スウィートノベンバー
パット・オコナー監督/2001年作品


あらすじ

サンフランシスコの一流広告会社で働くネルソン・モスは、「成功」の二文字しか頭にない仕事人間。そんな彼が、免許の更新に出かけた運転試験場で、風変わりな女性サラに出会う。ネルソンのせいで更新試験に落ちたサラは、彼に、自分のために車を運転するように強制し、盗みの片棒を担がせる。「冗談じゃない」と怒るネルソンに、サラは奇妙な提案をする。11月の1か月間だけ、サラの家で一緒に暮らさないか。その間はいっさい仕事をしてはいけない。「私、問題を抱えた男性を救う特殊能力があるの。あなたは重度の働きすぎで、何に対しても愛情がわかなくなってる」そう断言するサラに、「君みたいな変人に何ができるんだ?」と反論するネルソンだったが……。

主な出演者
キアヌ・リーブス / シャーリーズ・セロン / ジェイソン・アイザックス


感想

 音楽や映像が甘く美しい映画ではある。なにげなくサラッと見ておけばそれで良い映画かもしれない。シャーリーズ・セロンも魅力的だ。ただし、根本的な脚本の酷さはいかんともしがたい。出会いの偶然は良いとして、サラがネルソンの人格を一瞬で見抜く不思議。なんだかんだ言いながら、良く知らない同士で会ったその日に一緒に寝ている不思議。太陽のように元気いっぱいなサラが一瞬で病弱な人になってしまう不思議。そして、何と言っても無責任な結末。……シリアスな話に転化しておいて、どうやってしめくくるのかと思いきや、そんな風に終わっていいのか!? 結局は、仕事中毒な男の都合の良い恋の幻想みたいな映画でしかないことが、この映画の存在自体を悲しいものにさせている。
僕のお気に入り度
映画館でも見る気がせず、DVDも安くなるまで買う気がせず、ついに1500円になったので買ってきてみたのですが、イマイチでしたねぇ(苦笑)。



(C) Tadashi_Takezaki 2003