新しい年創作ノート05

2016年5月

4月に戻る 6月に進む 月末
05/01/日
浜松市の仕事場にいる。浜名湖が見下ろせる快適な場所だ。金曜日に移動して、昨日、今日と、のんびりと過ごしている。本日はこの仕事場を建ててくれた大工さんが来たので、浜名湖を半周して舞阪の魚料理屋まで行く。天丼とサシミで生ビールを飲む。大工さんも妻も飲まない人なので、自分だけが飲む。飲んでも酔うわけではないが、休日でリゾートという感じを愉しんでいる。『親鸞』の再校ゲラをかかえている。もう最終章の10章に入っている。この作品は「父と子」というのがテーマになっている。父を恨み、子を義絶する主人公の業というものが隠されたテーマになっている。そのテーマは9章までは隠されている。嬌められているというべきか。その隠され、抑制されていたものが、最終章になって一気に噴き上がる仕掛けになっている。この最終章は圧巻だ。とくに設計図を描いたわけではなく、ここまで淡々と時間を追って書いてきたのだが、伏線のようなものは段階的に仕掛けてきた。それが集中的に実を結んだ。どこまで計算して書いたのか、もはやわからなくなっている。いつも作品が完成する時にはこういう感じになっている。気が付けばすべてがうまくいっている。あらかじめ綿密に計算されたかのように、すべてがぴっしりと噛み合っている。自分の力を越えた、文学の神さまみたいなものがいるのかと思うくらいに、ひとりでにすべてがうまくいった気がするのは、自分の意識の表層には上ってこない、自分でも意識しない配慮がひそかに働いているということかもしれない。これがベテラン作家の勘というものなのか、もって生まれた才能なのか、自分ではわからない。これがあるから、ここまで作品を書き続けてこられたのだろう。書き始めの時は、本当にゴールにたどりつけるのかと、いつも不安なのだが、何とかなるだろうと前進するうちに、いつの間にかゴールにたどりついている。実情は、どうにもつじつまが合わなくなって、行き詰まり、途方に暮れている時に、潜在的に働いていたパワーが爆発的に表面化して、無我夢中でゴールに到達するということなのだろう。その最終の段階は、記憶が途切れてしまうので、いつの間にかゴールに達したという気がしているのだが、その間、大学の仕事も文藝家協会の仕事もちゃんとこなしているので、冷静そのものなのだ。そうした日々の仕事が忙しいぶん、エンディングを書いている時は時間に追われて、何が何だかわからなくなっているのかもしれない。そういう時にすごいアイデアが出てくるのだが、すごいアイデアが出たという自覚もない。ゲラを読んでいると、よくこんなにも緊密なエンディングが書けたものだと、驚き呆れるしかない。これは幸せな瞬間だ。自分では苦労をしたという記憶がないのに、いつの間にかすごいものが完成しているのだ。こういう無我の状態に到るまで、助走と準備を積み重ねてしだいに上昇していくというのが、わたしの長い年月で培ったノウハウというものなのだろうが、どうしてこういう最後の昂揚がもたらされるのかは、いまもって正確なところがわからない。しかし昂揚する瞬間というのはそういうものなのだ。

05/02/月
再校のゲラ、校了。エンディングもきっちり決まっている。いつも終わり方はその場で勢いで終わってしまうのだが、それが一番いい。あとで見ると、これしかないという終わり方になっている。全体を読み返して、反省点は何もない。結局、一年近くをこの作品にかけたことになる。もうこんな作品は書けないだろうと思う。のどかな三ヶ日の初夏。本日は真夏のような暑さだが、耐えがたいほどの熱暑ではない。ティーシャツ一枚でるのが心地よい。明日は東京に戻る。つかの間の休日だった。

05/03/火
妻の運転で三ヶ日の仕事場を出発。途中で、ウナギとイチゴを買って、浜松SAから新東名。その手前、フルーツパークに向かう道路が渋滞していて時間をロス。悪い予感。渋滞など起こらないはずの新東名がものすごい渋滞で動かなくなった。鮎沢PAを出たところでも渋滞。幸い事故直後のようで、追突した車輌が追い越し車線に並んでいた。警察や事故処理の車輌が到着したら完全にストップするところだったが、脇をすりぬけて先に進むことができた。結局、往路も復路も6時間以上かかった。疲れたが、それでも三ヶ日で過ごした数日間は精神のリフレッシュになったし、ゲラを完了。新書の前書きもできた。児童文学の約束をしていたのをコロッと忘れていた。短篇だが慣れない仕事なのでこれが最優先だ。御茶ノ水の住居に戻る。強風。夜中に雨。とにかく自宅に戻って落ち着いた。明日はまだ休みだ。

05/04/水
昨日は移動で疲れた。児童文学の約束を忘れていたのを急に思い出した。25枚という短いものなので、早めに仕上げたい。少し草稿があるのだが、出だしから書き直すことにした。本日の作業はそれだけ。妻と神田明神まで散歩して、サバ料理の店で食事をした。生ビール2杯と焼酎1合で気持よくなって、早めに寝てしまった。明日は長い1日になる。

05/05/木
子どもの日だが、大学は講義がある。電車は休日運転なので快適だが、気分は落ち込んでいる。それでも2年生はほぼ全員が出席していて熱心に話を聞いてくれるので励みになる。3年生はほぼ全員がいる。就活中の4年生は2人だけだがこれは仕方がない。その次は修論指導だが、最初の回でOKを出したのでこちらはアキ時間。新書の前書きを仕上げる。最後の大学院の授業もほぼ全員が出席。留学生は来ないと思ったので、茶道と闘茶の研究をしている日本人女子に、こちらが茶道のレクチャーを受けようと思っていたのだが、そのテーマでも留学生が熱心に聞いてくれたのでよかった。ついでに江戸時代の日本で確立された芸道と師範のシステムについて語る。女性や視覚障害者の仕事として、茶道や華道、和琴などのお稽古ごとが、重要な役目を果たしていた。これは日本独特のシステムだと思う。江戸時代の日本は世界の先端を走っていたと思われる。参勤交代という制度が商業や産業を一挙に発展させたのだ。本日も充実した1日だった。疲れはまったくない。2年と3年のゼミのあと、4年と大学院は雑談みたいなものなので、楽しく語り合うだけなので、ストレスはまったくない。気分良く帰宅して、これから3日間は、また夜中に仕事をすることになる。

05/06/金
本日から3連休。いつも金曜日に文藝家協会関係の仕事が入るのだが、今週は何もない。のんびりしている。

05/07/土
女優の三田和代さん来訪。久し振りに自宅で夕食。4人兄弟だが、上の2人は関西にいるので、家族で会うのは和代さんだけだ。家族というものは大切なものだが少々厄介なところがあり、少し疲れたが、まあ、たまにはいい。

05/08/日
マッサージチェアが届いた。先月、プリンターを見に行った時に、ついでにヨドバシカメラで試してみて、これは必要なものだと実感した。何年も前に買ったマッサージチェアがあるのだが、こういうものは急速に進化している。パソコンはウィンドウズ95くらいからほとんど進化していないが、ロボット掃除機とマッサージチェアは確実に進化している。ということで古いチェアを引き取ってもらって新しいものを設置した。少し大きくなったが、前のものは黒で、新居には合わなかった。サイドボードと部屋の中に突き出した巨大な柱が白いので、今回は白いものにした。部屋に調和しているので大きさは気にならない。早速試してみたが、快適だ。1時間パソコンを叩いたら必ずマッサージするということにしたい。そうでないとエコノミー症候群になりそうだ。

05/09/月
次男は息子たちをつれて四国を周遊したらしい。ラインで刻々と写真が送られてくる。10連休だそうだ。こちらも5月5日の出勤がなければ10連休だったのだが、一番疲れる木曜日が出勤だったので、連休という感じがしなかった。本日は授業はないのだが、学科会がある。早めに研究室に入って必要な作業を進め、教育実習の学生との打ち合わせもできたので、充実した1日となった。新書を猛スピードで書かないといけないのだが、本日は作業ができなかった。体を新書向きに変えないと、先に進まない。

05/10/火
2限だけ。授業が終わってすぐに帰る。自宅で少し休憩してから神田へ。『親鸞』の担当編集者に再校のゲラを渡す。これですべてが終わった。ほぼ1年かかった仕事が終わった。

05/11/水
2限だけ。本日は雑誌の取材を研究室で受ける。それから自宅へ。

05/12/木
文藝家協会総会。1年で1番長い日、と思っていたが、いまはとくに大きな問題もないので、とりあえず見知った人々に挨拶するだけで終わった。明日の歴時クラブの選考会の方が、大きな問題があるような気がする。今年はレベルが高い。それだけ厳しい議論になりそうな気がする。

05/13/金
マッサージに行ったあと、同じ新宿で歴時クラブの選考会があるので、三丁目のルノアールで時間をつぶしてから、会場の区役所隣のルノアールへ。作品賞でもめそうな気がしていたが、意外にすんなり決まった。よかった。その後、幹事会の宴会。軽く飲んで帰る。新宿から帰る時はいつも少し迷う。マッサージは三丁目なので都営新宿線で来たのだが、最後の宴会は大ガードの近くなので、都営大江戸線が近い。しかしこれに乗ってもしようがないので、次は丸ノ内線。これだと一本で帰れるが大回りするので時間がかかりそうなのと、丸ノ内線はいつも混んでいる。ということで、この前は京王新宿まで歩いて新宿線で帰ったのだが、今回はJRにした。これだと大学へ通う時と同じでおもしろくないのだが、まだ快速が動いている時間で、2駅で着くのでやっぱりこれが速いと実感した。

05/14/土
週末は休み。科学技術館まで歩いて夏のジャケットを買う。毎日新聞で昼食。「新しい年」というタイトルで始めたこのノートも5ヵ月目に入っているのだが、新しいプランを思いうかばない。今朝、夢の中で、ファンタジーふうの小説のプランを得た。ドストエフスキー4部作や親鸞などは、書き手のモチベーションはものすごく高いのだが、読み手のニーズはまったくないという、自己満足だけの作品だ。ただドストエフスキーについては協会総会のあとの飲み会で加賀先生に評価していただいたので、ありがたいことだと思った。自分では満足している作品なので、純文学はそれでいいと思っているのだが、晩年は少し読者の幅を拡げていかないと、死ぬ直前まで書き続けるというモチベーションの支えにならない。何が書けるかという自分の興味がモチベーションになっているのだが、年齢によって頭がボケでくると、もはや書けるものしか書けないということになるだろう。すでに大きな作品は書き尽くした気がしているのだが、まだテーマは残っている。仏教関係でいくつかと、紫式部、それに加賀さんに世阿弥を書けと言われた。神功皇后とか卑弥呼とか、まだ書きたいテーマはあるので、70歳まではとりあえず挑戦を続けたい。当面のテーマは、紫式部かなという気がしている。6月に大学で学外の人を対象とした講演会があるので、それまでに頭の中を整理したい。

05/15/日
日曜日。どこへも出かけずに、パソコンに向かっていた。とりあえず新書を急いで仕上げないといけない。徐々にピッチを上げていきたい。

05/16/月
月曜は授業はないのだが、会議がある。本日は何かの面接もあって忙しかった。それから学部教授会と研究科委員会。これにそれぞれに自己評価委員会が付く。それから学科会。皆、会議が好きみたいで、充実した会議になっていく。やれやれ。妻が本日だけいないので、のんびりしていたら、風呂の湯船の中で地震。去年、スペインの長男がたまたまいた時に地震があったが、それと同じくらい長く揺れた。住んでいる高層住宅は中央部にバネが入っていて、「く」の字に折れ曲がった震動するようになっている。従って、「く」の字に近い中層階が大きく揺れる。わたしはまさにそこに住んでいる。

05/17/火
火曜は2限の1コマだけ。「小説の歴史」。本日から戦後に入ったので、戦争について、マルクス主義について、実存主義について、戦後派についてなど、早口にしゃべった。疲労を覚えた。本日は午後、三鷹駅前の大学のサテライト教室で2時間の講座があるのだった。昼休みにバスで移動。「聖徳太子」の話を2時間。かなり疲れたが、必要なことは話せた。終了後、受講者から本にサインを求められた。何とドストエフスキー4部作を全部もっている人がいる。お買い上げいただいたのだ。5000円の本が2冊ある。総額2万円近いお買い上げだ。この本に読者がいることは数人は確認できているのだが、現物をもっている人を見たのは初めてだ。かなり疲れて自宅に戻り、それでも仕事をしようとパソコンを開けたら、暴走が始まった。何と、勝手にWindows10のインストールを始めるではないか。もうこちらではコントロール不能なので、スマホでネットにつないで、対処法を探した。いにかくインストールが終わってから確認の表示が出た時に、「拒否」をすればよいことがわかった。えらい時間がかかって、ようやく確認の表示が出た。「拒否」をすると、またえらい時間がかかって、Windows7に戻った。よかった。こういうことがあっては困るので、Windows10のアイコンを消す方法を探したら、ただアイコンを消すだけではダメで、さまざまな対応が必要だとわかった。3回くらい再起動して、ようやくアイコンは消えたのだが、また更新されるかもしれない。その更新を防ぐ対応もしたのだが、相手はしたたかな大企業だから、何度も強制的にバージョンアップさせようとするのではないか。こちらは新しい環境にはなじめない老人なので、何とかWindows7の環境のままで仕事を続けたい。正月などに、孫が同居している状態になることがある。幼稚園児でもスマホを操作できる時代だ。こちらがパソコンを開けていると、勝手にアイコンを押そうとする。残念ながら、Windows7のパソコンは、画面にタッチしても操作できない。おそろしく旧式のシステムなのだ。わたしもいまはスマホを使っているし、妻のお下がりのiPadだってもっている。とにかく更新のアイコンが消えたのでほっとしている。

05/18/水
2限の1コマのあと大学院の構想発表会。それから学部長会議。寝不足でつらい。

05/19/木
木曜日は2限から6限まで授業がある。慣れてきたので疲れを覚えなくなった。

05/20/金
月曜からずっと午前中に出勤だったので、10時まで寝ていられる日は貴重だ。かかりつけ医で薬をもらう。夕方、文藝家協会でオーファン勉強会。1年以上続けてきたこの会も、ようやく具体的なプランが見えてきた。夜、妻の甥が来たので、蕎麦屋で食事。隣のビルの地下にあるこの蕎麦屋に入るのは初めてだ。軽く飲んだつもりだったが、何だか疲れがドッと出た。しかし新書の進行が遅れているので仕事をする。明日は土曜日だが創立記念日で朝から催しがある。

05/21/土
週末だが出勤。創立記念日。全教員職員出席して儀式、講演などがあり、昼の宴会。ワイン1、水割り1。その水割りが超濃いめだったので少し酔った。研究室で仕事をしてから、八王子めじろ台に向かう。コーラス。昔、この住宅地に住んでいた。長男が幼稚園に入園してから小学校卒業までの時期だ。穏やかな校外の住宅地であり、子どもたちを通じて母親が知り合いになり、それから父親が知り合いになった。こういう地域のつながりは、新興住宅地ならではのものだ。自分の家は教会になってまだ存続している。3年前まで住んでいた三宿の家は完全に消滅して、建売住宅に変わってしまった。めじろ台は町全体が昔の面影を残して存続している。めじろ台から帰宅する時は、各駅停車で北野、特急で明大前、各駅停車で幡ヶ谷、地下鉄で小川町というコース。すべて同じホームで乗り換えるので歩く距離はわずかだが、3回乗り換えるので、酔いが覚めてしまう。自宅で軽く飲んで寝ようと思っていたら『ロック・オブ・エイジズ』というミュージカル映画をやっていて、これが意外に感動的だった。最後に「諦めないで」というメッセージがくりかえされた。自分も勇気づけられる思いがした。

05/22/日
土曜が出勤だったので貴重な休日。妻と夕方、御徒町まで散歩。

05/23/月
授業はないが学科会があるので大学へ。昼過ぎから研究室にいたのだが大学の雑用でつぶれた。4時20分からの会議が7時近くまでかかった。会議が好きな人々だ。

05/24/火
2限の授業のあと、研究室で雑用。大学の仕事が山積している。文藝家協会で出版社との協議会。退任されたばかりの国会図書館館長の講演。館長室でコーヒーをご馳走になったことがある。文藝家協会の仕事をしていると、作家をやっているだけでは会えない人と言葉を交わし、時にはお茶を飲んだりもする。そういうことが記憶の中に刻まれている。ふだんは忘れているのだが、すぐに思い出す。そういうことの積み重ねの先にいまの自分があるのだと思う。

05/25/水
2限の授業のあと、また研究室で雑用。本日は高田馬場の日本点字図書館。理事会。ここではいつも議長に指名される。けっこう気を使うし、内職ができないのだが、自分が議長をやって方が進行が速いような気もするので引き受ける。自分の仕事がたまっている。ほとんどギブアップ寸前だ。

05/26/木
木曜は授業が集中している。2限から6限までぎっしり。気分はいいのだが体が疲れて、夜中の仕事ができない。ああ、仕事がたまっているのだけれど……。

05/27/金
児童文学の締切が近づいてきたので書き始める。短篇なのですぐに書けるだろうが、枚数制限があるのでうまく収まるか。やってみないとわからない。教育NPO定期協議。湯島に事務所があるので自宅から歩いていける。長いつきあいの人々だが、メンバーが同じなので、高齢化が進んでいる。軽く飲んで帰る。本日は自宅から出かけた散歩みたいなものなので、休日に近い。週末も休みなので嬉しい。

05/28/土
岩本町でバザーをやっている。妻が午前中に行って、舟の予約をとってきた。秋葉原の船着場から吾妻橋くらいまでの往復。まあ、たまには舟もいいか。神田川から隅田川に出るとけっこう波があった。こういう揺れには、わりと弱い。妻も気分がわるくなったようだ。まあ、休日らしい散歩だった。児童文学を書き進む。Windows10の更新ファイルがまた入っていた。パソコンの一番下のトレイに「田」のマークが表示されている。ただちに削除する。コントロールパネル→システムとセキュリティー→更新プログラムの確認→更新プログラムを表示します→インストールされた更新プログラム→KB3035583を削除という手順で、しかもその後、再起動しないと「田」のマークが消えない。この前削除してから10日くらいでまたインストールされていた。暴力的な手口だ。とにかくつねに見はっていて、「田」のマークがないか見はっていないといけない。

05/29/日
この日曜日はどこへも出かけずひたすら仕事。児童文学、ほぼ完成。もう一度読み返して、枚数の調節をしないといけない。来週もハードが日々が続く。土曜日に大学で講演が入っている。5月ももうすぐ終わる。新書の執筆が遅れているのでピッチを上げる。小説の構想を練るためにこのノートを始めて5ヵ月になるのだが、まだ目標が見えない。紫式部を書きたいというおぼろな思いもあるのだが、まだ準備不足だ。とにかくいまは新書に集中したい。

05/30/月
大学。月曜日だが会議はない。ただ1年生の入門ゼミというオムニバスの授業の番が回ってきた。年に1回の担当だが、教室が2つあるので、今週と来週、同じ話をする。わたしの話は脱線することが多いので、同じ話をするのは至難のわざだ。本日はいやに平安時代の話が長くなった。まあ、いい。来年は2年生全員必修で小説の歴史の話を聞くことになるので、その第1回ということにすればいい。来週、同じ話ができるかどうかが問題だ。授業の前の昼休みに注文しておいたプリンターが届いた。自宅のプリンターを購入したばかりで、その時は設定にえらい時間がかかった。ドライバーをダウンロードしたのと、ワイヤレスの設定で妻のiPadから使えるようにするなど、なさねばならぬことが多く、とても疲れた。研究室のプリンターは自分一人が使うもの。これまで研究室にあったのは前任者から引き継いだもので、どれほど長く使っているのかわからないものだった。1回、トナーを補充したのだが、紙送りのゴムが劣化しているようなので、インクがなくなったのを気に買い換えることにした。レーザーで一番安いものにした。梱包を解いてみると、ドライバーのCDが入っている。ありがたいとは思ったものの、思いきり昔の機種ではないかと思った。とにかく使えればいい。ケーブルと交換用のトナーカートリッジも注文した。ケーブルは古いのも使えそうだが、まあ、新しくした方がわずかでもスピードが上がるだろう。セットのカートリッジを入れ、ケーブルをつなぎ、パソコンにCDを入れる。すぐに使えるようになった。すごく速い。もっと早く買えばよかった。

05/31/火
2限の授業のあとただちに自宅に戻る。いよいよ追い詰められてきたので新書に取り組む。前書きと第1章の冒頭ができていたのだが、話が続かなくなったので、もう一度、最初から書き直すことにした。5月は月末となった。まだ小説の構想がうかばない。このまま年末まで行ってしまいそうな気がする。


次のページ(6月)に進む 4月へ戻る

ホームページに戻る