虫を釣って遊ぼうよ

対象年齢:小学校低学年以上。おとながちょっと教えてあげれば,すぐにできます。
       こうした遊びの経験のないおとなの人は,まず,自分たちで遊んでみて,
       それから子供たちに紹介してください。
       「あえて」おとな向きの文章で紹介します。


 昔の子供の遊びを1つ,紹介しましょう。
 ハンミョウ釣りです。
 そんなに有名な遊びじゃないと思います。……と言うのも,年配の方でも,知らない人がけっこう居るんです。
 昔の遊びだから,道具はほとんど要らないし,簡単で,でも,ちょっとコツがいる。
 …そこがいいんです。

【用意するもの】
 固い土のある広場。最近,そういう場所,少ないから,がんばって探してみてね。
 季節は春から初夏がいいでしょう。天気の良い日の日当たりの良い場所がベスト。
 細い草の茎などが必要ですが,これは「現地調達」で。

【やってみよう】
 まず,これを見るけるところから。

ハンミョウの幼虫がいる穴。穴のまわりがきれいなので,アリの穴(穴の回りに土が盛り上がっている)などと間違えることはないと思います。大きさは,ハンミョウの種類によって違いますが,トウキョウヒメハンミョウだと直径2mm以下,ハンミョウだと,もう少し大きめです。
 これが見つかったら,「釣り道具」を作ります。穴に入る太さで,数cmの長さがあれば何でもいいんですが,細い草などでOK。私は子供の頃から,スズメノカタビラの茎を愛用(笑)しています。
 こいつを穴に入れてみます。


 こんな感じ。

 しばらくすると,中の幼虫が,葉っぱをどけようとして,葉っぱをくわえて持ち上げてきます。
 そのときに,さっと葉っぱを引き抜くと,虫が釣れると言うわけ。


 こんな虫が釣れます。これはハンミョウの幼虫。
 あ,虫の嫌いな人,ごめんなさーい。

【もう少し観察してみよう】(ちょっとくわしい説明)
 ハンミョウの幼虫は,固い土の地面に小さな巣穴を掘って,その中で,地面を歩いている虫を待ち伏せしているのです。天気の良い日には,穴の入り口に顔を出している幼虫も見られます。彼らは動くものにはけっこう反応してしまうので,顔を出しているハンミョウの幼虫を見つけたら,草などを近くで動かしてみると,飛びついてくることがあります。ルアーフィッシングみたいですね(笑)。
 ハンミョウの成虫は,足のやや長い,身軽な甲虫です。羽の色もなかなかきれい。幼虫も成虫も肉食性で,昆虫などを餌にしています。

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