第1部:資本の生産過程

第3篇:絶対的剰余価値の生産

第9章
剰余価値の率と総量



この章では、これまでの剰余価値をめぐる考察から導きだされる、剰余価値率と剰余価値総量とあいだのいくつかの法則的関連が指摘され、次章以降の新たな考察をすすめるうえでの基礎がすえられる。

第1の法則

生産される剰余価値の総量は、前貸しされる可変資本の大きさに剰余価値率を掛けたものに等しい。あるいは、同じ資本家によって同時に搾取される労働力の総数と個々の労働力の搾取度との複比によって規定される。……それゆえ、一定総量の剰余価値の生産では、ある要因の減少が別の要因の増加によって埋め合わされることがありうる。[321-2]

第2の法則

本来24時間よりもつねに短いものである平均労働日の絶対的制限は、剰余価値率の上昇による可変資本削減の埋め合わせにたいする、または労働力搾取度の引き上げによる被搾取労働者総数の削減の埋め合わせにたいする、絶対的制限をなしている。[323]

第3の法則

相異なる諸資本によって生産される価値および剰余価値の総量は、労働力の価値が与えられており、労働力の搾取度が等しい大きさであるならば、これらの資本の可変的構成部分の大きさに、すなわち、生きた労働力に転換される資本構成部分の大きさに、正比例する。[325]



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