カスパー・ハウザーの謎
‪ヴェルナー・ヘルツォーク監督/1974年作品
 ヴェルナー・ヘルツォーク監督「カスパー・ハウザーの謎」を見ました。

 16歳くらいまで地下牢に幽閉されて育った主人公が、黒マントの男に連れ出され、ニュルンベルクの広場に置き去りにされる。初めて見る地下牢の外。そこに住む人々、そこにある世界。主人公は、やがて言葉を覚え、少しずつ世界との関わりを持ち始めるが、純粋な故に彼の眼で見ると世の中には不思議でヘンなことが多い。一方、この不可思議な主人公に、多くの人が好奇心から寄ってくる…

 謎に包まれた主人公が自分の過去を語る言葉を身につける前に、謎のまま人生の幕を閉じるまでの時間を描く、実話に基づいた物語。 ‪
 結構なトンデモ話なんですが、映画自体はとても静かなトーンで進む。その静けさの向こうにある嵐の音は、僕たちには聴こえない。‬
僕のお気に入り度
実に奇妙なテイストで、たまに見返したくなる一作です。



(C) Tadashi_Takezaki 2002