葉っぱのマジックテープ

対象年齢:小学生未満からOK。
       小さい子は,さいしょだけ,おとなの人が教えてあげましょう。


 これは,むかしのこどものあそびです。おとなのひとでも,しらないかもね!

 ……春は野の草花で遊ぶのが楽しい季節。道ばたや空き地など,どこにでも生えている身近な草だったら,「自然保護のために大切にとっておかなくては!」という気づかいもなく,いっぱい遊べます。そんな野草遊びの中から,ひとつ,紹介しましょう……

【よういするもの】
・ヤエムグラか,そのなかまの葉っぱをさがしましょう。
 ↓これです……


【観察しよう】
 では,これを1本とって,ようふくにペタリ。
 いろんなところにくっつけて,あそぼう!

(ここからさきは,ちょっとくわしい説明。おとなの人によんでもらってね。)

……生地の目のこまかい服だと,ちょっとくっつきにくいですが,ニットなら大丈夫でしょう。
 ヤエムグラの仲間……アカネ科の草は,葉っぱのつき方に特徴があります。茎から放射状に葉っぱが出ているのが,上の画像でもわかると思います。そこで,この葉っぱの部分を残して,上下の茎を切り取って,服に貼りつけると,ワッペンかバッジのように見えます。昔の子供たちは,これを「勲章」だと言って遊んだのですが,今の子供たちには何に見えるでしょうか?

 ↓トレーナーにくっつけてみました。左側のが「勲章」です。


【でも,どうして?】(もうちょっとくわしい説明)
 ヤエムグラの仲間は,茎や葉に,こまかい毛が生えています。「毛」と言うよりも,「とげ」と言ったほうがいいくらい,しっかりしたものです。この毛が,マジックテープのような役割をしてくれるのです。
 秋の野には,オナモミやアメリカセンダングサなど,マジックテープのようにくっつく実が,いろいろ見つかります。これは実を人の衣服や動物の毛にくっつけて,遠くまで運ぶためのものですから,ヤエムグラの葉っぱよりも,ずっと強力なものです。ヤエムグラの葉っぱの毛は,このような目的を持っていませんから,それほどしっかりと服にくっつくことはありません。それが,子供達の草花遊びには,ちょうど良かったりしますね(笑)。


   これが「マジックテープ」の正体だ!
   実体顕微鏡で観察してみました。
   しっかり,フック状になってますね。



【もう少し観察してみよう】
 ヤエムグラの仲間は,身近な場所にもたくさんあります。ここで紹介したヤエムグラはもちろん,ハナムグラやヨツバムグラなど,同じように遊べると思いますから,お試しください。また,東京近郊でも,ちょっと丘陵地帯に行けば,アカネもよく見かけます。アカネは名前の通り,赤い染料に用いる植物で,アカネの根を乾燥させたものが,草木染めなどの材料を扱っているお店で売られています。
 こんな身近にアカネの仲間が生えている,と言うのも,ちょっとした発見かもしれません。

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