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MadDic3 -- 同音異義語に対する試み

— 連想2ストロークに学ぶ、訓読み混じり入力法 —

 


トップページでも述べましたが、
日本語というのは 本当に様々な読み方を組み合わせて作られているので、
漢字がまざっているからといって、すべてを音読みにするわけではない
というところが、漢字の本家・中国と大きく違う点です。

しかし、そのおかげで、本来なら同音異義語になってしまうものが、
うまく違う言葉として扱うことができるようになることもあります。

例えば、「工場」は、音読みで読めば、「こうじょう」ですが、
訓読み混じりで読めば「こうば」となり、
他の「こうじょう」から使い分けることができるようになります。

MadDic3を初めとして、
究極的には新連想2ストローク=新別読みに至る厖大な研究開発も、
基本的には、そのようなものを、人工的に作っていくものと
思っていただければ良いと思います。

このことを、別の言い方にすると、
例えば、「私立」と「市立」を呼び分ける方法にも似ています。
(この他に私が知っているものでは、「辞典」と「事典」を呼び分ける方法もありますが)

しかし、この方法でも、会話の中であれば、
「いちりつ」が「市立」を指しているということがわかりますが、
パソコンで文字入力をしている時には、
よほど利口なIMでない限り、
「いちりつ」は 通常「一律」に変換されるでしょうし、
そのほうが、正しい使い方であるのは言うまでもありません。

つまり、会話での使い分けのテクニックが、
そのままでは、文字入力の際の、同音異義語の打ち分けには使えないということです。

ここに、私の言う、MadDic3や
新連想2ストロークないし新別読みの必要性が生じてくるわけです。

結論からいえば、この例では、「市立」を「いちりふ」にすれば、
簡単に打ち分けられることになります。

「りふ」は「立」の呉音の正しい表記≒旧読みです。

もちろん、他にも様々な“変化”をさせることが考えられますし、
そもそも、パソコンでは、たった1文字違うだけで、
違うものとして認識させることができるので、
打ち分けのための“方言”は、いろんなものが考えられます。

そこで、1つ、あらかじめ決めておきたいと思うのは、
大まかな“法則性”というか、方向性です。

結論から言って、私は、これは、
1.呉音に変えてみる
2.旧読みに変えてみる
3.その他の慣用読みがあれば、それを使ってみる
4.訓読みにしてみる
5.1〜4との混合読みを作る
というような優先順位を決めておけば 済むのではないかと思います。

ただ、この時、私は、打鍵効率というものも加味して考えたいので、
なんでもかんでも、訓読みにすればいいだろうとは思わないんですね。
ちょっと欲張りかもしれませんが...(^.^;;;

ということで、ここに、単なる機械的法則性というだけでない、
究極の「新別読み」を目指して研究開発していくという茨の道が
目の前に開けてくることになります。(^.^;;;

ちなみに、冒頭に述べている「連想2ストローク」というのは、
かつて、ワープロの誕生当初に、日立で開発された文字入力方法の1つで、
リコーのワープロなどに搭載されていたものです。

ただし、これは、第3の文字入力モード(*)として切り替えて使う必要があり、
かな入力と同時には使えないものでした。
(* 当時からローマ字入力があったかどうか、不明なのですが)

このため、すべての文字について、
その「2ストロークコード」を覚えていないと使えないものなので、
よほどのヘビーユーザーか、専門職でもない限り、
一般人には とても敷居の高いものでした。

また、その「2ストロークコード」は、
「連想」を元にして作られたものなので、
それを“連想”するためにも“脳力”を使う必要があり、
この点でも、相当の“頭のいい人”でないと使いこなせないものでした。

とはいえ、文字の打ち分けという点では、これに勝るものは、
文字コードを直接打ち込むか(笑)、
「漢直」などのような、それらの折衷法を用いるかの
いずれかしかありません。

しかし、やはり、それらの方法であっても、
一般向けではないということは、論じてみるまでもないでしょう。

そこで、私が思うのは、連想2ストロークの方法論を、
通常の文字入力に取り入れればいいのでは?ということです。

ただ、残念なことに、連想2ストロークの“読み”は、
それだけですでに該当するものがあったりするので、
そのまま取り入れることはできません。

例えば、「思」の連想2ストローク読みは「しそ」だったと思いますが、
これを このまま すべての熟語に反映していくと、
いちいち、入力のたびに「思想の“思”」という“連想”が起こってきて、
文章作成の妨げになったり、
思考回路の混乱をきたして、頭がヘンになってきたりするので、(苦笑)
あまり有益な解決策にはなり得ません。

そこで、私が考えたのは、そこに、呉音や訓読みなど、
その文字が持つ 他のすべてのイメージを含んだ、
新しい読みを考えたほうが良いのではないかというものです。

ということで、この“茨の道”は、かなり、その終点が遠そうです。(^.^;;;

が、全部が全部、遠いとも限らないし、
できてしまえば、それはかなり使い勝手のいいものになるでしょうから、
その道は、充分、進むに値する道なのではないかと思います。(^_^;
(※なお「漢直」にも学べる点はあると思いますが、ここでは割愛します)

なお、既成概念に囚われた多くの方の中には、
読み方を勝手に変えることに拒絶反応を持たれる方もおられるかもしれませんが、
そもそも日本語の読みというのは、
様々な“音”が混ぜこぜに使われているものなのです。

例えば、「成城」という言葉/固有名詞がありますが、
これは、漢音と呉音が混ざったものです。

どちらかに統一するなら
「せいせい」もしくは「じょうじょう」でないと
おかしいということになります。
(※拼音では どちらも「cheng」です)

これを おかしいと思わないのは、
単なる「慣れ」であり、またある意味「知識不足」ともいえますが、
斯様に日本語/言葉というものは、不定形なものなのです。

ちなみに、このような例は 地名などによく見られるので、
新別読みは、とりあえず、品詞を「地名」にすることにしています。(爆)(爆)(爆)
(※それだけじゃないんですけどね。品詞を「地名」にする理由...^^;;;)



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