まず、歴史ミステリとは何ぞや、というところから。
『崇峻天皇暗殺事件』巻末の井沢元彦氏の解説を読んで、「なるほど」と思ったのですが、歴史ミステリというなかにはいくつか違った型が含まれています。で、まずわたしなりの定義を考えてみました。
歴史ミステリ=歴史の謎を解くもの
安楽椅子タイプ:現代の人間が歴史の謎を追っていくもの
同時代タイプ:時代背景・設定に歴史解釈がからむが、事件や歴史の謎をその当時の人間が解き明かすもの
時代ミステリ=歴史的過去が舞台になっているが、基本的に歴史解釈が含まれないもの
時代ミステリは、カドフェルシリーズや捕物帖などをイメージしています。わたしはほとんど読まないジャンルです。いっぽう、安楽椅子タイプは大好きです。ファーストインパクトは『時の娘』ですから。同時代タイプは(ミステリとしては)あまり多くはないかもしれません。
歴史ミステリを紹介するにあたって、いままで読んだ順というアバウトな紹介方法をとってきたのですが、今度からこの定義を意識して、タイプ別に分類することにします。最近この手の小説をよく読むようになってきたので、整理したほうがよさそうだからです。