デーヴァダッタ15

2024年3月

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03/01/金
『デーヴァダッタ/釈迦と提婆達多』は草稿が完成したが、まだ何度も修正していかなければならないし、次の作品の構想もないので、しばらくはこのタイトルのままでノートが続けていく。ノートは昨年の1月から始めたのだが、まだ前の作品の作業が続いていた。しかし資料は読み始めていたし、それなりの構想は立てていた。まだ中勘助の作品では釈迦と提婆達多は従兄弟ということになっているのだが、別の伝説ではヤショーダラの弟ということになっているので、そちらを採用することにした。ただしそれでは近親相姦になってしまうので、異母弟ということにした。母が異なる場合は婚姻が認められるケースが世界的にあるし、日本でも聖徳太子の時代はそうだったので、読者にとっても違和感はないと考えた。シッダルタ、ヤショーダラ、デーヴァダッタの年齢差を、とりあえず6歳ずつ違うということにして物語を作り始めた。シッダルタにはスンダラナンダ王子という異母弟がある。異母といっても母同士は姉妹なので、この場合はほとんど同母の兄弟に近いといっていい。それで、デーヴァダッタはヤショーダラの従者をしているという設定を思いついた。最初の3ヶ月はだいたいそういう作業をやっていた。カピラヴァストゥ、ローヒニー河、ルンビニー園、デーヴァダハ城という位置関係、さらにはシュラヴァースティ、ヴァーナラシー、ガヤ、ラージャグリハ、ヴァイシャーリーといった都市の配置も頭に入れておいた。ドストエフスキーの4部作、その前の『地に火を放つ者/トマスによる第五福音書』は外国を舞台にしている。日本の歴史だと読者もだいたいの歴史と地理が頭のなかに入っているので説明の必要はないのだが、そもそも恒河(ガンジス)が西から東に向かって流れているといったところからチェックをしておく必要がある。ただヒマラヤはどの場所からも北に見える。北の方に行くと寒くなるというのも安心できる。南半球はもとより、ドイツも南にアルプスがあるので、南に行くと標高が高くなって寒くなるから油断できない。それだけの準備をして4月1日からオープニングを書き始めた。その時に書いたオープニングはいまもそのまま活かされている。どんどん書いていって、その後に大幅な修正はしていないので、すらすら書いていけたという気がしている。『続カラマーゾフの兄弟』などは語り手を誰にするかでかなり長く悩んでいた記憶があるが、今回は三人称の客観という導入分から、デーヴァダッタが登場してからは三人称主観で、デーヴァダッタの視点で物語が展開する。実際には最後の方はアーナンダの視点になることもあるのだが、そういうことは当初は考えていなかったし、エンディングについても何も考えていなかった。ただ六師外道との対決を中盤の山とするということは最初から考えていたように思う。さて、3日ほど前に草稿が完成して、いまは読み返しの作業に入っている。まだ用語用字について大幅な修正が必要なのでワープロの画面で作業を進め、随時、一括変換で用字の統一をするのだが、一括変換できないケースもあり、けっこうな手間がかかっている。ただそういった手間は前半で終わると思っている。途中から、用語用字の基本みたいなものが頭に入ってきたので、ある程度、きっちりとした原稿が書けるようになった。オープニングの段階では用語のことなど何も考えていなかったが、漢字にサンスクリットのルビをふるということは当初から考えていた。そこで漢字にふつうのルビはつけたくないと思い、常用漢字以外はなるべく平仮名にひらくということをやってきたつもりだが、前半はそこまでのことは考えていなかったので、そのつど修正が必要になっていく。この作業を始めて3日目だが、けっこう疲れる。これを1300枚ぶんやるのかと思うと、気持がなえそうになるが、1ヵ月でこの作業を終えたい。さて本日は三越本店まで散歩。週刊誌のグラビアに上野寛永寺に奉納する龍の天井画が展示してあると紹介されていたので行ってみた。確かに龍がいた。龍はどこにでもいるのだが、よくこんなイメージができるなと思われるようなすごいものだ。西洋のドラゴンとは少し形態が違っている。インドには天龍八部衆というものがあって、龍はナーガと呼ばれている。沖縄では蛇のことをナーガというらしい。ヤマトコトバでも昔はナーガという言葉があって、「流れる」や「眺める」の語源になったのではという説がある。

03/02/土
草稿チェックの作業に入って5日目。いま5章の半ば。毎日1章のペースより遅れている。3章で少しつまずいて時間をとられたが、ここまではパーフェクトだ。4章にはコーサラ国ジェータ王子がカピラヴァストゥに遊学に来る。ここでバラモン教の美しいイメージが語られる。あとで釈迦がもっとすごいイメージを出すのだが、バラモン教もなかなかのものだという印象を読者にもってもらいたい。中盤に六師外道が登場するが、この六人もなかなかの思想家で、哲学バトルが続くところが、この作品の山場となっている。第5章では舞台がコーサラ国の首都シュラヴァースティに移る。のちに祇園精舎ができるところだが、ここでもさまざまなドラマが展開される。最後の大悲劇のヒロイン、マガダ国の王妃ヴァイデーヒーが、ここではまだコーサラ国の王女として登場する。なかなかすごいドラマが待っているのだが、こういう展開は伝説をそのまま踏襲する。仏教のおもしろいところは、さまざまな物語が錯綜していくところで、そのおもしろさはぼくの作品でも活かせるところは活かしていきたい。もっとおもしろく、という狙いはあるのだが、既存の仏教とはまったく違うイメージを出したいと思っている。

03/03/日
妻と池袋へ行く。デパートで物産展をやっているとのことで行ってみた。御茶ノ水に住んでいるので、マツサカヤか三越に行くことが多い。どちらも散歩で行ける距離。たまには電車でデパートに行くのもいい。6章に入っている。コーサラの皇太子に、カピラヴァストゥの大臣の娘を側室として嫁がせる。これは史実というか、伝説として記録されている話だ。カピラヴァストゥが滅びる原因がここにある。ぼくの作品はフィクションなのでここでもデーヴァダッタが画策することになる。このあたりから主人公の悪事が描かれることになるが、内面をしっかり書いているので悪人とは感じられないようになっている。主人公はまだ少年で、デリケートな感性をもっている。それとシッダルタが精神的に主人公を追いつめていく過程がしっかりと描かれている。小説としてしっかり描かれている。ここまではまったく問題はないが、心理の説明がくどいところがあるので少しずつ削っていく。ブラッシュアップというのはこういう作業をいうのだろう。

03/04/月
今日はいつもの深川ギャザリアへ行く。防寒用のベストを買う。冬のシーズンはもう終わりだが、そのせいか半額セールをやっていた。来年にそなえる。来年の冬もまだ生きているつもりだ。さて6章の後半、いよいよヤショーダラとの関係が深まる展開になるのだが、その前にシッダルタとの対話がある。シッダルタとデーヴァダッタの対話はこの作品の骨格を形成している。だから時々、この二人の対話がはさまることになる。同じことをくりかえしているようでいて、少しずつ違うことを言っている。哲学について何か言及しようとすると、結局は禅問答みたいなものになる。

03/05/火
スーパーボウルから1ヶ月ほど経った。寝酒を飲む時間、ほぼ毎日、何らかのビデオを見ている。チーフスは延長も含めてタッチダウンは2回しか決められなかった。2回とも一番右にいたレシーバー、最初はスキャントリング、延長の逆転タッチダウンはハードマン、いずれも伏兵だ。昨年のスーパーボウルでも伏兵のトニーとスカイ・ムーアがタッチダウンを決めた。いざとなったら伏兵を使うと決めて、そのための練習を重ねてきたのだろう。今回の2回のタッチダウンはいずれも隣にケルシーがいた。ケルシーがゴールゾーンに駆け込む気配を見せたので、相手のディフェンス2人がケルシーの方に動き始めた。スーパーボウルではマホームズも怪我を恐れず走るので、マホームズにもディフェンスがつく。ケルシーに2人ついた時点で、一番右のレシーバーは完全にフリーになる。そのことがわかっていても、ケルシーの方が怖かったのだろう。スキャントリングもハードマンも、シーズン中は落球につぐ落球だった。ちゃんとキャッチできる方が少なかった。その点、新人のライスや、巨漢のワトソンの方が確実性がある。49ナーズはこの2人は無警戒だったのだろう。しかし2回のタッチダウンで勝てたのは、バトカーのキックもあるが、ディフェンスの勝利といっていい。この1ヶ月で、最初の明らかになったのは、ディフェンス指揮官のスタグニューロの残留が決まったこと。去年のイーグルスは、攻撃と守備の指揮官が別のチームのヘッドコーチになった。スタグニューロも狙っているチームがあったはずで、早々と残留を宣言した。今年のフリーエージェントは、ディフェンスラインの大物スターのクリス・ジョーンズと、新人期間が明けるコーナーバックのスニード。球団はスニードにフランチャィズタグをつけた。これがつくとフリーエージェントではなくなる。新人期間の安いギャラとは比べものにならない年俸が約束されるのだが、その金額を上回るトレード交渉があれば、本人の意思でトレードに応じることもできるのだが、トレードの場合は最終的には球団が決めるもので、球団は相手チームに次回のドラフト権を要求できる。が、スニード本人が、マホームズとともに3連覇をやってみたいと思っているはず。このスニードと、もう一人のコーナーバックのマクダフィーが、隠れたMVPだ。ディフェンスバックは若い人が多く、パントでターンオーバーを獲得して若いワトソンなどもいるし、セーフティーにも若くて優秀な人材がいる。スニードが残留することになれば、ディフェンスバック陣は安泰だ。問題はクリス・ジョーンズで、この人はインナーなのに相手QBに向かって突進していく。チーフスのエッジ(エンド)の左右に2年目のカーラフティスと新人のウゾマーがいて安泰なので、クリス・ジョーンズが抜けても何とかやっていけるのだろう。つきあっているテイラー・スイフトに2億円ほどする観覧席を提供したケルシーのギャラアップは避けられないので、サラリーキャップを維持するために、クリス・ジョーンズは放出するしかない。ドラフトの最下位の32番目だろうが、それでもインナーならいい選手を指名できる。エッジはいま人気があるので、カーラフティスもウゾマーもトップクラスの新人できなかったのだが、役に立っている。インナーならトップの選手を指名できるのではないか。ドラフトの2巡、3巡もディフェンスバックか、オフェンスラインになるだろう。そうなるとレシーバーは現状でいくしかない。パチェコを7巡目で指名(49ナーズのQBパーディーが最下位だった時のその数人手前だった)できたように、6巡目か7巡目で、ランニングバックを指名してほしい。

03/06/水
いよいよシッダルタが修行の旅に出る。ここまでが第1部ということになる。デーヴァダッタはすでに最初の父親殺しに向けて画策を始めている。その次に六師外道との対決がある。これは主要なストーリーとは関係のないオマケみたいなものだが、これが作品のメインテーマなのかもしれない。楽しい哲学論争になっているはずだが、慎重にチェックしていきたい。

03/07/木
久し振りにリアルな会議。明日もリアルな仕事があって、この2日間は作業は停滞する。1日に1章のというノルマがやや遅れ気味のところにこの2日は停滞は残念だが週末に少しは取り戻せるだろう。しかしあせってもしようがないので、淡々と作業を進めたい。まずサーラの総会。これはどう考えても時間の調節ができないので欠席として、文藝家協会の評議員会。着いたら隣の部屋から事務局長の声が聞こえてきた。ぼくが欠席した会議に事務局長は出席して意見を述べていた。そうだ、こちらも早めにこちらに来てネットで参加すればよかったと思ったが、この会議についてはこちらの意見みたいなものはないので、まあ、事務局長に任せればいいかなと思った。評議員会が早めに終わって、次の常務理事会まで1時間近くタイムラグがあったので散歩。SARTRASが夏前に引っ越す場所の下見に行った。現在の事務所は溜池にあって、千代田線の国会議事堂前から歩いて行けるのだが、今度のところは永田町で、文藝家協会からは近い。半蔵門線からが最短だが、ぼくの自宅から半蔵門線に乗るためには神保町まで歩かないといけない。いつもの散歩のコースなので歩いてもいいが、それなら千代田線で国会議事堂前から歩いてもいい。ということで国会議事堂前まで歩いてみた。坂道だし議員会館の裏で寂しいところだ。千代田線で大手町のりかえ半蔵門線か、都営新宿線の小川町から九段下のりかえか。などと考えてみた。SARTRASはわりとリアルに出向くことがあるのでいずれどれかを選択しないといけない。

03/08/金
SARTRASの共通目的委員会。終わってすぐに自宅を出る。ホテルオークラで旺文社のコンクールの表彰式。ぼくは小説部門の担当。表彰式のあとパーティーがあって、受賞者と話す機会がある。若い人と話すのは楽しい。今回は読書感想文部門の中学生が、「いちご同盟」の感想文を書いてくれたので、挨拶に行こうと思っていたら、そのお母さんはぼくの長男の高校の同級生だった。お母さんが読めと言ったわけではなく、娘さんが自分で文庫を買って感想文を書いたとのこと。長男の高校は40人のクラスで男子一人というところだった。まあ、印象に残る生徒だったのだろう。いろいろとそのころの話ができて楽しかった。

03/09/土
一昨日、昨日と外出の仕事があって時間をとられた。週末は集中したい。とにかく淡々と作業を進めるだけだ。スダッタ長者という重要人物の影がうすいので、早めに登場させる場面を追加。本日は上野まで散歩。Footballはネットで情報を見ている。ディフェンスのスニードにフランチャイズタグ。まあ、残留してくれるだろう。トレードを求める権利は選手側にあるのだが、他のチームに移籍する場合はそのチームから見返りにドラフト指名権をもらえる。1年契約だったトランクウィルは新たに3年契約で残留。ボルトンが負傷している間に穴埋めで大活躍した。あとは新人が多いのでバックス陣は安泰。ディフェンスラインもエッジの両翼は、2年目のカーラフティス、ルーキーのウゾマーがいるので大丈夫。インナーのクリス・ジョーンズは放出するしかないだろう。

03/10/日
マリハムという娼婦が出てくる。この作品は釈迦の思想の一端が出ていると思われる仏教経典と、釈迦の生涯についての仏伝をもとにして書いているのだが、この娼婦はフィクションとして設定した。作品には多くの女性が登場するのだが、多くは王族だ。最後にアームラパーリーという娼婦が出てくるのだが、これは富豪となった娼婦で、仏伝に登場する人物。マリハムについては、西方から流れてきた舞姫ということにしてある。どうしてこのような人物を設定したのか、いまとなってはわからない。一年間かけて書いた草稿を読み返す作業をしている。書いている時は、先に何が起こるかわかっていなかった。いちおうのストーリーは考えていたが、どういう過程でエンディングに向かうかはまったく五里霧中だった。エンディングそのものもぎりぎりになって思いついたものだ。従ってこのマリハムを登場させた時点では、これから何が起こるのか、この女がどうなっていくのかもわからなかった。いまはエンディングまでを書き終えてから読み返しているので、結末までがわかっている。わかっていて、草稿を読み返すと、未来に何が起こるかわからないまま、不安をかかえながら試行錯誤している自分と向き合うことになる。不安な自分、ほぼ一年前の自分と、いまの自分とがいる。不思議な対面だという気がする。

03/11/月
震災の日。遠い土地の震災と津波と原発事故ではあるが、当日は東京でもかなり揺れた。ぼくは文藝家協会で総務省の人と会う約束をしていて、当時は三宿に住んでいたので半蔵門線永田町の駅から、赤坂プリンスの横の出口に向かうエスカレーターに乗っていた。出口が見えるくらいのところでエスカレーターが異様な音を立て始めたので、故障かと思って駆け上がって外に出ると、高速道路の照明が激しくしなりながら揺れているのが見えた。地震だとわかって周囲を見ると、通行人が皆、地面にしゃがみこんでいた。文藝家協会で総務省の人と一時間くらい話をしている間にも2回くらい余震があったが、大丈夫そうだったので話し続けたので、あとで職員から「地震平気症」と言われた。そこで協会のテレビで津波のようすを見た。その時はまだ遠くの地震と思っていたのだが、東京もすべての交通機関が止まっていると言われて困惑した。永田町から三宿まで歩いて帰ったのだが、途中の渋谷の混雑ぶりはいまも目にやきついている。いま住んでいる高層住宅はすでに工事が進んでいて、その年の後半に売り出されたのだが、値段が安かった。高層ビルがかなり揺れたというニュースが頻繁に流れていたから、高い値段をつけられなかったのだろう。安く買えたのでよかったが、震度3くらいの地震で船酔いしそうなほど揺れるので、本物の直下型地震が起こるとどうなるか心配だ。

03/12/火
ようやく六師外道の話に入っていく。この作品は、導入部、哲学的議論、第一の父殺し、第二の父殺し、結び、という展開になっている。いま導入部が終わったところで、全体の四分の一くらいにあたる。ここから六師外道の哲学的議論に入るのだが、小説のストーリーとしてはまったく無用の展開となる。しかし哲学のない小説をおもしろくないとぼくは考えている。とくに釈迦と提婆達多が出てくる作品だから、哲学は欠かせない。そこで4章くらいにわたって延々と哲学議論が続くことになる。大丈夫か、と書きながら思っていた。哲学議論が長すぎると小説として破綻するのではないか。大丈夫かどうかはこれから読んで判断する。どぎときしてはいるのだが、心のなかでは、まず大丈夫だろうと考えている。ということで余裕をもってFootballの話題など。マクダフィー、トランクゥイルに続いて、チーフスはクリス・ジョーンズと3年契約を結んだ。巨額のギャラが発生する。大丈夫か、と思う。マホームズとは長期契約を結んでいるのでギャラのアップはしないということか。しかしケルシーは、大金持のテーラー・スウィフトとつきあっていくためには、もっとギャラが必要ではないか。まあ、ディフェンス陣の多くや、ランニングバックのパチェコ、レシーバー陣など、3年以内の新人ばかりなので、今年の契約更改はギャラの大幅アップは必要ないのかもしれない。49ナーズはQBパーディーのギャラが安いので、ギャラの高い人気選手をずらっと揃えていても、サラリーキャップに抵触することはないようだ。そう考えると、来年のスーーボウルもチーフス対49ナーズになるのか。アーロン・ロジャースが怪我から復帰するジェッツ、ラッセル・ウィルソンが移籍したスティーラーズ、ワトソンが復帰するブラウンズなど、チーフスのライバルは戦力を強化している。49ナーズのライバルは、ジャイアンツのランニングバックのバークリーが移籍したイーグルス、若い選手が多く元気なライオンズ、それにスタッフォードが復活しそうなラムズなどだろうが、チーフスと49ナーズの王朝は揺るぎそうもない。あとはドラフト。スーパーに出たチームは31番と32番だが、残り福というものがある。パーディーは最終のイレレバンドだったし、パチェコはその直前だった。去年のドラフトでもチーフスは、1巡のウゾマー(エッジ)、2巡のライス(レシーバー)、4巡のコナー(セーフティー)と、スーパーボウルで新人が大活躍した。良い選手が入ることを期待している。

03/13/水
六師外道との対話は楽しい。だが緊張する。草稿を書いているぼくも緊張している。セリフに余裕がなく一気に語ろうとしている。まだ六師外道の一番目なので、肩の力をぬいてのんびり語った方がいいだろう。修正にけっこう手間がかかる。

03/14/木
著団連の会議とSARTRASの分配委員会。ネット会議とはいえ1日に2件の会議は疲れる。聞いているだけの会議なのでパソコンの画面に自分の仕事を出しておいたが集中力がなくあまり進まず。

03/15/金
科学技術館のバーゲン。上着とズボンを買う。日本点字図書館理事会。リアルな会議で議長をつとめる。これで一日がつぶれる。明日も一日つぶれる行事がある。仕方がない。何とか取り返したい。

03/16/土
武蔵野大学で能についての講座と同窓会。5年前まで勤務していた大学。当時の同僚の先生方と再会できて楽しかった。昨日に続いて一日がつぶれた。明日、とりかえそう。

03/17/日
久し振りにFootballの話題。数日前にトレードが解禁された。大きな動きがあった。Footballで最も重要なのはQBだ。QBですべてが決まるといっても過言ではない。ドラフトの正式な順番がどうなっているか知らないのだが、断トツでビリだったのは2勝のパンサーズ。続いて4勝がコマンダーズ、カーディナルス、ペイトリオッツ。このあたりは新人のQBをゲットできるだろう。この4チームをドラ4と呼んでおく。そこで各チームの来期の先発QBの予測をする。Aカンファ東のビルズはジョシュ・アレンのまま。地区優勝はまちがいないだろう。控えQBとしてスティーラーズでくすぶっていたトゥルビスキーを採った。ドルフィンズもタゴヴァイロアのまま。控えQBもそのままのようだ。ジェッツは怪我のアーロン・ロジャースが復活すれば万全。控えとしてベテランのテイラーをジャイアンツから採った。先発だったザック・ウィルソンはどこかに出したいのだが引き取り手がない。ペイトリオッツはドラ4なので、先発として伸びなかったマック・ジョーンズをジャガーズに放出。控えとしてベテランのブリセットをコマンダーズから引き取った。ブリセットはいくつかのチームで控えとして活躍したので、ドラフトの新人がダメなら先発に起用できる。北地区はレイブンズはラマー・ジャクソンで完全。ランニングバックでタイタンズのヘンリーを採ったのでシード1位は揺るがない。スティーラーズはブロンコスから放出されラッセル・ウィルソンを先発に据える。スーパーボウルを制覇したことのあるベテランだ。ディフェンスの強いスティーラーズではレイブンズのライバルになるだろう。先発候補だった2年目ルーキーのピケットをイーグルスに放出。地元のピッツバーグ大学出身の人気QBだっただけに思いきった放出だ。ブラウンズは怪我のワトソンの復帰にかける。控えにセインツで活躍できなかったウィンストンを獲得。ベンガルズはバローが復帰すれば問題はない。南地区は4チームとも若いQBが活躍しているので大丈夫。ジャガーズはトレバー・ローレンスの控えにマック・ジョーンズを獲得。西地区はチーフスの控えQBがまだ決まっていない。レイダーズはガロポロをラムズに放出。新人のオコネルだけでは不安なのでもはやベテランといえるミンシューをコルツから採った。ミンシューは新人のリチャードソンが怪我でリタイアしたあと先発として活躍したので先発もありか。ブロンコスはラッセル・ウィルソンを放出してどうするのか。まだ先発が決まっていない。チャージャーズは怪我のハーバートが復帰すれば問題はない。Nカンファ東。イーグルスはハートで行ける。控えにスティーラーズからピケットを採った。カウボーイズはプレスコットのまま。ジャイアンツはダニエル・ジョーンズのまま。控えとしてシーホークスからロックを採った。ダニエルより上かもしれない。コマンダーズはドラフトにかけるようだ。目が出なかったハウエルをシーホークスに放出した。北はライオンズはゴフのまま。パッカーズのラブのまま。バイキングスのカズンズが家出したので、49ナーズからダーノルドを採った。かつてのドラ3位だがいまだに芽が出ていない。ベアーズはジャスティン・フィールズでいくしかない。南はバッカニアーズはメイフィールドで行く。セインツもカーでいくのか。ファルコンズはバイキングスからカズンズをさらった。万全。パンサーズは去年のドラ1のヤングで2勝しかできなかった。ドラフトでオフェンスラインを強化したい。西地区は4チームとも変化なし。そのように見てくると、ロジャースが復活するジェッツ、ワトソンが復活するブラウンズ、バローが復活するベンガルズなど、大物の復活が期待されるのと、スティーラーズに移籍したラッセル・ウィルソンと、ファルコンズに移籍したカズンズが注目される。それでもシード1位候補はAカンファはラマー・ジャクソンのレイブンズ、ジョシュ・アレンのビルズ、マホームズのチーフスだろう。Nカンファもハーツのイーグルス、パーディーの49ナーズ、ゴフのライオンズ。今シーズンと同じ結果になりそうだ。去年のルーキー、ヤングはダメだったが、ストラウド、リチャードソン、リーヴィスはそこそこ活躍した。今年のドラフトは超有名な新人はいないようだが、4人くらいはいるから、先発で出てくることは充分に考えられる。なえ、チーフスはカーディナルスからレシーバーのマーキス・ブラウンを採った。放出したスキャントリングよりもかなり上のレベルの選手なので活躍が期待できる。去年の新人ライスは近距離のパスを受けて体力で先まで進む選手だが、ブラウンはロングパスのキャッチ能力のある選手なのでチーフスは万全だ。心配なのはケルシーのギャラなのだが、大谷選手のように、マホームズもケルシーも少し先の方で収入が得られるように契約を見直せば、サラリーキャップをクリアできると首脳陣は考えているのだろう。

03/18/月
オーファン委員会。いつもZOOMで顔を合わせているメンバーだが、SARTRASの時のようなテーマではないので、自由に問題提起していくつかの問題について話し合った。湯島天神まで散歩。また寒くなったが、寒い方が花粉が少なく感じられる。六師外道の五番目まで来ている。あとはマハーヴィーラーという大物が控えている。

03/19/火
SARTRAS役員会。毎月この会議はリアルで顔合わせをするのだが、それは福岡在住の理事長の土肥さん理事会前日に東京に来られるからで、月に一度くらいはリアルに会おうという意味合いだ。今月は理事会前日の明日が休日なのでZOOMでの会議になった。こちらは会議の内容を耳で聞きながら自分の仕事を進めていた。マハーヴィーラーとの対決。うまくいっている。ここのところが作品の最大の山場だと自分では思っている。少し安心した。

03/20/水
舞台はマガダ国の首都ラージャグリハに移った。このラージャグリハという語感がぼくは好きだ。コーサラ国の首都シュラヴァースティというのもいい響きだ。サンスクリットは古代の文語なので、インドヨーロッパ語の美しい響きを宿している。宮沢賢治がエスペラントに興味をもったのも、サンスクリット(梵語)と響きが共通しているからだとぼくは思っている。岩手(いはて)をイーハトーヴォと呼んだのも梵語の響きに似せたのだろう。またFootballの話。ベアーズが先発QBのジャスティン・フィールズをスティーラーズに放出した。2年前のシーズンで、ベアーズは3勝しかあげられず、ビリの成績だった。それでドラフトの一番でベストQBのヤングを指名できたところを、自分たちはジャスティン・フィールズで押し通すということで、一番の指名権をパンサーズに譲った。その交換条件として、今年のドラフトの1巡を受け取ったようだ。パンサーズはヤングを指名したのだが、それでも成績はビリだったので、ドラフト1番の権利がまたベアーズに移った。ベアーズは今回のベストQBのケイレブ・ウィリアムズを指名するようで、そのためのフィールズの放出だ。受け取ったスティーラーズはすでにブロンコスからベテランQBのラッセル・ウィルソンをただ同然で移籍させている。今回は労せずしてジャスティン・フィールズを入手した。ベテランが怪我でもしたら、フィールズを先発にということで、3人いたQBを全員放出している。何かわずかな投資で大きな体質改善ができた気がする。2勝しかできなかったヤングをとったパンサーズは貧乏くじを引いたようだ。去年の他の新人QBが何人も活躍しているので、ヤングの不振が目立つことになった。今年はケイレブ・ウィリアムズ以外には話題になるQBがいない。ペイトリオッツはどうするのかな。話題にならないけれども目をつけている選手がいるのか。ブレイディーやパーディーのように、大学時代に無名がプロになった途端に大活躍する選手もいないわけではない。マホームズは1巡ではあったが10番目で、QBではもトルビスキーよりも後だった。いまやトルビスキーは控えとして所属チームを転々とするジャーニーマンになってしまった。

03/21/木
著作権情報センター理事会。SARTRAS理事会。連続してネット会議。どちらも発言せず、イヤホンで話を聞きながら、自分の仕事に集中したいと思っていたが、SARTRASの理事会では議長の理事長が采配できない案件があって、臨時の議長の仕事が回ってきた。まあ、何とかこなすことができた。舞台はラージャグリハの竹林精舎に移っている。ここで仏教の紹介みたいな話が続いて、整理が必要だったが、何とか修復して先に進むことができた。3月後半は浜松の仕事場にいくのが恒例ではあるが、寒そうなので先に延ばしている。日曜の午後くらいに出発したい。

03/22/金
釈迦の一番弟子シャーリプトラのキャラクターがややうすかったので、今回の修正では気をつけて、やや軽薄な感じのキャラを強調した。シャーリプトラは釈迦より年上だし、六師外道のサンジャヤの弟子だったので、釈迦としてはもっと若い側近がほしかったはずだ。ということで、アーナンダが登場した。デーヴァダッタの弟で、育ての親のアミターの子だ。これは本物の側近の登場だ。

03/23/土
全体の半分を通過した。ここまで長い道程だった。かなり修正しなければならないところがあって、ずいぶん時間がかかったが、いい感じで修正ができている。明日は沼津で一泊して浜松に向かう。

03/24/日
事故渋滞があって2時間ほど到着が遅れたが、どうにか沼津のホテルに到着。渋滞ストップの時にラジオで尊富士の優勝を知る。すごい。尊富士は富士がつくから静岡出身と思っていたが青森出身だった。面構えがいい。

03/25/月
浜松に到着。ネットもちゃんとつながる。まだ寒い。石油ストーブをつける。雨が降り続いて浜名湖も見えない。昨日はパソコンが使えないので、一部をプリントしておいてチェックを入れた。やはりプリントを見た方が少し高いところから俯瞰できる感じがする。しかし細かい修正はパソコンの方が便利。手塚治虫の『ブッダ』に出てくるアッサジ(三ツ目のキャラそのまま)が印象的だったのでぼくの作品でも活躍させたのだが、このアッサジというのがパーリー語だと数日前に気づいた。よかった。一発で変換できた。梵語ではアシュヴァジットという。えらい違いだ。アーナンダはアーナンダのままなのだが。チーフスの守備の要だったスニードがトレードで移籍。ルーキーから4年経過して、ギャラは大幅アップとなったのだが、本人はもっと高いギャラがほしかったのだろう。フランチャィズタグがつけてあったので、タイタンズからは来年のドラフト下位の指名権を譲られることになった。守備は新人を育てるしかない。スニードのかわりは2年前のルーキーのワトソンがつとめる。時々すごいインターセプトをする読みの深いプレーヤーだ。今年のスーパーボウルでも、パントキックが相手選手に当たってこぼれたボールを押さえたのがワトソンだった。まさかの突発事故だったが、ちゃんと走っていたので目の前にボールが転がってきた。そういう運を引き寄せるところもあるので、スニードの代役はつとまると思う。しかしレイブンズに勝てたのはスニードがゴール寸前に相手ランニングバックがしっかり持っているボールを叩き落としたすごいプレーがあったからだ。タイタンズに行ってもがんばってほしい。

03/26/火
朝から雨。風がないのでしのぎやすい。十六章完了。全体が二十八章なので、半分を少し過ぎたところ。六師外道の難しい哲学問答を通過して、ドラマの展開が始まったので、大きな問題はないが、ここまでに設定を少し書き換えたところはそれに合わせてつじつまを合わせる必要がある。大きな問題はない。とにかくどんどん進んでいきたい。

03/27/水
今日は天気がよいということなので、浜松フラワーパークへ行ってみたのだが、先日から花博というものが始まっており、駐車場が満杯だったので、都田総合公園というところに行った。カインズの駐車場に車を入れ、マクドナルドでビックマックを買って橋を渡って公園に行く。ここはがらんとして人の影もまばらだ。桜の名所だが、まだ咲いていない。そう思って歩いていたら、開花宣言してもいいくらいに咲いているところがあって、お花見ができた。昨日プリントに赤字を入れたところを入力。シュリーマーラーが再登場。勝鬘経の主役の勝鬘夫人だ。こういう有名人が出てくると書いているこちらも嬉しくなる。勝鬘夫人という名前に感動するのは、よほど仏教に詳しい人だけだろうが。

03/28/木
SARTRAS共通目的助成事前審査。委員長、副委員長(ぼく)、事務局で、助成申請のあった案件について事前審査。可、否、要検討の3種に区分けする。審議の円滑化のために事前にあたりをつけておくもので、委員会から事務局案に対する反対意見があればご意見を伺い審議を深めていくことになる。1時間で終了。自分の仕事は17章が終わった。全体は28章なので、残り11章。マラソンと同じで、折り返し地点を過ぎるとゴールが近づいてくる。昨日は晴天だったが本日は豪雨。冷たい雨が降っている。

03/29/金
SARTRAS三者会議。18章が終わった。このところ1日1章のペースで進んでいる。作品の後半に入りドラマが進行しているのでテンポが早くなっている。直しはかなりあるのだが、考えることもなく直しの文章が書けているのでピッチが速くなっている。昨夜の夜中は豪雨でBSが見えなくなった。お昼頃には雨雲が通り過ぎて陽差しが出てきた。

03/30/土
一昨日と昨日は雨だったしネット会議もあったので外出できなかった。今日は黄砂の予報だがいちおう天気はよいようなので、妻の希望で豊川のイオンモールへ行くことにした。浜松には志都呂と市野という2つのモールがあり、やや小規模だが呉羽ウォークというモールもある。去年は岡崎のモールも行ってみたい。豊川のモールは去年のいまごろのオーブンでちょうど一周年ということで行ってみることにした。東名で豊川インター。広いバイパスを進んで、右折してまたしばらく行くという感じだが、平らな直線なので楽な感じがする。広さは志都呂と同じくらいか。中に入っている店も似たようなものだが、散歩にはなる。それで一日がつぶれてしまったが、まあいいだろう。ところで去年のいまごろはベースボールマガジン社のホームページに、ドラフト名鑑の告知が出ていたのだが、いまは何の情報も出ていない。3年間は発行されていたのだが売れなかったのか。ということで、ネットで情報を探して、有力なQBだけを調べてみた。人気随一は南カリフォルニアのケイレブ・ウィリアムス。これと双璧なのがノースカロライナのドレーク・メイイー(正確な発音は不明)。いずれも肩が強く判断力も優れた即戦力と評価されている。ベアーズは先発QBのジャスティン・フィールズを放出して先発の席をあけて待っている。昨年の成績ではドラ1QBを採ったパンサーズが2勝でビリだったのだが、このドラ1の権利をベアーズが押さえているようだ。2番目はカージナルス、コマンダーズ、ペイトリオッツが4勝で並んでいる。細かいルールがあって順位が決まるのだがその詳細は知らない。カージナルスはマレーという先発QBがいる。コマンダーズとペイトリオッツは新人QBがほしいだろう。あとラッセル・ウィルソンを放出したブロンコスも先発不在のままで、ここは順位をトレードで獲得してランクアップすることも考えられる。去年のドラフトではヤングとストラウドが双璧といわれ、ドラ1でヤングをとったパンサーズが不発で、2番目でストラウドを採ったテキサンズがプレーオフに進出した。今年も、ケイレブ・ウィリアムスかドレーク・メイイーかで迷うところだ。人気トップ10の8位と9位にもQBがランクされている。テネシーのジョー・ミルトンとオレゴンのボー・ニックス。このびっぐ4のうち、ニックスだけがモバイルっぽい感じで、残り3人は肩の強いポケットパッサーのようだ。走るQBでスーパーボウルを制したのはラッセル・ウィルソンだけだと思われる。パンサーズのニュートンもイーグルスのハーツもスーパーでは負けた。肩の強いQBが評価されそうだ。ということで、ペイトリオッツはジョー・ミルトンを狙っているのではないか。トップ10に4人もQBが入っているというのは、今年はQB豊作のようで、ここでQBを確保しておかないと来年は期待できないかもしれない。今年は人気20位〜30位のランクに、QBが3人入っている。サウス・カロライナのスペンサー・ラットラー、ミシガンのJ・J・マッカーシー、オハイオステーツのカイル・マッコード。いずれも肩の強いポケットパサーだ。あとは50位にコロラドのシェドゥー・サンダースがランクされているだけなので、有力QBは7人しかいないと見ていいだろう。QB不在のチームは先に挙げたように、ベアーズ、コマンダーズ、ペイトリオッツ、ブロンコス、それにカズンズに逃げられたバイキングス、ぼくとしてはダニエル・ジョーンズに期待できないジャイアンツも新人QBを確保してほしいところだ。10位以内に有力候補者が4人、QB不在のチームが4つ。案外すんなりと指名が進むのかもしれない。バイキングスとジャイアンツも20位台の3人の誰かを指名できそうだ。

03/31/日
今月も月末になった。月末までにパソコンの画面上での読み返しの作業を完了させプリントでの最終チェックに取りかかる予定だったが、作業に手間どってまだ19章、阿弥陀ブッダの話を読み返している。阿弥陀ブッダの話はもう一度出てくるので、ここでは簡単な紹介にとどめておく。ここをアーナンダの語りでやりたかったが、話が長くなるので、出だしだけアーナンダに語らせ、全体は短い説明だけにとどめる。さて、明日は東京に戻る。月の前半は何やかやと会議があるが何とか月の半ばにプリントを読める状態にしたい。

以下は随時更新します


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