双眼鏡で太陽黒点の観察をしよう

対象年齢:小学校高学年以上。
       おとながデモンストレーションするなら,小学校低学年からOK。


 太陽の表面には黒点があって,黒点の数は11年周期で増えたり減ったりして……
と言うことを,学校で習った(これから習う?)と思います(中学校で習います)。
 でも,ほんものの黒点を見たことありますか?
 双眼鏡があれば,意外とかんたんに観察できます。
 もちろん,望遠鏡があれば,もっとよく見えます。
 野鳥観察用の地上用望遠鏡でもOK。
 2000〜2001年頃,太陽黒点数がいちばん増える時期になりますから,ここしばらくは,黒点の数が多く,観察しやすいと思います。チャレンジしてみてください。

【用意するもの】
 望遠鏡や双眼鏡。オペラグラスはダメ。
 倍率は7倍以上あれば,大丈夫でしょう。
 60倍以上になると,太陽がはみ出してしまうかもしれません。
 双眼鏡や望遠鏡を固定する道具が必要です。
 カメラ用三脚がいいでしょう。
 白い紙……これをスクリーンとして使います。できれば,やや厚い紙がいい。

【観察しよう】
 「投影法(とうえいほう)」で観察します。
 ☆絶対に太陽を直接見てはいけません。

 望遠鏡や双眼鏡を太陽のほうに向けるときは,望遠鏡や双眼鏡の影を見て,影がいちばん小さくなるようにします。このとき,望遠鏡/双眼鏡のすぐうしろに白い紙を置くと,望遠鏡/双眼鏡がとらえた太陽の像が,紙にうつります。紙を少し遠くにはなすと,像は大きくなりますが,暗くなります。適当な大きさに像を結ぶ位置で,望遠鏡/双眼鏡のピントを合わせます。
 さて,黒点は見えるでしょうか?

 「8×20」(対物レンズの口径20mm,倍率8倍)ぐらいの小さな双眼鏡でも,おもな黒点は観察できます。最近では,野鳥観察用の望遠鏡も高性能になっているので,天体望遠鏡と変わらないくらい,すばらしい像を見せてくれるものもあります。そのような望遠鏡を使えば,太陽表面のあばたもよう……米粒斑(べいりゅうはん)またはは粒状斑(りゅうじょうはん)といいます……や,より明るく見える「白斑(はくはん)」,運が良ければ太陽表面の爆発現象である「フレア」なども見ることができます。

 ただし,双眼鏡や野鳥観察用の望遠鏡には,接着剤でレンズを貼り合わせているものが少なくありません。あまり長い時間,太陽を観察していると,レンズの貼り合わせがはがれることがあるので,1回の観察は,10〜20分間ぐらいにしておいたほうがいいでしょう。

口径5cmの地上用望遠鏡(倍率20倍)で太陽を投影してみました。
横から撮影しているので,写真の太陽は丸く写っていません。
気流が不安定でしたが,大きな黒点がいくつか見えます。



【もう少し観察してみよう】(ちょっとくわしい説明)
 この観察方法で,気軽に部分日食の観察もできます。欠けた太陽が投影できます。投影した像を,カメラで撮影すれば,ふつうのコンパクトカメラでも,黒点や日食の記録写真が撮れます。
 「投影法」は,太陽以外の明るい天体にも使えます。満月をスクリーンに投影することもできます。金星も,単位面積あたりの明るさは満月以上ですから,望遠鏡を使えば投影できるはずです。興味のある人はチャレンジしてみてください。

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