1997/01/27(MON)

1997/01/27(MON)



さて、わたしがこの世でもっとも欲しいものが、わたし自身の手に成るワードコレクションであるところまでははっきりした。
目下のところ、このワーコレは、次のようになっている。

雪の発色が光のエッジで溺れている
心変わりはすべての断面に及んだ
麦が電気に減り込んで泥が開く
ほとぼりはシャドーに彩られて休らう

ここから、どうやって、一篇の詩を完成させるか。

たとえば「「

ヒトに降り込められた空
街角の売文婦
雪の発色が光のエッジで溺れている
鳴きたいよ、啼きたくなるよ
街往く女たちの神型が気になる

あるいは、また「「

レモンの皮に浮かんで
詐欺のココロを微調整しよう
ココロといえば
減量がミソ
ミソといえば
牡蛎の土手鍋
まあ、まだ空気はある
ちゃらも歌っている
レモンの皮に浮かんで
上げるものといって、オダぐらいしかないけど
怪しいともいえない炎でね
チグハグでもない並立で
キスにも食べるにも自由しているからね
こんな自由にどんな難色が出たって
色だってモノだから
青い空も、黒い海も、レモンイエローの袈裟も、大袈裟だ
レモンの皮に浮かんで、だから
ベッドの女たちを模写して
低い位置から見下ろす

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夏際敏生日記 [1997/01/21-1997/02/22] 目次| 前頁(1997/01/26(SUN))| 次頁(1997/01/28(TUE))|