「月の西行」創作ノート4

2008年1月

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01/01
正月。初日の出。妻と次男夫婦は見たらしいが、こちらは少し遅れて、出た直後の太陽を確認した。天気予報では見られないといっていたのだが、何のことはない快晴だ。毎年のことだが、この仕事場からの初日の出は絶品である。浜名湖があり、対岸の舘山寺温泉のあたりから陽が昇るのだが、その向こうはずっと平地で、さらにその先は海なので、ほとんど地平線ぎりぎりというくらいのところから陽が昇る。この日の出を25年前からずっと見ている。次男夫婦、義父母もいて、にぎやかな正月。こちらは作品の山場を書いている。夜の遅い次男夫婦が寝たあとで仕事に集中した。わずかな時間だが胸が痛くなるような思いにとらえられた。主人公西行の恋が始まったのだ。まだヒロインの璋子とは会ってもいない。会う前から恋が始まるというのが、本物のロマンではないか。自分の気持が高まってくるのを感じる。いよいよ小説が一段上の段階に突入していく気がする。ではいままでは何だったのか。導入部が長すぎたのではとも思うが、いきなりテンションを高めたのでは浮ついたものになってしまう。ここまでじっくり時間をかけたことで、重厚なロマンとしての楽しみな導入部になっているはずだ。

01/02
前夜は明け方近くまで仕事をしたので寝不足。この仕事場では昼型で生活しているため雨戸を開けたまま寝ている。障子だけなので明るくなれば目がさめる。別荘の管理棟の前でモチをついている。例年の行事。管理会社のサービスで、マス酒などもふるまわれるのだが、今年はパス。次男が来ているので夕食の時から飲み始めて明け方まで飲み続けている。朝くらいは酒を抜きたい。
初詣は橘逸勢神社。橘逸勢はわたしの「空海」の重要な登場人物。わたしの小説では三枚目になっているが、空海、嵯峨天皇とともに三筆の一人に数えられた秀才の誉れ高い人物である。しかし皇位継承をめぐる承和の変に連座して伊豆に流されることになった。結果として藤原北家の娘が産んだ文徳天皇が即位し、藤原摂関家の独裁が始まることになる。従って、藤原北家によって左遷された、菅原道真のような人物である。伊豆へ流される旅の途上、浜松市の西、三ヶ日まで来たところで旅に病み没した。その地に建てられた神社で橘の木がある。社務所も何もない小さな神社だが由緒は正しい歴史的な地である。初詣といっても願いごとなどはない。予定では6冊ほど本を書くことになっているので、体調を壊さないように約束を果たしたいが、たぶんそのうちのいくつかは来年になるだろう。最後の6冊目は年内に入稿して来年発売というのが、可能な限りのスケジュールだ。ただし連載が1本まとまるので本は6冊出るはず。ほんまかいな。
次男夫婦は名古屋の方まで買い物に行っていたらしい。名古屋まで行ったのなら四日市の帰った方が近いのだが、あと一日、老人たちにつきあってくれたのだろう。

01/03
毎日散歩に出かけている。今日もお昼ぐらいに1時間ほど散歩した。次男も1時間くらい外に出ているのだが、こちらはランニングなので走行距離が違う。悔しい。仕事場から見えている浜名湖の対岸の大草山に行く。展望台から沈む夕日を見る。仕事場から大草山は見えているのだが、大草山から仕事場は見えない。残念。富士山は見えた。快晴である。前夜もかなり仕事をした。三宿では朝6時に寝て12時に起きる6時間睡眠だが、三ヶ日では朝4時に寝て10時に起きるパターンが定着した。いつもは三ヶ日に来ると昼間仕事をするのだが、さすがに正月は仕事にならない。そこで夜中に一人きりになってから少し仕事をすることにしている。ついにヒロインが登場して物語が動いている。スリリングだ。

01/04
次男夫婦帰る。二人のおかげで楽しい正月だった。「西行」は前進している。ヒロインの姿は見えたがまだ本質的なものは見えてこない。ここから先の手順が難しいが、あとで調整できるのでとりあえず思いつくことを書いていきたい。

01/05
義父母帰る。豊橋まで送っていく。さてこれでまた妻と二人きりになった。日常が戻って少しほっとするところがある。1号線を浜松方面にドライブ。浜名湖大橋を渡る。昔は有料だったのだがいまは無料で、こちらが1号線になった。海と砂浜が美しい。おなじみのイオン志都呂店で昼食。店の中を散歩。仕事場に戻って片付けをしたあと、猪鼻湖岸を散歩。年始年末の三ヶ日での生活もあと一日となった。三宿に戻ればまたハードな日々が待っている。湖岸を散歩しながら、平清盛を早い段階で出しておきたいと思った。璋子との恋愛が始まると、余計なものは出したくない。しかし保元の乱の直前になって出したのでは、伏線にならない。清盛は西行の同年の英雄だから、強い印象を読者に与えるようなファースト・インプレッションが必要だ。今日は土曜日。アメリカではフットボールのフレーオフが始まっているはずだ。深夜になってからネットで状況をチェックしたのだが、まだ情報が入っていない。本日はスティーラーズの試合があるが相手は格下だから負けることはないだろう。ジャイアンツとタイタンズの試合は日曜日。この2チームは格上が相手なのでよほど頑張らないと上には進めないだろう。進んでほしい。

01/06
本日はどこへも出かけず散歩2回。明日は三宿に戻る。三宿の日常が始まる。三ヶ日では年始年末の特別の日々だった。次男夫婦は朝が遅いので今回はやや夜型で対応した。次男たちが寝てから明け方まで仕事をした。一定のペースで進めたので予定どおりの作業をこなすことができた。今日も明け方まで仕事をして、少し寝て三宿に戻る。運転は妻がやってくれるので睡眠不足でもかまわない。
それよりもフットボールだ。スティーラーズがジャガーズに負けてしまった。想定外だ。ネットの時代だから試合の経緯を映像で見ることができる。音声は英語だがスポーツの言語は共通だから問題ない。あまりにも安易なターンオーバーが多すぎて結果として2点差負け。相手の守備が見事だったということか。それにしてもネットというのはありがたい。さて明日、三宿に帰ると不調だったネットの修復をしないといけない。ダメなら修理に来てもらうことになるが手間がかかる。何とか修復できればいいのだが。

01/07
三ヶ日は雨。この年始年末で初めての雨。とにかく雨をついて荷物を車に運び込む。12時ごろスタート。午後4時三宿着。荷物を入れ、とにかく気になっていたネットの修復にとりかかる。だが、三ヶ日で使っていた仕事用のパソコンをつなぐと問題なくネットにつながる。ということはデスクトップのパソコンに問題があったということになる。これが簡単には修復できない。4年前のパソコンなのでもはや耐用年数か。とにかくメールは送れる。プリンターはこのパソコンからでも操作できるだろう。ホームページを送るFTPソフトもこちらに移した。いま打っているこのページがアップロードできれば完了だ。
ページはアップロードできた。ホームページのアップを別のパソコンでやるのは大変ではないかと思ったのだが、ソフトとファイルをSDカードに移して移動しただけで、FTPソフトの設定などは自動的にコピーされたようだ。問題はないようだが、デスクトップにはいろんな情報が入っているので、これからさまざまな不便が生じるだろう。まあ、とにかく「西行」に集中したい。不便が生じたらそのつど対処すればいいだろう。

01/08
デスクトップのパソコンが壊れた。といってもネットにつながらないだけで、原稿や写真のプリントなどはできる。しかし届いたメールを印刷したり、ホームページを見ていてその画面をプリントしたいとか、ネットとプリンターが連動していないと不便だ。最近のプリンターはUSBですぐにつなげるので、プリンターのドライバーはわたしの仕事用のパソコンにインストールする。問題はない。同じことは妻のパソコンにもいえるのだが、こちらはウィンドウズ・ヴィスタなので困る。いま使っているプリンターは一昨年の暮れ(ということはほぼ一年前なのだが)、年賀状をプリントしようとしたら前のプリンターが壊れたので急遽渋谷まで買いにいったもの。安物であるがわずか一年前のもの。これがヴィスタに対応していないのでネットで調べると、とりあえずドライバーをインストールして、その後、ネットにつないでヴァージョンアップすればいいということであった。で、ドライバーをインストールしたら途中で貼り付いてしまった。しかも電源が切れない。メーカーに電話して何とか電源は切れたが、インストールは中断したまま。後日、こちらの体調のいい時に再チャレンジしよう。
メンデ協会の打ち合わせ。顧問のヴァイオリニスト岡山潔先生と、短期留学生をライプツィヒに送る計画について協議。帰国した時にコンサートを開くなど協会として支援することにした。その後、スタッフと飲み会。こちらは夜中に仕事をするのであまり飲めないのだが、つい飲んでしまう。とにかく夜中も仕事。それにしてもいま書いているノートを、これまではデスクトップで書いていたのだが、考えてみれば原稿を書くパソコンで書いた方が効率がよかった。ホームページも10年間続けているので内容がたまっている。それをそっくり移動するのは大変ではないかと思っていたのだが、パソコンが壊れたので移動せざるをえなかった。やってみれば簡単だ。アップロード用のソフトと、ファイル、ミラーサイト用のファイル、という3つのフォルダーをSDカードにコピーして移動するだけだ。設定などはそのまま移動したので何の支障もない。まあ、パソコンを買いかえるとどうしてもやらなければならない作業なのだが。過去のメールなども移したいのだが、デスクトップは壊れたわけではなくいまも生きているので、必要になった時に参照すればいいということでそのままにしている。
西行はこれまで「月の西行」という仮題で進めてきたのだが、少し地味かもしれない。「月に恋する/西行の春」というのはどうか。少しくどいかもしれない。あとは編集者に任せたい。西行と璋子の恋が進展している。まだ肌の触れ合いには到らない。少しずつ親しくなっていく。そこが恋愛小説の面白さだ。

01/09
本日は公用なし。妻が姉のところにミカンを届けるというので、姉のマンションの前まで車に同乗して、そこで下りて散歩。姉は代官山なので、そこから渋谷へ。わたしも時々、渋谷まで歩いていくが、池尻大橋に比べれば、代官山は渋谷に近い。学生時代は井の頭線の神泉に住んでいた。こちらはもっと渋谷に近かった。渋谷はわが庭のようなものだが、最近は地下鉄で通り過ぎるので、渋谷の町は時々散歩で行くだけのところだ。昨日、メンデ協会の打ち合わせに新橋まで行った時、少し早めに家を出て神保町の本屋などを散歩してから、新橋まで歩いた。引っ越した文部科学省の前も通った。まだゴミが残っていた。文部科学省および文化庁はもとの庁舎に戻ったらしい。

01/10
ジャスラックで会議。わたしが議長を務める17団体の幹事会。この会議では司会をやらないといけないので疲れる。とくに今日は討議しなければならない項目が多く、時間の配分を考えながらの司会だった。無事すべての項目の協議を終え、話もうまくまとまった。いつものようにジャスラックまでの往復は徒歩。毎日よく歩いている。雑文1件。今年初めての仕事らしい仕事。

01/11
三軒茶屋へ散歩。考えてみれば三軒茶屋へ行くのは今年初めてだ。ビデオショップなどをふらふらと歩く。べつに見たいものもないので手ぶらで自宅に帰る。何か最近、何かをしたいとか、そういう欲求がなくなった気がする。仕事が忙しすぎるのか老人になったのか。本日から集中的に雑文を書く。なお、3日ほど前に妻のパソコンにインストールしようとして果たせなかったドライバーは、本日、慎重にインストールした結果、ちゃんと入った。XPなら何の問題もなくインストールできるのだが、ヴィスタだと適切な表示が出てこないのだ。しかし何が起こっているかを慎重に考えて対処した結果、ちゃんと入った。これで新年早々のパソコンのトラブルはすべて解決した。

01/12
土曜日。この一週間は長かった気がする。三ヶ日から帰ったものの三宿での日常がなかなか戻ってこない感じがした。雨。本日は散歩も休み。次男の嫁さん来る。つくばの友だちのところへ行くとのこと。次男は会社の同僚とスキーに出かけたらしい。

01/13
日曜日。妻は次男の嫁と買い物に出かけていった。姑と嫁だがけっこう仲がいい。こちらは北沢川を散歩。最も親しい散歩コースだが今年初めて。雑文完了。「西行」に戻る。これから一週間は「西行」に集中できる。ここでこの作品の最大の山場を通り過ぎることができれば、あとはエンディングに向けて淡々と事実を語るだけになる。

01/14
月曜だが祝日。毎日、11時半に起床する。いまはフットボールのプレーオフの時期で、アメリカの土曜、日曜に試合があるので、日本の日曜、月曜の昼頃には結果がわかる。というわけで、昨日と今日、起きて最初の仕事はネットにつないで結果を見ることだ。土曜はペイトリオッツ、パッカーズという第1シードが順調に勝った。ところが本日(アメリカの日曜日)の試合は2試合とも大番狂わせ。NFC第1シードのカウボーイズがジャイアンツに負け、AFC第2シードのコルツがチャージャーズに負けた。どちらも想定外の敗戦だ。今回のプレーオフでわたしが応援していたのは、コルツとスティーラーズ。どちらもAFCなので、どちらかがペイトリオッツを破ってスーパーボーウルに進出してほしいと考えていた。NFCの方はカウボーイズが有力で、全勝のペイトリオッツに勝てるのはここしかないと思った。つまりわたしは昔のアンチ巨人ファンみたいに、ペイトリオッツが嫌いなのだ。少し前は、ペイトリオッツのベリチックという監督が好きだった。しかしあまりにも強すぎておもしろみがない。とくにQBのブレイディーが嫌いだ。スティーラーズのロスリスバーガーやコルツのマニングの方が個性がある。残念ながらペイトリオッツは圧勝し、ロスリスバーガーとマニングは敗退した。マニングといえば、弟のイーライ・マニングがジャイアンツにいて失敗ばかりしていたのだが、シーズンの後半は調子が出てきたのでダークホースではないかと思っていた。フットボール・ファンならスーパーボウルでのQB兄弟対決という熱血マンガのようなストーリーを期待するだろう。けれども弟の実力ではとうてい実現しない夢だと思っていたのだが、何と弟が勝ち、兄は負けてしまった。こうなればマニング弟のジャイアンツにスーパーボウルに進出してペイトリオッツを打ち負かしてほしい。だがその前に、カンファレンスの決勝でパッカーズが待ちかまえている。極寒のグリーンベイでの試合で、パッカーズが有利なことは間違いないが、第1シードのカウボーイズに勝った勢いで、奇跡を起こしてほしい。

01/15
カルチャーファーストの記者会見。ネット関連の業者やメーカーに対しての、文化を大切にしてほしいという問題提起。今回はただ客席で見ているだけだったので楽。懇親会は欠席して文藝家協会の理事会へ。一月はいつも新年会を兼ねる。本日の記者会見の報告。なるべく短く語る。中華料理の準備ができている会場で長く語るのはまずい。本日は今月の一つの山場。終わってほっとしたので少し飲み過ぎたか。帰ってフットボール中継を見る。コルツがなぜ負けたかを考えてみたが、デイフェンスがピリッとしなかった。いずれにしろ今年はペイトリオッツが強い。どういう状況になればペイトリオッツが負けるのか。今年は来週のジャイアンツとパッカーズの試合が山場になる。どちらが勝ってもスーパーボウルはあまり期待できない。とにかくオフェンスに個性のあるチームが多いので、まあ、面白かった。

01/16
次男の嫁はパソコンに詳しい。デスクトップのパソコンがネットにつながらないという状況を説明すると、「ラン・カードの故障」と即座に断定して、電器店で800円ほどのボードを買ってきてくれた。それが3日ほど前のこと。そのまま嫁は友だちのところへ行ったので、放っておいた。パソコン背面のカバーのはずしかたがわからなかったからだ(4年前に購入したもので説明書などはなくなっている)。しかし今日、また嫁が来るので、せっかく買ったボードをまだ取り付けていないと糺弾されてはいけないので、ネットで調べた。パソコンが一つしかないとこういう時はどうしようもないが、生きている仕事用のパソコンをネットにつないで説明書を見ながらカバーをはずした。このパソコンの中身を見るのは初めてだが、昔使っていたパソコンはしばしば拡張したので経験はある。ボードの差し込み口は2つ余っているので、そこに嫁が買ってくれたボードを差し込んだ。カバーを元通りにしてパソコンを起動するとボードは正しく認識され再起動ののちにラン・ケーブルをつないでインターネット・エクスプローラを動かしてみると、ちゃんとつながるではないか。うちの嫁は偉い。

01/17
寒い日が続く。資料を読み間違えていた箇所があって話の辻褄が合わなくなった。よくあることで、早い段階で気づいてよかった。ここから先は史実に連動して書く必要があるので注意力が必要だ。

01/18
メンデルスゾーン協会編集委員会。編集長にすべて任せることにしてあとは飲み会。夜中は仕事。第2章もあとわずか。全体は4章から5章になるか。4章だとするともう半分なのだが、どうなるか。これは恋愛小説なのだが、ヒロインは途中で死ぬ。その後、保元の乱という大ドラマが始まるのだが、これをいかにコンパクトに書くかでこの作品の焦点が定まる。恋愛が終わって、あとは余韻のように戦記物の領域に入っていければユニークな作品になる。一切は幻想であるという仏教の世界観がごく自然に読者に伝わるような仕組みにしたい。

01/19
土曜日。渋谷まで散歩。夕方まで「西行」に取り組む。2章の終わりにさりげない盛り上がりを作りたい。ここで一息ついて、夜中は雑文。

01/20
日曜日。散歩に出ただけ。本日はさらに雑文の日。

01/21
本日もお昼ごろに起きる。特別な日である。食事のあと心を落ち着けてネットにつなぐ。NFLの試合結果の確認。昔、ネットがなかったころは、米軍ラジオの英語のニュースに耳を傾けた。英語の実況を聞いたこともある。いまはネットにつなげばスコアだけでなく、10分以上もあるダイジェストの映像を見ることができる。さて、ペイトリオッツが勝つのは当然として、ジャインアンツは? 何とオーバータイムで勝っているのではない。相手はファーブのいるパッカーズだ。ジャイアンツはワイルドカードからアウェイばかりで3連勝だ。イーライ・マニングが本物になってきた。夜中のNHKの放送が楽しみ。
文藝家協会で学習塾関係者との協議会。必要な話はできた。すぐに解決できる問題ではないが、次に展開するための布石にはなったと思う。夜は著団協の新年会。これはなごやかな会で、著作権団体の仲間と文化庁の方々との懇親会。すでに親しくなっている人々との宴会は楽しい。自宅に帰ってフットボールを見る。ジャインアンツは守備がいい。鉄壁のディフェンスでラン攻撃を封じるだけでなく、ファーブの短いパスを許さない。ロングパスを2本決められいずれもタッチダウンとなったが、失点はそのタッチダウン2本と2ゴールだけ。イーライはランと短いパスでヤードと時間を稼いで、圧倒的なタイムポゼッションだったが、ファーブのロングパス2本で追いつかれて延長戦。ただし第4クオーターでキッカーがゴールを2本はずした。とくに残り4秒のキックミスは致命的と思われたが、延長で同じキッカーが47メートルという超ロングキックを決めた。極寒でボールが飛ばない状況でのロングキックで、奇跡的なゴールだった。これでスーパーボウルが面白くなった。ジャイアンツが勝てば奇跡だが、奇跡が起こる可能性はあると思う。

01/22
三田和代さんの芝居。永井愛作『カズオ』。杉並公会堂へ行くのは久しぶり。もしかしたら40年ぶりくらいかもしれない。新しいホールになっていた。向かいのビストロで軽く食事。老人二人だけでやっているいい店だった。しかし荻窪へ来ることはめったにないだろう。

01/23
河林満さんの葬儀。河林さんと最初に会ったのは岳真也主宰の同人誌『えん』の合評会だと思う。この同人誌からは河林さんの文学界新人賞と、笹倉明のサントリーミステリー大賞が出た。その後、都労協の文芸コンクールの選考で毎年、顔を合わせるようになった。労働者文学といったジャンルで屈指の書き手であった。突然の死でいまだに信じられない思いだ。雪をついて妻の車で斎場に向かう。岳真也氏も列席していたので少し立ち話。岳氏とは今週『えん』の合評会や知的所有権委員会でも会うことになっているのですぐに別れる。斎場が日野だったので、立川の母を訪ねる。年末に訪ねた時は弱っていたのだが、今回はまったく元気になっていた。わたしより長生きしそうだ。雪は雨に変わった。

01/24
本日は公用なし。散歩のみ。前日、雑文をすべて片づけたので「西行」に集中できる。

01/25
文藝家協会で知的所有権委員会。著作権に関してはさまざまな問題が生じる。一つ一つ解決していくしかない。通常はわたしの一存でそのつど判断していくのだが、一存では済まない根本的な問題については識者である委員の方々のご意見をうかがう。本日も貴重なアドバイスが得られた。夜中、「西行」の第2章完了。全体は4章か5章になる。4章の場合は短い終章をつけることになる。つまのまだ半分には達していないのだが、登場人物のキャラクターはほぼ出そろっているので、ここから先は下り坂かもしれない。ただし、ヒーローとヒロインの愛の高みはまだ少し先なので、そこが峠だろう。

01/26
土曜日。岳真也さん主宰の同人誌「えん」の合評会。同人のほとんどが出席。にぎやかな会になった。二次会にも七人ほど参加。少し飲み過ぎたか。夜中の仕事はできず。出かける前に少しワープロを叩けたのでよしとする。第3章に入ったので少し資料を読み込んでこれから起こることの手順を整理しないといけない。

01/27
日曜日。大阪の女子マラソンを見る。このマラソンコースはわたしが生まれ育ったところや、中学、高校のあるところを通るので見逃せない。もう実家はないし、自分とは縁のなくなった土地ではあるが、思い出は永遠に残る。さて、「西行」の第3章。ここが全編の山場なので、集中力を高めないといけない。

01/28
何事もなし。「西行」わずかに前進。問題はない。いま作品の最高の山場に来ているので、あせらずにじっくりと進みたい。

01/29
日経新聞の担当者来訪。堺屋太一さん企画のオムニバスのような本について協力の要請を受ける。堺屋太一伝の進行中なのでこれは断れない。「西行」はいま作品の山場。うまくいっていると思うのだが読み返してみないとわからない。明日から四日連続で公用がある。毎日、少しずつでも「西行」を前進させたい。

01/30
文化庁著作権分科会。如水会館。午前中の会議は妻の車で行く。ここは地下鉄一本で帰れるので帰りが楽だ。本日は会議はいつも以上に活発な議論が展開された。硬直している問題が多いせいだろう。硬直した場合は文化を優先するといったスタンスが国に必要だが、日本はその対極にある。道路がすいていて少し早く会場に着いた。メモ用紙に中宮のセリフを書いた。15分くらいの間にこの作品で最も重要なセリフが書けた。本日から4日連続で公用がある。一日一日を着実にこなしていくしかない。その間も「西行」の進行が止まらないようにしたい。今日は着実に前進できた。

01/31
文化庁のアーカイブ会議。必要なことを話したし図書館関係者からも何をしたいかの提言があって充実した会議になった。本日は移転した文化庁の会議室。文部科学省(その中に文化庁がある)はしばらく丸ノ内の三菱ビルに間借りしていたのだが、建て替えが完了して元の場所に戻った。昔の五角形ビルの道路側の半分だけ残して、奥の方を高層ビルとした。その残ったところに文化庁が入っている。以前は五角形の回廊をぐるっと回ることができたのだが、スッパリ半分になっているので、奇妙に折れ曲がったヘンな建物になっている。外観は昔のままだで、エレベーターホールなども元と同じ、内装は新しいがなんかヘンだ。まあ、全体の面積を増えているはずだから少しゆとりはできたのか。やや睡眠不足だが「西行」も前進。


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