泌尿器科医・木村明の日記

木村顔

腎尿管結石・前立腺癌・肥大症の診断が得意な超音波専門医。


性感染症勉強会@ブリーズベイホテル


泌尿器科医会皮膚科医会で続けて行われた性感染症勉強会。泌尿器科医と皮膚科医の視点の違いが勉強になったので、昨日の産婦人科医会主催の性感染症勉強会にも出席しました。

石打からの帰りの新幹線の中でも、勉強にするか、鞍馬天狗にするか、東京駅について東海道線に乗るまで迷っていました。

東海道線乗り場を見落として山手線乗り場に着いたら鞍馬天狗、と思っていたのですが、東海道線乗り場は新幹線改札口のすぐそばでした。

男性の診療にあたる泌尿器科医はCSW(コマーシャルセックスワーカー)を加害者のように思ってしまいますが、昨日の講師の先生は、CSWたちの定期健診も担当している先生で、最初は陰性だったCSWのクラミジア検査があるとき陽性になる、というデータを示しておられました。

こういうデータを見せられると、お客が加害者なんだ、と思いました。

女性ではクラミジアは膣炎の症状は起こさず、無症状なまま本人は気づかずに男性にうつす、とされていますが、激烈な腹膜炎を起こすこともあります。

腹膜炎で緊急手術したらクラミジアと判明、術前にクラミジアの検査がされていなかったことが問題となる例の話を聞きました。

産婦人科は訴訟と隣り合わせの科だな、と改めて認識、少しぐらい診療報酬を上乗せしても、産婦人科に入局する医師が増えそうにない、と思いました。

しかし、妻が緊急手術になったのは、その数ヶ月前に夫を診察した泌尿器科医がクラミジアを見落としたから、と訴えられる時代が来るかもしれません。

昨日の講師の先生も、大学勤務時代は感染症の専門家ではありませんでしたが、開業してから性感染症について統計をしっかり取り、今ではこの方面の専門家です。

開業すれば、そこに多く来る患者さんのことを勉強しなければならないわけで、特に性感染症については泌尿器科学会だけでなく、他の科の先生の話を聞くのが有効だと思いました。

ヘルペスの患者さんから生まれた新生児ヘルペスのスライドも印象的でした。産婦人科医は小児科医より先に新生児を見るんだったなあ、大変な科だなあ、と関心してしまいました。

懇親会では、りつ先生、センター南の産婦人科医お二人と歓談してきました。横浜市産婦人科医会と横浜市泌尿器科医会の合同の会のはずでしたが、横浜市泌尿器科医会の幹事の先生たちは見かけませんでした。
木村明の日記
2008年2月22日