ローラーとバイオリン
アンドレイ・タルコフスキー監督/1960年作品
 アンドレイ・タルコフスキー監督が1960年に学校の卒業制作として作った46分の作品「ローラーとバイオリン」をBlu-rayで見た。

バイオリンを持って音楽教室に通うやや内向的な少年は、ややお高くとまって見えるのか、近所の少年達のいじめの的。ある日、いじめられていた少年は、家の前でローラーに乗って舗装工事をしている労働者の青年に助けてもらう。

これを機に、少年と青年は階級を超えて心を通わせ、少年はローラーに乗せてもらったり一緒に食事に連れて行ってもらいながら、労働者からさまざまなことを学ぶ。 同時に、労働者の青年は少年のバイオリンを聞いて、音楽の素晴らしさに感じ入る。

すっかり仲良くなった2人は、一緒に映画を観に行く約束をするのだが… 当時、ニューヨーク国際学生映画コンクールで1位を獲った本作には、廃墟や鏡や水、長回しなど後のタルコフスキー作品にも特徴的に現れる要素が見て取れる。

年齢や階級を超えた友情と、その限界の物語。
僕のお気に入り度
監督の原点を探るには良い作品ですが、普通に絶対見なきゃってほどでもないかな。ちょっと良い習作。



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