(前頁より)



大事な箇所は赤字で注意書きされている。たとえば「歩行者の安全」
のところを見よう。

「39 死亡したり重傷を負う歩行者の4分の3の人たちは、15歳以下
か60歳以上です。幼少の子供や老人たちはスピードをうまく判断でき
ません。だから、あなたがまさか道路に出てくると思わなくても、足を踏
み出すことがあるのです。
老人や子供、病弱者、盲人、身体障害者には道路を横断するために
十分な時間をあげなさい」

「40 学校の近くはゆっくり走り、スクール・バスに乗り降りしている子
供たちをよく見なさい。学校の横断補導員が『停まれ、子供がいる』と
の合図をしたときには、それに従い停車しなさい」

その次が、いかにも英国的で面白い。写真入りである。

「41 停車しているアイスクリーム売りの車の周りは用心しなさい。
(Be careful near a parked ice-cream van)
子供達は車の通行よりもアイスクリームに、もっと気をとられているから
です。
(Children are more interested in ice-cream than traffic)」

堅苦しい文部省のお役人や教育熱心な先生がたが吃驚するであろうが、
この国では校門の前に、帰宅する生徒を相手にアイスクリーム売りの車
が来る。
憶良氏の子供たちが通ったブルックランド小学校の校門前にもヴァンが
来ていて、子供を迎えに行った美絵夫人が、「校門の前で買い食いなど
いいのかしら」と仰天したものであった。




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