森のネイルサロン

対象年齢:小学生未満からOK。小さい子は,おとなの人といっしょにね。


 ネイルサロンで,あなたの爪(つめ)をおしゃれに,きれいにします。
 ネイルサロンの場所は,近くの森や林です。
 森の中にあるもので,指先を,ちょっとおしゃれにしてみましょう。


【用意するもの】
 材料は,森の中にあるものです。シラカシの葉とムクノキの葉をさがしましょう。ムクノキもシラカシも,公園にはえていることの多い木ですから,近くの公園でさがしてみてもいいでしょう。


 左の2枚がシラカシ。右の2枚がムクノキの落ち葉です。シラカシは,秋にドングリをたくさん落とす,常緑樹(じょうりょくじゅ)で,ほかのカシのなかまにくらべると,葉っぱの裏が白っぽく見えます。ムクノキは秋になると葉を落とす落葉樹(らくようじゅ)。ケヤキににた形の葉ですが,指で葉をこすると,ザラザラしています。


【やってみよう】
 まず,ムクノキの葉っぱを使って,爪をこすってみがきます。


 モデルさんが良くありませんが……(^^ゞ
 爪にすじが見えたり,でこぼこしていますね。


 ムクノキの葉でゴシゴシこすると,こまかい粉が出てきます。
 紙ヤスリでみがいているのと,同じですね。

 次に,シラカシの葉っぱの裏で,ていねいにみがきます。


 ほら,すっきり,きれいになりました。

 女の子だったら,赤い花びらを使って,マニキュアみたいに色をつけても楽しいですね。


【でも,どうして?】……ちょっとくわしい説明……

 40代以上(50代以上かな?)の年代の人なら,トクサで爪を磨いたり,ホウセンカの花で爪を染めたりして遊んだ経験のある人は多いと思います。この実験では,トクサの代わりにムクノキの葉を利用しました。ムクノキの葉もトクサも,表面にケイ酸塩を含み,紙ヤスリのような効果があります。ムクノキのほうが目が細かいので,仕上がりが良いようです。それに,ムクノキの葉は公園や林で手に入りやすいので,すぐに遊べます。
 実際,ムクノキの葉は,木工製品の仕上げなどにも利用されていたようです。

 ヤスリで磨いただけでは,あまり爪に艶が出ないので,シラカシを利用してみました。シラカシの葉の裏の白さは,蝋(ろう)が多いためで,これを利用して,爪に艶を出していたのです。



 シラカシの葉を,ライターやマッチの炎で,少しあぶってみると,左側のように,蝋が溶けて,少しテカテカしてきます(右の葉は,あぶる前の状態です)。蝋は分子量の大きい脂質で,葉を保護する役目もあるようです。
 植物が蝋を作る例は,身近なところでは,リンゴの表皮などでもみられます。リンゴを柔らかい布でこすると,ワックスをかけたようにピカピカになります。また,和ろうそくの材料となるハゼノキも,けっこう身近な場所に生えています。但し,ハゼノキはウルシの仲間で,ウルシと同じ「かぶれ」の成分(ウルシオール)も持っていますので,むやみに触らないほうが安全です(ウルシオールに感作している人は,ハゼノキの近くを通るだけで過敏症を起こす危険があります)。


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