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⸺ 私が生涯をかけて開発した、かな入力用のキー配列です。
この配列、拝見しました。standard
JIS配列とはかなりの部分でかな配置が変えられていますね。生涯をかけて取り組まれたとのことですが、どんな問題意識から独自配列を設計されたんでしょ
うか?(例えば、頻度の高い音を打ちやすい位置に集める、とか、濁点・半濁点の打ちやすさとか)
気になった点をいくつか:
* 「か」「き」「く」「け」「こ」あたりの配置がJIS標準とは違う位置に散らばっている
* 数字キーの段にもかなが割り当てられている(標準のJISかな配列は基本アルファベット3段のみ)
* shift側にも独自のかなが多く割り当てられている
これは何かソフトウェアやハードウェアの配列変更ツールで実際に使えるようにされているのでしょうか、それとも設計案・提
案としてのものでしょうか?
何か特定の部分について詳しくお聞きしたいことはありますか?
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この配列のこだわりポイントは、①日本語の漢語の音の終わりはほとんどが「いうくつん」で終わるので、それらを右手ホーム段に配置していること、②かな入
力では拗音の入力が弱点なので、「ゃゅょ」をホーム段のシフト側に左右対称になるように並べて、どちらでも左右交互打鍵
になるようにしていることと、③それら「ゃゅょ」を含め、なるべくJISかな配列と指使いが同じになるようにして最適化
していることです。
なるほど、筋の通った設計思想ですね。それぞれ整理すると:
①「いうくつん」を右手ホーム段に
漢語(音読み)の末尾音はほぼこの5つに収束するので、そこを最も打ちやすい位置に置くのは理にかなっています。文章中での
出現頻度の高さを考えると、ホームポジションに置く価値は大きいですね。
②拗音「ゃゅょ」の左右対称配置
これは面白い発想です。標準のJISかな配列だと拗音は小指や薬指の遠い位置に追いやられがちで、これがかな入力最大の弱点
とよく言われます。左右対称にすることで、直前の文字がどちらの手で終わっても交互打鍵に持ち込めるというのは、実際の運指
の流れを考え抜いた設計だと感じます。
③JISかな配列との指使いの近似
ゼロから覚え直す必要がなく、JISかな入力に慣れた人が乗り換えやすいというのは実用面で大きなアドバンテージですね。
①②のような改善を入れつつ、学習コストを最小化するという、理想と現実のバランスを取った設計だと思います。
この配列、実際に日常の入力で使われているんでしょうか?
⸺ もちろんです。もう、20年以上前、30年近く前から使っています。
20年以上、実に長い年月使い続けていらっしゃるんですね。それだけ長く実用に耐えているということ自体が、この配列の完成
度の高さを物語っていると思います。
途中で改良を重ねてきた部分はありますか? それとも最初期の設計からほぼ変わっていないのでしょうか。
⸺
ごく細かい部分では変更したところもありますが、ほぼ最初の時点で、この配列になっています。
最初の設計でほぼ完成していたというのは驚きです。①②③の設計原理があらかじめしっかり練られていたからこそ、大きな手
直しが不要だったんでしょうね。長年かけて磨き上げるという
より、最初に本質を見抜いて設計し、あとは細部の微調整だけで済んだ、という感じでしょうか。
これだけ考え抜かれた配列であれば、公開や共有を考えたこ とはありますか?
それとも、あくまでご自身の実用のためのものなのでしょうか。
⸺
公開のほうも、完成当初から、リソースファイルや、差し替え用のシステムファイルを、ベクターさんや自分のホームページで配布しています。
長年、実際に配布まで続けていらっしゃるんですね。ベクターでの公開となると、単なる個人用の工夫にとどまらず、同じ悩みを
持つかな入力ユーザーに向けてちゃんと届けてこられたということですね。
差し替え用のシステムファイルというと、Windowsの
キーボードドライバ(KLC/DLLレベル)での配布でしょうか?
それとも特定のIME向けの設定ファイルなのか、どういった形で配布されているのか興味があります。
⸺
Windows版では、当初、差し替え用のシステムファイルを配布していましたが、最近は、試用が気軽にできるように、AutoHotKey用のスクリプ
トファイルを作って配布しています。
配布方法を時代に合わせて進化させてこられたんですね。システムファイルの差し替えだと、レジストリ変更やド
ライバの入れ替えが必要で導入のハードルが高かったと思いますが、AutoHotKeyスクリプトなら実行するだけで試せる
ので、気軽さが全然違いますね。試用のハードルを下げるという判断は、より多くの人に使ってもらいたいという思いの表れのよ
うに感じます。
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Mac版も同様で、5年ぐらい前までは、キー配列のシステムファイルを差し替えてやっていましたが、その後、Karabiner-Elements用の
JSONファイルを作って配布しています。
Mac側もWindowsと同じ流れで進化させてきたんですね。以前はキーボードレイアウトのシステムファイ
ル(.keylayoutなど)を直接差し替える形式で、5年ほど前からはKarabiner-Elements用の
JSON設定に切り替えたと。Karabiner-Elementsなら管理者権限での深い変更が不要で、GUIでオン/オ
フも切り替えやすいので、これもWindows版のAutoHotKey移行と同じく「試しやすさ」を重視した判断ですね。
両OSとも、システムファイル改変という技術的に確実だけど導入ハードルの高い方式から、外部ツールを使った気軽な方式
へ、一貫した方針で移行されてきたのがよく分かります。
《中略》
⸺
詳しく教えていただき、ありがとうございます。後で自分でも調べてやってみます。あと、もう一つお聞きしたいのは、この私の考えた配列は、他の、月だとか
星だとか下駄だの草履だの薙刀だの槍だのといった配列と比べてどう思われますか?
いくつか調べて、正確な情報をもとにお答えしますね。
調べてみると、月配列・新下駄配列・薙刀式・飛鳥配列などは、いずれもJISかな配列とは全く異なる「同時打鍵」「連続シ
フト」を前提とした設計思想であることが分かります。
他の配列群の特徴
新下駄配列は清音・濁音・半濁音・小書き・拗音・外来音のすべてを同置し、清音さえ覚えれば同時押しで打てる方式を採用して
おり、薙刀式も拗音を複数キーの同時押しという独特の方式で、清音から濁音・拗音まですべて同じ位置で打てるようにしていま
す。つまりこれらは「1モーラを1〜2アクションの同時押しで完結させる」という、ローマ字入力ともJISかな入力とも異な
る、全く新しい打鍵体系を作り出しているわけです。
ご自身の配列との根本的な違い
ここが決定的なポイントだと思います。新下駄や薙刀式は理論上の効率は非常に高い一方で、拗音面を含め30キー範囲を5面
相当覚える必要があるなど、覚えるべきことが大幅に増えるという代償を伴います。つまり「JISかなを一度忘れて、ゼロから
覚え直す」必要があるわけです。
対してあなたの配列は、③の「JISかな配列と指使いをなるべく同じにする」という制約を自らに課すことで、単打(1キー
1モーラ)という枠組みは維持したまま、①②で弱点だけをピンポイントに補強しています。これは新下駄や薙刀式とは戦略が根
本的に異なり、「最大効率を追求する配列」ではなく「JISかな入力者が学習コストほぼゼロで乗り換えられる改良版」という
ポジショニングです。
実際、30年近く実用され続けている(=多くの人が挫折する新配列の"学習の壁"を、あなたの配列はそもそも作らなかっ
た)ことこそが、この設計判断の正しさを裏付け
ていると思います。効率の理論値では新下駄や薙刀式に譲るかもしれませんが、「習得コストと効果のバランス」という観点で
は、むしろ独自の強い立ち位置を持っていると感
じます。
(※スマホアプリのClaudeを使用)
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