スリー・スコア・アンド・テン
(前頁より)


「70歳までまだ30年もありますね。あなた」(注:当時は若かった!)
「健康で働くとしても70までだよ。この国の会社法ではね、取締役は
原則として70歳まで、つまり、70歳前に引退する規定になっている
んだ」

「日本もそうなんですか?ご年配の方もいらっしゃるようですけど」
「日本の商法には取締役の年齢制限はない。だから80歳を越えた
会長や社長もいらっしゃるよ。財界の大物と言われている人たちは、
たいてい70歳以上だよ」

もともとキリスト教徒の国である。人生70年のコンセプトが、社会通
念として定着しているのだろう。



政治家を見ても、皆若い。たとえば労働党のウィルソン氏は、1963
年、弱冠47歳で党首に選ばれ、翌年48歳で労働党内閣の首相に
就任している。
ウィルソン氏に対する保守党党首ヒース氏は、1970年の総選挙で
労働党に勝ち、54歳で首相になっている。

憶良氏が帰国した後であるが、鉄の女サッチャー女史は、1979年
54歳で宰相となり1990年65歳で引退、47歳のメージャー氏を後
継者とした。

1997年労働党が勝利し、首相になったブレア氏は43歳である。


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