出征兵士を送る歌


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出征兵士を送る歌

作詞 生田大三郎
作曲 林 伊佐緒
唄  永田紘次郎
   長門 美保
1.わが大君(おおきみ)に 召されたる
  生命光栄(いのちはえ)ある 朝ぼらけ
  讃えて送る 一億の
  歓呼は高く 天を衝(つ)く
  いぎ征(ゆ)け つわもの
  日本男児

2.華(はな)と咲く身の 感激を
  戎衣(じゅうい)の胸に引き緊めて
  正義の軍(いくさ) 征くところ
  たれか阻まん その歩武(ほぶ)を
  いぎ征け つわもの
  日本男児

3.かがやく御旗(みはた) 先立(さきだ)てて
  越ゆる勝利の 幾山河
  無敵日本の 武勲(いさおし)を
  世界に示す ときぞ今
  いぎ征け つわもの
  日本男児
4.守る銃後に 憂なし
  大和魂 ゆるぎなき
  国のかために 人の和に
  大磐石(だいばんじゃく)の この備え
  いざ征け つわもの
  日本男児

5.ああ万世の 大君に 
  水漬(みず)き草むす 忠烈の
  誓い致さん 秋(とき)至る
  勇ましいかな この首途(かどで)
  いざ征けつわもの 
  日本男児

6.父祖の血潮に 色映える
  国の誉の 日の丸を
  世界の空に 燦然と
  掲げて築けや 新亜細亜(あじあ)
  いざ征けつわもの
  日本男児 
1939年(昭和14年11月)


 昭和14年7月、大日本雄弁会講談社は「キング」「婦人倶楽部」誌に以下のような社告を通じ戦争歌謡の公募を行った。
    重き任務を負って出征される兵士に対し、この歌によって一層その行を
    壮んにしたいと念願するものであります。挙国一致の愛国的熱情感激を
    力強く表現し、然も何人にも判り易く、大人も子供も、男子も婦人も、
    声高らかに熱唱せずには居られぬ傑作歓送歌を希望します。

 作詞は生田大三郎のものが選ばれ、続いて行われた作曲の公募では、歌手で、当時多紀英二の名で作曲を行っていた林伊佐緒のものが当選した。国民歌謡として日本放送協会のラジオで放送された。【軍歌名曲撰(http://de.geocities.com/taku_yonetani/saku.html)】による。
 歌った長門美保はいわずとしれたオペラ歌手。永田絃次郎もオペラ歌手。1909年生まれの在日韓国人で本名は金永吉(キム・ヨンギル)。島崎藤村の国民歌謡「朝」(昭和11年6月放送)も歌っている。
 なお、5番および6番の歌詞は、神崎義之氏のご好意により追加した(2004.9.4)。