WiSP テレメトリ


● (EISEI.52) WiSP テレメトリ (1994年 12月12日)
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 今回は、デジタル衛星用の通信ソフトウェア「WiSP」上で機能する、テレメトリ
 リアルタイム解読プログラム 『WISP-TLM.EXE』[ver 0.54] について解説します。

 まず、本編(49)〜(51)における「WiSP」紹介の原稿に、次の事を補足訂正します。

  (1) 本編(49)の 1. と 2. で述べたように、解凍ファイルのうち主要なものは
    「WiSP」ディレクトリに置きますが、次のファイルは次の各ディレクトリ
    に置きます。

       BWCC.DLL     ... Windows\Sytem ディレクトリ
       SATELITE.DLL ...  〃
       LHA.PIF      ... WiSP ディレクトリ
       PKUNPAK.PIF  ...  〃
       PKUNZIP.PIF  ...  〃
       PKZIP.PIF    ...  〃
       WISP.HLP     ... Windows ディレクトリ

  (2) 本編(49)の 3. において、「SHERE.EXE」の記述にミスがありましたので、
    次の様に訂正します。(本誌では訂正済み)

       AUTOEXEC.BAT に設定する場合
             ... SHERE /F:4096 /L:75(パスを通しておきます)

       CONFIG.SYS   に設定する場合
             ... INSTALL=C:\DOS\SHARE /F:4096 /L:75
                         (ディレクトリは任意です)

  (3) 「Windows」ディレクトリの中の「WIN.INI」の [Extensions] グループに

       msg=msgview.exe F~^.msg の一行を追加しておきます。

  (4) 「WiSP」ディレクトリに置かれる「VIEW-DIR.EQN」の中に、エディタ等で
    次のように「equation」を追加すると、「View-Dir」上段左のツールバー
    に自局のコールサインが記載され、それをクリックすることにより自局宛
    のメールを選別し表示させることができるようになります。

       [JE9PEL]
       {
       destination = "JE9PEL"
       }


 さて、本題の『WISP-TLM.EXE』についてですが、このプログラムが機能するのは、
 「GSC.EXE」のバージョンが [ver 0.85]以上に限られます。この「GSC」の新しい
 バージョンでは「Setup」の「Stellite Setup」において、このテレメトリの解読
 プログラムのための「TLM Config File」を入力するための欄が、新しく追加され
 ています。

 新バージョンの「GSC」では他の部分も機能アップしていて、特に「WISP.KEP」に
 影響を与えますので、「GSC」の他に「MSPE, View-Dir, UpdKeps」も新しいバー
 ジョンに更新する必要があります。しかし「GSC.EXE」[ver 0.86] ではスケジュ
 ーリングの計算にバグがあり、「MSPE」の自動起動に支障を来しますので、この
 バグをフィックスした [ver 0.86a] 以上のバージョンのものを使用して下さい。

 私は最初、このバグが「日本語版ウィンドウズ」に起因するのではないかと考え、
 「英語版ウィンドウズ」をやっと入手し、インストールし直してから実験を繰り
 返していましたが、原因はここになく、単なるプログラム上のバクであることが
 後日判明しました(hi hi...)。この「英語版ウィンドウズ」上で「WiSP」を動作
 させてみると、今までフォント変更が効かなかった「GSC」画面上で 時間表示や
 スケジューリングが大きく表示され、その行をクリックすることにより各情報が
 「Action for ...」とポップアップしたり、また「Map」(Graphic Tracking) が
 大きく描画されたり、今まで見たことのない世界(?)を知ることができました。

 さて、『WISP-TLM.EXE』を次の手順で「GSC」にセットアップしてみましょう。


  [1] 「GSC」-「Setup」-「Programs」をクリックして、「Setup Programs」の
    入力画面をポップアップさせます。

  [2] 「Menu Title」欄に、タイトル名を入力します。(例 WISP-TLM)

  [3] 「Startup Directory」欄に、この『WISP-TLM.EXE』や「Configuration
     File」が収められているディレクトリ名を入力します。(例 C:\WISP)

  [4] 「Program Name」欄に、プログラム名を入力して(例 WISP-TLM.EXE)、
    最後に「OK」ボタンをクリックします。

  [5] 次に 「GSC」-「Setup」-「Satellite Setup」をクリックし、以前に入力
    済みの衛星名をクリックすると、画面がポップアップされますので、その
    最下行の「TLM Config File」欄に、選択した衛星に合わせて、「Config_
    uration File」名の次のいずれかを入力します。

       UO-22 ... UO5TLM.CFG
       KO-23 ... KITSAT1.CFG
       KO-25 ... KITSAT2.CFG

  [6] 「MSPE」の起動している状態で、「GSC」-「Programs」-「WISP-TLM」を
    クリックすると、「WiSP Telemetry Decoder[KO-23:Communications]」の
    ようなタイトルの、テレメトリ解読画面がポップアップします。衛星から
    の TLM フレームが受信されると、そのテレメトリーデータが逐次表示さ
    れていきます。(KO-23,25 では 3秒ごと、UO-22 では 5秒ごとでした。)

  [7] この画面の最下部に、「Connected to MSPE」と表示されます。また 画面
    の上部の「Window」をクリックすると、下の画面がポップアップします。
    各項目をクリックすることにより、衛星からの TLM フレームを受信する
    ごとに、その各データが逐次表示されていきます。ウィンドウズ上で動作
    しているのでメモリの許す限り、下の各項目のウィンドウを何枚も開くこ
    とができます。また、「MSPE」を閉じると、この画面の最下行の表示欄が
    「Disconnected from MSPE」と変わります。      

              +--------------+
              |Setup         |
              |Add           |
              +--------------|
              |Communications|
              |Computer      |
              |Power         |
              |Navigator     |
              |Temperature   |
              +--------------+

  [8] この画面上部の「Telemetry」-「Select Satellite」で、衛星を変更する
    ことができます。また、画面上部左端の「File」-「Select Font」におい
    て、フォントを変更することもできます。

  [9] 上記は、『WISP-TLM.EXE』をプログラム登録し、いわば手動で動作させる
    方法を述べたものです。これを、下記のようにイベント登録し、「GSC」-
    「Setup」-「Schedule Events」における「Event Information」の画面上
    で、例えば次のように入力することによって、『WISP-TLM.EXE』を衛星の
    AOS と同時に自動的に起動させることができますが、その後の動作確認は
    まだできていません。


              +-------------------------------+
              | Name       |  WISP-TLM        |
              | Program    |  WISP-TLM.EXE    |
              | Time       |  0 Min           |
              | Run        |  Before Pass     |
              | Associate  |  All Satellites  |
              | Satellite  |  [none]          |
              +-------------------------------+
               [/] Activate



 PS 1. 本編『WISP-TLM.EXE』に関する原稿を記述するにあたり、JJ1MKY/高橋氏
    および JH1QQN/飯野氏 から関係資料の提供と、その情報に関する有益な
    ご助言を全ていただきました。改めてここに感謝申し上げます。次編では
    この『WISP-TLM.EXE』を用いて衛星からのデータを記録して、それを解析
    してみたいと思います。


 PS 2. 長らく JDB(JAMSAT Data Base)に、【衛星通信入門】と題して原稿登録
    を続けてまいりましたが、JDB の終了と共にこの登録もこれが最後となり
    ます。次回の登録は、新JDB 《インターネット電子メーリングシステム》
    における「jamsat-bb@iijnet.or.jp」宛となります。そこで改めて皆様に
    お会いしましょう。では、・・・                    (FUROKU.21 参照)


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