言葉の世界・伝言板 2001年6月



嬉しく、読ませてもらいました。

コーコーの社会科のセンセ (2001/06/30 22:40)

砂さん
「関係がない・・・」
などと言う方のほうが、誤っていると思います。

「借用語」と考えるべきと思います。

「温泉」を表すアイヌ語として、sesekという語彙がありますが、
「yu←湯」とか、「kusuri←薬:薬用になることから・・・」などの語彙も
あります。
「kusari」は、「鎖(帷子<かたびら>)」から転用されて
岩石などの「節理」が発達した状態を表しているようです。

つまり、アイヌ語には、日本語からの「借用語」が多いということが
知られています。

また、東北地方や、本州の山岳部には、アイヌ語と同じと思われるような
地名も残っているようです。

言葉から、日本人やアイヌ民族のルーツに近づくことが出来るなら、
それもずいぶんロマンがあることかも知れませんね。

なお、「総合学習」の時間で、そのような研究が出来るなら、
「総合学習」の時間も、まんざら捨てたものじゃないと、
コーコーのセンセでありながら、チョット・・・期待してしまいますね。

当面・・・あなたの高校の先生は、ナカナカ『デキル』と
自慢に思っても良いように思います・・・・。



銀のしずく降る降る

砂 (2001/06/30 11:47)

突然の質問なのですが、

私は「銀のしずく降る降る」を小学校の時に習い、

最初の「Shirokanipe ranran pishkan konkanipe ranran pishkan」

って言葉と日本語訳の「銀のしずく降る降る 金のしずく降る降る」

を聞いて「sirokanipe」=「しろがね(=白金、銀)」
    「konkanipe」=「こがね(=黄金、金)」

と関係があるのではないかと思いつづけていました。

今、高校の総合学習というのでアイヌ語を調べているのですが、

今まで集めた資料には「アイヌ語と日本語にはつながりが見られない」
          「アイヌ語は縄文語と関係があるのではないか」

といった見解が多いのです。

やはり「shirokanipe=白金、銀」「konkanipe=黄金、金」

というのは関係ないのでしょうか?



(無題)

佐藤和美 (2001/06/30 07:56)

アッキさん
>どうしてアイヌ語は日常話さなくなったのですか?

大きな要素は同化政策と差別だと思うます。



ありがとうございます

もっち (2001/06/29 16:28)

発音的に「ん」で始まる単語があるのはわかっていたんですが、
表記として「ん」で始まるのがない理由がわからなかったんですが、
つまり、「ン」と言う発音は、他の語で代用できる。
そのために「ん」から始まる単語がないということでしょうか?

このことに疑問をもつきっかけになったHPのアドレスを載せておきます。

http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Labo/6084/kotoba.htm



下のコメント変です、訂正

未菜実 (2001/06/29 09:12)

すぐ下のコメント意味不明ですね。寝ぼけながら書いたので^^;
ごめんなさい。
言いたかったのは、次のことです。
ローマ時代にCaesareaと呼ばれていたとすると、この島がシーザーと全く関係
なしとはしないようですが、ジャージーとは結びつかないと判断する方が良さそ
うですね。



ジャージー島の由来

未菜実 (2001/06/29 06:12)

いばらさん、ありがとうございました。
やはり、関係なさそうですね。
ローマ時代のCaesareaなど、そう言う説を唱える人もいるってことでしょうね。



おっと

massangeana (2001/06/29 01:46)

>否定の助詞「ん」
「助動詞」でした。



いろいろ

massangeana (2001/06/29 01:43)

罵り言葉:
数の上で日本語に罵語が少ないかどうかはよくわかりません(「共通語」は半ば人工的に作られた言葉なので, それ以外の方言についても吟味しなければわからないでしょう)。ただ, 日本語にはクソ・バカ系統の罵語が発達しているのにくらべ, ほかの言語に多い性行為に関する罵語(中国語のツァオ・英語の fuck)が少ないようには思います。

「ん」:
えっと, 何を調べてみたのか書いてくださると答えやすいかと。
現代の日本語について考えると, 音節の構造は「(子音+)母音(+おまけ)」になっています。「おまけ」の部分に入りうるのは仮名でかくと「ー・ッ・ン」のいずれかです。ンで始まるというのはこの音節構造からはみ出ることになるので, 存在しない, という単純な話になります。
しかし, 「ー・ッ」と違って, 「ン」で始まる語がないわけではありません。「ん?」とか「んー」とか「んだんだ」とか「ンギャー」とか。そのような特殊なものを除いても, まだ否定の助詞「ん」があります。
また, 「うまい」はしばしば「んまい」のように発音され, 「梅」も「んめ」のように発音されます。こういうのは「m」に発音される場合に限られるようで, 古い歴史がある(おそらく奈良時代以来)ようです。
歴史的に考えると, 現在「ん」として発音されている語は多くが借用語(漢字音の韻尾)であるか, 撥音便であるので, 語頭には出てこない, ということになるでしょう。



Re:ジャージー島の名の由来

いばら (2001/06/29 01:16)

久しぶりに投稿いたします。

未菜実さんの「ジャージー島の名の由来」というのに興味を惹かれましたので
いろいろ検索してみましたがさっぱり見つかりませんでした。

どうせなら御本家に訊いてしまえ!とばかりにState of Jerseyに問い合わせてみたところ、
Jersey Heritage Trustを紹介され、トラストの方が(本当はこのトラストの守備範囲外の
話だったようですが)本(*)では次のように紹介されていると教えてくれました。

それによると、この島は
・ローマ時代にはCaesareaと呼ばれていたといわれている(ただし、歴史学者には否定する者も。)
・6世紀頃にはAngia/Agna/Andiumと呼ばれていたと思われる
・Jerseyという名称が使われたという記録が残っているのは1番古くて1025年、
 つまりノルマン人がやって来てから。ただし、綴りにはJではなくGが使われた。
・12世紀の詩人WaceはGersiまたはGersuiと呼んでいる。
 >>Eyはノルマン語で島を意味し、またGersは草を意味することもあったので
   Grassy Islandとの意味だったとも考えられる。
 >>Geirsはノルマンの人名なので、島を征服した人間の名前がGeirsだったために
   この島がGeirs Ey(= Geirs' Island)となった可能性もある。
 (このふたつの説明はちょっと話に飛躍があるようですが…教えてくれた方が途中を
  端折ったのかもしれません。)

*'The Bailiwick of Jersey' by GR Balleine(Hodder and Stroughton, 1951)
'Balleine's History of Jersey' by Syvret and Stevens(Societe Jersiase, 1991)

上記が正しいとすれば、シーザーとJerseyという名称は直接関係ないことになりますね。



はじめまして。

もっち (2001/06/28 17:03)

突然お邪魔致します。もっちと申します。
いきなり本題に入ってしまうのですが、どうして日本語に「ん」で始まる語がないのでしょうか?
アフリカの方には「ん」で始まる単語が少なくないと聞きました。
確か、沖縄の方言にも「ん」で始まる言葉は多いですよね?
また、「いろはに〜」では「ん」は出てきませんし、
古文で「む」とかを「ン」と読むことはあっても、
「ん」という文字が文章中に出てきた記憶もありません。
それがなぜなのか、色々とできることは調べてみたのですが、わからないので、
教えて頂けると嬉しく思います。



(無題)

アッキ (2001/06/28 15:59)

どうしてアイヌ語は日常話さなくなったのですか?



RE:罵倒語

未菜実 (2001/06/28 15:05)

私も中国人から中国語は人をののしる言葉が多いと聞いたことが有ります。
例えば"蛋"は卵の事ですが、熟語となるとののしる言葉の方が目につきます。

ただ、日本語に比較して多いかどうかは、解りません。
下の例の様に一つ一つに訳語がつけられるということは、似たようなものかも。^^;

渾蛋:ばか、たわけ
壊蛋:ろくでなし
滾蛋:消えうせろ
笨蛋:まぬけ
王八蛋:ばかやろう

もし、少ないとしたら、日本人は"和"を大事にし、どちらかと言うと波風を立てないのを好む事に関係するかも知れません。
中国人は徹底的に議論しますから、(傍から見ていると喧嘩のよう)そう言う言葉が多くなる可能性はあるような気もします。

感想ですみません。^^;



ありがとうございました。

未菜実 (2001/06/28 14:00)

お手数をかけました。m(__)m
手元の本には、シーザーが自分の名前ジュリアスをつけ、それが訛ってジャージーとなったとありました。
シーザー関係の本を読んで探してみることにします。
ありがとうございました。



RE:ジャージー島の名の由来

佐藤和美 (2001/06/28 12:39)

手元の資料には見当たりませんでした。(^^);



罵倒語

ふる (2001/06/28 10:47)

 専門的には答えがあるのでしょうが、素人なりに思いつく論
点を...

a.「ある種の語彙の多寡」を言語間で計数化、比較することは
 そもそも可能なのか。

b.とくに罵倒語のような、あまり辞書に載っていないような語
 彙について、どうやって数えることができるのか。たぶん、
 諸国のスラングによほど通暁していなければ不可能だと思わ
 れます。

#直観的には、日本語に罵倒語が少ないなどということはない
 と思うのですが…江戸っ子の啖呵とかを思い浮かべれば。



相手を罵る言葉

徳岡正至 (2001/06/28 07:06)

 こんにちは、以前、ここに まんしゅう の漢字について質問をした徳岡です。覚えてらっしゃいましたら幸いです。
 さて突然本題に入りますが、前からとても気になることがあります。それは、相手を罵る言葉が日本語は他の言語より少ないと言うことを聞きました。例えば韓国語、中国語、スペイン語には相手を罵る言葉が多いらしいです。ある日、外国人にこの質問をされたとき、
「日本人は口喧嘩になる前に、刀で相手を切って、文句を言わさないんだ。それで罵倒する言葉はそんなにないんだ。」という風にしか答えらえませんでした。
 日本にある罵倒語の日本語における割合は他国に比べて本当に少ないのか、また、罵倒語の多少を何を要因としているのか、それと、日本のように罵倒語が少ない言語などを教えてください。
既出でしたらすいません。あと、ここの板で聞く質問かなと思って躊躇してましたけど、やはりここしかないと思いまして書きました。どうぞよろしくお願いします。



ジャージー島の名の由来

未菜実 (2001/06/26 15:13)

ジャージー島の名前の由来をどなたかご存知ないですか?
運動着のジャージやジャージー牛乳の語源のイギリス、チャネル諸島の島です。
手元の本(あまり信用の置けない本です。^^;)に、シーザーが英国遠征の際に名づけたとあるんですが、裏が取れなくて。
よろしくお願い致します。



芸備線

佐藤和美 (2001/06/26 12:47)

芸備線は現在は広島から備中神代までですが、そのルーツは「芸備鉄道」です。
この鉄道は、広島県内のみの路線でした。
これを考慮すると語源としては「備後」としておくのがよいでしょう。



こっちも、またまた『地名の世界地図』

佐藤和美 (2001/06/26 12:35)

いつまでもネタを提供してくれるありがたい本ですね。
この本一冊でこれだけネタがあるんだからすごいですね。
文春は指摘されたとこ以外なおす気ないみたいだし。
なおすとこも最小限にしたいみたいだし。
(つまり完全な間違いじゃないと、なおさないということです。)

P54
「彼らが去ったあと、中世にいたっても、」

いつから中世か考えてないようです。すでに中世なのにね。

『大辞林』
ちゅうせい【中世】
「西洋史では、五世紀の西ローマ帝国滅亡から、一四〜一六世紀のルネサンス・宗教改革までの時期をさす。」

P61
「フランク王国が九世紀のはじめに分裂して勢力を弱めると、」

フランク王国の分裂は九世紀中頃で、九世紀はじめじゃない。

『大辞林』
カロリングちょう【―朝】
「843年の王国三分に伴い王統も三分、987年西フランクの断絶により滅亡。」

P74
「一八六〇年に建設されたロシア最東南の都市ウラジオストックは、」

「ウラジオストック」よりも「ナホトカ」のほうが南東にあるのにね。もっと地図をよく見ないと。それにしても「最東南」って、へんな表現。

P90
「一四九七年、ポルトガルの航海者バスコ・ダ・ガマがこの岬をまわり、インドへ到達したのだ。」

出発は一四九七年だけど、インドへの到達は翌年ですね。

『大辞林』
ガマ[Vasco da Gama]
「1497年からの航海でヨーロッパ人として初めてアフリカ大陸南端の喜望峰を回り、大陸東岸を経て、翌年インドのカリカットに達する。」

P97
「結果として、アゾレス諸島の西約二〇〇〇キロ、西経四六度を越えるあたりで新たに線引きされることとなった。」

『大辞林』の「トルデシリャス条約」の項では「ベルデ岬諸島の西方三七〇レグア(約2070キロメートル)」ってなってるけどね。

P144
「前五九七年には、新バビロニアがユダ王国を征服する。」

前五八六年の間違い。

『大辞林』
ユダおうこく【―王国】
「紀元前586年、新バビロニアに滅ぼされ、住民の多くはバビロンに連れ去られた。」

それにしても『大辞林』って、いろんなこと出てますね。



鉄道路線名の由来について。

エコ (2001/06/26 12:04)

はじめまして。
鉄道路線名の由来ページにある芸備線は、
<安芸・備後>の路線ではなく、
<安芸・備中>ではないでしょうか?
某クイズの正解が<安芸・備中>でしたので、
どちらが正しいのか気になり、質問致しました。
お答え宜しくお願いします。



欧州言語マトリクス

匿@匿 (2001/06/25 23:15)

ドイツに関するHPを運営していますが、言葉にも関心があります。以前からアップしていた「欧州言語マトリクス」に音声ファイルを貼り付けました。近隣の言語の類似性がよりはっきりと体感できます。音声ファイルは重いので、5つしか貼り付けていません。重さ加減はいかがでしょうか?もう少しは大丈夫...という感じなら、スラブ系の音声も貼り付けようかなと思います。

http://www.din.or.jp/~a_ohno/



RE:これであってますかぁ?

佐藤和美 (2001/06/25 12:05)

琉球大学・琉球語音声データベース
http://ryukyu-lang.lib.u-ryukyu.ac.jp/

↑これの「首里・那覇方言音声データベース」で検索してみました。

ウミンチュー
漁師。漁夫。海の人の意。

チュラ
(接頭辞) 美しい・盛大な・立派ななどの意を表す。チュラジン curaziN (美しい着物)、チュラヲィナグ curawinagu(美女)、チュラウダビ curaudabi(盛大な葬式)など。

ウミ
(名詞) 海。ウミ アッチュン。umi aQcuN。海を行く。航海する。また、船乗りを業とする。また、漁師をする。



Re:ありがとう

未菜実 (2001/06/25 10:55)

「ありがとう」は「ありがたし」の連用形「ありがたく」の音便形で、
「ありがとうございます」の下半分を省略した形です。
「ありがとう」は古くは「難有し」と書かれ、本来の意味は"有ることが
難しい"、"世にまれである"と言う意味です。
これが、やがて神仏に対し「ありがたし」と使われるようになります。
奇跡を起こした神仏の力や徳を称え、同時に感謝する気持ちを表したのです。
これが、やがて、単に人に対する感謝の意を表すことにも使われるように
なりました。
ちなみに、昔は「かたじけない」を使ったようです。



これであってますかぁ?

みお (2001/06/25 06:45)

はじめまして。みおと申しますぅ。
『美海』ちゅらうみ。。。これは、美しい海、綺麗な海という意味であってますかぁ?
また。。。『海人』うみんちゅ。。。これは、どー理解すればいいのでしょうかぁ?
また、沖縄のどの地域の子駑馬なのか。。。教えてくださぃ。よろしくぅ(^o^)/



ありがとうの言葉の語源

むいむい (2001/06/25 01:48)

ありがとうっていう言葉の語源は何でしょうか?



またまた『地名の世界地図』

松茸 (2001/06/24 21:26)

 本屋では依然として平積みで売られています。某社教科書より、こっちが深刻な問題かも?
# 当初は、『週刊○日』あたりが騒ぐだろうと思っていましたが……。

 さて、小ネタ(重箱の隅)を若干追加します(第九刷を使用しました):

p.14
 「[前略]現在のパレルモPalermoは、古くはパンホルムス。[後略]」
……『コロンビア百科事典』(http://www.bartleby.com/65/pa/Palermo.html)には、
| Lat. Panormus
とあります。
 なお、上の記事にもある通り、シチリア島の"capital." 初刷で「首都」とやったのは、これの誤訳でしょう。

p.38
 「ローマ人が名づけたオケアヌス・オクシデンタリス」
……ラテン語"Occidentalis"の規範的カナ表記は「オ(ッ)キデンタリス」。

p.70
 ポーランドは「一四〜一八世紀には、逆に地の利をいかして勢力を拡大し」
p.247下段
 「一五世紀におこったポーランド王国は」
……矛盾。

p.82
 「エンゲルス(社会主義学者)→ポクロフスク」
……エンゲルスは「学者」だった?
 なお、地名としては、キリル文字表記"Энгельс"(Engjel's)を機械的にカナに写した「エンゲリス」で通用していました。

p.126
 「知恵の神、文殊師利菩薩」
……菩薩を「神」と言ってよいのか?

p.128
 「同じくトルコ系遊牧民の言葉で、チュルク語起源の地名に」
……意味不明。

p.130
 (「女真」のルビが「ジエルチン」)
……「ジュルチン」の誤り。

p.176
 「ジャック・マルクェット神父」
……ここ(http://www.bartleby.com/65/ma/MarquettJ.html)にもありますが、つづりは"Marquette"なので「マルクト」と音写すべき。

p.196
 「イワノボ(ロシア)「イワン大帝の町」。」
……「イワン大帝」って誰? 「イワン雷帝」なら有名ですが。

p.200
 (「ドナウ川」の流域各語でのよび名)
……「ブルガリア語」が抜けている。また、「ロシア語」ではなく「ウクライナ語」を挙げるべき。

p.212
 「ヒマラヤ第三の高峰カンチェンジュンガ」「この山脈[=カラコルム。引用者註]にある高峰K2はヒマラヤ第二の高峰」
……カラコルム山脈はヒマラヤの一部ではない。



日本言語学会

田邉露影 (2001/06/24 14:47)

第二日……寝坊しました。

第一日は聴きに行ったんですが……
これはあまり良くなかったです(^_^;。
(閉会まぎわになって
 田中克彦センセが入ってきて
 しかもうろうろしてたのはなんだったんだろう?)


それはともかく、
どなたか第二日の北ゲルマンの定冠詞についての発表を
お聞きになった方はいらっしゃいますか?

予稿集はかろうじて持っているんですが、
どんな感じだったのか教えていただけると嬉しいです。



ラッセル

佐藤和美 (2001/06/24 11:35)

HP見てきましたけど、登山用語の「ラッセル」のことなんですね。
私にも情報不足で登山用語のラッセルの語源がどちらなのか、判断できないですねぇ。



RE:history

バット (2001/06/24 00:00)

UEJさん
historyに答えてくださってありがとうございました。



アルバイト ラッセル 広辞苑

朝倉勇一 (2001/06/22 21:09)

佐藤さんの予告のおかげでProject X「広辞苑」を見ることができました。
新村出、猛両氏の努力と情熱には胸を打たれました。番組の中で新語収集の苦労の例として取り上げられた「ラッセル」の語源は文化人類学者で登山家でもあった今西錦司氏が情報を提供したようですが、面白い異説もあります。
広辞苑第五版には『ラッセル[russel] (除雪装置を発明・創製した会社名による) (1)ラッセル車の略 (2)(登山用語)深雪の際、身体で道をひらきながら進むこと。』とあります。これに対し、ラッセルの語源はフランスの方言のひとつフランコプロヴァンサル語の[Faire la challe (la seulle) [フェール ラッシェル (~ ラッスェル)] 直訳「道を作る」だという興味深い説が唱えられています。そのwebページのアドレスは:
http://www.kyoto.zaq.ne.jp/mots-de-montagne/lachalle.html
かいつまんで言えば、モンブラン付近の山人たちの間では「道を作る」ことを「ラッセルする」といい、広く使われている言葉である。これにあたるドイツ語「シュプール・アルバイト」が戦前の登山雑誌で使われていたが、戦後「シュプール・アルバイト」は使われなくなり、代わりに「ラッセル」が出てきた・・・・。

#私にはどちらが正しいか判断も何もできませんが、皆さんはどう思いますか?



historyとtravel

UEJ (2001/06/22 01:09)

HISTORYの語源(Random House Dictionaryより)
| 1393年以前. 中期英語historie<ラテン語historia<ギリシャ語historia
| 調査によって学んだり知ったりすること,歴史(histor「知っている,または分かっている人」より;
| historはWIT,VIDEO,VEDAと同根); STORYと二重語

TRAVELはフランス語の「travail(=働く)」の親戚です。
「とらばーゆ」という雑誌もありますね。
語源は「tri pale(=3本の棒で作られた拷問道具)」です。



travel

悠人 (2001/06/22 00:29)

英語のtravelは、ラテン語で”苦しむ、苦行する”といった言葉が語源
ときいたのですが、本当でしょうか?

昔、汽車も飛行機もなかった頃、旅は徒歩で行われ
重い荷物を背負って歩くのは、楽しみではなく苦しみだった
かもしれませんね。

Travelが娯楽になったのは、20世紀に入ってからなのかな。



history

バット (2001/06/21 23:56)

historyの語源は何なのか教えてください。
historyはhis storyだから男女平等にherstoryもあっていいと言う人がいるのですが、
語源がhis storyでなければherstoryはおかしいと思うのですが。



『地名の世界地図』のアイヌ語

佐藤和美 (2001/06/20 12:42)

『地名の世界地図』1刷のアイヌ語地名のことは以前書きましたけど、その後のことを書いてなかったですね。

P108
「岩内(イワウ・ナイ「硫黄の多い川」)」

「イワウ(硫黄)」+「ナイ(川)」であり、「多い」という言葉は出てこない。

P109
「古代、アイヌは北日本にも広く分布していたので、アイヌ語の地名は本州にも多くみられる。やはり東北に多いが、関東、関西にもあるとする研究者も多い。」

1刷にあった「斑鳩」、「富士」を削除したのだから、あきらめて「関東、関西にもあるとする研究者も多い。」も削除すればいいのに。それがやだったら、「斑鳩」、「富士」のかわりを出さないとね。

P109
「柳田国男によれば、東日本に分布する堂満や当間(当麻)という地名もアイヌ語起源(トマム、トマン「沼、沼地」)であるという。」

アイヌ語に「トマムtomam」(湿地、泥炭地、沼地)という単語はありますが、当然のことながら「東日本に分布する堂満や当間(当麻)という地名」が全てアイヌ語「tomam」に由来するとはかぎりません。それぞれの堂満や当間(当麻)は沼地だったのかくらいは調べてもらわないとね。
なお「トマン」というアイヌ語はありません。

P109 「彼のこの説によって、アイヌ語の地名が白川以南にも残っている可能性が認められるようになってきた。」

日本全国にアイヌ語地名があるとしたのはバチェラーのほうが古いですね。(幽霊アイヌ語での語呂合わせですけど。)1刷での「富士」のことはバチェラーの説でした。バチェラーを信じてる人はいまだにいます。

P110
「千島列島のクリル島は、千島アイヌ語のクル「人」がロシア語化したものだ。」

なにを根拠にこう言いきるんでしょうか。根拠があるなら見てみたいものです。
「千島アイヌ語のクル「人」」って、北海道アイヌ語でもクル「人」なんだから、「千島」は不要。
「Kuril」の「kur」がアイヌ語なら「il」はなんだっていうのかな?
千島列島にクリル島ってあった? クリル列島の間違い?
(P109の地図は「千島(クリル)列島」ってなってるけど)

P110
「色丹(シコタン)はシ・コタン「大いなる村」(シ「大きな」コタン「村」)」

「大きな村」と「大いなる村」では意味が違いますね。

P110
「国後(クナシリ)はクンネ・(アン・)シリ「黒い島」(クンネ「黒いところ」アン「ある」シリ「島」)である。」

「クンネ」は「黒い」で、「黒いところ」じゃない。
「アン」(ある)は(文法上)不要。

P110
「択捉(エトロフ)はエト・オロ・プ「盛り上がる先のある場所=岬の(多く)あるところ」、つまりエト「鼻、先端」オロ「その所」プ「盛り上がる」が有力のようである。

「エト」は「エトゥ」の間違い。
「プ」に「盛り上がる」の意味はない。
「盛り上がる先のある場所」でなんで「岬の(多く)あるところ」になるのか。
こんな説が「有力」なのか。

P110
「歯舞(ハボマイ)はアプ・オマ・イ「氷のあるところ」(アプ「流氷」オマ「ある」イ「所」)」

「氷」と「流氷」で矛盾している。

P110
「ハポ・マ・イ「母の泳ぐところ(=母なるところ)」(ハポ「母」マ「泳ぐ」イ「ところ」)」

「母の泳ぐところ」がなんで「母なるところ」になるのか?
「母の泳ぐところ」で地名になるのか。ま、たんなる語呂合わせですね。

P110
「ポロナイスク(敷香)は、ポロ「大きい」、ナイ「川」、ロシア語のスク「渡場集落」の合成語で、「大きな渡し場のある村」」

ロシア語「スク」にそんな意味があるのか。
「大きい川の渡場集落」がなんで「大きな渡し場のある村」になるのか。



マゼラン海峡(『地名の世界地図』)

佐藤和美 (2001/06/18 17:53)

『地名の世界地図』のマゼラン海峡の記述にもいろいろ言えそうです。

P202
「一五一九年、アメリカの南端まで来たマゼランは、そこのインディアンが厚い革の靴をはいていたため、「大きな足」を意味するスペイン語「パタゴニア」と名づけた。そしてさらに南へ向かい、東から西への水路に行き着く。のちの「マゼラン海峡」である。」

P232
「マゼラン海峡Magellan 一五二〇年、ポルトガルのマゼランが発見したもの。」

・「アメリカの南端まで来た」のに、「さらに南」へ行けちゃうというこの不思議。

・「インディアン」という言葉を使ってる。この本は例えばP220-221の見開き2ページで山ほど「インディアン」を使ってるけど、これでいいの?

・「マゼラン海峡」って、「東から西」でいいのかな。私には「北東から南西」に見えるんですが。
(ちなみに1刷では「西から東」でした。(^^);)

・『大辞林』には「最狭部3キロメートル」って書いてあるけど、こういうのって「水路」っていう?

・マゼランが「マゼラン海峡」に到達したのは1520年ですね。1519年じゃない。P202(一五一九年)とP232(一五二〇年)は違う人が書いてるのかな?

『大辞林』
マゼラン-かいきょう【―海峡】
南アメリカ大陸の南端とフエゴ島との間にある海峡。最狭部3キロメートル。太平洋と大西洋とを結ぶ。1520年ヨーロッパ人として最初にマゼランが発見し通過した。強風と複雑な水路のため航行が困難。

・P232でも「発見」を使ってますね。この本ではいたるところに「発見」という言葉が使われてますが、直す気ないみたいですね。
P168には「アメリカ大陸発見の真の功労者クリストファー・コロンブス」なんて書いてあったりします。高校生でもこんな文章書かないと思うんですが。
ちなみに第4章のタイトルは「大航海時代が「世界」を発見した」です。


この本の特徴がよくでてる「マゼラン海峡」ネタでした。



RE:函転(はこてん)涙岬について

佐藤和美 (2001/06/18 11:51)

船橋競馬場から駅へ行く道をオケラ街道とか言うそうですが、
ハコテンというとマージャンを連想しますね。
「函転(はこてん)涙岬」って、ハコテンで涙?



函転(はこてん)について

スポーツスター (2001/06/18 07:48)

佐藤和美様
さっそくのレスありがとうございます。
アイヌの言葉にはない・・・
ということは、旅人の間だけの通称だった可能性もありますね。
もう少し自分なりに調べてみます。
昔の(1985年頃)北海道のユースホステルでひろまっていたらしいんです。
もし解ったら、また知らせます。



プロジェクトX

佐藤和美 (2001/06/17 10:09)

6/19(火)のNHK/プロジェクトXは
「父と息子 執念燃ゆ 大辞典」
「広辞苑」のことをやるようです。



茅部

佐藤和美 (2001/06/16 15:52)

きょうの毎日新聞・余禄から
「北海道函館市の北東に接する南茅部町。茅部はアイヌ語で帆の崖(がけ)という意味だそうだ。」

調べてみると「カヤkaya」は「帆」という意味ですね。
「茅部」の語源説には
kaya-un-pe 「カヤkaya」(帆)+「ウンun」(ある)+「ペpe」者(所)
kaya-un-pes 「カヤkaya」(帆)+「ウンun」(ある)+「ペシpes」崖
などがあります。



RE:函転(はこてん)涙岬について

佐藤和美 (2001/06/16 09:06)

道東ならアイヌ語地名の可能性が高いですね。
ただ「はこてん」のようなアイヌ語はみつかりませんでした。
もとのアイヌ語がかなり変形している可能性もあります。



函転(はこてん)涙岬について

スポーツスター (2001/06/15 08:19)

はじめまして、スポーツスターと申します。
8月初旬に道東の霧多布周辺にツーリングに行く予定です。
霧多布岬の西に、涙岬という所があるんですが、
昔は(1985年頃?)、函転(はこてん)涙岬と言っていたと先輩から聞きました。
その先輩も詳しくは知らなくて、はたして函転とは何なんだろう、
と疑問に思いあちこち検索していたら、このサイトにたどり着きました。
アイヌの言葉に函転なんてあるんでしょうか??
それとも昔の旅人がただそう呼んでいただけなんでしょうか?
教えて下さい。



Re: 『地名の世界地図』の矛盾

松茸 (2001/06/15 04:07)

 ほんとにキリがありませんねえ。

* キャプテン・クックについて:
 Encyclopaedia Britannicaには;

| James Cook was the son of a farmhand migrant from Scotland.
 (from Cook, James. Early Life(http://www.britannica.com/eb/article?eu=26531&tocid=1514))

| In 1774 Captain James Cook landed at Balade, on the east coast
| of the mainland, and he named the island New Caledonia for his
| native Scotland.
 (from New Caledonia. History(http://www.britannica.com/eb/article?eu=127796&tocid=53937))

とあります。この"native"は〈生まれた場所〉ではなく〈父祖の地〉の意味ですね。だから「クックの故郷スコットランド」は誤訳?


* セバスチャン・カボットについて:
 同じくE.B.(http://www.britannica.com/eb/article?eu=18745&tocid=0)によれば;

| born c. 1476, , Bristol, Gloucestershire, Eng., or Venice
| died 1557, London

だそうで、「イタリア人」である「イギリスの航海士」ということらしいです。
# もちろん、記述に整合性がないのは問題ですが。
# また〈北アメリカ大陸に到達した航海者ジョン・カボットの息子〉
# という説明があった方がよいでしょう。


* スコットランドについて:
 "Caledonia" についての検索の副産物として、スコットランドの古代の住民“ピクト人”についての記述が見つかりました。
 例えば(またまたE.B.(http://www.britannica.com/eb/article?eu=61448&tocid=00)から(^^;ですが);

| Probably descendants of pre-Celtic aborigines, the Picts were
| first noticed in AD 297, ...

 〈ケルト語派に属する〉という反対説もあるようですが、『地名……』pp.44-45の地図でスコットランド全域が「ローマ軍侵攻以前のケルト人の居住地」に含まれているのは、少しまずいかも。

# どれも英国関係なので、信頼できる、と思います。



すいません

ファニース (2001/06/14 15:16)

なんだか場違いな質問をしたようで、すいませんでした。
お詫びといってはなんですが、数少ない知識から
「ちちんぷいぷい」の語源(!?)
ちちんぷいぷい御代の御宝の略で、智仁武勇は御代の御宝の訛りと言われてるそうです。
ホントかな〜?ってとこなんですけどね。
これも場違いでしたか。お邪魔しました。頑張って下さい。



Re:イザナキ、イザナミ

ブリッジ (2001/06/13 23:39)

田島照生様、ありがとうございました。
大野晋『日本語をさかのぼる』(岩波新書)一読してみたいと思います。
また、投稿いたします。



『地名の世界地図』の矛盾

佐藤和美 (2001/06/13 13:42)

『地名の世界地図』は同じ内容をページによって違うことを書いてます。
矛盾しているのをひろいだしてみました。
(松茸さんに教えていただいたものも含まれます)


P14
「チュニスTunisはフェニキアの美の女神タニスにちなんだものだそうだ。」

P286
「チュニジア共和国(中略)首都チュニスの名に由来。フェニキアの女神タニトフ Tanitkhが、アラビア語で読みではトゥノス、フランス語でチュニスと転訛したという。」

P286
「チュニス(中略)タニトフ女神Tanitkhを守護神として祀ったことから、地名もこの女神の名前に由来する。」

「タニス」と「タニトフ」で矛盾している。


P16
「フェニキアは前一二〇〇年頃におこった国だが、」

P16
「ポルトガルのリスボンLisbonも、前一二〇〇年にフェニキア人が建設した都市である。」

P248
「リスボンLisbon 自称はリズボアLisboa。前一二世紀にここを殖民都市としたフェニキア人がアリスイボAlisibbo「良港」と名づけたことによる。」

P248
「マルタ共和国Republic of Malta 前二〇〇〇年頃、フェニキア人が地中海貿易の中継基地とするために入植した。」

「前一二〇〇年」と「前二〇〇〇年」で矛盾している。
フェニキアは「前一二〇〇年頃におこ」ると同時にリスボンも建設したのか。


P27
「ポセイドンの妻リビュエにちなんで」

P291
「ポセイドンの妻リュビア女神」

「リビュエ」、「リュビア」で矛盾。


P39
「エストニアも「東の国」という意味だ。自国ではエスティEstiとよんでいる。」

P239
「自称はエスティEesty。意味は「東の」。」

「Esti」と「Eesty」で矛盾。


P60〜61
「スウェーデンの首都ストックホルムStockholmは、スカンディナビア半島の本土ではなく、氷河によって形成されたフィヨルド(入り江)を利用して建設された。スウェーデン最古のこの町は、一二五五年、メーラレン湖の入り江にある小島に建設され、やがて都市へと発展した。」

P242
「ストックホルムStockholm 一四の島からなる港湾都市。一二五三年、スベリエ人がガラムスターデン島に丸太で城塞を築いたことから、stock「杭」とholm「島」で、「杭の島」と名づけられた。」

建設年が矛盾している。
「ガラムスターデン島」は「ガムラスターデン島」の間違い。


P73
「モスクワMoskvaとはモスクmosk(沼沢地)とフィン語のva(水)で「沼沢地の川」を意味する。」

P258
「モスクワMoskva 一二世紀の呼称、ナモスコに由来する。前置詞naとMoskva「モスクワ川」で「モスクワ川のほとり」。「モスク」そのものには、「沼沢地の川」という意味がある。」

「沼沢地の川」は「モスク」なのか「モスクワ」なのか。以前指摘したところで、修正失敗したみたい。


P99
「一五二六年、スペインの宮廷に仕えていたイギリスの航海士セバスティアン・カボットが、ふたたびこの入り江にたどりついた。そのとき銀の飾りを身につけた先住民に出会ったことから、彼はこの入り江をラプラタ川 Rio de la plata(銀の川)とよんだ。」

P232
「ラプラタ川(中略)一五二六年、イタリア人カボットが河口で銀が産出すると思って命名した。」

「イギリス人」と「イタリア人」で矛盾している。


P99
「一八八三年に独立したとき、スペイン本国の圧政を忘れるため、プラタ(銀)はラテン語で同じ「銀」を意味するアルゼンタムargentumに変えられ、国名はアルゼンチンArgentinaとなった。」

P232
「アルゼンチン共和国Argentine Republic (中略)一八一六年の独立時には、スペイン語で「銀」を意味するラプラタ合衆国だったが、」

独立年が矛盾している。
「ラプラタ合衆国」ってなに?


P99
ブエノスアイレス「一五三五年、この地に最初に移住したのは、スペイン人のペドロ・デ・メンドーサだった。」

P232
「ブエノスアイレスBuenos Aires (中略)一五三六年、スペイン人のメンドーサが建設。

建設年が矛盾している。


P154
「エジプトの首都カイロにも、興味深いエピソードがある。
九六九年、新首都建設予定地でくわ入れ式をおこなう際、」

P276
「カイロCairo 九六八年に建設される。」

建設年が矛盾している。


P246
「ブルガリア共和国Republic of Bulgaria(中略)『大河』を意味するボルガに地名接尾辞-iaがつけられた。」

P251
「ボルガ川Volga 「湿地の川」。スラブ語のブラガvlaga「湿った」に由来する。またはフィンランド語valgeのバルゲ「白く輝く」との説もある。」

「ボルガ」の語源が矛盾している。



RE:トロントの綴り

佐藤和美 (2001/06/13 12:14)

『地名の世界地図』には「トロント」は出てませんでした。



Re:イザナキ、イザナミ

田島照生 (2001/06/12 18:12)

>ブリッジ様。
『日本国語大辞典』(第二版)によると、
(語源説)(1)イザはイザナフの語根。ギは男性を示し、イザナミのミは女性を示す
[古事記伝・野之舎随筆・日本の神話=松本信広]。
(2)イサは、功徳を意味するイサヲの語根イサであろう。
キなどのK系のことばは男、ミなどのM系のことばは女を表す
[神代史の新研究=白鳥庫吉]。
(3)梵語のイシャナテン(伊舎那天)、イシャナクウ(伊舎奈后)からか
[神皇正統記]。
(音史)古くは「いざなきのみこと」か。

となっています。
大野晋説も(1)に傾いており、『日本語をさかのぼる』(岩波新書)
に次のようにあります。

「最も古く男の意を表わしたのはキという語で、女の意を表わしたのはミという語
であった。オキナとオミナという語があるが、この中のキとミとは、男性と女性
とを示している。キとミとは、日本神話の中で世界創造の役割をするイザナキ、
イザナミの二神にも現われて来る。イザは相手を誘う語であり、ナは現代のノに
あたる助詞であったから、イザナキは、イザの男、イザナミは、イザの女の意で
ある。それは相手を結婚に誘う男と女を意味していた。」(7頁)



ケルト語の「森」

ふる (2001/06/12 17:17)

>「ケルト語で、「森」を意味する」って「Caledonia」がケルト語で「森」っていう意味だということでしょうか?
> 本当に「森」という意味があるのかどうか知らないけど、いいかげんな書き方ですね。
>「-ia」がついてますからね。

 信憑性のほどは皆目判りませんが、検索エンジンに Scotland, Celt,
forest, Caledonia を入れて引っかかった下記HPのChapter16に、"Coed
Celyddon"という言葉の語源が論じられており、次のような文章がありま
す。

On this premise, it is futile to assume the 'Celi' and 'Cely'
elements in the words, 'Celidonis' and 'Celyddon' could have
derived from the Brythonic Celt word, 'Celli' meaning 'Wood
or Forest' for this would simply repeat what was already known.

 この記述が正しいとすると、"Brythonic Celt"語では、"Celli"とい
うのが森林を意味する語だということになります。このHPでも断定は避け
ている感じですが、カレドニアの「カレ」のあたりが森林に由来する可能
性はあるかもしれません。
 森林という語については、機会があれば諸言語での呼称をちゃんと調べ
てみたいと思っています。

http://www.newagedarkage.freeserve.co.uk/part3.htm



トロントの綴り

ふる (2001/06/12 16:10)

 地名のスペルミスで思い出した個人的経験ですが、

 昔、学術論文を書くときに、トロント大学出版会の文献
を引用した際、"Univ. of Toronto Press"と書きながら、
ふと「トロントって、Trontoじゃなかったかな」と思い、
やはりTorontoで良いことを確かめてから原稿を出したの
です。ところが、編集の方でも同じ事を思ったらしく、し
かも確認せずに、"Tronto"に直してしまい、そのまま印
刷に回ってしまった。こういうのは余計なお節介というか、
たまったものではありませんが、よくあることなのでしょ
う。

 伝言板の趣旨に戻りますと、おそらく先住民由来の地名
なのでおよそ英語圏的でない地名綴りになったのでしょう
ね。『地名の世界地図』にも出てくるでしょうか。



『地名の世界地図』のスペルミス

佐藤和美 (2001/06/12 12:10)

『地名の世界地図』ですが、まだスペルミスがだいぶ残ってますねぇ。
(松茸さんに教えていただいたものも含まれます)

P20
「ナポリは、英語読みではネープルズNapoles。」

「Naples」の間違い。

P22
「羊皮紙を意味するパーチメント(perchment)は、」

「parchment」の間違い。

P176
「シカゴChikago」

「Chicago」の間違い。

P212
「Godwin-Austin」

「Godwin-Austen」の間違い。

P229
「パナマ共和国Repabulic of Panama」

「Republic」の間違い

P244
「ドイツ連邦共和国(中略)フランス語ではアルマーニュ Allemague。」

「Allemagne」の間違い。

P256
「ドゥシャンペ Dusanbe」

「ドゥシャンベDushanbe」の間違い。

P259
「アナトリア高原 Anatoria」

「Anatolia」の間違い。

P261
「長江Chang Jiang」

「長江Changjiang」

P261
「黄河Huangke」

「河」は「ke」でなく「he」である。

P269
「秦の発音Chinに、」

「秦」のピンインは「qin」



キャプテン・クック(『地名の世界地図』)

佐藤和美 (2001/06/11 12:45)

キャプテン・クックに関して書き忘れがありました。

P292
「クック山脈Cook「クック船長」。クックの死後、五二年たってから、(一八五一年)、彼を讃えてつけられた。」

『大辞林』
クック[Cook]
(1)〔James C.〕(1728-1779) イギリスの軍人・探検家。1768年から三回太平洋方面の大航海を行い、未知の海域・島を明らかにした。また、オーストラリアの領有宣言を行うなど、その後のイギリスの太平洋方面進出の基を築いた。キャプテン-クック。

クックの死後五二年は、一八五一年じゃないですね。



イザナキ、イザナミ

ブリッジ (2001/06/11 07:49)

いつも興味をもってのぞいています。
わたしもちょっと教えていただきたいことがあって書き込みをしています。
伊弉諾尊(伊邪那岐命)、伊弉冉尊(伊邪那美命)の語源は何でしょうか。



キャプテン・クック(『地名の世界地図』)

佐藤和美 (2001/06/10 17:18)

『地名の世界地図』からキャプテン・クック関連についてひろい出してみました。

P101
「クック諸島は一七七三年にクックが発見したものだが、クック山のほうは本人の記録にみあたらない。一七世紀半ばにオランダ人タスマンが来航したとき、はじめてここを探検したクックの業績を記念して、あらためて山の名に残したものと思われる。」

なんで一八世紀(一七七三年)のことを一七世紀の人が記念に残すんでしょう。不思議な話です。
松茸さんに教えていただきました。
私の指摘で、10刷では直ってるようです。

P101
「クリスマス島は、一七七七年のクリスマスの日に発見された」

P293
「クリスマス島 一七七七年、クックがクリスマスの日に発見したことにちなんで名づけられた。」

http://www.britannica.co.jp/search/item?m=0+1+3&rgid=033558001567
「クリスマス島(中略)1777年クリスマス・イブに J.クックが来航し命名。」

さて、「クリスマス」、「クリスマス・イブ」どちらが正しいんでしょう?

P101
「ニューカレドニアNew Caledoniaのカレドニアとは、クックの故郷スコットランドのローマ占領時代のケルト語で、「森」を意味する。」

P295
「ニューカレドニアNew Caledonia 一七四四年、ここを訪れたクックが、故郷スコットランドの古代ローマ時代の名称カレドニアにちなんで名づけた。カレドニアはケルト語で「森」を意味する。」

「一七四四年」でいいのかな?

『コンサイス外国地名辞典』(三省堂)
ニュー-カレドニア
「1774クックが到達。」

P102には「ヨークシャーの日雇い労務者を父とするクックは」とあります。

http://www.britannica.co.jp/search/item?m=0+1+3&rgid=032224002751
クック
Cook,James
[生] 1728.10.27. ヨークシャー,マートンインクリーブランド

クックはヨークシャー出身のようですね。
これは『地名の世界地図』の著者の人達も知ってるでしょう。「ヨークシャーの日雇い労務者を父とするクックは」と書いてるくらいですから。

『大辞林』
ヨークシャー[Yorkshire]
(1)イギリス、イングランド北東部、ペニン山脈の東麓にあたる地方。

ヨークシャーはイングランドですね。

つまりクックはイングランド出身で、スコットランドの出身じゃない。
「クックの故郷スコットランド」は間違いということになりますね。

「ニューカレドニアNew Caledoniaのカレドニアとは、クックの故郷スコットランドのローマ占領時代のケルト語で、「森」を意味する。」
この文章だと「カレドニア」が「スコットランド」の古名だということがわかりませんね。
この本全体が推敲不足の印象がありますが、これもその一例でしょう。

「ケルト語で、「森」を意味する」って「Caledonia」がケルト語で「森」っていう意味だということでしょうか?
本当に「森」という意味があるのかどうか知らないけど、いいかげんな書き方ですね。
「-ia」がついてますからね。



忌言葉(いみことば)

佐藤和美 (2001/06/09 10:49)

 「日本語とその周辺」に「忌言葉(いみことば)」を追加しました。



あさきゆめみし・・・

くまのぱぱ (2001/06/09 05:29)

・・・酔(え)ひもせす
なんてのもありましたっけ!(笑)
皆様ありがとうございました。

>前田勇「大阪弁」(朝日選書)
 近場の書店には朝日選書なし
 新宿のK伊国屋には朝日選書はのべ2m位(笑)あったけど
 「大阪弁」は無し。 でした(悲)

また、いろいろ教えて下さいネ!



はじめまして

青とんぼ (2001/06/09 01:00)

こんばんわ。はじめまして。
手塚ワールドでの書き込みからたどってやってきました。本棚の書目、いろいろあってびっくり。
ぼくは、ドイツ語に挫折して結局英語をどうにか実用レベルに出来た程度なので、いろんな言語を研究されているのには脱帽です。今度は、じっくり読んでみたいと思います。

http://web12.freecom.ne.jp/~aotombow/



胼胝(べんち)をなぜ俗語で「たこ」?

ファニース (2001/06/09 00:36)

初めまして、突然の質問ですいません。
胼胝をなぜ「たこ」というのでしょう?
なにかに似てるからなんでしょうか?
医療機関のHPを除いてみたのですが、
分かりませんでした。下らない質問かもしれません。
友人に聞かれ、答えられなかったので、
知っている方がいたら、教えて下さい。
お願いします。



とてもよく研究していますね。

照井 茂樹 (2001/06/08 12:05)

わたしも世界の地理や歴史には興味があるので、今後も拝見させてください。



似非アイヌ語(富士山)

朝倉勇一 (2001/06/06 05:32)

佐藤さんどうもありがとうございます。
平凡社の世界大百科事典がトンデモネタの卸元であったとは呆れた話ですね。私は以前このCD-ROM版を数万円で購入したのですが、最近パソコンを買い換える機会にメーカーに問い合わせたところ「Windows98SEまでしか動作保証はしていません」という回答がありました。それでME全盛の時代にわざわざ98SE搭載の機種を買ったという馬鹿な話、紙媒体なら数十年は楽にもつのに・・・と複雑な気持ちです。
そういえば司馬遼太郎もこの事典をよく引用していました。実は佐藤さんと同様私も司馬ファンで、かの博識にはいつも感心させられっぱなしですが、時に「弘法も筆の誤り」に出会うとなんだかホッとするような。(笑)
「愛蘭土(アイルランド)紀行」の中に"dead pan joke"という話が出てきます。真面目な顔をしてカマすジョークのことで、これを「死んだ鍋ジョーク」と表現したのには笑いました。「死んだ鍋」などという無意味な言葉を詮索もしないで使うのは凡そ司馬さんらしくない。この場合の"pan"は演劇界で使われる用語で「顔」という意味です。プログレッシブ英和辞書にも最後のほうに小さく「(米俗語)顔」とありますが、しかしこれは一般的な用法とはとてもいえない。が、敢えてこれを使い"dead pan"と成語したのは「英雄伝」で有名なプルタルコス(英語でプルターク)の著作「イシスとオシリス」にある有名な文章「パン(牧羊神)は死んだ!"The great god Pan is dead"(英訳)」に掛けたためだそうです。

#ま、ご愛嬌ですが(^^)



Re^2: 比較言語学とか

田邉露影 (2001/06/05 23:26)

>massangeanaさん
> アルタイ語の場合, テント(モンゴル語ではゲルでしたっけ?)生活の人間にとって「家」が基礎語彙かどうか少し疑問がありますね :-)

そりゃ例えですから。

> >印欧語族とウラル語族
> ウラル語族は古い文献がほとんどない(アルタイ諸語の方が豊富)のに
> よくやったものだと思います。

えっと、そうでもないです。

逆にウラル語のおかげで、
印欧語の本来の発音が分かった、という例もあります。


> ところで南島語族を入れないのはなにか特別な理由があるのでしょうか?

私の専門外なので書かなかっただけですよ。



RE^2:『地名の世界地図』の元ネタについて

松茸 (2001/06/05 23:07)

->佐藤さま:
 ご教示ありがとうございます。
 『日本の地名』を確認しましたが、間違いなく元ネタですね。
 それにしても:
|  ともかくも、柳田はアイヌ語地名を白河以北にとどめて考えては
| ない。[中略]そこで私どもは、アイヌ語地名が白河以南にも残存す
| る可能性を原則的に認める必要がある。[後略]
  (『日本の地名』p.216)
という慎重な表現が;
| [前略]彼[=柳田]のこの説によって、アイヌ語の地名が白河以南に
| も残っている可能性が認められるようになってきた。[後略]
  (『地名の世界地図』第九刷 pp.109-110)
に化ける、恐るべき曲解力。(--;

PS. 谷川先生で思い出しましたが、武光誠(敬称略)って、かの『東日流外三郡誌』を一時支持していた人物ですね。



Re: 比較言語学とか

massangeana (2001/06/05 21:52)

「よう」ですが, 前田勇「大阪弁」(朝日選書)の中に, 「『よういわんわ』の世界」という文があっておもしろいです。「食べられへん」と「よう食べん」はどう違うか, ということが書いてあります。

田邉露影さん:
詳しい説明ありがとうございました。読んで何も書かないと失礼かもしれないので茶々を ^^;

>昔の人にとって欠かせない物です。
>「馬」だとか「家」だとか。

アルタイ語の場合, テント(モンゴル語ではゲルでしたっけ?)生活の人間にとって「家」が基礎語彙かどうか少し疑問がありますね :-)
「馬」の方はこれまたモンゴル語だと年齢や去勢の有無でやたらと大量の語があったりする :-) いちばん普通のは aduu みたいですが, これをトルコ語 at と比べたくなるのは人情というものでしょう :-) 馬は昔は権力の象徴みたいなものだったようですし, 馬をもっていなかった民族も多いので, 借用が多いですね。タイ語のマーは明らかに中国語からの借用だし, 日本語のウマもたぶんそう。朝鮮語の mal はどうなんでしょうね。(モンゴル語で馬を意味するほかの語に mori というがあるのだった...)
なんだかほんとに茶々になっちゃいましたが, 要は「似た単語がいくつかあるだけで親属関係がいえたら苦労しない」というはなしです。

>印欧語族とウラル語族
ウラル語族は古い文献がほとんどない(アルタイ諸語の方が豊富)のによくやったものだと思います。
ところで南島語族を入れないのはなにか特別な理由があるのでしょうか?



Re: よー

UEJ (2001/06/05 14:24)

広辞苑でも大辞林でも国語大辞典でも以下の漢字を当てていますね。
 善う・良う・能う
小学館の国語大辞典には以下のような説明がついています。
>上中古の副詞「え」にあたり、室町時代には、それの変化かとみられる「よ」の形がある。
>これと副詞「よく」の音便形とが混交してできたものか。



辞典

佐藤和美 (2001/06/05 12:44)

私がいつも使ってる辞典です。
『大辞林』
http://dictionary.goo.ne.jp/cgi-bin/jp-top.cgi
漢字でも、仮名でも検索できます。

他の辞典はここで探してみてください。
「Internet Resources」
http://www.kotoba.ne.jp/

なおWinMEのIME(IME2000だったかな?)には、漢字選択のための補助情報が表示されるようになってます。



古アイスランド語文献

田邉露影 (2001/06/05 12:27)

> 北欧諸語が専門ということですが、
> サガやエッダなどの北欧神話も
> 比較言語学の研究対象として有用なでしょうか?

基本的に何かのテーマがあって、
それに対して特定の文献が必要ならば
例え古代の法律文章であっても
活用しますよ。

とりわけサガ・エッダは比較言語学だけでなく、
語学のレベルとして、
古アイスランド語の語学学習のために、
なくてはならない文献なのです。

さすがに古代アイスランド人を
連れてくるわけにはいきませんからね。



ヨー

佐藤和美 (2001/06/05 12:02)

牧村史陽編『大阪ことば事典』(講談社学術文庫)からです。
ヨォ
「よく。下に否定の語を伴うと、とても……できないの意となる。」



比較言語学

悠人 (2001/06/05 08:40)

田邉さま、比較言語学についての説明ありがとうございます。

大変興味深く読まさせていただきました。

北欧諸語が専門ということですが、サガやエッダなどの北欧神話も比較言語学の研究対象として有用なでしょうか?



「よー」

悠人 (2001/06/05 08:26)

私は四国在住ですが、「よー」は私もつかってます。
強いて訳すると下記のような感じでしょうか

よー行く?→行くことができますか?
よーする?→することができますか?
よーやらん→それをやれない

坂梨さんの言われるように漢文の可能の助動詞「能」と関係ある
かどうかはわかりませんが、ニュアンスというか意味はそのとおりだと思います。



Re:関西弁

坂梨 (2001/06/05 02:59)

>>くまのぱぱさん
直感ですけど、「よー」は漢文の可能の助動詞「能」と関係あるのでは?
「能(よ)く」と読みますよね。
一方「え」はやはり可能の助動詞「得」ではないかと。



RE:『地名の世界地図』の元ネタについて

佐藤和美 (2001/06/04 22:21)

谷川健一「日本の地名」(岩波新書)P213-218
ここにアイヌ語地名のことがちょっとでてます。
「地名の世界地図」P108あたりの柳田国男のことはこの本をネタにしたのかな。



RE: 「富士山」の語源

佐藤和美 (2001/06/04 22:20)

富士山が「アイヌ語で火を意味する〈フチ〉に由来する」というのは以下の書き込みを読んでください。
「富士山の語源はアイヌ語の「火」?」(1999/09/07 08:26)



『地名の世界地図』(第九刷)について

松茸 (2001/06/04 22:06)

 訂正のほか、若干新しいネタを追加します。

※ まず懺悔話から。
 以前、〈ボスポラス海峡〉についての記述(p.24):
| [前略]ボース(雌牛)とポロス(渡し場)で、『雌牛の渡し場』。これは、
| ゼウスが妻ヘラの嫉妬から逃すために恋人のイオを雌牛に変身させてこ
| の海峡を渡らせた、という伝説による。
について、以前“bos-, bous は〈雄牛〉なので、間違いではないか?”という疑問を提示しましたが、これは私の完全な勘違いでした。お詫びして撤回いたします。
 とはいうものの、上の説明が通常のイーオーの説話とは食い違っていることも事実ですが。(^^;

※ 上と関連して、p.36の:
|  ところで、エーゲ海の西側エレブ ereb は、やがてエウロペ Europe
| となり、のちにヨーロッパとなった。ギリシア神話では地母神、豊穣神
| とされるエウロペが、牛に化けたゼウスにさらわれ、エレブの地に着い
| たからといわれている。
も、普通は“エウローペーはクレタ島に行き、ミーノースらを産んだ”とされているのと矛盾しますね(フェニキアから見れば、クレタ島も「西側」?)。
# この記述には他にも変なところがありますが、演習問題としておきます。

※ オーストリアについて:
| [前略]しかしオーストリア人は、自国をエスタライヒ Osterreich と
| よぶ。[後略]
 (p.39)
とありますが、ドイツ国でも(というよりドイツ語では) "Oesterreich" とよぶはず。  また、巻末の国尽くしでの解説:
|  自称はゲルマン語系の ost 「東方」と mark 「辺境地」から転訛した
| 「エステライヒ」。[後略]
 (p.239。「エステライヒ」は原文のまま)
では、"Mark" が "Reich" に「転訛」したことになってしまいます。
 p.39の方には "Austria" を介した変化が解説されていますが、"Reich" の意義については(従ってナツィスが "Ostmark" を復活させた理由も)どこにも説明がありません。

※ 温泉ネタ:
 同じラテン語 "aquae" が
 「アクアエ・スリス」(pp.31-32)
 「アクエ・グラニ」(p.33)・「アクエ・セクスティエ」(同頁)
と違うカナ表記になっています。別々のネタ本から丸写ししたのがバレてますね。
 なお、「アクエ・グラニ」の語源について、別の解釈を検索しました(信頼度は不明):
http://www.germanembassy-india.org/news/may97/12gn05.htm
http://www.ohnichi.de/Doitsu/aachen.htm
 また、p.34に:
| [前略]「温泉町」そのままの意味で、スパ(鉱泉)は、[後略]
とありますが、通常は“地名が普通名詞化した”とされるようです。

……まだまだありますが、このくらいで。



関西弁

くまのぱぱ (2001/06/04 12:56)

こんにちは。チョット教えてください。
ハナから私事で恐縮ですが、私と両親は関西出身で
家内は生まれも育ちも横浜です。
先日、私が母に「・・・に行こうか」といったら、
母は「よーいかんわ(行く事が出来ない)」と答えました。
そばで聞いていた家内が「『よーいかんわ の よー』ってなに?」
と聞きました。
で、私は、「よー」は「(私の都合が悪いために)いけない。決して
あなたがキライだから行かないのではない」というニュアンスで
関西独自の婉曲話法だ」と答えたんですが、かなりその場逃れな
気がしています。たしか古文に「え いく あたはづ」のような言い方
があったような気がして、「え」が関西では残って「よー」に
なったのかな? なんてかなりゴーインに説明しちゃいました。

どなたかご存知の方、「恐妻亭主」にこっそり教えてください。



RE:「富士山」の語源

佐藤和美 (2001/06/04 12:49)

「everlasting life」って「不死」っていう意味なんでしょうけど、
たしか『竹取物語』の最後のところで、「富士」の語源が「不死」だというエピソードがあったような。(うろ覚え)
どう考えても「不死」はアイヌ語じゃないですね。
日本人でこの説を信じる人は一人もいないと思いますが。
文章書いた本人がアイヌ語だと思ってるんだから、「幽霊アイヌ語」になる?



”すなわち””かかわる”の区別

奥田昌男 (2001/06/04 11:35)

冠略。やっと教えていただけるサイトに辿り着いた気がします。”すなわち”と”かかわる”には各々5種類以上の漢字があるとおもいますが、その使い分けが判明しません。説明と例示をしていただけないでしょうか。外地で仕事をしている関係上、日本語の正確な使い分けを忘れてしまう自分自身の文章が平仮名文になりつつあることを憂慮している者です。手元に適切な辞書が無いことも災いしています。不一



RE: 「富士山」の語源

朝倉勇一 (2001/06/04 05:07)

私はアイヌ語にはまったく通じない者ですが、平凡社の『世界大百科事典』の「富士山」の項を見ると「・・・富士という山名はアイヌ語で火を意味する〈フチ〉に由来するといわれる。」とあります。この部分の執筆者は小泉武栄という方で、略歴などは明示されておりません。
#門外漢ですが、ご参考までにと思い報告します。



Re: チャオプラヤー

massangeana (2001/06/04 02:53)

>チャオプラヤも「川」の意味で、「川なる川」の意味−
「川」なんて意味があるとは初耳です。

タイの爵位は上からチャオプラヤー(公爵), プラヤー(侯爵), プラ(伯爵) があります。
メナム・チャオプラヤーは「公爵川」という意味でしょう。



比較言語学(http://bosei.cc.u-tokai.ac.jp/~1akc0049/gc_010603.txtの内容)

田邉露影 (2001/06/03)

そろそろ、比較言語学についての概説でも掲載しておきますか……。
間違っている部分がありましたら、ご面倒でもいちいち訂正していただけると光栄です。

> >「ビ モンゴル ヘル ソラ グチ バイ サン」
> > 私 モンゴル 語  学ん  で いま した
>
> >というぐらい語順がぴったりしているのが語族を括る上での
> >重要な条件だという気がします。
>
> ここまでぴったりくると同じ語族だと言われてもなっとくが行きますね。

確かに……語順が似ていれば、同じ親縁言語なのではないかと思われるでしょう。

さて、世界には凄まじい数の言語が存在します。

その中でお互いに同じ語順の言語というのは、実は意外と多いものなのです。

実際にフィンランド語とドイツ語は別系統の言語なのですが、動詞が2番目に来るという点では、お互いに類似性が見られます。
(もっと突き詰めると、元々は動詞は日本語やハンガリー語と同じく、文末に来ることが多かったのですが、動詞の位置が2番目に来るようになったのは、他の言語の影響ではないか、という意見があります。もっとも私はウラル語の専門家ではないので、きちんと説明することはできませんが。)

言語と言語を比べる場合、さまざまな類似点と相違点を考えます。

一番スタンダードなのは基礎語彙との比較です。
数詞だとか、手だとか、足だとか、他にも生活に欠かせない単語です。
といってもパソコン……なんて、現代人には欠かせない道具ですが、もちろんそういう類いではなく、昔の人にとって欠かせない物です。
「馬」だとか「家」だとか。

それらがお互いに違う場合は、そのなかで「音」の違いに目を向けてみます。
これは分かりにくいことですが、例えばある言語では数字の2を duo と表現します。
それに対してもう一つの言語ではtwoと表現します。
お互いに音だけ聞いたのでは、かなりの違いがあります。

しかし、d という音と t という音の違いは実は言語学の中では非常に似ているとされています。
有声・無声という用語を使用しているのですが、すごく荒っぽく言ってしまえば、この d と t との違いは濁る・濁らないだけの違いで、後は共通する点が非常に多いのです。

ですから、ある言語で d、もう一つの言語で t が使用されているとき、その語彙に非常に近い共通性が見つかれば、両者は親縁言語である可能性が非常に高くなります。

ある言語学者で「音法則に例外なし」と唱えた人がいます。
実際は例外だらけで例外を埋めるための法則が、羅列されているというパターンもあるのですが、ある言語とある言語を比べる時に、この「音法則」というものに目をやるのとやらないのでは、大きく視野が変わってしまうのです。

そして、次に文法面です。
ただし文法は使用者が多ければ多いほど、使用者が外交的であれば外交的であるほど、使用者の土地が便利であれば便利であるほど、ころころ変わってしまいます。

英語なんてその代表格です。
昔は語尾を変えることによって文の意味を変えていたのですが、いまでは文の意味を変えるためには語順を変えます。

色々な出版社から出ている『英語史』の本なんて読んでいただければ分かるのですが、これらの変化の要因には、フランスやらデンマークやら、異民族との交流そして戦争が絡んでいます。

つまり、言語は自ら姿を変えるだけではなく、異民族の影響で自分の言語を変えてしまうことも多いのですね。

ですから、文法面で比べる時には、本当に気をつけなければなりません。
ただ表層的なものだけではなくて、日本語で言う「助詞」だとかそういう、単語としての意味を持たず文法的な機能だけを示す語も綿密に調べていく必要があります。

例えば……ちょっと込み入った話をしましょう。

ルーマニア語という言語は、一般的には分類的に「ロマンス系」というフランス語だとかイタリア語だとか、それからスペイン語のような、主に南欧で話されている言語と親縁言語であると言われています。

しかしルーマニア語は文法機能に着目すると、定冠詞の使い方が他のロマンス語では見られない使い方で、例えば英語でいう a dog という表現を、dog-a というように、単語の後ろにおいて表現します。

このような冠詞を後ろに置く定冠詞という意味で、「後置定冠詞」と呼ばれているのですが、これらはスラヴ系の言語によく見られる現象なのだそうです。

また、私が本来専門としている北欧語でも、こういった表現方法を使用します。


そのような場合、こういった使われ方をしはじめたのが、時代的に「後」なのか「先」なのかに着目して、他言語との影響なのではないか、ということを考えます。

しかし、そういった場合、唯一頼れるのは古代の文献と(ちょっと差別的表現ですが)ド田舎の方言のみです。
後者がなぜ参考になるのかは上でもご説明しましたよね。

そういうわけで、ルーマニア語のようにはるか古代の文献がない場合、それならまだしも民族自体「書かれた歴史」が浅い場合、それらは意外な方向にねじ曲げられたり、あるいは改竄されたりしている場合が残念ながらあるのです。

そうなってしまうと、本当に他民族からの文献くらいしか、頼りがなくなってしまいます。

運良く、その他民族がマメな民族だったら良いのですが、やはり同じく「書かれた歴史」の浅い民族だった場合、ちょっとお手上げになってしまう、というのが実情でしょうね。


また、文献が完全に表意文字で書かれていた場合にも、少々お手上げです。

文法や意味は分かっても、音が分からないために、実際にどの言語に近いのかは、まったく研究しようがなくなってしまうのです。


そうやって、少しずつ組み立てていったのが、印欧語族とウラル語族です。

こういう研究が始めに起こったのは、ウィリアム・ジョーンズというイギリスの法律家なので、サンスクリット語(=梵語)とラテン・ギリシア語がもしかしたら親縁言語なのではないか、という講演をカルカッタで 1786年に行ったのがきっかけです。

しかし、この種の研究に本腰を入れて始めたのは、一般的にはフランツ・ボップという言語学者だと言われていますが、実はハンガリー語とラップ語について研究したジャルマティ・サミュエルという科学者です。

彼の著書
 “Affinitas lingvae Hungoricae
  cum lingvis fennicae originis
  grammatice demonstrata”
は今でもペーパーバックで入手することができます。


ただ、日本語の比較言語学は、まだ完全に確立したわけではありませんし、これから非常に未来のある(そして先行きのまったく見えない)学問です。

この前、世界不思議発見で大野晋先生が出ていたことは、悠人さんもおっしゃっていましたが、単語や文化が似ているという点だけでは、学会の支持が得られないというのも、しかたのないことでしょうね。



比較言語学

田邉露影 (2001/06/03 22:41)

投稿しようと思ったのですが
少々、長くなりすぎてしまったので、
さすがにネチケット違反になりそうなので(^_^;、
http://bosei.cc.u-tokai.ac.jp/~1akc0049/gc_010603.txt
に比較言語学についてざっと書いておきました。

関連コメントは
 悠人さん「ガスコン語とドラビダ語(タミル語)」
 ふるさん「悠人さん」
です。



ガスコン語とドラビダ語(タミル語)

悠人 (2001/06/03 19:40)

ふるさん、はじめまして。

>フランス大西洋岸スペイン国境近くのガスコン語とバスク語

ガスコン語というのははじめて聞きました。
バルセロナのカタルーニャ語とポルトガルの上に位置する地方の
ガリシア語は有名ですが。

ガスコン語というのもバスク語のように謎の言葉なのですか?
それともラテン語系の言葉なのでしょうか?
あの場所だともしかしてケルト系の可能性もあるのかな。


> 私は専門家でも何でもないのですが、たとえば、モンゴル語で

>「ビ モンゴル ヘル ソラ グチ バイ サン」
> 私 モンゴル 語  学ん  で いま した

>というぐらい語順がぴったりしているのが語族を括る上での
>重要な条件だという気がします。

ここまでぴったりくると同じ語族だと言われてもなっとくが行きますね。


佐藤和美さま はじめまして。
>司馬遼太郎は大野晋の説(日本語とドラビダ語が同系だという説)
>も信じてたみたいですね。

私も司馬遼太郎は大好きなのですが、日本語とドラビダ語が同系というのは
素人の私が言うことではないかもしれませんが、違うような気がします。
でも昨日の世界不思議発見でタミル語と日本語の単語が偶然にしては
似すぎているところがあると言ってましたね。



「富士山」の語源

松茸 (2001/06/03 19:00)

 『大英百科事典』
http://www.britannica.com/eb/article?eu=36245&tocid=0
によると:

| The mountain's name[ie. "Fuji"], of Ainu origin, means “everlasting life.”

だそうです。
# こういうのも「幽霊アイヌ語」になるんでしょうか?

 なお、"Ainu"の項目:
http://www.britannica.com/eb/article?eu=5244&tocid=0
にも、鳥肌の立つようなことが書いてあります。度胸のある方はどうぞ。



メナム川

佐藤和美 (2001/06/03 16:40)

大澤さん
>小学校や中学校でタイのメナム川と教わってましたがそれは真っ赤な嘘でした。
>チャオプラヤー川が正解です。最近の教科書では変わりましたか?
>ちなみに「メナム」は川の意味です。誰が書いた教科書やねん?

「誰が書いた教科書やねん?」っていう、個人の問題じゃないと思います。

『世界地名ルーツ辞典』(創拓社)からです。
メナム川
「タイ国最大の川。この地名は、タイ語のメナムmenamu「川」が固有名詞になったもの。メナムは普通名詞であるため、タイ人はこの川を、メナム・チャオプラヤMenamu-Chaopraya−チャオプラヤも「川」の意味で、「川なる川」の意味−とか、単にチャオプラヤと呼ぶ。メナムは外国人が用いる地名。」

なお帝国書院「新詳高等地図」(平成8年発行)では「チャオプラヤ川」の「チャオプラヤ」の横に「(メナム)」と書いてありました。



「言葉の世界」伝言板5月分

佐藤和美 (2001/06/03 16:37)

 「「言葉の世界」伝言板5月分」を追加しました。



語源辞典

朝倉勇一 (2001/06/03 15:54)

はじめまして。よろしくお願いします。
手軽に語源を調べるのにはインターネットの無料サイトが便利です。
http://www.bartleby.com/61/86/Q0038600.html
AMERICAN HERITAGE DICTIONARY は私の好きな辞書で、ペーパーバック版でも語源(etymology)を載せてあり、巻末には簡単な印欧共通基語表もついています。例えば"dream"を引くと語源欄に
[< OE dream, joy,gladness, music. See dhreugh-.]とあり、巻末の表を見ると、
[dhreugh-. To deceive. Gmc *draugma- in OE dream: dream.](GmcとはGemanicの略)
#私の買った頃はペーパーバック辞書で唯一歴代アメリカ大統領の写真が載っているとか宣伝していましたが、今でも本屋にあるかどうか確認していません(なかったらごめんなさい)。



司馬遼太郎と「ウラル・アルタイ語族」etc

佐藤和美 (2001/06/03 10:12)

私は司馬遼太郎のファンなんですが、司馬遼太郎の本を読んでると、ときどき「ウラル・アルタイ語族」っていう言葉が出てきます。司馬遼太郎は学徒出陣した人ですが、その頃の大阪外国語大学では「ウラル・アルタイ語族」で教えてたんでしょうね。その後、死ぬまで「ウラル・アルタイ語族」を使ってたようです。多くの人に読まれてた人だから、司馬遼太郎の本で「ウラル・アルタイ語族」っていう言葉を覚えた人も多いかもしれません。(私もその一人でした。(^^);)

司馬遼太郎は大野晋の説(日本語とドラビダ語が同系だという説)も信じてたみたいですね。

『菜の花の沖』のあとがきだったかに、「ニシン」の語源はアイヌ語だって書いてあったけど、アイヌ語に「ニシン」なんて単語はないのでありました。(^^);

今でも司馬遼太郎ファンの佐藤でした。



佐藤和美さん、ありがとう。

tobermory (2001/06/03 08:23)

 佐藤和美さん、ありがとうございます。
 DREAMの語源。石の名前では無かったんですね。私は鉱石が好きなので、以前に聞いたその説が本当だったらいいな。と思っていました。(だから、少し残念です)
 でも、本当のことがわかってよかったです。
 語源辞典、あると便利かもしれないな。と思いました。



RE:DREAM

佐藤和美 (2001/06/02 17:07)

「dream」の語源ですが、『英語語源辞典』、『英語語源小辞典』(研究社)からです。

古英語    dream (joy,dream)
ゲルマン祖語 *drau(3)maz(*drau(g)ma-) (dream)
印欧祖語   *dhreugh-(*dhreu-) (to deceive)

そういえば、「news」の語源が「north」、「east」、「west」、「south」のイニシャルだっていう説がありました。(俗説ですけど)



RE:言の葉

佐藤和美 (2001/06/02 12:57)

「言の葉」の語源です。
『日本国語大辞典』(小学館)からです。

1.コトノハ(言葉)の義[和訓栞]。
2.コトノハ(言端)の義か。或いはクチノハ(口端)か[大言海]。
3.ハはハナ(花)の反か。うつろいやすさをたとえたものか[名語記]。
4.コトノイヒ(言謂)の約。原語コトは語音をも、単語または文をも意味するので、言語という意を明示するために、コトノハ(言説)という語が用いられ、約してコトバというようになったものか[日本古語大辞典=松岡静雄]。
5.コトバ(語話)にNの諧音をはさんだコトンバの転[日本語原考=与謝野寛]。



【訂正と追記】RE^2:言語学が楽しいところ・科学では無いところ

田邉露影 (2001/06/02 12:04)

> 科学……まあ言語学はNDCによれば
> 大まかに区切ると
> 「社会科学」というやつなんですけど、

途中、どうやら削除してしまったらしいです。
> 科学……まあ言語学はNDCによれば「語学」、
> 本屋で大まかに区切ると
> 「社会科学」というやつなんですけど、

ご存じの通り、
こんな馬鹿馬鹿しいことを
本気で言っているわけではないのですが、
言語学がどの分野に属しているか、というと、
やはり科学には属していないのではないでしょうか。
(だからといって語学に属すのはやめて欲しいところですが)

ただ、そうすると
文化人類学も科学に属さない、ということに……(^_^;。



RE:『地名の世界地図』の元ネタについて

佐藤和美 (2001/06/02 09:31)

松茸さん
>直接参考にしたのか、たまたま同じ幽霊アイヌ語本を引いたのかは不明ですが、
>同系統のものであることは間違いないようですね。

『地名の世界地図』P108
「『飢餓海峡』の舞台となった岩内」

『地名の由来を知る事典』P235
「水上勉の小説『飢餓海峡』は、岩内を舞台にしている。」

私にはこれ↑はたんなる偶然には思えません。
(それとも50歳台くらいの人はだれでも「岩内」で『飢餓海峡』を連想する?)

『地名の由来を知る事典』P259
「幸福とよばれたあたりは、もとは幸震(さちない)とよばれていた。それは、地震をあらわすアイヌ語にもとづく地名だ。アイヌの人びとは、地震で荒らされた土地をそうよんだ。
明治二九年(1896)の文献に、はじめて幸震の地名が出てくる。それは、サチの音に「幸」をあて、「ナイ」を意訳して地震の「震」にする形でつくられた。」

武光誠という人はアイヌ語も知らないけど、日本語の古語の「なゐ」(地震)も知らなかったようですね。「なゐ」が地震だと知っていれば、アイヌ語「ナイ」(川)に「震」の字をあてたのも納得できるというものです。



狐の悠さん、ありがとう。

tobermory (2001/06/02 07:11)

 狐の悠さん、書き込みありがとうございます。
 DREAMの語源、やっぱりはっきりしたことはわからないみたいですね。
 鉱石に詳しい人に聞いた時にも、似たようなことを言われました。
 その時は、Aはアメジストではなく、アクアマリンじゃないかな? と言われましたが、やはり、はっきりとはわからないそうです。
 そもそも語源かどうかも判明してないですしね。
 今回は本当に、ありがとうございました。



タイのメナム川

大澤克巳 (2001/06/02 03:01)

私は今バンコクに住んでいます。
小学校や中学校でタイのメナム川と教わってましたがそれは真っ赤な嘘でした。
チャオプラヤー川が正解です。最近の教科書では変わりましたか?
ちなみに「メナム」は川の意味です。誰が書いた教科書やねん?



RE^2:言語学が楽しいところ・科学では無いところ

田邉露影 (2001/06/02 00:20)

>nupkesさん
とりあえず、
私はなにも「比較言語学」だけに焦点を絞って
科学ではないと言っているわけではありませんので、
その辺はご了承下さいませ。


> わたくしは「言語学は科学」だ〈かつてそんな題目の書籍がありましたがと
> 信じてやっています。いや、やっていました。
> 言語学は、科学から離れては、
> 単なる語呂合わせであり、検証不可能となります。
> とはいえ、「科学」の定義はいかに、との問題もあります。

科学……まあ言語学はNDCによれば
大まかに区切ると
「社会科学」というやつなんですけど、
私が想定したのは
生物の進化だとか退化だとか
「物理法則」だとかをやる
「科学」のことです。

これ以上混乱を招くのもこまりますので
とりあえず言語学は
上で述べたような種の学問ではない、ということに
私の発言を軌道修正しておきましょう。


nupkesさんが言語学に携わっていた方なのならば
比較言語学で想定したことが
必ずしも予想通りの結果になっていないことは
ご存じでしょう。

例外が羅列されている法則……、
その例外をフォローするための法則の例外……。

本当に言語学が科学ならば
なぜ我々は「西ゲルマン語派」が
本当に存在していたか?なんてことを
いまだに議論しなければならないのでしょうか?
(cf. Friedrich Maurer, Ernst Schwarz, H.L.Kufner)

最近は伝統的な用語や系統樹説に関しても
様々な疑問の声が投げかけられています。

なぜこういった議論がシュライヒャー以来、
百余年と延々と繰り返されているのか?
結局、傾向はあっても証拠がないからです。
誰もタイムマシンを使って過去に戻ることは出来ないのです。

そうでなくても印欧語、ウラル語くらいしか、
徹底した比較言語学は花開いて(そして廃れて)はいません。

はっきり言って印欧語にしたって、
印欧祖語なんてビルを建設するために建てられた
いわば足場と一緒で、
実際にその足場を使って人々が歩いているなんてことは
まずないでしょう。

なにしろ、唯一の手がかりである古代の文献が
非常に少ないのですから。


私はそういう意味では
実験音響音声学や普遍文法理論というのは、
どうも好きになれません。

この辺は完全に私個人的な嗜好の問題なのですが、
言語学は抽象的な学問であり、
人の言葉はこういった抽象的な、
極端に言えば幻想空間の上に
成り立っている、という
私のスタンスからは、
どうも数値的なものやプログラム的なものという前提は
否定したくなってしまうのです。


> 比較言語学は、少なくとも証拠を探し、
> それを認められかが問題だったと思うのですが。
> それが、科学とは別であると言うのなら話は異なりますが。

すみません。
この部分、ちょっとおっしゃる意味がわかりません。



RE:言語学が楽しいところ・科学では無いところ

nupkes (2001/06/01 22:47)

人が、どのように喜びを感じるかは規定すべき事ではありませんので、各人のかってです。
わたくしは「言語学は科学」だ〈かつてそんな題目の書籍がありましたが〉と信じてやっています。いや、やっていました。
 言語学は、科学から離れては、単なる語呂合わせであり、検証不可能となります。
とはいえ、「科学」の定義はいかに、との問題もあります。
 比較言語学は、少なくとも証拠を探し、それを認められかが問題だったと思うのですが。
それが、科学とは別であると言うのなら話は異なりますが。
 とはいえ、どうでもいいことで、すべては無駄なことで、もう、この掲示板を見ることもないとおもいますので。
 ただ、わたくしは、「言語学は科学だ」と信じて自爆しましたので、最後にちょっと一言書きました。



言語学が楽しいところ・科学では無いところ

田邉露影 (2001/06/01 16:40)

>悠人さん
> バスク語はどこから来たのか?

たしか、不明です。

> 日本語とフィンランド語がウラルアルタイ語族としておおまかにでは
> あるが一つの語族に考えられる説があるのはどういう根拠からか?

根拠は文法に「ある程度」の共通性があるからですが、
最近では否定されています。

ここからは雑談ですが;
乱暴な言い方をさせていただくと
語学に興味を持ち始めた(あるいは持っている)
いわゆる「素人」の方は
ウラル・アルタイ説を
いまだに信じていらっしゃいますが、
まあ、実際に 100パーセント否定することも出来ないです。

はるか昔の言語は
テープレコーダーはもちろん、
文献も残っていないわけですから、
どうしても推論によって物事をとらえるしか
方法がなくなってしまう部分があります。

しかし、その推論の結果は数学ほど
精密に導くこともできないので、
結局のところ「本当はどうなの?」という問いに、
「さあ?」と答えるしかないという状況です。

……そういった抽象的な世界で、
「ここにはこういう傾向が、
もしかしたら隠されているんじゃないか?」
というのが言語学の楽しいところなんでしょうね。



文春新書

佐藤和美 (2001/06/01 12:07)

きのう、帰り際文春から電話があって来週水曜日に会うことになりました。
3回目ですね。
帰りの電車で隣に座っている人の新聞に「文春新書」、「盗用」の字が目につきました。

http://news.yahoo.co.jp/headlines/jij/010531/dom/20560600_jijdomx615.html
http://news.yahoo.co.jp/headlines/jij/010531/dom/18544800_jijdomx679.html
http://news.yahoo.co.jp/headlines/mai/010531/dom/18210000_maidomc027.html

文春も尻に火がついた?



悠人さん

ふる (2001/06/01 11:48)

はじめまして。

 フランス大西洋岸スペイン国境近くのガスコン語とバスク
語を入門書レベルで比べてみたことがあります。全然違いま
した。

 フィンランド語については「フィンランド」の語源の議論
の絡みで既出ですね。ヘルシンキで街の看板を見た限りの知
識ですが、語彙をみると母音で終わる単語(「osake」のよう
な)が多くその意味もドイツ語からは全く想像もつかなかった
りするのですが、語順は他の欧州語に近かったと思います。

 私は専門家でも何でもないのですが、たとえば、モンゴル
語で

「ビ モンゴル ヘル ソラ グチ バイ サン」
 私 モンゴル 語  学ん  で いま した

というぐらい語順がぴったりしているのが語族を括る上での
重要な条件だという気がします。



Re:DREAM

狐の悠 (2001/06/01 11:04)

ども、言葉遊びの好きな狐の悠です。

宝飾品で、それぞれの石の頭文字にメッセージを託すことがありますので、
その話が語源と混乱したんではないんでしょうか...
#"dream"と言う言葉の方が宝石よりも、更には文字よりも古いと思うのですが...
##あ、ほんとに語源だったらどうしよう。

咄嗟に思い付くのはこんな感じですね。
Diamond, Ruby, Emerald, Amethyst, Moonstone



言の葉

はたお (2001/06/01 10:23)

言の葉という語感が気に入ってますが、その語源がわかりません。
意味は辞書等で分かったのですが、どこでどのように発祥して、何時の時代から
言の葉が言葉に変わったのか、知りたくて書き込みしました。
どなたか教えてください。よろしくお願いします。



DREAM

tobermory (2001/06/01 10:02)

DREAM(夢)という言葉の語源が、宝石の名前に由来するらしい、という話を耳にしたことがあります。
Dはダイヤモンド、Rはルビー、Eはエメラルド、と言った感じです。
ちなみに、AとMはわかりません。
この説は本当でしょうか?
もし本当なら、AとMが何の宝石を意味するのか、どうして宝石の頭文字なのか知りたいです。
違うなら違うで、DREAMの語源は何ですか?
ぜひ、教えて下さい。



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