圧縮天然ガス(CNG)バス


圧縮天然ガス(Compressed Natural Gas:以降CNGと記します)バスは、高圧で圧縮された天然ガスを燃料として用いるバスです。燃焼の過程で窒素酸化物を殆ど放出しないことから、低公害性に優れたバスとして1990年代後半から大都市のバスを中心に普及していきました。

環境への影響が非常に少ない車両として注目度は高かったのですが、圧縮天然ガスを充填するための専用設備が必要であること、市販されているディーゼルエンジンのバスからの改造費が高くつくこと、1回の充填で走行可能な距離がディーゼルエンジン車と比べて短いことが問題として挙げられます。また、CNGノンステップ車が発売されるまでは、ガスボンベを配置するスペースの都合上低床化が難しく、バリアフリーへの対応が遅れたという問題も抱えていました。

ちなみに、日野自動車ではツーステップタイプのCNGバスは発売されていませんでした。


日産ディーゼル

 CNGバスを日本国内で最初に発売したメーカーで、1995年初めごろにCNG改造バスが導入されました。

その後1996年に量産モデルが発売され、1998年頃からエンジン出力が強化されました。2000年には富士重工車体のモデルチェンジに伴いエンジンが改良されましたが、量産モデルの設定が廃止され、交通バリアフリー法施行に伴いCNGノンステップバスの普及が進み、富士重工のバス車体製造撤退による影響から、現在ではツーステップタイプのモデルを新規に発売することは原則なくなっています。

CNGツーステップ車は富士重工車体を架装したものがほとんどで、西日本車体を架装したものは関西や九州向けに僅かに生産されるにとどまりました。


いすゞ

日産ディーゼルから少々遅れて、1996年頃からCNGに対応したバスを発売するようになりました。V8気筒のエンジンを使用していることから、他のバスと比べて走行音に重量感があるのが特徴です。

1990年代に発売されたCNGバスでは量産モデルが設定されていましたが、2000年にエルガ(大型車)・エルガミオ(中型車)としてフルモデルチェンジが行われると、量産モデルの設定はなくなり、日産ディーゼルと同様、現在では原則ツーステップ車の製造は中止されています。


三菱ふそう

日産ディーゼル、いすゞのCNGバス発売から約2年後の1998年に、三菱ふそうはCNG車をニューエアロスターのディーゼルエンジンモデルからの改造車として発売するようになりました。

しかし、当時量産モデルを発売していた日産ディーゼルやいすゞと比べると価格が高くついたのか、ツーステップタイプのCNG車は東京、京都、大阪の一部のバス事業者にしか普及せず、希少価値の高い車種となりました。


(導入事例)

地域 バス会社 更新日
関東 東京都交通局 2009.03.01更新
横浜市交通局 2009.05.06更新
川崎市交通局 2008.03.15開設
中部 富士急行グループ 2009.06.13更新
  以降準備整い次第掲載予定  

 


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