トリプルX
ロブ・コーエン監督/2002年作品


あらすじ

主人公ザンダーは、高い橋から車に乗って落下し、その車中から空中脱出するなど、命賭けの"Xゲーム’を中継し、裏社会に名をはせるカリスマ的存在。凶悪犯罪解決に犯罪者を使おうとする国家安全保障局NSAは、麻薬の売買や殺人をはじめ、悪の限りを尽くす犯罪集団"アナーキー99"を壊滅させるべく、そんなザンダーを強制的に潜入させる。ひょんなことから諜報員としてプラハへ渡るはめになったザンダーの運命やいかに……。

主な出演者
ヴィン・ディーゼル / アーシア・アルジェント / マートン・コーカス


感想

 ひとことで言えば、ハリウッドお得意の痛快アクションムービー。派手な仕掛けとわかりやすいストーリーで、いつか見たアクション大作のいろんなシーンをコラージュしたような映画がまた1本増えたわけ。でも、俳優も主人公の設定もストーリーも、今までのものと少しは差別化しなきゃいけない。で、そんな映画の主役に選ばれたのが新進気鋭のヴィン・ディーゼル。人が良さそうで、筋肉隆々な以外はまるでヒーローっぽくない主人公を嫌味なく演じている。主人公の設定にもひと工夫。エクストリーム・スポーツのカリスマということで、モトクロスバイクやスケボー、スノーボードを随所で使って大活躍。ただ、ストーリーの方はなかなか新味は出せていなくて、人の良さそうな主人公がいつのまにか凶悪な事件に巻き込まれ、結果的に大活躍をしてしまう展開は、まさに「ダイ・ハード」…ですね。すでに続編の製作も決定したということで、主演のヴィン・ディーゼルにとっては非常に大きな1歩だったと思います。苦言を呈するなら、エクストリーム・スポーツのカリスマが主人公という設定を活かしたアクションが面白いくて、見せ場もいっぱいある割に、ストーリーの奥深さには欠けていて(そのへんが「ダイ・ハード」との違い)、微妙に安っぽい感じが否めないこと(笑)。あと、話の後半で出てくるモノや仕掛けが妙にスケールが小さくなって尻すぼみになってしまうこと。ま、でも、「エンターテイメント・ムービー」を見ようと思って劇場に行けば、十分に楽しませてくれる映画です。最後に、非常に個人的な興味なのですが、この映画のヒロインを演じるアーシア・アルジェントって、「サスペリア」等の恐怖映画の監督として有名なダリオ・アルジェントの娘なんですよね。実は、そっちに興味があって僕はこの映画を観に行ったのですが、ちゃんとハリウッド映画のヒロインになっていて驚きました。父親のホラー映画にしか出演できないのでは…と心配してたんですけど(笑)。
僕のお気に入り度
劇場で1回観ればOKって感じですね。多分、DVDまでは買わないと思います。でも、アルジェント・コレクションの一環で買っちゃったりして(苦笑)。



(C) Tadashi_Takezaki 2002