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皮下をターゲットにしたレーザー&ナローバンドUVB


午前中に水疱症のセッションと母斑のセッションを聞いた後は、ランチョンセミナー。幕の内弁当を食べながら、外来診療で使用する機械の説明を聞きます。

レーザー装置の説明をするのはレーザーを使ってはいるが、レーザーについて講演を頼まれる事に慣れていない、と自分でおっしゃる先生。

確かに皮膚科のレーザーの話なら、その道のプロ(レーザーと爪白癬のプロ)が別にいます。その先生が書いた本から取った図を使いながらの説明は会場にその先生がいるのでやりにくそうでした。

レーザー光の特徴の一つに位相がそろっているので束が広がらない事がありますが、この性質は医用機器ではあまり生かされることがありません。レーザー発生装置では位相は揃っているのですが、人体まで導くのにガラスファイバーを使うので、そこで何度も反射しているうちに位相が乱れるのです。

ファイバーの先から出てくるレーザーの光束は収束せず拡散します。ですから、レーザーの残り二つ(単一波長、短いパルス幅にエネルギーを集中)の特徴だけが今までは利用されていました。

目新しかったのは、ドクターMがデモしてもらった(すでに購入?)とブログに書かれた装置。レーザーが細い光線として発射できる事を利用して、表皮のダメージを少なくしたまま皮下組織を熱変性させ、皮下のたるみを直す装置です。


こんな感じです。表皮細胞をわずかしか犠牲にせずその奥を暖めるのは、光よりラジオ波(RF)が得意ですが、この装置の開発者はピンポイントの光にできるレーザーの特徴を見事に生かしています。

尋常性白斑や尋常性乾癬に使うナローバンドUVB(紫外線)の説明をされた先生も、会長から指名されてから勉強したとおっしゃる先生でした。今回の会長は、人を煽てて仕事をさせるのが得意な先生のようです。

懇親会のバンドに登場した教授たちの演奏もそこそこでしたから。この会長から頼まれたのでなければ、舞台に上がるのを拒否するだろう、というレベルの教授もいました。

でも、普段から、レーザーや紫外線の装置の説明に慣れている先生が話すより、分かりやすい点もありました。

ただ、レーザーの装置の説明をした先生は、業者の説明を信じて、パルス幅を変えられる装置ができた、と説明されましたが、フロアで聞いていたその道のプロが最後に立ち上がり、「業者はパルス幅が変えられると説明していますが、パルス幅は変えられない。連続発射するモードがあって、長いパルスを当てたのと同等になるだけだ。」と、追加発言をしてくれました。

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