言葉の世界・伝言板 2003年2月



フランス語・ゲール語・モンゴルの姓

Maniac C. (2003/02/28 03:10)

2/24の投稿に遡ります。
■フランス語
>極端に口蓋化させるのは、下品な発音
…多分、同じ本だと思います。私も見ました。「あまりはっきりと[kja][gja]と発音するのは下品とされ、避けられる」というようなことが書いてあったアノ本ですよね。一般向けの本にはどれも、「[ka][ga]が「キャ」「ギャ」のように聞こえることがある」とは書いてあっても、口蓋化している、と書いてある本は無かったですね。

■ゲール語
 私も気になって、大学書院の『ゲール語四週間』を読みました。で、師匠同様、mhという綴りには[v][w]両様の発音が在り、bhという綴りには[u][w][v]という三通りの発音が在るとも記されていることに気付きました。(実際の音を聞く限り、全部[v]か、狭母音の付くときなどはどちらかと言うと[dz]に聞こえるのですがね…下記のサイトでbh{i´}とmheasを聞いてみてください。phiocも「シヨック」にしか聞こえませんよ)
 また、[wil]と発音する単語bhfuilも載っていました。これはt{a´}の未来形です。
 今考えているのは、もしかしたら、W→Bの変化は、呼格だったのかもしれない、ということです。ゲール語の呼格は、前にaを付けるのですが、語によってはその為、頭音が変わる場合が有ります。まだ詳しく検討していないので違うかもしれませんが、セーイヴィウー(軟音化)の一種ではないでしょうか。多分、破裂音の[b]ではなく、西語などのような摩擦音の[β]だったと思うのですが。

更に前の話題に遡ります。
■モンゴルの姓
 ある本を読んでいたら、次のようなことが書いてありました。
 モンゴルでは1925年に、「民族主義的」という理由で姓が廃止され、どういうわけだか、1999年に復活したのだそうです。この間に自分の姓がわからなくなった人達が、父親や母親の名前を自分の名前の前につけて、同名の人と区別するようになったのだ、と。
 朝青龍の名前はそんな歴史の産物だったのですね。

http://www.fiosfeasa.com/bearla/language/seimhiu.htm



Jusやbrulee、Vertや cassolette

Maniac C. (2003/02/28 03:03)

>Jusやbrulee、Vertや cassolette(香炉?小吃碟xiaochidie)は英和辞典にもなくて苦労しました。JusはJuiceのフランス語版らしく、「汁」のようですが英語のメニューでJuiceでなくJusを使うのは英語使用者の余計な外来語かぶれとも思えます。
と仰る高駒麗人 Koμαさんへ

■jus…英語のjuiceにも「肉汁」の意味が有りますが、特に飲料としては、植物の(絞り)汁に限られることが多いようです(私個人の感覚としては「ジュース」と言われると冷たいもののような気がします。英語では「水」も「湯」もwaterですから、それと同様に、温度による使い分けは無いと思うのですが)。当然、仏語からの借用語で、‘ui’という綴りは[y]の発音を表していました。本家仏国では、jus de viande(=juice of meat)の省略語ですが、料理用語として、au jus(オ・ジュ、「その素材から出た肉汁を煮詰めて作った調味汁をかけて」の意)などと、(英語でもこのまま)使われています。英語ではgravy(調理中に出た肉汁)という、jusのこの意味に相当する語も有りますが、veal jusはveal au jusの意味でしょう; veal with its gravy (sauce)という説明的な名前より、余程短くて良いと思います。余談ですが、肉食民族ではない日本語では、「肉汁」という1つの言葉の中に、meat juice, gravy, drips(冷凍肉を解凍したときに出る、旨味成分を含んだ組織液), dripping(調理した肉から滴り落ちる脂汁、麺{麦包}などに塗る), broth(肉で出汁をとった薄い羹)という雑多なものが含まれてしまうのが、残念です。
■br{u^}l{e´}…英語のburnt(焼いた、炙った、焦がした), scorched(焦がした、炙った), parched(炒った、炙った、焦がした)に当たる単語で、Br{u^}l{e´}eはその女性形です。確かに、英和辞典には載っていませんね。
■vert…英語のverdant(青々とした), verdigris(緑青), verdure(新緑)と関連のある言葉です。仏語では、語末のdが、θを経て脱落してしまいました。
haricotは、英語でも「隠元豆」の意味で使えますが、仏語では面白いことに、後ろに色を表す形容詞を付けることによって意味が少々変わります。即ち、haricots verts(緑)は先日お知らせしたとおり、「莢隠元」ですが、haricots blancs(白)は「隠元豆」、haricots rouges(赤)は「小豆」といった具合です。
■cassolette…確かに、辞書にも「(しばしば蓋に小さな穴が開いている陶製の)香炉、香入れ」という記述が有ります。しかし、もう1つ、「一人前用の小さいcasserole」、即ちcasseroleに指小辞の着いたものだ、という記述も有ります。そこでcasseroleを見ると、「蒸焼き鍋(金属や耐熱性の硝子または陶器製で小さな把手・蓋付きの鍋)」「この鍋で調理した料理、普通鍋のままで供する」と有ります。もしかすると、微妙に綴りの異なるcassoulet(白隠元に、豚肉・羊肉・腸詰・玉葱・赤茄子・香辛料などを加えてcasseroleで煮込んだ料理)のことではないでしょうか。



ЕЛТОН ДЖОН

高駒麗人 Koμα (2003/02/28 02:01)

ManiacCさんへ
Hoisinは「海鮮」ですか。よく考えたら廣東語起源でしょうね。御教授ありがとうございます。
以前、英語のmenuの中の Cha shao がわからず、辞書にもなくて、人に聞いたりした挙げ句、「チャーシュー」の北京語音だと気づいて「東亜細亜語が羅馬字で英語の中に現れると何と分かり難いか」を痛感したのを想起しました。日本では「叉燒」を廣東語音chasiuで取り入れたのでchashaoがわからなかったわけです。
日本人がロシア語を話すときは、джиу-джитсуは「ヂウッヂツ」でいいと思います。日本人が連続子音を分けて発音すると必ず母音が入りますから。
ロシア語のджは英語の dr、北京語の zhに近いわけですね。ロシア語ж(zh)は北京語Rに相当します。
Elton JohnがЕЛТОН ДЖОНと書かれているRussian gazette(ロシアの新聞紙)を見たことがあります。現代人の名なので、ヨハンJohanの露語版ИВАН Ivanでなく英語音に忠実な
ДЖОН Dzhonなのでしょう。
シナ(秦China)語ではヨハンは「約翰」Yuehan、Elton Johnは「艾尓頓約翰」Ai'erdun Yuehan です。Johnを「占」Zhan や「張」Zhang で取り入れるような原音近似表記は、まだ一般的ではないうようです。しかしフランス人名 Jean は「讓」Rangになるようです。
中国で販賣されている角砂糖のメーカーで「正北」Zhengbei(英語名 DRAMBOR)というのがあります。もしピンインがロシア人による発明だったら、zazhi(雑誌)は dzadzhi と記述され、「朱鎔基」Zhu Rongji は Dzhu Zhungdjiのように綴られていたかもしれません。
(「朱鎔基」の露語名はЧЖУ ЖУНЦЗИです)

シナ語の「俄羅斯」Eluosiの略「俄」がng声母で発音される例として越南語があります。たしかロシアを Ngu か Ngo で表現していると思います。「羅」は「羅馬」Luoma<Romaの略として使われています。
「艾尓頓」の「艾」が Ngai-、Ngoi-のように発音されても、それは漢字で書いた以上、避けられない事です。Irelandを写した「愛尓蘭」Ai'erlanは廣東語で Ngoi- と発音されるでしょう。

「豆腐[食羔]」の[食羔]は「蛋[米羔]」の[米羔]にあたり、北京語で gao、日本語音で「カウ>コウ」の筈です。「豆腐[食羔]」が「とうふよう」と呼ばれるのは、「羔(コウ)」とよく似た「恙(ヨウ)」の音を用いた誤読(百姓読み?)でしょう。



Re: どこでもない方向

にれのや (2003/02/28 01:18)

■なるほど、主人公ソーンヒル自身にとっては、どっちだかわからない方向。どっちでもない方向 North by North-West であり、ノースウェスト航空にとっては、シカゴからラピッド・シティーというのは、「北に行く」 というイメージである、と、こう解釈すると、額面が合う、ということですね。これは、ネイティヴが言うからには、無理なこじつけではないんでしょう。
□あと、知りたいのは、ハムレットに north by north-west というくだりがある、と主張する説の真偽ですね。
■東京下町では、「ちゃ、ちゅ」 が 「ち」 になるような例は見当たりません。わたしらの後の世代が 「ちーっす」、「なんちって」、「何つーか」 を使うのはマンガ・TVの影響だろうし。
□やっちった、ちっと、ちびっと、は聞いた記憶がないです。
□ちんちくりんは、東京ではつんつるてん(=服の丈が短い)ですねえ。ちんちくりん、というのは、わたしは、「ちび」、「ぶさいく」 の意味で使っていました。
□チッキは死語でしたね。チンバーは聞いたことありません。
■別の話ですけど、おやじは昭和一桁ですけど、フィルムのことを 「ヒルム」 と言います。



ちゃちちゅちぇちょ

Maniac C. (2003/02/28 00:31)

にれのや師匠

■昨日の続きです。
次のような語は直音化していませんか?
ちーっす←ちゃっす←こんちゃっす←こんちはっす←今日はです
なんちって←なんちゃって←なんてっちゃって←なんて言っちゃって←などと言っちまって←などと言ってしまって
やっちった←やっちゃった←やっちまった←やってしまった
何つーか←何ちゅうか←何と言うか
チッキ←チェック(check, 手荷物預り証)
チンバー←チェンバー(chamber, 室)
しゃっちこばる←しゃっちょこばる←鯱鉾張る
ちっと←ちょっと←ちょいと
ちびっと←ちょびっと←ちょびりと
ちんちくりん←ちょんちょこりん
最後の方は、どれが原形だか怪しいですが。
どうも、特殊音素の前は直音化しやすいようです。
「ちゅ」の例はあまり思いつきませんでした。「しゅ」と違って、「ちゅ」で始まる音読み自体が少ないのですよね。

■ネイティブの語感(ラピッドシチー)
英語サイトではこんな風に書いてあります。
The title isn't necessarily a compass direction. When Thornhill and the Professor travel from Chicago to Rapid City SD in a mainly west, somewhat north, direction, they fly Northwest Airlines. South Dakota is "north" to most of us. As Tim Dirks points out, the title could be lifted from Hamlet's quote, "I am but mad north-north-west: when the wind is southerly, I know a hawk from a handsaw." Alternatively, a movie where Thornhill has no idea which direction he should head should of course be named after a nonexistent compass direction.

http://www.nitpickers.com/movies/comments/27537.html



Re: Bill については、まだまだ調べます

にれのや (2003/02/28 00:23)

■nmyose さんへ。
□わたし自身、William の愛称が Bill になった理由を解明したいので、調査を続行します。次の目標は、W- に始まる英語の固有名詞が、ゲール語でどう転写されるかの例を集めることです。ゲール語の資料は、洋書を含めてとても少ないのでもう少し時間がかかると思います。では。



「北北西」と「北西微北」

Maniac C. (2003/02/28 00:21)

「北北西」と「北西微北」は微妙に違います。前者は16方位の方角で、後者は32方位の方角です。
西から北へ、32方位で方角を言いますと、以下のようになります:
西(W)→西微北(WbN)→西北西(WNW)→北西微西(NWbW)→北西(NW)→
北西微北(NWbN)北北西(NNW)→北微西(NbW)→北(N)。



Re: ハムレットのテキスト

にれのや (2003/02/28 00:18)

■そうそう、これが知りたかったんです。文月さん、だんきゅうです。
これで見ると、どうも、信頼のおけるテキストというのは結局存在しないんですねえ。もっとも、歌舞伎だって、同じようなものでしょうけど。日本で一般に普及しているのは First Folio というものなのでしょうか?
□ところどころのサイトで、ハムレットの原文に north by north-west というくだりがある、という記述や、実際に、それを引用してみせているものがあるのですが、するってえと、このテキストは何なんでしょうか?
■それと、英語のネイティヴ・スピーカーの知り合いがいる方、(多少、教養あるネイティヴのほうがいいですね)North by North-West と聞いて、どんな方角を思い浮かべるのか、あるいは、思い浮かばないのか、あるいは、笑っちゃうような語感があるのか、そのへんを訊いてもらえると、ありがたいな、と思うのですが。
■このヒッチコックの North by North-West 問題を完全に解決したサイトは見かけないので、何とか片をつけたいなあ、と……
■みなさま、ご協力、すぱしばです。
■あっ、それと、Northwest とタイアップがあったとかいうので、タイトルを変えたのだとしたら、なぜ、West by Northwest にしなかったんでしょうか? シカゴからラピッドシティーは西北西なのに。それとも、米国人にとって、シカゴからラピッドシティーは「北に向かっている」という感じがするのでしょうか?



遅くなりました

nmyose (2003/02/27 19:45)

遅くなりましたが、Billの一件、たくさんの情報ありがとうございました。
奥が深いものですね。また分からない事が出てきたらお願いします。



ハムレットのテキスト & NNW

文月千敏 (2003/02/27 16:10)

「ハムレット」にいくつかのテキストがあるか、というお話ですが、もちろんあります。
大山俊一註釈の「ハムレット」によれば、3種類はあるそうです。
その1(First Quarto).'reported text'と呼ばれていて、地方巡業の劇団がいわば「海賊版」的に俳優の記憶をたどって書き留めたものだそうです。1603年ごろのものだということです。
その2(Second Quarto).'Good Quarto'と呼ばれていて、Shakespeare自身の原稿が出版者に売られて印刷されたものらしく、印刷工が組版を作る過程で多くのまちがいが混入し、誤字・脱字・数行の脱落などもあるそうです。1604年または1605年の印刷だということです。
その3(First Folio).これは劇場が所有していた上演用の台本又はその写しで、元の原稿を2重に転写しているので原本とはある程度離れている可能性があるとのことです。これは全集として1623年に出版されました。
この大山氏による'north-north-west'の註釈ではこの前後数行の意味には言及していますが、テキストによる違いには触れていませんので、上記3つのテキストでの差はなかったと思われます。

ということで、Maniac Cさんのテイラ氏の引用にもあるとおり、映画の題名は映画会社の気まぐれによるもので、ハムレットのセリフとはあまり関係ないのでしょうね。それにしても航空会社の名前との「語呂合わせ」のうまさには舌を巻きますね。

ところで前に'northwest by north'を'north-north-west'と同じ方角ではないかと書きましたが、'north-northwest'はまさにcompassのNNWの方角で、旺文社の「ロイヤル英和辞典」にもこのつづりの見出しで、「北北西」(NNW)と出ています。ところが同じ辞書で'by'の見出しの箇所に、'north-east by north'が出ていて、意味は「北寄りの北東、北北東」となっています。('north-northeast'も見出しにあって、この意味も「北北東」(NNE)となっています。)つまり、この辞書では2つを同様の意味に解釈しているということでしょう。
Webster's 3rd Internationalの'by'の項には'in the direction of:TOWARD--used esp. of points of the compass.<sailed north by east>と出ています。これは「北東」に進んだという意味でしょうから、'by'はやはり「・・・寄りの」ということではないでしょうか。
そうすると、研究社の「新英和大辞典」の「北西微北」とは何でしょう?旺文社の「ロイヤル」にも'northwest by north'の意味として同じ漢字が出ています。つまり、この辞書は同じ英語に違う日本語を当てているのです。「北北西」と「北西微北」とは同じ方角だと思われますが、なぜか英語でも日本語でも2つの言い方があるようです。分野によって使い分けているのかも知れませんが、辞書だけではここまでしかわかりません。この2つの言い方がどう違うのか、一度native speakerに聞いてみましょう。



柔術

狐の悠 (2003/02/27 13:38)

丁度1900年頃、イギリスで護身術として"Bartitsu"が紹介されているようです。
この「バーティツ」、日本の柔術と縁があるようなのでその時代には柔術も
紹介されていたと思っていいのではないでしょうか。
取り敢えず参考になるURIを提示しておきます。
http://www.elrosa.com/tisen/70/70050.html
#あとは皆さんの(私とは違った視点での)調査能力にお任せします。



コーランについて

辻本裕幸 (2003/02/27 12:48)

中国回族の漢語の中に、どれだけ借用語としてのアラビア語がはいっているかを調べたいのですが、なにかよい文献はないでしょうか?あと漢語コーランは日本でも中国国内でもいいのですが、手に入るのでしょうか?中国の清真寺(モスク)には大体置いてあって、販売してもらえるものなのでしょうか?どなたか情報提供をお願いします。



柔術を広めた人

Maniac C. (2003/02/27 04:21)

思い当たるのは、コンデ・コマこと、前田光世では…?
あるいはヒクソン・グレイシーか?



Re: しくだい、しじつ

にれのや (2003/02/27 04:07)

■そう言われてみると、あたしは、東京の下町の生まれ・育ちですが「宿題=しくだい」「手術=しじつ」です。
□じいさんは、「若い者たち」のことを「わけえし」と言っていましたが、たぶん「若い衆」のことでしょうね。
□そういえば、歌舞伎・落語の『髪結新三』は、「かみゆいしんざ」ではなく「かみいいしんざ」だと、演劇評論家が言っていた。
□ただ、東京下町は「ちゅ」は「ちゅ」でしたね。「焼酎」は「しょうちゅう」。「あさしひんぶん」は実際に聞いたことがあります。
■ひょっとして、明治時代あたりに、日本の柔術の団体かなにかが、欧州に人員を派遣して、柔術の普及につとめたりしたんではないでしょうか? こんなに、組織立って伝わっている日本語ってあまりないですよね。
■関係ないことですけど、じいさんのことで思い出したことが。明治生まれでしたけど、ロシアのことを「おろしや」でなく「おろしゃ」と言っていました。他に、「カムチャッカ」、「ウォッカ」、大連は「だいれん」。最近は、「カムチャツカ」、「ウォツカ」、「たいれん」なんてのをよく聞くんで。



柔術

Maniac C. (2003/02/27 03:46)

にれのや師匠
■先日私が書き込んだ独語も、Jiu-Jitsuと書いて[´d3i:u´d3itsu]、つまり「ヂーウ ヂツ」と発音します。
■仏語では、同じくjiu-jitsuの綴りで、[3iy3itsy]、つまり「ジユジツュー」と幼児のような発音をします。
■ついでに蘭語では、jioe-jitsoeと綴りまして、[ji:u:´jItsu:]([:]は全て半長音)、つまり「ユィーウー イェツー」(こんなん言われても柔術だとは判れへんわ!)と発音します。
■尚、日本語で拗音が直音化するのは、近世前期の上方語にも見られ、「かゆい」→「かいい」、「かみゆい(髪結)」→「かみいい」のような「ゆ」が「い」になるのも含めて、近世江戸語の特徴です。現代語でも、私の知る限り、栃木・茨城・山梨・静岡(つまり東京周辺)でも、この直音化が見られ、「若い人達」のことを「わかし(若衆)」と言ったりします。栃木などでは、「焼酎」を「しーちー」と言われたり、自転車屋さんの店頭で「五段チンジあります」(変速装置のこと。いやー、外来語にもこの言い癖は及ぶのですね)などと大書された貼り紙を見たりして、吃驚したことが有ります。ついでに言うと、「宿題」や「手術」も、普通、「しくだい」「しじつ」です。



ロシア語の柔術の表記について。お詫び

にれのや (2003/02/27 02:58)

【ロシア語の 柔術 について】 毎度、にれのやのお詫びです。
■ロシア語で「柔術」は дзю-дзюцу と書くと、わたくし、先日申しました。実際、20年間、そうだとばかり思っていました。理由は、「柔道」 を дзюдо (dzjudo ヅュドー) と言うことからの類推でした。
□きのう、柔術を辞書で探して驚きました。なんと、джиу-джитсу(dzhiu-dzhitsu)と綴るのです。これは、驚くべき綴りです。少なくとも、ある程度、ロシア語を研究してきて、初めて、この綴りを知ったら驚くはずです。日本語の「じゃ、じ、じゅ、じぇ、じょ、ず; ぢゃ、ぢ、ぢゅ、ぢぇ、ぢょ、づ」の転写には、ふつう、дз(dz)を使います。дж(dzh)を使うなどという例は他に見たことがありません。ロシア人が、日本語の「じゃ、じ、…」の音を聴いたとき、з や дз を思い浮べることはあっても、дж を思い浮かべることは、まず、ないと思います。しかも、この джиу-джитсу のアクセントがふるっているのです。дж`иу-дж´итсу [,ヂーウッド'じーツゥ] だというのです。
□この綴りからは、たくさんの面白いことが読み取れます。まず、цでなくтсを使っていることと、джиу-の у ではなく и にアクセントが来ていること。これは、耳で聞いて書き写したのではなく、ローマ字で書かれたものをロシア文字に転写したことの証拠です。つまり、もとに Jiu-Jitsu というローマ字表記があったと考えられます。
□この jiu-jitsu という表記は、英語の表記 jujitsu と微妙にことなります。そう、2文字目に、英語表記にはない i が入っているのです。これは、日本語のいわゆる旧カナの「じうじゆつ」の「じう」に影響されたものと考えられます。英語のほうは、実際の発音、「じゅう」に従ったのでしょう。
□さらに面白いのは、ロシア語、英語ともですが、「術」を джитсу (dzhitsu),jitsu と「じゅつ」ではなく「じつ」にしていることです。わたしはよく落語を聴くんですが、明治・大正生まれの噺家は、「じゅ、しゅ」の音を「じ、し」で発音するという面白い癖があります。他の土地のことはわかりませんが、少なくとも、江戸の下町の発音には、「じゅ、しゅ」がなかったのだと思います。五代目の志ん生あたりは、「おまいさん、なんかジツを使うんだろ。女の子の喜ぶような」という具合に発音しています。他にも、「(内藤)新宿」は「しんじく」、「千住」は「せんじ」、「意趣返し」は「いしがえし」といった具合です。大正生まれの五代目小さんもそうでした。つまり、この jitsu という表記は、おそらく、明治あたりに行われたものではないかと思います。
■いずれにしても、「柔術」 は джиу-джитсу でした。どうか、おまちがえのないように。



ロシア語の ДЗ,ДЖの発音について

にれのや (2003/02/27 02:55)

【ロシア語の ДЗ,ДЖ の発音について】 くどいようですけど、わかりやすい例を見つけましたんで……
■ДЗ  これは、/dz/ という破擦音でないことは、すでに述べたとおりです。/d-z/ と分けて発音します。
これの分かりやすい例なんですが、松井のヤンキース入りのあと、米国英語の Godzilla のネイティヴの発音を聞く機会が、みなさん、多くなりましたね。どう聞こえますか? そうですね、「ゴッヅィラ」 ですね。英語で、純粋な破擦音 /dz/ が現れるのは語末で、-s がついた場合だけなので、Godzilla のように、語中に -dz- が現れると、英語のネイティヴ・スピーカーは、god-zilla と分けて発音するらしいのです。これと同じことが、ロシア語の дз でも起こります。そして、これは語頭でも起こるのです。難しいけれど、ちょっとやってみてください。ロシア語で дз- で始まるのは、擬音語・略語を除くと、外来語のみです。дзюдо [ヅジュ'ドー]←無茶な表記ですが、ほかにどうしようもないので……
■ДЖ  これも、破擦音ではありません。 /d-ж/ と分けて発音します。
この音の出し方なんですが、英語の dry の dr の音を出してみてください。dry は耳で聞くと [ジョライ] のように聞こえますね。これはどういうことかというと、[d] という破裂音で始まり、舌先が後ろに向かって反り返ってゆくなかで、/ж/ のようなわたり音を生じ、舌先が硬口蓋に向かって完全に反り返ったところで、/r/ という流音が生じるために、[ヂョラ-] のような音になるのです。
□実は、дж の音は、この英語の dr の音とほとんど同じ舌の動きで出されるのです。最後に /r/ の音を出すのではなく、舌と硬口蓋との間を狭めて /ж/ の音にすれば、джの音の出来上がりです。この音は、西欧諸語では、英語とイタリア語からの借用語に現れます。Джон [ヂジョン]。
□この音は、語中であれば、出すのは簡単です。たとえば、таджик ならば、[タッド・'じーク] と分けてしまえばよいのです。実際、ロシア人は、このように分けて発音します。



すぱしーば、みなさん

にれのや (2003/02/27 02:05)

■みなさん、北北西について、いろいろ調べていただいて、すぱしばです。
そうそう、Maniac C. さんの調べてくれた Kenneth McKenna, the head of the MGM script department が、すべての問題の発端なんです。つまり、土壇場で North by North-West になったと、このいきさつがもっとはっきりするといいんですが、これ以上の記述はどこにもないんですね。
■それと、North by North-West という方角も、どうやら、みなさんのおかげで、存在しないらしいことがわかりました。
■あと明確に知りたいことは、『ハムレット』の底本にいくつかバージョンがあるのか、どうか、という点なんですが。こういうことは、どうやって調べるんでしょうか?



北北西

Maniac C. (2003/02/27 00:11)

>North by North-West:
>> 原題の意味は現実の方位を表しているのではなく、「ノースウェスト航空で北(サウスダコタ)へ」という意味だそうです。(@Maniac C. さん)
>それなら、最初の north の前に何らかの(例えば to, toward)前置詞が必要なのではないでしょうか?
→この場合の‘north’は名詞「北」ではなくて、副詞「北へ」です。
下のような(ちょこちょこ誤記の有る)記述も有ります(“northwest by north”は、青蛙さんの仰るとおり、32方位の「北西微北」を表しますし、「航空の機」とは何だ?)

この映画の原題は North by northwest である。しかし、このような言葉はない。北北西という場合は Northwest by north が正しい。この点について、いろいろな議論があった。「ノースウェスト航空の機で北へ」というシャレが入っているのではないかとの説もあり、いかにももっともらしかった。 しかし、ヒッチコック自身の解説によると、主人公の混乱した精神状態をあらわしているのだそうだ。邦題も「北西北へ進め」とか「西北北へ進め」とかしたほうが、このムードが出せたかもしれない。あわてふためいて、わけのわからない方角をかけまわる気分である。私たちにはピンとこなくても、英語国民には、この原題が奇妙な印象を与えるらしい。ヒッチコックの芸の細かさとユーモアには敬服させられる。
************************************* 「北北西に進路をとれ」(英和対訳シナリオシリーズ22、南雲堂、1966年5月20日、220円)の6ページから http://cinema.media.iis.u-tokyo.ac.jp/comment.cgi?u=1820&mid=595

また、J.R.テイラは別なことを言っているようです。(全文引用)
But first, before I discuss this adventure-tradition in relation to North by Northwest, I should point out a misapprehension that has taken hold concerning Hitchcock’s film. Time and again, you read that the film’s title alludes to Shakespeare’s ‘Hamlet’, where the Danish prince exclaims, ‘I am but mad North, North-West: when the winde is Southerly, I know a Hawke from a Handsaw’ (II, ii, 405). Not only that, but you often find that the critics and scholars who quote this passage in relation to North by Northwest then proceed to interpret the film as if it were itself a close variant of Shakespeare’s play! Well, the truth of the matter is otherwise, as clearly shown in ‘Hitch’ (1978), the official Hitchcock biography by John Russell Taylor. There, Taylor records how the film’s main working-title of In a North-westerly direction was finally altered by Kenneth McKenna, head of the MGM script department, to North by Northwest simply for want of anything better - though no doubt a punning reference to the name of a certain airline was intended. ‘Any allusion to Hamlet’s madness was entirely accidental’, says Taylor firmly (p. 248).
http://www.larkfarm.com/weblog_item.asp?LogID=2397

英語の「北西」及び「北北西」の歴史
■「北西」…名詞としては1121以前初出。形容詞としては1390年初出。副詞としては古期英語時代より在り、初出年不明(norθwest←ルーンのthornをギリシャ文字のθで代用)。古期英語時代の形容詞形はnorθanwestan。
■「北北西」…現代英語の標準的綴りとしてはnorth-northwest。名詞としては1380年頃のチョーサの作品に初出。形容詞としては1398年以前に初出。副詞としては ?1475年。中期英語での語形はnorth-north-west(ハムレットに出てくるのはこの語形)。
■概して、8方位は古期英語時代から在るようですが、16方位は中期英語からのようです。航海技術が発達して、細かい方位が必要になったのでしょう。
■ちなみに、『ハムレット』は1601年らしいです(初演は1602年)。私も英語のサイトをいくつか漁りましたが、ハムレットの台詞としてnorth-north-westと引用する文章が多い中で、north by northwestと引用している文章も少数ながら見かけられるので、これは明らかに原典に何種類か在るのだろう、と推測されます。機会が有れば調べてきます。



>ピアノ/ピヤノ

Maniac C. (2003/02/27 00:10)

>ピアノ/ピヤノ:
>Maniac C. さんご指摘のとおり、原音(イタリア語音) は [pja:no](←簡略表記しています)です。日本語(外来語)となった経路は不明ですが、吉沢典男・石綿敏雄『外来語の語源』角川書店・1979 によれば、楽器の「ピアノ」は英語から、音楽標語の「ピアノ」はイタリア語からとなっています。
>このような例は、他にもダイア(モンド)/ダイヤ(モンド)、タイア/タイヤ、ダリア/ダリヤなどがあります。これらは表記に揺れがある例ですが、前二者については「ヤ」が優性ですね。
→先日書き込んだ『外来語の表記』ローマ字3の4の続きに「注1 『ヤ』と書く慣用のある場合は、それによる。/〔例〕 タイヤ ダイヤモンド ダイヤル ベニヤ板」と有ります(「/」は改行を表しています)。『角川外来語辞典』に依ればそれぞれの初出は1911, 1864, 不明, 1929と、ある程度古い言葉です。天竺牡丹も、天保年間(1830-1844)に遡るそうですので、相当に古い、「慣用のある場合」に相当すると思われる言葉です。



最近の書き込みから

青蛙 (2003/02/26 08:03)

まずはお詫びから。

「Kom?」と化けました →「Kóm」と化けました
(NOTEPAD に貼り付けると「Kom?」と化けてしまいます)
ロシア文字の「イェー」→ ロシア文字の「イョー」
表示嘉納 → 表示可能

普通の掲示板でも誤記をしでかしてしまうのは恥ずかしいことなのですが、こういう言葉を扱った掲示板で↑のような安直な誤記をやらかしてしまうと、もうどうしようもないですね。
(「ギリシア文字の『フィー』」はわざとです。私、ギリシア文字は日本語読みすることにしていますので)

フランス語の -ne [-n]:
日本で「−ヌ」と表記するのは、松茸さんも示唆しておられるとおり、フランス語に音素として存在している鼻母音と差別化を図ったものだと思われます。私にはヨーロッパ語の [n] はンとヌの中間に、[m] はンとムの中間に聞こえます。つまり、どちらで表記しても構わないが、厳密にはどちらも間違い(音を正しく表せない)ということではないでしょうか。

ピアノ/ピヤノ:
Maniac C. さんご指摘のとおり、原音(イタリア語音) は [pja:no](←簡略表記しています)です。日本語(外来語)となった経路は不明ですが、吉沢典男・石綿敏雄『外来語の語源』角川書店・1979 によれば、楽器の「ピアノ」は英語から、音楽標語の「ピアノ」はイタリア語からとなっています。
このような例は、他にもダイア(モンド)/ダイヤ(モンド)、タイア/タイヤ、ダリア/ダリヤなどがあります。これらは表記に揺れがある例ですが、前二者については「ヤ」が優性ですね。

North by North-West:
> 原題の意味は現実の方位を表しているのではなく、「ノースウェスト航空で北(サウスダコタ)へ」という意味だそうです。(@Maniac C. さん)
それなら、最初の north の前に何らかの(例えば to, toward)前置詞が必要なのではないでしょうか?
●研究社『新英和大辞典』(第5版)から
“north-northwest”の項
 |I am but mad 〜. わしは風が北北西の時だけ(断続的に)狂っているのだ
ちなみに『新英和大辞典』には“north by north-west”は立項されていません。
次に、同書の“compass card”の項を見ると、文月さんが調べられたように、羅牌の図が挿まれていました。それを見ると、“north by north-west”なる方角は存在しません。by には「1点だけ…の方に寄って」という意味があります。1点とは32分の1周、すなわち11度15分(11.25度)です。つまり、 by の後ろには東西南北のいずれかが来ることになるのです。north by north-west ではなく northwest by north なら「北西微北」、すなわち北西の微かに北寄りという意味になるわけです。

↓"north by north-west" Hitchcock Hamlet で検索
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&inlang=ja&ie=Shift_JIS&q=%22north+by+north-west%22+Hitchcock+Hamlet&btnG=Google+%8C%9F%8D%F5&lr=



Re: ついでにロシア語の н のわたり音

にれのや (2003/02/26 03:07)

■Дзюнъити の硬音符 ъ は、本来、日本語で「ニ」ではなく「ンイ」であるために入れるものですが、このような場合、ロシア人は [n] と [i] の間にわたり音 [n] を入れずに発音できません。また、後続の母音 [i] によって、先行する硬音符の前の子音 н も軟音になり、実際の発音は、Дзюньнити になります。
■硬音符と同じ働きをするものに、ハイフンがあります。ハイフンの位置にも同じくわたり音が入ります。シベリアのブリャート語(モンゴル語)の地名 Улан-Удэ の発音は、[ウらヌ・ウデ] ではありません。[u,lannu'de:] (ウらンヌデー)です。



追加 乾酪 奈翁

高駒麗人 KOMA (2003/02/26 03:06)

>■Classical Lobster thermidor…古典的「ロブスター・テルミドール」(火を通し、賽の目に切った伊勢海老の肉と茸などを凝乳調味汁で和えてその殻に戻し、乾酪をかけて焼き目をつけた料理。奈翁による命名で、最初にこの料理が出された熱月に因むと謂う)
「乾酪」はチーズでしょうか?シナ(CHINA)語で「干酪」ganlaoはチーズのことで、cheeseの音を写した「芝士」zhishiもあります。「干酪」は分かり易いですが「芝士」では芝刈り屋さんのようで不可解です。安易に外来語を使うと、その言語の学習者にとって却って難しくなります。

ManiacCさんは欧州語がご専門にようですが、漢字をたくさんご存知ですね。
「佛蘭西(フランス)」や「奈翁(ナポレオン?)」はカタカナでいいと思いますが。
中国では「法国」Faguo(おそらく「法蘭西共和国」の略)、「拿破侖」Napolunです。
William Shakespeareは「威廉・沙士比亞」Weilian Shashibiya、この作家も Billと呼ばれていたのでしょうか?

http://kuni-69.csidenet.com/com65.htm(Cassolette de homard オマール海老の香炉仕立て)

口蓋化:caramelにはキャラメルとカラメルの2種類の日本語名がありようです。buffetについて、私はビュッフェと覚えていますが、ブッフェと言う人もいます。ブッフェは英語音からでしょう。

http://dmi.vis.ne.jp/bookmarks/koujien.html



Re: ロシア語のдз

にれのや (2003/02/26 02:56)

KOMAさんへ
■このサイトで何度も書いていますが、ロシア語の дз, дж は「破擦音」ではありません。
■ロシア語の音韻に /dz/, /dろ/ はないのです。ロシア人の発音をよく観察してみてください。もっとも、дз, дж はめったに現れませんが。
■語頭の дз, дж を聞き取るのはかなり難しいですが、わたしはネイティヴの人に確認をとりました。
■Дзюнъити の語頭の発音をカナで書くのは不可能なのでああなりました。IPAで書くなら
   [d zjunj'nji:tjI] (ただし、[j] は先行する文字の右下に小さくつける)
となります。もちろん、d と z は別に発音します。



Cassolette Дзюнъити

高駒麗人 KOMA (2003/02/26 02:46)

(フランス語メニュー)http://www5e.biglobe.ne.jp/~pauke/genzo/menu02.html
ManiacCさんへ。料理名についてご説明誠にありがとうございます。
Surf&Turfは「海の幸と山の幸」、「ロブスターとビフテキ」ですか。ご教授頂き、わかって嬉しいです。すぱしーば。
http://mimiyori.com/14-atlanta/idobata.html
http://www.so-net.ne.jp/overseas/usa/taste/backnumbers/011001/

Jusやbrulee、Vertや cassolette(香炉?小吃[石+喋の右側]xiaochidie)は英和辞典にもなくて苦労しました。JusはJuiceのフランス語版らしく、「汁」のようですが英語のメニューでJuiceでなくJusを使うのは英語使用者の余計な外来語かぶれとも思えます。
blazedの他に teriyakiがあったり、skewed boiled sheep meat(串焼き羊肉)と言えばいいのに、レストランによってはトルコ語で shish kebabと言ったり ロシア語で shashlickとも言ったり…、muttonもフランス語期限のようですし。英語国のお年寄りは「外来語の氾濫を嘆く」ことはないのでしょうか?
私は「シシカバブ」という詞を最初聴いた時、獅子と河馬か蕪の料理かと思いました。

http://www1.quolia.com/ryukyu-goten/ryouri/touhuyou.htm
「豆腐よう[食羔]」は中国の「腐乳」に似ています。英和は「豆腐よう」とあるだけで「よう」の漢字は書かれていませんでした。tofu豆腐なら bean curdで、curdなしの fermented beanでは「醗酵した豆」の可能性もあるように思えます。
http://homepage2.nifty.com/Gat_Tin/kanji/doji.htm

ドイツ人はjudo(柔道)をユードーと発音するそうですが人名のJunichiroは原音尊重なのですね。
にれのやさんへ
■ロシア語で、日本人の名前「じゅんいち」を
Дзюнъити [ドジュン'ニーチィ]

Дзюはドジュでなくヂュだと思います。
ドジュですとДозю[dozju]になります。
日本語の語頭のジュはヂュになり、Дзю[dzju]はヂュをあらわしますから
Дзюнъитиは[ヂュニチ dzjunit'i]で、原音にちかいと思います。
нъиのようにнとиの間に硬音記号ъが挟まっても「ニ」のように続けて発音されるのでしょうか。「ヂュヌイチ」のようになるのでは?
しかし「ヂュヌイチ」はДзюнуитиで、母音y[u]がついているだけですね。

>■ロシア語では「柔術」は
дзю-дзюцу [ドジュッド'ジューツゥ]
dzjudzjutsu これもヂューヂュツになるから、この綴りでいいでしょう。
日本語のツはцуよりцыのような気がしますが…。西日本ではツー(津)でも唇が丸くなるのでしょうね。

日本語の習慣では、pepperは「ペッパー(胡椒)」であり、促音なしの「ペパー」は peppermint「ペパーミント(薄荷)」のことだそうです。こっちのほうが目眩がします。

検索エンジンには色々ありますから、こちらも試してみます。



Re: ハムレットについて

にれのや (2003/02/25 23:27)

文月さん、ありがとうございます。しかし、やはり判然としません。
■シェークスピアについて、わかる方は、いませんかぁ?
『ハムレット』に、底本の違うものがある、というような事実はないでしょうか? 自分で調べようとしたのですが、シェークスピア関連の書物というのは、「基本的な知識はもうあるね」状態で解説を始めているので、わたしのような者にはぜんぜん役に立たないのであります。
■テキストによって、north by north-west/north-north-west のような違いがある、というような事実はないでしょうか? ちなみに、わたしが調べたハムレットは、すべて north-north-west でした。第2幕 第2場というんでしょうか、そこです。
■ヒッチコックの信頼のおける伝記本に、20世紀フォックスの文芸部長だか、誰だかが、『ハムレット』から north by north-west を引用した、とあるのです。
■ちなみに、映画は、ニューヨーク→シカゴ→ラピッド・シティーと、ほとんど West に向かって話が進みます。



North by Northwest

文月千敏 (2003/02/25 16:11)

確実なことはわかりませんが、わかることだけお知らせします。

「ノースウェスト航空」は正確には 'Northwest Airlines' で、この会社名 'Northwest' はhyphen無しの1語です。

映画の題名も 'North by Northwest' で、「ノースウェスト航空で北へ」という意味のようです。(映画の邦題の訳が間違ったか、意図的に意味深長な「北北西に進路をとれ」にしたのか、どちらかでしょう。私の記憶でもこの映画では「ノースウェスト機」の意味だったと思います。)

'north by west' は「北西」で、羅針盤を時計の文字盤に見立てると、ちょうど10時と11時の中間に当たるようです。(羅針盤は16等分されているので、「北西」は9時から12時までの15分を4等分した真ん中になるようです。)したがって、'northwest by north' は 'north by west' よりも1 point分だけ北に寄って11時少し過ぎ、くらいの位置ではないでしょうか。
'north by northwest' というのは私の見た辞書 Webster's Third New International には見出し語では出ていませんが、compassの挿絵では 'northwest by north' の場所には 'NNW' と記してあります。なぜだかわかりませんが・・・。

ここから先は推測ですが、もしハムレットが 'north-north-west' あるいは 'north by northwest'と言っていたとしたら、その古い形が羅針盤の上に残って 'NNW' となったけれども、現実のことばの方はなぜか 'northwest by north' になってしまった、とは考えられませんか?それが、辞書の見出しと羅針盤の表記の不一致として残っている、のかも・・・?



Re: North by North West

にれのや (2003/02/25 00:25)

A Maniac C.
■確かに「ノースウェスト航空で北へ」という洒落が入っているのはわかります。
□しかし、このタイトルは、ヒッチコックが決めたものでなく、20世紀フォックスの文芸部長だか誰だか(確か名前ははっきりわかっている)が、ヒッチコック流の「不条理」を表す表現として、狂気を演ずるハムレットのセリフから取ったのだと、伝わっています。
□わたしが、知りたい点は、『ハムレット』の問題の箇所に、"north-north-west" とするテキストと "north by north-west" とするテキストがあるようなのですが、わたしが探す限りは、どのテキストも "north-north-west" としているのです。これはなぜなのか、というのが、疑問の(1)。
□もうひとつの疑問は、シェークスピアの時代は、north by north-west で「北北西」を表したのか、という点です(2)。どんな、大きな辞典にあたっても、north by north-west で「北北西」を表すたぐいの例は出ていません。前置詞 by は、方角を表す際に、…の方角に少しずれた、という意味を表す、としか、語義が出ていないのです。
□サイトの検索は、だいぶ前からやっています。収穫なしでした。



North by North West

Maniac C. (2003/02/24 23:51)

Кусумару Ниреное

■原題の意味は現実の方位を表しているのではなく、「ノースウェスト航空で北(サウスダコタ)へ」という意味だそうです。
■ハムレットの台詞は「私の気が狂うのは(お前たちの来た)北北西の方から風が吹くときだけだ、南の風が吹くときは鷹と鷺の区別も付く。」と言うやつで、気の狂った振りをしているときに言う台詞です。
■2つの共通点は、物語の先の見えない感じ・主人公の狂気じみた感じ、ということらしいです。
■すいません。私は映画も舞台も見たことないので、どちらも筋が判らないのでこれ以上書けません。「ハムレット 北北西」で検索すればかなり解ると思います。




Re: ロシアの柔術

にれのや (2003/02/24 23:06)

■ロシア語では「柔術」は
     дзю-дзюцу [ドジュッド'ジューツゥ]
です。んなもん、発音できるかい。でも、ロシア人は発音するんですね。



料理名 他

Maniac C. (2003/02/24 22:53)

■Surf&Turf…「ロブスター[エビ]料理とビフテキがワンコースの料理」だそうです。何でやねん! と思ったら、下記のサイトに「Surfはシーフード、Turfは肉を意味します。」と有りました。何じゃい、「海のもんと山のもん」の西洋版かい!
http://mimiyori.com/14-atlanta/idobata.html
実物を見たいのなら、こちら。
http://www.so-net.ne.jp/overseas/usa/taste/backnumbers/011001/

■Almond,Capers and Veal Jus…巴旦杏、風鳥木の蕾の酢漬け、仔牛肉の肉汁
■Charred Red Onion,Haricots Verts,Balsamic Dressing…黒焦げにした赤玉葱、莢隠元、バルサミコ酢(葡萄液を煮詰めたものを原料として酢酸発酵させたもの)の調味汁
■Butter Squash ant Potato "Risotto”…乳油味の南瓜と馬鈴薯の伊式焼飯
■Hoisin and Fermented Bean Marinated et cetra…海鮮と発酵させた豆の酢漬けなど
■「豆腐よう」の「よう」とは?…餻

■Algaeは、羅語Alga「藻」の複数形で、「藻類」の意味。
■Zonin Soave of ItalianのZoninは伊国の葡萄酒醸造所ゾーニン社。Soaveは伊国の辛口白葡萄酒の銘柄「ソアーヴェ」。どちらも固有名詞なので、「ゾーニン・ソアヴェ・イタリアン」は致し方ないのでは。敢えて言うなら「ゾーニン社製のイタリアン・ソアヴェ種の葡萄酒」となるでしょうが、「佐浦社製の宮城浦霞種の日本酒」というような冗長な言い方です。通なら「浦霞」と言えば、ああ、あの日本酒ね、と判るように、多分、葡萄酒通には「ゾーニンのソアヴェ」と言えば、あぁあれね、と判るのでしょうね。
■Pignutは色々別名が有って、「1. hickoryの1種pecan, 2.earthnutの1種hog nut」と有り, earthnutには「1. 落花生など各種植物の根・塊茎・地下の莢果, 2. 地中に生ずる食菌、特にtruffle(世界三大珍味の一つ、仏蘭西松露)」と有ります。

■「ホセ(Jose)」は Josephのスペイン語版でしょうか。→そうです。
■マリー・アントワネットMarie Antoinette→彼女の“幼名”はマリーア・アントーニアMaria Antoniaです。ルウィ・オギュストと結婚して上記のように呼ばれることになります。

■cafe'は「キャフェ」でなく「カフェ」→多分、英語経由です。写真機ケァームラのことを日本語で「キャメラ」と言うのは気障な人で、普通は「カメラ」と言うところからも判ります。

■Classical Lobster thermidor…古典的「ロブスター・テルミドール」(火を通し、賽の目に切った伊勢海老の肉と茸などを凝乳調味汁で和えてその殻に戻し、乾酪をかけて焼き目をつけた料理。奈翁による命名で、最初にこの料理が出された熱月に因むと謂う)
■Cayenne Pepper…粉唐辛子。英語的には「カイエン・ペッパー」

以前から思っていたのですが、検索するにはヤ○ーではなく、ゴ○グルの方が良いのではないでしょうか。私の「お気に」です。http://www.google.com/intl/ja/

小泉首相は独語綴りでもJunichiro Koizumiのままです。
ちなみに、英語・仏語からの借入語はg・jでも言語の発音を保っています。
更にJiu-Jitsu(柔術)という独語も在ります。



シェイクスピアのハムレットについて、まじめに質問

にれのや (2003/02/24 22:32)

■ヒッチコックの映画『北北西に進路をとれ』の原題 "North by North-West" は、シェイクスピアの『ハムレット』の中のハムレットのセリフの一節「わたしが狂気うんぬん…すんません、素養がないので覚えていません…するのは、north by north-west から風が吹くときだけだ」というところから取ったのだ、と言われています。
□なるほど、と思って当該の箇所をしらべると "north-north-west" となっているではないですか。確かに「北北西」なら north-north-west が正しいでしょう。でも、north by north-west が『ハムレット』から引用されたことになっているのです。
□これはどういうことでしょうか?
□それと、north by north-west は、直訳すると「北微北西」という方角らしく、「北北西」ではないようなのですが、その点はどう解釈すべきなのでしょうか?
□誰かご存知?



ロシア語で小泉純一郎

にれのや (2003/02/24 22:09)

■また、しょうもないネタですけど、「じゅんいち」で思い出したんで……
□ロシア語で、小泉純一郎を
    Дзюнъитиро Коидзуми [ドジュンニ'チーラ カイッド'ズーミィ]
と書いて、発音します。姓名ともに不変化です。



「とんでもないよ」のCM

文月千敏 (2003/02/24 18:33)

外国語のカタカナ表記の話題が続いていますので、それに関連して気になっていることを1つ。

このごろ結婚式の引き出物に、大きな荷物の代わりに贈り物リストの小冊子をもらうことがあります。そのようなものの1つのTVコマーシャルに「アズユーライク」というのがあって、私はこのコマーシャルを聞くたびに耳をふさぎたくなるのです。
これはおそらく「お好きなように」とか「お気に召すまま」のつもりで英語の'As you like'をカタカナにしたものだと思いますが、もちろん日本語でも意味不明、読み方のアクセントが「とんでもないよ」のようなピッチなので、英語としても意味不明です。
'As you like'は英語としてもShakespeareのドラマのタイトルとしてもまちがいで、しかもそのカタカナ読みがまさにカタカナをそのまま読んでいるという、なんともいえないしろものです。

このサイトでは「書きことば」に中心が置かれているようですが、耳から入る音をなんとかしてもらいたく、不愉快をがまんしている毎日です。みなさまはいかがですか?



ロシア語でジュンイチ

にれのや (2003/02/24 10:18)

■ロシア語で、日本人の名前「じゅんいち」を
   Дзюнъити [ドジュン'ニーチィ]
と書いて、発音します。めまいがします。



再訂正:interviwe>interview

高駒麗人KOMA (2003/02/24 03:36)

再訂正:
interviwe>interviewを写した「インタビュー」では「タ」の後には長音が無く、internet「インターネット」では逆に長音があり(「インタ」の「タ」が長いか短いか聞いてもわからない)、

にれのやさんへ
>英 Trubetzkoy  独 Trubezkoi  佛 Troubetzkoy, -koï{i+¨}
非常に参考になります。
こうなると漢語羅馬字表記はPinyinかWade式かという論争(「毛澤東」は Mao Zedongか Mao Tsetungか、「揚子江」は Yangziか Yangtzeか)も、「どちらでもいい」という気がしてきます。
私も、ライプニッツがLeibnizなのかLeipnitzなのかわからなくなったり、ライプツィヒがLeibnizなのかLeiptzichなのか一瞬わからなくなることもあります。
http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=leibniz+leipnitz&hc=0&hs=0
(leibniz leipnitzで検索した結果)
カタカナですと「トルベツコイ」、「トルストイ」になり、Tru- もTol-も「トル」TORUになるので、原音がわからなくなります。此処はカナタナの不便な所だと思います。

Nikolaj Sergeevich Trubetzkoyの場合、Йがjとy二種類で書かれているのが不思議です。
ドイツ式ならvichは[fiç]フィヒのように読まれる危険性がありますから、セルゲイェヴィッチはSergejewitsch とでも綴る方が正確に読んでもらえるかもしれません。
「ジュンイチ」Junichiはドイツで[juniç]ユニヒと読まれそうなので、ドイツ語圏では Sjunitschiと書く方がいいでしょうか。フランス語圏だと Djounitchi?(「ヂブチ」Djiboutiの綴りはフランス人の初案では?)
これ以上考えると疲れるので今回はこの辺に致します。



Re: トルベツコーイとウィリアム

にれのや (2003/02/24 03:00)

■cuisine の日本語転写「キュイジーヌ」で問題ないと思います。慣用ですから。ただ、発音は「キュイズィンナ」と聞こえるという観察を述べただけです。Maniac C.さん、お気になさらないで。また、cafe, garcon の c, g の口蓋化について、今日、また1冊、ある本で、パリとその周辺の方言との記述を見つけました。ただ、極端に口蓋化させるのは、下品な発音なのだそうです。
■czar の cz について。初期新高地ドイツ語(1350〜1650)で [ts] を表すのに z, tz, cz の表記がありました。z, tz は、現代ドイツ語同様、語頭では z を使い、語中・語尾では tz を使うというものです。cz は、東中部(チューリンゲン、ザクセン、ボヘミア、シュレジア、プロイセンなど、スラヴ人が住んでいた地域で、ドイツ人が拡張・入植した)で16世紀まで使われたもので、語頭に使われた時期もあります。
■Trubetzkoy について。プラハ言語学派の中心人物ですが、彼は、革命ロシアを逃れて、1922年、ウィーン大学の教授になっています。つまり、Trubetzkoy は、当人によるドイツ語表記と考えるとよいのではないでしょうか。ただし、現在のドイツ語の標準表記は Trubezkoi です。以下に、英・独・仏のトロツキイとトルベツコーイの転写形を並べてみました。
 【トローツキイ】 英 Trotsky, -ski  独 Trotzki  仏 Trotski
 【トルベツコーイ】 英 Trubetzkoy  独 Trubezkoi  仏 Troubetzkoy, -ko{i+¨}
余談でありますが、ロシア人の姓で、-ой(-oi)で終わるものは、必ず、語尾にアクセントがあります。(逆に言うと、-ий,-ый にはアクセントは落ちません)。覚えておくと役に立つかもしれません。Толстой [トるス'トーイ]。ただし、女性形では、アクセントのあるなしにかかわらず -ая となるので、見分けはつきません。Толстая [トるス'ターヤ]。
■ゲール語(アイルランド語)について面白いことがわかりました。
□まず、mh の発音についてです。ゲール語は母音字を広母音(a, o, u)と狭母音(e, i)にわけます。mh は、広母音の前では [w] と読み、狭母音の前では bh と同じ [v] と読みます。
□では、William の [wi] は表記できないか、というと、そうでもないのです。mhui と綴ることで [wi] を表記できます。では、William をなぜ Uilliam と表記するのか? 実は、現代ゲール語では、Mhui- [wi-] で始まる単語がないのです。古ゲール語では、mhuir(ウィル=海),Mhuire(ウィラ=聖母マリア)というように [w] で始まる単語がありましたが、現代ゲール語では、muir(ムイル),Muire(ムイラ)のように [m] で始まる単語となっています。つまり、語頭では [w]→[m] という変化が起こったのです。残念ながら、この変化がいつごろ起こったのか、ということはわかりませんでした。
□また、アイルランドでは、19世紀中ごろ「ジャガイモの病気による不作」によって、飢饉が起こり、多くの者が死に、また、海外に移住しました。それまで、800万人いたゲール語の話者が、1850年ごろには、「10万人」にまで激減したそうです。アイルランドからの移民の多くがアメリカに渡ったことは、みなさん、ごぞんじのとおりです。ソヴィエト・ロシア初期の映画監督に、ボリース・バルネット(Boris Barnet)という人がいるのですが、親がアイルランドからの移民だと聞いて驚いたことがあります。



Re: 鍋鴫(なべしぎ)

Maniac C. (2003/02/24 02:33)

以下のサイト(ナス料理なのに、どうして”鴫焼“?)をご覧ください。
http://www.kamaboko.com/gotoshi/58/58-2.htm



鍋鴫(なべしぎ)

カッツ (2003/02/24 01:45)

鍋しぎの[しぎ]が解らなくて調べてみたところ、鴫と言う鳥が居る事は解ったのですが、この料理には食材としてナスを使っていて鴫が使われていません。
鴫焼きでも調べたのですが、鍋を使うか使わないかの違いだけで鴫を使わない事には変わりありません。

更に、そこに[雉焼き]と書かれていたので調べてみたところ、鴫焼きとはまったく違う料理なのに[鴫焼きに同じ]と書かれていました。
この料理にも雉が使われていませんでした。
鴫を使わないのに鴫焼き? 雉を使わないのに雉焼き?? 鴫焼きと雉焼きが同じ???
まったく訳がわかりません。
鴫と雉には食材としてでは無く、また別の意味があるのでしょうか?

どなたか解る方いらっしゃいませんか? できれば教えてください。
お願いします。



Русский は、Рус+ский?参&民族の定義

高駒麗人KOMA (2003/02/24 01:05)

訂正:「前の文の題名には疑問符をつけるべきでした。」と書いておいて疑問符をまた付け忘れました。「Русский は、Рус(Rus)+ский(skij)?」だと思ってください。

spanish>Spanish
最初のSは大文字で書くべきでした。しかし自称の espanol(nの上に〜)は小文字で始まるようなので、其処が厄介です。

回族についてはよく知りませんが、共通要素が言語等でなく宗教なので民族としては少し異質ですね。しかし満州語を離せない満族(満州族)が満州即ち今の中国東北では大多数になっていますから、そもそも民族とは何ぞやという難しい問題に發展します。漢語が母語である満州族は自称満族ですが、言語的には既に漢族であり、言わば「満州系漢族」です。「中華民族」という表現もそういう背景から必要とされるのでしょう。
“Who's Jew”questionという「ユダヤ人の定義」問題があります。ヘブライ語を知らず、ドイツ語(イディシ語)やスペイン語を母語とする自称ユダヤ人をユダヤ人としていいか…。「親がユダヤ人である者もユダヤ人」と言っても、その「ユダヤ人」というのは何で定義されるのか…。
「漢族とは何か。」「漢語を母語とする民族。」
「漢語とは何か。」「漢族が話す言語。」これでは定義になりません。
言語、文化の他に当人の意志で決まるのが民族でしょう。

ちなみに Yiddish[jidi∫]もdが2つなので「イッディシ」でよく、英語音から考えると「イディシ」で十分。考えてみると「イディッシュ」という表記も変です。



Русский は、Рус(Rus)+ский(skij)>続き

高駒麗人KOMA (2003/02/24 00:36)

前の文の題名には疑問符をつけるべきでした。

IndulgeをIndudgeと打ったのは単純なミスです。失礼しました。

松茸さんのおっしゃる通りフランス語カタカナ表記のSeine>「セーヌ」、cuisine>「キュイジーヌ」等のヌは、鼻母音の「ン」と区別するためでしょう。
英語のカタカナ表記では、nを「ン」にして、ngを「ング」にしていますが、寧ろinやan等のnを「ヌ」にして「イヌ」「アヌ」にし、King、Kong等のngを「ン」にして「キンコン」にするほうが原音に近いかもしれません。
「Hong Kongはどうして ng なんだ?(『ホングコング』でなくて)『ホンコン』なのに」と不思議がっている人がいましたが、日本語の「ン」が普通は、mかngであることを知らないのでしょう。

日本語内の欧州語カタカナ表記の「ー」や「ッ」は字数の無駄です。
中国人が日本語を話すと「会費をシュッキン(正しくは「シューキン:集金」)します」、「昨日、会社にシューキン(正しくは「シュッキン:出勤」)する時」と言います。
(中国人は過去の事でも日本語で「…した時」と言えず「…する時」と言う。「上班的時候」は過去も現在も同じなので)
中国人がカタカナの「スパニッシュ」を「スパニッシェ」と誤記した事もあります。「スパニッシュ」はspanishから考えると「シパニシ」で十分。「ッ」や「ュ」は原音にありません。

先述の通り、中国人の日本語学習者には「マッサージ」は「マサジ」に聞こえ、「インターネット」は「インタネト」(又は「インダネド」)に聞こえ、時にそのように書いてしまいます。
他の民族はともかく、少なくとも北京語を母語とする人が日本語を学ぶ時、「ッ」や「ー」があるかないか耳で聞いただけではわからないので、
interviweを写した「インタビュー」では「タ」の後には長音が無く、internet「インターネット」では逆に長音があり(「インタ」の「タ」が長いか短いか聞いてもわからない)、
happyを写した「ハッピー」(中国人には「ハビ」に聞こえる)では「ッ」「ー」があるが、これにnessをつけたhappinessでは「ハッピネス」或いは「ハピネス」で、この場合は逆に「ハッピーネス」「ハッピネッス」では間違い……
ということを文字を見て(日本人にカタカナを書いてもらって)一々確認して覚える事になります。
しかし、彼らの「誤った日本語」は強ち誤りとして唾棄すべき物ではないと思います。
寧ろ「マサジ」「インタネト」でもいいような気がします。
happyは「ハッピー」でhappinessは「ハピネス」では覚えれる物ではありません。

Bush[bu∫]はシナ語で「布什」Bushiですが、日本語でも原音に忠実に写せば「ブシ」で良いはずで「ブッシュ」bu∫-∫uの「ッ」と「ュ」は無駄かも知れません。
しかし、カタカナ語の字数の無駄な長さも慣用ですし、学習者は良くも悪くもそれを覚える必要があります。彼らが「マサジ」等と書いたりしても怒ったり笑ったりせず、励ましてやるつもりです。



Русский は、Рус(Rus)+ский

高駒麗人KOMA (2003/02/23 23:34)

garçon(garcon、cの下に小さい「つ」)
gâteau(gateau、gaのaの上に^)
æ(ae)ä(a‥) œ(oe) ö(o‥) ü(u‥) ï(i‥) ŋ(ng) ё(e‥)∫(sh)
以上の発音記号を入力しやすいようにコピーしたら本文を書く前にうっかり「投稿」してしまいました。失礼しました。

Herr ManiacC
Monsieur 松茸
詳しいご説明ありがとう御座います。非常に助かりました。
此処で質問させて頂いた内容は、自分でYahooで検索してそれでも分からなかった物が多いのですが、今後、料理関係の掲示板を探して見ます。
言葉其の物の問題と言葉が表す内容の問題(realiaと言うのは其れでしょうか)は区別が難しいですね。
http://www.asahi-net.or.jp/~IR4N-KHR/realia/sezon.html(日本語のロシア語表記)
http://www.toyama-cmt.ac.jp/~kanagawa/paper/realia.html(辞書におけるレアリアの記述)
http://de.yahoo.com/(Yahoo Germany)

Bes-Smert-Nykh は確かに形態素別にカタカナ轉写すると「ベス・スメルト・ヌイフ」ですが、日本人が發音するとBesusumerutonuifuで9音節(uiを単音節と解釋すると8音節)ですから、舌を噛みそうになります。せめて「ベスメニフ」の方が言いやすいと思います。

Shevardnadzeの場合、「シェワルナゼ」Shewarunazeのほうが、「シェワルドナドゼ」Shewarudonadozeより音節が少なくで言いやすい。rの後、dnadzeでは舌が上歯茎に2回つくだけですが、donadozeでは3回ついて1回近づくわけで舌を噛みそうです。

先述の Shevardnadzeのシナ語名 Xiewanazi(謝瓦納[慈の上半分])は簡潔で参考になります。綴りと形態素を重視した「謝瓦尓得納得則」Xie'wa'erdenadezeのような長い音譯も別にあるでしょうが、一般に「音節を節約して短く言い易く」が普通です。
Таджик(Tadzhikタヂク)は日本語で
「タジク」“Тазику(Taziku)”でдж(dzh)の д(d)が省略されており、
「タドジク」“Тадозику(Tadoziku)”にはなりません。
(「タヂク」でよさそうですが、今の日本人は文字が「ヂ」でも開音節の後なら「ジ」で發音しますから。)
あと、Русский(Russkij)は形態素としては、Рус(Rus)+ский(skij)でしょうか。
すると「ルススキー」の筈ですが、「ルスキー」が普通でしょう。

Eurasia(ユーラシア)は、Eur(ope)-Asiaですが、この語源を意識している人は少ないでしょう。シナ語では「欧亜」Ou-Yaであり、うまい翻譯です。
「ユール・アジア」、あるいは Euro-Asia「ユーロ・アジア」にする方が分かり易いかもしれません。



麻酔の麻

Gypsy (2003/02/23 17:39)

未菜実さん、かんさん、早速のお返事どうもありがとうございました。

麻酔の麻は大麻の麻なんですねえ。実は以前麻酔科で働いていたのですが、先日までまったく思いもしませんでした。びっくりです。

Have a nice weekend.

---Gyp



ロマンス語かぶれ他

Maniac C. (2003/02/23 15:43)

高駒麗人さんへ
>英語圏の人のロマンス語かぶれはすごいものですが、以下の文もロマンス語特に料理名が難解です。
■If"gratineed Lobster in a Chanterelle Crust with an Artichoke Ragout and Parsley Coral Broth”tantalized your tastebuds look your table.…
→試みに訳すと、「もし、あなたの味蕾をじらした『杏茸の皮で覆い焼きされた伊勢海老、朝鮮薊の煮込みと蝦の卵の和蘭芹風味肉汁添え』があなたの食卓(多分ここに前置詞が落ちている)見えるなら。」となります。
この中で文句のつけようが有るとすれば、gratinnedはかなり無理やりですね。英語にもgratinatedという別語がちゃんと在りますし、名詞gratinの強勢は前に在りますから、nを重ねる必要も有りません。仏語gratine´を英語風に言い換えるならgratinedで十分だと思います。それ以外は……。
chanterelleも仏語起源ですが、英語では言い換え不能です。artichokeは伊語起源で、これも言い換え不能。ragoutも仏語起源で、「肉や野菜を煮込んで香辛料を効かせた濃い羹」を指しますから、やはり言い換え不能。lobsterは羅語起源ですが、古期英語から存在します。多分、仏語のhomardを「英訳」したもの。crust, parsley, coralは古期仏語起源で中期英語から。これらも今となっては言い換え不能でしょうね。ついでに料理名ではありませんが、tantalizeは希語起源です。
従って、これは「ロマンス語かぶれ」というわけではなく、仏式料理を少し詳しく英語で説明しようとした文、と考えられます。

■Indudge(ママ) in a culinary extravaganza …
→「調理用の奇抜なもの(衣装や装飾品など)に耽る」という意味だと思われますが、これについては……。
 indulge in(羅語起源)は、多義的で大分くだけた感じになりますが、take toに置き換え可能です。
culinary(羅語起源)も、高級感は大分薄れますが、cookingに置き換え可能だと思います。
extravaganza(伊語起源)は、近いものとしてはgadgetという仏語起源の単語が在りますが、どうも大分突飛さが減じます。この単語に関しては置き換えは不可能でしょう。
従って、この文に関しては、文体として、平易な単語に代えてしまうと、俗な感じに堕してしまう、と言えます。原文では、ある程度難解な単語が好まれる文脈だったのではないでしょうか。

アイルランドのビールで Irish Beer Kilkenny & Guinnes というのがあるようですが、日本語では「キルケニー」「ギネス」でしょうか?
■Kilkennyは、「キルケニーの猫」で有名な愛蘭共和国東部レンスタ地方の州名および州都名です。また、そこの教会で作られていた地麦酒(ale種の赤麦酒らしい)の名前でもあります。今では下の会社が生産しているようです。
■Guinnessなら、ダブリン市に在る醸造会社、及びここが生産しているstout(焦がした麦芽を使った酒精度の強い黒麦酒)の商標名です。あの世界記録集を発行している会社でもあります。
■Kilkenny & Guinnessは、上記2つの麦酒のhalf-and-half(等量に混合した麦酒)です。
■従って、日本語にするなら、Irish Beer Kilkenny & Guinnesは「愛蘭の麦酒である、キルケニーとギネスの混合酒」とでもなるでしょうか。



漢族と回族

辻本裕幸 (2003/02/23 15:29)

李さんへ
 やはり中国回族は、イスラムに改宗した漢族であると言う結論が出そうです。元代以降やってきたアラブ商人らと交流した漢族の一部が、イスラムに改宗したもの。それが回族のようです。回族が、漢族とは別の民族だと言うのはあなたたち、漢族の偏見です。日本でもかつて被差別部落にいた人たちは大和族とは別の民族の子孫ではないか?と言われていたことがありましたが、今では根も葉もない説だとされています。彼らはれっきとした大和族です。
 もし回族がハナから漢族と別の民族だったと言うのなら、回族が何の不自由も無く漢族と同等に漢語を話せるのは、どう説明できるのでしょうか?またもし回族がかつての非漢族からの末裔なら、かれらに全く基層言語が残っていないのはなぜでしょうか?トルコ系にせよモンゴル系にせよその言語を今も家庭やプライベートでは話していてもよさそうなものです。回族と漢族の顔つきが違うと言うのも、李さんの偏見と先入観からくるものであって、納得いきません。私には同じに見えます。漢族は欧米人や日本人と比較して、世界でも稀に見るほど、平等で人種差別をしない民族です。なのに李さんが、そんなこと言っていてどうするんですか、私たち中華民族の誇りを壊すような馬鹿なこと言わないで下さい。お願いします。
 漢族の若者は東の沿岸部の方から、どんどん欧米の影響を受けて儒教精神や伝統文化を失いつつあり、黄色い肌の白人になって行っている。(日本人や韓国人はすでにそうなっていますが)しかし回族はムスリムであることを除けば、厳格に中華民族の文化と伝統を保持している。李さんたち漢族には、回族と違いを強調するでなしに、同じ中華民族としての共通性のほうを示していってほしいです。お願いします。昔の話を持ち出して申し訳ありません。



ング・モザイク・NEON

Maniac C. (2003/02/23 13:23)

massangeanaさんへ
■Hong KongとKing Kong
 言語によっては、「ング」が響く(耳に残る)言葉と、そうでない言葉とが有るのではないでしょうか。英語が前者で、中国語が後者だと思うのですが。
■イックの表記>massangeanaさん
 「短い母音」の定義条件が長くて、どこに意味上の区切れ目が在るのか私には解りづらいので、分解して考えます。
 1.mosaicの英語の発音は[mo-ze´i-ik]で、「イック」に強勢は在りません。-icに強勢の来る語自体が少ないのです。
 2.開音節の母音は強勢が有れば長音になり、閉音節の母音は強勢の有無に関わらず短くなります。-sa-は「強勢の有る開音節」ですが短くありませんし、語末の-icは閉音節です。
 3.取り敢えず私なりに、「語末が短母音+子音になる英単語は、日本語では短母音+ッ+子音で表記される習慣が有るのか」と御質問の意味を解釈しますと、答えはNOです。
 「カップ」「ポット」「ブック」などの破裂音(特に無声)はその傾向が強い、とは言えます。しかし、有声のbob, knob, gagなどは、旧来の「ボッブ」「ノッブ」「ギャッグ」より、「ボブ」「ノブ」「ギャグ」の方が現在は普通だと思います。godは「ゴッド」のままですが、逆にcutletは「カツレツ」のように「ッ」がなくなっています。tagは、格闘技では「タッグ」ですが、「札」の意味では「タグ」と分野によって使い分けています。蓋し、「ッ」を入れることによって、「外国語らしさ」を出しているのかも知れません。定着してきて、「ッ」が取れても、同音の本来語と紛れる虞が無くなれば「ッ」も無くなる、というのは有り得そうです。
 加うるに、「マ(ッ)フ」「キ(ッ)ス」などの摩擦音はこの傾向が中間で、「ペン」「ハム」などの鼻音、「ベル」「コア」などの流音は弱くなります。
 4.上記のとおり、私の投稿は一般化を意図したものではありませんので、飽くまで「-icという綴りに対する日本語表記」に限定して、お考えください。
■モザイクの語源>massangeanaさん
 1.「モザイク」の発音自体(特に「ザ」の辺り)は、仏語mosaïquee[mOzaik](Oはcの転倒した発音記号の代用)から来ているのかも知れませんが、もしフランス語起源だとすれば「モザイーク」と表記されたと考えます。
 2.他の候補としては独語Mosaik[mozai:k], 蘭語mozaïek[mo:za:i:k](「:」は本途は全て半長音、強勢はie)が挙げられますが、全て「モザイーク」と表記されたであろうと考えられます。
 3.『角川外来語辞典』によれば、「モザイク」の最も早い例は、駐英公使・中井弘の『漫遊記程』(1877年)に有る「石画(モザイク)」であり、次いで、漢学と英学を修めた成島柳北の『航西日乗』(1881年)に有る「伊国の最も名高き工業即ちモザイクと称するものなり」(念の為、伊語の「モザイク」はmusaicoです)、それから、1884年の丸善『百科全書』の「英語に彫嵌工の事を称してモサイックと謂ふ」と有り、全て英語に関係ある記述なので、ほぼ間違いなく、英語mosaicの綴り字発音だと推定できます。
■NEON GENESIS EVANGELION
 私も希臘語は勉強中なので質問になってしまうのですが、形容詞が直後の名詞を飛び越えて後ろに在る属格名詞を修飾する語順は、(語形が明確な分だけ、可能性としては有り得ると思うのですが、強調などの願意を含まずに)よく起こるものなのでしょうか。



口蓋化・巴里以外の仏語・R・cuisine・ピアノ

Maniac C. (2003/02/23 13:19)

にれのや師匠へ
■口蓋化
 casやgars(←話し言葉で使われるgarçonの古い主格形)やgâteauなど、口の奥で発音される[α]の前では明らかに(巴里でも)口蓋化しませんよ。最近では[a]と[α]の区別が、大部分のâ以外では失われつゝあるので、どちらの発音でも良い(どちらかと言えば[a]になる)単語の方が多いのですが。
■巴里以外の仏語
 今はどうか判りませんが、以前は、電視放送の仏語教育番組に有名人と会見する部分が有り、そのときは様々な仏語を聞けました。
加国の仏語は、英語の発音に近くなっていて面白いですよ。揺擺舞曲歌手だったので、わざと英語に似せて発音していたのかもしれませんが、特にtが有気音になっているのが印象的でした。
■Rの発音
 >固有名詞(人名・地名)は、それぞれの土地の発音にしたがって、Rの発音を記述しています。
 →所謂「巴里のR」、即ち軟口蓋摩擦音のRと、「のどひこ音」のRと、「巻き舌音」のRですよね?
■cuisine
>cuisine の語末の -sine は、日本人の耳で聞くと、むしろ「ズィンヌ」もしくは「ズィンナ」に聞こえるようですが……
→確かにそうも聞こえます。舌尖が歯裏にくっついたときと、離れるときの音がそれぞれ「ン」と「ヌ/ナ」に聞こえるのだと思います。
 私も先の投稿で「キュウィズィー(ン)ヌ」と表記しようかと迷いましたが、「キュウィズィンヌ」だったらcuisinneという綴りの方が良いな、と思い、止めました。cuisinneなぞという綴りは、原理的に余剰なので、在り得ませんが。また、止めた別な理由としては、「ン」と聞こえるのはほんの瞬間であり、余程語末を強調する言い方、若しくは芝居や歌曲などでゆかしい発音をしない限り、「ンヌ」にはならず、「ン」と「ヌ」の中間・やや「ヌ」寄り(やはり最後の音の方が後まで響く)、と判断したからです。
■「ピアノ」の日本語の戦前の表記「ピヤノ」
 これも、平成3年制定の『外来語の表記』に由ります。「留意事項その2(細則的な事項)」の羅馬数字の3「撥音、促音、長音その他に関するもの」の4に、「イ列・エ列の音の次のアの音に当たるものは、原則として『ア』と書く。」と有り、語例の2番目に「ピアノ」が挙げられています。



順不同

松茸 (2003/02/23 07:11)

* czar:
http://www.m-w.com/cgi-bin/dictionary?va=czar
によれば、新ラテン語で音写した(のを英語式に文字読みした)ものだそうです。
 なお、tsar, tzar という転写も存在します。

* "Trubetzkoj"はドイツ語式のローマナイズによるものでしょう。

* 古代教会スラヴ語は南スラヴ語に分類され、特にブルガリア語に近いので、人名も似ることが多いです。

* フランス語の"〜ille"を「〜イ(ー)ユ」とするのは、慣習的な〈文字読み〉の場合が多いでしょう。
 また、フランス語の子音/n/を「ヌ」とするのも、(鼻母音と区別するための?)単なる慣習であって、変に勘ぐる必要はないと思います。

* スターリンのfirst nameの通常の綴りは"Иосиф"(Iocif).
http://patriotica.narod.ru/authors/stalin.html
# Joseph ともども、ヘブル語人名に由来します。

* Pavlovitch/Pavlovnaは「パーヴェル(Pavel)の息子/娘」です。
# むろん、Paulosに由来します。

* 料理・食品用語について大量の質問をしている方がおられますが、〈ことば〉ではなくrealiaの問題と思いますので、ご自分で専門の辞書/用語集を調べた上で、どうしても判らないところを料理関係の掲示板/ニューズグループに問い合わせるのがよろしいでしょう。



Re:Re: Versailleがヴェルサイユになるわけ

高駒麗人KOMA (2003/02/23 05:11)

再訂正
Trubetskoyj→Trubetskojの[ts]は、慣用では tzで書かれ、Trubetzkoyのようです。するとtsでなくtzなのは、元がтсでなくцだからでしょうか?

にれのやさんへ、詳しい解説ありがとうございます。
宗教で、よく知られた名前から選ぶということですが、フランスでは子供につける名前が限られていると本で読んだことがあります。同姓同名が増えるでしょう。

フランス語では語末の子音に軽い曖昧母音がつくような感じなわけですね。
cuisine[kчizin]なら、日本人はこれを母音にして、語末のnを「ヌ」[nu]にして
「キュジーヌ」[kjuiろi:nu]にするが、アングロサクソンは閉音節として、nならnで終わる語として[kwizi:n]のように受け取るという事でしょう。

http://www.cupman.com/asiachampions.html(世界のサッカーチーム名)
http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=Fermented+Bean+&hc=0&hs=0(Fermented Bean 「豆腐よう」の「よう」とは?)
(Grilled Surf and Turf、artichoke ragout、chanterelle crustで検索した結果、結局日本語名はよくわかりません)
http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=Grilled+Surf+and+Turf&hc=0&hs=0
http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=artichoke+ragout&hc=0&hs=0
http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=chanterelle+crust&hc=0&hs=0



Камчатский等について

高駒麗人KOMA (2003/02/23 04:27)

にれのやさんへ
Vladimirについてですが、ロシア人の名の語源は置くが深いですね。
これは「にれのやさんへ」の所に書くべきでした。失礼しました。

訂正“Camomille[kamomij]はカタカナ語で「カモミーユ」と書かれますが、「カモミー」だけで良い気がします。”
Камчкий ではなくКамчатскийでした。
“Камчатский[Kamt∫atskij]は日本語で「カムチャツキー」であって「カムチャツキーユ」ではありません。”

Bingshaは「シャーベット」すから、→Bingshaは「シャーベット」ですから、
摩[[上」の下に「ト」]冰沙 はモカシャーベットでしょうか?

ゲルマン語名がロシア化するというのは、喩えて言えば日本で George Bushを「薮内譲治(やぶうちじょうじ)」、Tommy Snyderを「品田富雄(しなだとみお)」とでも呼ぶような物でしょうか。

Stalinの full nameは英和辞典で Joseph Stalinとあり、「おいおい、ロシア語名じゃないのか」と思いましたが、中国製『日語外来語大詞典』で「スターリン」を引いたら原語綴りが
Иосеф Сталинとあり、Josephが ロシア化して Iosef になっているのを見て納得しました。矢吹丈の最後の対戦相手の名「ホセ(Jose)」は Josephのスペイン語版でしょうか。
ホセは「ベルばら」のマリー・アントワネットMarie Antoinetteと同様、一瞬で白髪になりました。
「アオントワネット」は「アントワーヌ」Antoine(メイエMeillet言語学者)、
「アントン」Aнтон(Павлович Чехов)、「アントニオ」Antonio(猪木INOKI)、「アンソニー」Anthony(キャンディのボーイフレンド)と同系の名前と思いますが如何でしょうか?
チェーホフ Chekhovは、Pavlovich(Pavlovの息子)ですから、もし名前を英語式に直すと Paulsonでしょうか?

Trubetskoyjの[ts]は、慣用では tzで書かれ、Trubetzkoyのようです。するとtsでなくtzなのは、元がтсでなくцだからでしょうか?
不思議なのは царь[tsar'](帝政ロシアの皇帝)の英語形 czar'のц>czです。tsar'と綴る方が素直だと思いますが…。
英語圏の人は語頭のtsが苦手なのか[zα:]と発音しているようです。

http://www.ibjcafe.com/i/talk/music/ongaku/20010828/2001082820565925.htm
http://www.big.or.jp/~sugi8/boy/Ground/song/campsng5.htm
昔、小学生の頃、オランダ民謡「サラスポンダ」を教わり、「ポポロ・サラスパ」のCMで替え歌を聞いて懐かしくて感激しました。歌詩の意味はわかりません。

Classical Lobster thermidor、Grilled Surf and Turf、Spicy Garlic-Cayenne Pepper Butter 日本語でうまい名前はないでしょうか?自分でも調べてみます。ご存知の方ご教授お願いいたします。

>cafe',garc,on などで「キャフェ」「ギャルソん」
日本語の慣用では、cafe'は「キャフェ」でなく「カフェ」なのに、garc,on は逆に「ガルソン」でなく「ギャルソン」、この変も不規則ですね。コムデギャルソンは中国では「像男孩一様」Xiang Nanhai Yiyangだそうで、これで「男の子みたい」の意味だとわかりました。
ミルク・コーヒーはフランス語で「カフェオレ」cafe au lait、イタリア語で「カフェラッテ」Caffe Latteですが、喫茶店によっては Cafe Latte という混成表記も見かけます。

>Anna Pavlovna Pavlova
このAnnnaは、Pavlovの息女(-na)のPavlovさんですか。プーチン大統領(Vladimir Vladimirovich Putin)は Vladimirの息子(-ovich)であるVladimirで、彼の名と似ていますね。

Classical Lobster thermidor(?)、Grilled Surf and Turf、Spicy Garlic-Cayenne Pepper Butter、ネットで検索したら Cayenne Pepper はカエンペッパーでした。カイェンヌではないのでしょうか。
英語のメニューで RISOTTOという生詞を見かけ、辞書を見たら「(イタリア語から)リゾット(米を玉葱、鶏肉、チーズ等煮込んだイタリア料理)」とありました。英語の中の外来語は歯止め無しというか…、英語国で外来語を優しい英単語に言い換える運動がないのかどうか気になります。



Re: Versaille がヴェルサイユになるわけ

にれのや (2003/02/23 03:53)

■ Versaille の発音は、辞書では [vεrsaj] となっていますが、これは単なる音韻表記であり、実際の発音を反映していません。
□フランス人の実際の発音を聞くと、[vεr'sajj{eの逆さ}] と聞こえます。日本人の耳には、[ヴェふ'サイユ] もしくは […'サイヤ] と聞こえます。語末にかすかに聞こえるアイマイな母音は、フランス人の発音のクセのようなものらしく、どんな場合にも、発話段落の最後の子音の後に聞こえます。
□Veronique のように [-k] で終わる場合には、無声化した[i]のような音が聞こえます。[ヴェほ'ニッキ] のごときです。



ウラジスラーフについて。またもお詫びです。

にれのや (2003/02/23 03:40)

■Владислав(ヴらヂスらーフ Vladislav)が教会暦に載らなかったというのは間違い。ウラジーミルと並んで、ウラジスラーフも、ロシア正教の教会暦に採録されていました。
□ロシアが、ギリシャ正教を受け入れてから、ロシア革命によって、ロシア正教が崩壊するまで、子供に名前をつけ、住民登録をする作業は、それぞれの地区の教会が行っていました。そして、名前は、教会暦に記載されている名前から選ばれました。そして、教会暦に採録されている名前は、ほとんどが、聖書に現れる人物か、ギリシャ・ローマの聖人でした。スラヴ・ロシアの名前はほとんど採用されていませんでした。つまり、ギリシャ正教を受け入れる寸前までのロシア人の名前の世界は、きれいさっぱり消えてしまったのです。
■Владимир(ヴらヂーミル Vladimir)の古ブルガリア語形を見つけました。Владимер(ヴらヂーメル)でした。古ロシア語形が Володимер(ヴォろヂーミエル)ですから、ブルガリア語の方が、教会スラヴ語に近かったと言えます。



セーヌ・ヴェルサイユ・トラヴァーユ

Kómā高駒麗人 (2003/02/23 03:38)

一度投稿したら、「投稿者」欄のKómā(Komaのoの上に右が高い斜線/、aの上に横棒−)は
K&oacutem{aの上に横棒−}を半角にした形になりました。

ManiacCさんの「EVAの使徒の名前一覧」や「にれのや」さんのロシア人名語源を拝読して、御両人の博識&研究熱心に感服いたしました。

Surf&Turfは料理用語としては何を意味するのかよくわかりません。
「roses薔薇の名言」(投稿日: 2月21日(金)01時32分51秒)で引用した諺の日本語でのうまい言い方や、「さーろいん おろしや」(投稿日: 2月21日(金)01時11分58秒)で紹介したapperizers promotionの料理名(Almond,Capers and Veal Jus、Charred Red Onion,Haricots Verts,Balsamic Dressing、Butter Squash ant Potato "Risotto”、Hoisin and Fermented Bean Marinated et cetra)も未だによくわかりません。

Volution Algae Tsing Tao シナ語名「青島螺旋藻」algeaは藻の一種でしょうか?
Zonin Soave of Italian「意大利卓林」日本語では「ゾーニン・ソアヴェ・イタリアン」?これでは単なる音のなぞりで能がありません。
Pignutは「花生」huashengだそうですが、手元の英和辞典にはありません。

インドネシアにEksという珈琲があるようですが未だによくわかりません。
摩[[上」の下に「ト」]冰沙(moka bingsha) 英語名は Mocha Fmasterd(Emasted?) 冰沙Bingshaは「シャーベット」すから、摩[[上」の下に「ト」]冰沙 はモカシャーベットでしょうか?でも珈琲のメニューの中に乗っていましたからアイスコーヒーかとも思えました。

「セーヌ川」のようにフランス語語末nを「ヌ」にするのはわかりました。
http://www.catnet.ne.jp/gen/RinjiSHOP/010915/0109f.html
http://ww61.tiki.ne.jp/~a_land/2/3/0459.HTML(ラ・セーヌの星Etoile de la Seine)
それで Versaille[vεrsaj]>「ヴェルサイユ」や travail[travaj]>「とらばーゆ」のように語尾の[j]をユ[ju]にするのは下が前から奥に下がるせいでしょうか。
Camomileのフランス語版 Camomille[kamomij]はカタカナ語「カモミーユ」と書かれますが、「カモミー」だけで良い気がします。
Камчкий[Kamt∫atskij]は日本語で「カムチャツキー」であって「カムチャツキーユ」ではありません。
シナ語では、La Seineは「左岸」Zuo'an、Versailleは「凡尓賽」Fan'ersaiです。
「凡」は「飯」と同様、上海語で[vε]なのでしょうが、[saj]を「賽」saiで取り入れる方が自然に思えます。
英語でも[vεasai](εの次は曖昧母音)ですし。
http://www.asahi-net.or.jp/~hi5k-stu/(クレオール語文法)



昔も今もロマンス語流行り

Kómā高駒麗人 (2003/02/23 02:51)

豊富且つ細かい説明ありがとうございます。

ManiacCさんへ
>仏語では舌尖を上歯の裏側に着け、離すからです。
それでChine[∫in]が「シン」でなく「シーヌ」と書かれるのですね。納得しました。
Vladimirについてですが、ロシア人の名の語源は置くが深いですね。

にれのやさんへ
>そういえば、われわれは、パリ以外のフランス人のフランス語を聞く機会があまりないと思います。
Langue d'Ocや Canada の Quebec、Africa の Côte d'Ivoire(象牙海岸)や Casa-Blanca(白い家)では、やはりParis語とは違うのかもしれません。

昔のロシアの上流階級はロマンス語かぶれだったそうで、ドイツ人である Ekaterina(イェカチェリーナ)女帝のほうがロシア語を大事にしていたと聞いたことがあります。
英語圏の人のロマンス語かぶれはすごいものですが、以下の文もロマンス語特に料理名が難解です。
If"gratineed Lobster in a Chanterelle Crust with an Artichoke Ragout and Parsley Coral Broth”tantalized your tastebuds look your table.…

Indudge in a culinary extravaganza …

アイルランドのビールで Irish Beer Kilkenny & Guinnes というのがあるようですが、日本語では「キルケニー」「ギネス」でしょうか?



文字化け+掲示板閲覧ソフト

青蛙 (2003/02/22 23:09)

高駒麗人さん:
> 私の場合、komaのoやa等を‥(点点)つき或いはアクセント(/\−)つきで打っているくらいです。
それで理由がわかりました。いわゆる「文字化け」とは少し事情が違うようです。
高駒麗人さんご自身が
> Kómā が文字化けすると Kómāになるようです。
(「Kom?」と化けました)
massangeana さんが
> ô のように書いておくと ô と表示されるものです。
とおっしゃっているように、特殊文字が基本文字+コマンドにバラけるか、コードのままで表示されるかしてしまいます。表示可能な文字はё∫φくらいで、これら以外のアクセント付きアルファベットは基本文字+コマンドにバラけてしまいます。上記の3つは、それぞれロシア文字の「イェー」、数学の積分記号、ギリシア文字の「フィー」で代替されているので表示嘉納なのでしょう。音標文字(発音記号)は、ほとんどが文字化けします。

Maniac C. さん:
掲示板閲覧ソフトについて詳述するのはいた違いかなと思って、大幅に端折ってしまいました。私が導入しているのは「mamimi」というソフトです。私自身、十分に使いこなしているとはいえませんが、これを使っていての感想です。
【利点】
・目的のBBSのログ取得を選択するだけで末尾のページまで自動で読み込んでくれる。いちいちページ・アップする必要がない。
・ブラウジングの最中でも、背後でログ取得をしてくれる。
・取得したログは過去ログとして蓄積されるので、いちいちログ保存をする必要がない。
・発言単位で表示されるので、必要なログだけを閲覧できる。
・任意の発言者のログのまとめ読みが可能。(ログの並べ替えができる)
【欠点】
・板の流れがつかみにくい。(発言単位で表示されるため)
・html 形式ではなく text 形式での表示になる。したがって、タグの効果がなくなってしまう。(特殊文字が表示できないのは、おそらくこのため)
・ハイパーリンクは機能しない。
・書式のフォーマットがソフト独自のものとなってしまいオリジナルとは異なってしまう。したがって、そのままでは転載不可。(著作権法の同一保持性を損ねてしまうので引用の要件を満たさないことになる)
とまあ、こんなところでしょうか。



Re: ハンググライダーとか

massangeana (2003/02/22 21:05)

>ハンググライダー
前に書いたかもしれませんが, 「Hong Kong がホンコンなのに, なんで King Kong はキンコン
じゃないんだ」って文句つけてるのを見かけたことがあります。

>「モザイク」を除けば、ほぼ全て-ic=「イック」
英語の「短い」母音(とりあえずアクセントのある開音節の語末に立たない母音, という
程度の意味で)の後ろに子音が来て終わる場合は「ッ」をつける習慣がある, ということ
でしょうか。モザイクはフランス語, ということはありませんか?

>NEON GENESIS EVANGELION
一案。neon は genesis でなく evangelion を修飾する。そしてじつは -on は中性単数ではなく,
複数属格で(ネオーン), genesis を修飾する。つまり「新しい福音たちのはじまり」という意味。
冠詞がないのがつらいか...



Re: ピヤノなど

にれのや (2003/02/22 16:59)

A Monsieur Maniac.C
■大学時代の仏語の教師に聞いた話、および、パリのフランス語について書いた本にも書かれていた話ですが……
□cafe',garc,on などで「キャフェ」「ギャルソん」と口蓋化するのは、パリの発音の特徴だということですが……。そういえば、われわれは、パリ以外のフランス人のフランス語を聞く機会があまりないと思います。
□フランス語の百科的な辞典では、固有名詞(人名・地名)は、それぞれの土地の発音にしたがって、Rの発音を記述しています。
□cuisine の語末の -sine は、日本人の耳で聞くと、むしろ「ズィンヌ」もしくは「ズィンナ」に聞こえるようですが……
■「ピアノ」の日本語の戦前の表記は「ピヤノ」でした。



きの置けない友人

智之 (2003/02/22 04:05)

仲が良い友人の事を きの置けない友人 といいますが
何故そう言うのか、どなたか教えて下さい。
感覚的には仲良しは 気の置ける友人と思いがちですが・・・



Neon Genesis と「掲示板閲覧ソフト」

Maniac C. (2003/02/22 03:21)

レスがとっても遅くなってしまいました。

massangeanaさん(2/5):
>Maniac C. さん(2/3):
>>Néon Génesisまではまだ良い
>neon は中性, genesis は女性...
→確かに、正確な希臘語ではNéa Génesisと性・数・格で一致しなければいけない(更には定冠詞hēも付けたい)ところですが、それを「まだ」良いとしたのは次のような3つの理由からです。
1. 件のアニメ自体で「NEON GENESIS EVANGELION」と銘打っているので、正しい表現と思い込まれても仕方ない。
2. 一往、各単語の綴りは、抑揚記号の付いていないことを除けば、希臘語としては間違っていない。
 (抑揚記号を付けない現代ギリシャ語なら、η Νεα Γενεσηとなるので、女性名詞の語尾が古典語と異なる)
3. parallelと違って、(一致が誤ってはいるものの)ちゃんと形容詞語尾が付けられている。
大体、日本語「新世紀」の対応語として「NEON GENESIS」としているのですが、これは「新・創世記」であって、「世」という漢字と「セーキ」という音しか合っていないのですが。「新しい世紀」と希臘語で言いたいのなら、現代語では「o neos aionas」(oはo mega)、古典語では「he nea hekatontarchia」(抑揚記号は略)とでもするべきでしょう。形容詞を何故中性形にしているのかも不明です:「新しいもの」という意味で使うような知識が有れば、一致の誤りは犯さないはずですし。尤も、そんな本格的な希臘語を使われても、一般大衆は何のことか理解できないでしょうし、製作者側で意図したoccultな雰囲気が醸し出されなくなってしまうでしょうけどね。

青蛙さん(2/16):
>>「掲示板閲覧ソフト」というのは何ですか?
>それで、その掲示板閲覧ソフトなんですが、文字どおり、掲示板を閲覧するた
>めのツール(ソフトウェア)です。(ミもフタもないな)
>詳細は(略)
>などをご覧になってください。
→御紹介、有難う存じます。ざっと眺めてみました。重ねて質問なのですが、これを使うことによる利点というのは何でしょう。私はIEでこの掲示板を見ていますが、それだと何か不都合が有るのでしょうか。また宜しければお教えください。



更に更に遡ったつっこみ

Maniac C. (2003/02/22 03:13)

引き続き高駒麗人κομαさんへ
2月6日(木)02時04分04秒の「欧州語のNG等」について想い着いた事。

>lampは「ラムプ」でなく「ランプ」で十分ですね。ラムプですとlamupuになります。kやgの前のngもンですからHANG GLIDER は「ハンググライダー」でなく「ハングライダー」でいいでしょう。
→「ハングライダー」にすると何か「半滑空機」みたいな語感も有りますし、「グ」が鼻濁音になってしまいますから、やはり「ハンググライダー」の方が、音の感触は良くありませんが、2番目の「グ」が単なる濁音になって良いと思います。

>computer>「コンピュータ」はいいのですが、「パソコン」、「マイコン」、「スパコン」のように「コンピュータ」を「コン」にすると[kom]の筈が[koŋ]になったりします。
>日本人自信がンの發音の原則を理解していないからでしょう。「ピュータ」を略す場合は「パソコム」のようにムにすべきです。
→すると、「エアコン」「リモコン」等は「〜コヌ」、「生コン」は「生コグ」にしなければならないのでは? 一々原語を考えなければならないのは、却って不便(不経済)のような気がします。一般の日本人が/N/を「ン」で一括りにして、最小対立としては辨別していないのですから、komもkonもkongもko~も(ついでにいうと韓国・朝鮮語に有る검건겅 곰곤공 컴컨컹 콤콘콩 껌껀껑 꼼꼰꽁の区別も全て)日本語表記としては「コン」で良いのでは。個人的に拘泥わる人だけが私的に表記すればよろしい、その程度の差でしかない、と思います。

>EVAのアニメで「使徒」がapostle(s)ではなく、angel(天使)と呼ばれているのも不思議です。
→Apostle(s)はイエスの十二使徒(の一人)―ペテロ、大ヤコブ、ヨハネ、アンデレ、ピリポ、バルトロマイ、マタイ、トマス、小ヤコブ、タダイ、シモン、ユダ―を指す言葉ですから、サキエル(水を司る天使)、シャムシエル(昼を司る天使)、ラミエル(雷を司る天使)、ガギエル(魚を司る天使)、イスラフェル(音楽を司る天使)、サンダルフォン(胎児を司る天使)、マトリエル(雨を司る天使)、サハクィエル(天を司る天使)、イロウル(恐怖を司る天使)、レリエル(夜を司る天使)、バルディエル(霰を司る天使)、ゼルエル(力を司る天使)、アラエル(鳥を司る天)、アルミサエル(子宮を司る天使)、タブリス(自由意志を司る天使)という命名から考えるに、やはりangelでないといけないでしょう。それを無理やり「使徒」と訳すのは、『黙示録』で地上に7つの災厄をもたらす「7人の御使い(the seven angels)」を連想させようとしているためでしょう。
 先にご紹介したサイトは閉じられてしまったようですので、使徒の名前の由来は以下のページでどうぞ。
http://www.dma.aoba.sendai.jp/~acchan/EVA/Angels/



先日分から更に遡ったつっこみ

Maniac C. (2003/02/22 03:07)

高駒麗人καμαさんへ
2月10日(月)01時49分48秒投稿の「口蓋化 長音 促音 等」について想い着いた事を。

>>英語の cat を、日本人は「キャット」と写しますが、
>Commme des garcons(ママ)は英語でコムデガーソンですが日本語ではコムデギャルソンですし。フランス語ではgが口蓋かしているようです。
→英語のcatの[ae]もそうですが、仏語の[a]([α]ではなく)は、調音位置が日本語の「ア」よりも前寄り(舌先で発音する感じ)なので、やってみると解りますが、少しだけ日本語の「ヤ」(あるいは「エ」)に近く聞こえます。仏語の子音に原因があるのではなく、母音の方(そして日本人の耳の方)に原因が在ります。露人の耳にはどう聞こえるのでしょうか。

>cuisine…(中略)…も英語では[kwizi:n]でカナならクウィジーンです。
>フランス語[kчizin]はキュイジンの筈。現行はキュイジーヌ。cui-がキュイなのはフランス語音尊重でしょうがジを伸ばすのが英語式。
→仏語cuisineを、より原音に近い形で表記するならば、「キュイジン」ではなく、「キュウィズィーヌ」です。まず[ч]は[y]の半母音ですから、cuの部分が「キュ」、u-iの渡りの部分が「ウィ」になります。次に仏語では「ジ」はgi(ji)で表します(英語の「ヂ」ではありません)ので、母音の後のsiは「ズィ」となります。そして、仏語では語末に強勢が置かれますので、他の部分よりやや長めに発音され、「イー」となります。英語はこの強勢の部分を忠実に写しているだけで、特に英語だから訛っているというわけではありません。最後のnですが、例えば、発音記号では同じ[tin]と表記される、英語のtin「ツェン」と仏語のtine「チーヌ」の実際の発音はかなり違った印象を受けます。無論[t][i][n]それぞれに原因が在るのですが、nに絞って言うならば、英語のnは舌尖を歯茎に着け、離さないのに対し、仏語では舌尖を上歯の裏側に着け、離すからです。ついでに、平成三年制定の『外来語の表記』では、「ウィ」「ズィ」共に、「一般的に用いる仮名」に入っていないので、現行どおり「キュイジーヌ」と書くのが、一般的には正当な表記法ということになります。

>「マサジ」でもいいような気がしてきました。朝鮮語でも마사지マサヂですし。
→仏語でも英語でも「マサージュ」ですね。

>Jurassicがどうしてジュラシックなのか。sは2つでcは1つですから「ジュラッシク」でいい筈。
→日本語での読み癖のようです。「模細工」とも書かれる「モザイク」を除けば、ほぼ全て-ic=「イック」となっています(これ以外の例外が在ればお知らせください)。sが2つ有るのは「ズ」と濁って読まれないようにするため。ssを「ッス」と詰まって読むのは、比較的早い時期(大体1910年まで)に入ってきた語で、「マッサージ」も、『角川外来語辞典』によれぱ、一番早い例は1901年です。
 Jurassic自体は、「三畳紀」Triassic(本途はTrias+-ic)からの類推(異分析)で、Juraにssicを付けたものです。

>私は幼少のころ「ピアノ」を「ピヤノ」と覚えていて、文字を学んで「ピアノ」だとわかりました。しかしフランス語音では[pjano]ピャノですし、トルコ語では piyano だそうです。
→英国でも[pjae:n∂u]または[pjα:n∂u]という発音が在りますし、本家・伊語でも[pja:no]です。



Re: Картавых について

にれのや (2003/02/21 23:37)

■Картавых [カル'ターヴィふ] の出自は、調べましたが不明です。
■昨日、Valdema:rs をリトアニアの名前としましたが、ラトヴィアの間違いでした。
□a: は a の上に―を引いた文字です。リトアニアは、ヴァイキングの略奪のひどかった地だということで、Valdemar にあたる名前は残っているはずです。調べますです、はい。



Re:麻酔 追加

未菜実 (2003/02/21 16:23)

角川「新字源」には次のように載っていました。
麻沸散:麻酔薬。後漢、西域の医師華陀が手術をするのに用いたもので酒に混ぜて飲ませた。大麻から作るので麻の字を用いる。麻酔・麻痺の麻も同じ意味。

なお、麻沸の項では次の様になっています。
麻沸:みだれた麻のようになってわきたつ。世がみだれさわぐ。

以上から、推定すると、乱れた麻を語源とすると言うのは、麻沸→麻沸散と捕らえた説ではないでしょうか?



Re: 麻酔の麻

かん (2003/02/21 15:57)

広辞苑第四版から
ま【麻】(3)(「痲」の通字)まひすること。しびれること。

ってのがありました(手元に漢和辞典の類が無かったので)
この辺が語源と関係ありませんでしょうか



RE:麻酔の麻

未菜実 (2003/02/21 15:43)

中公新書「医学の歴史」小川鼎三著の中では大麻説を取っています。
後漢の外科医華陀(かだ)は麻沸散を酒と一緒に飲ませて麻酔としたと言います。
この麻沸散の主成分がインド大麻だったそうで、麻酔の麻はここに由来するらしいとしています。
http://www.geocities.co.jp/Bookend/4373



麻酔の麻

Gypsy (2003/02/21 15:32)

はじめまして。

先日Googleで”麻酔”をサーチしていて”大麻”が出てきました。それでふと思ったのですが、麻酔の麻は大麻の麻なのでしょうか?

インターネットで調べた限りでは”麻酔の麻は大麻の麻”と言う説と”強力な痛みで心が乱れてしまった状態、乱麻をさす”と言う説とあるようです。

どなたか麻酔の語源をご存じの方、お返事を下さるととてもうれしいです。

ーーーGypsy



ヴァロージャについて書き忘れたこと

にれのや (2003/02/21 02:50)

■ロシア人の愛称、Володя(ヴァローヂャ)について書き忘れました。
□これは、すなわち、ウラジーミルの古ロシア語形 Володимер(ヴォロヂーミエル)の頭3音節を抜き出し、これに、愛称をつくる最も簡単な語尾 -а を付加したものです。Волод'+а。ですから、Валодя ではダメなのでした。
□これは、ロシア語形 ヴォロジーメルが教会スラヴ語形 ウラジーミルに駆逐されたのちに、愛称だけが千年余りも生き残ったという、不思議な事例です。
■ああ、それと、今さらながら『全国アホ・バカ分布考』読んでます。素人でもここまでできるんだと……



roses薔薇の名言

高駒麗人 (2003/02/21 01:32)

これらは、花、特に薔薇に関する名言です。日本語で決まった訳の文型はあるのでしょうか?シェイクスピアの言葉は有名ですが、資料によって日本語が違います。

Flowers are lover's truest language./Park Benjamin
What's the name? that which we call a rose by any other would smell as sweet./Shakespeare <Romeo and Juliet>

Flowers are not made by singing "Oh, how beautiful.”and singing in the
shade./Rudyard Kipling

True friendship is like a rose; we don't realize its beauty until it fades./Evelyn Loeb
Some people are always grumbling because roses have thorns.I am thankful that thorns have roses./Alphonse Karr(1808-1890)

Flowers for every occasion
Our florists,Lotus and Rose are plieased to take your orders.

http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=Rudyard+%b2%d6&hc=0&hs=0



さーろいん おろしや

高駒麗人 (2003/02/21 01:11)

にれのやさん
ManiacCさん
ご説明ありがとうございます。

Vladimirはゲルマン語名をロシア語風にアレンジしたものということですね。
アイヌ語の Nupurpetヌプルペト(ヌプルペテのほうがいいか)を和人が「ノボリベツ」にしたのは発音しやすさの為でしょうが、これで川を現す地名が「のぼる」「べつ」という全く異なる2つの単語の組み合わせのようになってしまいました。
サーロインsirloin(牛の腰の肉)は本来フランス語の surlonge(腰の上)のようですが、これをイギリス人が sir と loin の組み合わせに改良してしまい、しまいには「肉料理の好きな伯爵にちなんだ名」という語源説まで作られるようになりました。
歴史はともかく、今、ロシア人の中には、生まれた子供に Mir(平和、世界)の Vladi(支配者)という意味を込めて Vladimir と名づける親もいることでしょう。まさに正しのは唯一である筈の語源が新たに作られるのでしょう。

イルクートスクですと発音が irukutosku になり、irkutsk の原音からずれるでしょう。
よく「消費者のニーズ」と言うときの「ニーズ」は英語の needs[ni:dz]でしょうがこれはニーヅの筈です。日本人が発音する「ニーズ」は knees[ni:z](膝、複数)になります。これなどは、「ニードズ」にしてもよいかもしれません。しかし「ニードズ」でもやはり原音からずれますから、そこは考える必要があるでしょう。

Russia(Rossiya)が「俄羅斯」Eluosiになるのは、蒙古語Orosを経由したからですが、「ロッシヤ」が直接ロシア語から北京語に入ったら「羅西亜」Luoxiya になっていたでしょう。しかし「羅」だけでま「羅馬」Luoma<Romaと誤解されるおそれがあります。ヴェトナム語では「ロシア」を Nguか Ngo (「俄」の越南語音か)で現すようです。手元に資料がなくでうらおぽえですが。

ヴェトナム語http://cantho.cool.ne.jp/Viet/Viet.html

英語の飲食品名は英語でなくで世界の言語の寄せ集めです。わかりにくい例をあげます。分かる方、日本語名をおっしゃってみてください。
(apperizers promotion)
Cassettes of Escargots and Artichoke
Almond,Capers and Veal Jus

(Beef Tomato Salad)
Charred Red Onion,Haricots Verts,Balsamic Dressing

Butter Squash ant Potato "Risotto”
Hoisin and Fermented Bean Marinated

Volution Algae Tsing Tao シナ語名「青島螺旋藻」
Zonin Soave of Italian「意大利卓林」日本語では「ゾーニン・ソアヴェ・イタリアン」?

Pignutは「花生」huashengの意味だそうですが、自分の使っている英和辞典にはありません。

コーヒー名 「印尼」Eks
珈琲冰沙 Kafeibingsha Coffee Fmasterd コーヒーシャーベット?

Classical Lobster thermidor
Grilled Surf and Turf
Spicy Garlic-Cayenne Pepper Butter



ウラジーミルの語源について

にれのや (2003/02/20 21:54)

【ウラジーミルの語源について】
■キエフ・ルーシのウラジーミル大公は、通常、Владимир と綴られます。しかし、ウラジーミル大公のゲルマン語形は Valdemar でした。 □これはどういうことかというと、ヴァイキング(ノルマン人)が西方に進出していたことはよく知られていますが、彼らは東方にも進出していたのです。そのルートがバルト海から、ヴォルガ川、ドニエプル川を通って、黒海に抜けるコースで、ヴィザンチンやアラブと交易を行っていました。つまり、キエフ・ルーシは、ヴァイキングの勢力下にあったということです。
□また、ロシア人は、小国に分裂して混乱するロシアを統一しようとして、ヴァリャーグ人(複数形で ヴァリャーギ とも)というヴァイキングを支配者として、ロシアに招聘します。その子孫の一人がウラジーミルというわけで、彼には Valdemar というゲルマン語名があるわけです。
□Valdemar は、valde + mar と分けられ、valde は、(ドイツの名前の辞典によると)古高地ドイツ語の waltan にあたり、「支配する、管理する」という意味です。mar は、同じく ma:ri にあたり、「名声の高い」 となります。これをロシア語に変える際に、valde- は、ロシア語で同じ 「支配する」 の意味を持つ語幹 володи-(ヴォロジ)に「翻訳」しました。しかし、mar の方は、音転写し、-мер(ミエル)としました。(本来の綴りは -м{ь+-}ръ。{ь+-} はヤッチという文字)。こうして、Valdemar に当たる古ロシア語形 Володимерができあがりました。
□しかし、ウラジーミルの名を聖人として教会暦に載せるためには、ロシア語形のヴォロジーミエルのままではまずいのです。つまり、ロシア正教会では、教会スラヴ語を使っているので、ロシア語のヴォロジーミエルを教会スラヴ語形に直さなければなりません。
□教会スラヴ語というのは、何かというと、これはロシア語よりも古い原スラヴ語に近い言語で、わかりやすい例で言えば、ラテン語とイタリア語のような関係です。教会スラヴ語というのは、想像以上に影響力があり、つねに、古ロシア語に影響を与えていて、しばしば、ロシア語の語彙に入り込んだり、ロシア語の語彙を駆逐するようなことをしていました。現在でも、地名の形態素として使われる -град(グラート)と、街の意味の普通名詞 город(ゴーラット)が並存していたりします。「支配する/権力」という動詞/名詞も、現在では教会スラヴ語に由来する владеть(ヴらヂェッチ)/власть(ヴらースチ)が残り、古ロシア語の語幹は волость(ヴォーラスチ=公の領地)という歴史上の名詞に残るのみです。
□володи-という語幹を教会スラヴ語形に直すと влади-となります。-мерを-мирとした理由については、はっきりしません。かくして、ゲルマン人の名前 Valdemar から、ロシア人の名前 Владимир が出来上がりました。
□なお、-mar をロシア・スラヴ語に翻訳した名前もあります。ma:ri 「名声の高い」 を слав と訳し、Владислав(ヴらヂスらーフ)という名前をつくりました。こちらは、教会暦に載っていなかったので、革命後、子供を命名する権利が教会から剥奪されたのちに、他の多くのスラヴ系の名前とともにほぼ千年ぶりに復活しました。
□Valdemar という名前は、ヨーロッパ史上、デンマーク王に4人、スウェーデン王に1人見られますが、いずれも、ウラジーミルより後に現れた王です。なお、Valdemar という名前はヴァイキングのかつての版図に、それぞれ残っています。ドイツ語 Waldemar、デンマーク語・スウェーデン語・ノルウェー語 Valdemar、ポーランド語 Waldemar、リトアニア語 Valdema:rs、フィンランド語(Valdemar>)Valto。
■いじょう、ウラジーミルについて。



ウラジーミルについて。昨日の訂正とお詫び

にれのや (2003/02/20 21:53)

【イルクーツク、ヤクーツクについて】
■おっしゃるとおり、イルクートスク、ヤクートスクとすべき、というのは正論です。しかし、言語は、正論よりも慣用が先行しますので…… それにベススメルトヌイフの場合、-ss- が長いことは、耳で聞いてもわかります。また、-ts- が「ツ」に聞こえることも耳で聞いてわかります。
■-t で終わる語幹に -skij がついたロシア人の姓は、多くの場合 -тский と -цкий の両方の語形が見られます。とくに意味はないと思います。その姓を初めに名乗った人が、どちらの綴りを選んだか、ということでしょう。
【パーヴロヴァについて】
■20世紀前半のパリは、ロシア貴族であふれかえっていたといっていいでしょう。(1772年のポーランド分割に際してポーランド貴族であふれかえったように)。1917年のロシア革命により、ほとんどの貴族はロシアを脱出しました。こうしたロシア人を白系ロシア人といいます。革命前のほぼ150年間、ロシア貴族の社交上の言葉は、主としてフランス語だったために、白系ロシア人は、パリに移住してもフランス語に困ることはありませんでした。20世紀前半のフランス映画のクレジットを見ているとよくわかりますが、Mnouchkine とか Pavlov(a) といったような、ロシア人の姓がたくさん見られます。
【ウラジーミルについて お詫び】
■昨日の Володемар という語形は、キレイさっぱり忘れ去ってください。ただしくは【Володимер】[ヴォロジーミェル] です。(これから説明しますがドイツ語形とゴッチャになってしまいました。
■もう1つお詫び。ヴァロージャの露綴は、【Володя】が正当です。当然、こうでないと困るのです。



Re: Peggy

UEJ (2003/02/20 10:13)

佐藤さん、Maniac C.さん、情報ありがとうございます。

> 梅田修『ヨーロッパ人名語源辞典』(大修館書店)に以下の記述がありました。
> …

Webばかり検索していて本を見るのを忘れてました。
下は手元にあった「A Concise Dictionary of First Names (Oxford University Press)」からです。

【Peg】
The reason for the alternation of M- and P-, which occurrs also in Molly/Polly, is not known;
it has been ascribed to Celtic influence, but this particular alternation does not correspond to
any of the usual mutational patterns in Celtic languages.

【Polly】
The reason for the interchange of M- and P- is not clear.

というわけで、要は「原因不明」ということなので情報としてはあまり価値はありませんが、ご参考まで。



種々

Maniac C. (2003/02/20 05:07)

>「メレンゲ(meringue)」は…(中略)…フランス語のようです。[mэRε〜]が原語音でしょうか。
→「メレンゲ」の原語は、確かに語源不明の仏語なのですが、原音は「m∂Rε~:g(ムラ〜ング)」なので、日本語へは、独語Meringe「メリンケ゜」または西語merengue「メレンゲ」から入ってきているのではないかと疑っています。
>「クリームとフルーツを飾ったメレンゲを乗せたケーキ」は「パヴロヴァ」pavlovaだそうで、これの発明(発案)者はPavlovというロシア人でしょうか?
→Pavlova<Anna Pavlovna Pavlova(1881-1931) 露西亜生まれの女流舞踏家。Michel Fokine振付の『瀕死の白鳥』は特に有名。
条件反射の実験で有名な生理学者(1849-1936)は、近い時代の人ではありますが、Ivan Petrovichですから、肉親ではないでしょう。

中国語は、漢字という厄介な表語文字を使っている以上、音訳は不可避ですが、意訳できると良いと思います。Russiaのように、人名に基づいている場合(私の記憶ではルスが建国したはず)、更にその語源に遡るのは不可能でしょうが(研究社の『英語語源辞典』では個人名ではなく、民族名として、語源 ?sea-farerと有り)、イスラームならば、submission(巷では「=関節技」という誤った認識が蔓延しているが、「服従」の意味)が原義なので、「従教」とか。意訳と音訳が巧みに結び付けられれば言うことなしなのですが(「函数」なぞは“はまり訳”ですよね)。

>要するにコンピュータというのは馬鹿の分からず屋の役立たずだということですね。
→私も日ごろ、機械の融通の利かなさ・不便さには呆れています。確かに将来的にはこの不便さも解消されるべきなのでしょうが、ま、現状では、素人の身ですし、「機械というモノは、万古普遍にそういうものさ」と諦めて、機械に使われるしかないのではないでしょうか。意思疎通の道具としては、それ専用に開発されたWPと、所詮は計算機から発展し、おまけとして機能が付加されたPCとでは、自ら開きは有るでしょう。専門的に広く使いたい拙や高駒麗人KOMAさんのような人と、必要最小限の閲覧機能だけ使いたい・しか使えない人とでは当然、差が出てきます。その両者が「掲示板」という一つの場所で会うためには、前者は後者に合わせてあげるべきなのではないでしょうか(全員が高度な機能を使える、という前提が有れば話は別になりますが)。
 話は変わりますが、「馬鹿」は「バロク」ですよね。「莫迦」という当て字も変換候補には在りますが、これは「モハ」? 漱石のような明治・大正の文学作品ぐらいでしかお目にかかりませんね。実は「馬家」が本途らしいです。『全国アホ・バカ分布考』(松本修著、太田出版)は、まだお読みでなかったら、オススメです。

>ロシア人の姓には、特にシベリア出身の者に、この複数生格-ых の語尾を持つ例が多く見られます。
→すると、Картавыхなんてのも、西伯利亜出身なんでしょうか。>にれのや師匠

>Watsonの發音は[wαtsn]で「ワツン」とすべき
→形態素がWatとsonに分かれますし、音節も分かれますので、確かに実際の発音はもしかすると「ワツン」に近く聞こえるかもしれませんが、やはり、どう考えても、「ワッスン〜ヲッスン」以上にはなりません。catsの語末の音とは違います。多分、tが内破音だからだと思います。Hudsonも同様、精々「ハッスン」です。



綴り 訂正

高駒麗人KOMA (2003/02/20 04:22)

Volksetymology > Volksetymologie または folk etymology



Vladimirと登別

高駒麗人KOMA (2003/02/20 03:45)

外語の文を翻譯しなが読んでいると辞書はなくてはならないのですが、それだけに必要な単語や意味が乗っていなかったりして「辞書というのは役立たずのガラクタだ」と思うことがしょっちゅうです。それでも無いよりはましなのです。それで辞書にない言葉の意味をメモしてノートにまとめたり、辞書に貼り付けたり…。

ある中国人が日本製の国語辞典(日中でなくて日日辞典)で日本の新聞を読むという高度な勉強をしていましたが、それでも多くの単語が辞書に無く、「詞典上没有!」と言って悲鳴をあげていました。私が以前、中国人に日本語(最新の詞や専門用語等)を教えたとき、彼らは電脳の日文wordで打ってみて変換して出ないと「そういう詞はない」と決めてかかって文句を言ってきました。
勉強熱心で辞書や電脳辞書機能を鵜呑みにして頼りきっている人ほどこういう悩みや誤りを犯すのです。


以前、「別冊宝島」で英語のうまい(らしい)ある日本人がネイティヴの意見か何かを根据に某社の英和辞典をボロカスに批判したことがありました。私も英和であれ漢日であれ辞書の編集者に文句を言いたいことはショッチュウですが、そんなものはユーザーが工夫すればすむことです。辞書等は人が(大黒屋光太夫等が)詞の意味をメモしたものが肥大化したような物で、不完全だったり無駄があったりするのは当然なわけです。

>с-с のあいだに形態素の切れ目があるので、転写形は、やはり「ベススメルトヌイフ」とするべきですし、露文学者なら、そうします。
Watsonの發音は[wαtsn]で「ワツン」とすべきでしょうが、形態素ではWatの息子sonなので「ワトソン」であり、Hadson>「ハドソン」もそうでしょう。
ロシア語の正書法でiをИで統一したのはよかったのですが、ts ЦとTCの2種があって面倒です。Цであるものは本来一つの子音でしょうが、TCであるものはTで終わる語とCの結合でしょうか。
IrkutskがИркуцкでなくてИркутскだとすると、これは地名か民族名の
Иркут(Irkut)に形容詞接尾語CK[sk]がついたということでしょうか。
YakutskはЯкутскでしょうか。Yakutヤクート民族の名ЯкутにCK[sk]がついたものでしょう。すると日本語としては「イルクーツク」「ヤクーツク」でなく「イルクートスク」「ヤクートスク」とすべきということになります。
Trotsky や Trubetskoy の ts がцなのかTCなのかはローマ字表記だけではわかりません。日本で作られた辞書や現代用語事典の最新外来語リスト等ではロシア語をローマ字表記でのせていまっす(例:ピロシキ pirozhki)が、中国で作られた辞書や本ではキリル文字そのままが多く
(ピロシキならпирожки)結構役に立ちます。

>Владимир(Vladimir)は、Володемар(Volodemar)
Vladimirが「世界」mirの「支配者」vladi-というのは民間語源説で、本当の語源ではないということでしょうか。ロシア人にとってはВолодемарよりも
Владиとмирを合わせたВладимирの法が發音しやすいのでしょう。
多くのロシア人はВладимирを「支配者・世界」という意味で受け取っていることでしょう。これもVolksetymologyの一種ということになりますか。

アイヌ語の Nupurpet(「白く濁った川・色の濃い川」?)が
 Noboribetsuとなり「登り・別」と解釋されて、更にシナ語で Dengbieと読まれるのと似ています。
http://www.hokkaido.cci.or.jp/hokmap/noboribetu-ga.html(登別商工会議所地域情報)



Re: もろもろ

にれのや (2003/02/20 01:34)

■Monsieur Koma。Maria Schubiger さんの言う [w]→[b] という変化の例は、確かにドイツ語にはたくさんありますが、英語ではどうでしょう? 特に、語頭で [w]→[b] という変化が起こったのだとしたら、スペイン語のように、実例がゴロゴロしていてよさそうなものですが。それに、ドイツ語の Will(y) では、Bill(y) への変化は起こっていません。
■Бессмертных(Bessmertnykh)は、бес-+смерть+-ный という、3つの形態素に分けることができます。бес-(ビェス)は、「無声子音で始まる語幹に付いて "〜ない"、すなわち without の意味」を加えます。また、без それ自体は、前置詞として without の意味で使います。
□смерть(スミェルチ)は「死」を意味する名詞です。
□-ный(ヌイ)は、形容詞をつくる接尾辞です。
□これらを合わせると、「不死の」という意味の形容詞ができあがります。Бессмертных は、この「不死の」という意味の形容詞の「複数生格」、すなわち、所有格の複数形です。ロシア人の姓には、特にシベリア出身の者に、この複数生格-ых の語尾を持つ例が多く見られます。これ自体で複数生格になってしまっているので、不変化名詞として扱います。また、この姓の例では、бес- で始まっているので、語尾が複数生格になっているとも考えられます。前置詞 без は、生格を要求する(つまり、without という前置詞のあとは所有格にしなければならない、ということ)からです。бес-,без- で始まる姓には、しばしば、この-ых で終わる姓が見られます。
□上述のように с-с のあいだに形態素の切れ目があるので、転写形は、やはり「ベススメルトヌイフ」とするべきですし、露文学者なら、そうします。実際の発音は [ビェッスミェルトヌふ] という感じでしょうか。-ртн- では、т の音は落ちません。シェヴァルドナッゼの -рдн- と似ていますね。破裂しません。
■Владимир(Vladimir ヴらジーミル)は、スラヴ語起源の名前のようなふりをしていますが、本来は、北欧の名前です。古代の語形は Володемар(ヴォロデマル)で、Валодя(ヴァろーヂャ)という愛称は、ここから来ています。(アクセントが、ウラジミールでなく、ウラジーミルなのも、スラヴ起源でないことが原因だと思います)。



William Bill 参考資料

高駒麗人KOMA (2003/02/20 00:50)

Maniac Cさんへ
amritaについての解説有り難う御座います。英和でも中日でも、2〜3冊づつ用意しないといけないのでしょうが、経済的に限界があります。
そういえば、あのニールの妹もイライザ…。奇遇ですね。

↓大修館『新版音声学入門 Einführung in die Phonetik』Maria Schubiger著、小泉保譯 1987
半母音の硬化 Verhärtung der Halbvokale,hardening of semivowels(閉鎖・破擦・摩擦音化)
[w]の硬化に2つの形
1.後舌が強い発音のとき軟口蓋まで上がる。−外国風の發音をしようとする時等−そして[w]の前に閉鎖音[g]が生じる。これでフランス語の
guerre[gε:r]<戦争>,guise[gi:z]<仕方>のような語がゲルマン語の
werra(>エ.war[wэ:]<戦争>)、wisa(>ド Weise[vaize]<仕方>)から由来したことがその正書法から明らかになる。なお[u]は12世紀以来もはや發音されていない。
(そう言えば Guillaumeは例に挙がってませんでした)

2.[w]で唇が丸められるため、ついに両唇閉鎖音になることがある。そして[b]が生じる。(中略)中高ド.swalwe>新高ド.Schwalbe[∫valbe]<つばめ>
(中略)またこのようにして、英語のBill[bil]<人名>がWill(iam)[wiljam]から生じた。
(cの逆さ文字はэで、曖昧母音は綴り字似合わせてeとaで引用しました)

↓同学社「言語学小辞典」下宮忠雄、川島淳夫、日置孝次郎編著 1994
人名の起源 Wilhelm [古高ド willo+helm]意志のかぶと、断固守る者
(英語の同系語:William「ウィリアム」、will「意志」、helmet「兜」)
http://www.jbook.co.jp/review.asp?product=1092552(同学社)
http://www.taishukan.co.jp/univ/daiteki_gengo.html(大修館)
http://sty.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~a056ac/syakai.html(クレオール語文法)
http://thistle.est.co.jp/tsk/detail.asp?isbn=4-469-21100-1&sku=20011



中国語外来語

辻本裕幸 (2003/02/19 17:09)

中国語の外来語はやっぱり厳しいです。ロシアを E luo siと言うところまでは良いですが、eの方を取って、イ我語(e yu)と言うのはちょっとどうかと思います。まだ調べていませんがあのイ我と言う漢字は、にんべんに我ですから、多分ng声母を伴って発音する地方もあるのだと思います。ロシア語がnge yu(ンゴーユュイ)とかでは、随分印象が変わってしまいます。羅語 luo yuとするのはどうでしょうか?
 イスラムを yi si lanとするのまではよかったが、(yi si la muとかよりはいい。)できれば蘭ではなく南部方言ではlamとなる漢字を使ってほしかった。蘭は今も昔もm鼻音尾を持ちませんが私は我信 yi si lam教と言いたいところです。



『アイヌ語正典』

ヒグマ (2003/02/19 15:22)

『アイヌ語正典』 投稿者:poronup  投稿日: 2月16日(日)03時28分41秒

poronup 様

 ご返事ありがとうございます。
 私は、生きたアイヌ語に接した経験がほとんど無く、ご指摘の内容の正否を判断する言語学的経験や能力を持っていません。
 しかし、藤原氏の論説に惹かれるのは、個々の単語の実在性や解釈より、その前提となっている考え方にあります。
 例えば、『アイヌ語正典』の「山川・人間生物説」に書かれているように、自然物を人体になぞらえることの不合理や 、kotanに関わってカジカやシマフクロウのアイヌ語の説明が従来の通説に比べて合理的になされている点です。
 藤原氏の論説は、言語学的な経験から出たのではなく、論理的な思考から出たものではないかと感じています。したがって、藤原氏の論説を100%正しいと考えているわけではありません。
 言語学にも色々な方法論があると思いますが、論理的な思考から導き出された研究成果として、通説の矛盾を突いている点で一定の評価をされるべきものと考えています。
 今後議論を進める上で、言語以前の考え方の部分と、直接的な言語の部分の両方が必要と考えます。
 しかし、残念ながら最初に書きましたように言語としての部分は分からないので一方的にご指摘を受けることになると思います。
 なお、
>(このnupriは「子音一つを落として解釈する例」ではなく、「母音」を落としている例では?)
 ご指摘の通りで、送信直後に気づきましたが修正の方法が無く、失礼しました。



文字化け

massangeana (2003/02/19 04:34)

前にも言いましたが, 文字化けがひどすぎます。失敗したら同じものを何度も送りなおすのでなく,
なぜ化けたのかを考えましょう。
たいていのブラウザは Unicode 対応しているので, JIS X 0208 に定義している以外の字も入力が
可能ですが, 日本で使われている CGI の多くは JIS X 0208 に定義されている以外の文字を受け
取るようにはプログラムされていません。TCUP は CGI のソースを公開していないようなので実
際の処理がどうなっているかはわかりませんが, やはり同様だと思います。 IPA に関しては前に言った Kirshenbaum の ASCII IPA などを利用といいと思います。
  http://www.kirshenbaum.net/IPA/ascii-ipa.pdf
サンスクリットに関してはダイアクリティカルマークを使わない転写方式がいくつかあります。
Kyoto-Harvard 方式がもっとも一般的だと思います。
どうしてもアクセントつきの文字が必要なら, 文字実体参照を使うことも可能です。これは
&ocirc; のように書いておくと ô と表示されるものです。ただし他人がこれを cut / paste
して使うとやはり文字化けの原因になります。

ちなみに下の高駒麗人さんのメッセージが化けているのは, ā (マクロンつきの a) を使って
いるため, プログラムがこれは JIS X 0208 では送れないと判断し, EUC-CN (GB2312 簡体字中国
語) に変換したのを, 受け取る CGI プログラムの側が EUC-JP (日本語)だと勘違いしたために
化けたのです。仮名が化けていないのは EUC-CN と EUC-JP でコードがたまたま同じだからです。
 D3A2 BACD B4C7 B5E4 = 英和辞典(EUC-CN) 哂才看灸(EUC-JP)



アムリタ&イライザ&環節

Maniac C. (2003/02/19 03:30)

■アムリタ
 ヒンドゥー神話の不老不死の水のことで、梵語am{rの下に・}taが語源らしいです。
 a-は否定辞、m{rの下に・}taが「死」です(多分仏語mortと同系)。
 英和辞典には、amrit, amrita, amreeta の綴りが挙げられています。
 希臘語のambros{i´}a「神饌」とも同系です。
■イライザ
 そうです! あのキャンディをいじめたイライザの本名は、何とエリザベスだったのです!! 昔、これを初めて知ったときには、腰を抜かすほど魂消ました。
■環節
 小学館の『プログレッシブ中国語辞典』(\3500+税)に載っていました。とってもお手軽な辞典ですよ。



케빈 코스트너 Kevin Costner

高駒麗人 KφMÅ æ ä œ ö ü ï ŋ (2003/02/19 03:28)

Kómā が文字化けすると Kómāになるようです。

訂正:
朝鮮では、 Kevin Costner(ケヴィン・コスナー)の名は
케빈 코스트너[k'ebin k'osщt'щnэ]「ケビンコストゥノ」になり、tとnの間に母音が入ってtが律義に発音されています。実際は現代英語では listen[listn]>[lisn]のように子音の次のtはn等自鳴音の前では消滅する事が多いようです。

にれのやさん&ManiacCさんへ、
お返事が早いですね。
>おふらんす語は洒落た感じ…。敬意が込められている「大爺爺」は名訳ではないでしょうか。
英和辞典等、よくみたらフランス語だらけですね。英語を理解するためには(特に飲食や服装関係を扱うには)フランス語・イタリア語辞典も買う必要がありでしょう。

研究者LIGHTHOUSEによると「メレンゲ(meringue)」は「砂糖と泡立てた卵白などを混ぜて焼いたパイ。」
発音は[mэræ ŋ ](эは曖昧母音)で、どうフランス語のようです。
[mэRε〜](mと曖昧母音とRと鼻にかかったε)が原語音でしょうか。
「クリームとフルーツを飾ったメレンゲを乗せたケーキ」は「パヴロヴァ」pavlovaだそうで、これの発明(発案)者はPavlovというロシア人でしょうか?Stroganov(ストロガノフ)や Sandwich(サンドウィッチ)のように発案者の名が料理名になったのでしょうか。

再訂正:Bessmertnykh Бессмертных発音は で3音節。「ベスメルニフ」でよかった筈。「ベススメルトヌイフ」だと9音節で全く非効率です。

Владиславは「スラヴの支配者」ですか。愛称は Слава(Slava)、Владя( Vladja)…。
Владимир(Vladimir)の愛称は、Валодя(Valodjaヴァローヂャ)だそうです。それと似ていますね。



RE:佛語&支那経済用語 2

高駒麗人 KφMÅ (2003/02/19 03:03)

Kómā が文字化けすると Kómā になるようです。
http://sports.china.com/zh_cn/star/ccz/gallery2.html

訂正 bok choi(白菜)、>bok choy(白菜)
まあ、どちらでも同じようなものですが。

>「環節」は「部分」、「増殖税」が「付加価値税」だとすれば、「環節増殖税」は「部分付加価値税」。
>「両免三減半」は、経済特区に進出した外資企業に対する税制優遇措置で、利益が出た最初の2年間は免税、その後の3年間は税金を半減する制度だそうです。

勉強になりました。廣辞苑サイズの中日辞典(漢日詞典)では、“環節”huanjieはある種の動物の体の一部とかいう説明で経済用語として納得できる記述がありませんでした。ましたManiacさんのレスのようなマニアックな解説はどの字引にもありません。外語とつきあって辞書は不可缺ですが同時に辞書は多くの場合役立たずです。ジョン万次郎や大黒屋光太夫がやったように自分でメモして辞書を創るしかないでしょうね。
http://www.mm52.com/chineseidols/chenchunzhen/cn_index.htm
http://sports.china.com/zh_cn/star/ccz/word.html
http://dictionary.goo.ne.jp/cgi-bin/je-top.cgi(和英辞典)
http://dictionary.goo.ne.jp/cgi-bin/ej-top.cgi(英和辞典)

「不老長寿の秘薬」を意味する古代語でAmritaという詞があるようですが、何語でしょうか?
「My Fair Lady」の Eliza の名は Elizabeth の愛称でしょうか?

ShevardnadzeのDについて
Shevardnadzeはシナ語で Xiewanazi「謝瓦納[慈から心を省いた漢字]」であり、ピンインのzは[dz]だからいいとして、nの前のdだけでなくその前のrも省いています。中国人では外語の固有名詞については音節を増やさないように配慮しているようで、Brazil(2音節)が日本語で「ブラジル」Burazilu(4音節)になるのに対してシナ語では Baxi(「巴西」バーシー)になり、Brasilのrとlを省いて B'asi' にしたような物です。

旧ソ連に「ベススメルトヌイフ」という長ったらしい名前の人がいましたが、英文紙で綴りを見たら Bessmertnykhでした。ロシア文字の綴りは、おそらく
Бессмертныхでしょう。
とにかく発音は Bess-Mert-Nykh[b'es-m'ert-nïx]で3音節。日本の Ya-ma-da(山田)や Hi-ro-shi(ヒロシ)と同じ長さです。cc(ss)の音価は[s]で、tはnの前で無開放になるので、「ベスメルニフ」でよかった筈です。「ベススメルトヌイフ」だと音節で全く非効率です。

朝鮮では、 Kevin Costner(ケヴィン・コスナー)の名は
케빈 코스트너[k'ebin k'osщt'щnэ]「ケブンコストゥノ」になりtとnの間に母音が入ってtが律義に発音されています。実際は現代英語では listen[listn]>[lisn]のように子音の次のtはn等自鳴音の前では消滅する事が多いようです。

http://www.shimanouchi.org/ent_as_valenhsu.htm
↑英語名 Valen Hsu の名が「許茹芸(シュー・ルーイー)普通話ピン音 Xu Ruyi」となっていて、上には繁体字で「許茹藝」と書いてありますがこれは間違い。「許茹芸(シュー・ルーユン) 普通話ピン音 Xu Ruyun が正しい」許芸茹 Xu Ruyun について↓

http://www.mm52.com/chineseidols/xuruyun/cn_index.htm



ウラジスラフの愛称

にれのや (2003/02/19 02:56)

■ロシア人の青年 Владислав(ヴらヂスらーフ Vladislav)という友達(というには年が離れているけど)がいまして、これが悪いやつで、彼が十代のころ知り合ったときには、ブラックマーケットの品をホテルの外人に売りさばいていました。わたしは、軍用の腕時計を買いましたが。
■Владислав をロシア人の名前の辞典で調べると、愛称は Слава(スらーヴァ Slava)、Владя(ヴらーヂャ Vladja)というところが、普通、掲載されています。で、彼を、これらの愛称で呼ぶと、非常に不服そうな顔をして、「俺は Владик(ヴらーヂック)だ」 と訂正されました。彼の友達に訊いても、彼はスラーヴァやヴラージャではなく、ヴラージックだ、という答えでした。
■別の時、晴海に入港したロシア船に知り合いを訪ねてゆくと、そこには友達の友達みたいな人たちがいっぱいいて、オジサンのウラジスラーフさんがいたのですが、彼は何の問題もなく Слава(スラーヴァ)で、友人たちもスラーヴァと呼んでいました。
■ま、それだけの話なんですけど……



再・仏語&支那語

Maniac C. (2003/02/19 02:38)

■/w/と/gw/
 これは音韻が変化したのではなく、借用に当たって、当時/wi/や/we/の音が無かったので、手持ちに有った/gwi/や/gwe/を当てたのです。西語も同じです。
 現代語ではどちらの言葉でもquiは/ki/と読みますが、以前は同様に/kwi/と発音していました。日本語の「くゎ」「くぃ」などと同様、/w/が脱落してしまったわけです。
■cru
 仏英辞典には次のようにあります: growth; production(esp. of wine).
 英語でも、おふらんすの言葉は洒落た感じがするので、その香りを漂わせるための表記だと思われます。
■威廉大爺爺
 年若い師匠に対しても使える「老師」という言葉には、敬意が込められています。更に、年若いアルバートさんを世間から韜晦する意味でも、「大爺爺」は名訳ではないでしょうか。



Bessie&Manley

Maniac C. (2003/02/19 02:18)

 確証は無いのですが、多分、次のような経緯だと考えます。
まず、Almanzoから強勢の有るManzを取り出して、これに愛称接尾辞の-ieを付けると、Manzie。さらに、zをlに異化して、Manley。

 また、Bessieについては、次のような変化です。
Elizabethの語末を取ってBeth。これに愛称接尾辞の異形-sieを付けて、Betsie。これが変化してBessie。さらにここから逆成で接尾辞-ieを取ってBess。

 私の狭い経験から言えば、複数の愛称を容認する人と、一つの愛称にこだわる人とがいるみたいです。



RE:佛語&支那経済用語

高駒麗人 Kómā (2003/02/19 02:03)

ManiacCさんへ、ご説明誠にありがとうございました。
Norman Frenchのwが中央France語でgu[gw>g]だとのことですが、w>gw>gという変化であれば、やはり舌根が軟口蓋について[wi]が[gwi]になり、圓唇がくずれて[gi]になったのではないでしょうか。Williamと同系のWilhelmは Wil+helm「兜」だそうですし。
西班牙語で「戦争」を意味するguerra「ゲーラ」が古期高地独逸語werraに由来するというお話ですが、やはりweがgueになっています。これもそうでしょう。

シナ語ではWilliamは「威廉」Weilianです。南方方言ではwiliamかもしれません。「キャンディ・キャンディ」のシナ語版「小甜甜」XiaoTianTianでは、「ウィリアム大伯父様」が「威廉大爺爺」と譯されていました。アルバートさんは爺爺という程の年とは思えませんが…。

>dinner wines from the"Les Crus”selectionは「特定原産地産品えりすぐりの晩餐用葡萄酒」

よくわかりました。やっとなぞがとけました。
Les Vins Georges Duboeufは会社名だからフランス語でもいいとして、"Les Crus”は「原産地」ですか?では country place of origine と書けばいいわけです。
http://dictionary.goo.ne.jp/cgi-bin/dict_search.cgi?MT=%B8%B6%BB%BA%C3%CF&sw=1
世の中には英語の中にフランス語やイタリア語を安易に混ぜる人が多く、こっちはフランス語など全くしらないわけで、迷惑この上ない気がします。
日本語を専門に学んでいる中国人は time のような基礎的な英単語も知らないので、日本人が日本語の文章に安易に英語を混ぜていると、全く理解できませんが、その困惑が理解できる気がします。
EU内部では食品ラベルに英語以外の言語を印刷することが禁止されたそうで、誠に非民主的で意外ですが、英語自体がフランス語に汚染されまくっていますから、禁止など有名無実です。特に飲食関係の「英語」など、bok choi(白菜)、al fresco(屋外)、pescatore(海鮮麺)、meringue(メレンゲというパイ)、teppanyaki(鉄板焼き)のように、シナ語、イタリア語、フランス語、日本語その他の単語が混ざり合った無法地帯です。
http://sports.china.com/zh_cn/star/ccz/gallery2.html
http://www.mm52.com/chineseidols/chenchunzhen/cn_index.htm

(欧州飲食品ラベル使用言語)

http://japon.vins-bordeaux.fr/2002/library/class_medoc.html



Re: Bill について

にれのや (2003/02/19 01:51)

■Monsieur Maniac の「ジャガイモ飢饉」についての示唆は興味深いですね。言語学というのは、一面では歴史と非常に密接な関係がある、とつくづく思います。確かに、「1840年代から」という記述のあったのは、米国で出版された名前の辞典です。
■そうすると、1840年以前に、北アイルランドで Bill という愛称が一般的であったことを証明する必要がありますね。
■ゲール語についての知識は、立ち読みによる齧り程度です。ただ、確かに [w] という音素はあったと思いますがどうでしょう。もっとも、19世紀以前の北アイルランドのゲール語の発音がどうであったか、などということを調べるのは骨が折れるでしょうね。
■William のゲール語形 Uiliam 確認しました。



Elizabethと言えば

狐の悠 (2003/02/19 01:08)

大草原の小さな家シリーズを書いた
Laura Ingalls WilderことLaura Elizabeth Ingallsのニックネームは
Beth, Bess, Bessieの3つの表記を見つけることができました。
それぞれ、
http://freepages.genealogy.rootsweb.com/~quick/d0032/g0000086.html#I029903
http://www.liwms.com/education/discover.htm
http://webpages.marshall.edu/~irby1/laura/wills.html
に拠ります。
#実際私の知人のElizabethは自分の愛称はBessでありBethではないと言い張っていました。

問題は彼女の旦那のAlmanzo James Wilderで、なんで愛称がManleyなんだか。



仏語&支那経済用語

Maniac C. (2003/02/19 01:05)

■英語のWilliamはノルマン・フレンチのWillia(u)meに由来し、これが中央の仏語ではGuillaumeとなるわけですが、別段、KOμαさんの説明にあるような、舌根と軟口蓋が合わさったわけではなく、現代語では/g/と発音されるこの綴りが、古くは/gw/と発音されただけの話です。「グィリョーム」→「ギヨーム」の変化です。
■guerrilla「ゲリーラ」は仏語ではなく、西語で、「戦争」を意味するguerra「ゲーラ」に指小辞-ill-が付いたものです(仏語ではgu{e´}rillaで「ゲリヤー」)。guerraは古期高地独逸語werraに由来しますので、英語のwarと近縁に有ることは間違っていません。英語のwarはノルマン・フレンチのwerreに由来し、これは中央仏語のguerre(「アプレゲール」や「アヴァンゲール」の「ゲール」)に対応する語形です。
■Les Vins Georges Duboeufは「ジョルジュ・デュブッフのワイン」社で良いのではないでしょうか。ジョルジュ・デュブーフ氏は、それまで単なるガブ飲み用の地酒だったボジョレーを、一代で世界に広めた人らしいです。たいてい「ボジョレの帝王」と紹介されています。余談ですが、boeufは英語のbeefの語源で、仏語では「牛肉」ではなく、「牛(総称としての)」の意味です(特に分けて言うときは「去勢した牡牛」を意味します)。
■"Les Crus”は「(葡萄酒の)特定原産地」の意味です。「十字架」は仏語ではcroix「クルワー」と言います(こちらは女性名詞)。ボジョレーはブルゴーニュの36の村で作られていて(ヴィラージュ・ボジョレー)、その中でも特定の10村で作られる1階級上のが「クリュ・ボジョレー」だそうです。従って、dinner wines from the"Les Crus”selectionは「特定原産地産品えりすぐりの晩餐用葡萄酒」という意味なのではないでしょうか。

■「環節」は「部分」の意味ですので、「増殖税」が「付加価値税」だとすれば、「環節増殖税」は「部分付加価値税」ではないでしょうか。
■「両免三減半」は、経済特区に進出した外資企業に対する税制優遇措置で、利益が出た最初の2年間は免税、その後の3年間は税金を半減する制度だそうです。



HYPOCORISM

Maniac C. (2003/02/18 23:45)

 週末留守にしていたら面白い話題で沸騰していますね。

■英語の愛称(短縮代用形)は、基本的に、強勢の有る音節か、最終音節を独立させて作ります。
 同じElizabethという名前から、LizとBethとそれに基づく変種が出来るのは、そのためです。
■その中で、異分析から、先行語の語末子音が語頭に付くものも在ります。
 Nell< mine Ellen/Helen/Eleanor
 Nan< mine Ann/Anne/Anna
 Ned<mine Ed
 Ted<?that Ed
■また、母音が弱化したものも在ります。
 Kit<Kate<Catherine
 James<Jim
 Jill<Julia(na)
 Jenny<Jane
 Larry<Lawrence
■さらに、語末子音が異化したものも(幼児にとって発音がしにくいため、と説明されます)。
 Hal<Harry<Henry/Harold
 Dolly<Dorothy
 Sally<Sarah
 Sadie<Sarah
 Betty<Beth<Elizabeth
 Matt<Matthew
■頭子音が同韻語で置き換わるものも在ります(押韻変形)。
 Bob<Rob<Robert
 Dick<Rick<Richard
 Peg<Meg<Margaret←UEJさんの疑問に思っている変形がこれ。
 Poll<Moll<Mary
 Patty<Martha

 Bill<Will<Williamも、上と同じように音の類似性が有るので、この一種かと考えていました。しかし、種々のものにアイルランド語との関係を示唆する記述が在ります。もし、にれのや師匠の提示された統計が米国のものであったとし、Billが1840年以前はアイルランド特有のものであったとするならば、それ以降の隆盛は、1845-49年代に起こった「ジャガイモ飢饉」(これを機に大量のアイルランド移民がアメリカへ流れた)と関係有るかもしれません。尚、ゲール語のmhの発音は[w]ではなく、bhと同じ[v]なのではないでしょうか。ついでにWilliamのアイルランド語綴りはUilliam「ウイリヤム」のはずです。
 参考まで。



Peggy

佐藤和美 (2003/02/18 22:09)

梅田修『ヨーロッパ人名語源辞典』(大修館書店)に以下の記述がありました。

「ペッグ(Peg)は、メッグ(Meg)から Meg-Peg のようなリズミカルな愛称が生まれ、Peg が独立して名前となったものである。Peg から、さらに、ペギー(Peggie)という愛称も生まれた。このような愛称のでき方は、Mary の愛称 Molly からMolly-Polly が生まれてポリー(Polly)が独立したのとよく似ている。」



Re: Bill について

にれのや (2003/02/18 02:07)

【Bill, Billy について】
Billy のよく知られた使用例の最も古いものは、英国王ウィリアム三世(aka オレンジ公ウィリアム William of Orange)に対して、北アイルランドのプロテスタント系住民の使用した愛称 "King Billy" です。
 オレンジ公ウィリアムは、名誉革命によって、カトリック教徒のジェームズ二世をフランスへ追放し、1689年英国王に即位。翌1690年、オレンジ公ウィリアムは、ジェームズ二世率いるフランスとアイルランドの連合軍を北アイルランドのボイン川の戦いで破り、北アイルランドの英国支配を確立しました。このことに歓喜した北アイルランドのプロテスタント系住民は、敬愛の念をこめて William of Orange を King Billy という愛称で呼びました。
 しかし、英語において、William の愛称は、この後も Will であり、Bill(y) が使われることはありませんでした。1840年代になって、Will に代わって Bill が使われるようになり、以後、現在にいたります。
 英語において、[w]→[b] という変化を起こした例を見つけることはむずかしく、やはり、Bill は、ゲール語(アイルランド語)の影響で生まれた語形だと思われます。
■ただし、わからない点が2つ。(1)なぜ、1840年代になって Bill が隆盛を見るようになったのか? (2)ゲール語には [w] という子音があるのに(mhで表す)なぜ、英語の [w] を [b] で写すのか? この点については、さらに調べてみます。



William and Margaret

文月千敏 (2003/02/17 18:29)

これは単なる私の想像ですが、Williamの最初の音/w/は唇を小さく丸めてその隙間から音を出しますね。これは幼い子供にはむずかしい発音なので、そのかわりに唇を閉じて破裂させて出す/b/の音になるのではないでしょうか。
Margaretの/m/は発音自体はやさしいのですが、力を入れると鼻に抜ける音がなくなって唇を合わせるという調音点が同じ破裂音の/p/になるのかもしれません。
日本語でも/s/の音は子供にはむずかしく、調音点が同じ/t/で代用することが多いでしょう?摩擦音より破裂音あるいは破擦音のほうが発音しやすい、ということでしょう。



Re: Bill について

UEJ (2003/02/17 11:59)

Billで思い出したのですが、私にとってもっと不思議なのは
「Margaret」が「Peggy」になることです。
以前少し調べたのですが、結局分からずじまいです。
アメリカ人にも聞いてみたのですが、本人たちも不思議がっていました。
「Margaret」の原義が「Pearl」ってことは関係無いですよね…。
どなたか情報お持ちでしたら教えてください。



Re: Bill について

にれのや (2003/02/17 02:06)

■William の愛称が Bill になる理由について。とりあえず、Oxford で調べた結果のみ報告します。
■Bill という愛称は19世紀以降の比較的新しいもので、[w] が [b] になる理由は、明確ではない、とのこと。
■ただし、ゲール語(アイルランド語)では、w-で始まる英単語を b-で始める傾向があるそうで、その影響が考えられるとのこと。

■英語とは兄弟のドイツ語では、Wilhelm(ヴィルヘルム)の愛称は Willy が一般的で、b-では始まりませんね。つまり、英語でだけ起こった変化だと言えます。
■Bill の問題はわたし自身も以前から調べねばと思っていたので、継続して調査します。



Les Vins Georges Duboeuf Les Crus

高駒麗人 Kómā (2003/02/17 01:19)

訂正:国際音声記号がプログラム だれている>されている WPもありました。それがパソコンになって却って不便になったように思えます。

æ ä œ ö ü ï ŋ ё∫
→左からaeの合わせ文字、ウムラウトのa、oe合わせ文字、ウムラウトo、u、i、ngの記号、ウムラウトe、sを上下に伸ばした積分の記号

"Les Vins Georges Duboeuf”と dinner wines from the"Les Crus”delectionは日本語でどう言うのでしょうか。
Les Vins Georges Duboeufで検索した結果
http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=Les+Vins+Georges+Duboeuf&hc=0&hs=0
http://www.suntory.co.jp/news/2002/8228.html
「ジョルジュ デュブッフ社(Les Vins Georges Duboeuf)」だとわかりましたが、Deboeufの発音は[dybφf][dybœf]でしょうか。正確には「レヴァンジョルジュデュブッフ」社と呼ぶべきでしょうか。意譯して「ジョルジュデュブッフのワイン」社のほうがいいでしょうか?
φ、œがカタカナではウ段になるのは少々不自然だと思います。

"Les Crus”は発音が[lekry]でしょうからカタカナ轉写は「レクリュー」ですか?。意味は「十字架」でしょうか。「セレクション」という言葉が後ろについて、この中からディナーを選ぶということは"Les Crus”は料理のブランドの名前でしょうか。
"King of Beaujolais”は「ボジョレの王」でいいでしょうか。「キング・オヴ・ボジョレ」でも日本人はわかるでしょう。

あと、シナ語の経済用語の「環節増殖税」huanjie zengzhishui、「環節産品」huanjie chanpin、「両免三減」liangmian sanjian、「税前列支」shuiqian liezhiがよくわかりませ。http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%b4%c4%c0%e1%c1%fd%bf%a3%c0%c7&hc=0&hs=0
検索したら日本語でも「環節増殖税」でした。辞書では「増殖税」は「付加価値税」だとありますがこれでいいでしょうか?
http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%b4%c4%c0%e1%c1%fd%bf%a3%c0%c7&hc=0&hs=0
http://www.dlsp.com.cn/new1japan/newjapanyhzc.htm

ManiacCさんへ、βとßのサイトご紹介ありがとうございます。可愛いイラストのあるホームに出くわしました。Kievの事等について詳しい説明有り難うございます。
http://homepage2.nifty.com/~lip/home.html

にれのやさんへ
>モンゴル人が個人名の前に、父親の名前を置くときには、所有格語尾 -ийн,-ын をつけるはず
源の頼朝、平の清盛、蘇我の馬子みたいなものですか?
Petersburgのsは所有格でしょうか?
Южно-Сахалинск(南のサハリンの?)や
Петро-Павловск(ピーターとポールの?)のск[sk]も所有格では?
Peterピーター(Pёtrピョートル)の息子Petrovichや息女Petrovnaの vich、vna は「…の子」ということでわかりますが、モンゴル語がそれに似た用法を採用しているのは面白いと思います。言語系統は別でも文化的に影響が強いと似た用法が共有されるのでしょう。



電脳 与 文字

高駒麗人 KOμα (2003/02/17 00:25)

青蛙さんへ
具体的にどの文字がわからないかおっしゃってくだされば説明します。私の場合、komaのoやa等を‥(点点)つき或いはアクセント(/\−)つきで打っているくらいです。
IPAについては使っているのは∫とng[ŋ](nの右下をJのように曲げた字)だけです。
朝鮮語の母音についての文で書いた朝鮮文字とウムラウトローマ字は如何でしたか。cの逆さとschwa(eの逆さ)は文字化けするので私は使いません。
以前、パソコンでなくワープロを使っていた頃は、ワープロに外字作成&登録機能があったので、中国の漢字で日本語WPで打てない漢字(ニーハオのニー等)や国際音声記号を作っていました。物によっては学術記号やロシア・ギリシャ文字と同じように国際音声記号がプログラムだれているWPもありました。それがパソコンになって却って不便になったように思えます。



とりあえず

青蛙 (2003/02/16 23:33)

いつもながら、レスが遅くなってしまい申し訳ありません。

Maniac C.さん:
> 本当に電脳には素人なものですから、勉強になります。
それはお互い様です。

> 区点で13区・89区〜92区・115区〜119区のものだけではないのですね。
えーっと、すると文字化けしたやつは区点コードだったんでしょうか?
私は Microsoft IME 2000 を使っているのですが、IME パッドで各文字を
ポイントすると Unicode、JIS コード、シフト JIS コード、区点コードと
4つのコードが表示されます。文字のうち、アクセント付きギリシア文字
や語末のシグマなどは、これらのコードのうち Unicode しか割り当てられ
ていません。
キリル文字も、現代ロシア文字以外は同様です。
また、アクセント付きアルファベットの他、アイスランド語・古英語などの
thron、ドイツ語の eszett、ラテン語・古英語の ash(a と e の合字)、
ドイツ語のウムラウト母音、デンマーク語の斜線付きの O (名称わかりませ
ん)などは、シフト JIS コードだけがないのにやはり文字化けしてしまいま
す。
そんなもんで、最近は Maniac C.さんや高駒麗人さんがアクセント付きアル
ファベットや音標文字を多用されるため、掲示板閲覧ソフトで見るとさっぱり
読めません。

>「掲示板閲覧ソフト」というのは何ですか?
それで、その掲示板閲覧ソフトなんですが、文字どおり、掲示板を閲覧するた
めのツール(ソフトウェア)です。(ミもフタもないな)
詳細は
http://ka.sakura.ne.jp/~nikeno/incm/
http://www.geocities.co.jp/Hollywood/5039/index.html
などをご覧になってください。
また、機種依存文字については、佐藤さんが紹介しておられたサイトを再掲して
おきます。
http://apex.wind.co.jp/tetsuro/izonmoji/



モンゴルとドイツの名前

高駒麗人 KOμα (2003/02/16 22:09)

Сент-Питерсберг、咄宴吉 投稿者:互x数ノ K┏μα  投稿日: 2月16日(日)21時34分18秒
これは文字化けしました。
塔とTOWERの語源については勉強になりました。ありがとうございます。

イ音便のない方言が具体的にあるというわけではありませんが、どうも日本語の標準語は東京方言の音韻体系をそのまま採用した安易な物におもえます。「買う」「刈る」「勝つ」は発音が違うのに過去形にすると「カッタ」になるとか、「書く」と「買う」も発音が違うのに「カイた」と「カイました」ではどちらも「カイ」になる…。「買ゐた(「ワ行五段」ならこうなるはず)」「刈りた」「勝ちた」「書きた」「買ゐました」のほうがわかりやすかったと思ゐます。

松茸さんへ
>Долгорсvрэнгийн Дагвадорж
にれのやさんの引用にありますように、cの次のvはYだと思います。

nmyoseさんへ
Williamはドイツ語でWilhelmでwはvと発音されます。wでは上下唇が接近し、これが合わさってしまった(合わさりてしまゐた)のがBillです。また、wでは舌根と軟口蓋(上顎の奥の柔らかい所)が近づいていますが、これが合わさるとwがgになり、フランス語Guillaume(フランス語は専門でないので自信がないが)になります。guerilla「ゲリラ」のger-はwar(戦争)と同系です。
virusについても日本人はウイルスと言ったりヴァイラスのつもりでバイラスと言ったりします。
音楽家の名 Schweitzerはシュヴァイツァーの筈ですが日本人はシュバイツァーと発音し、wをbにしていますね。これと似ています。

シナ語では「万」wan、「無」「武」wuの始めの子音がmからb、vを経てwになりました。
北京語「万里長城」wanli changchengと日本語「万里の長城」banri no chojoを比較してください。
ngから恐らくgやγを経てwになった例は「五」wu、「我」wo等があります。
中国の人名「王維」Wang Weiワンウェイはロシア語で
Ван Вэй[vanvej]ヴァンヴェイになります。



Сент-Питерсберг等

高駒麗人 (2003/02/16 21:37)

ManiacCさん・にれのやさん ありがとうございます、コマの名前は長音というわけではわりませんが…

>Saint Petersburg(アメリカフロリダ州の町の名)の露語綴りは
Сент-Питерсберг
それこそManiacなネタを調べて頂きありがとうございます。これはつづりでなく英語の音を重視した転写ですね。

塔とTOWERとSTEEPLE々は別語源でしたか。 勉強になりました



Сент-Питерсберг、咄宴吉

互x数ノ K┏μα (2003/02/16 21:34)

ManiacCさん・にれのやさん ありがとうございます、コマの兆念は餃銚咄というわけではわりませんが´

・Saint Petersburg・アメリカフロリダ巒の隨の圭・の其セYは
Сент-Питерсберг
それこそManiacなネタをユ{べてーきありがとうございます。これはつづりでなく哂ユZの咄を寔貌しだD亟ですね。


仝満々と仝TOWER々と仝STEEPLE々は・ユZ坿でしたか。

モンゴルユZ(キリル猟忖燕モ・のペゥ`ジを藍ノ・靴燭箸海・br> "Долгорсvрэнгийн Дагвадорж"

>イ咄宴を聞わない晩云ユZがどこかに壓るのですか・
岑りませんが、もしあったらそれこそ栽尖議な云栖の晩云ユZということになります。仝カイました々・仝ルIう々の゚^肇・と仝カイた々・仝菩「・垢累^肇・の詞岱の麿、仝カッタ々が仝・C帖后◆誇廚襦后◆跨Iう々、騅廉で仝処りる々の゚^肇侘に惹喘される陥咄宴も音宴です。云輝に侏恤モZを恬なら、楼薦揖咄ユZの富ない悶狼にすべきでした。仝ルIゐました々仝菩「C拭后ク・C舛拭后誇廚蠅拭后跨Iゐた々のようにすれば、晩云ユZが銚ユZでない僥チ副~にもわかりやすかったと房います。

ドイツユZでは ie は餃銚咄[i:]ですから Kiev は[ki:f]とユiまれそうですが、Kiewと菩「い藤ィ菩「C藤ゥ[ki:εf]とユiむとは、ドイツ繁も垢健していますね。



(無題)

こう (2003/02/16 18:10)

thouはyouの古語です。



『アイヌ語正典』

poronup (2003/02/16 03:28)

ヒグマ 様

お返事ありがとうございます。
お互い例を尽くして是々非々で議論していきましょう。

私の書き込み:
>nupuriを頭の中で勝手に語義解釈してnupriなどと書いてます。
>これは考えられません。

ヒグマさんの書き込み:
>この意見は、私にとって考えられません。この1例だけで「頭の中で勝手に語>義解釈」
>と断定することができるのでしょうか。

1例どころではありません。
このnupri以外にもあります。以下、目に付いたものをあげましょう。

kotan-erekor-pira → kot tanne rek kor pira
wen → uen
kamuy → kam-i
osoma → osor oma
(cipta・toytaなどの)ta → tap
esaman → e samam
ecinke → etunke
yukar → yekar
tonru → tumunra
torasampe → tumunra asam un pe
などなど

この一つ一つに私は疑義があります。
もし反論があるのでしたら聞かせてください。一つ一つ議論してもいいです。

>また、子音一つ落として解釈する例など、知里氏、山田氏、萱野氏の著作には
>掃いて捨てるほどあるのでは。

(このnupriは「子音一つを落として解釈する例」ではなく、「母音」を落としている例では?)

単語の語形の記述と語義解釈は別の話です。
藤原氏は、この単語の語源がこれこれこうだ、と言っているのではなく、これが「真の発音」であると言い切っています。
nupriならまだいいですが、osomaがosor omaという発音になるなど考えられませんし、tumunra asam un peなどは、原音からかけ離れすぎています。

たとえば、pekanpe《ヒシの実》はpe-ka-un-pe(水・の上・にある・もの)が語源であると断言していいと思いますが、「ペカウンペ」という単語が存在するわけではありません。
語源がpe-ka-un-peだとしても、語形はペカンペです
たとえばciseの語源について、萱野茂さんはci-setではないかと言っています。しかしciseが間違いで、cisetが正しい発音であると言っているわけではありません。実際の発音は「チセ」であると言っています。

しかし、藤原氏は自分の勝手な語源解釈から、ありもしない語形をでっち上げていると言わざるを得ません。それも解釈の仕方があまりにも強引過ぎます。

nupuriという単語があって、その語源がnup-riだと言うのでしたらまだ分かります。しかし、nupriという語形があたかも存在するように書くのは、言語の現実を無視した乱暴な記述です。
(しかし、nupri→nupuriという語源解釈自体も無理があると思いますが。)



Re: ダグワルドルジありがとう

にれのや (2003/02/16 02:36)

■松茸さん、ダグワルドルジの情報ありがとうございます。
■モンゴル語のページというのは、検索サイトなのでしょうか? そういうものがあるのなら、ぜひ、URLをお教え願いたい。
■-сYрэн には、「隠れた г」ってやつがあったんですね。「どるごるすれんぎーん・だぐわるどるじ」というわけですね。
■朝青龍は、所有格うんぬんよりも、「おやじさんの名前をそのまま日本の新聞に載せたい」というような気持ちだったのかしらん?



Re: St. Petersburg

にれのや (2003/02/16 02:29)

■Saint Petersburg の露綴は Сент-Питерсберг です。発音はおそらく /`сэнт´питэрзбэрк/ [`セント´ピーテルズベルク] です。
■米国に移住したロシア貴族 Peter Demons(ロシア系の姓ではないですねえ)が、タンパ・ベイに面するこの地まで鉄道を引いたところ、保養客が押し寄せたそうです。
■セイント・ピーターズバーグという名前も、Peter Demons が、1888年、生まれ故郷にちなんでつけたとのこと。

■Санктпитербурхъ の最後の ъ について。革命後に正書法が改められるまで、ロシア語では、語末の硬音の子音のあとには、必ず ъ(ер イェル)がつけられていました。
■革命後、ロシアでは、革命による産業の混乱と、第一次世界大戦による疲弊も手伝い、あらゆる物資が不足していました。紙も不足しており、ъ を省くことによって、印刷用紙が節約できる、ということから、この正書法の改正が行われたと言います。
■革命前の正書法では、/i/ を表す母音字に、и と i(イ・ストーチコイ)がありました。開明派は「i に統一し、紙の節約をはかり、ロシア語の字面を西欧語に近づけよう」と主張し、いっぽうでは、国粋派が「и を残さなければ、ロシア語本来の印象が変わってしまう」と主張し、けっきょくは、国粋派が勝利して、現在の и が残りました。



Re^2: ダグワルドルジ

松茸 (2003/02/16 02:10)

 モンゴル語(キリル文字表記)のページを検索したところ
"Долгорсvрэнгийн Дагвадорж"
('v'はラテン文字による代替表記)になってました。



Re: ダグワルドルジ

にれのや (2003/02/16 01:58)

■わたしの知る限りでは、モンゴル人が個人名の前に、父親の名前を置くときには、所有格語尾 -ийн,-ын をつけるはずなのですが、ここのところ、どうでしょう?



「William」はなんで「Bill」

nmyose (2003/02/15 19:50)

初めて書き込みます。お願いします。
「William」という名前は一般的に使うと思うのですが、先日「Bill」という愛称が存在することを知りました。そこで疑問なのはどうして「Bill」なのかということです。父の勝手な見解によると、ドイツ語では「ウィ」を「ヴィ」と発音するからなのだそうですが、本当のところどうなのでしょうか。



Re: 広東語声調

massangeana (2003/02/15 18:43)

ひと口に広東語といっても実際にはいろいろなわけですが, 陰上と陽上は香港ではほとんど
区別されていないと聞きます。(ただし, それと日本人が聞いて区別できるかどうかとは
いちおう別の話だと思います) 広州では今も分かれているはずですが...

>広州語では下に下がる音も上と下に分かれていた..下下がりに合流した
これが何を意味しているのかわかりません。陰平は高平らと高降りの 2種類があり
ましたが香港では高平らのみになっている, という記述ならみましたが, そのこと
でしょうか? それとも陽平のことでしょうか。こちらは低平らですがときに下降気
味に発音されます(意味は変わらない)。

降りが減ったことよりも, 平たい調子がやたら多い(高い方から陰平・陰去・陽去・陽平の 4つ
もある)ことの方が日本人に取っては大変なのではないかと思います。



「単語の類似 等」へのつっこみ

Maniac C. (2003/02/15 05:30)

κομαさんへ。さかのぼります。

キエフ
→英語Kievの発音は[kí:(j)ef, kí:jif, kí:j∂f, kí:(j)ev, kí:jiv, kí:j∂v]と、この綴りで自動的に渡り音が発生するので、仰るとおり、iの次ではyは不要なのでしょう。日本語では以前書いたとおり、「イェ」が「イエ」または「エ」となります。
 ついでに、仏語ではUkraine[ykrεn], Kiev(発音不明、多分[kjεf]), Russie[rysi]、独語ではUkraine[ukráin∂, ukraí:n∂], Kiew[kí:εf], Russland[rúslant]です。

>「負う」は本来「おふ」oΦu(ハ行四段)です。oweの語源はわかりません。ownはドイツ語のEigenと同系でしょうか?しかしoweとownは別系統だという意見もあります。
→oweの語源: 中期英語oue(n)<古期英語āgan<ゲルマン共通基語*aigan<印欧祖語*ēik-(to possess)。現代の「支払う義務が有る」は、本来この意味を持っていたshallが法助動詞化したり、過去分詞からの発達であるownが本動詞化したりした関係で意味が狭められたものです。派生語が生まれていることから考えても、非常に基本的な語だと思います。ちなみに過去形から発達した単語はoughtです。独語のEigen「財産」やeigen「自身の」は、ゲルマン共通基語を見れば解るとおり、同系語です。古語で「負ふ」には「名にし負はば都鳥…」とあるとおり、「所有する」という意味が有ります。発音はöp-ですが。

>シナ語の「塔」taと英語の tower も似ています。電視塔DianshitaはTVTowerです。では同系でしょうか?
>「塔」は古代シナ語で tap であり、梵語の stupa から来ているようです。では英語の towerはstupa 起源でしょうか?尖った塔steepleは stupa に似ていますが、もし梵語起源の英語ならpがfになっている筈です。
→tower<(古)仏 tour,tur<羅 turrem, turris<希 túrsis(=tower)
 tope<印地 tōp<梵 stūpa-(=tuft of hair)
 steeple<古英 st{y¯}pel, stēpel<ゲルマン共通基語*staupilaz<*staupaz<印欧 *(s)teu-(=to push, knock)
ですので、三語とも別語源の語ということになります。



「動詞の語根 ブルクとバーグ」へのつっこみ

Maniac C. (2003/02/15 04:35)

Kómāさんへ
→字を色々変えて楽しんでいらっしゃるようですね。もし最後の母音を伸ばすなら、Nausicaäみたいにしたらいかがでしょう。希臘語の原綴りはNausikáaですが。

>>もし、「語根」という話題でくくるなら、「起きる(起く)」「起こる」「起こす」の語根はök-ですし、「過ぎる(過ぐ)」「過ごす(過ぐす)」「すがすがしい」の語根はsug-です。
>「起きる」という自動詞だけで考えると語幹は öki-で、「起こる」という自動詞だけで考えると語幹は ökor-で、「起こす」という他動詞だけでは語幹は ökos- になり、総合すると ök-が語根ということでしょうか。
→そうですね。甲乙等の正しい綴りではök-ï-ru(ök-u)「起きる(起く)」ök-ör-u「起こる」ök-ös-u「起こす」ですが。

>自動詞「(窓が)開く」ak-uは子音語幹で、他動詞「(窓を)開ける」ake-ruは母音語幹ですが、開くak-u>開けるak-eruという変化で考えると akが語根でしょう。
→そうですね。他に「あかす」「あかる」「あか」「あきらか」「あきらけし」「あかるむ」「あきらむ」などの同根語が在ります。

>「メールを昨日流れました」「メールが流しました」のような自動詞と他動詞
→使役と受身の助動詞との関連から、-s-は他動詞(複項動詞)、-r-は自動詞(単項動詞)と教えても良いのではないでしょうか。

>自動詞を他動詞にすると五段が一段に、一段が五段になるようです。
→一概にそうも言えません。「ひらく」は自他両方に使えますし、「寝る」「寝せる」「寝かす」や「分かる」「分かれる」「分ける」なぞというtripletsも在ります。「持つ」「持たす」「持てる(可能動詞ではない)」「凭れる」というquadsまで。大体、自動詞にも他動詞にも五段・一段が在るのですから、それを教えたところで、語形で自他の区別をしない母語を持つ人達には、何の辨別の指針にもなりません。

>低い拍の「き」は「い」になったということですね。
→東京語と京都語は抑揚の型が違うので、東京語の例からそのまま、低い拍の「き」が「い」になった、とは言えないのですが、抑揚の違いが語形の変化に関係する、という大筋は理解していただけたと思います(私の母語は東京語なので、京都語が母語の人に聞かなければ、京都語でもそうなのかは判りません。但し、東京語で違う種類の抑揚に属するならば、京都語でも違う種類の抑揚に属する、ということだけは確言できます)。もう一つ、抑揚の違いが語形の変化に関係する別な例を挙げると、東京語では「いやだ」●○●を「やだ」○●と言いますが、一部京都型の抑揚を持つ静岡語では「いーやだ」○○●●と言います。

>イ音便を標準語に採用したのは失敗だったと思います。
→えっ、イ音便を使わない日本語がどこかに在るのですか? どこの言葉か、教えてください。

>stone<stānもそうですね。語末のeはoが長音である記号で、Norman Frenchの影響でしょうか。
→古期英語のāが中期英語でōになるのは規則的な変化です。non-etymological‘e’は、古期英語の綴りが忘れられたという意味ではNorman Conquestの影響と言えますが、Norman-Frenchの影響とは言えないでしょう。Norman-FrenchというのはCentral Frenchに対する言い方で、フランス語のノルマンディ方言という意味です。主な違いは、NF/ca/-CF/cha/, NF/che,chi/-CF/ce,ci/, NF/w/-CF/g,gu/, NF/ai/-CF/oi/です。non-etymological‘e’は、単に他の語からの類推だと考えられます。

>>エスツェット(ß)とベータ(β)は、ご承知のとおり、別物です。
>そっくりなので、小生のように混同している人は多いと思います。
→エスツェットに関する面白い考察が書いてあります。下記をご覧ください。
http://homepage2.nifty.com/~lip/r-html/consider01_bs.html



Сант

高駒麗人 KOМΛ (2003/02/15 03:24)

にれのやさんへ
SANKT PETERBURGのロシア語表記はたくさんありますね。
Сантは英語の Saintやスペイン語かイタリア語の San に近いですね。



(無題)

高駒麗人 KOМΛ (2003/02/15 03:20)

ManiacCさん、FOLLOWありがとうございまうす。
母音の長短についての研究はすごいですね。
「歯あ、いたいわあ」についてですが、手を怪我した人に「手え、どないしたん」と言うことはあるのでしょうか。

http://www.shimanouchi.org/ent_as_valenhsu.htm
このページでは↑英語名 Valen Hsu(ヴァレン・スー)の名が「許 茹芸 (シュー・ルーイー) 普通話ピン音 Xu Ruyi 」となっていて、上にはご丁寧に繁体字で「許 茹藝」と書いてありますが、これは間違い。
「許 茹芸 (シュー・ルーユン) 普通話ピン音 Xu Ruyun が正しい」

「許茹芸」の名の「芸」は、「藝」yiの略字ではなくて、草かんむりの下に「雲」を書いてyunと読む字の略であり、「云豆」「芸豆」yundouの「云」「芸」でもある。
おそらく日本人が「許茹芸」の發音を確認せずに、日本語の漢字用法から誤って類推して「芸」を「藝」だと勘違いしたものと思われる。
中国人が作った某茶藝品店の名刺に「販殻」という表記があり、一瞬わからなかったが、少し考えて納得。
「販賣」を日本人が「販売」と書き、中国人がこれを見て、「売」が大陸で「殻」の略字であることから「販殻」と誤解して、名刺制作の際に「殻」で印刷してしまったわけです。



朝青龍のモンゴル名

Maniac C. (2003/02/15 02:46)

下でKOМΛさんの仰っているとおり、モンゴルは姓の無い国なので、同名の人が多く紛らわしければ、父か母の名前を前に置き、普段はその頭文字を使って区別するそうです。従って、ネットの横文字ページを検索しても、D. Dagvadorj かDolgorsuren Dagvadorjしか出てきません。「ドルゴルスレン」は姓でも父称でもなく、区別のため便宜上つけられた、個人名の一部と考えた方が良いようです。



名前の話

高駒麗人 KOМΛ (2003/02/15 02:38)

文月千敏 さんへ
はじめまして。「…ブルク」と「…バーグ」を同じ町の名と思えないのは、カタカナでイメージしているからです。私にとっては「ヨハネスブルク」も「ジョハネスバーグ」も、Johannesburgという一つの単語の読みですから同じ言葉、同じ町の名です。
Japanは日本の正確な名ではないとして、NipponやNihonを使おうとする向きがありますが、そういう人は、北京語のRibenについては文句を言わないのでしょうか?JapanはJihpun(Riben)の訛りですから、Nipponと同じ詞です。
Fujian、Fuchien、Fukien、Hokkienという異なる地名は、漢字で書くと「福建」になり一つの地域の一つの名になります。

英語圏の人にとっては Jiang Jieshiと Chiang Kaishek は同じ人の名には思えないでしょうが、シナ語の世界では、どちらも「蒋介石」の読み方で、ただ方言で音が違うだけの話です。

今、日本で出ている世界地図帳では、福建省を「フーチエン省(福建)」のように北京語音カタカナ表記&カッコ内漢字にしています。しかし現地方言音で Hokkienのようですから、シナ語の世界で標準語である方が却って現地音から遠ざかるということになります。
香港の名称:ホンコンとシアンガンもそうです。
英語では廣東語 Höng Gongを採用して Hongkongホンコン。
おろしや語では北京語 Xianggangを採用してСЯНГАН[sjangan]シャンガン。

http://plaza9.mbn.or.jp/~yonda_library/library/jidai/oroshiya.htm
「『おロシア』と、ロシアに丁寧語をつけたもの」という民間語源説あり。

90年代後半から、南韓(南朝鮮)の新聞等では中国の人名地名を朝鮮語表記から北京音表記に変更しています。
「法輪功」법륜공 → 룬공(Falungong)、「江澤民」강택민 → 장쩌민(Jiang Zemin)、「ケ小平」Deng Xiaopingは등소평 → 덩샤오핑になっています。(北京語のjが平音になるのにzが濃音になるのはどういうわけだ?)しかしネットでは법륜공(法輪功)、강택민(江澤民)、등소평(ケ小平)という從来の朝鮮語音表記が普通のようです。
それで韓国で「上海」상해[saŋhε]サンヘの呼び方を改め、現代北京音Shanghaiを本に상하이[saŋhai]サンハイと呼ぶようにし始めました。
しかし上海の現地方言では[za〜hε]ザンヘ(サンヘに近い)ですから、從来の朝鮮語音상해[saŋhε]サンヘの方が現地音に近かったわけで、中国文化に配慮した韓国式現地音主義が、却って現地音から遠ざかる結果を生んでいます。
http://kr.softwise.yahoo.com/

朝青龍/Dagvadorj モンゴルでは先祖代々の姓がなく、親の個人名を姓にすると聞いたことがあります。たとえて言うと、徳川家康の息子が「家康秀忠」でその息子が「秀忠家光」を名乗るようなものでしょうか。



おろしや<俄羅斯>國醉夢譚

高駒麗人 Kömä (2003/02/15 02:25)

æ ä œ ö ü ïŋ ё∫ ∬
∫はちゃんと移りますが、その次に書いた記号:∫を2つ重ねた二重積分記号(∬=∫∫)は文字化けして四角になってしまいました。

ManiacCさんへ、München(Munich)とZürichについては勉強になりました。謝謝。

にれのやさんへ
KönigsbergはKalingradでなくKaliningradでしたか。記憶違いでした
>Санктпитербурхъ 後ろの硬音記号には何か必然性があるのでしょうか?

オランダ語ではgは[x]だというのを思い出しました。
逆にアメリカのフロリダ半島のSt.Petersburgはロシア語では何と呼んでいるのか気になりますが、これはロシアで世界地図帳(АТЛАС)でも買って見る以外調べようがないでしょう。

>■「おろしや」というのは、語頭に l, r が立たないアルタイ語群の性質上、語頭に o- が付加されたのではないかと思っていましたが。モンゴル語でも、ロシアのことを Орос [オロス] と言いますし。
私が書こうとした事ですが先手を打たれました。
シナ語でいう「俄羅斯」Eluosi(Ёluosïと書く方が正確か)は
モンゴル語Орос(Oros)経由だそうです(中国人が作った漢語外来語詞典より)。

http://www.shimanouchi.org/ent_asianstar.htm
http://www.shimanouchi.org/ent_asianstar.htm#onna
http://www.shimanouchi.org/ent_as_vivianhsu.htm
(アジア人名一覧)



動詞の語根 ブルクとバーグ

高駒麗人Kφmα (2003/02/15 01:52)

英語以外の欧州語文字を打つのが面倒な場合は此処からコピーしましょう Kómāより
æ ä œ ö ü ïŋ ё∫ ∬
http://www.maruzushi.com/sushiterm.htm(寿司用語英語譯)

ManiacCさんへ
>もし、「語根」という話題でくくるなら、「起きる(起く)」「起こる」「起こす」の語根はök-ですし、「過ぎる(過ぐ)」「過ごす(過ぐす)」「すがすがしい」の語根はsug-です。
「起きる」という自動詞だけで考えると語幹は öki-で、「起こる」という自動詞だけで考えると語幹は ökor-で、「起こす」という他動詞だけでは語幹は ökos- になり、総合すると ök-が語根ということでしょうか。
自動詞「(窓が)開く」ak-uは子音語幹で、他動詞「(窓を)開ける」ake-ruは母音語幹ですが、開くak-u>開けるak-eruという変化で考えると akが語根でしょう。
中国人は普通、日本語の動詞を覚えるたびに自動詞か他動詞か聞きます。それで彼らは「メールを昨日流れました」「メールが流しました」のような自動詞と他動詞を間違えた日本語を使います。日本人はこれについてキチンと説明しないといけない。自動詞を他動詞にすると五段が一段に、一段が五段になるようです。

>連用形「書き」kak-iが「書き手」のkak-iでは無事だったのに「書きた」>「書いた」kaitaでは、「書い」kaiになっています。→抑揚が絡んでいます。
低い拍の「き」は「い」になったということですね。非日本語母語話者が「字を紙に書いました」「チョコレートを買いて来ます」のように言った時、ここまで説明できる日本人は少ないでしょう。「『カイマシタ』じゃなくて『カキマシタ』でしょ」と頭ごなしに叱って丸暗記を強要するのがほとんどです。イ音便を標準語に採用したのは失敗だったと思います。

>韓国・朝鮮語の合成母音と一緒の名称で呼ぶべきではないと思うのですが?
起源的には違いますが結果としてaeiuo&ä ё ï ö ü のように普通の母音とウムラウト母音のような関係になっているのは興味深いことです。

>holeは中期英語で「ホール」、古期英語で「ホル(hol)」です。boneは中期英語「ボーン」、古期英語で「バーン(bān)」です。
stone<stānもそうですね。語末のeはoが長音である記号で、Norman Frenchの影響でしょうか。

>エスツェット(ß)とベータ(β)は、ご承知のとおり、別物です。
そっくりなので、小生のように混同している人は多いと思います。

マタイ等の語源、ありがとうございます。ここまでわかるとはすごいですね。
海原の「な」は「うみのはら」の「の」でしたか。「渡辺」「渡部」も「わたのべ」>「わたなべ」のようです。



Re: おろしや

にれのや (2003/02/15 01:15)

■「おろしや」というのは、わたしの解釈では、語頭に l, r が立たないというアルタイ語群の性質上、語頭に o- が付加されたのではないかと思っていましたが。
■モンゴル語でも、ロシアのことを Орос [オロス] と言いますし。
■話は飛びますが、朝青龍のモンゴル名を、新聞などでは「ドルゴルスレン・ダグワルドルジ」と記していますが、ドルゴルスレンは父親の名前なので、父称の形を取り、「ドルゴルスレニーン・ダグワルドルジ」となるはずだと思うのですが、どなたか、どうでしょう?



Re: ロシア文字のУ

にれのや (2003/02/15 01:07)

■キリール文字では、[u] 音の表記を ov としています。v は「イージッツァ」という文字で、ギリシャ文字のユプシロン(Υ υ)に他なりません。つまり、[u] の表記には、ギリシャ語の ου をそのまま使っていたわけです。
■後世、この ου の略字として「∞の記号を縦にして、てっぺんにすき間を開けたような文字」が使われるようになります。У у は、その略字から来たものであろうと思われます。



「ギリシャ語勉強中」へのつっこみ(part 2)

Maniac C. (2003/02/14 22:22)

ドイツ語のRoβやGauβのβ(ss[s])は何でしょうか?
→エスツェット(ß←表示されるかな?)とベータ(β)は、ご承知のとおり、別物です。エスツェットは、その名のとおり∫とzとの合字で、別名のscharfes-S(=sharp S、鋭いS)のとおり、語中でも濁らないことを示します。新表記では短母音の後では使われず、長母音及び二重母音の後でだけ使われます。従って、「ガウス」はκομαさんの書いたとおりですが、「馬」はRossとなります。

>>’ύς(=good)は音轉写Eus、文字轉写eysです。「気息記号は第2母音につける」正しくはε’ύς
>この場合は無気記号ですか?
→「’」は「無気記号」「軟気息符」と呼び、「有気記号」「硬気息符」と呼ばれる「‘」と対立します。何でも「H」を縦に二分割した右と左だそうです。「ロー」が語頭に来ると、江戸弁のような巻き舌(西語のrrの綴りで表す音)になったらしく、これにも気息記号がつき、ラテン字母で転写するときにはrhと書かれます。そう言えばロシヤ語のрもこの音で、日本語の古い言い方では、この音を正確に聞き取って「オロシヤ」と言っていましたね。

>ところでギリシャの自称は古代Hellas→現代Ellasですが、これは気音が無気になったのでしょうか?‘Ελλασ→’Ελλασという変化でしょうか?
→現代ギリシャ語には気息記号や抑揚記号は無く、’Ελλασと書いたりはしません。発音も、仰るとおり/h/が無くなったり、「ベータ」が「ヴィダ」となったり、有気音が摩擦音になったり、高低アクセントから強弱アクセントになったり、色々変化しています。

>>γgは、κk、ξks、χkh、及び、γgの前では鼻音となり「ン」と発音します。
>つまりギリシャ語のgはgやkの前では[ŋ]になるということでしょうか。
→そうです。



「ギリシャ語勉強中」へのつっこみ(part 1)

Maniac C. (2003/02/14 22:20)

高駒麗人κομαさんへ
また(×2)投稿が前後してしまいました。とりあえず返答としてお読みください。

>>英語名Siberia →研究社『英語語源辞典』には「?Sibir 古代タタールの城塞」とあります。
>?はどういう意味でしょう。不確定の意味か、何かの文字化けでしょうか?
→文字化けではありません、ご安心ください。ご賢察のとおり、「語源不詳(etymology obscure)」を表しています。説明不足で済みません。

>>motherの同系語 リトワニア語mótė(属格móters)=woman, mótyna=mother、外来語ではなく、印欧祖語*māter-に遡る本来語でしょう。
>英語の辞書にリトアニア語があるとは驚きです。研究者Lighthouseには語源記述は少ないですが、語源辞書が別にあるようですね。小学館Progressiveには語源が多く載っています。
→『英語語源辞典』には主要な同族語が列挙されています。最近は中辞典レヴェルでも、学習者の便宜を図るために語源解説が載るようになっていますね。私の学生時代には大辞典でないと載っていなかったものですが。私が高校時代に使っていたのは『研究社英和中辞典』の第3版でしたが、中辞典なのに語源が載っていて、新しい英単語を覚えるのに重宝しました。残念ながらその後の改訂で、この面に関しては後退してしまいましたが。

>>「y」は、ギリシャ文字の「Υ(ù psilón)」つまりローマ字の「u」に由来するものです。…古典期での名称は単に[y:]でした。
>[y:]はü(狭い圓唇前舌母音)ですね。ロシア文字で[u](圓唇奥舌)をyで現すのも関係ありでしょうか。
→きっと詳しくは楡ノ家楠丸師匠が説明して下さると思いますが、下記のとおり、キリル文字はギリシャ文字に由来しています。順番もほぼ同じです。
(キリル) АВГДЕЗИКЛМОПРСТУФХ
(ギリシャ)ΑΒΓΔΕΖΗΚΛΜΟΠΡΣΤΥΦΧ

>Jüdischのようなumlautつきのü等がなかなか打てません。
>英語の新聞は酷い物で、Zürich、Lüshun(旅順)は Zurich、Lushunになります。Schroederのoeも本来ウムラウトoでしょう。
>Gorbachevのeはёと書かないと何故ゴルバチェフでなく…チョフなのかわからないでしょう。
→英語のZurich(ズリク)は、別に独語のZürich(ツューリヒ)の転写ではなく、元からそういう綴りです。同様に、独語のMünchen(ミュンヒェン)も英語ではMunich(ミユーニク)となります。何故「元から」と言えるのかは、独逸語には無いiを含む、この英語の綴りに鍵が在ります。実は中期高地独逸語(現代独逸語の祖先)では、まだ母音変異(ウムラウト)も無く、Munichen(ムヌィヒェン)だったからです。後にuが後ろのiを先取りする形でüと変わり、そのためiが消えたのです。Zurichも多分、同じだと思います。
 旅順は判りません。ウェード式でもLüshunですからね。massangeanaさんの方が詳しいのでは?
 Schroederもこれで良いと思います。元々ウムラウト母音の上についている点々は、小書きしたeの変化したものですからね。独語字体が無い打字器の時代から、こう書く決まりでもあります。ちなみに、スヌーピーで有名な『ピーナッツ』に出てくる、ベートホーフェンを崇拝する小さなピアニストは、「シュローダー」です。鶴書房(ツルコミック社)から角川書店に版権が移って、1980年から日本語版でも「シュレーダー」から変更されています。
 Gorvachevの語末は、強勢の無い曖昧母音ですから、英語話者にとっては「チェフ」でも「チョフ」でも同じでしょう。



Re: 日本語の母音の長短

massangeana (2003/02/14 19:32)

Maniac C. さん:
>皆さんから突っ込みを入れられる側に回ると
単なるつっこみで深くは考えてませんでした。

古代日本語に母音の長短があった, という説は, 甲乙とは別に聞いたことがあります。
確か琉球語の長母音の現れ方が本土の日本語の側から説明できないので, もともと日
本語では母音の長短を区別していたのが, 琉球語以外では区別がなくなった, と説明
しよう, という案だったと思います。私は琉球語に無知なので, どの程度信憑性があ
るのかわかりませんが...

>『風土記』地名
まとめてくださってありがとうございます。
これらは当時の日本語の単音節語が長く発音されていたことを示しているのかもしれませんが,
実際の音声とは無関係に, 単に字数を 2字にするためにのばしたとも考えられるのではないで
しょうか。とすると甲乙が長短の別であったという説に対して決定的に不利とも言えないだろ
う, とは思います。

サンスクリットを音訳するときに母音の長短を声調で表したことは, 周法高「説平仄」(1948)と
いう有名な論文があります。例のひとつに, (世尊の弟子の)舎利仏を従来「身子」と意訳してい
たことを玄応が批判して, 身は「舎梨(シャリーラ)」だが舎利仏の発音は「奢利(シャーリ)」だ
から長短が違う, といっている箇所をあげています。「奢・舎」と「梨・利」はともに平声と去声
の関係で, 長音に平声を使っていることがわかります。ほかにもいろいろおもしろい例があがって
います。ほかに水谷眞成「梵語音を表わす漢字における声調の機能」(1968)では 6世紀から 8世紀
後半までについて細かく調べた結果が載っています。

>韓国・朝鮮語
中期朝鮮語だと声調(アクセント)を表す点がよくハングルの左についてますね。
ただ古代において長短がどうだったかは, 日本語以上にわからないのでは...



外国語のカタカナ書き

文月千敏 (2003/02/14 17:54)

古本屋さん、お返事ありがとうございます。

 おっしゃるとおり、ウィーンとヴィエンナが同じ街とは思えないし、ストラスブルグとストラスバーグが同じ街とはちょっと考えなくてはなりません。これはおそらくある物あるいはある概念を輸入したときの関係者の耳と知識によって決まるのではないでしょうか。ほんとにいい加減ですけれど・・・。

 昔私の友人がファッション雑誌の翻訳か何か頼まれて、see-throughというのをどういう日本語にすればよいか悩んでいました。しばらくしたら「シースルー」というカタカナが、あの透け透けのブラウスなどに使われるようになりました。日本にはまったく存在しなかった素材だったからカタカナそのままで通用したのでしょうね。これは誰の発明(?)か知りませんが、無理に訳さなくてよかったと思います。発音は違いますがこのカタカナの意味するところは英語と同じですから。

 最近買った帝国書院の「最新基本地図ー世界・日本」27訂版では、中国と朝鮮半島の地名は多分現地音に近いと思われる音をカタカナで大きく書き、その下に括弧に入れて漢字で小さく書いています。非常にわかりやすく、よいアイディアだと思います。



Re: ペテルブルク

にれのや (2003/02/14 14:20)

■Κομα さんへ。ペテルブルクの表記にまちがいありました。まあ、まちがいともいえないんですが。
■ペテルブルクが要塞だったころの(スウェーデンと戦争状態にありました)いちばん初めの表記は、Санктпитербурхъ(-те-の硬音・軟音は不明)[サンクトピーテルブルフ] でした。
■ピョートル大帝は、スウェーデンとの戦争に勝ち、現在のペテルブルクの地を奪還して都市の建設を始めるのですが、その後、1700年代初頭の表記が実に十指に余るほどあり、数学の組み合わせふうに説明すると、次のようなバリアントがあります。

(1)Сан; Сант; Санкт; Санктъ
(2)питер; петер; питерс; петерс; питерз; петерз
(3)бурхъ; бургъ; буркъ

単純に計算すると72通りになります。文献に現れるのはそんなに多くありませんが。



ありがとうございました

みほ (2003/02/14 02:39)

Maniac C. さん、とてもよくわかりました。ありがとうございました。日本語って面白いですね。近頃言葉の使い方に興味があるので、自分で調べてわからないことがあれば、またよろしくお願いします。次は複数の辞書を使って調べてみようと思います。本当にありがとうございました。



Re: カリーニングラード、シェワルナゼ

にれのや (2003/02/14 02:24)

■カリーニングラード州は、第2次大戦前までは、ドイツ領でした。戦後、大国間で東・中欧の国境線が勝手に決められた際に、ここが飛び地としてロシア連邦に編入されました。もちろん、戦術上重要な地点だからです。
■シェヴァルドナッゼの -dn- はΚομαさん指摘のように破裂しません。英語の partner の -tn- と同じです。しかし、発音上、脱落しているわけではありません。ついでに思い出したのですが、ケヴィン・コスナーの Costner も、本当の発音は「コストナー」らしいです。
■s(ヅィエロー)が /dz/ の表記に使われたのは、単にζのとなりだったからのような気がします。
■もうひとつ、古いギリシャ文字のコッパ(バス停みたいな形の文字で、ラテン文字ではQになったんですが)は、キリール文字のチェルフィ(地図記号の消防署みたいな文字)になり、ロシア文字のЧになっています。
■また、これは眉唾ものですが、Шの文字は、アラビア文字のシーン、スィーンから取ったのでは、という説を読んだことがあります。



広東語声調

辻本裕幸 (2003/02/13 14:51)

なるほどmの弱唇音化も顧慮しないといけないのですね。また宿題が増えました。
 広州語第二声調隠上と第五声調陽上は現代語ではかなり合流しているそうですが(マルチリンガルワールドのホームページによると)、本当ですか?確かにテープを聞いても、私にはどちらが高あがりで、どちらが低上がりか区別出来ません。少なくとも私には区別して発音することは出来ません。いずれにせよ(東進ブックスの広東語単語帳を見る限り)第五声調の漢字はとても少ないようです。もし本当に両者が合流しているのならこれはありがたい。私は中国語の声調は二音節にして覚えていますから(二音節にする理由は中国語の単語は単音節や三音節以上の単語より二音節の物のほうが圧倒的に多いからですが)、もし6声調だと6×6の36パターン覚えないといけません。しかし5声調なら5×5の25パターン覚えればいいだけなのでこれは助かります。(普通語なら4×4は16と軽声も後ろにきますから計20パターン覚えれば言い訳です。)もともと広州語では下に下がる音も上と下に分かれていたそうですが、これは広州では下下がりに合流したので声調が一つ減ったようです。(もし残っていたら7×7の49パターン覚える羽目に。ひえー)ということは上がりも上下の区別がなくなるのは自然だと思います。資料としてかつてこの漢字は上上がりだった下上がりだったという記録だけ残して、話しをする上では、どちらでもいいようになって欲しいです。(そうなるのを祈ります。)



お願い

ヒグマ (2003/02/13 11:33)

poronup  様

 しばらく反応が無かったのでここを見ておらず返事が遅れて申し訳ありません。
 『アイヌ語正典』の問題点についてぜひ教えてください。
 私は、この本に特別のこだわりを持っている訳ではありませんが、アイヌ語の地名解釈を行う上で知里・山田両氏の解釈では釈然としなかった点が明解に説明されており、その点で評価しています。
 しかし、専門的に研究している訳ではないので、問題点があるのなら知りたいと思います。
 どの程度時間がとれるか分かりませんが、自分の意見が通らないという理由で逃げ出すことはしません。自然科学(環境)の研究・教育を職業としており、論理的に納得できることを第一に考えています。
 よろしくお願いします。

>『アイヌ語正典』 投稿者:poronup  投稿日: 2月 6日(木)03時06分13秒

>しばらくここを見てなかったので返事が遅れました。

>ヒグマさん、あなたと議論してもいいですが、途中でいなくならないことを約束していただけま>すか?

>今まで掲示板で、アイヌ語地名や『アイヌ語正典』の評価について、人を攻撃して、反論される>といなくなって時間が経っては名前を変えて書き込みをする人がいて私は辟易しているところで>す。
>あなたがそのような人ではないかどうか確認したいのです。



Re: ディガンマ

massangeana (2003/02/13 07:19)

とりあえずこれだけ。
ギリシャ文字には, 現在数字の 6 を表すためのみに使われる, s に似た形の字があって,
今は stigma と呼ばれています。6 をあらわすことからもわかりますが, この字はディガンマに由
来するようです。字形の変遷がここにありました。(ほかのところでこのページを見せたら, こん
な変化がありうるのなら何でもありじゃないか, といわれた...)
 http://asgle.classics.unc.edu/numerals/gnum_forms.html
なぜこの字がキリル文字で dz のために採用されたのかは知りません。stigma がシグマとタウ
の合字と解釈されることもあったようなので, そのせいでしょうか。
なおキリル文字ではゼータ由来の字は z のために使われています。



Re: 秘密と内緒

Maniac C. (2003/02/13 03:28)

 『新明解国語辞典』には次のようにあります。
「秘密」…隠して(一般の)人に知らせたり見せたりしない・こと(様子)。「−裁判」
「内緒」〔内証の変化〕…1.関係者以外には知らせないで事を・済ます(行う)こと。「−の話」「−事」2.うちわ(の事情)。「−〔=家計〕が苦しい」

 これを読んで考えると、個人対一般(不特定多数)の隠し事が「秘密」、ウチ(関係者)対ソト(特定の第三者)の隠し事が「内緒」のようです。
 秘密は一人でも作れるし、相手を想定しないけど、内緒はあまり一人ではせずに、たいてい共犯者がいて、隠す相手を想定するような気がします。
 もう一つ、個人的な語感を加えれば、「秘密」は堅い感じがして、「内緒」は柔らかな感じが有ります。
 お役に立てれば良いのですが。



秘密と内緒

みほ (2003/02/13 03:01)

「秘密」と「内緒」、辞書で引いてもほとんど意味は同じですが、秘密は漏れるけど、内緒はもれないし、意味は似ているけれど、なんだか違う気もします。「秘密」と「内緒」の違いはなんなのでしょうか?何もわからず突然の投稿で失礼します。



Re: 初心者の勝手な推測、ほか

Maniac C. (2003/02/13 02:34)

高駒麗人KOMAさん(part 3):
>今の母音語幹動詞も昔は子音語幹だったのでしょうか。
古い日本語で「母音語幹動詞」と言えるのは、上一段動詞だけでしょうね。

>oki-、sugi-は意味の中核なので変化しにくく、変化は子音語幹動詞の語幹末子音とつなぎ母音の間におこる事が多いのでしょうか。
→もし、「語根」という話題でくくるなら、「起きる(起く)」「起こる」「起こす」の語根はök-ですし、「過ぎる(過ぐ)」「過ごす(過ぐす)」「すがすがしい」の語根はsug-です。「燃ゆ」は下二段、「落つ」は上二段動詞です。「燃えず」は未然形*moyë+「ず」で(本当はヤ行エ段には甲乙の書き分けは在りません)、已然形は「燃ゆれ」です。

>連用形「書き」kak-iが「書き手」のkak-iでは無事だったのに「書きた」>「書いた」kaitaでは、「書い」kaiになっています。
→抑揚が絡んでいます。東京語を高音○低音●で表すと、「書き手」●○○、「書いて」「書いた」○●●。ついでに「書く」と「買う」も違いますね。所謂「te-form」は、非日本語母語話者には難しいようです。

>朝鮮語の母音は a(아)、e(에)、i(이)、o(오)、u(우)の5母音と
>ä(애)、ё(어)、ï(으)、ö(외)、ü(위)のウムラウト母音が奇麗に対応しています。
→ゲルマン諸語のウムラウト母音は、後ろに在ったi(または稀にu)の逆行同化によって、前の母音が変化したものです。韓国・朝鮮語の合成母音と一緒の名称で呼ぶべきではないと思うのですが?

>hole[houl]はホーレ[ho:le]だった可能性があります。すると日本語の名前[namae]や「掘れ」[hore]と似てきます。bone[boun](骨)もGVShift以前はボーネ[bo:ne]だったかもしれず…(後略)
→holeは中期英語で「ホール」、古期英語で「ホル(hol)」です。boneは中期英語「ボーン」、古期英語で「バーン(bān)」です。

にれのやさん:
>原スラヴ語には s(ヅィエロー)という文字があって、/dz/ という音もあったようですが。(ちなみに、この文字は、古いギリシャもじのディガンマに由来…(後略))
→ディガンマはFに似た文字で、音価は/v/の筈ですから、/dz/が音価なら、それに相当するのは希臘文字のヅェータなのでは?



Re: 母音の長短等(part 2)

Maniac C. (2003/02/13 02:32)

>古代の日本語には母音の長短の区別はなかったのではないでしょうか。
→『風土記』に次のような地名が見つかるそうです。
■お−出雲國意宇(おう)郡
■き−紀伊(きい)國、山城國紀伊郡紀伊郷、肥前國基肄郡基肄郷、讃岐國刈田郡紀伊郷…「木」は乙類。
■せ−備中國下道(しもつみち)郡弟翳(せえ)郷…「背」には本来甲乙の区別は無いとされているが、「背」と「背き」との関連から行けば乙類、『言語』1997年2月号所収の投稿記事に拠れば、甲類。
■そ−大隅國囎唹(そお)郡…「熊曾」の表記から推せば、乙類。
■ち−豊前國田川郡雉怡(ちい)郷…「チ」には甲乙の区別なし。
■つ−備中國都宇(つう)郡、近江國浅井郡津宇郷、安芸國沼田郡都宇郷、越後國頸城(くびき)郡都有郷、備後國沼隈(ぬまくま)郡津宇郷…ウ段なので甲乙の区別なし。
■と−備後國奴可(ぬか)郡斗意(とお)郷、日向國児湯(こゆ)郡都於郷(とのこおり)…「斗」も「都」も甲類。
■ひ−肥後國八代郡肥伊(ひい)郷、筑前國早良(さわら)郡{田比}伊郷、出雲國大原郡斐伊郷…「比」は甲類、「肥」「斐」は乙類。
■へ−陸奥國閉伊(へい)郡…「閉」は乙類。
■ほ−参河國寶飯(ほお)郡(massangeaniaさんの挙げておられる宝飫(ほお)と同じ)…「穂」には本来甲乙の区別が無いとされているが、「ほのほ(炎)」の語源を「火の穂」とするならば、「火」も「の」も乙類であるから、「穂」も乙類ではなかったかと考えられる。
■ゆ−周防國玖珂(くが)郡由宇(ゆう)郷…ウ段なので甲乙の区別なし。
■え(ye?)−薩摩國穎娃(えい)郡穎娃郷…『続日本紀』には「衣評(えのこほり)」と有り、こちらはア行のエ。
■ゐ−遠江國引佐郡渭伊(ゐい)郷
 私の長短説には不利な結果ですが、少なくとも、長音は有ったことの証拠とはなります。

>シナ語の「他」ta(一音節)は今の日本人が聞くと二拍の「ター」に聞こえますが、昔の倭人(ヤマト民族)が取り入れた音読みでは「タ」です。
→昔の日本には長音の表記が在りませんでした。シラビーム言語ならば、「タ」「ター」「タイ」「ターイ」「タン」「ターン」の全てが同じリズム拍です(英語で考えれば解り易いのでは)。

>関西で「木」が「キー」、「津」が「ツー」、「歯、痛いわ」は「ハー イタイワー」になるのは、何となくわかります。
→「歯ぁ痛いわ」は、の「歯ぁ」は主語を表しているため、/hanga/→/ha’a/という変化とも考えられます。



Re: 母音の長短等(part 1)

Maniac C. (2003/02/13 02:31)

お次は高駒麗人KOMAさん(part 1)。

>この4人の名の英語の綴りは原語とかけ離れているのでは?
本来は、Matthai、Marko、Luka、Johane(Johannes)でしょうか。
→新約聖書の人名は、ラティン語に基づく(主格語尾の-(u)sを落とす)みたいです。英語とラティン語の関係、そして語源は以下のとおり。
■Matthew<中英 Mathew<古仏 Matheu(仏 Mathieu) <後羅 Mattaeus<希 Mathaîos, Matthíās(略) <Mattathíās<希伯来 Mattithy{ā´}h<mattáth(gift)+Yāh(Yahweh)
■Mark<中英 Mark<後羅Mārcus=*Mārt-cos<Mārs
■Luke<中英Louk<羅 Lūcās(略) < Lūcānus< Lūcānia(伊南部の地名)
■John<中英Johan, john<古仏 Johan(仏 Jean) <中羅 Jōhannēs<希 Iōánnēs<希伯来Yō{hの下に・}ānān<Yehō{hの下に・}ān{ā´}n(Yahweh is gracious)

>EvangelionはEvangelistに相当する詞かもしれませんが如何でしょう。
→これはこれで希臘語euaggelist{ē´}sにまで遡ります。接尾辞-istは、元々、-izeに終わる動詞(希臘語起源)の動作主を表します。
 やはり『ライトハウス』には載っていないでしょうが、evangelize「福音をもたらす[伝える]」という動詞(<希臘語euaggelízesthai)が在ります。

>「海原」はunabaraなのはumipara>umabaraと変化し、唇を二回閉じるのが面倒でmがnになったのかもしれません。
→unabara<unafara<ũnafara<um’nafara<uminapara<umi+na+para(海の原)です。

>「白雪」siro-yukiしロゆき>sirayukiしラゆき、「船旅」fune-tabiふネたび>funa-tabiふナたび、「眼(目の子)」menokoメノこ>manakoマナこ(中略)
>「掌(手の心)」te-no-kokoroテノこころ>tanagokoroタナごころ、「木の葉」ki-no-faキのふぁ>konohaコのは
>これ等は母音調和か何かだと思っていました。
→「まな」「たな」:「この」の辺りは、同じ連体助詞の母音調和(順行同化)かもしれません。
 「しろ:しら」はオ乙〜アの母音交代、「ふね:ふな」・「て:た」・「め:ま」はエ乙〜アの母音交代(エ乙=ア+イ甲)、「き:こ」はイ乙〜オ乙の母音交代(イ乙=オ乙+イ甲)です。

>オジサン(伯父、叔父)・オジーサン(爺、祖父)の区別は、本来、ヲヂサマwodzisamaとオジジサマozizisamaでしょう。
→おぢさん<をぢ(小父)+さま、おぢいさん<おほぢ(大父)+さま、が語源です。「ぢぢい」は「ぢい」を繰り返した幼児語。



Re2: 上代特殊仮名遣いの個人的見解

Maniac C. (2003/02/13 02:15)

 いやー。皆さんから突っ込みを入れられる側に回ると、何か、ゾクゾク・ワクワクしますねー。massangeanaさん・高駒麗人KOMAさんに感謝です!
v  以下、連続投稿になります。済みません!

 まづはmassangeanaさんの突っ込みに対して。ほぼ「負け」です。宿題にさせていただきます。

>「2音節の単語におい
>て, 1音節めが a/u の時に 2音節めには甲類のオしか現れない」という現象の
>説明はつかない
→仰るとおりです。

>単に短くするのなら, なぜ「ツァケンドゥキ」「トゥキヨミ」にしなかったの
>でしょう。また同じイ乙がなぜある場合にはウに, ある場合にはオ乙になった
>のでしょう。あくまで長短説で説明するなら, 逆に「トゥクイ」が「トゥキー」
>になったと考えた方がいいのではないでしょうか。
→これも、全く仰るとおり。説明の順番が逆でした。

>紀伊のほかに郡名で宝飫(ほお)(←穂), 囎(そ)唹(お)(←襲) などがあります
→勉強不足で存じませんでした。この機会に勉強させていただきました。
勉強の成果につきましては、次の書き込みで披露します。

>>かな文字になったときに、区別が失われた
>平仮名・片仮名が成立する前にすでに甲乙の別が失われていただけでしょう。
→平安初期、昌泰年間(898-901)に成立した『新撰字鏡』の和訓(万葉仮名)までは、コ・ゴの甲乙の区別が有るようです。但し、作者・昌住自身が使い分けていたかどうかについては、異論の在るところです。草仮名の初期の遺品としては、867年の『藤原有年申文』が在りますし、平仮名を使って書かれた『土佐日記』は、934年12月-935年2月のことが書かれた「日記」ですから(本当に日々記されたかは措くとしても)、これは『新撰字鏡』のわづか30数年後です。つまり、9世紀前半、仮名文字の成立期と甲乙の区別の消滅は、ほぼ同時期なのです。

>>長音であることを表すために、短音よりは長く聞こえる、介母の有る漢字を
>>使ったのでしょう。
>イ段甲乙はたいていともに介母があります。エは御説によれば乙類が長かった
>ことになりますが, じっさいには甲類の方に拗音字が多く使われています。オ
>段甲乙はどちらも介母がないのが多いです。
→きちんと調べず、印象だけで述べてしまいました。

>じっさいにサンスクリットの母音の長短を表すのに声調が利
>用されたことが知られています。
→そうなのですか? これも勉強不足で存じませんでした。具体例を二〜三挙げていただけないでしょうか。
 また、韓国・朝鮮語にも、文字には表されませんが、長音が在りますよね? 例えば、韓国・朝鮮語の地名を漢字に写すとき、古い史書とかではどのように表していたのでしょう? やはり声調なのでしょうか…?

>イ乙などにある交替がなぜア段・ウ段ではおきないのでしょうか。
→ア段は、オ段乙と交代しています。ウ段は……判りません。

 ところで、辻本さん、東条義門に『男信(なましな)』という語学書が在ります。ご存知ですか?


Re: Shevardnadzeの dについて

高駒麗人Κομα (2003/02/13 01:57)

にれのやさんへ
>サンクト=ペテルブルクは最初はオランダ語風に Питерзбурхъ
ご教授ありがとうございます。初めて知りました。ポーランドに面したロシアの飛び地にあるKalingradは地図によっては Königsberg です。ロシア人はゲルマン語の名前が好きなのでしょうか。


新聞などの表記では「シェワルナゼ」のカタカナ表記には「ッ」はなかったと思います。Shevard-nadzeの場合、nの前のdは、舌先が上歯茎についたままで鼻腔内破裂が起こるので、破裂音として聞こえないのかもしれません。しかしDneprは「ドニエプル川」です。英語圏の人は Dnieperのdを省いて[ni:pa](語末aは曖昧母音)のように發音するようです。それでスケイト選手の場合、「スハルリドゼ」と「スハルリゼ」の二種がありました。この変はやはり外来語表記の不規則さでしょう。



Re: ロシア語の дз の綴りについて

にれのや (2003/02/13 01:18)

■ロシア語には、/dz/ という破擦音がありません。もともとの原スラヴ語には s(ヅィエロー)という文字があって、/dz/ という音もあったようですが。(ちなみに、この文字は、古いギリシャもじのディガンマに由来し、マケドニア語では今も使われています)
■しかし、イタリア語、英語(語末のみ)、日本語、グルジア語などには /dz/ の音があり、これを転写するときに、дз の綴りを使います。
■ただし、ロシア人は /dz/ を発音できないので、/d-z/ と発音します。つまり、シェヴァルナゼ Шеварднадзе を、ロシア人は、/шevardnad-ze/ [しぇヴァルド'ナッドゼ] と発音するのです。
■露文学者は、この点に気づいていたようで、(1)「ヅェにするのはロシア語の音韻を無視しているし、日本語の正書法上もよろしくない」 (2)「ドゼにしては、原音(主にグルジア人の名前)とかけ離れすぎる」と考えたのだと思います。そこで、折衷案として、「ッゼ」が採用されたのではないかと思います。
■「オルジョニキッゼ」という表記を見たことがないでしょうか? シェワルナゼも、本来なら、シェヴァルドナッゼとすべきでしょう。なお、Шевард の д は黙字ではありません。なぜ、日本のマスコミは、дを落としてしまったのか……?



grad と gorod

にれのや (2003/02/13 01:00)

■город(gorod ゴーラット)はロシア語で、град(grad グラート)は教会スラヴごです。
■サンクト=ペテルブルクは、いちばん最初は、オランダ語風に Питерзбурхъ(Piterzburkh ピーテルズブルフ)と命名されました。今でも略称は Питер と言うんじゃないかな。



訂正:-burg(「街」、スラヴ語grad、gorod)

高駒麗人Κομα (2003/02/13 00:52)

Heidelberg等のドイツ語のBerg(山)と -burg(スラヴ語「街」、ロシア語gorod)
→Heidelberg等のドイツ語のBerg(山)と -burg(「街」、古スラヴ語grad、ロシア語gorod)
訂正:burgはスラヴ語ではありませんでした。
PeterburgとLeningradが頭の中で混乱していました。失礼しました。



Great Vowel Shift、Zhang Ziyi

高駒麗人Κομα (2003/02/13 00:42)

伊達さんが[deit]と誤読されるのも、青木選手がエイオウキと呼ばれるのも、Great Vowel Shiftのせいです。
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Labo/6084/spelling.htm

英語以外の欧州語文字 æ ä œ ö ü ï
朝鮮語の母音は a(아)、e(에)、i(이)、o(오)、u(우)の5母音と
ä(애)、ё(어)、ï(으)、ö(외)、ü(위)のウムラウト母音が奇麗に対応しています。
これは偶然の結果でしょうか?

GVShift以前を溯ると英語のname[neim]は中世にはナーメ[na:me]。現代ドイツ語Nameに近い發音。語末[e]は曖昧母音(eの逆さ文字)ですが文字化けを防ぐため[e]で入力しました。

同様にhole[houl]はホーレ[ho:le]だった可能性があります。すると日本語の名前[namae]や「掘れ」[hore]と似てきます。bone[boun](骨)もGVShift以前はボーネ[bo:ne]だったかもしれず、日本語の「セボネ」の「ボネ」[bone]と似てきます。
しかし、これらを理由に日本語と英語を同系と考えるのは無理です。

あと、シナ語の「聖」Shengと欧州語の「聖なる」(Saint・Sankt・San・Sao)も良くにてます。故にセイントセイヤは「聖闘士星矢」…。中国人は Sheng Doushi Xingshiと呼びます。Saintと「聖」Sheng>セイSeiの發音が似ているから出来たnamae(Name)です。
http://www.toei-anim.co.jp/ova/seiya/
http://www.bbsclub.ne.jp/mkres5/mkres5.cgi?tannok(「我的愛好『聖闘士星矢』」掲示板、台湾からのファンもいるらしい)
しかしこれでシナ語(シナチベット語族と英語(インドヨーロッパ語族)を同系と考えるのは勿論無理です。「弥勒菩薩」は朝鮮語で미륵보살 Mireuk Posal、北京語で Mile Pusa、英語でMaitreya Bodhisattva、日本語と發音が似ているのは、どれも梵語起源だからです。英語の Coca Colaと、それを真似した「可口可楽」Kekou Keleとが似ている事と大して変わりがない。

今、日本では、中国の映画監督 ZhangYimou(張藝謀)を「チャンイーモウ」、女優 GongLi(鞏俐)を「コン・リー」、Zhang Ziyi(章子怡)を「チャン・ツーイー」、歌手 Sun Yanzi(孫燕姿)を「(スン)イェンツィー」或いは「…イェンズー」と表記するのが慣用になっています。これは自然な流れでしょう。昔日本で「萬」を「マン」と呉音読みしていた時代に、遣唐使が「バン」を学んで漢音として日本語に取り入れたようなことが、繰り返されているだけです。

http://www.shimanouchi.org/ent_asianstar.htm(アジアのスターのカタカナ&漢字表記)

http://homepage2.nifty.com/pickel/biography.htm
http://www.nittyuu.co.jp/media/v-89.htm(漂亮媽媽)
http://member.nifty.ne.jp/tam-ki/today/filmfestival.html(周漁的火車)
http://news.searchina.ne.jp/2002/0120/entertainment_0120_001.shtml(英雄)
http://news.searchina.ne.jp/2002/0121/entertainment_0121_001.shtml(武士)

↓倉木麻衣とイェンツィー(燕姿)とのデュエットについて
http://www.roxyjp.com/topic/asiantopics.html
http://www.sanspo.com/geino/top/gt200212/gt2002121302.html



萬の音読み、バーグとブルグ

高駒麗人 (2003/02/12 23:47)

萬(万)の發音は man>(m)ban>van>wanという変化の結果と思われます。
mは歴史的には周秦漢代で、日本語呉音、朝鮮語、廣東語にあり(万マンman)、bは隋唐代で日本語漢音、複建台湾語に残り(万バンban)、vはb>w(元代以降)の中間段階で、今の上海語と越南語に残っています(上海語“万”VEヴェ、越南語で萬Vanだったと思う)。

北京語でも「万」はwanですが人名「万俟」はMoqiモーチーです。あと「無」wuに対して「南無阿弥陀佛」の場合は「南無」Namoになり「無」はmoです。語末が鼻音であろうと開音節だろうとこういう変化はあったと思います。

漢字音読みも含めて外来語の「不規則」はよくあることです。20年程前、新聞の投書欄で「『ヨハネスブルク』と『ジョハネスバーグ』のどちらが正しいのかわかりません」という意見がありましたが、私にとっては両者は同じ一つの言葉Johannesburgですから、「どちらも正しい」が正解です。
http://eco.goo.ne.jp/wssd/
ロシアのサンクトペテルブルクSankt Peterburg(聖なるピーターの街)は英語で St. Petersburgですが、アメリカFlorida州にもSt.Petersburgという町があり、これを日本語で言う場合はセイントピーターズバーグでしょう。
Heidelberg等のドイツ語のBerg(山)と -burg(スラヴ語「街」、ロシア語gorod)は英語訛りからかな書きすると両方「バーグ」になりますので、日本語としては(ハイデル)ベルク、(ペテル)ブルクと言い分ける方がいいでしょう。しかし、別に統一する必要はありません。

シナ語では、Heidelbergは「海徳堡」Haidebao、Johannesburgは「約翰尼斯堡」Yuehannisi-baoになり、ロシアの Sankt-Peterburgは「聖彼得堡」Sheng-Bide-bao、アメリカの St.Petersburgの方は「聖彼得斯堡」で、BergもBurgも「堡」baoです。

「ユジュノサハリンスク」Yuzhno-Sakhalinskの場合、nの前のzh(Ж)は「ジュ」になっていますが(ュは無駄)、楡ノ家楠丸さんご指摘の通り、一年前五輪に出たスケイト選手Berezhnayaではzhがズで移されて、「ベレスナヤ」になっています(ベレジナヤの筈、英文紙で綴りを見て驚いた)。シナ語でユジュノサハリンスクは「南薩哈林斯克」Nan-Sahalinsike(南のサハリンの)です。ユーゴスラヴィアはシナ語で「南斯拉夫」Nan-Silafu、英語で Yugoslavia>日本語で「ユーゴスラビア」ですが、セルボ・クロアチア語では、Югославия/Jugosavija(ユーゴスラヴィヤ)の筈です。

Diamond Awardは「ダイヤモンド・アワード」が慣用でしょう。「ダイアモンド・アウォード」の方が原音に近いとはいえdの次にoが付いているだけ五十歩百歩です。本来ワであった wa がウォに訛り、子音の前のrを母音にしてしまうアングロサクソンの訛りを、日本人が忠実に移すのは律義なものです。

問題は、例えば「ミラノ」がイタリア語Milanoからであることを知らず、何でもカタカナは英語だと思って「ミラノは間違いで、ミランMilanが正しい」等と知たり顔で言うような輩が出てきて本まで書いて却って恥じを書いているという事です。
http://kan-chan.stbbs.net/cgi/board/mibbs.cgi?mo=p&fo=language&tn=0044&rn=50(英語公用語化は問題あり)

「台北」はタイホク、タイペイいずれも慣用でいいと思います。
http://www.prcity.co.jp/oichan/dic/toshi.htm
http://www.coara.or.jp/~sanken/beppudic/eng2chi.html(東アジア固有名詞英語表記)
http://homepage1.nifty.com/forty-sixer/gention.htm(固有名詞現地音尊重)
http://hpmboard1.nifty.com/cgi-bin/thread.cgi?user_id=ANA15167&disp_no=3147&log_no=3147&msg_per_page=10&def=10



Re: 男・万

massangeana (2003/02/12 19:54)

>男ダンや万バンは、いわゆる慣用音なのかも知れません
現在手元に資料がありませんが, 「男ダム」が古い資料にあるならば, 慣用音ではなくて
漢音と考えるべきでしょう。中国語の音に漢音が必ずしも一対一に対応したわけでなく,
多少の揺れがあったと考えた方がいいと思います。
なお, 「万バン」の方は, 漢音伝来当時すでに軽唇音化が進行して, 単なる b ではなく v のよう
な音になっていたでしょうから, 鼻音で終わっていてもバ行になったもので, 「男」とはちょっと
事情が異なります。



外国語のカタカナ書き

古本屋 (2003/02/12 19:48)

外国語をカタカナで書く場合、基準があると言う事は聞いたことがあるのですが、これがハッキリしていません。例えば、イギリス、アメリカ合衆国はある程度ハッキリしていますが、フランス、イタリア、ドイツ、スペイン、ロシア、など、その国の読み方については、英語読みなのか、その国の読みなのか。中国語、朝鮮語はどうするのか。いつも疑問に思うことは、中国の場合、台北、重慶、西安、敦煌、などはどのように読むのか。“〜ブルグ”“〜バーグ”など。地名、人名など基準があるようでよく判りません。総ての読みを一律に決める方が判りやすいのではないかと思うこともあります。



英語のカタカナ書き

文月千敏 (2003/02/12 17:26)

 昨日に続けて今日も「言葉の世界」を読み続けています。

 英語の単語を日本語で書くとき、元の音とカタカナの不一致についてのご意見がかなりあるようですが、それはあまり気にしなくていいのではないかと思います。カタカナで書かれた語はすでに日本語の一部になっているので、もとはどういう発音であったかはもはや関係ありません。日本語に入った時点でまっさきにカタカナ表記をした人が書きたいように書いた、ということでしょう。

 一番近い例では、awardという単語があります。映画などに与えられる大きな賞につけられている語ですが、つい最近まで「アワード」と書いてあり、テレビなどでもみんなこのように発音していました。ごくごく最近になって「アウォード」と書いてあるのを見かけましたが、大勢はまだ「アワード」かもしれませんね。(実際、今この語を入力するとただちにカタカナに変換されることをみると、市民権はこちらにあるようです。)

 英語との問題は、発音よりも意味の方が大きいように思います。つまり、日本語化したカタカナ語(=外来語)は元の英語の一部の意味しか持っていないので、実際に英語の中で使うときにはまちがうことが多いからです。ファッション的に外国語をカタカナにして使うのは日本語の語彙を豊かにする(かどうかは議論のあるところでしょうけれど)かもしれませんが、日本語で言えることに敢えて外来語を使うことは英語の学習にはむしろ害になることのほうが多いように思われます。

 ただ、元の音声がどのような経緯を経てカタカナ表記になるかというのは面白い問題で、これは日本語の音韻組織の基本的な特徴をよく示しているのではないでしょうか。おそらく昔、中国語の音声を取り入れたのと同じ過程をたどっているのではないかと想像しています。



漢音濁音と台湾語濁音

辻本裕幸 (2003/02/12 09:25)

台湾語の件ありがとうございました。鼻音尾がつくものは濁音化しなかったと言うことは日本語漢字の漢音の濁音漢字とよく似ていますね。奴は呉音ヌ漢音ド。しかし年は呉音も漢音もネンでしょう。馬は呉音メ漢音バですが、門は漢音も呉音もモンでしょう。しかし例外はありますね。男は鼻音尾mが有ったにもかかわらず呉音ナン(ナム)漢音ダン(ダム)と漢音では濁っている。万も鼻音尾nがあるのに呉音マン漢音バン。しかしこれら男ダンや万バンは、いわゆる慣用音なのかも知れません。



ベレジナーヤ・シハルリッヅェ組

高駒麗人κöмä (2003/02/12 02:54)

連続レス失礼します。
楡ノ家楠丸様 お返事遅くなりました。ベレジナーヤについても言及いただき、有り難うございます。
>【シハルリドゼ】Антон Сихарулидзе(Anton Sikharulidze)→アントン・シハルリッゼとするほうがよい。
成る程、ゼの前に促音をつければ、дзе[dze]がзе[ze]にならなくてすみますね。正確には「シハルリヅェ」ですが、日本人は「つづく」をツズクと發音しますし。
Shevardnadze(シェワルナヅェ)もシェワルナゼよりはシャワルナッゼと書くのがいいでしょうか。
>【ベレズナヤ】Елена Бережная(Elena Berezhnaya)→エレーナ・ベレジナーヤとすべき。「ズ」はまちがい。
(英語は西欧語でロシア語は東欧語ですが)西欧語圏の人は、zhのhを勝手にsilent(黙字)だと解釋しているのかもしれません。子音nの前ではジは發音しにくいのでしょうか?



訂正其の弐

高駒麗人κöмä (2003/02/12 01:42)

(今の母音語幹動詞も)昔は士子音語幹だったのでしょうか。>昔は子音語幹だったのでしょうか。



訂正 御読み>音読み

高駒麗人κöмä (2003/02/12 01:40)

訂正です
シナ語の「他」ta(一音節)は今の日本人が聞くと二拍の「ター」に聞こえますが、昔の倭人(ヤマト民族)が取り入れた御読みでは「タ」です。>音読みでは「タ」です。
æ ä œ ö ü という文字は入力が難しいですのでコピーペイスト用に何処かに文書で保存しておくのが便利ですね。



初心者の勝手な推測

高駒麗人KOMA (2003/02/12 01:29)

>「書きて(kaki të)」「濯ぎて(susugi të)」は「書いて」「濯いで」になりましたが、「起きて(ökï të)」「過ぎて(sugï të)」は「起いて」「過いで」になりませんでした。これも「ka’i te:」「susu’ĩ de:」…

現代日本語で考えますと、「書く」kak-u、「濯ぐ」susug-uはそれぞれ、kとgで語幹(というか語根)が終わる子音語幹動詞(学校文法で言う五段活用動詞)です。
「書かず」kak-a-zu、「書きます」kak-i-masuの-a-や-i-はつなぎ母音・語幹形成母音Themavokalでしょう。
「起きる」oki-ru、「過ぎる」sugi-ru は、語幹が開音節である母音語幹動詞です。
故に「起きず」oki-zu「起きます」oki-masuのように活用語尾が直接語根につきます。

「落ちる」は本来「落つ」で、「燃える」は「燃ゆ」だったようで、私は昔の日本語文法は忘れてしまったのでよくわかりませんが、今の母音語幹動詞も昔は士子音語幹だったのでしょうか。

自動詞「燃ゆる」moyuruや他動詞「燃やす」moyasuから考えて、この動詞の語根はmoyでしょうか。すると自動詞未然形(已然形)による「燃えず」は moyezu「モイェズ」だった筈ですが…。
「出る」de-ru・「出ない」de-naiと活用する母音語幹動詞も昔は「出る」iduru>izuru、「出でよ」ideyoでしたから id-が語幹だったのでしょうか。

oki-、sugi-は意味の中核なので変化しにくく、変化は子音語幹動詞の語幹末子音とつなぎ母音の間におこる事が多いのでしょうか。

k・g子音語幹(カ・ガ行五段)で連用形「書き」kak-iが「書き手」のkak-iでは無事だったのに「書きた」>「書いた」kaitaでは、「書い」kaiになっています。

以前も書きましたが、中国人が日本語を話すと必ずカ行五段とワ行五段の連用形を間違えます。
「ノートに名前を『かいた』(書いた)」から類推して「ノートに名前を『かいました』」と言ってしまう。また「今、紙に書きています」のような古風な(?)表現をします。
あるいは、日本語学習者は「お店で魚を『かいました』(買いました)」から類推して「お店で魚を『かいた』」「お米を『かいて』来ます(正しくは『かって=買って』来ます)」等と言い、日本人はその中国人を「日本語が全然できてない」と言ってしかったりするわけです。

「かいた」は「書く」の過去形で、「かいました」は「買う」の過去形…ということを彼らはなかなか覚えられません。「書く」がどういう時に「かき」になり、どういう時に「かい」になり、どういうときに「かか」になるか…、これが如何に難しいか当の日本人が理解していない。

「起きる」なら「起きない」「起きません」で、「ない」を「ません」に置き換えてもよいが、
「書く」は「ない」の前では「書か」だが、「ない」を「ません」にするなら、その前は「書き」になり、「書かない」>「書きません」になります。
一方、中国人は、その理解が足りないと「書きない」「飲むない」「書いません」「書かません」「買いた」等と言ったり書いたり(書きたり)してしまう。日本人は、そういう日本語を聞くと「こいつ(日本語を話す外国人等)は頭悪いんじゃないか」と考えてしまう。



母音の長短等

高駒麗人KOMA (2003/02/12 00:55)

話がまた專門的になっていますね。
中国で編集された『英漢詞典』ではこのような記述があります。
“evangel:福音”、“evangelism:福音傳道”、“evangelist:福音書的作者、福音傳教士”
96年頃の日本の研究社のCollege Lighthouse英和辞典では、evangel(福音)が載っておらず、evangelist は「福音書(gospel)の著者マタイ(Matthew)、マルコ(Mark)、ルカ(Luke)、ヨハネ(John)の一人、福音伝道者」とあります。
予断ですが、この4人の名の英語の綴りは原語とかけ離れているのでは?
本来は、Matthai、Marko、Luka、Johane(Johannes)でしょうか。

EvangelionはEvangelistに相当する詞かもしれませんが如何でしょう。

「海原」はunabaraなのはumipara>umabaraと変化し、唇を二回閉じるのが面倒でmがnになったのかもしれません。

→→母音交代で、「酒(sakë)」→「酒杯(sakãduki)」、「月(tukï)」→「月読(tukuyomi)」、「火(pï)」→「火中(*pönaka)」
「白雪」siro-yukiしロゆき>sirayukiしラゆき、「船旅」fune-tabiふネたび>funa-tabiふナたび、「眼(目の子)」menokoメノこ>manakoマナこ
このように日本語では複合語の中で最初の詞の最後の母音がaになり、私も気づいていましたが甲類乙類になると私の手におえません。
「掌(手の心)」te-no-kokoroテノこころ>tanagokoroタナごころ、「木の葉」ki-no-faキのふぁ>konohaコのは
これ等は母音調和か何かだと思っていました。

オジサン(伯父、叔父)・オジーサン(爺、祖父)の区別は、本来、ヲヂサマwodzisamaとオジジサマozizisamaでしょう。古代の日本語には母音の長短の区別はなかったのではないでしょうか。

シナ語では単母音monophthongの開音節は長母音になります。シナ語の「他」ta(一音節)は今の日本人が聞くと二拍の「ター」に聞こえますが、昔の倭人(ヤマト民族)が取り入れた御読みでは「タ」です。一方「太」taiは今の日本人が聞いても「ターイ」ではなくてタイであり、「単」danは「ターン」でなく「タン」です。

関西で「木」が「キー」、「津」が「ツー」、「歯、痛いわ」は「ハー イタイワー」になるのは、何となくわかります。

私の知る限り、中国人は日本語の長音促音の有無を聞き取ることができません。
中国人から日本語で「黄油」huangyouは何というかきかれ、日本人が「バター」だと答えたとすると、中国人は多くの場合、それで納得せず、続けて「漢字はありますか」「外来語ですか」「長音はありますか」「促音はありますか」のどれかを聞くでしょう。彼らは日本語の「バター」の發音を聞いただけでは「バタ」なのか「バータ」なのか「バッタ」なのか「バッター」なのか「バーター」なのか、さっぱりわからない。

それはともかく、英語を学ぶ人が、生詞を聞いていちいち「外来語ですか」等とは聞かないのに日本語を学ぶ中国人は必ず外来語ですかと聞く。答えるのも面倒になります。
それでは英語のdictionary(詞dictの本、dictum/dicta見解)も日本語のジショ(辞書cishu)外来語だろうが、そんなことどうでもいいだろうと言いたくなります。

現代廣東語では sam に関して「心」と「三」は長短の区別のようです。しかし上古代シナ語にこういう対応があったかは疑問です。
http://www.sf.airnet.ne.jp/~ts/language/homophone.html(同音異義語への異議)
巧匠 qiao3jiang4(北京語) haau2jeung6(廣東語) kyocang(朝鮮語)
校章 xiao4zhang1 gaau3jeung kyocang
このサイトで廣東語の母音表記にaaがあります。



清水氏の『序文』について

ヒグチ (2003/02/11 19:31)

佐藤和美様
>>>name(ネーム) namae(名前)
佐藤さんの仰る意味がよくわかりません。御教示をお願いします。
>>>owe (負う) ou(負う)
「梁」「鉞」「あばた」と「支払い・借金返済などの義務がある」で、
どちらが基本的な単語かといえば、私は前者だと思います。
貨幣がない時代に借金する人はいませんからね。
また、「owe」の発音は[ou]ですよね。第2音素までの対応だと思いますが。
>>>kill(殺す) kiru(斬る)
「斬る」を基本的な単語ではないと思う理由は、
「斬る」ためには、高度な刀剣を作る技術が必要だと思うからです。
「斬る」ことにより「殺す」ことがで一般的になったのは、
日本刀の出現以降(平安時代以降?)ではないでしょうか
それを考えれば、「梁」「鉞」「あばた」の方が基本的な単語だと思います。
>>>boy(少年) boya(坊や)
>大野晋だって母音の多対多やってんだから、日本語「ou」と英語「o」を対応させてみるか?
他にも日本語[ou]と英語[o]の対応例があれば良いと思いますが。
>>>hole(穴) horu(掘る)
>「Great Vowel Shift」なんてのがありました。
日本語と英語に関係があると明らかになった後であれば、
そういう説明も可能だと思いますが、現時点では意味がないと思います。
意味としては「動詞」と「製品」の関係であり、
日本語「kum-a」とタミル語「kum-ai」と同じだとは思いますが、
日本語「kum-a」とタミル語「kum-ai」の場合には、
他の語(「afa」と「avai」など)とセットで比較されているから
信頼性が高いのだと思います。
>>>juice(ジュース) ju(汁)
単語の比較に音読みを用いるべきではないという指摘です。
sick(病気)とsikku(疾苦)も同様です。
>>>dull(だるい) darui(だるい)
日本語Far-a(海原)とタミル語par-avai(海洋)が対応については判断できませんが、
だからといって、「dull」の意味が違うということに変わりはないと思います。
弁護するのであれば、なぜ「dull」を「だるい」に対応させることができるのかを
主張するべきではないですか?
>>>tag(引き寄せる) taguru(たぐる)
>日本語 Far-a(海原) タミル語 par-avai (海洋)
>「うなばら」は「うみ+はら」ですよね。
だから、「うなばら」ではなく「far-a」として対応させているのでは?
>>>fall(落ちる) horu(抛る)
「落ちる」は自動詞で「抛る」は他動詞ですから、意味が全く違うと思います。
>>>novel(小説) noberu(述べる)
これも、大野説から例を挙げたところで、意味が違うことに変わりはありません。
また、主観ですが、日本語tat-u(断つ)とタミル語tat-i(切り倒す)の方が、
意味が近いと思います。
そもそも、「novel」が基本単語ではないでしょう。

>ヒグチさん、ダブルスタンダードしてませんか。
この指摘は、ある意味、正しいですね。
私は、大野説の妥当性を評価する場合、以下の二つの基準を設けています。
1.第3音素までが正しく対応し、意味がほぼ正確に対応している。
2.第3音素までが対応し、意味が説明可能な範囲で対応している。
この二つは、それぞれ、対応語数の下限と上限に相当し、
それを、統計学的に求めた値や、他言語の場合と比較することにより、
より正しい評価ができると考えるからです。
佐藤さんが挙げた単語については、
boy(少年)とboya(坊や)だけが1に該当する可能性があり、
hole(穴)とhoru(掘る)およびdull(だるい)と darui(だるい)が
2に該当する可能性があるでしょう。
これは、確率からみれば、数百分の1程度だと思いますし、
大野先生が挙げた語数はそれをはるかに上回っていると思います。



Re: 上代特殊仮名遣いの個人的見解

massangeana (2003/02/11 16:50)

Maniac C. さん:

取りあえずつっこんでみます :-)

>「コーコーロー」と言うよりは「ココロ」と一息で言う方が、言い易いから
なぜ「コーコロ」や「ココーロ」や「ココロー」にならなかったのかという問
題を別にすれば「心」はそれでいいかもしれませんが, 「2音節の単語におい
て, 1音節めが a/u の時に 2音節めには甲類のオしか現れない」という現象の
説明はつかないのではありませんか? 従来の考え方でもちゃんと説明できてい
るわけではないかもしれませんが, オ段甲乙を長短の差と考えることによって
よりよく説明できるようになることはないように思います。

>単独では「ツァケー」「トゥキー」「ピー」と言えていたものが、複合して
>語が長くなるため、「ツァカンドゥキ」「トゥクヨミ」「ポナカ」
単に短くするのなら, なぜ「ツァケンドゥキ」「トゥキヨミ」にしなかったの
でしょう。また同じイ乙がなぜある場合にはウに, ある場合にはオ乙になった
のでしょう。あくまで長短説で説明するなら, 逆に「トゥクイ」が「トゥキー」
になったと考えた方がいいのではないでしょうか。

>「木」が上方で「キー」と長音で発音されるので、「紀伊」と漢字を当てた
これは甲乙とは関係ないでしょう。紀伊のほかに郡名で宝飫(←穂), 囎唹(←
襲) などがありますが, ホには甲乙の区別ないものの, 囎唹はおそらく乙類で
あり, オ段乙類が短かったという御説に矛盾します。

>かな文字になったときに、区別が失われた
平仮名・片仮名が成立する前にすでに甲乙の別が失われていただけでしょう。

>長音であることを表すために、短音よりは長く聞こえる、介母の有る漢字を
>使ったのでしょう。
イ段甲乙はたいていともに介母があります。エは御説によれば乙類が長かった
ことになりますが, じっさいには甲類の方に拗音字が多く使われています。オ
段甲乙はどちらも介母がないのが多いです。

もし, 長短の区別を漢字で表したいのであれば, 介母よりよい方法があります。
それは声調です。じっさいにサンスクリットの母音の長短を表すのに声調が利
用されたことが知られています。もちろんサンスクリットと日本語で同じ手法
を使う必然性は必ずしもないでしょうが……

>単に、中国語にア段・ウ段の長音を表せそうな音(文字)が無かったから
だとすると, イ乙などにある交替がなぜア段・ウ段ではおきないのでしょうか。



はじめての投稿です。

文月千敏 (2003/02/11 15:19)

 今日たまたまひまでブラウジングしているうちにこのサイトに出会いました。そしてほとんど全部のコラムを読んでしまいました。これほど真面目に言葉について議論しているところは他にないと思います。
 私は本来の専門は英語なのですが、気持としては日本語に一番興味があります。目下の興味は原日本語はどのようなものだったのか、ということです。もしかすると、それにいくらかでも近いものが東北・北海道(アイヌ語も含めて)と沖縄地方に残っているのではないかと思っています。(その意味でこのサイトはとても面白く感じました。)この縄文語(?とよぶ人もあります)は、後から朝鮮半島を経由して侵入してきたいわゆる渡来系の人たちがもたらしたと思われる弥生語(?)に追われて、周辺および中心から隔離された土地に押しやられたのではないか、と・・・。
言語だけではこのことを跡付けることは不可能かもしれませんが、人類学・考古学・歴史学・社会学など、言語を形作る基本となる周辺の事実を固めていけば、なにか見えてくるのではないかと思っています。
 佐藤和美さん始め、このサイトの常連の方のご意見を伺いたいと思います。



Re:確率について

佐藤和美 (2003/02/11 14:32)

さて『日本語の起源』と比較しながら、『序文』を弁護してみましょうか。
(引用のローマ字表記は正確ではありません。)

>>name(ネーム) namae(名前)
>綴りは似ていますが音素の対応は第一子音だけです。

「Great Vowel Shift」なんてのがありました。
ちゃんと3番目の音素まで対応してますね。

>>owe (負う) ou(負う)
>oweは借金返済などの義務があるという意味ですので、
>あまり基本的な単語ではないと思いますが、
>それを良しとしても、第一母音までの対応ですよね。

大野晋だって「基本語」と言いながら「梁」とか「鉞」とか「あばた」を出してます。
「負う」の旧仮名は「おふ」だから、日本語「F(φ)」と英語「w」が応してると考えれば、「oF-u」と「ow-e」でちゃんと対応してます。

>>kill(殺す) kiru(斬る)
>「kiru」を「斬る」とすれば、確かに「殺す」の意味ですが、
>それは、基本的な単語ではないでしょう。

大野晋だって「基本語」と言いながら「梁」とか「鉞」とか「あばた」を出してます。

>>battle(戦い) batoru(場取る)
>問題外。

清水さんたら、笑いを取ろうとしたのかな?
日本語 mar-o(麻呂)(人称語尾) タミル語 mar-an(王の名につく接尾辞)
これもかなり問題だと思いますけど。

>>boy(少年) boya(坊や)
>第一母音までの対応です。

「第一母音まで」って、「bouya」と「boi」ってことかな?
大野晋だって母音の多対多やってんだから、日本語「ou」と英語「o」を対応させてみるか?w
日本語 kar-a(族) タミル語 kal (親族)
「a」つけてるとこなんかも同じだし。

>>hole(穴) horu(掘る)
>意味も違いますし、holeの発音は「houl」ですから、
>第一母音までの対応です。

「Great Vowel Shift」なんてのがありました。
ちゃんと3番目の音素まで対応してますね。
日本語 kum-a(神米) タミル語 kum-ai(臼の中でやさしくつく)
「臼の中でやさしくつく」が「神米」になったなどというよりは、よほどいいと思いますが。

>>juice(ジュース) ju(汁)
>「汁」の発音は「ju」ですか?

日本語 kor-u(凍る)(古語) タミル語 kul-ir (寒さでかがまる)
「凍る」は「こる」ですか?
これを見ると「こほる」は古くは「こる」だったのか? とか思ってしまう。
でも辞典をひくと「凝(こ)る」じゃないか!
なんか、だまされた気分ですね。

>>dull(だるい) darui(だるい)
>これは、第三音素まで対応しているように思いますが、
>「dull」の意味って「だるい」でしょうか?

日本語 Far-a(海原) タミル語 par-avai (海洋)
「うなばら」は「はら」でしょうか?

>>guess(下司の勘ぐり) gesu(下司)
>問題外。

日本語 tat-ami(畳) タミル語 tutt-u (座るためのマット)
「畳」の語源は「畳む」と関係あるみたいですね。これもかなり問題だと思いますけど。

>>tag(引き寄せる) taguru(たぐる)
>「たぐる」は「手+繰る」ですよね。

日本語 Far-a(海原) タミル語 par-avai (海洋)
「うなばら」は「うみ+はら」ですよね。

>>sick(病気) sikku(疾苦)
>問題外。

日本語 tab-i(旅) タミル語 tav-ir (仮りに宿る)
これもかなり問題だと思いますけど。

と、よく見たら他のページ見たら違うことが書いてある。
日本語 tab-i(旅) タミル語 tav-ir (滞在する)
なに考えてるんだ、大野さん?

>>fall(落ちる) horu(抛る)
>意味が全く違いますよね。

投げたものは落ちます。
日本語 kum-a(神米) タミル語 kum-ai(臼の中でやさしくつく)
これとどれくらい違うんでしょうか?

>>novel(小説) noberu(述べる)
>これも、意味が全く違いますね。

日本語 tat-u(断つ) タミル語 tat-i(切り倒す)
これも、意味が違いますね。


ヒグチさん、ダブルスタンダードしてませんか。



「言葉の世界」伝言板1月分

佐藤和美 (2003/02/11 11:45)

やっと、追いついた。(^^)

「言葉の世界」伝言板1月分」を追加しました。



訂正と補逸

Maniac C. (2003/02/11 03:08)

 個人的見解3.の文字(誤変換)を訂正します。
(誤) やはり、単語の後に付くからには、単音の方が言い易いからでしょう。
(正) やはり、単語の後に付くからには、短音の方が言い易いからでしょう。

 つけたりです。
5は、沖縄語でも、キがチに変わる場合とキのままという差を生んでいます。

また、ア行音が書き分けられていないのも、1シラビームの自立語なら必ず長音であり、2シラビーム以上なら短音になる、という相補分布だったからだと考えられます。



上代特殊仮名遣いの個人的見解3.4.5

Maniac C. (2003/02/11 02:51)

3 所謂「母音調和」の法則(正式には「有坂・池上の法則」)で、オ段音が連続するときは、一部の例外を除いて乙類が連続する。
→乙類が短音で、甲類が長音と考えれば、合点が行きます。つまり、「心」という3シラビームの単語を言う時に、「コーコーロー」と言うよりは「ココロ」と一息で言う方が、言い易いからです(生理的に息が続かなくなる、これは1つの単語の中に濁音が2つ以上は含まれないのと同じ理由)。逆に、1シラビームの語(「子」「戸」「野」など)には甲類が多いのです。これは、現代日本語でも、上方では長音で発音されていますし、上代も同じだったと考えられます。同じ1シラビームの語でも、助詞の「の」「ぞ」「と」などになると乙類で、やはり、単語の後に付くからには、単音の方が言い易いからでしょう。例外として甲類が連続するのは「コロコロ」のような擬声語擬態語の類ですが、これらは別に「コーローコーロー」でも、何の不思議も無いと思います。
4 イ段音・エ段音が、露出形では必ず乙類になる。
→母音交代で、「酒(sakë)」→「酒杯(sakãduki)」、「月(tukï)」→「月読(tukuyomi)」、「火(pï)」→「火中(*pönaka)」となることが知られています。これも、上記と同じように、単独では「ツァケー」「トゥキー」「ピー」と言えていたものが、複合して語が長くなるため、「ツァカンドゥキ」「トゥクヨミ」「ポナカ」(上代特殊仮名遣いでは「ほ」に甲乙の書き分けは在りませんが乙類と考えます)と短くなったものと考えられます(イ段音・エ段音は甲類が短音で、乙類が長音)。「紀伊半島」が「紀伊国」、つまり「木の国」から由来していることは有名です。「木」が上方で「キー」と長音で発音されるので、「紀伊」と漢字を当てたものですが、これも、上代特殊仮名遣いでは乙類です(「火」と同じく、ï→öの母音交代をします)。
5 四段動詞では起こったイ音便が、上二段動詞では起こらなかった。
→「書きて(kaki të)」「濯ぎて(susugi të)」は「書いて」「濯いで」になりましたが、「起きて(ökï të)」「過ぎて(sugï të)」は「起いて」「過いで」になりませんでした。これも「ka’i te:」「susu’ĩ de:」という短母音+短母音の連母音(1シラビーム)はまだ許容された(言い易かった)ものの、「o’i: te:」「su’i: te:」という短母音+長母音の連母音(2シラビーム)は許容されなかった(言い難かった)、と考えられます。実際に口に出して言ってみれば、前者より後者の方が言い難いのが解ると思います。多分、「行きて」が「行いて」とならずに、「行って」となるのも同様だと考えられます。また、言葉の経済学を考えても、四段動詞では音便化することで、2シラビームから1シラビームへとシラビームを1つ減らすことが出来る利点が有るのですが、上二段動詞では音便化しても同じ2シラビームで、同音異義語や類音語を増やす危険性こそあれ、利点は何も無いのです。
 いかがでしょう。皆様のご意見・ご批判をお待ちします。



上代特殊仮名遣いの個人的見解1.2

Maniac C. (2003/02/11 02:50)

 それだけでは身も蓋も無いですので、更に、個人的な見解も加えます。私自身は、上代特殊仮名遣いの甲乙の差は、質的な違いではなく、量的な違いだったのではないかと考えています。つまり、独語の‘o’と‘ö’との対立のように、調音位置(や綴り)によって明確に区別されるべき違いだったのではなく、単に、長短の差だったのではないか、ということです。そう考えると、色々な謎が一気に氷解します。
 今度はその根拠を開陳します。
1 母音脱落現象を考える上で、甲乙の違いは問題にならない。
→母音の脱落は、大部分、隣接する母音の広狭で、どちらが脱落するか決まるようですが、もし、甲乙の母音に質的な差が有るのならば、この母音脱落現象についても、何らかの差が有って然るべきです。しかし、そのような差は見られず、全く同等に扱えます。これはつまり、質的に差が無いということを示唆していると考えられます。
2 かな文字になったときに、区別が失われた。
→濁音と清音もそうですが、調音位置が同じものは同じ仮名です(所謂「変体仮名」という多様性は有りましたが、濁音用の文字と清音用の文字とで特化したものは在りません)。所謂「濁音」と「清音」の違いは、現在認識されているような有声か無声かの違いではなく、中世まではその前の母音が鼻音化するかしないかの差であって、「ん」の文字が発明される以前もされた以後もこの差は表記されていません。又、暫くは長音を表す記号も在りませんでした。これは、現代の東北弁や韓国・朝鮮語のように、古い日本語はシラビーム言語だったからだと考えています。では、何故、上代特殊仮名遣いでは濁音と清音、短音と長音を書き分ける必要が有ったのか、という疑問が即座に提出されそうですが、(私の知識の範囲では)中国語に長短の区別が無いからです。日本語には、今でも、「おぢさん」と「おぢいさん」のように長短の区別が在ります。但し、現代日本語の表記では長音と連母音の区別が出来ていません(「追う・負う」も「王・欧」も仮名表記は「おう」)。上代の日本語では、連母音は母音脱落・母音融合・嵌入音Sの挿入などの操作で避けられます。が、それでも長音は存在しました。この長音を書き分けたのが、上代特殊仮名遣いです。長音であることを表すために、短音よりは長く聞こえる、介母の有る漢字を使ったのでしょう。仮名で書かれるのなら、前後の関係から、日本人なら濁音か清音かは判断が付きますし、短音か長音かも判断が付きます。しかし、記紀などは、まだ仮名が発明されなかったということも在りますが、日本が中国と渡り合っていけるだけの文化程度を持った国だということを知らしめるため、即ち、中国人を対象に読ませるため書かれた書物だ、ということも忘れてはなりません。中国人に日本語を発音してもらうためには、濁音は有声音で始まる漢字で書く必要が有ったし、長音を発音してもらうためには近似した音をもつ漢字を使う必要が有ったのです。森博達氏の言うように、α群を中国人(乃至は朝鮮人)が書いたとしても、彼らが日本語の長短の違いを聞き分けて漢字として書き分けた、という点は同じです。なぜア段・ウ段にも二種類の書き分けが無いかというのも、単に、中国語にア段・ウ段の長音を表せそうな音(文字)が無かったからです。



Re: 5母音の根拠

Maniac C. (2003/02/11 02:48)

 いきなりですが、済みません。「語頭に新しい母音は発生しません」という部分だけ印象に残ったので、所謂「裸の母音」、つまり「ア・イ・ウ・エ・オ」のことだと思ったのですが、佐藤和美さんの挙げていらっしゃる例を見て、『母音(日本語の起源)』を見返してみたら、「VVC/CVVCという母音の連続」という部分を見落としていたことに気づきました。
 私の書き込みは、語頭での「母音のみの単純音節」は5つだけであったらしい、と読み替えてください。佐藤さんの意図していた、「子音+母音の複合音節」は、上記の発言意図には含まれていません。
 その上で、根拠ですが。
 1 上代特殊仮名遣いの違いがア行では見つかっていない。
  (ア行のエとヤ行のエとの違いは別にします)
 2 母音脱落現象を考える上で、甲乙の違いは問題にならない。
というのが定説です。



「日本人」「サプニン」

高駒麗人 (2003/02/11 01:24)

「台湾語 上海語 中国の人口」
上海語>「日本人」…実際には「サプニン」か「サポニン」のように聞こえます。
上海語で「上海人」は、実際「サンヘニン」のように聞こえるということになりますね。

確かにNHKラヂオ中国語会話応用編上海語講座で聞いた「上海」はサンヘで語頭のzはsに聞こえました。

「謝謝」もziaziaジアジアの筈が、ciaziaシアジアに聞こえました。
↑この場合、cとzの右下は「ね」「ぬ」の右下にように輪を描きます。sj(シ)、zj(ジ)の發音です。

「単語の類似 等」
中学時代、dictionaryを「字を引く書なり」と覚えたのを思い出します。原語はdictum/dicta(言われたこと)でしょうから勿論単なる語呂合わせです。
「中国時代」でなく「中学時代」でした。

また訂正です。失礼しました。



英語語源辞典

佐藤和美 (2003/02/10 12:53)

12月分の伝言版ログを整理してて気がついたことですが、
『英語語源辞典』(研究社)は縮刷版がでてます。
7,400円+税



台湾語 上海語 中国の人口

高駒麗人κομα (2003/02/10 02:45)

massangeanaさんへ
>廈門では「仁・認」が lin, 「刃」が lim, 「任」が lim/lun (なお現在の廈門では dz は一部の老人にしか残っていない)だそうですので, どっかそのあたりでしょう。
ありがとうございます。「人」の語末はnですからlinかもしれません。

>上海語「上海人」…実際には「サプニン」か「サポニン」のように聞こえます。
確かにNHKラヂオ中国語会話応用編上海語講座で聞いた「上海」はサンヘで語頭のzはsに聞こえました、「謝謝」もziazia、ジアジアの筈が、ciaziaシアジアに聞こえました。
上海語の有声のh等は全く聞こえませんね。

>Riben がウェード式ローマ字で jih4 pên3 になりますから。
Jihpunも北京語かもしれません。jが北京語のr(巻き舌z)と台湾語のdzを両方現すのでこうなるのでしょう。ただ北京語benをpunで現したのは変です。北京語eが曖昧母音なので、英語圏の人がbenをpun[pΛn]と解釋したのかもしれません。
朝鮮語のサムソン(三星)をSAMSUNGと綴るようなものです。

小学生 さんへ お役に立てて光栄です。正しいかどうか中国人の方に確認していただいた方がいいかも。中国の人口その他はネットや参考書や百科事典や「地球の歩き方」などで調べるといいでしょう。
http://searchina.ne.jp/business/005.html
2000年で12億6583
http://www.mainichi.co.jp/edu/wakaru/wakaru-e/0209/
月刊ニュースがわかる<小学生>
中国の人口は世界一多い。ではどのくらい? 約12億7000万人(正確には 12億6,583万人 ← 2000年のデータ)世界人口の約22%を占め、トップ。
http://www.naito-sec.co.jp/school/ch_shool/ch_lsn_05.html#2
http://202.84.17.83/200201/aaa614182950_3.htm(新華社ニュース)
http://searchina.ne.jp/basic_guide/004.html
中国の面積約960万平方メートル(959万6960平方キロメートル)

http://www.cnta-osaka.com/chinaguid.html
(中国の概況)
中国の人口で検索した結果 約2080件のページが見つかりました。

http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%c3%e6%b9%f1%a4%ce%bf%cd%b8%fd&&r=%2fRegional%2fCountries%2fPeople_s_Republic_of_China%2fArea_Guides%2f&y=y&hc=0&hs=1



単語の類似 等

高駒麗人κομα (2003/02/10 02:36)

口蓋化 長音 促音 等 投稿者:高駒麗人καμα 訂正> κομα  投稿日: 2月10日(月)01時49分48秒

ウクライナ(Ukraina)の キエフ(Kiev)もロシア語綴りは Киевつまり Kiyev [kijef]キイェフですね。
Киэвという書き方はロシア(ロシヤ)語としては不自然なのでしょう。
ローマ字表記は Kiyev が正確な筈ですが、現行は Kiev です。英語では逆にiの次ではyは不要なのでしょう。日本語でも「キエフ」です。
朝鮮語での「ロシア」の呼び方も二種類あり、北朝鮮では、로씨야[ro∬ija]「ロッシヤ」で、これは勿論、ロシア語Россия[rossija]「ロッシヤ」からでしょう。

大修館「しにか」で以前、カザフスタン(Kazakhstan)の高麗民族の記事がありましたが、彼らの新聞「高麗日報」でも北朝鮮式の 로씨야 [ro∬ija]「ロッシヤ」を採用しています。
南朝鮮(南韓)では 러시아[rэ∫ia]「ロシア」です。эはcの逆さ(大口のオ)或いはeの逆さ(曖昧母音)或いはΛ(奥舌のアとオの中間)。
これは、英語の Russia からでしょう。

佐藤和美さんへ
英語と日本語の偶然似ている単語の例は、金田一さんが警告しているように「単語が似ているから言語が同系だ」という意見の安易さの例でしょう。
中国時代、dictionaryを「字を引く書なり」と覚えたのを思い出します。原語はdictum/dicta(言われたこと)でしょうから勿論単なる語呂合わせです。

ドイツ語Name(ナーメ)はもっとnamae(名前)に似てます。
80年代後半のThe Good-Byeの曲「25ans(ヴァンサンカンvingt-cinq ans)」で、「貴女の名前の変わる日に」という歌詞があるのですが、歌詞カードで「名前」の所に「NAME」と書かれてありました。うまい当て字でした。
http://web.ffn.ne.jp/~yuko/goodbye.htm(ザ・グッバイ)

vingt-cinq ansをVANSANKAN、来夢来人(Limelight)をraimuraitoと綴ったサイト名もあります。皆さんどう思われますか?
http://www.vansankan.co.jp/(ヴァンサンカン)
http://www.kaihatu.com/raimuraito/index.htm(来夢来人)
フランス語や英語の発音どおりに書くなら vε〜sε〜kα〜(〜はε、αの上)、Laimlait でしょう。


soと「そう」も似ています。「さよう(左様)」<「さ(シナ語左zuo)+やう(<様yang)」

>boy(少年) boya(坊や)シティーボーイをシティーボーヤという人もいます。

>juice(ジュース) ju(汁)
「肉汁」はニクジュウですね。「汁」zhi「十」shiの音読みはジフ>ジウ>ジュウで、「汁」は古代漢語でp入声。zhipのような音だったことでしょう。少なくとも英語の juiceとは別語源でしょう。
子どもの頃、「エースをねらえ」で、審判が「ジュース」と言っているのを聞いて私は「休憩時間でジュースでも飲むのかな」と思っていましたが、後で deuceデュースだとわかりました。だったらデュースと言ってほしい。
ケチャップ(ketchup)は廣東語で「茄汁」kezhapだそうです。

「負う」は本来「おふ」oΦu(ハ行四段)です。oweの語源はわかりません。ownはドイツ語のEigenと同系でしょうか?しかしoweとownは別系統だという意見もあります。

シナ語の「媒体」meitiと英語のmedium/mediaも似ていますし、「領導」lingdaoとleaderも似ています。
シナ語の「塔」taと英語の tower も似ています。電視塔DianshitaはTVTowerです。では同系でしょうか?
「塔」は古代シナ語で tap であり、梵語の stupa から来ているようです。では英語の towerはstupa 起源でしょうか?尖った塔steepleは stupa に似ていますが、もし梵語起源の英語ならpがfになっている筈です。(日本語でも「塔」tap>「たぷ」tapu>「たふ」taΦu>「たう」tau>「とう」to:。朝鮮語で탑[thap])。
この辺が語源論の難しい所です。

http://homepage1.nifty.com/forty-sixer/sinzoku.htm(言葉の親族関係)



口蓋化 長音 促音 等

高駒麗人καμα (2003/02/10 01:49)

投稿者:楡ノ家楠丸さんへ
http://www3.tky.3web.ne.jp/~oyanagi/nihongo-bbs.html(日本語教育の掲示板)

>英語の cat を、日本人は「キャット」と写しますが、
Commme des garconsは英語でコムデガーソンですが日本語ではコムデギャルソンですし。フランス語ではgが口蓋かしているようです。
cuisine(変換すると「食い死ね」と出るのは恐い、「食い倒れ」?)も英語では[kwizi:n]でカナならクウィジーンです。
フランス語[kчizin]はキュイジンの筈。現行はキュイジーヌ。cui-がキュイなのはフランス語音尊重でしょうがジを伸ばすのが英語式。
カタカナ表記はわかりにくい。それで中国人が日本語を学ぶと、促音と長音を聞き取れないので、「インターネット」を「インタネート」、「ビール」を「ビル」、「マッサージ」を「マサジ」、「シーバス」を「シバス」と書いてしまいます。しかし「マサジ」でもいいような気がしてきました。朝鮮語でも마사지マサヂですし。
http://www.kaihatu.com/raimuraito/index.htm(来夢来人)

Jurassicがどうしてジュラシックなのか。sは2つでcは1つですから「ジュラッシク」でいい筈。
私は幼少のころ「ピアノ」を「ピヤノ」と覚えていて、文字を学んで「ピアノ」だとわかりました。しかしフランス語音では[pjano]ピャノですし、トルコ語では piyano だそうです。

>ロシヤ、イタリヤ……という具合だったはずです。最近のギリシア、ペルシアというのはどんなもんでしょう。
私も「ギリシア」「ギリシヤ」「ギリシシャ」のどれが正しいか全く意識していません。
インドネシアはシナ語で印度尼西亜、シベリアは西伯利亜、語末が西亜xiyaシヤ、利亜liyaリヤになっています。中国人もiaをiyaにするようです。(しかし亜は南シナではyaでなくですから、イアとイヤの対応はシナ語内部でもあるということです)

http://web.ffn.ne.jp/~yuko/goodbye.htm



ありがとう!!

小学生 (2003/02/09 21:29)

この前の小学生です!!教えてくれた人本当にありがとうおかげさまでだいたい分かってきました。あと。人口など、大まかなことを教えてもらえると助かります!!ので、できればよろしくおねがいします!!もうすぐで、この調べ学習もおわりです!!発表までがんばっていきたいと思います。



「言葉の世界」伝言板12月分

佐藤和美 (2003/02/09 17:45)

「言葉の世界」伝言板12月分」を追加しました。



Re:Re:確率について

ヒグチ (2003/02/08 14:52)

清水義範『蕎麦ときしめん』の『序文』から
日本語と英語の対応例を引用されていますが、
これは、真面目な回答なのでしょうか?
私の記述に全く当てはまらないような気がするのですが。
>name(ネーム) namae(名前)
綴りは似ていますが音素の対応は第一子音だけです。
>owe (負う) ou(負う)
oweは借金返済などの義務があるという意味ですので、
あまり基本的な単語ではないと思いますが、
それを良しとしても、第一母音までの対応ですよね。
>kill(殺す) kiru(斬る)
「kiru」を「斬る」とすれば、確かに「殺す」の意味ですが、
それは、基本的な単語ではないでしょう。
>battle(戦い) batoru(場取る)
問題外。
>boy(少年) boya(坊や)
第一母音までの対応です。
>hole(穴) horu(掘る)
意味も違いますし、holeの発音は「houl」ですから、
第一母音までの対応です。
>juice(ジュース) ju(汁)
「汁」の発音は「ju」ですか?
>dull(だるい) darui(だるい)
これは、第三音素まで対応しているように思いますが、
「dull」の意味って「だるい」でしょうか?
>guess(下司の勘ぐり) gesu(下司)
問題外。
>tag(引き寄せる) taguru(たぐる)
「たぐる」は「手+繰る」ですよね。
>sick(病気) sikku(疾苦)
問題外。
>fall(落ちる) horu(抛る)
意味が全く違いますよね。
>novel(小説) noberu(述べる)
これも、意味が全く違いますね。
これらの単語を何語から選んだのか知りませんが、
その似ている単語においてさえも、
第三音素までの対応は、十数語中に一語もありません。
従って、偶然に対応する確率が数百分の1というのは妥当だと思います。



Re:確率(日本語の起源)

ヒグチ (2003/02/08 14:24)

佐藤和美様

>「基本語」から選んだというのは大野晋の主観でしょう。
私は、対応表を見る限り、(比較的に)基本的な単語と稲作・米に関係する語が
ほとんどだと感じました。
基本単語の2000語がどの単語かはわかりませんが、
普段の会話で使わないような単語は挙げられてないと思いますし、
日常会話で使う単語数が1万語を超えるとは思えませんので、
数千語レベルからの選択だと思います。

>第二子音の数は13なのでは?(8+5=13)
御指摘の通りです。私の間違いでした。

>母音は多対多です。
これも、御指摘の通りです。
従って、第2子音数を13、母音数を3として計算すると、
確率は1/350程度になるように思います。
しかし、こういう議論では、桁が重要なのであって、
1/500か1/300かというのはあまり問題ではありません。
以前も同様の内容を書き込みましたので、
佐藤さんはそれを御理解された上で、私の試算の不備を指摘されたのだと思いますが。

「kāl」と「ati」について、
私は、「似たほうを選んだのでは?」と書きましたが、
一方で、タミル語学者の協力による語義の検討も行っていると思っています。
Maniac C.さんに書き込んで頂いた説明を見る限り、
やはり、「足」には「ati」を対応させるのが妥当だと思います。(私の主観です)
また、その場合、確率が変わるのではとの御指摘ですが、
確率が変わるのではなく、サンプル数が変わってくることになります。
しかし、仮にサンプル数を3倍と考えても、
偶然に対応する語も3倍になるだけであり、
大野先生が挙げている対応語数が
それを有意な差で上回っていることに違いはありません。
母音に関する指摘については、佐藤さんの仰ることは理解できます。
しかし、そのことから「自己矛盾している」と言うには、
以下の二つの条件が必要だと思います。
1.奈良時代までの単語は全てタミル語を起源としている。
2.奈良時代までの単語に母音で始まるものは無い。
このことについて、佐藤さんはどう思われますか?



Re:確率について

佐藤和美 (2003/02/08 13:10)

ヒグチさん
>日本語と英語の数十語について第3音素までの対応を見たところ、
>対応すると思われる語はありませんでしたので、

どういう探し方したんだかわかりませんが、こういうのもあります。

http://www.lb.u-tokai.ac.jp/joy/books/soba.html
http://www.toyama-cmt.ac.jp/~kanagawa/gogen.html
などによる。

清水義範『蕎麦ときしめん』の『序文』によると

name(ネーム) namae(名前)
owe (負う) ou(負う)
kill(殺す) kiru(斬る)
battle(戦い) batoru(場取る)
boy(少年) boya(坊や)
hole(穴) horu(掘る)
juice(ジュース) ju(汁)
dull(だるい) darui(だるい)
guess(下司の勘ぐり) gesu(下司)
tag(引き寄せる) taguru(たぐる)
sick(病気) sikku(疾苦)
fall(落ちる) horu(抛る)
novel(小説) noberu(述べる)
etc



Re:母音(日本語の起源)

佐藤和美 (2003/02/08 12:25)

Maniac C.さん
>語頭では8母音ではなく、5母音だったらしいですよ。

根拠は?

「みな(皆)」の「み」は乙類
「もゆ(燃ゆ)」の「も」は甲類
「ひ(火)」の「ひ」は乙類
「よ(夜)」の「よ」は甲類


なお、「重母音が変化して新しい母音ができたという見解」は
大野晋『日本語の文法を考える』(岩波新書)
184〜200ページあたりにでてます。



Re: タミル文字の転写

massangeana (2003/02/07 17:58)

Maniac C. さん:
>k, t, rが2つ、l, sが3つ、nに至っては5つ
3つある s (および h j) はいずれもタミル語では使わないようなので, 考えなくていいで
しょう。
上に点のある n (OTL:g) は英語の ng, tilde (~) つきの n (OTL: jn)はフランス語の gn です。
下線つきの n (OTL:n2) は歯茎音の n のようです。ただし, 上の 3つおよび何もつかない
n の 4つ相補分布をなすので音韻的には 1つと考えていいようです。
下に点のある t, l, n (OTL: T L N) はインドでおなじみのそり舌音です。
k の下に _ があるの(OTL: H)は [x] か [h] のような音らしいです。
r の下に _ があるの(OTL: R) は古くは 歯茎音の t だったようですが, 現在は
たいていの地方で r と同じになっています。
l の下に _ があるもの(OTL: z, "Tamil" の最後の字はこれ)の古い発音はよくわかり
ませんでした。現在では単なるそり舌の l で発音している人が多いらしいです。



Re: 台湾語関係

massangeana (2003/02/07 16:46)

辻本さん:
>一部は【m】一部は【b】
m が残っているのは, ひとつはもともと韻尾に m/n/ng がついていたものが鼻母音化した
場合で, その影響で声母も鼻音のまま残ったものです。これは白話音に多いです。
もうひとつは, おそらくその後に伝わった文言音で声母が m/n/ng で始まっていた
のをそのまま m/n/ng で受け取ったものです。おもしろいことにこの場合も鼻母音化を
起こしています。

高駒麗人κομαさん:
>台湾語の「人」の本来の發音は何でしょう?
「本来」という言葉を「漢字の読みとして規則的な変化」という意味に解釈すると,
廈門では「仁・認」が lin, 「刃」が lim, 「任」が lim/lun (なお現在の廈門では dz は一部の
老人にしか残っていない)だそうですので, どっかそのあたりでしょう。

>上海語で ... 「日本人」は ze'penninn「ゼッペンニン」
じっさいには「サプニン」か「サポニン」のように聞こえます。上海の z は
日本語の z とはまるっきり違う音です。内山完造「そんへえ・おおへえ」(岩波新書)
は上海語の「上海・下海」ですが, 「ぞんへえ」にはなっていません。
また, 上海語の韻尾は日本語の「っ・ん」より遙かに短く発音されます。

>「『日本』の中国語發音Jihpunより」等と書いてあるのは台湾發音
北京音のつもりかもしれません。Riben がウェード式ローマ字で jih4 pên3 になり
ますから。



atiとkāl

Maniac C. (2003/02/07 03:43)

 お待たせしました。語義が多いのと、atiの13番目の項目にある‘parav’なる正体不明の単語が何を意味するのか調べているうちに時間が過ぎてしまいました。結局判らず、諦めました。
 まず、日本語の「あし」に当たる英語foot, leg, limb, pawをOTLに入れた結果。各200件, 98件, 44件, 3件が当たりました。これぢゃ、どれが日本語の「あし」に対応するのか、判らないよ、トホホホホ…(/△\)。
 ま、どの言語でも、身近なものほど1つの単語に多くの意味が有るのですから、異なる言語でそれに当たるものを探すのは大変だと予想はしていたのですが。
 で、atiとkālですが。OTLではaTi, kAlとありますから、やはり大文字の母音は長母音らしいです。>ロスケさん
 他のサイト(下記参照)の示すところに拠れば、デーヴァナーガリ系のタミル文字には、それがどう発音されるかまでは判りませんが、k, t, rが2つ、l, sが3つ、nに至っては5つ有るようです。多分、「胡麻」のkURuはLC方式ではkū{下線付きのr}uになると思います。aTiのTも、多分、下に点の付くtを表しているものと思われます。

 それでは、atiの語義一覧です。
 1. foot; 足
 2. measure of a foot=12 inches; 単位としての呎=12吋。
 3. footprint; 足跡。
 4. metrical line, of which there are five kinds, viz.,; 詩脚。5種類在る。即 ち、。
 (英語の詩脚ならばiamb, trochee, anapest, dactyl, amphibrach, amphimacerで6種類)
 5. base, bottom; ふもと、下部。
 6. stand, support, foundation; 基礎。
 7. beginning; 始まり。
 8. source, root of words or plants, origin of lineage, ancestry, or family;
  源。単語や植物の根。血統の起源。祖先。又は一族。
 9. antiquity; 古代。
 10. place; 立場。
 11. racecourse; 競争路。
 12. a conventional term in gambling; 賭博における決まり文句。(意味不明)
 13. indulgence in intoxiccating(sic.) drinks parav ;
  アルコール性飲料のparav(正体不明)にふけること。
 14. riches, wealth; 財、富。(日本語で言う「おあし」の「あし」?)
 15. nearness, proximity; 近さ、近似性
 16. plan of action 行動計画
 見てて、結構、英語のfootに6.くらいまではそっくりだなーと感じました。共通の心像としては、「動くあし」、「末端から中心に遡る方向性」を感じます。

 今度はkālの語義一覧。
 1. quarter, one fourth of a whole; 四半分。全体の四分の一
 2. the symbol to denote 1 2 in tamil; タミル語で1 2を示すための記号
 3. keg(sic.), foot, of a person, animal or thing; 人・動物・物の、脚・足
 4. stem of a flower; 花の茎
 5. lower part, base bottom; 下部、基部、底部
 6. the symbol 'Z?' in tamil alphabet; タミル文字でZ?の文字。
 7. car-wheel, carriage wheel;
  車の車輪、乗り物の車輪。(日本語で言う「あしまわり」の「あし」か)
 8. cart; 荷車。
 9. poel(sic.), staff; 棒・棹。
 10. peg, pin, in a loom; 織機の、糸巻き・栓
 (なぜか11.は欠番)
 12. shaft; 柄(え)
 13. post; 地位
 14. prop, support; つっかい棒・支柱。
 15. shoot, sprout; 若枝、新芽。
 16. sapling; 苗木。
 17. son; 息子。
 18. family(sic.), relationship; 家族、親戚。
 19. degree of consanguinity or affinity; 血族や姻戚の度合い(=親等)
 20. place of origin, source; 発祥の場所、源。
 21. irrigation channe(sic.); stremlet(sic.); 灌漑のための水路、小川。
 22. division; 部門。
 23. way, road, path; 通路・車道・小径。
 24. pace, as of a horse; 馬などの、歩調。
 25. place, room; 場所、部屋。
 26. forest; 林野。
 27. point, end, as of a bow; 弓(舳先?)などの、先端、終端。
 28. a measure of capacity for grain; 穀物の容量の単位。
 29. measure, degree; 程度、段階。
 30. lock of hair in plaiting; お下げに結ったときの毛の房。
 31. ray; 放射線(「ヒトデなどの腕」という意味も有る)。
 32. the descent of rain 雨の降下(=「あまあし」)
 こちらは、「支えるあし」「中心から末端へ去っていく方向性」を感じます。

 確かに、前者は「足」、後者は「脚(はぎ)」に相当しそうですが、異なる部分もかなり有りますね。

 ついでに。
 語頭では8母音ではなく、5母音だったらしいですよ。>佐藤和美さん

 奈良以前の母音融合の例は、以下のとおりです。
咲き+有り=咲けり(ケは甲類)、高+市=たけち(ケは乙類)、大+石=おひし>高駒麗人 KOMAさん

http://www.lib.uchicago.edu/e/su/southasia/names#names



Re: ロシアとロシヤ

楡ノ家楠丸 (2003/02/07 02:33)

■言語は、それぞれに、「独自の音に対する意識」を持っています。たとえば、英語の cat を、日本人は「キャット」と写しますが、これは、日本人の耳が「子音の口蓋化に敏感だから」だと思います。
■日本人、イタリア人、フィンランド人などは、「つまる子音」を意識しますが、英・米人、フランス人、ドイツ人は無頓着です。
■ロシア人は、[j]のわたり音にとても敏感です。子音の硬軟が音韻体系の重要な骨格であるので当然です。ですから、Россиа などという綴りは、気持ち悪くて書けないのです。
■日本人も、本来は、[j]のわたり音に敏感だったように思います。戦前の仮名遣いは、ロシヤ、イタリヤ……という具合だったはずです。最近のギリシア、ペルシアというのはどんなもんでしょう。



母音の数と融合

高駒麗人 KOMA (2003/02/07 01:56)

漢語借用以前の倭語にでは語中に母音で始まる音節はなかった(二重母音は存在しなかった)ということですが、漢語が入ったのは弥生時代と考えるとそれから奈良時代までに「母音母音子音」という組み合わせができたのでしょうか?

すると新しい母音ができたのはもっぱら漢語詞の中でしょうか?漢語の各方言や朝鮮語では重母音の変化はよく起きています。上海語等でaoが単母音オ(cの逆さ)になっています。

日本語がタミル語から別れたとき、日本語は4母音だったということでしょうか?別れてから日本語内部で8母音になったのでしょうか。

和語で二重母音が形成されたのは
「かほ(顔)」kaΦo→kawo→kao、 「白き」(連体形)∫iroki→「白い」∫iroi
「白し」(終止形)∫iro∫i→「白い」∫iroi
「かをり(香)」kawori →「かおり」 kaori
「あを(仰)ぎて」(連用形)awogite → 「あおいで」aoide
といった子音消滅でしょうが、これは母音が5つになってからの話(おそらく室町時代以降?)で、日本語とタミル語の対応のような奈良時代以前(或いは紀元前)とは別の話かもしれません。

Karnevals Kleid Gr. 40 super schön und sexy!! 英語混じりの独語↓
http://cgi.ebay.de/ws/eBayISAPI.dll?ViewItem&item=2909986523&category=23522

タミル語と日本語の関係の話とは直接関係ありませんが「重母音が変化して新しい母音ができたという見解」というのは今の言語の最近の音変化を参考にした考えでしょうか。

皆さんはご存知でしょうが、この5母音になってから方言で二重母音が融合しています。
これは古代の音変化の再現でしょうか?
今の日本語の母音が5つになったのはいつからか手元に資料がないのでわかりませんが

名古屋方言で
ai→æ:(ä アとエの中間)、oi→œ:(ö Goetheのoe)、ui→y:(ü 北京語「雨」yu)になったようです。例:高い[takæ:]、白い[∫irœ:]、暑い[asty:]
故に名古屋方言では母音が八つあると言われますが、勿論これは古代倭語の八母音とは無関係で、古代八母音が今の五母音になってそれから名古屋方言で再び8つになったわけでしょう。

朝鮮語でも似たような事が起きています。
OH(愛)ai→ æ →ε、외(外)oi→ we →œ、위(危)ui→ wi → y
例:최(崔) t∫'we 慣用綴りChoi、Window→윈도우[windou]→韓国人が発音すると[yndou]に訛って、北京語の「芸豆」yundouに聞こえる
すると朝鮮語の母音は ㅏ[a]、ㅐ[æ〜ε](ae、ai)、ㅔ[e]、ㅡ[щ](平口ウ eu)、ㅜ[u]、ㅗ[o]、ㅓ[э](cの逆さ、或いはeの逆さ eo)の8母音だけでなくㅚ[œ]とㅟ[y]が加わって10母音になります。
(現代朝鮮語は新羅語の子孫ですが日本語との系統関係を考えるには古音を再現する必要があります。しかし現存する資料はせいぜい訓民正音制定の15世紀以降でしょうから、古代日本語との関係は立証しにくいでしょう)

また琉球語でe→i,o→u(okinawaオキナワ→ut∫inaaウチナア)となり三母音aiuになっていますが、二重母音aiがeに、auがoに戻って結局5母音に戻っているということはあるのでしょうか。
アラビア語では「正式な」発音では3母音aiuで、くだけた発音だと5母音aiueoだそうです。
例:qur'an→ Koran、Kuwait→ Kuwet、Muhammad→Mohammed、Muslim→Moslem
間違っているかも知れませんが…

「花の色は、うつりにけりな いたずらに…」の「はなのいろは」Hananoirowa(昔はhananoiroΦaハナノイロファ)は6音節で、575が675になって字余りのようですが、「のい」noiが一音節として読まれ、575だった可能性もあります。(そうでなければ助詞「は」をつけず「花の色、うつりにけりな…」でよいはず)
勿論、日本語の系統の舞台とは時代がずれているとは思いますが。

http://homepage1.nifty.com/forty-sixer/hikakugengogaku.htm
(比較言語学)
http://homepage1.nifty.com/forty-sixer/sinzoku.htm
(言葉の親族関係)



中国の簡単なあいさつ

高駒麗人 KOMA (2003/02/07 01:24)

http://moon.f-edu.fukui-u.ac.jp/tabunka/eac/greeting.htm
<あいさつについて>
おはよう「早上好」Zaoshang hao こんにちは「イ尓好」Ni hao
「イ尓」で一つの漢字。
あけましておめでとう「過年好」Guonian hao
「新年快楽」Xinnian Kuaile
さようなら「再見」Zai jian 明日また「明天見」Mingtian jian

中国のあいさつで検索した結果  20件のページが見つかりました。
難しい挨拶なら「貴下益々ご清栄の事とお喜び申し上げます」を中国語でどう言うかは流石に自信がありません。お望みでしたら後でしらべます。

http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%c3%e6%b9%f1%a4%ce%a4%a2%a4%a4%a4%b5%a4%c4&hc=0&hs=0



母音(日本語の起源)

佐藤和美 (2003/02/06 23:08)

大野晋の説では奈良時代の八母音の前は四母音だったといいます。
重母音が変化して新しい母音ができたという見解のようです。
タミル語との音韻対応を日本語は四母音でやってるのは、当然この説を意識してのことでしょう。
そうすると疑問が起きます。
語頭にVVC/CVVCという母音の連続がなければ、語頭に新しい母音は発生しません。
『日本語の起源』での対応には四母音しか出てきません。
これでは語頭の八母音が説明できないでしょう。
自己矛盾してるとしか思えないのですが。
大野晋本人はこのことに気づいてるのかどうか。『日本語の起源』ではふれてない(無視してる?)ようです。



Re:確率(日本語の起源)

佐藤和美 (2003/02/06 23:07)

ヒグチさん
>基本単語が2000語ということについては、221ページ等にあります。

これですね。

「私は判断を急がず、対応語の数を考えてみた。それは五〇〇語である。基本語は二〇〇〇語はあるといわれる。その中の五〇〇語しか対応を発見できない。」

大野晋はいくつの語から五〇〇語を「発見」したのか書いてません。自分でもわかってないようです。
つまり基本語リストのようなものからひろいだしたわけではないでしょう。それなら語数はわかりますから。
そして自分のひろいだしたものを「基本語」だと思ってるようです。
でも巻末の対応一覧には「梁」とか「鉞」とか「あばた」とかが載ってるんですよね。
「基本語」から選んだというのは大野晋の主観でしょう。

>よく見たら『日本語はどこからきたのか』の裏表紙にこう書いてありました。
>「十万語のタミル語辞典に日本語と対応する単語五〇〇語を発見!」

こっちのほうが事実に近いんじゃないか、という気がしてきました。


>子音・母音数は「日本語の起源(新版)」の巻末2,3ページを参考にしました。

>第二子音の数を16としました。

第二子音の数は13なのでは?(8+5=13)


>タミル語の子音・母音が日本語に比べて多く、ほとんどの対応が
>一(日本語)対多(タミル語)となっていることから、

母音は多対多です。


「足」に対して「kāl」と「ati」の二つの単語の似たほうを選ぶと言うのでは、「確率は1/576」などとは言えなくなるでしょう。
また「土」の対応は「tuti」ではなく古語「ni」を使ってますが、これは「足」の逆で日本語側に二つの単語を用意していたという例です。



おしえてください!!

小学生 (2003/02/06 20:05)

いま、社会で、中国のあいさつを調べてます。簡単なあいさつを教えてくれませんか?



台湾語について

辻本裕幸 (2003/02/06 16:19)

台湾語で質問があります。中古音で【m】だったもののうち台湾語では一部は【m】一部は【b】になっているようです。【n】だったものおうち一部は【n】一部は【d/l】になっているようです。【ng】は一部が【ng】一部が【g】になっているようです。こういう別は、どうして生じたのでしょうか?
 入声【−h】は中古音ではどう発音していたものが【−h】になったのでしょうか?他の【−k】【−t】【−p】はそのものでしょうが。あと鼻母音もどこから出てきたのか?不思議です。



大文字は長音?

ロスケ (2003/02/06 04:05)

>6番目の「kuru」に「seasame」という語義があります。

語彙集のサイトを紹介しただけで、私はタミル語は全くわかりません。
kuruはクルと発音するとしても、seasameはkURuとありますね、不注意でした。
この語彙集のローマ字化の規則が不明ですが、大文字は長音ではないかと思いますが如何でしょうか。



辻本 様

poronup (2003/02/06 03:08)

その本は知りませんでした。
今度探して見てみます。ありがとうございます。



『アイヌ語正典』

poronup (2003/02/06 03:06)

しばらくここを見てなかったので返事が遅れました。

ヒグマさん、あなたと議論してもいいですが、途中でいなくならないことを約束していただけますか?

今まで掲示板で、アイヌ語地名や『アイヌ語正典』の評価について、人を攻撃して、反論されるといなくなって時間が経っては名前を変えて書き込みをする人がいて私は辟易しているところです。
あなたがそのような人ではないかどうか確認したいのです。



台湾語「人」続き&Я

高駒麗人κομα (2003/02/06 02:34)

たびたび連続レスで失礼します

「人」を台湾語でlangと読むのは訓読でしょうか。すると「日本人」をヂップンランというのは「日本ジン」でなく「日本びと」みたいな物で朝鮮語の일본사람ilbonsaramもそうですね。
台湾語の「人」の本来の發音は何でしょう?

台湾の歌で「眞美」をjinsuiヂンスイと發音しているのもありますが、これも訓読でしょう。

「台湾語 人 lang」で検索した結果
http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%c2%e6%cf%d1%b8%ec+%bf%cd+lang&hc=0&hs=0
  「台湾語」で検索した結果
http://search.yahoo.co.jp/bin/search?p=%C2%E6%CF%D1%B8%EC

>neon は中性, genesis は女性
neoを女性形にしないといけませんね。

:楡ノ家楠丸 さんへ
юの起源について初めて知りました。яについてですが、Russia、India等の語尾iaがロシア語では、
Россия、Индияのようにияになっていまして、日本語で「ロシア」の他「ロシヤ」とも言うのはロシヤ語からかと思っています。アンのような音だったとは初耳です。

ЯはToysЯUs(トイザラス)等でR(be動詞areの代わり)の変形として使われていますが、これはロシア語を知らない人の案でしょうか。



台湾語の「人」について

高駒麗人κομα (2003/02/06 02:20)

massangeanaさんへ
「日本人」Ribenrenは台湾語で「ヂップンラン」dzi'punlaŋ?(Jihpunlang)となるようで、「日本」の台湾語音には「リップン」Li'punと「ヂップン」dzi'pun(Jihpun)の2種があるようです。ヂップンランですと「日」のrはdzになり、「人」のrはlになっている事になります。
上海語では漢字に口語音と文語音があり、「日」は口語音でnie'「ニエッ」のような發音ですが、文語音でze'「ゼッ」なので「日本人」は ze'penninn「ゼッペンニン」のようになるようです。
eは曖昧母音で 'は声門閉鎖ですがIPAでは文字化けしそうなのでこう表記しました。

よく考えたら「日本人」の「ニッポンジン」という發音は、「日」が呉音で「人」が漢音ですね。呉音なら「ニチホンニン」>「ニッポンニン」、漢音なら「ジツホンジン」>「ジッポンジン」でしょうか。台湾語も日本語も似ています。
英和辞典でJapanの語源を「『日本』の中国語發音Jihpunより」等と書いてあるのは台湾發音でしょう。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~y-japan/KEIJI/KEI9.htm
「Japan Malay語でJapung 借入→中国語Jihpun sunrise,orient(←jih 日 + pun 本 u の上に^記号 研究社大英和辞典)
http://235.teacup.com/aaa3411/bbs
http://luggnagg.com/va/amazon/OED/OED-CDROM2.html(Oxford辞典)



欧州語のNG等

高駒麗人κομα (2003/02/06 02:04)

続きです。

>古期英語では、まだng=[ŋg]であって、[ŋ]は[n]の異音にしか過ぎませんでした。
ngは[ŋ](軟口蓋鼻音)の鼻音性をnで、軟口蓋性をgで現しているわけで、BaghdadやGhaliの軟口蓋摩擦音γをghで現す(gは軟口蓋性、hは摩擦性を示す)ような物ですね。喩えていうとmをnbで現すような物です。
シナ語や朝鮮語では古来から音節頭&末に[ŋ]がありましたから、もしalphabetが東アジア人の發明だったら鼻音はmnの他に ŋ が正書法として使われていたことでしょう。
フランス人はShanghaiを[∫α~ gε]「シャンゲ」と發音するようです(佛和辞典に載っていました)。
しかし、「上海」は現地發音で
[zα~ hε]「ザンヘ」であり([zαŋhε]という解釋もあります)、「シャンゲ」でも似たようなものでしょう。

これはフランス語でng>ŋg>ŋという変化が起きなかったでいでしょうか。
ドイツ語lang(長い)は[laŋ]ですが、フランス語langue(言語)は[lα~g]ですから。

>現代日本語では、発音記号では[n][m][ŋ][ĩ]
それぞれ「ほンだな」「ほンばこ」「ほンき」「ほンや」の「ン」ですね。「でンわ」のンや「こンばンわ」の「わ」の前のンのように[u]を鼻音化した物もあります。

lampは「ラムプ」でなく「ランプ」で十分ですね。ラムプですとlamupuになります。kやgの前のngもンですからHANG GLIDER は「ハンググライダー」でなく「ハングライダー」でいいでしょう。
computer>「コンピュータ」はいいのですが、「パソコン」、「マイコン」、「スパコン」のように「コンピュータ」を「コン」にすると[kom]の筈が[koŋ]になったりします。
日本人自信がンの發音の原則を理解していないからでしょう。「ピュータ」を略す場合は「パソコム」のようにムにすべきです。

>Neon Genesis Evangelion Parallel Stage
>Νεον Γενεσισ Ευανγελιον Παραλλελ Σταγε→戯れ書きですね。
私もManiacCさんのご指摘を読まないとこれで正しいと思ってしまうところでした。Gospelの語源も含めて、言葉に関する疑問をネットで調べるのは便利ですが、間違いや民間語源解釋Volksetymologieもあるので鵜呑みにすると恐いですね。

>’ευαγγελιονでも検索してみてください。
http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%a6%c5%a6%d4%a6%c1%a6%c3%a6%c3%a6%c5%a6%cb%a6%c9%a6%cf%a6%cd&hc=0&hs=0
ギリシャ語症候群
http://www.akinet.ne.jp/hirawo/girigo.html#エヴァンゲリオン(ευαγγελιον)

http://www.age.ne.jp/x/kasaya/emg/faq/faq-09.html
EVAのアニメで「使徒」がapostle(s)ではなく、angel(天使)と呼ばれているのも不思議です。

>個人的なメールは来ないようですので
当方は homepageや E-Mail addressはまだない状態で、事情によりそちらへmailを送ることもできませんが、それができたら、そちらのaddressにメッセージを送りたいと思います。

http://homepage1.nifty.com/kokey/eva/dic/index.htm
「Not Found ページがみつかりません」という表示が出て、10秒後、addressがhttp://homepage.nifty.com/になって画面が真っ白。再起動するなりしてもう一度tryしてみます。

ところで世間の皆さんは英和辞典の語源解説欄をまるで読んでいませんねえ。担当者が可哀相です。「Japanを使うのをやめてNipponにしよう」という意見があるようです。Japanが「日本」であり、Koreaが「高麗」であることを知らない人が結構いるわけですね。

http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%b8%c7%cd%ad%cc%be%bb%ec+%b8%bd%c3%cf%b2%bb&hc=0&hs=0



おや、ゴマも

ロスケ (2003/02/06 00:53)

6番目の「kuru」に「seasame」という語義があります。
ゴマじゃないでしょうか?
Googleで検索するとゴマの意味で使っている例が多い。



ギリシャ語勉強中

高駒麗人κομα (2003/02/06 00:47)

Maniac C.さんへ
博識に敬服します。
色々勉強させて頂き恐縮です。

>英語名Siberia →研究社『英語語源辞典』には「?Sibir 古代タタールの城塞」とあります。
?はどういう意味でしょう。不確定の意味か、何かの文字化けでしょうか?

>motherの同系語 リトワニア語mótė(属格móters)=woman, mótyna=mother、外来語ではなく、印欧祖語*māter-に遡る本来語でしょう。
英語の辞書にリトアニア語があるとは驚きです。研究者Lighthouseには語源記述は少ないですが、語源辞書が別にあるようですね。小学館Progressiveには語源が多く載っています。

>「y」は、ギリシャ文字の「Υ(ù psilón)」つまりローマ字の「u」に由来するものです。…古典期での名称は単に[y:]でした。
[y:]はü(狭い圓唇前舌母音)ですね。ロシア文字で[u](圓唇奥舌)をyで現すのも関係ありでしょうか。

Jüdischのようなumlautつきのü等がなかなか打てません。
英語の新聞は酷い物で、Zürich、Lüshun(旅順)は Zurich、Lushunになります。Schroederのoeも本来ウムラウトoでしょう。
Gorbachevのeはёと書かないと何故ゴルバチェフでなく…チョフなのかわからないでしょう。

中文Wordでは「旅」は LV で入力します。昔のワープロですと、他のキーと同時に押してウムラウトやアクセントをつける事ができましたが、WPからPC(パソコン)になって、だんだん文字入力がしにくくなっています。

>Seeleとsoul<古期英語sāw(e)l,sāwol<ゲルマン共通基語*saiwalō → 荷蘭ziel、独Seele、古期ノルド語sáil(a)
ゼーレSEELEは精神でネルフNERVは神経ですが、EVAのアニメではこの「精神」と「神経」は仲が悪かったようです。オランダ語はやはりドイツ語に近いですね。方言的訛りが擴大し、正書法まで違うようになると同系と言われるのでしょう。もし欧州人が漢字を使っていたらSeeleもzielもsoulも同じ漢字(例えば「魂」)で書かれ、一つの単語の違う訛りとされていたでしょう。

シグマΣの小文字にはσの他にcとsの中間のような文字もある事は知っていましたが、場所により書きけられていたのは知りませんでした。ドイツ語のRoβやGauβのβ(ss[s])は何でしょうか?

>’ύς(=good)は音轉写Eus、文字轉写eysです。「気息記号は第2母音につける」正しくはε’ύς
この場合は無気記号ですか?
ところでギリシャの自称は古代Hellas→現代Ellasですが、これは気音が無気になったのでしょうか?‘Ελλασ→’Ελλασという変化でしょうか?

>γgは、κk、ξks、χkh、及び、γgの前では鼻音となり「ン」と発音します。
つまりギリシャ語のgはgやkの前では[ŋ]になるということでしょうか。ロシア語のΓがKの前でXになるのは知っていましたが…



Re: お詫び Яの表した音

楡ノ家楠丸 (2003/02/06 00:07)

■訂正があります。「Aの横棒の下に短い縦棒を添えた文字」の表した音は a の鼻母音ではなく、e の鼻母音でした。
■Iと他の母音を横棒で連結した「連字」はЮ以外、消滅しました。Юは一見すると「I+О」のようですが、このОはОV、つまり、ギリシャ語のου [u:] を略したものです。



Re: 文字

massangeana (2003/02/05 21:24)

楡ノ家楠丸さん(1/29):
>Я [ヤー] という奇妙な文字がありますが、本来は [アん] という鼻母音を表していた文字
これは知りませんでした。たしかに現在Яが現れる語で鼻母音に由来するものは多く
あるようですが, 私は教会スラブ語にある "ia" の合字に由来するものかと思いこんでいま
した。そうでないとすると "ia" の字はどこへいったのでしょうか。

Maniac C. さん(2/3):
>Néon Génesisまではまだ良い
neon は中性, genesis は女性...



Re: 台湾語について

massangeana (2003/02/05 20:07)

伝言板爆発してますね。とりあえず辻本裕幸さん(1/30):
>普通語でrでつづる漢字は台湾語ではlになっているものが多い
それはそうなのですが, 「人」を lang というのはたぶん違うだろうということです。
ここの過去ログの 9/25(私)と 9/26(zo- さん)の書き込みを見てください。
なおひと口に「台湾語」といっても地方により差はあり, l でなくdz のような音が出てくる
ことが多い方言もあります。



栗と蛤について。

ヒグチ (2003/02/05 17:28)

栗の産地について調べてみると、
インドでは、あまり栗の栽培は行われていないようですね。
栗は、なじみの薄い堅果なのかもしれません。
このことから、「kur-u」は栗以外の堅果を示していると考えられます。
「kur-u」と「kur-i(栗)」の対応については、
大野先生の研究に協力したサンムガダス教授夫妻の訳によるものだと思いますが、
これに関する詳細な情報がありませんので、確証はありません。
また、「蛤」についてですが、
そもそもインドでは、ほとんど貝を食べないようです。
従って、タミル語の堅果と貝に関連が見られないのは当然のことでしょう。
南インドと日本における文明の対応が見られるのは弥生時代以降であり、
その一方で、日本では、縄文時代には既に貝を食べる習慣が存在していたことから、
「堅果」と「貝」は切り離して考えたほうが良いように思います。



kuru=kuri?(part 2)

Maniac C. (2003/02/05 01:35)

 ロスケ様、有難う存じました。
 早速行って参りました、ケルン大学の聯機タミル語語彙目録(OTL)。
 途中で独語が出てくるは、英語の綴りは間違えているはで、少々使ってみた限りでは、素人向きではないですね。

 英語のchestnutに対応する語を検索しましたが、「ヒメジ」という魚の、色を説明する部分でこの単語が使われているのみで、食物としての「栗」は当たりませんでした。
 「蛤」に対応するquahaug, quahog, cherry stone clam, clamなどを入力しましたが、いづれも該当なし(英国人は海洋民族ではないので致し方ないか)。ようやくshellfishでirācātan_amとmaTTiという、kuruとは全く異なる語が当たりました。又、「浜」に対応するbeach, shoreも試してみましたが、古代日本語のpamaと似た語形のものは見当たりませんでした。

 さて、問題のkuruです。語義はOTLによれば、以下のとおりです。
 1. pustule, bilster(sic.), any eruptive disease, as small pox, measles(sic.);
  膿疱(いぼ)、水疱(まめ)、天然痘・麻疹(はしか)のような、全ての発疹性の病気。
 2. boil, sore; おでき、はれもの。
 3. prickly heat; 紅色汗疹(あせも)。
 4. horripilation; 鳥肌。
 5. nut 堅果。
 「nut」は一番最後なので、見落とすところでした。
 共通する心像は「(内側から外側へ)ふくらんで出来たもの」でしょうか。特に「食用の木の実」という語義は無いようです。
 私なら日本語の「凝る(köru)」と関連付けますね。大野氏自身、「タミル語のuを日本語ではuで受け入れるのと、オ列乙類oで引き受けるのと、二つのどっちでもいい」と仰っていますし。『岩波古語辞典』にも、「凝る」の語義として、「じっと一つに寄り固まる。寄って結集する。」とあります。「鳥肌」なんて、こんな感じですよね。
 試用報告は以上です。

 atiとkālについても見てみましたが、これは、又、改めて。



サハリンのアイヌ人について

辻本裕幸 (2003/02/04 13:40)

サハリンのアイヌ人について述べている本がやっと見つかりました。「サハリン日中ソ抗争の歴史 ジョンjステファン 安川一夫訳 昭和48,8,20 原書房」225ページ 226ページ。1945年1200人いたアイヌ人が1967年には600人に減少。1947から48年アイヌ人のおおくは日本人とともに南サハリンを去る。ソ連統治後サハリン南部七つの部落落帆 富浜 白浜 新問 多蘭泊 トルツ 知来で、アイヌ人は漁業コルホーズの組織に入る。 まあおおよそこのような内容のレポートがソ連人の手によって提出されています。私は従来日本で言われていた、樺太アイヌはすべて日本へ戦後引き上げてきたという説よりも、詳細さからこちらのレポートのが信憑性があると判断しました。恐らくその人たちの子や孫が今もサハリン州には存命でしょう。



タミル語辞書も使えます

ロスケ (2003/02/04 04:55)

参考になるかどうか、タミル語のオンライン辞書があるので紹介します。
http://www.uni-koeln.de/phil-fak/indologie/tamil/otl_search.html



kuru=kuri?

Maniac C. (2003/02/04 01:37)

 私はタミル語を知りませんので、タミル語のkuruという単語を英語のnutが十全に訳しているのかどうかという疑問は有りますが、少なくとも英語のnutが日本語の「栗」は表していないだろう、ということを、『英語語源辞典』の記述を基に以下に述べます。
 まず、nut。
 現代英語nut<中期英語note, nute<古期英語hnutu<ゲルマン共通基語*xnutuz<印欧祖語*knud- (原義 small, hard object)←*ken- (to compress; something compressed)
とありますので、やはり、nutは「堅果」です。「centum言語群に限られる」との注記も在ります。
 次に、全く「栗」とは関係無いように思われるかもしれませんが、walnut「胡桃」。
現代英語walnut<古期英語walh-hnutu=w(e)alh (foreign)+hnutu (nut)で、「ゲルマン人の間では一般的なハシバミ(hazel)に対して、クルミは外来語と考えられたのにちなむ。」という注記が在る。つまり、ゲルマン諸語においては、nut=hazelnutが一般的である、ということ。
 最後にchestnut「栗」。
現代英語chestnut…廃語となったcheste(i)n(e)に基づく。中期英語chesten, chasteine<古期フランス語chastaigne(現代フランス語châtaigne)<ラティン語castaneam<ギリシャ語kastanéā, kastáneion<kast{ā+´}neion káruon(カスタナイアあるいはカスタナ[どちらも地名]の堅果)
とあります(一部改変)。
 従って、「栗」は欧州人にとっては馴染みの薄い堅果ということになります。
 それに対して、日本人にとって「栗」は、非常に馴染み深い、大切な木の実で、東日本では主食と言っても良かったのです。三内丸山遺跡でも、大量に栽培されていたことが花粉のDNA分析から判っています。「どんぐり」という言葉がいつから在るのか調べていませんが(『広辞苑』には「トチグリ[橡栗]の転か」との苦しい語源解釈在り)、樫や櫟や楢などの果実を広く言う言葉で、子供の遊び道具としても親しまれています。海の民であり、森の民でもあった日本人に、これらの異なる樹種の区別が付かなかったわけがありません。それなのにこの名前が付いているということは、かなり古くから、食用の木の実に対して広く付けられていた名前だと考えられます。何よりも、貝の名前として「浜栗」というのが在る。浜辺を歩いていると栗のように美味しい、大きな貝が在った、という命名現場が思い浮かぶ言葉です。この言葉がタミル語にも有るのかどうか、非常に知りたいところです。
 大体、大野氏が編んだ『岩波古語辞典』には「くり」の項に「古くは『くる』といった」とあり、「くる」の項には「『くり』の古形。『栗栖野(くるすの)』『栗本(くるもと)』など、複合語に見られる」と記述している(「くるすばら」という項にも「《クルはクリの古形》栗の木の生えている原」との説明有り)にもかかわらず、なぜkuru=kuruとしていないのか不思議です。



Re: ロシア語の転写形 カルヴァン

楡ノ家楠丸 (2003/02/04 00:58)

 もう1つの問題はこれです。
【Calvin / Кальв(')ин [カり'ヴィヌ]】 これについては、中世ラテン語の歴史を知る必要があります。西ローマ帝国は500年ごろ滅亡し、ラテン語はその枠組みを失って、ロマンス諸語に分かれてゆくわけですが、ラテン語はヨーロッパの中世を通じて、外交・学術・宗教の分野におけるヨーロッパのエスペラント、つまり、共通語として使用され続けます。これが「中世ラテン語」です。つまり、外交上の会議、文書、条約などにはラテン語が用いられ、学術上の論文・書物の執筆、大学の講義などにもラテン語が用いられていたわけです。
 ラテン語は1500年ころ、各民族のコトバの地位が上がるとともに、急速に力を失いますが、それでも1700年ころまでは、名目上の力を持っていたようです。
 そして、ヨーロッパ中世の学者は、論文・書物の執筆の際に、名前をラテン語に直したものを用いました。それは、語源の上などから、推定上のラテン語の語形を再構築するわけです。これは、外交上の文書に現れる為政者の名前にも適用されました。たとえば、Charlemagne(シャルルマーニュ)のラテン語名は Carolus Magnus となります。
 どんな具合か、いくつか例を見てください。

Nostradamus(ノストラダムス)=(仏)de Notre-Dame(ド・ノートルダム 1503―66)=Нострад(')амус
Columbus(コロンブス)=(伊)Colombo(コロンボ 1450―1506)=Кол(')умб
Copernicus(コペルニクス)=(ポーランド)Kopernik(コペルニク 1473―1543)=Коп(')ерник
Paracelsus(パラケルスス)=(スイス)筆名(1493―1541)=Парац(')ельс
Calvinus(カルヴィヌス)=(仏)Calvin(カるヴァん 1509―64)=Кальв(')ин

これで Calvin が、Кальвен にならない理由がわかったと思います。中世の人物は、ときに、ラテン語からロシア語に入っていることがあります。以前に、Augustinus が Август(')ин になる理由で書いたように、中世以前のラテン語・ギリシャ語の人名は、曲用語尾を取り去って、主格とします。ノストラダムスは例外的に-ус という語尾がついたままですが、これが意味することは、「ノストラダムスの名がロシアに伝わったのは、中世ではなく、近代以降である」 ということです。
 イタリアには Ludovico という男子名があります。これは、ゲルマン系のドイツ語男子名 Ludwig に相当するものですが、本来、文化の流れの下流にあるはずのドイツ人の名前が、なぜ、イタリアにあるか、というと、中世ラテン語を媒介として、Ludwig のラテン語形 Ludovicus がヨーロッパじゅうに流通した結果なのです。
 最後に、1500年ころに、ラテン語が衰退を始めたことを象徴するエピソードを、パラケルススから。パラケルススは、医学者にして、化学者(錬金術師)でしたが、1526年、バーゼル大学で、内科学・外科学の講義を、それまで当たり前だったラテン語ではなく、ドイツ語で行い、周囲の非難に遭い、1528年に同大を追放されています。

■Эйзенштейнでайではなくэйが現れる理由、Корнельでльが表記される理由、以上2つ判明しました。また、幾日か後に。



Re: ロシア語の転写形 ゴーギャン、サン=シモン、スタンダール、ロダン、ポアンカレ、ランボー

楡ノ家楠丸 (2003/02/04 00:57)

【Gauguin / Гог(')ен [ガ'ギェヌ]】 すでに書いたように [гог(')эн] のようには発音しません。
【Saint-Simon / С(`)ен-Сим(´)он [`セヌシ´モヌ]】 発音は сэн-です。
【Stendahl / Стенд(')аль [ステン'ダーり]】 発音は стэн-です。
【Rodin / Род(')ен [ロ'デヌ]】 発音は -дэнです。
【Rimbaud / Ремб(')о [レン(')ボー]】 発音は рэм-です。
 フランス語の鼻母音は、日本語でも転写が混乱しがちですので、ここでまとめてしまいます。

(1)[α~] an, am / en, em アン ан,ам
(2)[ε~] in, im / yn, ym / ain, aim / ein, eim アン ен,ем (эн,эм)
(3)[oe~] un, um アン ен,ем (эн,эм) / ён,ём
    これは eu, oe, oeu の場合と同様、еとёのあいだでユレのある転写です。
(4)[{cのさかさま}~] on, om オン он,ом
(5)[wε~] oin, oim オアン уэн,уэм

上の5例はこれで問題ないことがわかります。
 問題は、これです。
【Poincar{e+´} / Пуанкар(')е [プアヌカ'レー]】 発音は-рэです。現在の oin の規範転写は уэн で、実際、地名などはこれに沿っています。ただ、人名になると oin の用例がきわめて少なく、もう1例の Poinsot プアンソー(1777―1859)も、露表記は Пуанс(')о で уан を使っています。
 理由は2つ考えられます。(1)二重母音 oi の発音 [wa] につられた。(2)[wε~] の聴覚イメージが уан に近かった。実際、この [ε] はかなり開いていて、「ア」に近く聞こえます。いずれにせよ、慣用表記で oin が уан になる理由ははっきりしません。



確率について

ヒグチ (2003/02/04 00:12)

佐藤和美様
御意見ありがとうございます。
まず、確率は、大野説の妥当性を判断するために、
私が個人的に試算したものですので、ページ数は関係ありません。
子音・母音数は「日本語の起源(新版)」の巻末2,3ページを参考にしました。
基本単語が2000語ということについては、221ページ等にあります。
また、音韻対応が多対多であることについては、
タミル語の子音・母音が日本語に比べて多く、ほとんどの対応が
一(日本語)対多(タミル語)となっていることから、
日本語の子音・母音数を用いて試算すれば問題ないと判断しました。
また、子音・母音ごとに出てくる確率が異なることについては十分承知しており、
その場合、試算した確率は小さくなる方向へ向かうだろうと考えております。
しかし、おそらく桁までは変わらないと考えられますし、
小さい方向へ向かった確率を補正する意味で、
基本単語2000語を3000語としたわけです。
確率が実情に合わないのではということですが、
日本語と英語の数十語について第3音素までの対応を見たところ、
対応すると思われる語はありませんでしたので、
桁は合ってると考えています。
また、足と脚については、足(脚)のどの部分かということなのでしょうが、
もともと日本語には「アシ」しかありませんから、
似てるほうの「at-i」を対応語としたのでしょう。
以上のことについて御意見をお願いします。



Re: 日本語の系統。日本語とタミル語は関係があるか?

ヒグチ (2003/02/03 23:37)

辻本裕幸様
まず、辻本さんの書き込みの前半部分について、
既に何度も同じようなことを書いていますが、
私の主張は、日本語とタミル語は同系だということではなく、
日本語とタミル語に何らかの関係がありそうであれば、
それをまず評価するべきだいうことです。
多くの方が大野説の対応語では同系を証明することはできないと主張し、
同系でない言語は全く関係のない言語としているように感じます。
しかし、何らかの関係が見られる言語については、その関係を認めた上で、
比較文法や考古学的手法による検証を行い、
同系か同系でないかという議論に移るべきではないでしょうか。
次に書き込みの後半部分について、前回の書き込みと重複しますが、
日本語とタミル語の音韻対応を議論する場合に
印欧語における音韻対応を基準に考える根拠がわかりません。
元の言語、当時の状況、地理、環境など多くの因子が
言語の形成過程に影響を及ぼしていると考えられるのに、
印欧語を基準に考えても意味がないでしょう。
>pがfになっていたら、全てのp単語が一部の例外をのぞいて、みんなfになっている。それぐらいでないとおかしいのです。
以上の記述は辻本さんの主観だと思うのですが、
もし理論的にそう言えるのであれば、御教示をお願いします。
>しかし両者の先祖が同じだと言うことを述べている本は、やはりトンデモ本の域を出ないと言えそうです。
そのような本が実際にあるのですか?



栗(日本語の起源)

佐藤和美 (2003/02/03 23:13)

『日本語の水脈』
>P268
>18 kur-i(栗) kur-u(nut)
>「栗」と「nut」は語義が違うけど?

『日本語の起源』後から4ページ
kur-i(栗) kur-u(堅果)

『日本語はどこからきたのか』85ページ
日本語 栗 kur-i タミル語 kur-u(栗)

なんだ、タミル語の「kuru」って「栗」って意味だったのか。
語義が一致して、メデタシ、メデタシ。(笑)



足(日本語の起源)

佐藤和美 (2003/02/03 23:09)

ヒグチさん
>しかしながら、他の基本的な語彙(歯や足など)については正しいように思います。

「歯」については書いたんで、「足」ですが、

『日本語の起源 新版』後から7ページ
日本語 as-i(足) タミル語 at-i (足)

でも、

『世界のことば100語辞典アジア編』
足 タミル語 kāl

この違いはいったい何なんでしょう?

また、

『日本語の起源 新版』22ページ
「kālは脚」

じゃ、いったい、「ati」って何?



確率(日本語の起源)

佐藤和美 (2003/02/03 23:08)

ヒグチさん
>偶然に音韻対応を生じる確率は1/576ですので、

massangeanaさん
>>英語と日本語
>服部氏は英語と日本語も比較しています。基礎語彙100語のうち, ちょうど 10
>語に同系とみなせそうな語があったそうです。

↑この10語がどれぐらい音韻対応してるのかわかりませんが、
1/576はちょっと低すぎるように思います。実情にあわないのではないでしょうか。
もう一度考え直したほうがいいと思いますよ。
それと、何ページなのか、ページ数をかいてもらったほうがいいですね。

『聖書の暗号』っていう本もあったなぁ。
この本は計算結果が現状にあわないのに、計算結果を信じてしまった(?)本ってとこですかね。


それにしても母音と子音の数を数えて計算しても、音韻対応を多対多にしてたら、計算の意味がないと思いますけどね。

そしてもう一つ、ポーの短編小説に『黄金虫』っていうのがありますが、ヒグチさんは読んだことありますか?

以下、『黄金虫』のネタバレあり。

『黄金虫』は暗号解読ものの推理小説の元祖です。
ラテン文字と一対一対応してる記号を解読してくのですが、
英語では一番多く出てくるラテン文字は「e」だというのを解読のきっかけにします。
このことは日本語にも言えると思います。全ての母音・子音が均等に出てくるわけでもないでしょう。



Re: Angel&Eva Siberia mater&希臘語のngはγγ(gg)?&横レス失礼

Maniac C. (2003/02/03 16:36)

>高駒麗人KOMAさん
>英語名Siberia
→研究社『英語語源辞典』には「?Sibir 古代タタールの城塞」とあります。

>мать[mat']「マーチ」(母親)の語源は、
>昔のスラヴ語のматер[matjer]「マチェル」(母親)が擦り切れた形だそうです。
>英語の中のラテン系外来語:maternity(母性motherhood)や alma mater(母校;mother schoolの方が分かり易い)と比べると納得できます。
>матерもラテン語からスラヴ語に入った外来語でしょう。
→研究社『英語語源辞典』にはmotherの同系語として、リトワニア語(スラヴ語派と近縁のバルト語派)ですが、mótė(属格móte{r{rの上に・}s)=woman, mótyna=motherが挙げられていますから、外来語ではなく、印欧祖語*māter-に遡る本来語でしょう。

>jとyも本来iと同じ母音を現す文字でした。
→「j」は、中世の写本で「i」を際立たせるため、または隣接する「i,u,m,n」の縦線と混同されないよう引き伸ばした字形ですが、「y」は、ギリシャ文字の「Υ(ù psilón)」つまりローマ字の「u」に由来するものです。「ù psilón」(=simple u)というのは「οι」も[y]と発音されるようになったのに対して、区別するために付けられた名称です。古典期での名称は単に[y:]でした。

 古典ギリシャ語に関しては、下記のサイトがまさに「勉強」になります。
http://homepage1.nifty.com/suzuri/gg/ggindex.htm
「ギリシャ語勉強中(古典ギリシャ語)」

>Judisch(ユダヤの)の訛り
→Jüdischですよね。

>ゼーレ(Seele精神:soulと同系cognate?)
→同系です。現代英語soul<古期英語sāw(e)l,sāwol<ゲルマン共通基語*saiwalōと遡るのですが、蘭語ziel(ズィーる)、独語Seele(ゼーれ)、古期ノルド語(アイスランド語・フェロー語・デンマーク語・スウェーデン語・ゴトランド語の祖語)sáil(a)(サーイら→サーイる)と、全て語中音-wa-が消失しています。

>青蛙さん
>アクセント付ギリシア文字ならびに語末のσが、ブラウザでは正しく表示されますが掲示板閲覧
>ソフトだと文字化け(文字コード表示)してしまいます。機種依存文字に該当するので使用は避
>けられた方がよいのではないでしょうか。私も泣く泣く語末のシグマを「σ」で代用しています。
→ご指摘有難う存じます。本当に電脳には素人なものですから、勉強になります。区点で13区・89区〜92区・115区〜119区のものだけではないのですね。奥が深いなー。お恥ずかしい質問ですが、「掲示板閲覧ソフト」というのは何ですか? 
 古典ギリシャ語では語末のσを、多分、現代日本語の「です」の「す」のように[s:]と発音したのではないかと思っています。音節的にも独立していたので別な文字で表したのだ、というのをどこかで読んだ記憶が有ります。ローマ字転写でssとかにすれば良いのに、とも思います。



Re: Angel&Evaシト再生

Maniac C. (2003/02/03 16:35)

 いやぁ、突っ込みどころ満載でしたね(^^)。突っ込みを考えるのに時間を要してしまいました。

>ギリシャGrecia即ちヘラスHellasの漢字表記は「希蝋」でなく「希臘」です。
→済みません(^^; 変換をしくじりました。ま、同音相通ということでお赦しください。

>’εύς(=good)はローマ字轉写するとEusでしょうか?
→青蛙さんの仰るように、音転写ではそうでなります。文字通りはeysです。ところで、訂正ですが、「気息記号は第2母音につける」という規則を忘れていましたので、正しくはε’ύςと表記すべきでした。

>Angelosのギリシャ文字表記
→既に楡ノ家楠丸さん・青蛙さんの御両名によって指摘・訂正されているとおりですが、更に発信源として責任を取りまして、以下のことを補足いたします。
 γは、κ、ξ、χ、及び、γの前では鼻音となり、「ン」と発音します。つまり、ギリシャ語では[n]と[ŋ](表示されるかな? Gの逆様になった発音記号です……以下の記述でどうしても必要なのでこの記号を使います)を綴りで区別していたことになります。このような綴り方は、ギリシャ語の影響も有ると思いますが、ゴート語でもされています(英語のbringと同系の単語はbriggan)。
 我々は英語の綴りと発音の学習によって、ng=[ŋ]という関係に慣れっこになっているのですが、古期英語では、まだng=[ŋg]であって、[ŋ]は[n]の異音にしか過ぎませんでした。語末の場合に限って[g]音が脱落し、[ŋ]が[n]と異なる音素として独立するのは、中期英語の終わり近く、15世紀のことです(ですから、同じ-ng-という綴りなのに、現代英語ではfin-ger[fiŋgr]とsing-er[siŋr]の違いが生じるのです)。又、ギリシャ語やゴート語と違って、所謂「西ゲルマン諸語」には子音重複が在り、古期英語では、まだgg=[gg/g:]であって、これが単一子音になったのは、やはり後期の中期英語の時代、14世紀ごろです。
 現代日本語では、発音記号では[n][m][ŋ][ĩ]と別々に表される音が、文字では全て「ン」と表記されるので、1つの音と認識しています。更に、ローマ字(訓令式)の学習によって、「ン」=Nと思い込ませられている人が大多数ですが、外国語ではそれぞれが異なる綴りで表されますので、外国語と接するときには注意が必要です。例えば、lampを「ラムプ」と、原語のmの綴りを忠実に再現する表記方法が在りますが、現代日本語では、マ行・バ行・パ行の前の「ン」は自動的に[m]と発音されますので、余剰な表記ということになります。

>Neon Genesis Evangelion Parallel Stage
>Νεον Γενεσισ Ευανγελιον Παραλλελ Σταγε
→戯れ書きですね。Néon Génesisまではまだ良いとしましょう(アクセント記号が無いとか語中と語末のsが書き分けられていないとかは、機種依存文字になるので使用を避けたとも考えられるので)。でも、E’uaggélionは、話題になった-gg-の綴りを間違えているし、parallelという英語はギリシャ語ではparállēlos(通性・単数・主格形)などと、語尾が付いたり短音のεと長音のηの文字の違いも有ったりしますし、stageという英語に至っては、俗ラティン語*staticu(m)からの発展と考えられ、もうラティン語の時点で語形が違います。もし、「段階」というような意味で使いたいのであれば、phaseの語源であるphásisを使うとか、「劇場」の意味であれば、theatreの語源であるthéātronを使わねばならないところです。

>ευανγελιονで検索した結果
→私もやってみました。2件のヒットですよね。’ευαγγελιονでも検索してみてください。そうすれば、約354件がヒットした旨の表示が出ますが、実際には22件のヒットです。エヴァのネタばらし〜エピソードリスト〜
http://www.age.ne.jp/x/kasaya/emg/faq/faq-09.html
というサイトも見えます。

>ゴスペル [gospel]》古い綴りではgodspell…“神の言葉”を意味する英語です。
→gospelは“神の言葉”ではありません。よく在る「民俗語源」というヤツです。確かに、古い綴りではgodspelと書くのですが、前半の要素は、god(神)ではなく、gōd(=good, 良い・幸福な)の意味です。子音が複数在るのでその前の母音が短化しただけです。後半の要素spelは「話→知らせ」の意味なので、「吉報・福音」の意訳となるのです。更にギリシャ語の発音は、「エウアンゲリオン」のはずです。

 個人的なメールは来ないようですので、ひとつだけEVA関係のサイトをご紹介。下記のサイトで「使徒」の項をご覧ください。なぜ「再生能力も凄い」のかも書いてあります。また、EVAの性に関しては「エヴァンゲリオン」の項を参照してください(補足するべき私の意見も本当は在るのですが)。
http://homepage1.nifty.com/kokey/eva/dic/index.htm



日本語の系統。日本語とタミル語は関係があるか?

辻本裕幸 (2003/02/03 13:01)

日本はインドから、仏教を取り入れた。あるいは大陸から稲作の技術を取り入れた。だからサンスクリット語やドラビダ諸語の単語が日本語の基礎語彙にあることは別に何もおかしな事ではありません。ですから、ドラビダ系タミル語の語彙がかなり日本語の中に見いだせれば、それは両者が関係ないと言うことにはならないでしょう。関係はありそうです。しかし高句麗人さんのたとえにもありましたが、「簡単」は日本語、朝鮮語、広東語、ベトナム語でかなりkにちかい音素で対応しているので、これらは同じ中華語族だ!とはいえ無いわけです。「簡単」は借用された語彙だからです。いくらタミル語の単語と日本語の単語が一致していても、それは日本語がタミル語の先祖から借用しただけでは?といわれれば、なし崩しになります。あまりに単語が似すぎていても同系説の証拠としてはそれは不利になります。借用しただけの可能性が高いからです。広東語で簡単はgandan。日本語の簡単カンタンとかなり似ています。それは借用した語なので、当然です。しかし北京語では簡単はjiandanといいます。北京語と広東語は同系なので、両者の間には独自に音韻を変化させた歴史がある。だからそんなには似ていないのです。二つの言語が同系であるという証拠を示そうと思えば、それこそインドヨーロッパ所語のように、pがfになっていたら、全てのp単語が一部の例外をのぞいて、みんなfになっている。それぐらいでないとおかしいのです。広東語でgiの者は一部の例外をのぞいて、北京語では皆jiになっています。もし歴史のいたずらで、インドヨーロッパ諸語がほとんど滅びてしまって、最北端のアイスランド語と最南端のモルジブ語だけになってしまったとしましょう。直線距離でこれだけ離れていて、上層言語が違う両者でも、言語学の知識を借りれば、両者の先祖が同じ者であったことは容易に分かると思います。日本語と他言語の関係を述べる物はこれからは、両言語の歴史的関係を言及した者に限った方がいいと思う。日本語とタミル語の歴史的な関係を述べる本というのなら私は賛成。しかし両者の先祖が同じだと言うことを述べている本は、やはりトンデモ本の域を出ないと言えそうです。



Re: ギリシャ語には -gg- がないです

楡ノ家楠丸 (2003/02/03 01:13)

■ギリシャ語には、g の重子音 -gg- がありません。
■ロシア人の洗礼名でも、-γγ-を-нг-で写しているものと、-гг-で写しているものが並行して存在したりします。まさか、-γγ-で-ng-と読むなんて思わなかったんでしょうね。
■最後のポアンカレとカルヴァンは、可能ならば明日。



も一つ

青蛙 (2003/02/03 00:04)

最近では、ヨーロッパ人名などのキリル文字表記の話題がとても面白いです。
日本における外国語のカタカナ表記に通じるところがあって興味深いです。
佐藤さん、大変でしょうけど独立したページ・コンテンツにしてみてはいか
がでしょうか。

先日、思いがけずに『地名の世界地図』の初刷をゲットできました。『人名の
世界地図』の初刷もみつけたのですが、いざ購入しようとしたら、既になくな
っていました。いえ、売れたんではありません。そこの本屋、新書の既刊分を
撤去して最新刊しか置かなくなったためです。T〇TAYAのバカヤロー!!
ところで、これらの最新版は、佐藤さんの「『民族の世界地図』批判 Ver.1.00」
にあるように、
・『地名の世界地図』……14刷(2001.12.10)
・『人名の世界地図』……11刷(2002.1.20)
というところでしょうか。増刷も既に頭打ちのようですから、そろそろこの辺
で手を打っておきましょうか(田舎ではなかなか最新刷が出回りません)、絶
版になる前に。真・改訂版は出そうもありませんし。それにしても、文春には
随分と奉公したこと。



横レス失礼

青蛙 (2003/02/02 23:59)

皆さま、お久しぶりです。

高駒麗人KOMAさん:
横レス失礼します。

> νはnでγはgですから、Angelosのギリシャ文字表記はανγελοσが正しいでしょう。
αγγελοσの前のγはいわゆる「鼻音のガンマ」ですから、Maniac C. さんの表記でよい
のではないでしょうか。

> ’ευαγγ?λιονですとEvaggelionになると思いますが…
'ευαγγελιονを音写すれば evangelion に、字訳すれば eyaggelion になります。

> 関数functionは本来「函数」
以前の、当用漢字時代の(私的には)弊害です。「函」が当用漢字の表外字だったため「関数」 と書き換えられたものです。同様な例として、日食<日蝕などがあります。

Maniac C. さん:
アクセント付ギリシア文字ならびに語末のσが、ブラウザでは正しく表示されますが掲示板閲覧
ソフトだと文字化け(文字コード表示)してしまいます。機種依存文字に該当するので使用は避
けられた方がよいのではないでしょうか。私も泣く泣く語末のシグマを「σ」で代用しています。
ギリシア文字自体も、佐藤さんが紹介しておられたページによると注意を要します。windows 系
で入力しても MacOS だと文字化けすると聞いたことがあります。

楡ノ家楠丸さん:
> 「キルギス」 のトルコ語表記
>  【ki{点なし}rgi{点なし}z(istan)】
トルコ語は、現在はラテン文字が使われているようですが、以前はキリル文字、更に以前はアラビ
ア文字が使われていました。グラハム・ハンコックの『神々の指紋』で再び脚光を浴びた「ピーリ
ー・ラーイス(ピリ・レイス)の海図 (sea chart)」の注記がトルコ語なんだそうですが、アラビ
ア文字で書かれています。ですから、私には全く読めません。
トルコ語のドットのない i は口をすぼめない u 、つまり日本語の「ウ」ですから、「ki{点なし}
rgi{点なし}z」は「クルグ・・・」ありゃっ? トルコ語って語尾の有音子音は無声化しましたっ
け?
「ピーリー・ラーイスの海図」が収蔵されている TopkapI 宮殿は、五島勉氏らの「トプカピ」より
志水一夫氏らの「トプカプ」が正しいようです。



希臘語のngはγγ(gg)?

高駒麗人KOMA (2003/02/02 03:25)

Еврейский(Yevreysky、Jevrejskyj:訂正→ Jevrejskij)「イェヴレイスキー」

楡ノ家楠丸さんへ。お疲れ様です。
>ギリシャ語の -ng- の表記は、昔も今も、-γγ-です。

すると-gg-と区別できなくなって不便でしょう。
’ευαγγέλιονという表記では、Evangelion「エヴァンゲリオン」なのかEvaggelion「エヴァッゲリオン」なのかわかりません。
ギリシャの皆さんは困っていませんか。いらぬお節介でしょうが。

Eva完結編の映画「Air」で人類補完計画が始まる時、ゼーレ(Seele精神:soulと同系cognate?)が「我ら人類に福音をもたらす…」とか言っていました。



Re: ギリシャ語の ng の表記

楡ノ家楠丸 (2003/02/02 01:09)

■本日も殺人的労働で、Maniac C.さんへの最後の回答は体力が回復してから、ということで……
■ギリシャ語の -ng- の表記は、昔も今も、-γγ-です。



Angel&Eva Siberia mater

高駒麗人KOMA (2003/02/02 00:15)

ロシア語の硬音、軟音は本来何らかの母音だったのでしょうか。
シベリアは現代ロシア語でСибирь[sibir']「シビリ」ですが、英語名Siberiaから考えると、本来は、
Сиберия[sibjerija]「シビェリヤ」だったかもしれません。これが sever(北)と同系という説もあるようですが(久保田博南「8カ国科学用語事典」講談社BlueBacks)如何でしょう。
ロシア語のмат[mat](絨毯)とмать[mat']「マーチ」(母親)の区別は硬音と軟音の区別の好例ですが、中国人が書いた言語学(語言学yuyanxue)の本によると、
мать[mat']「マーチ」(母親)の語源は、
昔のスラヴ語のматер[matjer]「マチェル」(母親)が擦り切れた形だそうです。
英語の中のラテン系外来語:maternity(母性motherhood)や alma mater(母校;mother schoolの方が分かり易い)と比べると納得できます。
матерもラテン語からスラヴ語に入った外来語でしょう。

wとvとuは本来同系で、文字wの英語名は“double-U”ですし、BulgariaをBvlgariaと書く表記等もあり、また、jとyも本来iと同じ母音を現す文字でした。(yは、UmlautUの音:高前舌圓唇母音だった場合もありますが…)
ロシア文字のЪ(tvёrdyj znak)とь(mjaghkij znak)も似たような物でしょう。

ロシア語э(e)「エ」→е(ye)「イェ」の例:
「ヨーロッパ」Europe、Europaは、ロシア語では確か、Европ-(Yevrop-)「イェヴロプ」が語幹だったと思います。
「ヘブライ語」Hebrew、Hebraicの名をロシア語で呼ぶ言い方は
Еврейский(Yevreysky、Jevrejskyj)「イェヴレイスキー」ですが、これは廣く「ユダヤのJew、Judaic」を現し、ユダヤのドイツ語イッディッシュYiddishのロシア語名もイェヴレイスキーだそうです。これではヘブライ語とイディシュ語を区別できなくて不便なのでは?
Yiddhish自体、Judisch(ユダヤの)の訛りですから仕方ないでしょうが、せめてイディシュ語の方は“GERMAN”を挟んで、
Еврей-Германский(Yevrey-Germansky)「イェヴレイ・ギェルマンスキー」(ヘブライのゲルマン語=ユダヤのドイツ語)とでも言う方が誤解が無くて相応しいと思います。
http://www.russian.xinhuanet.com/(新華社ロシア語ニュース)

Европで検索したら以下のペイヂが出てきました。誰かの経歴か著作の紹介でしょうか?
http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/Writer/B/bobyshev-dmitrii.html



Angel&Evaシト再生

高駒麗人KOMA (2003/02/01 23:24)

Maniac Cさんへ
>英語の「福音(evangel)」は、希蝋語’ευαγγέλιον<’ευαγγέλος(=bringing good message)に由来し、更にこれは、’εύς(=good)と、’άγγελος(=messanger, angel)とに分解できます。

ギリシャGrecia即ちヘラスHellasの漢字表記は「希蝋」でなく「希臘」です。音譯用の当て字ですからどっちもどっちでしょう。前者は「蝋燭」lazhuの「蝋」laで、後者は「臘八」labaの「臘」laです。
http://news.searchina.ne.jp/2003/0110/national_0110_002.shtml
中国:「臘八粥」を食して1年の豊作を祈る 2003/01/10(金)
今年は1月10日が旧暦の12月8日にあたる。佛教に基づく祭日で、釋迦が悟りを開いた日。地方によっては「臘八粥」(8種の穀物で作った粥)を食べる習慣がある。
http://www.xinhuanet.com/home.htm(新華社 春節新聞)
http://www.e-kyoto.net/today/12/02.htm(禅宗各本山・臘八会)

’εύς(=good)はローマ字轉写するとEusでしょうか?

http://www.hospitown.or.jp/angel/
このペイヂで「【天使とは? Angels】(中略)へブライ語の聖書をギリシャ語譯した ”αγγελοσ(Angelos)” = ”使者、傳令” という言葉が、 ”Angel” = ”天使” の語源」とありますが、νはnでγはgですから、Angelosのギリシャ文字表記はανγελοσが正しいでしょう。
http://www.letlive.jp/maisoneva/maison01/404ps06a.html
Neon Genesis Evangelion Parallel Stage
Νεον Γενεσισ Ευανγελιον Παραλλελ Σταγε

Evangelionをギリシャ文字で書くと’ευανγέλιονでしょうか。
’ευαγγέλιονですとEvaggelionになると思いますが…
ευανγελιονで検索した結果
http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%a1%af%a6%c5%a6%d4%a6%c1%a6%cd%a6%c3%a6%c5%a6%cb%a6%c9%a6%cf%a6%cd&hc=0&hs=0
http://www.h5.dion.ne.jp/~biblroom/kw_ka.htm
キリスト教キーワード(か 〜 こ)
ゴスペル [gospel]》古い綴りではgodspell…“神の言葉”を意味する英語です。日本語では「福音」と訳されていますが、この方がギリシャ語のευανγελιον(エヴァンゲリオン=うれしい知らせ)の訳としては近いのです。

ギリシャ文字で検索したら数学のペイヂがやたら出てきました。
http://www.info.kochi-tech.ac.jp/sakamoto/lecture/algebra02/apr26e.html(関係と関数;関数functionは本来「函数」、北京語hanshu、朝鮮語hamsu함수)
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/Kiyoshi.Shiraishi/lec/kigouhyou.html(記号表)

http://www.bekkoame.ne.jp/~weltraum/eva.html(EVA)
http://www.bekkoame.ne.jp/~weltraum/eva.html



「アイヌ語正典」の評価

ヒグマ (2003/02/01 16:31)

 突然書き込みをします。

 私は、「アイヌ語正典」をアイヌ語関係の書籍として、最も論理的であることを評価しています。
 ふと目に留まった下記の意見には、賛同できず突然書き込みをしました。
>nupuriを頭の中で勝手に語義解釈してnupriなどと書いてます。これは考えられません。  この意見は、私にとって考えられません。この1例だけで「頭の中で勝手に語義解釈」と断定することができるのでしょうか。
 また、子音一つ落として解釈する例など、知里氏、山田氏、萱野氏の著作には掃いて捨てるほどあるのでは。
>私は件の本を通読してませんが
 人の著作を批判するには、通読ではなく、精読して行うものと考えます。


「アイヌ語正典」

poronup (2001/08/17 11:44)

ukakaは知りませんが、ukaでしたらあります。これは「堅雪」ですね。萱野辞典・中川辞典でしたら載っていたと思います。
(今、手元にありません)

upepe、もしくはupepe-wakkaはあくまで「雪解け水」もはずです。雪にはならないはずです。

さてさて。
一部では支持を得ている『アイヌ語正典』(新泉社)ですが、まず、これは公刊された著作物ですから、引用するのは問題ないはずです。
著作健法の第32条にこうあります。

公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

私は件の本を通読してませんが、その中のいくつかの論考は読みました。まず気になったことを書きますと、この著者はアイヌ語を実際に聞いたりしたことがないのではないでしょうか。
実際にアイヌ語の会話なり口承文芸など実際のアイヌ語野文章を理解する能力はないと思われます。

例をあげれば、nupuriを頭の中で勝手に語義解釈してnupriなどと書いてます。これは考えられません。

確かに、論考の中に述べられている解釈や意見については興味深いものも含まれていますが、私はあまり信頼できる文献だとは思っていません。実際のアイヌ語とは関係なしに頭の中で作り上げられたアイヌ語解釈が多いように思えます。

ただ、最終的な判断は、全体を通読してから出すべきだと思うので一度通読してみようと思っています。ま、通読したとして評価が180度ひっくり返る可能性は低いと思いますが(笑)。

しかし、この本を評価する人がいるのも事実です。以前から気になっていたのですが。

nupkesさん、何でしたらこの本の評価について意見交換してみませんか?



RE: EVA

Maniac C. (2003/02/01 03:28)

>高駒麗人さん

>>私だったら「福音使徒」とするでしょうに。
>その方がイメージに合っていますね。「ダ・カーポ」誌の記事「我々は何故EVAに魅せられたか」で、EVANGELIONはギリシャ語で福音の意味だと書いてありました。
→英語の「福音(evangel)」は、希蝋語’ευαγγέλιον<’ευαγγέλος(=bringing good message)に由来し、更にこれは、’εύς(=good)と、’άγγελος(=messanger, angel)とに分解できます。

>(EVAの話題は別のアニメ掲示板でやりましょうか)
→そうですね。これ以上は「言葉の世界」からずれていきますからね。でも、ご紹介いただいたサイトや掲示板で、いきなりこの話の続きをするのは変でしょうし、EVA関連は現在も続いているものではないみたいですので、個人的にメールをください。まだまだ書き込みされた内容に答えたいことは、たくさんあります!



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