アメリカン・ビューティー
サム・メンデス監督/1999年作品


あらすじ

郊外の新興住宅地に住むさえない中年男レスターは、仕事にも人生にも情熱を失い、ただ漫然と毎日を生きている。当然、夫婦仲は冷え切っており、そんな両親を嫌う娘はふたりと口をきこうともしない。そんなドン詰まりの毎日が続く中、レスターが娘の親友に恋をしたことから状況は一変! レスターが、妻が、娘が、家庭崩壊へ向けて走り始める……。

主な出演者
ケビン・スペイシー / アネット・ベニング / ソーラ・バーチ / ミーナ・スバーリ


感想

  前半、ちょっとコメディっぽく見せておきながら、実は現代社会に潜むさまざまな問題をひとつの家庭の崩壊というドラマで見せる非常に優れた作品。 夫婦を演じるケビン・スペイシーとアネット・ベニングは、もう文句なしの演技を見せてくれるし、物語の構成・テンポともに申し分ない。 実はシリアスな物語なのに、あまり悲壮感を漂わせずに見せてしまうのも見事。こんな悲惨な物語がどうしてこんなにすがすがしく見れてしまうのか!? こんなにも隙のない映画なんてすごい! 「アメリカン・ビューティー」は、僕がここ最近観た映画の中で最高の完成度といえる映画だ。何も文句のつけようがない。この前観た「マグノリア」より登場人物は少ないけど、「マグノリア」以上に巧妙に、複雑な人間ドラマをより一層深く描いていく。 「アメリカン・ビューティー」を観て初めて、「マグノリア」は確かに技術的に優れていたけど、深さがほんの少し足りなかったことに気づかされた。 大人な方には、間違いなくお勧めしたい素晴らしい映画です。
僕のお気に入り度
と、絶賛しているわけだからDVD買わないわけにはいきませんね! 早速買わせていただきます(笑)。



(C) Tadashi_Takezaki 2002