放課後。
教室から出た俺を、一人の後輩が待ち受けていた。俺の所属する天文部の後輩で、”森里さやか”である。
小柄で、ポニーテールと、円らな瞳の印象的な女の子だ。
少し大人しめな雰囲気があるが、お淑やかさがある子だと思えば、悪い要素ではないだろう。
弱小文化部に彼女のような可愛らしい後輩が入って来たことに、俺を始め、部の男子連中は手を叩いて喜んだものだ。
彼女は俺に気付くと、微笑みながら近づいて来た。
おお! やった、ついに一つ目ゲットか!
「あの…先輩、これ」
そういうとさやかちゃんは俺に装飾の施された小さな包みを俺に差し出す。
やったー!!
俺は心の中でガッツポーズを取った。