回路シミュレーターを用いて、半田ごてで実際に電源回路を作らなくても、パソコン上で電源回路の動作を見ることが出来ます。本書に収録してあるTINAという回路シミュレーターは、なかなか使いやすくて、また使っていてとても面白い回路シミュレーターです。とくにインタラクティブモードは使っていて非常に便利です。

DCDCコンバーターだけでなく、AC100Vの商用電源から、低圧の安定した直流電圧を作るという、電源回路の基本全般を網羅して記述しました。

電源は制御回路であることを念頭に、制御のブロック図を元に電源が組み立てられていることを説明しました。ですから、この大切な制御という概念についても一つの章をさいて説明してあります。

この、電源が制御回路であることがわかると、世にて出ているスイッチング電源用コントローラーICなどの内部構成図をみるだけで、電源回路が作れるようになり、むしろ制御を安定化させるためにどうすれば良いのかというテクニックが必要になっきます。

本書で登場する電源回路は、制御を主体に安定化した出力を出すということを前面に出していますから、保護回路などは登場していません。これは、電源回路の動作を理解すれば、保護回路などは後から学びやすいであろうということから、まず電源の動作を主体にしたためです。

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