Pediocactus simpsonii ssp.simpsonii
 (Wayne Co, Utah)

This place is boundary line between grassland and juniper-pinyon forest. Plants are exposed to directly full sun and buries most of their body in the ground. The population density is very high. There are also Op.fragilis in high density.
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(English)

 ペディオ シンプソニー
     月華玉
 (ユタ州ウエィン郡)


  ユタ中部のちょっと変わったコロニー。疎らに木々が生える草原といった場所であちこちに火山岩が露出しています。標高は2000メートル強。ここから少し上がるとすぐ森林になっていて、キャンプ場などがあります。ここは森林地帯の下端で、月華玉は太陽光線の直射に晒されているためか球体の半分以上を地中に埋没させています。刺は荒く長いタイプで、球体は扁平。あまり群生はしないようで、おおむね単頭、径は最大で12センチくらいでした。1〜4の写真は5月の開花シーズンで、どの個体もはち切れそうに吸水しています。鮮やかなピンクの花は遠くからもよく目立ち、どの花にもたくさんの蜂が訪れていました。

 成長期にこの場所を訪ねると、小苗から成株まで足の踏み場もないほど高い密度で生育している月華玉に驚かされますが、夏や冬の休眠期に訪ねると1本も見つからないかも知れません。いちばん下の写真は8月の撮影ですが、球体はほぼ地中に没しており、本来はこの上に枯れ草だの土だのをかぶっているわけで、ここにあると思って探さないと見つけられないほどです。森林ではありませんが、冬季はかなり寒くなる場所で、ユタのこのあたりではあまり見かけない最も北方系の団扇サボテン、Opuntia fragilis があちこちで低いマット状に叢生しています。

 余談ですが、ユタのこのエリアは、黄花のスクレロ・テラエキャニョナエや、ライティアエ、さらにペディオのウインクレリやデスパイニーなど、珍しい植物が集中しています。そんな訳で、度々訪問する機会に恵まれました。
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