王室外交 アスコット

(前頁より)



この日はロイヤル・アスコット第三日目ハイライトのチャンピオン・デイ
である。プログラムをざっと見よう。
 
第1レース コーク・オレリイ賞   6ファーロングス(1320ヤード) 8000磅
第2レース ノーフォーク公爵賞  5ファーロングス(1100ヤード) 8000磅
第3レース 金杯ゴールド・カップ 2マイル半 (4000メートル)  25000磅
第4レース エドワード七世王賞 1マイル半  (2400メートル)  12000磅
第5レース チェッシャム賞     6ファーロングス(1320ヤード) 6000磅
第6レース ジョージ五世王賞   1マイル半 (2400メートル)   6000磅

強豪の四歳五歳馬が、2マイル半の長丁場を走る第3レース、賞金2万
5千ポンドのゴールド・カップが、ロイヤル・アスコットのメイン・レースで
あることは一目瞭然である。



エコノミック・アニマルの日本人は、「2万5千ポンドって、円にしてなん
ぼや?」
と聞いてくるであろう。
そして円貨額を聞いて、「なんだ、たったのそれっぽっちか。日本の天
皇賞に較べればたいした金額じゃないな」と、言いそうである。
だから憶良氏は、あえて換算をしない。

アスコット競馬には、競馬そのものを楽しむ伝統とともに、王室が国民
や海外からの国賓と親しむことが主目的で、賭けごとはおまけである。
だからこそ歴代の王や女王や王子たちは馬を持ってレースに出し、そ
の競争を国民や王室(ロイヤル・ファミリー)や国賓たちと楽しむのであ
る。



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