光と陰の紫式部07

2020年7月

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07/01/水
この新しいノートに進む時に、ノートのタイトルについて考えた。今年の始めから本格的に書き始めた『光と陰の紫式部』は6月の始めのころにほぼ完成した。草稿をプリントして赤字を入れ、それをまたプリントして2度目の赤字を入れた。それを入力してすべての作業を完了させたのが6月8日だ。まだ浜松三ヶ日の仕事場にいたころで、東京に戻ってから完成原稿をプリントしてある。2度目のチェックでも大量の書き込みがあったので、入力した時のタイプミスが必ずあるし、赤字の矢印が多すぎてつながりがわからなくなった箇所もあった。何とか入力はしたが、つながりのよくないところがあるかもしれない。少し時間を置いてから、読者の気持になって読み返してみたい。気づくことがあればさらに修正をすることもあるだろう。その意味では作品はまだ完成していないのだ。次の作品は『尼将軍』。北条政子の話だ。しかしノートのタイトルにするにはまだ早い。もう少し資料を読んでみないと書けるかどうかもわからない。そもそもヒロインの名前もわかっていない。政子というのはヒロインが上京した時に、朝廷から与えられた名で、しかも父の時政から一字とられたもので、父と不仲であったヒロインにとっては不本意な名であったろう。名前が決まっていないので、最初の一行が書けないでいる。妹がいるので、姉が大姫、妹が乙姫、ということでもいいが、もう少しイメージのある名にしたい。名前も決まっていない女性の話を、本当に書き始めるのかどうかもまだ決めていない。ということで、ノートの名前は、まだ「紫式部」のままということにしておく。ただ最終チェックがいつできるかはまだ見通しがついていない。いま書いているのは『文芸思潮』に断続的に連載している『遠き春の日々』。これは言ってみればぼくの青春時代の自伝みたいなものだ。もう老人なので自分のことを書き残しておきたかった。今回で3回目でこれで最終回ということになる。締切が今月末なのでとりあえずはこれを完成させるのが今月の目標だ。いまは半分を少し過ぎたところでゴールは見えているが、草稿が出来てからプリントして読み返してみたい。あと一週間くらいで草稿を完成したい。今月は頼まれている賞の選考の仕事が三件もある。選考会の日程の順に記すと、「日大文芸賞」、「まほろば賞」、「歴史時代作家協会賞」だ。順に、日大の在校生と卒業生に応募資格が限定された章で日大新聞の紙面に掲載するために短篇に限られている。すでに手元に原稿が届いていて、ひととおりは読んで評価もメモしてあるので、選考日の直前にもう一度読み返して確認すればいい。次の「まほろば賞」は『文芸思潮』の最新号に候補作六篇が掲載されている。すでに活字になっているものだしまとまって掲載されているので読みやすい。最後の「歴時作家協会賞」は一年間の歴史時代小説の中から新人賞と作品賞を選ぶもので、候補作は11作ある。すべて単行本なので読むのがたいへんだが、すでに新人賞の方は目星をつけてある。作品賞の方は実力のある作家の作品ばかりなのでしっかりと読み込まないといけない。この賞はぼくが委員長ということになっているのだが、自分は行司みたいなもので他の選考委員のご意見を聞いて採決すればいいと思っている。しかし読んでいけばいい作品と出会えるかもしれない。ぼくの場合は、おもしろい読み物というだけでなく、文学としての気品みたいなものもあった方がいいと考えているので、他の委員と意見が合わないこともある。とにかくしっかりと読み込んで評価をしたい。ということで今月は読む仕事がたくさんあるので、自分の作品を読み返すということが難しいかもしれない。今月に入ってネット会議だけでなく、リアルな会議も予定されているので、体調もととのえておかないといけない。さて本日は久し振りに車を動かして深川のスーパーへ行く。それだけの一日。

07/02/木
今日は散歩のコースを変えて、湯島天神から上野公園に向かった。不忍池を一周した。ぬるい風が池の周囲だけは冷やっとした。帰りは丘の下の部分を歩いたがやけに暑く、思わず自動販売機でキリンレモンを買ってしまった。6000歩。いつもの小石川後楽園往復は7000歩なので、このコースを行くならもう少し足を延ばさないといけない。

07/03/金
午後から雨。散歩に行かず『遠き春の日々』を仕上げる。予定の枚数に達したし終わった感じになったのでとりあえず草稿完了とする。少し間を置いてからプリントしたものを読み返したい。締切は今月末なのでまだ時間はあるが、今月はけっこう忙しい。ところでFootballの話題。アメリカで人種差別問題が盛り上がっている。ワシントン・レッドスキンスのチーム名を替えようという動きが出てきた。「赤い肌」これはよくないだろう。でも、SUPERBOWLのチャンピオンとなったカンザスシティー・チーフスはどうか。これは原住民の「酋長」という意味がある。チーフというのはリーダーと同じような意味の一般用語ではあるが、スタジアムで応援する観客は「トマホークチョップ」という原住民の踊りを手振りで示して応援するから、明らかに「酋長」なのだ。

07/04/土
「まほろば賞」の候補作を読み終える。これは全国の同人誌の掲載作から候補作を選んで最優秀賞を決めるもの。今年はいい作品が多かったので選考委員の方々と語り合うのが楽しみだ。日大文芸賞も併せて3つの選考会が今月開かれる。リアルな会議は久し振りだ。

07/05/日
雨の中を都知事選挙の投票に行く。住んでいる集合住宅は、もとからあった公園や小学校およびその周辺の家屋の土地をまとめて大規模開発したもので、オフィスと住居の入った本館と、商業施設が入った別館の前に、公園があり、道を一本挟んだところに老人ホームと保育園がある。その保育園が投票所になっているのですぐ近くだ。しかし票を入れたい候補者がいない。都知事選の時はいつもそう思う。まあ、選挙は義務と思っている頑固な老人なのでとりあえず投票所には行く。ビニールの手袋をはめさせられた。終わったら出口で捨てる。エンピツから感染することを防ぐためだろう。

07/06/月
国立国会図書館の協議会。3月の時はすでにコロナ汚染が始まっていたが国会図書館まで出向いた。歩いて自宅に帰ってよい運動になった。今回は初めてのネット会議。いつもSARTRASで使っているZOOMではなくWEBEXのアプリ。先月リハーサルの機会がありその時にアプリをダウンロードしてテストもしたので問題はない。この会議は昔は激しく議論したこともあったのだが、いまはすでに国会図書館と権利者の間にコンセンサスができているので、ほとんど議論がなく進行する。最後まで言いたいことがなかったのだが、アプリの機能を確認するために最後に一言だけ発言した。ちゃんと声が伝わったので安心した。

07/07/火
七夕だね。子どもがいないので何事もなし。梅雨でつねに雨模様だが、毎日雨の止み間をついて散歩には出ている。ただ湿気が多く暑いので疲れやすい。1時間歩くとくたくたになる感じだ。

07/08/水
本日もネット会議。SARTRASの事業に関連したものだが、現場の教育関係者との著作権法についての具体的な指針を作っていく議論。著作権にある程度詳しい人々が集まっているので意見の対立といったものではなく、ガイドラインをどのように作っていくかという作業になりそうだ。参加人数が少なく、具体的な論点となると発言しないわけにはいかないので、つい声が大きくなる。キッチンで夕食を作っている妻には聞こえてしまう。少し恥ずかしい。

07/09/木
昨日に続いて今日もネット会議。しかも朝の10時から。いつも起きる時間だ。9時に起きて準備。SARTRASの分配委員会。これは発言しないといけない会議なので、がんばって発言した。いつもどおりの散歩。『星の王子さま』の青い鳥文庫、34版届く。ありがたいこと。デッドストックをかかえた売れない作家にとっては、昔の仕事が増刷されるのは何より嬉しい。

07/10/金
小川町の先のビルに新しいスーパーが入ったというので見に行ってみたが、惣菜などに特化した小さな店だった。まだビルのテナントやオフィスが入っていない状態で、周囲にも人通りがなく、寂しげな感じだった。そもそもテレワークの利用でオフィス需要が沈静化しているいま、新しいビルをオープンするのはたいへんだなと思った。このビルが建ったため、いままで見えていた皇居の宮殿の屋根が、ぼくの部屋から見えなくなった。まあ、見えていたからどうということはない。資料として倉庫から持ってきた本の中に自分の作品『夢将軍頼朝』というのがあったので読んでみたらおもしろかった。この本を書いたという記憶はあるのだが、どんなふうに書いたかは忘れてしまっていた。この本の内容を発展させる形で『西行』を書いて、重複する部分もあるはずだが、もとの『頼朝』の方がうまくできている感じがする。

07/11/土
今月引き受けている3件の選考会の第一弾が来週月曜日にある。すでに候補作は読んでメモも書いてあるのでこのまま選考会に望むつもりだ。早めに行ってメモを読み返せばいいだろう。「まほろば賞」もメモがあるので大丈夫だが、メモを書くと安心してしまって、どんな作品だったか忘れてしまっている。仕方がない。まだ歴時賞の候補作を全部は読めていない。

07/12/日
この集合住宅に引っ越したのは7年前だが、驚かされたのは日曜10時にニコライ堂の鐘が鳴ることだ。まだ大学の教員をやっていたころで、日曜くらいゆっくり寝たいという感じだが10時に起こされてしまう。いまは毎日が日曜日なので午前中の会議などがなければ10時に起きるので問題はないのだが、今日は9時半に鳴りだした。コロナの自粛期間は鐘が鳴らなかったのだが先週は10時になった。これから9時半に鳴らすことにしたのか。

07/13/月
今月は3件の選考会がある。その第一弾。日大文芸賞。都営新宿線で新宿乗り換え都庁前。去年までは丸ノ内線で西新宿まで行っていたのだが、丸ノ内線が混雑している予感があったので都営にした。都営もけっこう混んでいた。佐藤洋二郎さんに代わって今回から楊逸さんが加わった。初対面だが文学の話なので問題はない。選考会は和やかに進んだ。久々に会話を交わすリアルな会。しかも会食つき。まあ、これくらいのことがふつうにできてほしい。朝起きた時に何かのソフトの更新をしたのだがそれがよくなかったのかメールの受信ができなくなった。これは大問題なので更新したソフトはアンインストール。これでOK。何が災いするかわからない。削除したソフトはふだん使っていないものなので問題はない。

07/14/火
文藝家協会評議員会と常務理事会。先日から東京都の感染者が二百を越えだしたので実施するかどうか検討したのだが、しばらく顔を合わせた会議をやっていないので、皆さまに会えてよかった。天気予報では雨だったので千代田線で国会議事堂前経由、南北線で永田町というルートにしたが、永田町の駅を出てみると雨は止んでいた。帰りも雨にあわずにすんだ。

07/15/水
リアル会議が二日続いたのでやや疲れた。ネット会議は頻繁に続いているのだが実際に人と会って話すのは久し振りなので、体がなかなか対応しなかった。大学で毎日学生や同僚の先生方に対応していたころが夢のような気がする。今日は雨なので外出せず。資料を読んでいる。何気なくいくつかの資料を読んできたのだが、どうやら北条氏についての見解が昔と今とでは変わっているらしい。昔は新興の豪族と考えられていたのだが、そうではなく駿河の平頼盛の荘園などとも関係のある人物で、狩野川の水運を使って資産を増やした氏族ではないかと最近は考えられているようだ。ということで、旧い資料は役に立たない。その旧い資料をもとにしたぼくの『清盛』や『頼朝』もあまり役に立たないようだ。小説なのだから、発掘調査などの新資料にとらわれる必要はないのだが、登場人物のキャラクター設定にも新しい解釈があった方が話がおもしろくなる。

07/16/木
今日は午後7時からネット会議ということで、ゆっくり夕食を食べているひまがない。妻の用事で御徒町の銀行に行ったついでにマツザカヤで弁当を買って帰る。風呂に入り弁当を食べてからネット会議に臨んだのだが、事前に送られてきた資料を表示するために開けたパソコンでアベマTVの将棋につなぐと、何と藤井くんが勝ちそうになっている。孫が今年、藤井くんと同じ系列の中学に入ったこともあって、熱烈に応援している。本日の会議は司会者がネットの画面(iPadで見ている)にも資料を表示してくれるので、パソコンの方は将棋中継を表示したままにした。藤井くんが勝った瞬間は思わず叫んでしまった。マイクはミュートにしてあるのだが、思わず席を立って妻に「勝ったぞ」と言いに行った後ろ姿を会議の参加者に見られたかもしれない。ネット会議のいいところは、画面には顔が映っているだけなので、パソコンでソリティアをやっていてもわからないし、原稿を読んでいてもいい。それにしても午後7時から9時過ぎまでの会議というのはつらいものがある。

07/17/金
本日は休み。『遠き春の日』はプリントに赤字を入れている段階。前半は自分の大学時代。全共闘運動などの話。後半は就職してから作家になるまでの話。後半の方がおもしろくなるはずだが、全共闘運動の話はいまとなっては誰も興味をもたないだろう。とにかく自分に関する事実を書き留めておきたい。いまのぼく売れない作家だが、それでもいくつかの作品は遺してあるので、ぼくが死んだあとに興味をもつ研究者が現れるかもしれない。そのために自伝的なものも一つは書いておこうと思った。昨日、少し時間があったので、気分転換にプリントしたまま忘れていた『光と陰の紫式部』の冒頭部分を読んでみた。このところ歴時賞の候補作を読んでいたので、候補作の冒頭部分を読みながら、もっとおもしろく書かないと読者を引き込めないよ、などと批判していたのだが、自分の作品がどうかということがずっと気にかかっていた。で、『光と陰の紫式部』の冒頭部分を試しに読んでみたのだが、かなりおもしろかった。自画自賛、我田引水ではあるが、実にわくわくするような冒頭だ。残念ながら、紫式部って誰?というような読者には通用しない。しかし安倍晴明が出てくるので、そっち方面が好きな人にはアピールできるはずだ。魅力的な式神も出てくるので、楽しんで読める作品になっている。できれば人にあって作品を売り込みに行きたいのだが、それだけの気力がない。まあ、いくつかデッドストックが貯まって、コロナの問題が終結したころに行動を起こしても遅くはないだろう。歴史小説というものは放置しておいて腐るというようなものではないからだ。

07/18/土
今日は散歩に行っただけ。『遠き春の日々』は自伝的な作品で自分の過去に触れるので書くのがつらいということがあって、やや気分的に停滞している。一昨日、『光と陰の紫式部』の冒頭部分を読んで、わくわくした気分になった。ただまだどんどん赤字が入りそうなので、もう一度全体をチェックしなければならないのだが、ほぼ完成した作品なので読むのが楽しい。歴史ファンタジーは書き始める時は雲をつかむような気分で、かたちらしいものが出来ていくまでは苦しい作業なのだが、草稿を最後まで書ききってしまうと形がはっきり見えてくるので、修正の作業は楽しいものになる。いまはほぼ完成しているのでただ読むだけでも楽しい。ただこの作業が終わると、またゼロから書き始めることになるので、くもをつかむような作業に取りかからないといけない。

07/19/日
『遠き日』。ようやく赤字チェックが終了した。入力に時間がかかる。もう一度、最初からチェックする必要があるのでまだ完了ではない。

07/20/月
入力に手間がかかった。まだ終わらない。明日はマッサージの日で夜はネット会議がある。完了は明後日になるか。

07/21/火
昨夜に内に入力作業を終えプリントも済ませた。しばらく寝かせてから最終チェックとするので手が空いた。先日、オープニングのところを少し読み返した『光と陰の紫式部』を本格的に読み返すことにした。第一章完了。出だしの陰陽師安倍晴明が出てきて童女のヒロインが式神の依代となるくだりは秀逸の展開だ。あっというまに一章を読み終えてしまった。赤字はかなり入るがルビの打ち方とか補助的な説明を入れるなどの細かい直しだけで、展開そのものはほぼ完璧といっていい。後半になるとそうもいかないだろうが、前半部分は何度も読み返して仕上げてあるので充実している。マッサージのために新宿に出かける。三丁目で地下鉄を下りて、歌舞伎町の方には近づかないようにする。自宅に帰ると風呂に入るひまもなくネット会議が始まる。SARTRASはすでに流れが出来ているのでこちらは流れに乗っているだけでいい。7月は何やかやと会議が多く心配されたのだが作業は順調に進んでいる。『紫式部』の見直しの作業も今月中に終了するのではないか。

07/22/水
第二章完了。一日一章のペースで読んでいけば一週間で完了だが急ぐ必要はない。全六章なので三分の一が終わったわけだが、ここまで軽快な展開でおもしろく読めるし、必要な状況設定はきっちり書き込まれている。自分の作品の中でも珍しいくらい完成度が高い。この軽快なテンポが後半まで持続されていればいいのだが、途中から話が込み入ってくるので、まあ、そううまくはいかないと思っているのだが、うまくいっていないところがあってどう改良すればいいのか、すぐにはわからないかもしれない。しかし最後までうまくいっているかもしれないので、それを期待しながら楽しみつつ読んでいきたい。昨日は会議で今週のもう公用がない。来週は日曜から4日連続で重要な会議がある。まあ、今月末までに赤字が入ればいいと思っているが八月に持ち越しても何の問題もない。ただいま書いているこのページのタイトルはそろそろ替えたいと思っている。

07/23/木
世の中は四連休だそうだが、引きこもり老人には何の関係もない。第三章完了。赤字はかなり入っていくが大きな問題はない。ここまですらすら読める。全五章プラスやや短い終章という構成なのでもう半分を越えた。ヒロインの個性が鮮やかで、陰陽師の霊能があり、空を飛んで清少納言と対峙したりする。ややマンガ的ではあるが格調のある文章でリーダブルにしかも重厚に展開している。さて、ここで『紫式部』は中断して、『遠き春の日々』を読み返すことにする。日曜日に『文芸思潮』の五十嵐さんに会うので出来ればその時にプリントを渡してしまいたい。

07/24/金
『遠き春の日々』の三回目・最終回のプリントを読み返さないといけないのだが、将棋の中継などをやっているので思わず見てしまった。藤井くんと丸山さんの竜王戦トーナメント。とにかく勝ち続けないと挑戦者になれないトーナメントだが、後手の藤井くんは劣勢、千日手に逃れた。また最初からやり直し。というところでテレビを切ってプリントに集中。最後は晩酌をしながらチェックを続けて完了。明日入力すれば完成する。

07/25/土
ぼくはスカパーと契約している。Footballを見るためだが、ミュージックビデオを流し続けるチャンネルがあったり、古い映画、古いドラマを流しているチャンネルもある。刑事コロンボを連続で放送しているところもある。チャンネルをぐるぐるさせていたら孤独のグルメばかりやっているチャンネルを発見。麻婆豆腐を主人公が食べていたので、明日は麻婆豆腐、と思ってしまった。妻の運転で深川ギャザリアへ行き、麻婆豆腐を食べる。あとは『遠き春の日々』の入力。明日は「まほろば賞」の選考で、リアルな会議だ。

07/26/日
「まほろば賞」の選考。例年どおりのリアルな選考会で下丸子に向かう。『文芸思潮』主宰者の五十嵐さんの近くということで毎回、ここで選考会が開かれる。新丸子と間違える人もいるのだが、このメンバーに固まって数年になるので問題はない。東急多摩川線に乗るのも年に一度のことだ。選考はスムーズに進み、あとの飲み会も楽しかった。

07/27/月
昨日に続いてリアルな会議。著団連総会。写真家協会のビルに出向くのも年に一度のこと。SARTRASの関係者が多くいつもネット会議でお顔は見ているのだが、実際に会うのは久し振り。写真家協会のビルは半蔵門にある。半蔵門線に乗ればいいのだが、ぼくの住居からだと神保町まで歩くか、都営地下鉄の小川町から乗って神保町か九段下で乗り換えということになるが、乗り換えがめんどうなので市谷から歩くことにした。初めてこのコースをたどって気づいたのだが、半蔵門までに深い谷が二つある。下って昇る、というのを二回くりかえす。いい運動になった。

07/28/火
本日はネットの会議。歴史時代作家協会賞の選考。これは候補者選びがたいへんなのだが、ぼくは最終選考に関わっているだけ。届いた単行本をただ読むだけだ。プロの書き手たちの技倆がわかってなかなかおもしろい。思わず自分の書いているものは大丈夫かと思ってしまうのだが、まあ、大丈夫だろうと思ってしまう。ただテーマの選び方や資料の集め方など、いいところに目をつけていると思う。プロの作家は年に何冊も本を出す。こちらは一年に一作くらいのペースで書いているのでこれではプロになれない。4日連続の会議は明日で終わる。明日がSARTRASのいつもの理事会なのでただ顔を出すだけでいい。ネットの会議なので楽だ。

07/29/水
SARTRASの理事会。いろいろと議論が交わされているが、主に出版社の問題なので、著作者があれこれ言っても仕方がない。この種の会議で初めて一言も発言しなかった。まあ、こういうこともあるだろう。このネット会議は8月も休みなく続いていくが、ネット会議なので東京にいる必要はない。明日は仕事場に移動することにしている。『光と陰の紫式部』の最終チェックの作業も終章に入っている。赤字はどんどん入っていくので、これで最終チェックにしていいかと不安もあるが、入稿するわけではなくしばらく手元に置いておくので、気になることがあれば読み返して修正するこもとできる。ただ来月には次の作品にとりかかるので、赤字の入力が終わったら、この作品のことはしばらくは忘れてしまいたい。終章に到っても破綻なくプロットが展開している。ただ書いている作者が楽しんでいるだけで、第三者が見ればわかりにくく興味のもてない話なのかもしれない。こういう時に信頼できる編集者がいればいいのだが、出版社と縁が切れてしまったので、まあ、時期が来るまでは放っておく。

07/30/木
郵便局に不在届を出してから浜松に向かう。渋谷のあたりでやや渋滞していたが、そこから先はとにかく流れていた。しかし五月くらいの自粛中のガラガラの新東名のイメージがあるので、けっこう混んでいる感じがした。工事があるせいもある。いま新東名は三車線化の工事を続けている。これが完成すれば制限速度を百二十キロにする計画もある。足柄サービスエリアではけっこう激しい雨が降っていた。雨は止んだがどこまで行っても曇天。富士山は影も見えず。とにかく仕事場に到着。翌日は庭の草刈りと覚悟していたら、妻がお金を出して草刈りを頼んでいたようできれいに草が刈られていた。これで明日から仕事ができそうだ。

07/31/金
鷲津のラーメン屋。八百屋。遠鉄ストアを回る。昨日は二十五度だったが本日は三十三度。暑い夏が始まった。『光と陰の紫式部』の赤字入力を始める。暑いので無理はしない。さて本日で七月も終わった。今月は『遠き春の日々』の最終回の執筆に、文学賞が3件もあって作品を読むことに時間を割かねばならなかった。が、その中でも『紫式部』の最終的なチェックを終えた。かなりの赤字が入った。いちおうこれでこの作品は完了ということにしたい。



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