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女房がポックリ?

製作 松竹
1968. カラー
製作総指揮
プロデューサー
監督 山田洋次 
脚本 森崎東  山田洋次
撮影
音楽
美術
録音
照明
編集
スチール
製作主任
 
配役  
東 春海
西 一平
東ひとみ(春海の妻)
東 竜太(春海の息子)
東 芽理(春海の娘)
東 潔 (岳父) 
左 甚六(春海の同窓生)
北 五郎(音楽教師)
照子 (北の恋人)
南 博士(春海の主治医)
石田(南の助手)
看護婦
バー黒猫のマダム
女給マリ子
女中・玉枝
小泉(刑事)  
その他

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    女房がポックリ?  略筋   (池田博明記)

 以下の略筋は、「シナリオ」1968年12月号に発表されたシナリオに基づく。

 山田洋次が製作ノートを寄せている。


  「空想のリアリティ」とは?    山田 洋次

 主人公が様々な空想のイメエジを展開するという作品はよくあるが、そのイメエジが強いリアリティをもってせまるということは、はるかに難しいものである。空想故にリアリティがなくてもかまわない、という考え方には誤りがある。空想が現実離れしている故に面白い、ということは、日常的なリアリティに拘束されぬことによってより適確に真実を捉え得ることの面白さなのである。しかしひるがえって考えれば、映画そのものが空想の所産であって見れば、これは芸術における真実とは何かという一般的な問題にたち帰ることにもなり、“空想のリアリティ”などという大袈裟な命題は結局ひどく当たり前な、語るに落ちることになりそうだ。
 この作品の映画化については、可成りの特殊撮影が必要なので現在テストを進行中である。殊に、シーンによってカメラの回転数を変化させる、或いはワンカットの中で回転数を変え、音の方もその回転数に同調させる為の機械的な処理は思った程簡単ではないようである。その他、ソラリゼーション、マルチスクリーン、等のテストが完了するのに今年一杯はかかりそうだ。脚本もそのテストの状況に合わせて少しずつ改めているので掲載のものはあむまで第一稿である。尚、主人公は日本で第一級のコメディアンでなければならないと考えている。