ビーだま顕微鏡(けんびきょう)

対象年齢:小学校低学年以上。
       おとなの人が手伝えば,小学生未満からOK。


 虫めがねって,ふくらんだガラス(とつレンズ)で,できていますね。
 まるくふくらんだガラスはレンズになる……だったら,ビーだまでも,虫めがねみたいに,ものが大きく見えるんじゃないかな?……ホントに大きく見えるんです。むかし,レーベンフックという人が発明した顕微鏡(けんびきょう)は,ほんとうに,小さなガラス玉でつくったものでした。
 さぁ,ビーだまをつかって,レーベンフックの顕微鏡を作ってみましょう!

【用意するもの】
・ビーだま。できるだけ透明(とうめい)で,キズやゴミの見えないものがいい。小さい玉ほど,倍率(ばいりつ)の高い(=大きく見える)顕微鏡が作れます。
・ボール紙や画用紙(がようし),コピー用紙など,厚さのちがう紙を何種類か。
・ハサミまたはカッター,のりまたはテープ。

【作ってみよう】
 ビーだまは,こんなのがいいでしょう。


 まず,ピントの合うばしょをさがしておきます。


 どんなものでもいいんですが,そこいらにあった,スーパーのチラシ。
 ビーだまに目を近づけて,ビーだまの中をのぞきこみます。このチラシの字がうんと大きく,ハッキリ見えるまで,チラシをビーだまに,ゆっくりと近づけてゆきます。


 このビーだまは,玉から2mmぐらいのところで,ピントが合いました。

 そこで,こんな材料で顕微鏡を作ります。


 白いのはダンボールにパンチで穴をあけたもの。
 これにビーだまをのっけると,穴のむこうがわまで,ちょうど2mmぐらいになるので,観察したいものをダンボールにぴったりとくっつければ,ピントが合うわけ。黒いのは,ビーだまをおさえるための紙。


こんなふうにビーだまをのっけて,


黒い紙をテープでとめて,できあがり!

 これでも顕微鏡なんです!


 ホントにちゃんと見えるのか,標本(ひょうほん)を作って,観察してみます。


 コピー用紙にバラの「おしべ」をセロハンテープではったもの。
 これを,顕微鏡にぴったりくっつけて,標本のうしろから,光をあてて観察します。


 おしべがこんなに大きく見えてきました。
 デジカメではあまりうまく撮影できませんが,目で見ると,もっとハッキリ見えます。

 こんなちっちゃな顕微鏡なら,ポケットに入れて,どこでも観察できそうですね。
 作りかた,使いかたをくふうして,いろいろと遊んでみてください。


【もう少し観察してみよう】(ちょっとくわしい説明)
 「レーベンフックの顕微鏡」は,身近な科学遊びの定番です。理科教室などでは,ガラス棒を火であぶって溶かして,小さなガラス球を作るところから実習することも多いのですが,家庭で手軽にやるなら,ビー球が便利です。ビー球はオリジナルのレーベンフックの顕微鏡に使うガラス球よりも大きいので,あまり倍率が高くなりません。そのかわり,視野が広く,ピント位置が出しやすく,アイポイント……レンズの最後面と目玉までの距離……が長くなり,全体として使いやすいものになります。
 ビー球顕微鏡は,倍率は20倍前後ですが,それでも,虫眼鏡で観察するのとは,ひと味もふた味も違う,大迫力の拡大像が得られます。大人でも遊べるオモチャですから,大人の人も,いろいろと知恵を絞って,面白い顕微鏡に仕上げてみては,いかがでしょうか。

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