XYZ Rehearsals

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Venue : Unknown Date : 1981 Source : Stereo-Soundboard Total Time : 22min Generation : 4th Gen. Tape Speed : Normal Quality : Excellent
XYZ STORY  YESは1980年8月から12月まで、アルバム"DRAMA"のTourを敢行しましたが、1981年に入って  事実上の解散状態となりました。  Steve Howe (Gt.)とGeoff Downs (Key.)は、元ELPのCarl Palmer (Dr.)/元UKのJohn Wetton  (Bs.)と"ASIA"を結成。そしてChris Squire (Bs.)とAlan White (Dr.)は....  なんと、我がマエストロ、Jimmy Pageとグループ結成を模索!  そのバンド名が"XYZ"なのです。  eX Yes, ZeppelinでXYZ。出来過ぎの名前です。  史実としては、このスーパーグループの手による音源はリリースされず、代わりに世に出たの  は1981年12月、ChrisとAlanのユニット名義によるシングル盤 "RUN WITH THE FOX"でした。  その後、Jimmyは1982年3月、映画 "DEATH WISH II"のサントラ盤を発表。これが元ZEPPのメン  バーによるSolo活動の第一弾となりました。  YES組の二人は、1982年にTrever Ravin (Gt.)/元YESのTony Kaye (Key)と"CINEMA"を結成。  1983年にはJohn Andersonが参加して"90125-YES"に至りました。  "XYZ"...... このバンドの存在については再三Chrisの口から語られており、「デモテープ  を所有している」と公言していました。ただし、当然ながら音源は出回っておらず、そのサウン  ドがいかなるものだったか、長い間秘密のヴェールに包まれていました。  また、その活動時期も明らかではありませんが、上記の史実より、1981年前半と推測されます。
ABOUT THE SOURCE  で、ホントに唐突に、XYZの音源が流出してしまいました。  スタジオ・リハーサル音源であり、当然ながらステレオ/ライン録音です。  ZEPPのリハーサル音源は一発録音ものが多いですが、この音源は楽器やコーラスを後からダビ  ングした「本格的な」デモテープ仕立てになっています。  4thとまぁまぁのLow Generationですが、一部、テープの損傷と思われる音切れがあります。  出所はどうもChrisのところのようです。YESはやたらデモテープの類が流出しますが、これも  その手のひとつではないでしょうか? でも、「何で今頃?」って感じです。  とにかく、こんな音源です。
SONGLIST AND REPORT 1. Instrumental #1 [4分49秒]   7拍子の変則リズム曲。Bassはひたすらリフを刻み、Guitarがストロークで絡んでいます。   YESのUNION TOUR(1991/1992)におけるBill BrufordとAlan WhiteのTwin Drums Soloで   同様のリズムが用いられていました。バタバタしたタムの音は、もろAlan Whiteです。   Guitar Soloは無し。所々で現れる装飾音の「こねくり回す」感じが、そこはかとなくJimmy   らしさを感じさせます。   終盤に、唸るような重低音とポルタメントの効いたシンセブラスがオーバーダビングされて   います。    --> RealAudio file Download [62KB//31秒抜粋] 2. Instrumental #2 [4分1秒]   なんと!この曲は、1986年に発表されたTHE FIRMの2nd Album "MEAN BUSINESS"の1曲め、   "FORTUNE HUNTER"そのものです。Vocalが無いだけで、8拍子の軽快なサウンドはほぼその   ままです。   THE FIRM版はJimmyのGuitarが目立っていますが、ここではクリス・スクワイヤのゴリゴリ   したBassのリフの方が前に出ています。   サビ(?)でスローになるあたりは若干"CAROUSELAMBRA"っぽい雰囲気があります。   Guitarが3本ほど重ねて録音されています。中盤でGuitar Soloあり。トレブリーな音質での   速いフレーズです。    --> RealAudio file Download [186KB//1分32秒抜粋] 3. Unknown Song #1 ("And Do You Believe It?") [4分42秒]   クリスがVocal。Drums/Bass/Guitarの他、アコピがフィーチャーされています。   ミディアムテンポのメロ〜な曲。   中盤のGuitar Soloはストリングベンダーによると思われるフレーズがあり。おそらくローズ   ウッドのベンダー付きテレキャスターだと思います。    --> RealAudio file Download [556KB//4分38秒フル収録] 4. Unknown Song #2 ("Telephone Secret") [7分36秒]   ミディアムテンポで脳天気なムードの曲。   サビではおそらくクリスによる多重コーラスが聴けます。      中盤以降にリズムが変わる部分がありますが、これはYESそのものの雰囲気。フランジャーを   深くかけたBassは、クリスの十八番"THE FISH"の出だしを彷彿させます。   ここで聴けるGuitarは基本的にBassのユニゾンであり、Jimmyらしさはあまり感じられません。   (むしろスティーブ・ハウっぽい、というのは乱暴?)   最後にベンダー技が一発あるのが、この曲での唯一の主張でしょうか。    --> RealAudio file Download [138KB//1分9秒抜粋]
IMPRESSION  最初聴いた時には、正直言って「なんて地味なサウンドなんだ!」と思いました。  同時期にブレイクしたASIAや後の90125-YESに比べると、キャッチーな部分は殆どなし。  何より、我がJimmyの演奏が殆ど目立たないのに、苛立ちさえ覚えた次第です。    しかし、2曲めのインストがTHE FIRMの曲であることが判明し(お馴染みYas師匠のおかげ)、  その「完成版」と比較した瞬間、目からウロコ状態でした。  「完成版」は当然ながら、見事にJimmy Pageのサウンドでした。リフに絡めて様々な装飾音を  施し、緻密な音作りが展開され、そこにはYESの匂いは微塵もありませんでした。  私が再確認したのは、本音源はあくまでデモテープに過ぎない、という事実です。  アルバム作りのためのスケッチであれば、過度な作り込みはかえってアルバム製作時のインス  ピレーションの妨げになるでしょう。  Jimmyの演奏がこの音源で精彩に欠けるのは、YES組の二人と技量を競うつもりはさらさらなく、  新しいサウンドをキャンバスにデッサンすることにひたすら徹していたからではないでしょう  か?  現時点では、この音源に関する詳しい情報はなく、全ては想像の域を越えません。  これから時間をかけて、少しずつ真実が明らかになってくれることを期待します。  ちなみに、()内はサビの歌詞から私が勝手に想像したタイトルです。  将来ブートが出た時、同じタイトルだったら笑って下さい。  ●RealAudio Playerは、以下のサイトでダウンロード可能です。 --> http://www.real.com/products/player/playerdl.html
--- Special Thanks to Mr. Shoji Yamada / Mr. Yas --

XYZ補足情報(10/21/97)  米国のZEPP-Fanzineである"ZOSO"誌1991年9月号に、「YESに何度かInterviewしたことがある」  Denny Sowmack氏というヒトによるChris Squireの談話が掲載されていました。これによると、  「Jimmyと僕とAlanは、ZEPPが解散した後、実際に曲をレコーディングした。これは、アルバム   を作り、できればTourもやろうという目的を持って行った」と語ったそうです。  レコーディングはChrisの家で行ったそうですが、「マネージメント上の問題で」このProject  は座礁したとのこと。  ZEPPのマネージャーだったPeter Grantがこの当時もJimmyのマネージメントを行っていたよう  で、彼はChrisの家に赴き、「Chrisの手にタバコの火を押し付け」、XYZの録音テープを没収  して行ったという....。  いかにもありそうな話ですね。  この話がホントだとすると、XYZ音源のマスターテープは現存しない可能性が大でしょう。  参加者の誰かが持っていたコピーテープが、今回の流出音源の「マスター」なのでしょうか?  ちなみに"XYZ"というのが当時ホントに考えられていたグループ名なのか知りたいところです  が、この談話では「Chrisが何と呼んでいたか」についてまでは言及されていませんでした。  謎は、依然として謎です。  ちなみにこのDenny氏は、Beatlesの「Ticket to Ride」なる本の著者とのこと。裏は取って  いません。
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