橋の上の娘
パトリス・ルコント監督/1998年作品


あらすじ

何をやってもうまくいかず人生をあきらめかけた娘アデルと、ナイフ投げの曲芸師ガボールは、人生に終止符を打とうとしたパリの橋の上で運命的に出会う。ガボールはアデルにナイフ投げの的になってほしいと頼み、それをアデルが受け入れることからふたりの不思議な物語が始まる……。

主な出演者
ヴァネッサ・パラディ / ダニエル・オートゥイユ


感想

 うわ〜、なんていうか、すっごく”官能的”な映画だ! いや、別にエッチする場面がっていうんじゃなくて、ナイフ投げのシーンがね、もうスゴイ! 的になる女性。彼女に向けてナイフを投げる男。 力一杯投げられたナイフが、女の皮膚をかすめるように強く突き刺さる。 ガン! ガン! ガン! ……そのナイフ投げのシーンの凄さったら、もう、筆舌に尽くしがたい。 いや、怖いんじゃなくて、色っぽいのだ。 こんな場面をこんなに官能的に撮れる監督は誰だ? と思ったら、やっぱパトリス・ルコント監督なんだよなぁ。「髪結いの亭主」で、なんで髪を切るシーンがこんなに色っぽく撮れるんだ? って目をみはったことがあった。あれと同じだ! 全編モノクロームの映像は、色がないことでなおいっそうふたりの間に存在するストイックな官能を際だたせる。生まれた瞬間、すでに”古典的名作”というたたずまいの作品である。 う〜ん、なんかとても衝撃的。
僕のお気に入り度
素晴らしく官能的な映画です。DVDで大切にとっておいて、ふと見返したくなるような作品!



(C) Tadashi_Takezaki 2002