夜の調べ(Serenade)


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 19世紀に活躍したフランスの音楽家Charles Francois Gounod(1818〜1893)が作曲した「アヴェ・マリア」と並んで有名な歌曲。我が国では「夜の調べ」の題で歌われ、戦前は旧制高等女学校生の代表的な愛唱歌であった。

 近藤朔風(1880〜1915)の訳詞は、明治40年発刊の「独唱名曲集」に収められている。なお、近藤朔風については「ジョスランの子守歌」を参照されたい。

夜の調べ
(Serenade)

作詞    Victor Marie Hugo
訳詞       近藤  朔風
作曲 Charles Francois Gounod
1.あわれ 床(ゆか)しき 歌の調べ
  夕べ 遙かに 胸に聞けば
  心は帰る 楽し昔
	ああ 歌えや 君よ
	永久(とわ)に歌え
	いざ 懐かし君 歌え
	歌え 歌え ああ 永久に

2.朝(あした) 綾なす 雲の如く
  君が 笑(え)まいの 浮かぶ見れば
  いつか 憂いの 影ぞ消ゆる
	ああ 笑(え)まずや 君よ
	またも またも
	いざ 懐かし君 笑めよ
	笑めよ 笑めよ ああ またも
3.夜半(よわ)に 艶(あで)なる 君が寝顔
  見れば 嬉し 幻(うつつ)か夢か
  似たり ほのかに 愛の君に
	ああ 眠れや 君よ
	眠れ 眠れ
	いざ 懐かし君 眠れ
	眠れ 眠れ ああ 君よ

 






1907年(明治40年)