逆 井 城 址 T

茨城県猿島町逆井城址公園内  




  逆井城址は後北条氏の支城の一つで、小田原城落城と共に廃城になりました。城跡は飯沼と

 その入り江(共に干拓されて田圃になっている)に突き出た丘の上にあり、本丸はその丘の先

 端で陸側は二重の堀に囲まれています。城址の遺構としては、公園内に本丸土塁(ほぼ完存)、

 内堀(同)、池、外堀の一部と本丸城門の跡などが残されています。さらに先に述べた半島状

 の丘の地形も、そのままに残されています。

  現在城址公園として整備された城内には、中世城郭風の二層櫓を始め、井楼矢倉、城主館、

 城門、城壁、橋、などが再建されています。詳しい資料が残っているわけではないので、個々

 の建物の復元については異論も出そうですが、全体として戦国時代の城の雰囲気を再現してい

 ると思います。

  城址の復元と言うと何がなんでも白亜の天守閣を建てる所が多い中で中世の城の姿を再現し

 た関東では唯一の城址です。それらは城址に興味がない人の目には地味に映るでしょうが、中

 世城郭をなるべく忠実に復元するという、他にはない貴重な試みで他の中世城址復元の先例と

 してもらいたい城址です。

  最後に、この城址を訪れるのなら田植えの頃が良いと思います。水の張られた水田越しに見

 る城址は、かつての広大な飯沼に浮かぶ要害の地にあった逆井城を彷彿とさせます。



  城址の全景


 左の森が本丸跡

その城址の左手に

飯沼が広がってい

た。また手前の水

田も飯沼の入り江

でした。





逆 井 城 址 U に、城址に復元された建物ほかの写真を掲載しています。





 一つ上 ”城の成り立ちについて

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