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慈悲心鳥とはジュウイチの別称。カッコウ目カッコウ科。日本では他にもカッコウ、ホトトギス、ツツドリなどが仲間である。英語ではこれらはまとめてcuckooと呼ぶらしい。
ジュウイチの名の由来はその鳴声が「ジューイチー、ジューイチー」と聞こえるところからだが、昔の人には「ジヒシン」と聞こえたらしく、それが慈悲心鳥とも呼ばれる所以である。ホトトギスと同様、自らは抱卵せず、コルリ、オオルリ、ルリビタキなど「青い鳥」に托卵する。卵の色はコルリと同じ青。雛は真っ先に産まれ、他の卵をすべて巣からかつき落とすという、その名には似合わない無慈悲な鳥でである。
映画の原作は菊池 寛。監督 溝口健二。夏川静江、原 光代、岡田時彦、中野英治などが出演した。昭和2年の作品。なお、主題歌にはこのほかに楠木繁夫が歌った「慈悲心鳥」がある。また、戦後も全く同じ題名(さらば青春)の唄が小椋 佳によって作られ、ヒットした。

さらば青春
映画「慈悲心鳥」主題歌

作詞  佐藤惣之助
作曲  古賀 政男
唄   藤山 一郎
1.愛と希望に 身は傷つきて

  帰る故郷の 山の蔭

  落ちる夕陽よ なぜ赤い

  さらば青春 雲は行く
 
 
2.燃える心も 涙も捨てりゃ

  影は巷に 散る柳

  若い生命(いのち)よ どこへ行く

  さらば青春 雲は行く


3.鉄を固めて 鎖で締めて

  愛の屍(かばね)を 超えて行く

  男涙よ なぜ熱い

  さらば青春 雲は行く
1927年(昭和 2年)