光と陰の紫式部02

2020年2月

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02/01/土
昨年の年末から『光と陰の紫式部』という作品を書き始めた。版元からの注文を受けて書いているものではないので、完成しても在庫になるだけなのだが、本来何がしかの営業をやるものは、在庫をいくつか用意して、求めに応じて販売するものだから、これまでのように注文を受けてから半年くらいかけて書くというやり方の方が、特異なスタイルではなかったかと反省している。締切に追われているのでは、作品を寝かせて熟成させるということもできない。そういう意味で、ベストの作品を書くための最善の努力をしているということはできるのだが、デッドストックがたまっていくという不安もある。本が売れないという状況は今後も長く持続しむしろ悪化していくのではと懸念される。まあ、とりあえずはようすを見守りながら自分の仕事に集中したいと思っている。本日は物置に借りている部屋に資料を調べに行く。目的のものが見つからず、余計な本を持って帰る。

02/02/日
本日はどこにも出かけず。『紫式部』のプリント、第2章に進む。道長の台詞が能天気で魅力的だ。いいヒーローだと思う。ヒロインは暗い紫式部なので、相手役の明るさが救い。知的なヒロインが、この底抜けに明るい貴公子にややぐらつくところがこの作品の見どころだと思っている。いよいよ明日はSUPERBOWL。心ここにあらずという感じで1日を過ごす。今回のSUPERBOWLの見どころは、チーフスのQBマホームズを、49ナーズのディフェンスが粉砕できるかに尽きる。やってみなければわからないというところが楽しみだ。49ナーズの組織化されたラン攻撃はすごい。昨シーズンよりは強化されたチーフスのディフェンスがどこまで機能するか。点の取り合いになることは間違いない。結局、モメンタムの傾きによって一喜一憂することになる。ここにきて自分がチーフスを応援したくなっていることに気づく。結果として49ナーズが勝てばそれはそれで意義のあることだが、ここはマホームズに活躍してほしいという気持が強くなってきた。

02/03/月
SUPERBOWL当日。詳細は別のノートに記した。ホームページからどうぞ。夕方、三省堂まで散歩。人物叢書の『徳川家康』が出たというので行ってみたのだが、本棚に平積みになっていたのが最後の一冊になっていた。危なかった。アマゾンで買ってもいいのだが、紙の本は本屋さんで買いたい。

02/04/火
まだプリントを読み終えていないのだが、かなり赤字が入った箇所が出てきたので、入力作業を始めた。第一章はほとんど直しがない。ということは完成度が高いということなのか。その割に、おもしろい、という感じがしない。読み慣れてしまったせいか。式神が最初に出てくるところは、書いた時はおもしろいと思ったのだが。形の見えない神なのでイメージがうすいのかもしれない。妻の甥が来る。先日も来たのだがしばらく大阪にいて戻ってきた。明日、チリに向けて出発するそうだ。どうやってチリに行くのか想像がつかなかったが、ダラスかヒューストンで乗り換えるのだという。ダラスといえばカウボーイズ、ヒューストンはテキサンズ。昔はオイラーズと呼ばれていた。などとFootballのチーム名は知っているのだが、どこにあるのかは知らない。カウボーイズはNカンファの東地区で、テキサンズはAカンファの南地区だが、地図で調べるとヒューストンはやや東よりの南岸、ダラスはそこから少し北の内陸部にある。アメリカに行ったことがないので、土地勘がまったくない。そして、ダラスもヒューストンも、チリとほぼ同じ経度なのだそうだ。ということは、乗り換えたらまっすぐに南に向かう。時差はないが季節が真冬から真夏に変わる。日本からオーストラリアへ行くようなものか。自分が南米に行くことは死ぬまでないだろうなと考えたりもする。たぶん合衆国へ行くこともないだろう。夜中、SUPERBOWLのビデオを見る。とくに第4クォーター。ぎりぎりの大逆転というわけではないが、マホームズからヒルへのロングパスが通った直後から、形勢ががらっと変わってしまった。49ナーズの攻撃がまったく進まず、守備にも大きな破綻が生じた。Footballは緻密な戦略ゲームではあるのが、将棋やチェスと違って生身の人間が駒となって動くので、メンタルな側面がある。モメンタムという言い方があるが、一つのきっかけで流れががらっと変わってしまう。いったん劣勢になると気持が萎えてしまう。勢いがつくと止まらなくなる。スポーツとはそういうものだ。こちらは見るだけの愛好者だが、とくにSUPERBOWLのような最高水準の試合を見ると、メンタルなものがいかに人を動かすかが見えてくる。

02/05/水
赤字入力は赤字が入ったところまで進んだ。まだプリントが残っている。久し振りに喫茶店に行った。今年になってから初めて。年末にはオマケのフチネコをもらうためにベローチェに通った。3回で1匹もらえる。3匹をゲットしたので9回通ったことになる。その間、行きつけの喫茶店に行かなかったので、実に久し振りだ。往復で3000歩くらいの距離。落ち着いた静かな喫茶店だが、今日はけっこう人がいてざわざわしていた。とくに一人、うるさいおばさんがいて大声が響いていた。それでもここに来ると集中力が出る。プリントの紙を裏返してかなりの文章を新たに書いた。1時間半ほど作業をして外に出ると、冷たい風が吹いていた。今夜から明日にかけて寒波が来るらしい。

02/06/木
昨日に続いて喫茶店で仕事。いい感じで進んでいる。寒波が来ているようで風が冷たかった。

02/07/金
近所の医者に行く。現在の住居に引っ越して7年になる。引っ越してすぐにその医院に出向いて、かかりつけの医院としてお世話になっている。とくに何か診察するということはない。年に一回くらい血液の検査をするだけで、あとは毎回、血圧を計るだけ。まあ、とくに問題もないということで、薬が増えるということもない。自分よりも年上の医者なので、この状態がずっと続くのかやや心配。夕方散歩。物置に借りている部屋に出向く。いま書いている紫式部の次の作品として、天海を考えていたのだが、少し手間がかかりそうだ。それとヒロインが出てこないので小説としての盛り上がりがない。いつかは書きたいと思ってはいるのだが、少し先に伸ばしてもいい。ということで、北条政子のことを考え始めた。頼朝を書いたことがあるので、そこに政子は出てきたのだが、政子を中心とするとどうなるか、ということをおりにふれて考えてみたい。

02/08/土
週末。何もなし。外出もせず。ロビーに夕刊をとりにいっただけ。今週の週末は浜松の仕事場に行く予定だったが、妻のスケジュールで延期している。

02/09/日
休日。何事もなし。

02/10/月
ようやく浜松に向けて出発。日曜と祝日の合間でトラックが多かった。旧東名が工事中なので新東名はかなり混んでいたが大きな渋滞はなかった。風が強い。仕事場は丘の上にあるので風の音で眠れそうにない。

02/11/火
四日市の次男が名古屋に引っ越すというので、物件を見にいく。同じ建物の2階と3階で迷っているらしい。次男と待ち合わせてその物件に行く。確かに迷う。2階は角部屋。3階は真ん中の部屋。それなら角部屋と思っていたが、実際に現地に行ってみると、3階の部屋はわずかに幅が広く、見晴らしがいい。2階は角部屋で窓がたくさんあるのだが、それほど明るいという感じもしなかったので、迷うところだが、見晴らしを優先して3階にしたらとアドバイスした。物件を見たあと、孫2人の中学校と小学校までの距離を実際に歩いて確認する。中学まで20分、小学校まで25分。区域の中学校まで30分。まあ、適当な距離だろう。いちばん近い中学校は試験を受けて合格しないといけないので、下の孫も勉強しないといけない。父親の次男も私立の中学高校へ徒歩で通った。たまたま引っ越したところの近くに私立中学があったのでそこに入れるように猛勉強した。今回は中学に合格したのであるいて行けるところに新居を探したということで、子ども優先の引っ越しだ。父親の次男は職場が遠くなる。一回乗り換えで一時間以上の通勤となるが、まあ、仕方がない。ということで、本日は浜松から名古屋までの往復ドライブとなった。いい気分転換になった。

02/12/水
この仕事場を建ててくれた大工さん来訪。ミカン農園も保有していて、ミカンを送ってもらったり、孫がミカン狩りに行ったり、いろいろとお世話になっている。ぼくより2歳くらい上だが体調を崩しておられて足取りがおぼつかない。大丈夫かと心配になる。建物の修繕などもお願いしているので、この人がいなくなると、仕事場の維持が大変になる。仕事場の近くを散歩。ここは別荘地になっていて、どこを歩いても居住者の車がときおり通るだけで、歩行者天国みたいなところだ。別荘地の果てまでいくとその外に小さな集落があり、そこから湖岸に出て、自転車道を通って別荘地に戻ることができる。先日テレビで、浜名湖の水がきれいになって、栄養不足でカキやアサリが育たないと指摘していた。そう思って湖岸から^鼻湖(浜名湖の支湖)の水面を見ると、確かに山奥の清流のように澄んでいる。以前は藻が繁殖して緑色に濁っていた。周辺の地区の浄水設備が整備されて、下水が浄化されたため、富栄養化の逆で、カキやアサリの餌となる藻や植物プランクトンが減ったのだろう。過ぎたるは及ばざるがごとしということか。

02/13/木
今日はまず三ヶ日の町へ行って、プロパンガスの配給をお願いしている米屋さんで支払い。それからハチミツ屋でハチミツ入りのラスクなどを買う。それから志都呂イオンという巨大ショッピングモールへ出かける。モール内の本屋で歌の本とパズルの本を買う。神保町の近くに住んでいるから本屋に行くことが多いので、ここでは仕事場で必要なものしか買わない。ここではひまなので、最近の歌に挑戦し、お絵かきパズルでひまつぶしをする。この仕事場に着いた月曜日は極寒だったが、昨日から暖かくなった。四月の陽気だという。石油ストーブを点けなかった。

02/14/金
今日も暖かいのだが雨模様。週末には寒波が来るらしい。灯油がほぼ尽きたのでホームセンターへ行ったのだがポンプの故障だとかで買えなかった。道路沿いのガソリンスタンドはセルフのところばかりで、結局買わなかった。エアコンがあるので何とかしのげるだろう。

02/15/土
四日市の次男が急に来ることになった。孫2人も来る。暖かいので庭に出てバーベキュー。使い捨てのコンロが一つ残っていた。人生ゲームをする。この仕事場ができたばかりのころに購入したもので、40年くらい前のバージョンだ。火星人に食事をごちそうするとか、とんでもない設定が出てくる。夕食は近くの和食の店に出向く。仕事場に帰ってタモリの番組を見てから、彼らは帰っていった。四日市は近い。だが名古屋の新居に引っ越すともっと近くなる。

02/16/日
昨日庭に出てバーベキューをしたので花粉を吸ってしまったようだ。朝のまだ暗いうちに呼吸困難で目が覚める。咳とくしゃみも出る。コロナウイルスが蔓延しているのでこのまま世間に出たら隔離されてしまいそうだ。夜中から雨が降り出した。呼吸困難だけでなく雨の音も気になって寝られない。仕方がないので暗いうちに起きて仕事をする。注文を受けてやっている仕事ではないので、労働ともいえない。役に立たない道楽みたいなものだ。しかし文学というのはもともとそういうものだろう。

02/17/月
いい天気になったが寒い。風もある。西気賀の駅舎にある知人のレストランに行って昼食。それから浜松市の植物園に行く。けっこう桜が咲いていた。風が強いので温室に退避。併設の動物園に回る。トラとライオンの食事のようすを見た。けっこういい肉を食べている。帰りにコメリに寄って、三ヶ日のコメリで買えなかった灯油を買う。もう1回分を切っていたのでこれで安心。今夜と明日は寒くなるようだ。水曜日には東京に戻らないといけない。

02/18/火
昨日は植物園でのんびりしたのだが、花粉を吸い込んでしまったようだ。夕方から目がかゆくなってきた。薬を飲んで症状を抑えたが、どうもスッキリしない。今年は花粉は少ないという予報だったが、仕事場の周囲には緑が多く、木造家屋で風も吹き込んでくる。まあ、明日東京に戻るので、閉めきった集合住宅の中でじっとしていようと思う。

02/19/水
朝10時に三ヶ日インターに入り、午後3時前に自宅に戻る。渋滞もなく快適なドライブだった。本日は移動だけの日。浜松の仕事場に10日ほどいたことになるが、次男と2回会ったので何だか慌ただしかった。着いた当日は寒さで気分が萎えたが、暖かい日もあった。しかし暖かいと花粉が舞う。東京の集合住宅に閉じこもっているのがいいようだ。

02/20/木
SARTRASの総会と理事会。理事会は3時間くらいかかった。まったく発言しなかった。花粉の薬を飲んでいるので頭がぼうっとしている。パソコンの前に座るとほっとする。

02/21/金
文藝家協会でオーファン委員会。文化庁からの補助金で実施している裁定制度の利便性を計る試みも4年目の最終段階に入ってきた。毎年開いている報告を兼ねたシンポジウムはコロナウィルスへの対応で、会場での実施は中止とし、文藝家協会の会議室でのシンポジウムとなったが、当日のやりとりは記録をとってホームページ上で公開することとなった。審査員を務めている旺文社のコンクールの表彰式も中止となった。こういう状況がいつまで続くのかわからないが、不要不急ではない重要な会議はいくつもあって、マスクが手放せない日々が続くことになる。こちらは花粉対策でこの季節は必ずマスクと眼鏡をつけているのでべつに問題はない。浜松の仕事場に10日ほどいて、この間はSUPERBOWLのことを忘れていた。御茶ノ水の自宅に戻るとテレビの中に録画が残っているので一昨日も昨日も見てしまった。NHKのものはスカパーのものが録画されている。スカパーの中継は副音声で違う解説者の解説があるので、3とおりのバージョンを楽しめる。3月の後半にトレードの解禁があり、4月にはドラフトがある。去年のドラフトの1位はカージナルスのQBマレーだった。フル出場したがもともと弱いチームだったので成績はかんばしくなかった。2位のディフェンスタックルのボサだった。これは大活躍だった。カンファのシード1位も、SUPERBOWLの4クォーターの半ばまでリードしていたのも、ボサの活躍だ。最後の最後に、チーフスのマホームズが、ぎりぎりどボサの追撃を交わす体術を会得した。腕をつかまれてもバランスを崩さずに走ったり投げたりできる。忍者もどきの驚異的な体術に前に、ついにボサの方が力尽きた。まれに見る接戦であり、矛と盾の対決だった。今年はビリのベンガルスがQBのバローを採るのは確実だが、2位のレッドスキンズがどのポジションの選手を選ぶかが注目される。去年レッドスキンズはQBのハスキンズを採った。2年連続でQBをとるわけにもいかないだろう。4月のドラフトが注目される。そのころにはSUPERBOWLのことも記憶の彼方に遠ざかっているはずだ。Footballの場合は支配下選手の年俸の合計額に規制がある。プレーオフに出場したチームは個々の選手の年俸を上げないといけないので、誰かを放出しないといけない。成績の悪かったチームはドラフトの上位選手を指名できるので、ボサの活躍で前年ビリから2番目だった49ナーズがSUPERBOWLに出場したように、それぞれのチームの戦力ががらっと変わることになる。ほとんどゼロから出発するような感じだ。SUPERBOWLを制覇したチーフスは、マホームズの年俸を上げ、レシーバーやディフェンスの有力選手を放出することになる。その点、若い選手の多い49ナーズは大半の選手をそのまま確保できるはずだ。ただQBのガルポロが最後に弱点をさらけだした。そこをどうするか。というようなことを考え始めるときりがない。自分の知人の中にFootballのファンが一人もいないので、こういう話を人と交わすことができないのが残念だ。

02/22/土
『文芸思潮』に連載している『遠き春の日々』の第2回のゲラが出ている。100枚ぶんなのでけっこうなボリュームがあるが、原稿の段階で何度も読み返したので大きな直しはない。それでも打ち間違いや文脈がおかしいところは見つかるもので、何カ所かに赤字が入った。これで完了。3回の連載の予定だが、不定期刊の雑誌なので最終回の締切はかなり先になる。『光と陰の紫式部』の草稿を先に完了させたいと思っている。

02/23/日
昨日赤字を入れたゲラの赤字の部分を、送付した原稿に入力しておく。単行本にする時にゲラで直した部分を入れておかないといけない。ただ単行本が出るかどうかもわからないので無駄な作業かもしれない。とにかく『文芸思潮』からの依頼があってこの自伝的な作品が活字になって残るということに意義がある。作業を終えてゲラを封筒に入れ、近くのポストに投函してから床屋へ。日曜なのでスタッフが3人しかいない。ぼくが店に入った時は5番目だったが、その後、次々に客が来て座る場所がなくなったりした。何人かは帰っていった。入店するのが少し遅れるとえらい待ち時間になるところだった。料金が安いのでいつも混んでいる店だが、ウィークデーにはスタッフが6人ほどいるので開店が早い。料金が安いこともあってものすごく雑な苅り方をする。だから一人あたりの作業時間が異様に短い。そこが気に入っている。男性のスタッフが一人。この人が店長なのか店主なのか。あとは年輩の女性スタッフだ。この店に通い出したのは御茶ノ水に引っ越してからだから、7年ということになるが、1年に4回くらいしか床屋に行かないので、合計20回くらいか。これまで1度も店主の男性スタッフに当たったことがなかったが、今日は3分の1の確立で、当たるかなと思ったら当たった。さすがにこの男性スタッフの苅り方は丁寧で、仕上がりも見事だったが、鼻毛や耳の毛を丁寧に処理するので苦しかった。ぼくは床屋が嫌いなのでめったに行かないし、この店のスピーディーさが気に入っているのだが。自宅に帰ると妻の新しいパソコンの設定に協力した。パソコンの設定というのは疲れるものだ。ぼくのパソコンは引っ越しの前から使っているので10年近くになる。当然、期限の切れたWindows7だ。書きかけの原稿だけはまめに差し込んだカードにコピーしている。あとはべつに重要な文書は入っていない。壊れればそれでもいいと思っている。妻は銀行につないだりするので、Windows10の新しいパソコンを購入した。妻は経理を担当しているので、ぼくの仕事の帳簿をつけている。引っ越しすべき文書はそれだけだが、セキュリティーソフトをすぐに移し換える必要がある。で、新しいパソコンを起動させ、ネットにつなげるように室内のWi-Fiの設定を完了させ、次にネットからセキュリティーソフトをインストールしたのだが、最終的な段階で画面が真っ黒になって貼り付いてしまった。こういう場合、パソコンが1台きりだとどうしようもないのだが、ぼくも妻はiPadをもっているので、ネットで状況を入力して検索した。まず真っ黒になったパソコンを動かす方法は妻が発見した。コントロール、シフト、ESCキーを同時に押すと何とかなるらしい。それから入れたセキュリティーソフトをアンインストールして入れ直した。それでOK。試行錯誤があったので3時間近くかかった。ぼくは去年まで大学に勤務していて、自分の研究室のパソコンにはウィンドウズ10が入っていたのだが、設定は係の人がやってくれて、しかもウィンドウズ7と見かけが変わらない状態に画面を設定してくれたので、まったく問題なく使っていたのだが、自分で設定するとなるとわからないことが多すぎる。とにかく設定は完了して、帳簿も移し換えた。本日はここまで。あとはメールの設定とプリンターのドライバーをダウンロードすればいい。これは必要に迫られてからやればいいだろう。ああ、疲れた。今週も終わった。月曜日に浜松の植物園に行ったことが夢のようだ。水曜日に東京に戻って、木、金と連日会議があったので、何だかあわただしかった。大学に勤務していたころは、ぎっしりつまった授業のあいまに会議が割り込んでいて、行きつくひまもなかったのだが、授業がなくなり会議だけになると、けっこうめんどうな気がする。まあ、明日は祝日なので、まだ休める。会議がなけば毎日が日曜日ではあるが、ウィークデーはけっこうメールのやりとりがあるので世間とつながっている。やはり休日はほっとする。

02/24/月
昨日に引き続いて妻のパソコンの設定を手伝う。ウィンドウズ10はデスクトップにゴミ箱のアイコンしかない状態から始まるので、何だか寂しい。コンピューターとか、コントロールパネルとかに接続したいし、よく利用するサイトのショートカットも貼り付けておきたい。ぼくが大学で使っていたパソコンはそういう状態になっていた。そこで少し手伝って、わかりやすいレイアウトを設定した。メールは妻が設定したのだが、あまりに簡単すぎて拍子ヌケしたみたいだ。ぼくは相当昔からパソコンを使っているが、昔のパソコンでメールソフトを設定するのは至難の業だった。何かいろいろな数字を入力しないと対応できなかった。いまはすべて自動化されているようだ。あとはプリンターのドライバーをインストールした。我が家ではプリンターは個別の機種を使用している。ぼくのプリンターはパソコンのヒモでつながっている。妻はiPadやiPhoneでも写真をプリントするので、Wi-Fiに対応したプリンターを使用している。このWi-Fiの設定がスムーズにいかなかった。ルーターが古いものなので検知できなかったみたいだが、手動で設定できた。夕方、神田明神と湯島天神に妻と出向く。次男の長男の中学合格を感謝し、長男の長女の大学入試合格を祈願する。湯島天神の梅を見にいったのだが、やや盛りを過ぎていた。

02/25/火
貸与権センターの新年会の予定だったが、疫病流行のため中止となった。この時期に新年会というのもへんなのだが、多忙な人々の調整がつかなかったのだろう。まあ、不要不急の会なので中止は当然だ。明日のSARTRASの会議は不要不急ではないようで開かれることになっている。

02/26/水
昨日の会合は中止となったが、本日の会議は実施されるようだ。SARTRASの分配会議。少し早めに家を出て千代田線に乗り、いつもは霞ヶ関から歩くのだが、本日は日比谷で日比谷線に乗り換えた。6月ごろに虎ノ門ヒルズという駅が出来るらしいので、どんなものかなと思って乗ってみた。霞ヶ関と神谷町の間に、確かに新駅のホームドアが出来ている。本日は神谷町で降りて、森タワーの方に向かう。愛宕神社の下のトンネルの手前に、参道があったのでそこから登ってみた。驚くべき長い階段があって愛宕神社に到達した。山の頂上に神社と池がある。そこから鳥居の方に向かい階段を降りる。ここが有名な、江戸時代に馬で登った武士がいるという階段らしい。足がガクガクした。SARTRASの入っているビルまで来たが、このビルをよく見ると真言宗の寺のビルとくっついている。どうやらこの寺は寺域の一部を森ビルに売って寺がくっついたビルを建てたようだ。まだ時間があったので森タワーの方にエスカレーターで上がっていくとテラスのようなところがあり快適そうな椅子があったのでしばらくそこでノートにメモをとっいた。時間が来たので会議に出席。今日は必要があってかなり長く発言した。まあ、発言したところで大きく前進するわけではないのだが、必要なことは言っておかないと流れに押し流される。自宅に帰ってまた妻のパソコンの設定につきあう。どうもメールの設定がうまくいかない。ウィンドウズ10というのは何だかダメなシステムではないかという気がしてきた。

02/27/木
今週の公用は昨日で終わり。週末までずっと休み。来週も無観客でやるオーファン委員会のシンポジウムの他は予定がすべてキャンセルになった。まあ、のんびりできる。本日はSARTRASで必要な住民票をとりに近くの出張所へ行ってから、なじみの喫茶店で仕事。『光と陰の紫式部』の第三章の途中までをプリントしてもっていった。1時間ほどの間にすべて読み終えて、ここまではうまくいっていることを確認した。自宅に戻ってただちに入力。喫茶店に行く途中、赤ペンをもってくるのを忘れたことに気づいて、コンビニで買う。100円もした。100円ショップなら100円で2本買える。世の中はコロナウイルスで騒いでいる。大学が休みの期間でよかった。去年までは大学の先生をしていたので、もし自分が大学にいたらということが気にかかる。東日本の震災の時も大学の先生をしていた。あの時は電力不足で、夏休みが大幅に前倒しになり、授業が減ったので楽だった。4月になっても疫病が収束しなげれば大学も休みになるのではないか。オリンピックも中止になるかと懸念する人もいる。切符を買えなかったし、自宅のすぐ近くを通るはずだったマラソンも札幌に行ってしまったので、オリンピックはどうでもいいと思っている。前のオリンピックの時は大阪の高校生だったので、テレビで見ただけだ。

02/28/金
妻の運転で深川のスーパーへ。イトーヨーカドーは8のつく日は5%引きだそうで、けっこう混んでいた。昼食にスパゲッティーを食べ、妻が買い物している間にベンチに座ってメモを採る。久し振りに式神が出てきて、京の上空で怨霊とバトルを展開する。作品を書き始めた当初は何も考えていなかったのだが、安倍晴明が出てくるからには蘆屋道満も出てくるだろうし、怨霊も出てきてほしい。誰の怨霊なのか。怨霊になりそうなのは、中宮定子の母なのか。叔母はのちほど呪詛事件の主役として登場する。まあとにかく、そんな感じで怨霊を出すことにした。『柿本人麻呂』では忍び武者と鎖鎌の対決があったが、何かそういったバトルがないと小説が展開していかない。ドストエフスキーのように知的な会話だけでもたせることは、日本の読者には難しいようだ。

02/29/土
週末は休み。疫病のせいで世の中の全体が3月半ばくらいまで休みになるようだ。昨年まで勤めていた大学ではこの時期まで入試がある。とくに大学院の入試には半分くらい留学生が受けに来る。どういう状況になっているか気にかかる。来週、大学の先生方と会食の予定になっていたのだが、それもキャンセルになった。まあ、こちらが心配してもどうなるものでもない。妻のパソコンの設定はどうやら完了したようだ。メールの設定がけっこう難物であったが、それでもパソコンの使い始めのころに比べればずいぶん楽になった。もっと楽になっているかと思ったのだが、けっこう必要な情報を打ち込む必要があった。妻のパソコンが一段落したついでに、自分の端末の環境も調えようと思い、パソコン内の動画などをiPadに転送できないかとネットで調べたのだが、iTunesというものが必要なようだ。ところがサイトからダウンロードしようとしてもうまくいかない。Windows10用のソフトしかダウンロードできないようになっている。しかしさらに調べると、旧バージョンが置いてあるサイトを見つけてダウンロードに成功した。ずいぶん時間がかかった。試しに一つ動画を転送したのだが、iPadのどこに入ったかわからない。自分のiPadには「ビデオ」というアイコンがないようだ。しかし映画のアイコンを調べてみると、そこにビデオが転送されていることがわかった。これで半日を費やしてしまった。『光と陰の紫式部』はいよいよヒロインが陰陽師の超能力を発揮し始めた。これが作品のテーマではない。話をわかりやすくするのと、展開に動きをつけるために、式神の天后媽祖や、その脇侍の千里眼、順風耳の能力を借りて、先の展開を暗示したり、理屈っぽい説明になりそうなところを具体的なイメージに見せるために、紫式部が空を飛んだり、清少納言と対決したりといったことになる。いまは作品のちょうど半ばくらいのところなので、このあたりに一つの山場として大スペクタクルを展開したいと思っている。


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