順位 |
歌 |
歌 手 |
作 詞 者 |
作 曲 者 |
1 |
なごり雪 |
イルカ |
伊勢正三 |
伊勢正三 |
歌詞が美しい。語る言葉がのぼり調子に変わってゆく過程が見事である。“去年よりずっときれいになった”という繰り返しも美しい。 |
2 |
夕 立 (1982年映像) |
井上陽水 |
井上陽水 |
井上陽水 |
追い立てられるような切迫感がたまらない。「青空ひとりきり」など『二色の独楽』に納められたどの曲も好き。 |
3 |
綱 渡 り |
山アハコ |
山アハコ |
山アハコ |
LP『綱渡り』は名作だった。孤独な,孤立した心の歌。連帯?知らないよというパセティックな響きが心を打つ。
渡哲也が映画『無頼』シリーズの主題歌として歌った「無頼」(歌詞が問題になり発禁)や、
北海道大学でよく歌われていた「水産放浪歌」を高吟していたころ、もうひとつの心の歌だった。 |
4 |
舟 唄 |
八代亜紀 |
阿久 悠 |
浜圭介 |
「お酒はぬるめの癇がいい」という決め付けが素晴らしい。勝新も八代亜紀が大好きだったらしい。
勝新のカルトTVドラマ『警視K』には「雨の慕情」がBGMとしてしょっちゅう流れていた。「舟唄」は大傑作。
阿久悠作詞は『ざんげの値打ちもない』(北原ミレイ歌)が鬼気迫る。なかにし礼作詞・浜圭介作曲の『石狩挽歌』(北原ミレイの歌唱のほか八代亜紀歌唱もある)も素晴らしい。 |
5 |
しあわせ芝居 (1980年映像) |
桜田淳子 |
中島みゆき |
中島みゆき |
「わたし,みんな気付いてしまった。しあわせ芝居の舞台裏」という認識は,新しい哲学である。
中島みゆき=桜田淳子には「追いかけてヨコハマ」という佳曲もありました。みゆきは淳子に「20才になれば」「化粧」も提供している。中島みゆき自身の歌唱「しあわせ芝居」もある。
このときは桜田淳子の歌マネを披露している。そっくり! 中島みゆきは中学時代に隣りのクラスに転校してきました。3年生の途中に再び転校して去っていきました。「時代」は
せつない佳曲です。 |
6 |
聖母たちのララバイ |
岩崎宏美 |
山川啓介 |
木森敏之,John Scott |
岩崎宏美ほど歌のうまい歌手は他にいない。「思秋期」「ロマンス(1975年紅白映像)」なども傑作。 |
7 |
愚 図 |
研 ナオコ |
阿木耀子 |
宇崎竜童 |
阿木・宇崎コンビには『横須賀ストーリー』など山口百恵の歌った名曲があるが,女シラノを歌った研ナオコの「愚図」はせつない佳曲である。
研ナオコには「あばよ」(中島みゆき作詞作曲)もある。 |
8 |
石狩挽歌 |
なかにし礼 |
浜圭介 |
北原ミレイ |
荒涼としたニシン御殿が眼前に浮かぶ。オンボロロ、オンボロボロロという歌詞が凄絶。北原ミレイでは「ざんげの値打もない」も凄絶な歌だが、「石狩挽歌」は歴史につながった。多くの女性歌手がカバーしている |
9 |
風 |
シューベルツ |
北山修 |
端田宣彦 |
北山修がビートルズのジョン・レノンのように見えていた時期があった。なぜなら彼の書く詩は時代を捉えていたからだ。「悲しくてやりきれない」「あの素晴らしい愛をもういちど」など。「風」はフォーク・クルセィダーズが解散した直後のヒットだったが,後ろをふりかえってもただ風が吹いているだけという虚無的な風景には真実があった。
聞き直してみると、二番を歌う井上博(1970年に逝去)の音程の微妙なハズレ方は真似できないほど味わい深い。その後、たまの「さよなら人類」まで、
個人的に注目したバンドはいない。 |
10 |
浅草の唄 |
藤山一郎 |
サトウハチロー |
万城目正 |
森崎東監督の傑作映画『喜劇・女売り出します』(松竹)で,
浅草を背景に流れる印象的な歌。昭和22年のヒット曲で,一節に「強いばかりが男じゃないと、いつか教えてくれた人」という歌詞がある。 |
11 |
ひこうき雲 1976年TVライブ |
荒井由実 |
荒井由実 |
荒井由実 |
シンガー・ソング・ライターのファースト・アルバムにはそのひとの人生の思いのたけが表現される。
ユーミンの『ひこうき雲』は素晴らしいアルバムだ。NHKで「MASTER TAPE」と題したこのアルバムができるまでを振り返る番組があった。 バックに、はっぴい・えんどが協力している。ユーミンのこのアルバムは最初で最高。
ファーストアルバムとしては、山崎ハコの『飛びます』も中島みゆきの『私の声が聞こえますか』も素晴らしい。 |
12 |
ええねん |
ウルフルズ |
トータス松本 |
トータス松本 |
すべてを肯定する勢いのよさがある。ビートルズの『イエロー・サブマリン』では、「NO」の国が「YES」の国に変わることが主題だった。それと共通する精神がある。NHKの「サラリーマンNEO」のテーマソングに採用された。 |
13 |
ありがとう |
いきものがかり |
水野良樹 |
水野良樹 |
NHKの朝の連続TVドラマ『ゲゲゲの女房』の主題歌。
ボーカリスト(吉岡聖恵)の声の伸びも詞と曲のセンスも突出して優れていた。2011年ウィーン少年合唱団の公演レパートリーに「YALLE」と共に取り込まれていた(公演は東日本大災害で中止)。さすがウィーン。 |
14 |
イジメ、ダメ、ゼッタイ |
BABYMETAL |
NAKAMETAL・TSUBOMETAL |
KxBxMETAL・TSUBOMETAL・TAKEMETAL |
こんな歌詞が歌になるのかという驚き。歌詞に表現された精神性は斬新で本質的。「メギツネ」の日本音階との融合、「ギミチョコ!!」の日本語の響きなど既に現代音楽。ダンス・パフォーマンスは新鮮。 |