加藤部隊歌


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加藤部隊歌
東宝映画「加藤隼戦闘隊」主題歌

作詞 田中林平
   旭 六郎
作曲 森屋五郎
   原田喜一
   岡野正幸
唄  灰田勝彦
1.エンジンの音轟々(ごうごう)と
  隼は征(ゆ)く雲の果て
  翼(よく)に輝く日の丸と
  胸に描きし赤鷲の
  印はわれらが戦闘機

2.寒風酷暑ものかはと
  艱難辛苦(かんなんしんく)打ち耐えて
  整備に当る強兵(つわもの)が
  しっかりやって来てくれと
  愛機に祈る親ごころ

3.過ぎし幾多の空中戦
  銃弾唸(うな)るその中で
  必ず勝つの信念と
   死なばともにと団結の
  心で握る操縦桿 
4.干戈(かんか)交(まじ)ゆる幾星霜(いくせいそう)
   七度重なる感状(かんじょう)の
  勲(いさお)の蔭に涙あリ
   ああ今は亡き武士(もののふ)の
  笑って散ったその心 

5.世界に誇る荒鷲の
  翼伸ぱせし幾千里
  輝く伝統受けつぎて
  新たに興す大アジア
  われらは皇軍戦闘隊 






(注)感状:戦功などを賞して上官などから与えられる文書
1943年(昭和18年)



 歌手「灰田勝彦」の略歴については「新雪」を参照されたい。
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 加藤部隊歌が正式名だが、1944年3月封切の東宝映画「加藤隼戦闘隊」の主題歌に使われたことから映画と同じ名前で馴染むように なった。
 原曲は飛行第64戦隊が広東にあった時に作られたもので、歌の成立は昭和15年3月と映画化よりかなり遡る。 同隊員の田中林平と旭六郎が作詞、これに南支派遣軍軍楽隊員の森屋五郎 ・原田喜一・岡野正幸の3名が曲をつけて「陸軍飛行第64戦隊歌」として発表した。昭和16年4月に 加藤建夫少佐が部隊長として赴任してからは 「加藤部隊歌」に変更したという。
   作詞者田中林平准尉は同隊の操縦員で、旭六郎中尉は直接作詞に関わっていないらしい。この歌は全部で5番まであるが、 その4番目の詩は戦死した戦友を悼む内容で、曲も転調している。 作曲は南支派遣軍軍楽隊の隊員で、 岡野軍曹が4番の旋律を、原田軍曹がそれ以外の部分を担当した。
 以上から分かるように、歌中の「隼」とは戦闘機を例えたもので、一式戦闘機「隼」を指すものではない。
 レコードは1943年5月に灰田勝彦の歌唱でビクターから発売され大ヒットした。 『【君はアニメンタリー「決断」を知っているか】(http://www.h2.dion.ne.jp/~sws6225/index.html)の 「BGM解説」から』
 なお、「加藤隼戦闘隊の年譜」については、【加藤隼戦闘隊について】(http://www31.ocn.ne.jp/~zenibo/mchikai1.htm)の サイトが詳しい。

加藤隼戦闘隊
製作=東宝 1944.03.09 紅白系  11巻 3,040m 111分 白黒
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製作 ................  村治夫
監督 ................  山本嘉次郎
脚本 ................  山崎謙太 山本嘉次郎
撮影 ................  三村明
音楽 ................  鈴木静一
美術 ................  松山宗
特殊技術 ...............円谷英二
出演 ................  藤田進 黒川弥太郎 沼崎勲 中村彰 高田稔 大河内伝次郎 河野秋武 灰田勝彦 志村喬
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