言葉の世界・伝言板 1999年11月




「を」の発音

佐藤和美 (99/11/30 17:55)

 昭和の頃に読んだ本に書いてあったことだったか、ずいぶん前なのでうろ覚えですが、ある地域、時代に学校教育で意識的に「を」の発音を「wo」だと教えていたそうです。「を」を「wo」と発音する地域、年代を調べてみるとおもしろいことがわかるかもしれませんね。
 ちなみに、私も「を」は「o」と発音してます。
(「本を読む」をローマ字で書けといわれれば「hon wo yomu」と書きますけど、発音は別です。)

 学校教育の影響は大きく、「おこなう」の送り仮名をみればある程度の年代がわかるともいいますよね。
 「行なう」、「行う」、どっちを使ってますか?



空穂と「ウ・ツボ」

吉野ヶ里 (99/11/30 08:49)

佐藤さん「ウツボ」についてありがとうございました。
「ウツボ」に「空穂」という漢字を当てたために、語源から乖離してしまったのではないかと
考えます。やはり「ウツボ」は「ウ・ツボ」ではないのでしょうか。
「ウ・ツ・ホ゛」の可能性も否定できません。この場合の「ツ」は連体修飾語をつくる働きが
あると考えられます。
この「空穂」説に対する「ウ・ツボ」と「ウ・ツ・ボ」について、もう一度ご意見を。



「を」について

夕日 (99/11/30 08:18)

平安中期までは「う」に近い半母音〔w〕に母音〔o〕を添えた〔wo〕でした。
しかし、現代の小学校教育では「お」〔o〕と発音するように指導しています。

二重母音について
英語の I〈私〉では,舌が[a]の構えから高母音[i]へ向かって移っていき
[i]の手前で調音を終えてしまうと言います。これは二重母音と考えられています。
一方日本語のアイでは,舌の構えは[a]から[i]に変わり2音節に数えられので
連母音(母音の連続)といっているようです。
この類なら、日本語にはたくさん認められるはずです。方言の音韻を含めれば
複雑な母音が存在すると考えています。
言葉足らずですが、参考になれば幸いです。



アルファベットの語源

ひろこ (99/11/30 00:10)

アルファベットの語源を知っていたら教えてください。Aは牛の頭。Bは棍棒。くらいしかわかりません。よろしくお願いします。



「を」の発音

しろうと (99/11/29 22:41)

教えてください。わたしは三十数年「を」を『oお』と発音してきました。なのに引っ越した先の人達は『woうぉ』だというのです。最初はこの人達なまってると思っていたのですが、各地の知り合いに聞くと、半数以上は『woうぉ』だといいます。日本語にそんな二重音が許されるものなのでしょうか?



「うつぼ」の語源

佐藤和美 (99/11/29 21:30)

 「うつぼ」の語源ですが、
小学館「古語大辞典」に
「筒が中空なので、「うつぼ」という。」
という記事がありました。

「うつぼ」は「靫」以外に「空穂」とも書きます。
こちらの「空穂」のほうが、日本人にとって「うつぼ」のイメージに近いのかもしれませんね。



英語のカタカナ的読み方

佐藤和美 (99/11/29 09:58)

 「ヨーロッパの言葉」に「英語のカタカナ的読み方」を追加しました。

 2年前に長女のために書いたものですが、
英語初心者に少しは役にたつんじゃないかと思い追加しました。

 英語は1500年頃が中世英語と近代英語の分岐点にあたります。
その違いの一つに母音の変化があります。
「a」(アー)の発音が「エイ」に変わった。
「i」(イー)の発音が「アイ」に変わった。
この当たりを含めて書き直そうと思ってるんですが、
いつになることか。

とりあえずは、このままで公開します。



ガム、グミ

佐藤和美 (99/11/27 08:03)

ガムとグミの関係は?

吉野ヶ里さん、よく調べてますねぇ。
こっちの出番がなくなりそうです。(^^);

スペルを見てみましょう。
ガム gum(英語)
グミ Gummi(ドイツ語)
スペルが似てますね。
実はこの二つ、同語源の単語なんですね。
意味は両方とも「ゴム」です。
で、「ゴム」(gom)はオランダ語、
という複雑は関係になってます。

ちなみに、ラテン語は「gummi」です。
英語にはフランス語(「gomme」)経由で入りました。



アイヌ語の弓矢

佐藤和美 (99/11/26 12:37)

 アイヌ語で
「弓」は「ク」
「矢」「アイ」
です。

日本語との関係は全然ないですね。



ガム、グミの語源はラテン語?

吉野ヶ里 (99/11/26 01:03)

ガムは英語でチューイン‐ガム【chewing gum】の略。
これは、中南米産サポジラの樹液からとるチクルあるいは合成樹脂を
ベースに甘味料・香料をまぜて製されたもの。(広辞苑)
一方、グミはドイツ語で【Gummi】のこと。
ゴムのような弾力を持つ、噛んで味わうキャンデー。水飴・砂糖に
ゼラチンなどを加えて作る。グミ‐キャンデーのこと。(広辞苑)

現在のガムの起源は中央アメリカの原住民、マヤ族にさかのぼる。
彼らは高さ15〜20メートルのサポジラの樹皮からとった樹液を固め、
これを噛む習慣があった。その後、原住民に伝わるこの習慣は、
15世紀末に始まるコロンブスの植民地開拓以降スペイン系移民に広がった。
チューインガムとして製品化したのはアメリカ人のトーマス・アダムズで、
1860年ごろサポジラの樹液を固めたものをチクルと称して発売した。
(日本大百科全書 小学館)

つまり、【chewing gum】と【Gummi】は語源が同根の関係にある。
これが答ではないでしょうか。
ゴム gum(英語),Gummi(ドイツ語)ということばは,弾性ゴムがアラビアゴムなどと
同様の植物 gum 質であると考えてラテン語でgummi elasticm と
呼んだことから出ているのでしょう。

はて? 〔gum〕は閉音節、〔Gummi〕は開音節ですね。
ということは、もともと開音節だった言葉の母音が脱落し、
現在の英語になったのですか

以上、月並みですが。ご指導ください。



ガム、グミ

佐藤和美 (99/11/25 12:45)

さて問題です。
ガムとグミの関係はなんでしょうか?
両方お菓子という答えは除きます。(^^)

答えはあした。



30000件突破

佐藤和美 (99/11/25 12:44)

 ついに30000件突破しました。
バイザイイ三唱したいくらいの気持ちです。
夕日さん、おりがとうございます。
これからも質量ともに充実めざしていきたいと思います。
さて、30000件突破記念のクイズでも出してみますか。



30000件突破おめでとうございます

夕日 (99/11/25 08:05)

30000件突破おめでとうございます。
いつも楽しく読んでおります。
皆様の質問、それに対する佐藤さんの
回答の識見の高さに敬意を表します。
さらに質の高い「掲示板」になることを
祈念します。 この「言葉の世界」伝言板は
アイヌ語をはじめ、この世から姿を消しつつ
ある言葉や言語を後世に残す機能があると
考えています。

祈念します。



「うつぼ」と「ゆき」

吉野ヶ里 (99/11/25 06:40)

佐藤さんありがとうございました。
「靫」が「うつぼ」と「ゆき」と二つの訓をもち、
ともに「矢入れ」(弓矢の入れ物)のことだとすれば、
次の仮説は成り立ちませんか。
「う」と「ゆ」は、ともに「弓」を表す語素である。
・「うつぼ」は「う・つぼ(弓・壷)」でしょうか。……@
・「ゆき」は「ゆ・き(弓木)」でしょうか。……A
@Aそれぞれについて、別の解釈もできると
考えます。
ところで、「弓(ゆみ)」は日本語固有の音でしょうか。
アイヌ語と関連があるのでしょうか。
現代韓国語では「hwal」と言っているようです。
他の言語では、何と言うのでしょうね。「yumi」に
近い音をもつ言語はあるのでしょうか。

難読地名の一つをご紹介。
「」という特殊な漢字ををあてた地名があります。
「木」という地名です。
全国、いや全世界の皆さん、何と読むでしょうか。
「木」は、わが国屈指の難読、難解な地名だと
思います。これは「うつぼ・ぎ」と訓じています。
「」は「靫」に当てた字であろうと推測しています。
ご意見をお願いします。





佐藤和美 (99/11/24 12:38)

靫(うつぼ、ゆぎ)(靱は誤用)
「ゆぎ」は平安時代まで「ゆき」と清音。
「靫」は「矢入れ」(弓矢の入れ物)ですね。

吉田茂樹「日本地名語源事典」に「ゆき」に関して以下の記述がありました。
「ユキ
西日本に散見される地名。「ユキ(弓木)」の意が多く、弓を作る所をいう。一説に「ユキ(斉木)」の神木説もあるが、これらの中には「ユキ(柚木)」もかなりあって、柚の木のある意もあろう。」

「ユキ(弓木)」に「ユキ」の訓を持つ「靫」があてられ、その後「靱」に誤用されたというのは、可能性としてはあるかもしれませんね。
(個々に調べなくてはいけませんが)


はじめまして

吉野ヶ里 (99/11/23 06:30)

 はじめまして。私、吉野ヶ里の丘陵に住んでいます。自宅の北からはドルメンとおぼしき巨石が
出土しています。
 さて、佐藤さん。質と量ともに充実したHPに恐れ入りました。今から「伝言板」に参加したいと思います。みなさんよろしくお願いします。
 私の住む日本には語義不詳の地名が多い。東北北部とそれ以南では、地名の傾向に著しい差があるのは、この「言葉の世界」でも公論された通りだと思っています。ちなみに北部九州の難読・難解な地名のほとんどは地形語彙、または行政区画語彙だと考えます。地名が地形に由来するのはごく当然のことですね。
 ところで、私は、今、地名にもちいられている「靭」について調べています。これは「ウツボ」と読みますが、「ユキ」とも訓じられています。この「靭」が「ウツボ」と「ユキ」の両様の訓をもつのはなぜか。また、「ウツボ」と「ユキ」の語源をどなたか教えてください。
 二つ目に、「チャウス・ヅカ」とか「チャウス・ヤマ」というのが散在しますね。古墳にも名づけられ地名となっています。これに「茶臼」の漢字を当てているようですが、このルーツは何でしょうか。



shelter

佐藤和美 (99/11/22 09:34)

「shelter」は語源不詳のようですね。
以下、語源辞典から引用します。。

「shelter 隠れ場;宿らせる.1985(J.Higins).語源不詳。およそ次の三説がある
1)ME sheltro(u)n(scheltrum shield)+truma)troop)の変形とする。しかし、N.E.Dによれば、sheltrumは15世紀末にはすたれているから、shelterの初例までやく1世紀の文献上のの空白がある。
2)f. sheld(shieldの古形)+ -ture(cf.jointure,etc.).
3)f. G schilterhaus (schilderhausの変形) sentrybox,(原義)small wooden structure for sentinel in bad weather(f. schilden to protect) OEの用語はhleo(>lee).」
(研究社「英語語源小辞典」)

OE Old English
ME Middle English
G German
f. formed from



Shelterの語源教えて下さい。

Mako (99/11/21 01:44)

どなたか、゛Shelter゛(シェルター)という言葉の起源、発祥のいきさつ、
そもそもの意味・定義などについてご存知の方、情報をよろしくお願い致します。
アメリカのホームレスシェルターに関して、調べている最中です。



お言葉ですが…

佐藤和美 (99/11/19 13:03)

中村さん、おひさしぶりです。

中村さんの以前(8/16)の書き込みで「フツ相通」のことがありましたが、
それがでてたという「お言葉ですが…」が、
先月、文春文庫ででてたので手にとってみました。
印象は「ずいぶんトゲのある書き方をする人だなあ」です。
ある本の著者の原さんという人の事を、「原某」呼ばわりですからねえ。
それで、この人はこんなことも知らない、と書く。
私はこう言う本は苦手です。

で、「フツ相通」のところですが、
おおむね、正しいようですが、ちょっとヘンなとこもありますね。
ハヒフヘホの発音は平安時代初めごろまで、pa-pi-pu-pe-poだったとか、
十(じふ)を「jipu」と書いておきながら、ジップと書いたりしてます。
それと「フツ相通」ですね。
出典はなんだか知らないけど、これはどうみてもヘンです。



iramkarahote

oripakEsaman (99/11/18 12:01)

はじめまして、
私oripakEsamanは、この度「Ainu puyarA」を制作致しました。
誠に勝手ながら、アイヌについての記事があるこのHPを、
弊頁の、「アイヌ関連情報リンク集」に加えさせて頂きました。
もしご都合がわるくなければ、今後ともよろしくお願いします。

「Ainu puyarA」は、Web上によくある言葉や文化の紹介のみのページではなく、
アイヌと和人の存在について、文化と民族の意味について、
より深く対話出来るページにしたいと思っております。

アイヌに関する話しならなんでも話し合えるページにしたいと思っております。
どのような初歩的な質問でも、言語や文化の話しでも、
あえて差別とも、非難ともとれるものも受け入れていくつもりです。
もちろん、言語や文化の話しもおおいにしていきたいと思っています。

おもえばこの一年、
アイヌ関連のサイトにとっては大変な変化のあった年でした。
行き違い、議論と接触不足による軋轢、目的のあいまいさによる不振、
多くのサイトの相次ぐ閉鎖、縮小といった結果もまた、
アイヌの和人の存在の微妙さ、溝の複雑さを物語るものと思っております。
初めからお互い求めるものがちがうのですから、それも無理はない事です。

今私たちアイヌはても微妙で複雑な状態に置かれています。

長い受難の歴史の中で、言葉と文化の多くが失われ、
本来私達がもっていた「アイヌらしい部分」の多くは和人化してしまいました。
復興運動が繰り広げられている事はいい事ですが、
一度失われてしまったコミュニティを、アイヌとしての生活スタイルを、
もはや昔のままの形で取り戻す事は出来ません。
私達自身も、そして社会の構造そのものも、両方変わってしまったのですから。

既に私たちは、アイヌ語で考える事は愚か、
アイヌ語で日常の会話する事も殆ど出来ません、
頑張って探した所で、身の回りにアイヌの伝統は数えるほどしかありません、
昔ながらの信仰や伝統を保っている者も身の回りに少なく、
人によっては血も薄くなりつつあります。

それでも、場所によっては受ける差別は未だに遜色がないのです。
どこから見てもアイヌに見えないアイヌでさえ、
その魔手からはのがれなれない。

民族とは、一体何なのでしょうか?
アイヌとは、一体誰の事をさすのでしょうか?
そして、そもそもアイヌとは何なのでしょうか?

ただ安穏と踊りつつけるだけでは、それは決して見えてこないと思います。
アイヌだけでこり固まっていてもまた、見えてこないと思います。
まして、言葉や文化にしか興味のない和人に任せられる事ではない。

だから、対話する事に意味があると思いました。
もはやアイヌにとって、和人は単純な外部の抑圧者ではなく、
内部の問題なのですから。 和人=悪、という単純な構図では、
もはや割り切れないほどに我々は混ざってしまいました。
ですが違いは歴然と存在します。

私は何も、ただ無闇に仲良くする為に、
このようなHPを作っている訳ではありません。
笑って握手した所で消えようも無い違い、
その違いを踏まえた上で、せめてもの接点となればと思って活動しています。

盲目にお互いの壁を無かった事のように忘れて馴れ合うのではなく、
その存在を噛み締めつつ、互いに言葉を下ろしていく事が大事です。

アイヌがいなければ、和人という呼び名もまた存在しなかったのですから。

一方的にどちらかが語るのではなく、触れるのではなく、
触れ合える場が存在する事。
その事自体に意義があると思っております。

固い事は抜きにして、まずは腰を下ろして話し合いたいものです。
結論を急がずとも、時間はいくらでもあるのですから。

よろしければ、リンクと訪問をお願いします。
アイヌと何かしらの縁のあったあなたの心に触れられる事を、
心よりお待ちしています。

追伸:
「アイヌ犬」は、使用にあたっては慎重に扱わねばならない表現ではありますが、
それ自体は差別語ではないと思います。
これは、「ギョウジャニンニク」を「アイヌネギ」と言うと、きつい言葉のように聞こえるのと
同じように、気を付けた方がいいという意味で、「アイヌ犬」は、
名称として決して悪いものではないと思うという事です。
よく考えてみるなら、アイヌが伝統的に作ってきた誇るべき品種を「北海道犬」というのも
なんだか白々しい気がしないでもありません。

「キムン」は確かに山という意味ですが、文献がどうあれ、実際クマという意味でも通じます。

http://www.alles.or.jp/~tariq/



英語の「I」は

ビーバ (99/11/17 20:00)

英語で「私は」の意味の「I」を大文字で書くのは、単に見やすさのためです。
「i」のように小文字で書いてしまうと、文中でほかの語にまぎれてしまうからの
ようです(現在ではそんなこともないかもしれませんが‥‥)。
「イギリス人は自己中心的だから、自分のことを大文字で“I”と書くのだ」という
説明もありますが、それなら「my」や「me」も「My」「Me」となるはず。



(無題)

えりこ (99/11/17 14:50)

英語の「私は」にあたる「I」はどうして大文字なのですか?



外来語の子音に何の母音をつけるか

佐藤和美 (99/11/17 09:27)

一般的に子音だけの音節には「u」をつけることが多いでしょうね。
「t」、「d」の場合は「o」が多いでしょう。
(「tree」で「ツリー」なんてのもありますが。)
「H」の[エイチ」みたいに「i」がつくのもありますね。
「i」がつくのは「チ」、「キ」くらいでしょうか?
「インキ」、「ストタイキ」。
「i」がつくのはちょっと古めが多いかな?
「一」(イチ)は古い中国語の語尾「t」に「i」をつけたものですね。
(入声語尾「p」「t」「k」は中国語(普通話)では消滅してますけど)
中国語も千年以上前に入って来た外来語ですから、
子音の音節には母音をつけたわけです。
「肉」(にく)を外来語(音読み)だと知っている人は50%もいないかな?
(「肉」のヤマトコトバ(訓読み)は「しし」です)



アルファベットの読み

佐藤和美 (99/11/17 09:25)

アルファベットの読みですが、私も一言。

H(エイチ)
「eit∫」。これは日本語では「エイチ」になるしかないですね。

L(エル)「el」
これも「エル」になるしかないですね。

N(エヌ)「en」
これは珍しいんじゃないでしょうか。
「n」を「ヌ」にするのはこれくらいしか、思いうかびません。

V(ブイ)「vi:」
これは「ヴィー」(vi:)が「ヴイ」を経緯して、「ブイ」になったんじゃないかと思ってるんですが。
キーウィ(果物)が「キウイ」が経由して「キューイ」と言う人がでてきたのを連想します。

Z(ゼット)
アメリカ英語では「zi:」ですが、イギリス英語では「zed」です。
この「zed」が「ゼット」になったんでしょう。
「bulldog」が「ブルドック」になったりしますよね。
(ソースはいまだに「ブルドックソース」ですね。)
語尾の「d」が「ト」になったのは、これでいくらか想像できます。
「dog」も「cat」も「ドッグ」、「キャット」でなぜか「ッ」が入ります。
2音節語(日本語で)に「ッ」が入りやすいんでしょうか?
最近の「web」も「ウェッブ」っていうのを見たり聞いたりします。
(私は「ウェブ」と言ってますが)



便乗レス

中村威也 (99/11/16 01:28)

佐藤さんお久しぶりです。アルファベットの読みの話題が出ていた
ので、僕の友人の中国人(女性)の意見をひとつ。

JR ジェイアール:Rはアールではない!と彼女は力説します。
   ジェイアー(こう聞こえる)が正しいとか、、、。

それはそうなんでしょうけれど、僕たち子音だけの発音は一般的に
認識されないですから・・・。nくらいなものでしょうか、日本語
中の子音だけの発音は。



アルファベットの読み

muragin (99/11/16 00:08)

先に送った件に付随してですが、その中国人の友人が、
アルファベットを日本語ではどう書くのかきちんと知りたいというので
お教えすると、期待通りの反応が返ってきました。
すべての文字に、びっくりしていましたが、特に激しく反応したものを
いくつか列挙してみます。

H エイチ:カタカナ3文字モアルノ!?
L エル :える〜?ドシテえる〜?(これが一番不思議だそうです)
N エヌ :コレモオモシロイ!
V ブイ :ぶい!?全然チガウヨ〜
Z ゼット:ぜっと!!!へ〜〜〜?

多分、エスとかエフの語尾は日本語人も母音を不通省略するので違和感なかったようですが、
エヌは、はっきりと母音の「u」が語尾に入るので不思議だったようです。
あと、「l」と「r」を全然違う音と認識している人間にとっては
エルの読みはとてもおかしいようです。

でも、多かれ少なかれ、すべての読みに驚いていました。
こういう反応わたしには予想はしていましたが、新鮮でした。

http://www5a.biglobe.ne.jp/~muragin/



日本語の中のカタカナ語

muragin (99/11/15 23:46)

最近知り合った中国青島出身の留学生の方がいますが、
この方が、日本語の中で、英語などから取り入れた
外来語をカタカナで表記する規則性が理解できないという話をしていました。
この方がまだ日本語に十分なれていない部分がありますので、
わたしたちのほうも、それじゃあ、英語ならわかるだろうと思って
カタカナ語をちりばめながら話すわけですが、相手の反応は
「????」
です。それで、もうちょっと、英語っぽく発音しなおすと
「!」
とわかってくれるようです。この方は、なぜ、そのカタカナになるのか理解できないと
しきりにつぶやいています。

わたしなりに、カタカナ表記の規則を説明してみました。

@日本語では子音だけの音、子音が連続する音、という表記がありえないので
必ず、母音を付け加える。そのとき、付け加える音は基本的には「u」。
ただし、「d」音のときは「o」を付け加えて「ド」となる。

A「b」と「v」、「l」と「r」などは全然違う音らしいが、
わたしを含め多くの日本人には「まったく」同じに聞こえるので
当然、表記上も書き分けない。同じというのが、語弊があるならば、
違いがあるのはわからないでもないが、「la」も「ra」も間違いなく
「ラ」という音の範疇だと感じる。
 「b」と「v」については、ふつう、発音面は区別されないが、
表記上は最近「ヴ」の登場によって区別されだした。

B最近、取り入れたカタカナ語ならば、かなり、規則的だと思われるが、
明治期やもっと前に取り入れられたことばはかなり、不規則な音訳をしているので
これは慣れるしかないのではないか。(例:ゼット(z)、イギリス)

C「t」「d」はときに「r」音として音訳されていることがある。(例:プリン)

Dローマ字読みに引っ張られた音訳が定着している場合がある。(例:ウルトラ、ゼロ)



アプラウト(母音交替)

ビーバ (99/11/15 18:42)

こんなのはどうでしょう?

sit すわる(座る)
set すゑる(据える)



i、a、u

佐藤和美 (99/11/15 12:58)

「sing」の過去形は「sang」、過去分詞「sung」
「ring」の過去形は「rang」、過去分詞「rung」
なかなか規則的ですね.

「drink」、「drank」、「drunk」なんてのもありました。
他にも「i、a、u」のセットがあるんじゃないでしょうか。
探してみるのもおもしろいですね。

こういうように、母音がかわっていって、意味もかわっていくのを母音交替というそうです。

そうそう、「sing」には「song」なんてのもありましたね。



中国古典の一人称、二人称

佐藤和美 (99/11/12 12:55)

 前回との関連です。
 中国古典での一人称、二人称には次のようなものがあるそうです。

男性の一人称       吾、余、予、僕
結婚した女性の一人称   妾
結婚する前の女性の一人称 女
身分の低い女性の一人称  婢
男性が相手を呼ぶ二人称  君、子、汝、(相手が女性や妻の場合)汝
女性が相手を呼ぶ二人称 (特に相手が男性の場合)君(敬意をこめた表現)

(佐々木瑞枝「女の日本語 男の日本語」より)

「妾」は「結婚した女性の一人称」とありますね。





佐藤和美 (99/11/10 21:03)

日本語の一人称には「私」、「俺」、「僕」、等いろいろあります。
「妾」は一人称でなければ、「めかけ」と読みますが、
一人称の場合はさてなんと読むでしょうか?

岩波文庫で福田英子という人の「妾の半生涯」という本がありました。
これは「わらわのはんせいがい」と読みます。
「妾」は一人称では「わらわ」だったんですね。

同じ岩波文庫の細井和喜蔵「女工哀史」では、
「妾」に「わたし」とルビがふられてましたが、
これは当て字ですね。

それにしても、どうして「妾」が「めかけ」と「わらわ」なんでしょうか? ふしぎですね。
(漢和辞典で想像はできますが)



cocktail

佐藤和美 (99/11/09 17:09)

「cocktail」
コックテール。意味は「鶏のしっぽ」。のわけないか。

「cocktail」は「カクテル」です。
飲み物の「カクテル」が「鶏のしっぽ」とどう関係があるのか?

大修館書店の「スタンダード英語語源辞典」には
「1806年ごろの米俗語:語源不祥」
と、書いてあるだけです。

19世紀にできた言葉でも語源がわからないんですねえ。
もっとも最近の日本の流行語もギョーカイ用語が多くて語源不明が多くなってる?



国語

佐藤和美 (99/11/08 12:38)

このHPではアイヌ語がメインの一つになってますが、
そういう私から見ると「国語」という表現はちょっと「?」です。
どうやら「国語」というのは「日本語」をさしてるようですが、
日本は単一民族国家じゃないんだし、
「国語」という名がおかしいんだとそろそろ気がついてもいいんじゃないでしょうか。
ずばり「日本語」でどうでしょうか?
学校での「日本語」と「アイヌ語」の選択制というのは当分望めない話でしょうけど。

ある本に東京大学で
「国語学」、「国文学」、「国史学」を、
「日本語学」、「日本文学」、「日本史学」に変えた、
と書いてありました。
こういうのは、どんどん他の学校でも真似してもらいたいものです。
(小中高は指導要領があるので勝手に教科名を決められない?)



日本語の周辺

佐藤和美 (99/11/07 16:51)

このHPでは沖縄方言、アイヌ語、中国語、など、
「日本語の周辺」を扱ってます。

普通、高校までに習う日本語以外の言語といえば英語ですが、
それだけでは大事なものを見落としてしまうのではないかと思ってます。
(大学へ行って、ヨーロッパの言葉だけを習っても同じ事です。)

 沖縄の言葉、日本語と親族関係のはっきりしている唯一の言語。かつての琉球王国の言葉。沖縄の言葉を知ることによって、日本語をより深く理解できるでしょう。

 アイヌ語、日本のもう一つの民族の言葉。北海道の地名がアイヌ語であることを知れば、日本は単一民族だなどとバカなことは言わなくなるでしょう。

 音読みのルーツが中国語だと知ると、中国語に興味がでてくるから不思議なものです。

中国から周辺地域に漢字とともに中国語が輸出されました。
日本ではそれが音読みですね。
それではヴェトナムではどうだったか。
ヴェトナムではフランスの植民地になって漢字は使われなくなりましたが、 中国語は残りました。
ヴェトナムの人名・地名に漢字を当てはめると次のようになります。
ホーチミン 胡志明
サイゴン  西貢・柴棍
ハノイ   河内
(「広辞苑」による)
ヴェトナムも漢字文化圏だったのがよくわかります。
この当たり(中国語、音読み)をキーワードにすれば、日本人にとってヴェトナム語はけっこうとっつきやすいかもしれませんね。
この当たりもいずれまとめてみたいと思ってます。
(現在、本業のコンピュータの勉強で忙しいので、当分手をつけられませんが)



思ったこと

生盛豊樹 (99/11/06 17:04)

日本語と周辺言語の関係解明とは面白いテエマですね.
読むのはまだこれからですが、期待しています.



アイヌ語「ナイ」(川)の分布

佐藤和美 (99/11/05 12:39)

山田秀三はアイヌ語地名研究家としてトップクラスの人でしたが、
(トップそのものだったかもしれませんが)
この人の研究でアイヌ語の川を意味する「ナイ」と「ペツ」の分布を調べたものがあります。
(「アイヌ語地名分布の研究」)
この研究によると「ナイ」の優勢な地域、「ペツ」の優勢な地域があり、
「ナイ」の優勢な地域は北海道では道北から石狩、渡島半島の日本海川にかけてと日高です。
渡島半島の東側は「ペツ」地帯ですが、津軽海峡の反対側の青森県では、下北半島・津軽半島の東側が「ペツ」優勢で、それ以外は「ナイ」優勢です。

つまり北海道の分布と東北地方の分布が連続しているというのです。
このあたりは本を読んでてもぞくぞくしてきます。

また、樺太も「ナイ」の優勢な地帯のようです。

知里真志保は「地名アイヌ語小辞典」で、
「ナイ」について、
「川を古朝鮮語でナリ、現代語方言でナイといっているのと関係があるのかもしれない。」
と書いています。
知里真志保も100%正しいと思っていたわけではないでしょうが、
環日本海的に「ナイ」が広がっていたと空想するのも楽しいですね。



萩原朔太郎

佐藤和美 (99/11/04 12:43)

詩人の萩原朔太郎の「朔太郎」の語源です。

萩原朔太郎の生まれたのは1886年11月1日です。
朔日(ついたち)生まれの長男で、朔太郎というわけです。



ジェット噴射とロケット噴射

佐藤和美 (99/11/03 15:33)

 今日は文化の日、手塚治虫の誕生日ですね。
 ということで、「手塚治虫研究」の「手塚治虫ショートショート」に
ジェット噴射とロケット噴射」を追加しました。



handicap

佐藤和美 (99/11/02 11:10)

 メールでまた質問がきました。
「handicap」の語源が知りたいとのことです。

大修館書店「スタンダード英語語源辞典」には次のように書かれています。
「18世紀から:hand i'(=in) cap 「掛け金を帽子の中に入れたくじ遊び」。
handicap matchは優秀な馬には余分な重荷をつけて勢力が伯仲するようにした競
馬をさし、したがって、handicapは「余分な重荷、不利な条件」を意味するよう
になった。」

こういうのは、個人で考えてるだけでは絶対わからない語源ですね。



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