テキサスチェーンソー
マーカス・ニスベル監督/2003年作品


あらすじ

1973年8月18日。テキサスの田舎道をワゴン車で旅する5人の若者は、道の真ん中を放心状態で歩いている女性に出くわし、車内に乗せる。だが彼女は、突然「あそこへ戻さないで!」と叫んで錯乱し、股間に忍ばせた拳銃で自らの頭を撃ち抜いてしまう。自殺を目の当たりにした5人は、ともかく警察に通報しようと近隣の給油所に駆け込むが、保安官の返答は、近くの製粉所まで死体を運んでくるようにという奇妙なものだった。仕方なく製粉所に向かう5人。その目前に、想像を超えた惨劇が待ち構えているとも知らずに…。

主な出演者
ジェシカ・ビール / エリック・バルフォー / ジョナサン・タッカー


感想

 結論から言うと、「ここ10年のホラー映画の中で最高傑作」と言っていいほど素晴らしい出来の映画。ホラー映画仲間でも「歴代ホラー映画の名作リストに新しく加えたくなる大傑作だ!!」と非常に盛り上がりました。 製作は『アルマゲドン』『パール・ハーバー』などヒット作の製作や監督を務めたマイケル・ベイ。マイケル・ベイが関わったからって『テキサスチェーンソー』のよくわかんない宣伝文句(←「アルマゲドンのマイケル・ベイが贈る」みたいなヤツね!!)にしかならなさそうだが、今回この映画にお金を出してくれたことと、この素晴らしい映画を撮った監督マーカス・ニスベルを連れてきたことは絶賛せねばならない。 マーカス・ニスベル監督は映画を撮るのは初めてだが、CMとミュージック・ビデオで非常にたくさんの名作を手がけたという鬼才。今回の『テキサスチェーンソー』でもその才能を活かして、非常に美しい色調(照明効果含む)&カメラアングルでいわゆる「ホラー映画はB級」というイメージを覆す映像を見せてくれる。逆にこういう映像畑出身の監督が映画を撮ると美しいけど薄っぺらい映画ができることが多いのだが、本作は映像が果てしなく美しいだけにとどまらず、内容もドッシリとヘビー級の仕上がり。奇跡的な出来映えなのだ。 この映画、基本は1974に製作された『悪魔のいけにえ』のリメイクということになっているが、そういう意識で観ない方がトクだと思う。『悪魔のいけにえ』を知っていると、ついつい「ここが違う」「なぜあのエピソードが?」とか原作との違いを探しながら観てしまって、面白さが半減しちゃう。基本的にはまったくの別作品であり、かつ久々に素晴らしい出来のホラー映画なので素直に観て素直に興奮したい(笑)。 怖い映画はまったくダメって人には無理だろうけど、たまには怖い映画もちょっと見てみたいな〜とか思う人には自信を持ってオススメできる傑作です。海外版『ザ・リング』や『ブレア・ウィッチ』など足下にも及ばない"恐ろしさ"をぜひ体感してみてください!
僕のお気に入り度
これはもう大絶賛! 間違いなくDVD買います。文句なし(笑)。



(C) Tadashi_Takezaki 2004