Alpine Support 強化方針
現状分析
強み | |
良い環境(コース、雪質、トレーニング効率)でのトレーニング | |
世界を経験してきたスタッフが揃っている | |
スピードTRの積極的活用 | |
コンディショニングTRにも精通するスタッフ | |
FIS公認コース(エコーバレー)を使用してのトレーニング | |
有望選手の存在 | |
弱み | |
エコーバレースキー場のシーズンインが遅く、シーズンオフが早い | |
資金力に乏しい | |
大会に必ずしも帯同出来ない | |
機会 | (有利に働く要件) |
本場ヨーロッパに似た練習環境(雪質) | |
国内トップクラスの選手との合同TRで、自分のレベルを肌で感じる事が出来る | |
エコーバレースキー場の晴天率が高く、トレーニング効率が高い | |
脅威 | (不利に働く要件) |
ヨーロッパ基準の練習環境でトレーニングしているので、国内の軟らかい雪質に対応するのが難しい | |
悪天候でのレース環境 |
現状分析からの戦い方
戦略1 ジュニア選手強化
戦略2 トップ選手強化
戦略3 雪上トレーニング時間、量の確保
全日本アルペン男子ジュニアチームのチーフコーチとして活動した中で、如実に感じたのが日本人選手のスピードに対する能力の低さだ。
しかしこれは単に日本人選手がスピードに弱いという事ではなく、ジュニアの時期にスピードトレーニングをやれる環境がない事が一番大きいと考えている。
ヨーロッパのジュニアは、子供の頃から長いコースでスピードを出して滑る事を当たり前のようにやってきているが、日本ではただでさえコースは短く、スピードを
出して滑ればパトロールから注意を受けるような環境の違いから、ジュニア期のスピードトレーニングがあまりにも欠けている。
今後世界で戦える選手を育てていくのであれば、まずはジュニア期にしっかりとスピードトレーニングを積ませる事、そしてスピード系種目のレースを開催
していく事が重要だと考えている。
Alpine Supportでは、エコーバレースキー場のコース条件を最大限利用して、平日の一般客が少ない時に長いコースを使ってのスピードトレーニングを
積極的に行なっていく。
速さを競う競技にとって、スキーを滑らせる事は基本で、その感覚をしっかりと養った上で、より細かなテクニックを指導していく事が、ジュニア選手強化の
近道であると考えている。
更にトップ選手にとってもスピードの次元を高める事で、技術系種目のレベルアップを図れる。
世界的にみても、ある種目の能力を高めたければ、それよりもスピードの次元がひとつ高い種目のトレーニングをしっかりと行なう事が重要と考えられている。
SLを強くしたければGSのトレーニングをしっかりとやる必要があり、GSを強くするのであれば、その上のSGトレーニングをやっていく必要がある。
その為にもスピードトレーニングは不可欠である。
特に年少期からスピードトレーニングを行ない、速さの中でのバランスを整えていく必要がある。
12/13シーズンからは、スキーのレギュレーションも変更になる可能性がある。
昔のスキーに戻る方向にあるが、そうなればよりスキーのセンターに加重し、しっかりとスキーをたわませる事が必要になってくる。
そして様々なスキー場、コースで練習する事もスキー操作の幅を拡げる意味で重要だ。
志賀高原、エコーバレーと様々な雪質、コースで練習出来る事は、応用力を養うために必ずプラスになる。
戦略実行の為の方策
方策1 ジュニア選手強化
ジュニアからトップ選手まで、可能な範囲での合同トレーニング (速い選手の滑走ライン、タイミングを自分自身の肌で感じる事が出来る)
スピードトレーニングの積極的活用
方策2 トップ選手強化
FIS公認コース(エコーバレー) を使用しての実践トレーニング (長いコースで試合を想定してのトレーニング)
スピードトレーニングの活用
タイミングシステムの活用 (どう滑ればどうタイムに反映するのかをチェックしながらのトレーニング)
方策3 雪上TR時間、量の確保
遠征の活用−秋のヨーロッパ遠征を企画してシーズン初戦までにまとまった雪上TR時間の確保
国内ではシーズンの早い志賀高原を活用
より多くのコース状況を経験する為に、様々なスキー場での実践トレーニング
12/13シーズンに向けて
シーズン始め、そして3月下旬からゴールデンウィークにかけて安定したコース状況の志賀高原。
シーズン始めは雪の心配があるものの、雪さえ付けば良い環境のエコーバレー。
ひとつのスキー場ではどうしても得られない感覚 (雪質の違い、斜面変化、コース幅からの圧迫感、周りの景色、それに伴うスピード感)。
滑り慣れたコースだけでのトレーニングでは、なかなか応用力は身に付かない。
そういったジレンマの中でトレーニングしてきたが、エコーでも様々なコースでトレーニング出来る事となり、より良いトレーニング環境を
選手に用意する事が出来るようになった。
エコーバレーでは、平日限定となるが、アンデルマット第一の急斜面も使えるようになった。
急斜面対策にはもってこい!
平日火木のナイタートレーニングでは、アンデルマット第一のトップから第五リフト一本分をトレーニング出来る。
なかなかハードなコースだが、効率も良く最高のトレーニングが出来る。
そしてスピードトレーニングの重要性を訴えてきたが、なかなかスキー場の理解も得られずトレーニング出来ずじまいになっていたが、
ヤナバスキー場にてスピード系合宿を開催予定。
良い環境を用意して、12/13シーズンも選手の皆さんをお待ちしております!
レベルアップを目指したい選手は是非トライしてみて下さい!
代表兼ヘッドコーチ 川村 清司