バーバー
ジョエル・コーエン監督/2001年作品


あらすじ

1949年、北カリフォルニア。理髪店で働く無口な男・エドは、ある日、セールスマンに持ちかけられた新事業への出資金を作るため、自分の妻の不倫相手を脅迫することを思いつく。しかし、その脅迫が思いもよらぬ殺人事件を招く……。

主な出演者
ビリー・ボブ・ソーントン / フランシス・マクドーマンド / スカーレット・ヨハンソン / ジェームズ・ガンドルフィーニ


感想

 相変わらずこの監督らしいスタイリッシュで無駄のない映画なんですが、特にこの作品では主人公が自分の感情を一切交えず、起こったことだけを淡々と語りながら独白形式で物語が進むため、いつも以上にシャープでクールな仕上がりです。きっと、作者的には「おっ、完璧じゃん!」って思ってる作品なんじゃないかと、見ていて感じました(笑)。原題の『The Man Who Wasn't There』が何重にも意味を持っていて、しかも映画の本質をきちんと提示しているのが素晴らしい。また、そのタイトルにふさわしいビリー・ボブ・ソーントンの無表情な名演。非常によくできた"芸術品"のような映画だと思いました。人生、どうあがいても、なるようにしかならない……そんな無常観さえ感じさせる映画です。
僕のお気に入り度
DVDを買って見たのですが、後悔しない映画でした。人生を静かに達観したい時に見る映画かな?(笑)。



(C) Tadashi_Takezaki 2002