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夢淡き東京
東宝映画「音楽五人男」主題歌
作詞 サトウハチロー
作曲 古 関 裕 而
唄  藤 山 一 郎
1.柳青める日 つばめが銀座に飛ぶ日
  誰を待つ心 可愛いガラス窓
   霞むは 春の青空か
	あの屋根は
   かがやく 聖路加か
   遥かに 朝の虹も出た
  誰を待つ心 淡き夢の町 東京!  

2.橋に凭れつつ 二人は何を語る
  川の流れにも 嘆きを捨てたまえ
   懐かし岸に 聞こえ来る
	あの音は
   むかしの 三味の音(ね)か
   遠くに踊る 影一つ
  川の流れさえ 淡き夢の町 東京!
3.君は浅草か あの子は神田の育ち
  風に通わすか 願うは同じ夢
   ほのかに胸に 浮かぶのは
	あの姿
   夕日に 染めた顔
   茜の雲を 見つめてた
  風に通わすか 淡き夢の町 東京!

4.悩み忘れんと 貧しき人は唄い
  狭い路地裏に 夜風はすすり泣く
   小雨が道に そぼ降れば
	あの灯り
   潤みて 悩ましく
   哀れはいつか 雨に溶け
  狭い路地裏も 淡き夢の町 東京!
1947年(昭和22年)

 「音楽五人男」は昭和22年6月に封切られたが、この映画は実は同年3月から長谷川幸延の原作でNHKの連続ラジオドラマとして スタートしていたものだった。ラジオドラマのときも古関裕而は主題歌「白鳥の歌」 を作曲しているが、この歌は若山牧水の短歌に曲をつけたものできわめて格調高い作品であり、後には高校の音楽教科書にも採用された。
 この「音楽五人男」を映画化するにあたってラジオドラマとは別の主題歌を作る ことになった。サトウハチローに作詞が依頼されたが封切りに間に合いそうに なかったので、やむなく古関が先に曲を作った。こうして出来たのが「夢淡き東京」 である。(http://www.aba.ne.jp/~takaichi/natumero/koseki1.htmlによる)

 「五人男」とは、作曲家志望の(沖吉白鳥)、コミック・オペラ志望の(山浦貞一)、音楽映画を志す(城 春太郎)、歌手志望の (杉尾宗一郎)、そして音楽家志望の(若林信男)の五人で、それぞれ高田稔、古川緑波、相原巨典、藤山一郎、渡辺篤が演じた。
(あらすじなど詳しくはhttp://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD26880/を参照のこと)