潮溜りにいる)ハゼ科の小魚」とするもの:
http://www1.ocn.ne.jp/~godappe/html/aisatu.htm
http://www6.vis.ne.jp/~aichan/pet/diary.html


 なお、『魚の博物事典』(末広恭雄著。講談社学術文庫883。1989年)の「ハゼ」の項に:
  「地方名●……カマゴツ(鳥取)、……ゴズ・ゴツ(米子)、……」(p.390)
とありました。偶合でしょうか?



RE:RE:地元の方言について。

nupkes (2001/02/26 20:47)

「ごたっぺ」のアイヌ語は、pisuy-sokと思うのですが。



RE:地元の方言について。

佐藤和美 (2001/02/26 12:03)

北海道弁講座
http://home2.highway.ne.jp/ynarumi/dir1/kouza.html
の中の
早見北海道方言集
http://home2.highway.ne.jp/ynarumi/dir1/dir13/kagyo.html

に以下のように書いてあります。

「ごたっぺ ハゼ科の淡水魚でウキゴリの異名。「ごたらっぺ」ともいう。」


このHPによれば「ごたっぺ」、「ごたらっぺ」は、日本語北海道方言のようですね。

「大辞林」から。 うきごり 【浮鮴・浮吾里】
スズキ目の淡水魚。全長約12センチメートル。ハゼの一種で、頭は扁平、腹びれは吸盤状。口が大きく、下あごは上あごより長い。体色は淡緑茶色で、褐色の斑紋が背や体側にある。斑紋や生態により、汽水・淡水・中流の各型に分ける。食用。沖縄県をのぞく各地の湖沼や河川の中流から汽水域に分布。



地元の方言について。

静狩 (2001/02/26 11:37)

はじめまして、私は静狩と申します。私の実家は北海道の長万部という町なのですが、そこでは
その長万部の人間しか知らない奇妙な語彙が存在しています。それは「ゴダラッペ」又は「ゴダッペ」という単語です。意味は「川ハゼ」、または「雑魚」なのですが、私の札幌出身の友人と、旭川出身の友人は、同じ北海道に住んでいるにも関わらず、この言葉を知りません。この言葉が通用するのは、長万部から半径数十キロメートル以内にある隣町ぐらいの人間だけです。
私は「ゴダラッペ」と言うよりは「ゴダッペ」とよく使います。しかしこの言葉の語源が全く分かりません。音的にアイヌ語のような印象を受けたので、アイヌ語の辞書などを調べても全く手がかりがありませんでした。もしこの掲示板を見てる方で、何か知っていることがあれば、大変お手数ですが、掲示板か、私のメールアドレスにメールを頂けると幸いです。



ReRe:「無洗米」再び

坂梨 (2001/02/25 10:55)

面独斎さん>
>「洗うこと無き米」としたほうがよろしいのではないでしょうか。
おっしゃる通りです。お恥ずかしい。
それから先ほどの私の書きこみで「無洗米は糠を取って」云々も
以前佐藤さんが書かれてましたね。失礼しました。



百済――『地名の世界地図』から

面独斎 (2001/02/25 09:33)

問題になってる『地名の世界地図』(文春新書) ですが、佐藤さんや松茸さんに影響されて、私も売り上げに貢献してしまいました (不覚!)。

私が買ったのは第 5 刷ですが、その 116 ページに、古代朝鮮の百済・新羅・高句麗の三国に関連して、次のようにあります。

「その三国のうち、最初に滅亡した百済は、韓国語では「ペクチェ」と発音するが、日本では「大村」を意味する朝鮮の古語を訓読して「くだら」と読まれている。」

おかしな記述ですね。「朝鮮の古語を訓読」するとどうして「くだら」になるのでしょう。「大村」を意味する語を「訓読」すれば、やはり「おおむら (おほむら)」あたりになりそうなものですが。

大辞林には《「くだら」は日本における称で、大村を意味する古代朝鮮語によるという》とあり、おそらくこの説のことを言いたかったのでしょう。もっとも、この説自体にも議論の余地はあろうかと思われますが。



Re: 無洗米再び

面独斎 (2001/02/25 09:28)

坂梨さんがまた無洗米に触れてらっしゃるので一言。
以前 (2/14 07:37) の書き込みにおいて、坂梨さんは「無洗米」を

 「洗うこと無からざる米」

と訓んでいらっしゃいますが、これは

 「洗うこと無き米」

としたほうがよろしいのではないでしょうか。



無洗米再び

坂梨 (2001/02/25 06:58)

以前ここで話題になった、とぎ不要の「無洗米」、
下の記事によると、売れてるようですね。
水洗いしてあるんではなく「ぬかでぬかを剥が」してるそうです。
じゃあ「無糠米」でもいいではないかとも思いますが、
「冷たい水で洗わずにすむ」が売りのようなのでやはり今の名前がいいのか。

佐藤様>ご健闘を祈ります。

http://www.asahi.com/life/consume/0224a.html



「地名の世界地図」経過

佐藤和美 (2001/02/24 10:25)

電話連絡がつきました。
文春から間違いリストが送られてくるそうです。
それをチェックしてから、文春側とご対面ということになります。
来週後半ぐらいには会いたいと考えています。



はじめまして

南の島の男 (2001/02/24 06:01)

はじめまして、たまたま見かけました。
クムイウタ、
クワァームイ、
ヤミーの意味はですね
1、クムイウタ=子守歌
2、クワァームイ=子守り
3.ヤミー=痛い  と言う意味になります。
3のヤミーですがヤミー=ヤムンとも言います。
かなり前の伝言板に書いてありましたが、もし必要無ければ削除お願いします。



Re:「レスビアン」の語原

田島照生 (2001/02/24 00:49)

「レスボス島」の件に関しましては、完全な事実誤認でもないと思います。
そもそもサッフォーがmuse(Divine Poesy)として神格化される以前から、
「同性愛」はレスボス島の一風習として認識されていたのですから、
完全な俗説だ、と切り捨てるのは却って危険です。その蓋然性を認めつつ、
「女性の同性愛がさかんだった『という』」と伝聞調にしているのですから、
これは修正する必要はないとは思いますが。



地名の由来

金次郎 (2001/02/23 18:10)

東京都北区赤羽の名前の由来ってなんですか?赤羽の語源が『赤埴』だったという事は、この掲示板を見て分かったのですが…



Re:「レスビアン」の語源

佐藤和美 (2001/02/23 16:30)

「大辞林」の「サッフィズム」の項の「女流詩人サッフォーがエーゲ海のレスボス島に住み、少女を集めて詩や音楽を教えていたことから生まれた俗説による」ってやつですね。

「イズミールの北にあるレスボス島は、女性の同性愛がさかんだったというのでレスビアンの語源になった」

これのいちばん字数の少ない修正は

「イズミールの北にあるレスボス島は、女性の同性愛がさかんだったと思われたのでレスビアンの語源になった」

こんなもんでどうでしょう。



Re:「レスビアン」の語源

坂梨 (2001/02/23 14:13)

佐藤さん

確かに佐藤さんが引用された部分(「レスボス島は、同性愛が盛んだった」)
は舌足らずのところがありますが、かといって
完全に事実誤認とも言えないと思います。www.m-w.comでlesbianを引くと
2 [from the reputed homosexual band associated with Sappho of Lesbos] : of or relating to homosexuality between females
とでていますが、要するに「サッフォーの同性愛サークル」という発想が
「サッフォーの住んでる島の女性はみんな同性愛」という発想に発展したわけですから。
もちろんここでサッフォーに触れていないのは片手落ちであるとは思います。



RE:『地名の世界地図』のアブない記述

佐藤和美 (2001/02/23 12:30)

「レスビアン」の語源です。

P22
「イズミールの北にあるレスボス島は、女性の同性愛がさかんだったというのでレスビアンの語源になった」

レスビアンのさかんだった島ねぇ。
そんな島行きたくない。(^^);

「大辞林」からです。

レスビアン [lesbian]
〔レズビアンとも。女性をたたえた詩で名高いギリシャの女流詩人サッフォーの生地レスボス島から〕女性の同性愛者。レズ。→サッフィズム

サッフィズム [sapphism]
女性の同性愛。サフィズム。レスビアン。〔女流詩人サッフォーがエーゲ海のレスボス島に住み、少女を集めて詩や音楽を教えていたことから生まれた俗説による〕

サッフォー [Sapphō]
(前612頃-?) 古代ギリシャの女流詩人。エーゲ海のレスボス島生まれ。若い女性の個人的な体験をもとに、簡明で率直な詩を数多く書いた。後世長く愛好されローマの詩人に大きな影響を与えた。パピルス文書の断片・古典著作家の引用が現存。サッポー。


こういう間違いって本人は思い込んでるだろうから、気がつきにくいですよね。
はたして著者は気づくかな?



Re:クリストフォルス

坂梨 (2001/02/23 08:52)

『プログレッシブ英和中辞典 第3版』 小学館1998には
Christopher,Saint
聖クリストフォルス(?−250ごろ):旅行者,水夫などの守護聖人.
とあります。
どうやら男根とは関係ないようですね。



『地名の世界地図』のアブない記述

松茸@22世紀研究会 (2001/02/22 22:16)

佐藤和美様曰く:
> 文春からメールきました。
 [中略]
>一応、あやまりモードなので、少しは気分がすっきりしました。
……なんか煽ってしまったようで、気にかかっておりましたが、とりあえずおめでとうございます。

> 著者が変更執筆中だそうです。(24日完成予定)
> どんなレベルで修正がかかってるかな?
……出版されるのは4月以降でしょうね。
 当然、佐藤様に改訂版が「贈呈」されるものと期待しております。


 さて、改訂版が出るということで、現行版の間違い探しの意味も薄れましたが、純粋に言葉関係のお笑いネタを一つ:

セントクリストファー・ネイビス Saint Christopher and Navis
 [中略]セントクリストファーは、コロンブスが一四九三年に到達したその日が航海の守護神「聖クリストファルスの祝日」だったため。[後略]」
   (p.227)

……「クリストファルス」って、まさか、"Christophallus"?
 「守護聖者」ではなく「守護神」ですし、やっぱりこれはキリスト教とは関係ない、□□崇拝の異教による名前、なんでしょうか?



「地名の世界地図」経過

佐藤和美 (2001/02/22 12:42)

文春からメールきました。

佐藤和美wrote
>新書編集部の担当者などでなく、もっとちゃんとした責任者から説明していただきたいですね。

メール、送ってきた人は「地名の世界地図」の発行者みたいです。
(奥付の発行者と同じ名でした。新書編集部の部長さん?)
「ちゃんとした責任者」ですね。(^^);
一応、あやまりモードなので、少しは気分がすっきりしました。

著者が変更執筆中だそうです。(24日完成予定)
どんなレベルで修正がかかってるかな?

文春新書編集部とは一度会おうかと考えています。

経過はまた報告します。



(無題)

田島照生 (2001/02/21 12:04)

>佐藤和美さん
有り難うございました。たいへん参考になりました。
藤堂明保の「学研漢和大字典」も友人に借りて読みました。
今後は鵜呑みにすることはせず、懐疑派(?)に転じます(笑)



「蝦」の発音

佐藤和美 (2001/02/21 12:04)

田島さん
>日本語力の掲示板で話題になっていることなんですが、
>日本で「えみし」「えぞ」などと訓む「蝦夷」がありますね。
>これは漢字音では「カイ」ですが、アイヌの自称「カイ」と
>関係があるのでしょうか。

>私は直接には存じませんが、平山裕人著『アイヌ史を見つめて』
>に「カイ」があるそうです。

「日本語力の掲示板」を見てきましたけど、『アイヌ史を見つめて』の主張は『新唐書』で「蝦夷」という字が使われていて、これはアイヌの自称「カイ」に中国語の発音で「蝦夷」の字を宛てたんじゃないかということのようですね。

このHP・伝言板では日本語のハ行音の歴史について何回かふれてきました。
最近では富士山の語源がアイヌ語ではないという金田一京助の記述を引用しました。
もう一回引用します。

「若し語原が、説者のいう如くアイヌ語のhuchiであったならば、国語にクヂ(またはクジ)となっていた筈で、国語にハ行音でフジとなる為には、その語頭音は必ずやpかfでなけれだならない。それは上代の国語の音には[h]音がなく、外国の[h]音はこれが為にみな[k]音に取り込まれる例であったからである。現今のフジであるからとて、huchiをその語原に見立てたのは、国語の音韻史を無視した失考だった。」

日本語に入った後で「k」だったからといって、もとの言葉が「k」だとはかぎりません。「k」かもしれないし、「h」(に近い音)かもしれない。

それでは「蝦」の中国語発音はどうだったのか。
中国語辞典でピンインを調べてみましょう。
「ha」ですね。
もうこれ以上いうことはないでしょう。
『アイヌ史を見つめて』の主張は成立しません。

(中国語の発音も変化しています。藤堂明保編「学研漢和大字典」には発音の変遷が書かれています。)



RE:^4 カイについて

nupkes (2001/02/20 21:13)

 『アイヌ史を見つめて』p.105「アイヌ民族自称の変遷』を読みました。
平山氏のアイヌ語能力を見くびっていたため、この項を読んでいませんでした。確かに、この論証からは、「カイ」の可能性は、否定できないかと思います。
 不明を恥じます。



「バラマン」って・・・?

やまやま (2001/02/20 18:00)

初めて書き込みさせていただきます。
私は最近、イングランドのことに興味を持つようになったのですが、古い時代のアイルランドかイングランドに「城」を表す言葉で「バラマン」という言葉があったと耳にしました。インドのバラモン教のことは世界史で習った記憶があるのですが、何か関係があるのでしょうか?どなたか教えていただけませんか?



RE:RE:REカイについて

resaknay (2001/02/20 17:42)

『アイヌ史を見つめて』p105以降に
カイについての記述があります。
北海道の命名者として有名な、松浦武四郎の
エピソードとして、このことは心有るアイヌ語地名研究者
には周知のこととなっています。

もし、武四郎が、聞き書きとして
「ペッは川のことだという」と書いていたとして、
今、この内容を疑う人はいないでしょう。
しかし、「カイはアイヌの人達の自称である」と
書いていたとすると、それは、なかなか認められないかも
知れません。・・・それは、その語が、現行の辞書には掲載されて
いないからです。つまり、現在の私達にはその適否が
判断できないからです。
私は、平山さんの記述は何も誤っていないと考えます。

では、「カイ」というアイヌ語はあるのでしょうか?
・・・これについては、やはり、現時点では判断できない
こととして、残しておく他はないように思います。



RE:RE:カイ

nupkes (2001/02/20 17:24)

>そしてなんの資料を基に自称「カイ」があるといっているのか。

『アイヌ史を見つめて』p.458のことだと思います。松浦武四郎の北海道と名付けるときのものです。これは、すでに、佐藤和美さんが検討したものとほぼ同様の内容かとおもいます。

>その人のアイヌ語力がどうなのかですね

 同書p.33に「日本列島のアイヌ語地名」の項目がありますが、読んでみると、あまり、アイヌ語の知識はなさそうです。
 著者の平山裕人さんとは、一度、ある会でお会いしたことがありますが、歴史畑の方で、まじめな方です。歴史関連は、すばらしいのだと思いますが、アイヌ語と、アイヌ語地名は、支持できません。



RE:カイ

佐藤和美 (2001/02/20 12:04)

田島さん
>私は直接には存じませんが、平山裕人著『アイヌ史を見つめて』
>に「カイ」があるそうです。

その人のアイヌ語力がどうなのかですね。
そしてなんの資料を基に自称「カイ」があるといっているのか。

アイヌ語の世界では実際には存在しない単語が山ほど流通してます。
(幽霊アイヌ語といいます)
あるといわれても、そう簡単には信じない習慣ができてますので。



RE^3:『地名の世界地図』の修正箇所

なかむら (2001/02/20 00:46)

久しぶりに来ました。
お怒りごもっともです。僕も以前、ある翻訳書で、原文一行をぬかして訳している
のを指摘したら、出版社からはなんの音沙汰なしで、版が変わったら直ってました。
別にお金とか何が欲しい訳じゃなくて、ありがとうございました、だけでいいんだ
けど、釈然としないですよね。

さて、辞典を編集している友人の話によると、出版社にはいろんな電話がかかって
くるとのこと。大概、この記述はおかしいとか、なんでこうなるのか、とからしい
のですが、きちんと対応していると言ってました。メールなどではなく、お時間が
あれば直接電話された方がいいかと思います。
文芸春秋の場合、きちんと対応してくれるか保証はできませんが。。。(爆)

下の文芸春秋に送られたメールを読みましたが、かなりいやみたらたらですね。
たんなる難癖だと思われて、相手にされないかもしれませんよ。



RE^2:『地名の世界地図』の修正箇所

田邉露影 (2001/02/19 23:38)

>佐藤さん
私も(トンデモ本として)注文してみました。
もう入荷済みとのことなので、
ひょっとしたらヨーロッパ系では、
ご協力できるところもあるかもしれませんね。

ただ、佐藤さんの文春へのメール、
あまり穏やかなものではないですね……(^_^;。
少々びっくりしました。

まあ、せっかくメールを出されて、
間違い箇所まで指摘したのに
なしのつぶてでは、
確かにお怒りはごもっともでしょうけれども。
(これって盗用ですからねぇ)

どちらにしろ動向が気になります。

ところで下宮忠雄先生の『ヨーロッパの言語の旅』は
もうお読みになられましたか?

あの本はヨーロッパについて書いてある本ですが、
『地名の世界地図』や『人名の世界地図』と違って、
きちんとした言語学者の書いた本ですから信頼性もありますし、
エッセー調に楽しく読めて面白いですよ。


>けいすけさん
お返事が遅れてしまったのですが、
「薨」についてのお話し、
とても勉強になりました。
ありがとうございます。



RE:『地名の世界地図』の修正箇所

佐藤和美 (2001/02/19 21:27)

もう一回だけ、文春の窓口にメールを出しました。
新書編集部は出しても無視されるでしょうから。

2/5 5刷
2/10 6刷
売れてるなぁ。(^^);

文春新書で21世紀研究会編『人名の世界地図』って本、出てました。(^^);

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

佐藤と申します。

文藝春秋ってずいぶん失礼でいいかげんな出版社なんですね。
文春新書「地名の世界地図」1刷でこちらが指摘した間違いを、4刷で修正して
おいて、こちらに連絡もなしですか。
それにこちらの指摘した以外にも多くの間違いがあるのに、それはほったらか
し。そんな無責任なマネはやめたほうがいいですよ。

一つだけ例をあげましょう。

1刷P110にはこういう文章がありました。
「千島そのものも、アイヌ語のチカップ(日の出る所)に由来する」

それに対して私はこう書きました。
「アイヌ語「チカプcikap」は「鳥」。「太陽」は「チュプcup」。「東」は
「チュプカcupka」「チカップ」がなんで「日の出る所」になるのかわからない
ですね。「チカップ」(日の出る所)って「チュプカ」(東)のまちがい? 著
者の方々がアイヌ語を知らないのがよくわかります。「チシマ」と「チカップ」
じゃ「チ」しか同じじゃないですよ。それで「由来する」なんて言ってていいん
ですか? 古くは蝦夷ケ千島という言葉があったので、「千島」は「多くの島」
くらいの意味じゃないでしょうか。」

それが4刷P110ではこうなりました。
「また、千島そのものも、もともとアイヌ人がチュプカ「東」、つまり「東の
島々」と読んでいたものと、のちに北海道を含めて漠然と「蝦夷が千島」という
名称がもちいられていたことから、列島を千島とよぶようになったと考えられ
る。ちなみに、「蝦夷が千島」は多くの島、といった意味であった。」

こういうことをしておいて、こちらには連絡なし。
そういうことを文春はやったわけです。

新書編集部の担当者などでなく、もっとちゃんとした責任者から説明していただ
きたいですね。
「地名の世界地図」に謝辞を載せてもらいたいくらいです。
金一封ももらいたいくらいですね。
校閲料くれれば、校閲してもいいですよ。
返事は一週間待ちます。それを過ぎたら返事はこないものと判断します。

なおこの件に関しての経緯は私のHP・掲示板で公開してますので。そのつもり
で。



カイ

田島照生 (2001/02/19 10:28)

>佐藤和美さん
私は直接には存じませんが、平山裕人著『アイヌ史を見つめて』
に「カイ」があるそうです。



(無題)

らら (2001/02/19 10:19)

resaknayさん、さっそくのお返事、ありがとうございます。前回私が言ったソウナイというのは、山の名で「双苗」と記述します。ソウナイという音が、滝、川を意味するとのことを知人に聞きましたが、その山は確かに川の源流がある所です。ですからもしかしたら・・と言う事で。
日本人のルーツを辿る、良いですね!是非ひっそりと「自称お仲間の一人」になりたいです。でも、皆さんとっても一生懸命研究されていらっしゃるので、私は覗き見させていただく程度ですが。



アイヌの自称「カイ」?

佐藤和美 (2001/02/19 09:01)

アイヌの自称に「カイ」という単語があるというのなら証拠をみせてください。
私は聞いたことないです。

1999年伝言板アイヌ語関係集の以下の書き込みを読んでみてください。
「北海道」(1999/12/24 12:32)
「ノストラダムスとアイヌ語」(19899/12/25 09:44)
「カイナー」(1999/12/27 15:49)
「カイナー」(1999/12/31 11:48)



Re:Re:医学用語?

坂梨 (2001/02/19 05:53)

皆さん>レスありがとうございます。
しのぶさん>
>医学用語では対象物が尿や便の場合はそれぞれ尿失禁、便失禁と言い、
>例えば乳汁なら乳汁失禁になります。
詳細なレスありがとうございます。なるほど、やっぱり専門的にはそう言うのですね。
それならよくわかります。



蝦夷はカイ?

田島照生 (2001/02/18 18:48)

はじめまして。田島と申します。早速質問です。
日本語力の掲示板で話題になっていることなんですが、
日本で「えみし」「えぞ」などと訓む「蝦夷」がありますね。
これは漢字音では「カイ」ですが、アイヌの自称「カイ」と
関係があるのでしょうか。ご教示願います。



『地名の世界地図』の方向感覚

佐藤和美 (2001/02/18 16:25)

松茸さん
>カナダが「中央アメリカ」にあった(^^;

『地名の世界地図』の著者は方向オンチなようで。

P28
南半球にあっては、太陽はいつも右手に見えることになる。

これってなにをいいたいんでしょう?
東西南北、どっちを向いてる?
太陽は東から昇って西に沈むのを知らないのかな?
小学生にもバカにされそうな、意味不明の文章ですね。

P22 イズミールの北にあるレスボス島

小アジアにあるイズミールの北に、エーゲ海にあるレスボス島がある?
地図で見ると北西なんですけどねぇ。北西は北だと言われればそれまでですけど。

P25
もともとのオデッサは黒海東岸のブルガリアに建設されていた。

ブルガリアが黒海の東岸ねぇ……
やっぱ、方向オンチなようで。



RE:『地名の世界地図』の修正箇所

佐藤和美 (2001/02/18 16:24)

松茸さん、ありがとうございます。
奥付だけ見てて、内容は見てなかったです。
まさか、こっちに連絡なしで修正するとは、思いもしませんでした。
それにしても文春のやりかたはムカツクなぁ。
このままですむと思うなよ>文春

松茸さん
>「一八〇九年、間宮林蔵によってサハリンが島だと確認される以前、沿海州まで勢力を及ぼしていた清の一部と考えられていたため唐太とよばれていたからのようで」
># これを「改善」といえるか、はなはだ疑問ですが。

「唐」の説明にはなってても「太」の説明にはなってませんよね。

>その他、アイヌ語地名に関する記述にはかなりの変更があります。

幽霊アイヌ語バスターズとしてはまあまあ成功だったのかな?

あしたでも本屋に行って、4刷の内容確認してみます。



全国にアイヌ語地名はあるか?

resaknay (2001/02/18 06:28)

アイヌ語地名の権威、故山田秀三さんは
少なくとも福島県以北、あるいは、関東地方以北に
アイヌ語由来の地名が残存している・・・としています。

私は、全国にその可能性があると考えながら
アイヌ語を学んでいますが、以前にも書きました
ように、現在のところ、広島・島根あたりまで
もしかすると、沖縄県にも
アイヌ語起源の地名があるのではないかと
考えています。

軽々には言えないかも知れませんが、
ホロ地名とソウナイは、アイヌ語地名である
可能性があると思います。
また、「無理やり」こじつけなければならない
理由が判然としませんから、もとから、「大切なもの」を
そう言い慣わしてきたと考えた方が良いと思います。
つまり、宮城県にアイヌ語起源の地名があっても
何ら不思議はないと考えられますが、その際
その地名とその景観が照応しているかどうかが
次の問題になると思います。・・・しかし、これが
なかなかうまくいかないものでして・・・

現在、東北地方のロードマップで、アイヌ語地名
の可能性のある地名をピックアップしています。
秋田県はもとより、ざっと200以上はあると
見ています。方法論さえきっちりしていれば、
あなたも明日から「アイヌ語地名研究者」!
一緒に、日本人のルーツを辿ってみませんか?



アイヌ語の地名

らら (2001/02/18 03:29)

私は宮城県の北部に住んでいます。
アイヌ語の使われていた地域の地図を見ると、最南端に近いかも知れません。
ここにはいくつかのアイヌ語を語源とした(多分)地名が残っています。
ホロワ、ホロケ、ソウナイ、etc・・・
それと、今日ちょっと見て驚いたのですが、
マタギ言葉の心臓が、この辺りの方言で男性自身を意味している。
これって、無理やりかしら・・?
でも、近くの町には狼の付く地名や、猟狩なんて言う地名もあるから、
マタギは存在していたかも知れないし。
少なくとも、どこかのあてにならない本よりは信憑性があったりして。
そして、幼児語で水のことを「あっこ」「あっか」とも言いますよ。
これも無理やり・・?
誰か教えてください。



『地名の世界地図』の修正箇所

松茸@22世紀研究会 (2001/02/17 20:58)

 近くの本屋に「第四刷」が平積みになっていました(売れているらしい)。めくり読みしたところ。若干「改善」が見られるようなので、購入済みの初刷と比較するため買ってしまいました(780円+税)。

 まず、「はじめに」のポーランド戦についての記述が、
初刷:「一九三九年九月一日、東西国境を越えて突如攻め込んできたナチス・ドイツ軍、ソ連軍によって、ポーランドはたった三週間で占領、分割されてしまった。」
から
第四刷:「一九三九年九月一日、国境を越えて突如攻め込んできたナチス・ドイツ軍、そしてソ連軍によって、ポーランドはたった四週間で占領、分割されてしまった。」
に修正されています。

 また、p.75〜76の「カラフト」の語源も、
「江戸時代、ここに中国人が多く住んでいたので唐人{からと}とよばれていたことによるが」
だったのが
「一八〇九年、間宮林蔵によってサハリンが島だと確認される以前、沿海州まで勢力を及ぼしていた清の一部と考えられていたため唐太とよばれていたからのようで」
に差し替えられています。
# これを「改善」といえるか、はなはだ疑問ですが。
 その他、アイヌ語地名に関する記述にはかなりの変更があります。

 しかし、これら佐藤様のメイルにある箇所をのぞけば、修正された記述はいまのところ発見できません(ひとつだけ、巻末の国づくしで、カナダが「中央アメリカ」にあった(^^;のが「北アメリカ」に移っている、のを確認)。指摘にもとづいて訂正したものを商業出版したのなら、せめて礼状(メイル)の一本くらい送るべきでしょうね。
# それどころか、「千島」の語義(p.110)は佐藤様の丸写しなので、著作権料を請求で
# きるかもしれません。



「地名の世界地図」の笑えるネタ?

佐藤和美 (2001/02/17 17:38)

さて、笑えるかな?

サルディニア島の語源は?

P15
サルディニアはサルドSardo(足跡)、その島に初めて上陸したことを記念した名がつけられた。

どうです、笑えますか?
つまんない?
よく世界中の地名がサルディニアにならなかったですね。(^^)


次は算数の問題

P14
前二二五年頃……  千三百年後……  一五三三年

「前」の意味がわかってないようで……



間違いだらけの「地名の世界地図」

佐藤和美 (2001/02/17 17:37)

「地名の世界地図」、文春から返事のメール来ないですね。
もう、返事はあきらめました。
ということで、「地名の世界地図」の間違い募集します!
「地名の世界地図」を笑いとばしましょう。

今までの書き込みは以下に集めてあります。
間違いだらけの「地名の世界地図」



RE:失禁

nupkes (2001/02/16 21:24)

 はるか昔に、私の学生時代に使用した吉利 和著『新内科診断学』(金芳堂)には、「失禁(incontience)」との記載がありました。
 やはり、医学用語らしいですね。



失禁

しのぶ (2001/02/16 16:38)

失禁という言葉は医学用語です。日本の医学用語は大抵ギリシャ語やらラテン語やら外国語に由来することが多いので、語源を調べる場合はまず外国語を含めて調べるのが良いようです。失禁という日本語に訳されているのは、ステッドマン医学大辞典によればacratia、incontinentiaなどの言葉です。前者はギリシャ語で否定の意味のaに強さの意味のkratosを付けたもので、失禁の他に脱力、無力、失調を表し、後者はラテン語で否定のinに保つという意味のcontineoが付いて、失禁の他には淫乱とか不節制の意味も持っているそうです。つまりいわゆる失禁という状態は、本来保たれているべき力(特に括約筋の類いの筋力や支配神経)のバランスが失われたりすることによって、(理性的に?)ある程度抑えておかなくてはいけないものが出てしまうことなんでしょうね。医学用語では対象物が尿や便の場合はそれぞれ尿失禁、便失禁と言い、例えば乳汁なら乳汁失禁になります。この場合の「禁」は「ある時点で外に出してはいけないもの」を抑えている状態、と理解して良いのでしょうか・・。とにかく医学用語としては対象を限定していません。(とはいっても涙の失禁とか鼻汁の失禁とか汗の失禁とかいう言い方はしませんが・・・)
一体どうして、いつごろからこの用語が一般には排泄物の失禁に限定された表現になったのか、あるいは逆に、外国語が入る前からこの狭義の失禁という言葉が使われていて、たまたま外国語にやや広義だが同じ様な意味の用語があったので訳者が当てはめたのか、この辺のことにつきましては、済みませんが現在のところ私には分かりません。想像ですが、やはり排泄物関係の失禁が一番頻度も多く、問題になりがちですから、かなり以前から狭義の意味が多く用いられるようになっていたのではないでしょうか。ちなみに外国語(の医学用語)には、一言で尿失禁を表す語が数種類あります。(便については何故かみつかりませんでした。)
あまりお役に立ちませんでしたね。すみません。どなたかお分かりの方おられましたらお教え下さい。



RE:医学用語?

nupkes (2001/02/16 16:15)

「失禁」は、「南山堂 医学大辞典」には、記載されていません。
医学用語では、ないと思うのですが。



地名の世界地図

佐藤和美 (2001/02/16 12:35)

「地名の世界地図」ですが、文藝春秋から返事来ないですねぇ。
このまま返事なしになるのかな?
1/20付けで4刷、ますます売れてる。
売れてるから、内容はどうでもいいのかな?

「地名の世界地図」の著者は「歴史学、文化人類学、考古学、宗教学、生活文化史学の研究者たち」だそうですけど、語学者、言語学者はいないんですね。

著者たちは横の連絡なしで勝手に書いてるようだから、同じものでも語源がちょっとずれてる。
今回はそのへんを追っかけてみました。
(以下のような内容で、もう一回だけ文春にメールを送りました)

まずは、メコン、メナムの語源です。

P200
東南アジアのメコンMekong川はタイ語のメナムMenam(川)とコングkong(大きな)で、「大きな川」である。

P261
メナムはタイ語メmae「母」とナムnam「川」で「母なる川」。

P261
メコン川Mekong「大きな川」。ミャンマー名、ラオス名のメコンはタイ語のme「川」と中国語kong「江」からなる。

タイ語では「メ」も「ナム」も「メナム」も「川」なんですかね。
それに中国語(普通話)の「江」は「jiang」ですね。


次はジャカルタの語源です。

P136
ジャカルタDjakarta(勝利の城塞)という意味をもつ。

P196
ジャカルタ(インドネシア)「勝利の都市」。

P264
サンスクリット語でジャイア・ケルタJaiakerta「勝利の地」

「城塞」、「都市」、「地」正しくはどれなんでしょうね?
「Djakarta」、「Jaiakerta」どっちのスペルが正しいんでしょうね?
なんで「ジャイア・ケルタ」ってしてるのに、「Jaia kerta」ってしないんでしょう?


モスクワの語源は?

P73
モスクmosk(沼沢地)とフィン語のva(水)で「沼沢地の川」を意味する。

P258
ナモスコに由来する。前置詞naとMoskva「モスクワ川」で「モスクワ川のほとり」。「モスクワ」そのものには「沼沢地」という意味がある。


セーヌ川の語源のスペルは?

P46
ケルト語のsog(ゆったり)とhan(川)で「ゆったりと流れる川」

P200 ケルト語でSeine(ゆったりと流れる川)だ。


バビロンの語源のスペルは?

P23
バビロニアの名は、Babili(神の門)に由来

P146
バビロンBabylonもバベルも同じアッカド語のbab(門)とel(神)からなり


カルパティアの語源のスペルは?

P44
古代スラブ語のコルバトCorwat(山脈)に由来している。

P235
古代スラブ人の言葉でchorvat、あるいはchrbat「山脈」に由来する。


なんか、頭がクラクラしてきそう!



医学用語?

坂梨 (2001/02/16 04:02)

しのぶさん>
これも医学用語でしょうか。尾篭な話で大変恐縮なのですが、「失禁」はなぜ
「大小便が、自分の意志にかかわらずに排泄(はいせつ)されること。おもらし。」
(『大辞林』)と言う意味になるのでしょうか。素直に読むと「禁を失う」ですよね。
それがいつ、どのように「自由意思によらない排泄」を表す言葉に特化したのでしょうか。



ありがとうございました

しのぶ (2001/02/15 13:14)

佐藤和美さま、先日は、はすについてご丁寧に教えていただきましてありがとうございました。私は最近医学用語の語源にも興味を持って自分なりに調べております。(その手の話題の折には何かしらお役にたてれば幸いです。)
言語の3月号の語源特集、ラジオでも宣伝していました。早速読んでみたいと思います。
まずはお礼まで。



月刊「言語」3月号

佐藤和美 (2001/02/15 12:04)

発売された月刊「言語」3月号の特集が「語源の楽しみ」ですね。

目次から
この言葉の語源を知っていますか 堀井令以知
語源学の夢と戒め 吉田金彦
語源から入る語源学 下宮忠雄
江戸の町方起源のことば 石井明
語源に強くなる方法 諏訪原研
新語とカタカナ語の<語源> 米川明彦
ヨーロッパ人名語源の楽しみ 梅田修
まことしやかな語源 犬飼守薫
地名語源のたのしみ 丹羽基二

手にとってみてください



RE:無洗米は既洗米にあらず。

佐藤和美 (2001/02/15 12:03)

arayebisさん、情報ありがとうございます。

全国無洗米協会
http://www.musenmai.com/
っていうところを見てきました。
BG精米製法っていうのでは、水を使わずにヌカを取ってるようですね。

この米、なんて呼べばいいんでしょうね?



無洗米は既洗米にあらず。

arayebis (2001/02/15 10:43)

無洗米は既に洗った米ではなく、精米方法が異なるため研ぐ必要がない米のことです。
研ぐことによるビタミンの損失、米糠の変敗による不快臭が無いなど、結構優れもの
だということです。(私は米嫌いなので食べたことがないけど)



補足

けいすけ (2001/02/14 15:01)

誤解されるような書き方をしたので、さきに書き込んでおいた
部分を、補足しておきます。

(補足する箇所)
>少なくとも古くは「洗い米」は宗教的意味あいを
>帯びていましたから、「米を洗う」は用いられなかった
>のだと思います。抵抗があったのでしょう。

→つまり、ただ単に「研ぐ」という意味においてのみ、
「米を洗う」というふうに「洗う」を用いるのには抵抗があった
ということです。「単に洗いですすぐ」という意味と、
「ケガレを清めた」意としての「あらいよね」との意味の衝突が
起こる、ということです。なお、現代の用法として、「水できれい
に洗った米」という意味が用いられるようになったのは、元来の
意味(神仏に供えるものとしての「あらいよね」の意義)が忘れ
去られた結果なのでしょう。



あらいよね

けいすけ (2001/02/14 14:47)

>佐藤和美様
私も、「無洗米」には抵抗がありますが、まあそれはともかく。
「日本国語大辞典(第二版)」で、「あらいよね」を引くと、
「あらいよね」がずいぶん古い言葉だったことが判ります。
既に、色葉字類抄(1177−81)に「アラヒヨネ」として
現れています。御湯殿上日記(1477)にも「あんせん
寺殿より御あらひよねまいる」と見えます。しかし、この頃の
「あらいよね」は、神の供物にしたように、「水で洗いケガレを
清めた」ことに重点がおかれ、神秘性を帯びていたとみられます。
古くは「あらいよね」は、特に「研いだ米」を表したものでは
なかったようです。「研いだ米」の意に用いられたのは、一部の
方言における用法でした(島根県等)。以上のように、少なくとも
古くは「洗い米」は宗教的意味あいを帯びていましたから、
「米を洗う」は用いられなかったのだと思います。抵抗があった
のでしょう。ですから「研ぐ」に言い換えて「洗う」を意図的に
避けたのでしょう。「あらう」という言葉は、新(あら)・生(あ)る
と同根とみる立場もありますが、離(あ)る・散(あ)ると同系統
の語だとみる立場もあって、「強くこする」というイメージも
備えていましたから(白川静『字訓』)、「研ぐ」と言いかえるのは
別段困難な話ではありません。なお、「とぐ」は「利(と)し」
「疾(と)し」などと同系で、原義は「砥石などで磨き鋭くすること」
です(白川静、同上)。なお、時代が下って江戸期の文献には
「洗飯(あらひめし)」「洗物(あらひもの)」などの語が見えますが、
結局、単に「洗いすすぐ」という意で「洗う」と「米」とを組み合わせて
用いた言葉は見当たりません。やはりこの頃も、「あらいよね」には
「穢れを清める」意に重点が置かれていました。
江戸期の浮世草子『浅草拾遺物語』(1686)にも、「灯をかかけ
洗米其外供物など土器に備へてひとへに神のごとく此ふしきさ」
とあります。



洗米

佐藤和美 (2001/02/14 12:47)

坂梨さん
>『大辞林』で「洗米」を引くと
>(1)水できれいに洗った米。あらいよね。あらいごめ。
>(2)神仏に供えるあらいごめ。饌米(せんまい)。
>とあるので「洗」自体は問題ないのでは?

坂梨さん、ありがとうございます。
「洗米」っていう言葉があったんですね。
知らなかった。(^^);
「神仏に供えるあらいごめ。」っていうことは、昔からある言葉なのかな?
ただ、きのうも書きましたが、現在では「米を洗う」とはいいませんよね。
「全然」みたいに用法が変わったのかな?



歩行禁煙・不洗米

坂梨 (2001/02/14 09:36)

>UEJさん
漢文的には「禁歩行煙」でもいいでしょうが、日本語的にやや分かりにくいかな。
もう1字足して「禁歩行喫煙」とまですれば一目瞭然ですね。

最初の「歩行禁煙」もそのまま漢文で読めないことはないと思います。
「歩行すれば煙するを禁ず」と。「歩行するなら喫煙を禁止する」ですね。

>栗山様
「不」を忘れてましたね。ありがとうございます。「不洗米」だと「洗わない(かった)米」か。
「無洗米」と同じ感じかな。



無洗米

栗山晃一 (2001/02/14 09:03)

わたしも気になっていました。洗わざる米なら不洗米、洗うにあらざる米なら非洗米かなとか。
意味的には既洗米が一番あってると思いますが。
↓私のHPです。無洗米のこともほんのちょっと話題にしました。
(といっても、大したこと無いですが)

http://kame.tadaima.com/yamikage/



Re:洗って無い米?

UEJ (2001/02/14 08:34)

「歩きながら煙草を吸うべからず」という意味の「歩行禁煙」という張り紙をたまに見かけますが、
これも違和感がある単語ですね(私だけ?)。
「禁歩行煙」というべきか。



Re:洗って無い米?

坂梨 (2001/02/14 07:37)

『大辞林』で「洗米」を引くと
(1)水できれいに洗った米。あらいよね。あらいごめ。
(2)神仏に供えるあらいごめ。饌米(せんまい)。
とあるので「洗」自体は問題ないのでは?問題は否定詞か。
「無洗米」だと佐藤氏の言われる通り「洗うこと無からざる米」で
「洗うことのない(なかった)米」。洗ってないのか洗わなくていいのか曖昧。
「未洗米」だと「未だ洗わざる米」だから「まだ洗ってない米」。意味が違う。
「非洗米」だと「洗うに非ざる米」だから「洗うことではない米」。意味不明。

あとは佐藤さんも書かれているが「洗ってある米」。「既洗米」かな。「既に洗いたる米」。
意味は明白だがやや言いにくいか。

結論。見た目の分かり易さなら「既洗米」。語呂の良さなら「無洗米」ではないでしょうか。
もしお互いのあいだで意味が了解済みなら、後者のほうが便利かもしれません

追伸。「米をとぐ」は「磨ぐ」だから「?磨米」と出来なくはないが、ちょっと発音しにくいか。



洗って無い米?

佐藤和美 (2001/02/13 12:01)

「無洗米」って字を見て、どういう意味だと思いますか?
「洗って無い米」?
ところがこれが「洗わなくていい米」(洗ってある米)っていうんだから、
理解に苦しみます。

日本語には「とぐ」っていう言葉があったんですけどね。
「米をとぐ」とは言うけど、
「米を洗う」とは言わない。
(最近の若い人は言う?)

日本人の漢字を使った造語能力も落ちてきたんですかね。



「薨」に就いて

けいすけ (2001/02/11 19:32)

>田邉露影様
「崩ずる」、「崩御」が天皇・皇后・皇太后・上皇(旧)・法皇(旧)
太皇太后(たいこうたいこう、天皇の祖父の后)の死を意味するのに対し、
「薨ずる」は広く貴族の死に対して用いられます。

また、「薨」の字源は、主に次の二説があります。
藤堂明保説では、「『目が見えなくなる』の意を借りて死を暗示した
会意形声字」です(「学研漢和大字典」)。
また、白川静説では、「夢の省略文(省略字形)と死とに従い、
夢魔によって死に至ることをいう」となっています(「字統」)。

しかし、何れにせよ、許慎の「説文解字」には、
「薨」の項に、「公侯の卒(しゅっ)するなり」とありますから、
この字はかなり古い時代から高貴の人の死に用いられていたようです。



Re:死についての表現をもっと知りたいんですが

けいすけ (2001/02/11 18:53)

>紅様
日本にもやはりいろいろな表現があります。
とても凡ては書き尽くせない為、一部を御紹介するだけに止めます。
なお、死因にも関わる語は、溺死、轢死、圧死などキリがないので最小限に止めます。

《その1》和語系(古語も含む。古語にはぼかし表現が多い)
死ぬ、隠れる(お隠れになる)、逝く、亡くなる(お亡くなりになる)、身罷る(みまかる)、
こと切れる、絶え入る、あへなくなる、はかなくなる
(軽卑の俗語)くたばる、へたばる

《その2》漢語系(ふつう高貴な人にのみ用いられる)
崩御、崩ずる、薨ずる(こうずる)、薨去(こうきょ)、逝去、卒す(しゅっす)、 卒する(そっする、もとは「しゅっす」)没する(歿する)

《その3》漢語系(仏教関係語)
瞑する、入寂する(にゅうじゃくする)、入滅(釈迦の死)、往生する、成仏(する)、
鬼籍に入る、お陀仏(これは直接的には関係しませんが)、遷化(せんげ、高僧の死)

《その4》漢語系(その他)
横死する(おうしする=変死)、殉ずる、殉死、巨星墜つ(きょせいおつ)、夭折(ようせつ)、
夭死(ようし)、頓死(=急死)、惨死、慙死(ざんし、恥じて死ぬ)悶死(もんし)、
斃死(へいし=野垂れ死に)

《その5》日本語系(方言)
ごねる、ごねずる、めおとす、すぎる、とれる、つまる、ほてる、ほてかやる、
ごねむく、ごとむく、まるぶ、かばねる、うたう、どびる、みてる、けーまう、
はしる、きしむ、けしぬ、まーらしん



(無題)

田邉露影 (2001/02/11 18:28)

>  日本語の死についての表現をもっと知りたいんです。

向こうへ行く、つまり「逝」を使った表現が多いですよね。
それから、倒れるの系統の表現、つまり
「寝る」「崩れる」など。

あと、この表現は最近知ったのですが、
「薨ずる」というのは、
どういう意味なのでしょうか?>ALL


最近、勉強もそっちのけで、
横溝正史の金田一耕助シリーズに凝っていまして、
何しろ推理小説ですから、
死についてはいろいろと出てきて興味深いです。
例えば『悪魔の手毬唄』という作品では、
「返された」「倒された」という言葉が、
『殺された』ということを表現しているようです。

ちなみに、これは余談ですけれども、
こういった「死」という忌み嫌われるもの、
すなわち『ケガレ』というのは、
遠まわしに表現する傾向があるので、
(あるいは「神」など神聖なものも
 ケガレと同種に値するという説があるようですね)
いろいろな言語でボキャブラリーに富んでいます。

ひょっとして、紅さんは
あえてこういうことをお聞きなさったということは、
そういった事についてご興味があるんですか?



「四万十」の語源はアイヌ語?

佐藤和美 (2001/02/11 17:32)

メールで質問がありました。
質問内容は以下のようなものです。

四国に四万十川があり、九州の霧島山系台地も昔は四万十台地といわれた。
四万十とは『しまぬた』が語源であって、それはアイヌ語である。
『しまぬた』の意味は、うるわしき台地・パラダイスというようなことである。
図書館等で書籍等を探したが、確証が見つからない。
このことについてなにか知っていればお教えてほしい。

というような内容です。

霧島山系台地を昔は四万十台地と言ったどうか知りませんし、
確認する気もおこりません。

「四万十」の語源がアイヌ語の「シマムタ」、「シマヌタ」だとかいう説があるようですが、
これはマユツバものですね。つまり、いつもの幽霊アイヌ語ですね。

以下の書き込みを参考にしてください。
「教えて下さい。」(1999/09/11)
「西日本のアイヌ語地名」(99/09/12)

メールの返事をだしたら、「User unknown」で戻ってきました。
質問の返事をもらいたいなら、自分のメールアドレスくらいしっかり設定しておきましょうね。
この人、今までメールで「RE」をもらったことないのを気がついてないんでしょうか。



死についての表現をもっと知りたいんですが

紅 (2001/02/11 15:24)

 日本語の死についての表現をもっと知りたいんです。中国語にはいろいろな表現が
りますが、日本語にもきっとそうだと思います。知っているのは「あの世に逝く」
「天国へ逝く」「他界」「亡くなる」などですが。どなたか教えていただけないでしょうか。
 お願いします。



2度びっくり

田宮 (2001/02/09 17:35)

佐藤和美様 『びっくり』に関してお尋ねした田宮です。 浄瑠璃に出ているくらい昔からあるというのは説得力がありますね。 それに「good sleep」の話もなるほどと2度びっくりです。 これを伝えればカナダ人の友人も納得してくれることと思います。 どうも、ありがとうございました。



RE:はす

佐藤和美 (2001/02/09 12:25)

「はす」の漢字は「斜」ですね。
「大辞林」
http://dictionary.goo.ne.jp/cgi-bin/jp-top.cgi
は漢字、仮名のどちらからでも検索できます。
「はす」の漢字を知りたければ、「はす」で検索すればいいですね。

「はす」の語源ですが、
堀井令以知編「上方ことば語源辞典」(東京堂出版)には
「ハスは端隅(はしすみ)の略」なんて書いてあるけど……?



時間を表す言葉について

しんちゃん (2001/02/08 22:10)

はじめまして。皆さん普段の生活の中で、何気?に使っている時間を表す言葉で「夕方」「朝方」「夜中」「真夜中」「日中」などあると思いますが、具体的には何時から何時までをさしているのでしょうか?疑問に感じたことはありませんか?私は、営業職でお客様は結構年配の方が多くよく「夕方ぐらいに打合せしたい」とか「朝のうちに電話して」と言われますが、5時ごろ伺ってもいらっしゃらなかったり、朝9時に電話してもいらっしゃらなかったりが、よくあります。何時にときちんと時間指定すればよいのですが...地方によっても異なると思いますし、個人差もあると思います。全国平均のようなものがあれば、参考にしたいと思っております。ご存知の方いらっしゃいましたら是非ご一報頂きたく思います。



ふらふ

栗山晃一 (2001/02/08 13:06)

高知では、端午の節句に鯉のぼりも上げますが、金太郎とかの大きな旗を立てる風習があります。
それを「ふらふ」と呼んでいるのですが、これはどうも「フラッグ」が元になったようです。

http://kame.tadaima.com/yamikage/



RE:びっくり

佐藤和美 (2001/02/08 12:40)

以前、「ぐっすり」の語源が「good sleep」か、という質問があったときに、
「古く(黒船以前)から使われてるのなら、英語とは無関係と言えそうですね。」
と、書きました。
さて、「びっくり」はどうか。

「大辞林」からです。

びっくり
(副)スル
(1)意外なことや突然なことに驚くさま。「人込みで名前を呼ばれて―する」〔「吃驚」「喫驚」とも当てる〕
(2)かすかに動くさま。びくっと。「―ともうごかせず/浄瑠璃・会稽山」

「浄瑠璃・会稽山」に用例あり。
英語とは無関係だと思いますよ。



はす

しのぶ (2001/02/08 09:14)

はじめまして。良く、はすに構えるなど斜めの意味ではすと言いますが、何故なのか、また漢字はどう書くのかが分かりません。もしお分かりの方がいらっしゃいましたら是非教えて下さい。宜しく御願い致します。



面白かったです

いまぴー (2001/02/08 00:30)

アイヌ語のことを調べていてここに来ました。
「円山」と「藻岩山」のエピソードは知らなかったので、新鮮で面白かったです。

http://www.interq.or.jp/blue/imapy/



re^5: ちょっと異論

田邉露影 (2001/02/07 23:09)

> 「母語」について、田邉さまと私とで
> 解釈が食い違っていたことがわかりました。

「母語」の定義がどこまで及ぶかは
抽象的な問題ですので、
明確に線を引くことはできないでしょう。

そうすると、議論ごとに、
この定義はこうである、と
ローカルなルール(カタカナ語ですね)を
定めておくべきだったのですが、
私がそれをしなかったのが、
なによりの落ち度といえると思いますので、
その点は今後、気をつけるように致します。


> 私の方は、ごく素朴に「ある人が幼児期に
> 周囲の大人たち(特に母親)が話すのを聞いて
> 最初に自然に身につけた言語」(オンライン大辞林より)の
> 意味だと思っておりましたが、田邉様は「母語」と
> 「外来語」とを対立概念として扱っておられます。

でも、外来語って、
幼児期に自然に身につけた言語なんでしょうかねぇ。

最近は「お父さん」「お母さん」と同じように
「パパ」「ママ」も受け入れられている、など
ありますけれども、
オンライン、レポートなど、
どちらかというと
さらに高次的(社会的?)な言葉として
存在するような気がしてなりません。

「テンプラ」など、
さまざまなパターンがあるのでしょうね。


> 用語に関する誤解から無意味な議論をしたことを謝し、
> 謹んで撤回いたします。m(_ _)m

そ、そんなに謝っていただかなくても……。
かえって恐縮です。

私としては議論を楽しんでいるだけですし、
私自身の論にいくつも矛盾点があることは認識しています。

その上で、あわよくば論文のネタになれば……などと、
企んでいるだけなので、
どうか、今後ともよろしくお願いします。


> * 「セリエいち」など、派生した話題もありますが、次の機会に。

楽しみにお待ちしております。



びっくり

田宮 (2001/02/07 12:38)

こんにちは、初めてメールします。
『びっくりした』の語源を調べたくて、インターネットで探していたらこのホームページを見つけました。
ある会話の中で友人のカナダ人が、日本語の『びっくりした』は、英語の『神による』という意味の『by Christ―ばいくらいすと』が変化したものだと主張するのですが、本当のところはどうなのでしょうか?



RE:台風一家

佐藤和美 (2001/02/07 12:29)

「台風一家」に似たような話、私もなにかで読んだ事あります。

話はちょっとずれるかもしれませんが、手元に「目からウロコの漢字問題」(宝島社文庫)っていう本があるんで、そこから誤変換の話を引用します。

「羽交い絞め」→「歯が苛め」
「豊島園」→「年増園」
「真っ二つ」→「マップ立つ」
「古参社員」→「故サンシャイン」
「発泡スチロール」→「発砲スチロール」
「任期満了」→「人気満了」

暇なときにぺらぺらめくってみるには、いい本かも。



Re:ボガート、ボガード

坂梨 (2001/02/07 11:00)

追加です。

ドッグレッグ(dogleg;ゴルフの「く」の字形コース)→ドックレック(!)



Re:ボガート、ボガード

坂梨 (2001/02/07 10:45)

>佐藤さん
なるほど、ダーク・ボガードですか。確かに紛らわしいですね。これとの混同かもしれませんね。
ところで、今まで出てきた「日本語での清音化」の例では「ッド→ット」と「ッグ→ック」の
例が多いようなので、手持ちの国語辞典CD-ROM(小学館『国語大辞典(新装版)』1988)で
「〜ッド」と「〜ッグ」を検索したところ、日本語でそれぞれ「〜ット」「〜ック」と
表記されていそうな単語がいくつか見つかりました。それらをもとにgooで検索したところ、
下記のいずれについても清音で表記してあるページが見つかりました。参考になればと思います。

テトラポッド(tetrapod)→テトラポット
シンドバッド(Sindbad)→シンドバット
ロビン・フッド(Robin Hood)→ロビン・フット
『バガヴァッド・ギーター』(Bhagavad-Gita;インド叙事詩)→『バガヴァット・ギーター』
『デッド・オア・アライブ』(Dead or Alive;ゲームソフト)→『デット・オア・アライブ』
ルー・ゲーリッグ(Lou Gehrig;野球選手)→ルー・ゲーリック



re^4: ちょっと異論――撤回します

松茸@22世紀研究会 (2001/02/07 00:06)

# 前回はタイトルを付け忘れました。済みません。m(_ _)m

-> 田邉さまへ:
 懇切なお返事痛み入ります。
 「母語」について、田邉さまと私とで解釈が食い違っていたことがわかりました。
 私の方は、ごく素朴に「ある人が幼児期に周囲の大人たち(特に母親)が話すのを聞いて最初に自然に身につけた言語」(オンライン大辞林より)の意味だと思っておりましたが、田邉様は「母語」と「外来語」とを対立概念として扱っておられます。
 とすれば「<日本語におけるラテン文字の英語式読み>は外来語であって母語でない」のは自明ですね。
 用語に関する誤解から無意味な議論をしたことを謝し、謹んで撤回いたします。m(_ _)m

* 「セリエいち」など、派生した話題もありますが、次の機会に。



感謝、「風上にも、、」

栗山晃一 (2001/02/06 12:58)

たくさんのレスありがとうでした。完全にスッキリした感じではないですが、
考え方がさまざまあることが分かって、感謝です。



ボガート、ボガード

佐藤和美 (2001/02/06 12:44)

ハンフリー・ボガート
ハンフリー・ボガード

まちがって書いてる人はけっこう多そうですね。

「ボガード」っていう苗字もあるようだし。
話は簡単じゃなさそうですね。

http://www2.odn.ne.jp/cheeky/cinema/people/m-d.html#dirk_bogarde
から。

Dirk Bogarde(ダーク・ボガード)
1921年3月28日、ロンドンのハムステッド生まれ。父は芸術家で母は女優。
1970年代には南フランスに移住し著述業に打ち込むが、1990年に再びロンドンへ戻る。
1992年にはエリザベス女王よりSirの称号を賜る。
1999年5月8日心臓発作で死亡。

出演した映画は
『遠すぎた橋』
『愛の嵐』
『エスピオナージ』
『ベニスに死す』
『地獄に堕ちた勇者ども』
『唇からナイフ』
etc



RE:風上にも置けない

佐藤和美 (2001/02/06 12:38)

東郷吉男「ちょっと古風な日本語辞典」(東京堂出版)にはこうあります。

「風上」は風の吹いてくる方向、「風下」の対。「も」はこの場合強めの助詞で、「風上に置けない」を強調したいい方。



はじめまして

コロン (2001/02/05 17:34)

日本語力に興味を持つものです。
最近日本語力のHPに通ってるのですが、そこでも濁音の事が話題になってました。
たとえば「十日くらい」といったり「十日ぐらい」というけれど、どちらが正しいのか?とか、
今日は「カツレツ」の「カツ」と「レツ」は日本語なのか?などなど。
書き込みをみていると改めてそういえば、なんでだろう?という事ばかりです。
よければのぞいてみてください。
http://www.nihongoryoku.co.jp/
です。



濁音、連濁

佐藤和美 (2001/02/05 14:26)

「古代語で濁音が一語中に二回以上出ることがない」と関係あるのかどうか。
訓読みの連濁の規則性の話ですが。

福岡大学理学部柴田研究室言問い亭
http://www1.sm.fukuoka-u.ac.jp/~kshibata/kototoi/1997_5js.html
からです。

法則的に連濁しない場合としては次の二つがある。
 1)複合語上項の末音節が濁音であるとき
   例「まがたま(勾玉)」「みずたま(水玉)」
 2)複合語下項が第2音節以下に濁音節を持つとき
   例「あきかぜ(秋風)」
ただし、法則1)については、「ずずだま(数々玉)」「みずご(水子)」のような例外 がある。(法則2)については、ほとんど例外がない。)

このあたりと「古代語で濁音が一語中に二回以上出ることがない」が関係あるのかなぁ、と思ってしまいます。



Re:濁音

坂梨 (2001/02/05 09:09)

これは逆に日本語のほうで濁音になる例です。
映画『カサブランカ(Casablanca)』の主演男優Humphrey Bogart
は日本ではハンフリー・ボガー「ド」としばしば表記されているようです。
前の2音が濁音なのでそれに引っ張られるのでしょうか。

↓毎日新聞の記事です。
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/199906/16/0616e042-300.html



打消強調or詠嘆?

坂梨 (2001/02/05 08:57)

『大辞林』の「も」7(係助)からです。「風上にも……」の「も」
はこの内のどれかではないでしょうか。

(4)極端な事物を提示し、強調する。…さえも。「聞いたこと―ない話」「太っ腹の社長―、今度はまいったようだ」
(5)動詞の連用形や動作性名詞に付いて、下に否定の語を伴い、打ち消しの意を強めて表す。「ふりむき―しない」「いちべつ―くれない」
(6)詠嘆・感動の意を表す。「書き―書いたり、一日五千枚」「こう―暑くてはやりきれない」「限りなく遠く―来にけるかな/伊勢 9」



婉曲表現では?

小田切秀禮 (2001/02/05 00:20)

何処にも置けない奴だ … 排斥
風上には置けない奴だ … 差別
風上にも置けない奴だ … 困惑 … どうしたら良いのか分からない。



RE:風上にも置けない

佐藤和美 (2001/02/04 08:49)

「大辞林」からです。

風上に(も)置けない
〔風上に悪臭を発するものがあると風下では非常に臭いことから〕卑劣な人間をののしっていう語。「人の―ない奴」

「も」のところに()がありますね。
風上に置けない
風上にも置けない
両方の言い方があるということでしょう。



「言葉の世界」伝言板1月分

佐藤和美 (2001/02/03 18:55)

 「「言葉の世界」伝言板1月分」を追加しました。



台風一家

栗山晃一 (2001/02/03 12:55)

こういう話題でも良いのでしょうか。妻は高校生くらいまで、「台風一過」を「台風一家」と勘違いしていたそうです。そんなような勘違いの経験、みなさんお持ちじゃないですか。
管理人様へ、えっと、ふさわしくない話題でしたら、削除してください。

http://kame.tadaima.com/yamikage/



風上にも置けない

栗山晃一 (2001/02/03 12:44)

ずーっと不思議だったんですが、この「にも」って何でしょうか。臭くて「風上に置けない」ならわかるのですが、「も」がついていると、つい、そーかー、「も」ってことはまず風下に置けなくて、んで、風上にも置けないんだなー。ん?臭いなら風上に置けないのは当たり前ジャンか?風上じゃない風下に置いても匂うってんで、「風下にも置けない」なら、筋とおるのに。この疑問、誰か解いてください。お願いします。



濁音

佐藤和美 (2001/02/02 20:12)

ビーバさん、UEJさん、ありがとうござします。

ビーバさん
>たしかに濁音に続いています。促音「ッ」の後の濁音は発音しにくいので、
その影響もあるとは思いますが。

「古代語で濁音が一語中に二回以上出ることがない」の影響の可能性はけっこうありそうですね。
言われてみればみんな促音がらみですねぇ。
このあたりも考慮しないといけないですね。

UEJさん >news(ニューズ)→ニュース
>smooth(スムーズ)→スムース
こっちはアルファベット表記にひきずられたという気がするんですが。



re: 濁音

田邉露影 (2001/02/02 15:07)

「花キューピット」、「ビックカメラ」なんてのもありますね。
どちらも清音になるのが会社の正式名称なのだそうです。



re^3: ちょっと異論(1)

田邉露影 (2001/02/02 14:32)

どうも、あついコメントをありがとうございます。

あと、コメントが長くなってしまい
すみません m(_ _)m>佐藤さん、ならびに読者の方々


>  少し引っかかる点があったということで、ご了承ください。

私としても、
これらの問題の解釈について、
きちんと体系化しているわけではないので、
矛盾点は多いかと思いますが、
辛抱強く付き合っていただけると光栄です。

<ABCの日本語での読み>
> ……ここが引っかかるところです。
> “ある言語の話者の間で、
> デフォルトの「読み方」(音声表現)が決まっている
> (そして<決まっていること>自体が了解されている)”
> なら、それは(起源的に外来語であっても)
> 「母語」だろうと思うのですが?

「母語」の定義の問題ですね?

「母語」という用語に関して
外来語をいかに扱うかは難しいところですが、
もしも、デフォルトの読み方が決まっているものを、
すべて「母語」であると認定してしまうのであれば、
例えば日本語を考えると、
いわゆるカタカナ語はすべて「日本語のもの」と
いうことになってしまいます。
(それはつまり、どのような外来語でも、
 母語となってしまう可能性があるということです)

カタカナ語は音声としてではなく、
文法的にも例えば
「クライアントとトラブったから、
 契約書にサインしてもらえなかった。」
のように非常に日本語と融合していますが、
私たちは「カタカナ表記」という印(marked)、
あるいは「アルファベット表記」という印によって、
それが本来は他言語の言葉であることを知ることがで、
あえて「カタカナ」、
および「アルファベット」を
使用する意図というのは、
「この語はうちの母語ではないぞ」と
断りを入れて差別化を
はかっているゆえなのではないでしょうか。

 (「てんぷら/テンプラ」のように
  印のあいまいなものや
  印のないもの(unmarked)は
  長い歴史の間に日本語と浸透しきった結果か、
  あるいは外来語と母語を
  区別しようとしていなかった
  時期に単語が入ってきたためなのでしょう。)


それでは「英語自身はどうなんだ!!」といわれますと(^_^;;、
英語って、英語本来の単語ですら、
綴り方がフランス語化していますし、
(drive だとか write だとか)
いまはちょっと失念しているのですが、
基礎単語がフランス語のものに置き換わって、
英語本来の基礎単語が失われている例など、
分けが分からなくなっています。

限りなく同化してしまい、
外来語も母語化してしまったとしか、
解釈が出来ないのですが、
その辺、どなたか納得のいく話を
聞かせていただくと嬉しいです。

逆にアイスランド語では、
(恐らく)フランス語以上に保守性が強くて、
外来語はほとんど母語の単語に翻訳しています。
(コンピューターを電子計算機、という具合に)


こういう風に、母語と外来語との接し方は、
それぞれの言語によって非常に多様なようですね。


>  むしろ反対に、「エー・ビー・シー・……」が
> 英語由来であることが了解されているので、
> 英語の略語の場合も<日本式>に読む慣習がなくならない、
> のではないでしょうか?

これは、純粋に日本語の音韻体系と
英語の音韻体系が異なっているためだと思いますよ。


> # これは、私個人が“Vは「ヴィー」・Zは「ズィー」だ”
> # という権威的な教育を受けた後遺症かも知れません。(^^;

それでも、私も英語ではその種の教育を受けましたし、
英語教師助手(AETでしたっけ?)はアメリカ人で、
(なぜか南部訛りでしたが)
ネイティブのアルファベットの発音練習はしましたけれども、
普段は c は「スィー」ではなくて「シー」、
f や v も下唇を歯に当てないで、
発音しています。

それに、今までのような
英語発音を貴重としている方々から
反発されるような発言も
平気でしてしまっています(^_^;;;。

ですので、この辺の因果関係は、
それほど影響はないのかもしれません。


<文字の名前>
>  ただ、ギリシア文字やヘブライ文字なども
> 「アルファベット」なので、
> <文字の名前>と<音価>は一応区別できるとは思います。

なるほど。
まあ、文字の形が違いますからね……(^_^;、
アルファベット言語の話者にとって、
やはりギリシア文字、ヘブライ文字は、 同じ「アルファベット」とは語源的には同一でも、
同じものだとは認識していないと思いますよ。



re^3: ちょっと異論(2)

田邉露影 (2001/02/02 14:30)

<GPU/KGBについて>
>  これらの語が日本語にどのようにとりいれられたかを考えると:
> "ГПУ"
>  戦前の政府・軍部の反ソ宣伝による。
> その際、キリル文字のロシア語読みのカナ表記である
> 「ゲーペーウー」が使われ、それが定着した。
> "КГБ"
>  戦後、主に英米のスパイ小説・映画(の翻訳)を通じて。
> いったん"KGB"とローマナイズされたものを、
> 英語式(<日本語式>か?)に読んだ「ケージービー」が広まった。
>  しかし、ロシア語読み「カーゲーベー」を
> 用いることもあるので、両方の読みが成立。
>  ということです。
> # あくまで想像です。(^^;

つまり、KGBの例は英語から入ってきたものであり、
純粋に日本人のアルファベットを
英語読みするようになった傾向とは
背景的に異なる、ということですね。

常に輸入元の言語を
(もっと詳しくいいますと、
 輸入元での正式名称を表記した言語を)
優先するというやり方ならば、
この種の問題は発生しないと思いますよ。


<「セリエいち」について>
> ……要は、「Serie 1」全体を音訳すべきか、
> 部分的に翻訳するか、ということです。
>  後者の立場なら、"A"も、
> <ラテン・アルファベットの最初の字>という意味で
> 「エー」と日本語訳してよいのではないか、ということになります。

これは、前回にご説明しましたように、
英語以外の「数字」というのが
日本語によってそれほど馴染みのあるものではなく、
唐突にイタリア語の 1 と言われても、
なんという発音なのかわからない、という現状があり、
例外的に「いち」と発音しても、
許容範囲内であると認識されているのかもしれません。

ビタミンの例でもあげましたが、
どうやら2桁以上の数字も日本語としては
馴染みの薄いものであるらしく、
ビタミン B16 は「ビタミン・ビー・じゅうろく」と
発音しているという現状もあります。



濁音→清音

UEJ (2001/02/01 08:35)

もうひとつ
 smooth(スムーズ)→スムース



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