R0MIR-1 の操作法


● (FUROKU.65) R0MIR-1 の操作法 (1998年 5月20日)
 -----------------------------------------------

             --------------------
              R0MIR-1 の操作法
             --------------------


      WA6LIE / Scott Avery:著   JE9PEL/1 脇田美根夫:訳



 MIRスペース・ステーションは現在、地球上を約1万7千マイル/h(2万7千3百km/h)
 の速度で、一周95分で周回しています。MIRは移動体であるということと、これ
 に関係している無線の周波数とから、ドップラー偏移の修正が必要となります。

 2メーター(144MHz)帯において、ドップラーは、頭上(仰角90度)を通過する軌道
 では、最大3.5KHzあります。水平線上の仰角10度の軌道では、ドップラーは最小
 で、約1KHzです。このことは、、パケット・パーソナル・ブレティン・ボードを
 操作するときは、大変、重要な要素となります。これが、パケットが誤解される
 かもしれない理由です。ここで、貴局の試みが成功するように、いくつかの項目
 をあげます。


 1.ロケーション

 もし、あなたが信号を送受信することが難しい悪いロケーションにいるならば、
 操作できる衛星の数に制限があるかもしれません。1/4波長 単一 2メーターGPを
 研究したくなるでしょう。このアンテナは、良い視界のローブがあります。もし
 あなたが水平線上にクリアーであるならば、そうなります。しかし、ドップラー
 とアンテナの型は、あなたにとって不都合でしょう。

 操作している平均的なHAM局は、50ワット機であると言われていて、Jポールアン
 テナは、水平線上仰角約20度の軌道のMIRにおいては、大きな利点があります!
 ドップラーは、実際上考慮せず、アンテナパターンは水平線上仰角20度か、少し
 上が理想です! ほとんどの無線機は動作しますし、それに周波数の修正は必要
 ありません。UHF(430MHz)帯上のドップラーは約10KHzありますので、ドップラー
 偏移の補償が必要となります! SAFEXやどのUHF衛星の運用に対しても、それは
 必要です。
 注: SAFEXは、これを書いている段階では運用されていません。


 2.追尾

 あなたのエリアにMIRがいつ、どこに現れるかを知るために、衛星追尾ソフトが
 必要です。インターネット上に、利用できるたくさんの追尾ソフトがあります。
 私は、STSPLUS というソフトを12年以上も使っています。MIRと他の衛星のケプ
 ラー要素の情報は、毎週2回更新され、ローカルBBSで見つけることができます。


 3.周波数

 周波数は、145.985MHzのシンプレックス帯です。(1200ボー・パケット, 音声)


 4.パケットの方法

 もし、あなたがパケットの接続やメールボックスに慣れていないならば、MIRを
 運用する前にまず、地上で実験をしておきなさい。 MIR内のTNCは、Kantronics
 の KPC-9612 v8.1 で、1200ボーのみで運用されています。ここで、R0MIR-1 で
 Help(H)コマンドを使って得られる HELP を次に示します。

  B(ye)         PBBS WILL DISCONNECT
  E(dit) n [BPTYNFH] [>tocall] [ call    LIST MESSAGES FROM OR TO CALL
  LB            LIST BULLETINS
  LC [cat]      LIST CATEGORIES
  LL n          LIST LAST n MESSAGES
  LM(ine)       LIST UNREAD MESSAGES ADDRESSED TO YOU
  LO [+|-]      LISTING ORDER
  LT            LIST TRAFFIC
  LTn           DISPLAY LOCATION TEXT n=1-4
  K(ill) n      DELETE MESSAGE NUMBER n
  KM(ine)       DELETE ALL READ MESSAGES ADDRESSED TO YOU
  R(ead) n      DISPLAY MESSAGE NUMBER n
  RH n          DISPLAY MESSAGE n WITH HEADERS
  RM(ine)       READ ALL MESSAGES ADDRESSED TO YOU
  S(end) call   SEND MESSAGE TO callsign
  S[B|P|T] call SEND BULLETIN, PRIVATE, or TRAFFIC

 MIR上で、Helpコマンドを使わないで下さい。これは、ほどんどのTNCの標準なの
 で、他局によるMIRの使用を制限してしまいます。 R0MIR-1 に、一度にコネクト
 できるのは、1ユーザーのみなのです。


 5.準備

 もし、(MIR)乗組員にメッセージを送信したければ、メッセージファイルを用意
 しなさい! 送信する前に、私はいつも R0MIR宛てのメッセージを作成しておき
 ます。私の KPC-9612 のメールボックス上で、「SP R0MIR@MIR」 としてから、
 標題とそのメッセージを書き込みます。

 MIRが可視範囲にあって、メールボックスが使われていない時、私はメッセージ
 を転送(forward)します。私のTNCがMIRのTNCに作用して転送処理を行ないます。
 この処理は相当に速いです! 私は 3.7Kの情報を1分以内で送信しました。これ
 には、コネクトからディスコネクトまでの時間を含んでいます。ある局へメール
 を転送する方法については、あなたのTNCのユーザーズ・マニュアルを調べてみ
 て下さい。

 MIRのパーソナル・メールボックスへの通りを悪くするようなメッセージを送信
 することはしないで下さい。 第三者との通信は許されません。もし、あなたが
 それをしようとすると、次のような応答が返ってくるでしょう。

   − MESSAGES MUST BE ADDRESSED TO THIS STATION.


 6.礼儀

 すでに某局が R0MIR-1 にコネクトしているときは、コネクトしようとしないで
 下さい。あなたは、R0MIR-1 **BUSY という応答を得るでしょう。これを得たと
 きは、他局がコネクトしている間はコネクトを試みないで下さい。これをすると
 他局を混乱させ、混信させてしまい、そのユーザーがディスコネクトする前に終
 えるのに長い時間が掛かってしまいます。 MIRへのあなたのコネクトで混信して
 いる他局が好きですか?

 R0MIR-1 から、コネクトしている局への Dフレームを探して下さい。MCOM ON を
 使用していると、これらのパケットの全てを見ることができます。私のKPC-9612
 では、次のように表示されます。

  R0MIR-1>WA6LIE/1 [05/13/98 22:18:04]: <(D)>:

 うまくこれを見れば、ユーザーの R0MIR-1 へディスコネクトが送信されたので
 次のコネクトに対する準備ができたことになります。
 ---------------------


 R0MIR

 これは、MIRのコールサインです。これは、QSLカード請求のためのクレジットを
 除き、MIRを操作することに意味がありません。キーボードの前には、誰もいな
 いのです。
 ---------------------


 アメリカ、そしてヨーロッパを除く全地域の QSL請求は下記へ。

  Dr. Dave Larsen - N6CO/K6MIR
  POB 1501
  Pine Grove, California
  95665
  USA

 SASE(ビジネスサイズの封筒)と、1枚の国際返信切手券(IRC)を同封して下さい。
 もし IRCを送っていただけるならば、1年以上たった日付のIRCは郵便局が受領し
 ないので、必ず 1998 と日付をつけて下さい。割増料金をカバーしているため、
 アメリカの局からの "Green Stamps" を歓迎します。
 ----------------------------------


 もし、何か疑問点があれば、私宛てにご連絡下さい!

 73, Scott

 E-Mail: wa6lie@juno.com
 Packet: wa6lie@wa6lie.#wcca.ca.usa.noam
 URL   : http://www.juno.com


 《訳者注》

 上記の解説中にあるように、基本的に R0MIR-1 は、第三者に絡む個人局宛ての
 メールや、ALL宛てのメッセージの通信を許諾しないシステムになっています。

 理由は、第一に、MIREXは 1対1のシステムなので、コネクトしている局以外の局
 のことも十分に配慮していること、第二に、MIREXへはMIR乗組員に役立つ情報を
 送るという主旨によること、第三に、MIR乗組員がTNCの維持管理に時間を取られ
 るということにあります。

 ほぼ毎日、R0MIR-1 に Keplerian をALL宛てに書き込んでいる N6CO局は、MIRの
 「QSLマネージャー」かつ PMSの「SYSOP」だったのです。ALL宛ての書き込みは、
 「SYSOP」の彼しかできないということです。

 このことは、"HOW TO WORK R0MIR-1" の著者の WA6LIE/ Scott Avery氏との翻訳
 許可の私信の中で、明らかになりました。


 次のページへ移る.

 ホームページ(目次)へ戻る.